JP2864271B2 - 塩素化ピリジンの製造方法と製造用光反応装置 - Google Patents
塩素化ピリジンの製造方法と製造用光反応装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ピリジンを光塩素化して塩素化ピリジン、
特に2,6−ジクロロピリジンを効率良く得るための方法
と、その方法を実施する光反応装置に関する。
特に2,6−ジクロロピリジンを効率良く得るための方法
と、その方法を実施する光反応装置に関する。
(従来の技術) ピリジンを気相下に光塩素化することで、医薬および
農薬の原料等として有用な2,6−ジクロロピリジンを得
る方法は従来より数多く知られている。その中で代表的
な方法は、反応器内に光源を備え、反応原料を導入する
ための導入口を上部に備えた通常の光反応装置を用い
て、ピリジンと塩素を四塩化炭素及び/又は水等を希釈
剤とし、140〜220℃の気相下で連続的に反応を行う方法
(特公昭55−4742号公報、特公昭55−4744号公報等参
照)である。
農薬の原料等として有用な2,6−ジクロロピリジンを得
る方法は従来より数多く知られている。その中で代表的
な方法は、反応器内に光源を備え、反応原料を導入する
ための導入口を上部に備えた通常の光反応装置を用い
て、ピリジンと塩素を四塩化炭素及び/又は水等を希釈
剤とし、140〜220℃の気相下で連続的に反応を行う方法
(特公昭55−4742号公報、特公昭55−4744号公報等参
照)である。
(発明が解決しようとする課題) ピリジンを光塩素化する反応は、ピリジンから2−ク
ロロピリジン、さらに2−クロロピリジンから2,6−ジ
クロロピリジンへと逐次的に進むため、常に2−クロロ
ピリジンと2,6−ジクロロピリジンとを併せて生成する
結果となる。この場合、2−クロロピリジンと、2,6−
ジクロロピリジンの収率は反応温度、希釈剤の量、反応
原料の反応器内での滞留時間等によっても左右される
が、両者の生成量は反応器に導入するピリジンと塩素の
モル比により大きく影響される。
ロロピリジン、さらに2−クロロピリジンから2,6−ジ
クロロピリジンへと逐次的に進むため、常に2−クロロ
ピリジンと2,6−ジクロロピリジンとを併せて生成する
結果となる。この場合、2−クロロピリジンと、2,6−
ジクロロピリジンの収率は反応温度、希釈剤の量、反応
原料の反応器内での滞留時間等によっても左右される
が、両者の生成量は反応器に導入するピリジンと塩素の
モル比により大きく影響される。
そのため、通常の光反応装置を用いた従来の方法で2,
6−ジクロロピリジンを高い比率で得るためには、塩素
を過剰に用いることが必要であった。
6−ジクロロピリジンを高い比率で得るためには、塩素
を過剰に用いることが必要であった。
しかし、その過剰の塩素は有効に利用されず未反応で
反応系外へ出てしまうため経済的に不利となる。
反応系外へ出てしまうため経済的に不利となる。
従って、工業的に有利に2,6−ジクロロピリジンを得
るためにはピリジンおよび塩素の転化率を、なかんずく
回収の困難な塩素の転化率を高く保ち、同時に高い選択
率で2,6−ジクロロピリジンを製造することが望まれ
る。
るためにはピリジンおよび塩素の転化率を、なかんずく
回収の困難な塩素の転化率を高く保ち、同時に高い選択
率で2,6−ジクロロピリジンを製造することが望まれ
る。
(課題を解決するための手段) 本発明は、上記従来技術の課題を解決できる塩素化ピ
リジンの製造方法と製造用光反応装置とを提供するもの
である。
リジンの製造方法と製造用光反応装置とを提供するもの
である。
その製造方法の特徴とするところは、光反応装置に仕
込んだピリジンと塩素とを気相下に反応させて塩素化ピ
リジンを得るに際し、光反応装置内で塩素を流動させる
と共に、この塩素流動方向に沿う相異なる複数位置から
ピリジンを光反応装置に仕込む点にある。
込んだピリジンと塩素とを気相下に反応させて塩素化ピ
リジンを得るに際し、光反応装置内で塩素を流動させる
と共に、この塩素流動方向に沿う相異なる複数位置から
ピリジンを光反応装置に仕込む点にある。
その製造用光反応装置の特徴とするところは、ピリジ
ンの仕込口と塩素の仕込口とを備えた塩素化ピリジン製
造用光反応装置において、前記ピリジン仕込口が、塩素
