JP2864257B2 - 可変焦点式レンズ駆動装置 - Google Patents

可変焦点式レンズ駆動装置

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JP2864257B2
JP2864257B2 JP1291557A JP29155789A JP2864257B2 JP 2864257 B2 JP2864257 B2 JP 2864257B2 JP 1291557 A JP1291557 A JP 1291557A JP 29155789 A JP29155789 A JP 29155789A JP 2864257 B2 JP2864257 B2 JP 2864257B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えばカメラに使用される可変焦点式レン
ズ駆動装置の改良に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、可変焦点式レンズの焦点距離の変更動作や焦点
合せ動作のために、モータの回転駆動力を使用したカメ
ラがある。
例えば、特開昭60−80812号公報に開示された技術で
は、焦点距離の変更動作や焦点合せ動作に必要なレンズ
の移動量をパルス板15の発するパルス数で設定し、所定
のパルス数をカウントした時点でモータへの給電を断つ
ことにより、レンズを目的とする位置にストップさせる
ように構成されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、高速回転しているモータを停止させる方法
としては、通常、自由回転によるものと、ブレーキを掛
けるものとの2通りの方法が考えられるが、いずれの方
法であっても、停止信号が発せられてからモータが停止
するまでの間には、精度の高いDCモータを使用した場合
でも数回転分の残留回転(自走回転)が発生する。
例えば、DCモータの回転数をロータリーエンコーダの
パルス数して検知しながら、所定のパルス数をカウント
した時点で給電を断ってモータを停止させるようにした
場合には、停止信号が発せられてから実際に停止するま
での間に数回転分の残留回転を行う。
この残留回転の回転数は、たとえばコギング(コアを
有するDCモータに特有の周期的なトルク変動)がない場
合でも大きくバラつくが、普通にはコギングの影響によ
るところが大きい。そして、コギングの影響による場合
には、モータは、コギング位置で停止する確率が高くな
る。
しかし、ロータリーエンコーダのパルスとコギング位
置とを同期させない場合には、モータの回転停止位置は
コギング位置と一致したり、一致しなかったりして、モ
ータの最終的な停止位置の確率に大きな影響を与えるこ
とになる。換言すると、モータの回転停止位置が、コギ
ング幅の分だけバラついてしまうことになる。
すなわち、第5図(a)および第5図(b)に示すよ
うに、コギングによる自走回転トルクの変化のうち、1
周期内に同期するポイントがない状態(ランダム状態)
で発生するパルスの場合には、モータに対して任意のパ
ルス数で停止信号を出すと、自走回転トルクの大小と負
荷との関係から最終の停止位置がバラつくとことにな
る。
このような停止位置のバラつきは、モータの本来的な
性能に悪影響を与えてモータ駆動制御の精度を著しく低
下させることになり、前述の特開昭60−80812号公報に
開示されたカメラの場合でも、最終的なモータの停止位
置がバラついて、撮影レンズの焦点距離の変更動作や焦
点合せ動作の精度を著しく低下させている。
このようにコギングによる停止位置のバラつき現象
は、単にカメラに使用する可変焦点式レンズ駆動装置に
特有な事項ではなく、各種の可変焦点式レンズ駆動装置
に広く関係する事項でもあるため、その改善策の出現が
強く望まれていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、コギン
グによる影響を常に安定化させることによって、最終的
なストップ位置を如何なる位置においてもバラつきなく
設定し得る新規な可変焦点式レンズ駆動装置を提供する
ことを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