仕込口から仕込まれて下方に向けて流動する塩素の流れ
に沿うように、上下複数位置に設けられている点にあ
る。
ンの仕込口と塩素の仕込口とを備えた塩素化ピリジン製
造用光反応装置において、前記ピリジン仕込口が、塩素
仕込口から仕込まれて下方に向けて流動する塩素の流れ
に沿うように、上下複数位置に設けられている点にあ
る。
本発明による塩素化ピリジンの製造において、塩素の
流動方向は鉛直下向である必要はないが、液状物の流れ
を考慮すると、鉛直下向または斜め下向が好適である。
流動方向は鉛直下向である必要はないが、液状物の流れ
を考慮すると、鉛直下向または斜め下向が好適である。
本発明で用いる光反応装置の光源は塩素分子をラジカ
ルに開裂させ得るものであれば良く、例えば高圧水銀灯
が用いられる。
ルに開裂させ得るものであれば良く、例えば高圧水銀灯
が用いられる。
また、反応温度は140℃〜220℃の範囲が副反応物の生
成が少なく、反応装置の耐熱性等の問題がなく好まし
い。
成が少なく、反応装置の耐熱性等の問題がなく好まし
い。
反応に関与するガスの反応装置内での滞留時間は一般
に5秒〜60秒が好ましい。
に5秒〜60秒が好ましい。
仕込みのピリジンは、そのままで、又は希釈剤で希釈
して仕込むが、各仕込位置からの仕込量は均等であって
も良いし不均等であっても良い。しかし、2,6−ジクロ
ロピリジンの選択率を高めるためには、上流側で仕込む
ピリジンの量を下流側で仕込む量よりも多くするのが好
ましい場合もある。
して仕込むが、各仕込位置からの仕込量は均等であって
も良いし不均等であっても良い。しかし、2,6−ジクロ
ロピリジンの選択率を高めるためには、上流側で仕込む
ピリジンの量を下流側で仕込む量よりも多くするのが好
ましい場合もある。
反応にはハロゲン化炭化水素、水等を希釈剤として用
いることが出来るが、なかでも水の使用は、ハロゲン化
炭化水素を希釈剤として用いた場合にしばしば見られた
副生物の生成がないことから好ましい。
いることが出来るが、なかでも水の使用は、ハロゲン化
炭化水素を希釈剤として用いた場合にしばしば見られた
副生物の生成がないことから好ましい。
反応時のピリジン/塩素/希釈剤のモル比は特に限定
されないが、1/0.5〜3.0/1〜20の範囲での使用が好結果
が得られる。使用する希釈剤のモル比は2,6−ジクロロ
ピリジンの生産性を向上させる見地から少ない方が好ま
しいが、希釈剤の量が少ないと反応熱の除去が困難とな
り、逆に多すぎると反応速度が遅くなる。水を希釈剤と
して用いる場合、水および/またはピリジンの一部また
は全部を液状微粒子として仕込むと反応温度の過度の上
昇を防止することができるので好適である。
されないが、1/0.5〜3.0/1〜20の範囲での使用が好結果
が得られる。使用する希釈剤のモル比は2,6−ジクロロ
ピリジンの生産性を向上させる見地から少ない方が好ま
しいが、希釈剤の量が少ないと反応熱の除去が困難とな
り、逆に多すぎると反応速度が遅くなる。水を希釈剤と
して用いる場合、水および/またはピリジンの一部また
は全部を液状微粒子として仕込むと反応温度の過度の上
昇を防止することができるので好適である。
ピリジンの仕込み箇所の数は特に限定されないが、通
常2〜4箇所から仕込むと好結果が得られる。
常2〜4箇所から仕込むと好結果が得られる。
なお、最終的に反応により得られる生成物は凝縮して
液状とし、受器に貯めるようにするのが良い。
液状とし、受器に貯めるようにするのが良い。
(作 用) 本発明による塩素化ピリジンの製造方法においては、
光反応装置内で流動する塩素に対し、塩素流動方向に沿
う相異なる複数位置からピリジンが仕込まれるため、上
流位置から仕込まれたピリジンは高濃度の塩素と接触
し、反応の結果の生成物は2,6−ジクロロピリジンが主
たる物となる。一方、下流位置から仕込まれたピリジン
は上流側より低濃度の塩素と接触し、反応の結果の生成
物は2−クロロピリジンが上流側よりも多くなるが、塩
素の転化率を高めることができる。
光反応装置内で流動する塩素に対し、塩素流動方向に沿
う相異なる複数位置からピリジンが仕込まれるため、上
流位置から仕込まれたピリジンは高濃度の塩素と接触
し、反応の結果の生成物は2,6−ジクロロピリジンが主
たる物となる。一方、下流位置から仕込まれたピリジン
は上流側より低濃度の塩素と接触し、反応の結果の生成
物は2−クロロピリジンが上流側よりも多くなるが、塩
素の転化率を高めることができる。
すなわち、塩素とピリジンと一括して光反応装置に仕
込むのに比べ、本発明方法によれば、上流位置ではピリ
ジンに対し塩素濃度が高くなり、2,6−ジクロロピリジ
ンの選択率を高めることで反応系全体の2,6−ジクロロ
ピリジンの選択率を高めることができる。
込むのに比べ、本発明方法によれば、上流位置ではピリ
ジンに対し塩素濃度が高くなり、2,6−ジクロロピリジ
ンの選択率を高めることで反応系全体の2,6−ジクロロ
ピリジンの選択率を高めることができる。
また、塩素とピリジンとを一括して光反応装置に仕込
むものに比べ、下流位置ではピリジンに対し塩素濃度が
低くなり、塩素の転化率を高めることで反応系全体の塩
素の転化率を高めることができる。
むものに比べ、下流位置ではピリジンに対し塩素濃度が
低くなり、塩素の転化率を高めることで反応系全体の塩
素の転化率を高めることができる。
本発明による塩素化ピリジンの製造用光反応装置によ
れば、本発明による塩素化ピリジンの製造方法を容易に
実施できるものである。
れば、本発明による塩素化ピリジンの製造方法を容易に
実施できるものである。
すなわち、塩素仕込口から塩素を仕込み、上下複数位
置のピリジン仕込口をそれぞれからピリジンを仕込め
ば、塩素は上方から下方に向けて流動し、比較的上方位
置から仕込まれたピリジンは高濃度の塩素と接触し、比
較的下方位置から仕込まれたピリジンは低濃度の塩素と
接触する。これにより、2,6−ジクロロピリジンの選択
率を高め、かつ、塩素の転化率を高めることができる。
置のピリジン仕込口をそれぞれからピリジンを仕込め
ば、塩素は上方から下方に向けて流動し、比較的上方位
置から仕込まれたピリジンは高濃度の塩素と接触し、比
較的下方位置から仕込まれたピリジンは低濃度の塩素と
接触する。これにより、2,6−ジクロロピリジンの選択
率を高め、かつ、塩素の転化率を高めることができる。
(発明の効果) 本発明による塩素化ピリジンの製造方法によれば、従
来の製造方法に比べ、はるかに高い塩素の転化率と高い
選択率で2,6−ジクロロピリジンが得られる。
来の製造方法に比べ、はるかに高い塩素の転化率と高い
選択率で2,6−ジクロロピリジンが得られる。
また、本発明による塩素化ピリジンの製造用光反応装
置によれば、上記本発明による塩素化ピリジンの製造方
法を容易に実施できる。
置によれば、上記本発明による塩素化ピリジンの製造方
法を容易に実施できる。
(実施例1) 第1図に本実施例に係る光反応装置1の概略構成を示
す。
す。
これは、容積2.5リットルの円筒形二重管式ガラス製
の反応器2を3個垂直方向に直列につないだものであ
る。各反応器2には図外温度計及び中央に光源冷却管8
を起き、反応器2のほぼ中央に高圧水銀灯3を固定し
た。
の反応器2を3個垂直方向に直列につないだものであ
る。各反応器2には図外温度計及び中央に光源冷却管8
を起き、反応器2のほぼ中央に高圧水銀灯3を固定し
た。
また、最上方の反応器2の上面には塩素の吹込管4、
及びピリジンと水の混合物の導入管5を接続した。中央
及び最下方の反応器2の上面には上方側の反応器2の底
部からの反応ガスの流入管6を接続し、側面にはピリジ
ンの導入管7を接続した。最下方の反応器2の底部には
図外冷却器を取り付けた1リットル四つ口フラスコを受
器として置き、未凝縮ガスは冷却器を通してアルカリ水
溶液に吸収させるようにした。
及びピリジンと水の混合物の導入管5を接続した。中央
及び最下方の反応器2の上面には上方側の反応器2の底
部からの反応ガスの流入管6を接続し、側面にはピリジ
ンの導入管7を接続した。最下方の反応器2の底部には
図外冷却器を取り付けた1リットル四つ口フラスコを受
器として置き、未凝縮ガスは冷却器を通してアルカリ水
溶液に吸収させるようにした。
まず、各反応器2の二重管部に油を循環させ、図外の
油浴で加熱し、反応器2内の温度を130℃に昇温させ
た。
油浴で加熱し、反応器2内の温度を130℃に昇温させ
た。
ついで、ピリジンと水の混合物(モル比、ピリジン:
水=0.33:7)を図外気化器を経て最上方の反応器に346.
4g/Hで導入したのち、全反応器の光源を点灯した。
水=0.33:7)を図外気化器を経て最上方の反応器に346.
4g/Hで導入したのち、全反応器の光源を点灯した。
続いて、塩素を242.3g/Hで通気して反応を開始する
と、反応器内温度は170℃まで昇温した。
と、反応器内温度は170℃まで昇温した。
その後、中央及び最下方の反応器2に気化器を経てピ
リジンを各々59.8g/Hで導入し、三つの反応器2に導入
したピリジンの合計と最上方の反応器に導入した塩素、
水とのモル比が1:1.5:7になるようにした。また、各反
応器での平均滞留時間は25秒〜35秒になるようにした。
リジンを各々59.8g/Hで導入し、三つの反応器2に導入
したピリジンの合計と最上方の反応器に導入した塩素、
水とのモル比が1:1.5:7になるようにした。また、各反
応器での平均滞留時間は25秒〜35秒になるようにした。
反応終了後、受器内の反応液を分析し、1時間当たり
の生成量に換算すると、2−クロロピリジン58.8g/H、
2,6−ジクロロピリジン202.7g/H、及び未反応ピリジン2
6.7g/Hを含んでいた。2−クロロピリジンの選択率は2
6.8%であり、2,6−ジクロロピリジンの選択率は70.9%
であった。また、ピリジンの塩素化に使われた塩素は反
応に用いた塩素の95.6%であった。
の生成量に換算すると、2−クロロピリジン58.8g/H、
2,6−ジクロロピリジン202.7g/H、及び未反応ピリジン2
6.7g/Hを含んでいた。2−クロロピリジンの選択率は2
6.8%であり、2,6−ジクロロピリジンの選択率は70.9%
であった。また、ピリジンの塩素化に使われた塩素は反
応に用いた塩素の95.6%であった。
(実施例2) 実施例1で用いた容積2.5リットルの反応器を2個垂
直方向に直列につなぎ、上方の反応器にピリジンと水の
混合物(モル比、ピリジン:水=0.5:7)を246.3g/H、
塩素を158.5g/H、第二の反応器にピリジンを58.3g/H導
入し、各反応器での平均滞留時間を15秒〜25秒とした以
外は実施例1と同様にして反応を行なった。
直方向に直列につなぎ、上方の反応器にピリジンと水の
混合物(モル比、ピリジン:水=0.5:7)を246.3g/H、
塩素を158.5g/H、第二の反応器にピリジンを58.3g/H導
入し、各反応器での平均滞留時間を15秒〜25秒とした以
外は実施例1と同様にして反応を行なった。
反応終了後、受器内の反応液を分析し、1時間当たり
の生成量に換算すると、2−クロロピリジン42.6g/H、
2,6−ジクロロピリジン132.8g/H、及び未反応ピリジン1
4.7g/Hを含んでいた。2−クロロピリジンの選択率は2
8.8%であり、2,6−ジクロロピリジンの選択率は68.9%
であった。また、ピリジンの塩素化に使われた塩素は反
応に用いた塩素の97.2%であった。
の生成量に換算すると、2−クロロピリジン42.6g/H、
2,6−ジクロロピリジン132.8g/H、及び未反応ピリジン1
4.7g/Hを含んでいた。2−クロロピリジンの選択率は2
8.8%であり、2,6−ジクロロピリジンの選択率は68.9%
であった。また、ピリジンの塩素化に使われた塩素は反
応に用いた塩素の97.2%であった。
(実施例3) 第2図に、本実施例に係る光反応装置1の概略構成を
示す。
示す。
これは、容積7.5リットルの単一の円筒形ガラス製反
応器2を図外リボンヒーターにより被覆し、この反応器
2の上面に塩素の吹込管4とピリジンと水の混合物の導
入管5を接続したものである。また、反応器2の内部の
上、中、下部3位置には光源冷却管8と光源3とを備え
ている。各光源3の上下間2位置には、反応器2の側面
からピリジンの導入管7が接続されている。なお、反応
器2の上面と側面のピリジン導入位置には図外温度計が
備えられている。また、反応器2のすぐ下に冷却器を取
り付けた図外1リットル四つ口フラスコを受器として置
き、未凝縮ガスは冷却器を通してアルカリ水溶液に吸収
させるようにした。
応器2を図外リボンヒーターにより被覆し、この反応器
2の上面に塩素の吹込管4とピリジンと水の混合物の導
入管5を接続したものである。また、反応器2の内部の
上、中、下部3位置には光源冷却管8と光源3とを備え
ている。各光源3の上下間2位置には、反応器2の側面
からピリジンの導入管7が接続されている。なお、反応
器2の上面と側面のピリジン導入位置には図外温度計が
備えられている。また、反応器2のすぐ下に冷却器を取
り付けた図外1リットル四つ口フラスコを受器として置
き、未凝縮ガスは冷却器を通してアルカリ水溶液に吸収
させるようにした。
まず、リボンヒーターを用いて反応器2内の温度を13
0℃に昇温させた。ついでピリジンと水の混合物(モル
比、ピリジン;水=0.33:7)を導入管5を経て反応器2
の上面より346.4g/Hで導入したのち反応器2の3つの光
源3を点灯した。続いて塩素を242.3g/Hで通気して反応
を開始すると、器内上部温度は170℃まで昇温した。そ
の後、反応器2の側面の2カ所の導入管7より気化させ
たピリジンを各々59.8g/Hで導入し、ピリジン、塩素、
水の合計のモル比が1:1.5:7になるようにした。また、
反応器での平均滞留時間は50秒〜60秒とした 反応終了後、受器内の反応液を分析し、1時間当たり
の生成量に換算すると、2−クロロピリジン70.1g/H、
2,6−ジクロロピリジン205.4g/H、及び未反応ピリジン2
1.9g/Hを含んでいた。2−クロロピリジンの選択率は3
1.0%であり、2,6−ジクロロピリジンの選択率は66.7%
であった。また、ピリジンの塩素化に使われた塩素は反
応に用いた塩素の96.3%であった。
0℃に昇温させた。ついでピリジンと水の混合物(モル
比、ピリジン;水=0.33:7)を導入管5を経て反応器2
の上面より346.4g/Hで導入したのち反応器2の3つの光
源3を点灯した。続いて塩素を242.3g/Hで通気して反応
を開始すると、器内上部温度は170℃まで昇温した。そ
の後、反応器2の側面の2カ所の導入管7より気化させ
たピリジンを各々59.8g/Hで導入し、ピリジン、塩素、
水の合計のモル比が1:1.5:7になるようにした。また、
反応器での平均滞留時間は50秒〜60秒とした 反応終了後、受器内の反応液を分析し、1時間当たり
の生成量に換算すると、2−クロロピリジン70.1g/H、
2,6−ジクロロピリジン205.4g/H、及び未反応ピリジン2
1.9g/Hを含んでいた。2−クロロピリジンの選択率は3
1.0%であり、2,6−ジクロロピリジンの選択率は66.7%
であった。また、ピリジンの塩素化に使われた塩素は反
応に用いた塩素の96.3%であった。
(比較例1) 実施例1で用いた容積2.5リットルの反応器を1個の
み用い、導入するピリジンと水の混合物(モル比、ピリ
ジン:水=1:7)を144g/H、塩素を75.1g/Hとし、平均滞
留時間を55秒〜65秒とした以外は実施例1と同様にして
反応を行なった。
み用い、導入するピリジンと水の混合物(モル比、ピリ
ジン:水=1:7)を144g/H、塩素を75.1g/Hとし、平均滞
留時間を55秒〜65秒とした以外は実施例1と同様にして
反応を行なった。
反応終了後、受器内の反応液を分析し、1時間当たり
の生成量に換算すると、2−クロロピリジン28.9g/H、
2,6−ジクロロピリジン53.6g/H、及び未反応ピリジン5.
3g/Hを含んでいた。2−クロロピリジンの選択率は39.9
%であり、2,6−ジクロロピリジンの選択率は56.8%で
あった。また、ピリジンの塩素化に使われた塩素は反応
に用いた塩素の92.6%であった。
の生成量に換算すると、2−クロロピリジン28.9g/H、
2,6−ジクロロピリジン53.6g/H、及び未反応ピリジン5.
3g/Hを含んでいた。2−クロロピリジンの選択率は39.9
%であり、2,6−ジクロロピリジンの選択率は56.8%で
あった。また、ピリジンの塩素化に使われた塩素は反応
に用いた塩素の92.6%であった。
(比較例2) 実施例2の操作においてピリジンを分割せずに全量最
上方の反応器に導入すること以外は実施例2と同様にし
て反応を行なった。
上方の反応器に導入すること以外は実施例2と同様にし
て反応を行なった。
反応終了後、受器内の反応液を分析して1時間当たり
の生成量に換算すると、2−クロロピリジン62.9g/H、
2,6−ジクロロピリジン110.4g/H、及び未反応ピリジン1
1.5g/Hを含んでいた。2−クロロピリジンの選択率は4
1.2%であり、2,6−ジクロロピリジンの選択率は55.5%
であった。また、ピリジンの塩素化に使われた塩素は反
応に用いた塩素の91.6%であった。
の生成量に換算すると、2−クロロピリジン62.9g/H、
2,6−ジクロロピリジン110.4g/H、及び未反応ピリジン1
1.5g/Hを含んでいた。2−クロロピリジンの選択率は4
1.2%であり、2,6−ジクロロピリジンの選択率は55.5%
であった。また、ピリジンの塩素化に使われた塩素は反
応に用いた塩素の91.6%であった。
なお、本発明は上記実施例に限定されず、例えば反応
装置1として第3図に示すようなものを用いてもよい。
これは、二つの反応器2を上下直列につなぎ、各反応器
2の側面にそれぞれ2つの光源3と2つのピリジン仕込
み口とを有するものである。なお上記実施例と同様部分
は同一符号で示し詳細は省略する。
装置1として第3図に示すようなものを用いてもよい。
これは、二つの反応器2を上下直列につなぎ、各反応器
2の側面にそれぞれ2つの光源3と2つのピリジン仕込
み口とを有するものである。なお上記実施例と同様部分
は同一符号で示し詳細は省略する。
また、塩素を反応器2の側面から仕込むようにしても
よく、要は、塩素仕込口から仕込まれた塩素が下方に向
けて流動し、この塩素の流れに沿う上下複数位置からピ
リジンが仕込まれる光反応装置であれば良い。
よく、要は、塩素仕込口から仕込まれた塩素が下方に向
けて流動し、この塩素の流れに沿う上下複数位置からピ
リジンが仕込まれる光反応装置であれば良い。
第1図乃至第3図は、それぞれ本発明の光反応装置の概
略構成を示す図である。
略構成を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 都倉 良一 兵庫県加古郡播磨町宮西346番地の1 住友精化株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−207270(JP,A) 特開 昭50−154266(JP,A) 特開 昭48−96592(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 213/61
Claims (2)
- 【請求項1】光反応装置に仕込んだピリジンと塩素とを
気相下にて反応させて塩素化ピリジンを得るに際し、光
反応装置内で塩素を流動させると共に、この塩素流動方
向に沿う相異なる複数位置からピリジンを光反応装置に
仕込むことを特徴とする塩素化ピリジンの製造方法。 - 【請求項2】ピリジンの仕込口と塩素の仕込口とを備え
た塩素化ピリジン製造用光反応装置において、前記ピリ
ジン仕込口が、塩素仕込口から仕込まれて下方に向けて
流動する塩素の流れに沿うように、上下複数位置に設け
られていることを特徴とする塩素化ピリジンの製造用光
反応装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8575590A JP2864271B2 (ja) | 1990-03-30 | 1990-03-30 | 塩素化ピリジンの製造方法と製造用光反応装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8575590A JP2864271B2 (ja) | 1990-03-30 | 1990-03-30 | 塩素化ピリジンの製造方法と製造用光反応装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03284667A JPH03284667A (ja) | 1991-12-16 |
JP2864271B2 true JP2864271B2 (ja) | 1999-03-03 |
Family
ID=13867676
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP8575590A Expired - Fee Related JP2864271B2 (ja) | 1990-03-30 | 1990-03-30 | 塩素化ピリジンの製造方法と製造用光反応装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2864271B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102391176A (zh) * | 2011-09-24 | 2012-03-28 | 廊坊北鑫化工有限公司 | 一种2-氯-6-三氯甲基吡啶的制备方法 |
-
1990
- 1990-03-30 JP JP8575590A patent/JP2864271B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102391176A (zh) * | 2011-09-24 | 2012-03-28 | 廊坊北鑫化工有限公司 | 一种2-氯-6-三氯甲基吡啶的制备方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03284667A (ja) | 1991-12-16 |
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