この目的を達成するための本発明の構成は、可変焦点
式レンズの焦点距離の変更動作とそれぞれの焦点距離に
おける焦点合せ動作とを、コアを有するDCモータを用い
て行う可変焦点式レンズ駆動装置において、前記DCモー
タの回転角度および回転数をパルス信号化するパルス信
号発生手段と、このパルス信号発生手段の発するパルス
信号をカウントするパルス信号検知手段と、このパルス
信号検知手段からのパルス検知信号に基いて前記DCモー
タの回転角および回転数を制御するモータ制御回路とを
具備し、前記DCモータのコギング周期をTm、前記パルス
信号発生手段のパルス信号発生周期をTpとしたときに、
これら2つの周期が、 なる関係式を満足するように各周期を設定し且つ前記コ
ギングと前記パルス信号とを同期させるように構成した
ことにある。
〔作 用〕
上記のように構成された可変焦点式レンズ駆動装置
は、DCモータのコギング周期とパルス信号発生手段のパ
ルス信号発生周期とが所定の関係を満足するように、前
記コギング周期およびパルス信号発生周期を設定し、且
つ前記コギングと前記パルス信号とを同期させることに
よって、撮影レンズの焦点距離の切換え動作および焦点
合せ動作の際のモータの回転停止精度が良好且つ安定的
に設定される。
〔実施例〕
以下、図示の実施例に基いて本発明の可変焦点式レン
ズ駆動装置を詳細に説明する。
第1図は、本発明に係る可変焦点式レンズ駆動装置の
一実施例の構成を一部分解して示す斜視図で、TELE撮影
時の状態を示す。
第2図は、WIDEポジションスイッチおよびTELEポジシ
ョンスイッチを構成する、WIDEパターン・TELEパターン
・グランドパターンの関係配置図である。
この可変焦点式レンズ駆動装置1が適用された可変焦
点式レンズは、主レンズ系LMと副レンズ系LSとを有す
る。
この可変焦点式レンズは、WIDE(または標準)撮影時
には、副レンズ系LSが撮影光軸Oから外れた退避位置に
置かれ、主レンズ系LMのみが撮影光軸O上にあってWIDE
撮影時の焦点距離を実現する。
そして、TELE撮影のときには、退避姿勢の位置に置か
れた副レンズ系LSが、第1図に示すように主レンズ系LM
の後方光路(露光開口側光路)に挿入され、主レンズ系
LMと副レンズ系LSとの協働作用により、TELE撮影時の焦
点距離を実現するように構成されている。
2はこの可変焦点式レンズのレンズ鏡枠で、このレン
ズ鏡枠2には、撮影光軸O上に位置する露光開口3と、
露光開口3の周囲部分にあって、いずれも撮影光軸Oに
沿って被写体側に突出的に延びる共通ポール4、回転阻
止用ポール5および駆動リードねじ6とが設けられてい
る。
さらに、共通ポール4の右端部(図上)近傍のレンズ
鏡枠2には、共通ポール4と平行にカム板部材7が突設
されているが、このカム板部材7には、共通ポール4の
軸方向に対して傾斜した押下げ作用面7aと、共通ポール
4の軸方向に対して平行な保持作用面7bとが形成されて
いる。
なお、レンズ鏡枠2およびカム板部材7は、必要に応
じてカメラ固定部(図示せず)と一体的に形成すること
も可能である。
さて、前述の主レンズ系LMは、共通ポール4に対して
摺動可能に設けられた前群枠10に、また、副レンズ系Ls
は、共通ポール4に対して摺動且つ回転可能に設けられ
た後群枠20に、それぞれ保持されるように構成されてい
る。
この場合、前群枠10は、枠本体11と補助枠部12とこの
両者を上下で連結するダブルステー13a,13bとから構成
され、枠本体11の下部と補助枠部12には、共通ポール4
と摺動的に精密嵌合するT−Nナット14(1個のみ図
示)が接着固定されている。
さらに、枠本体11の上方隅部には、回転阻止用ポール
5と精密に係合する切欠き部11aが形成されていて、前
群枠10が共通ポール4を中心として回転するのを阻止し
ている。
また、枠本体11の下部には、T−Nナット14と並んで
駆動リードナット15が取付けられているが、この駆動リ
ードナット15は、共通ポール4および回転阻止用ポール
5で姿勢を固定化された前群枠10と駆動リードねじ6と
が、位置的干渉を生じることのないように、枠本体11に
対して調節可能に取付けられている。
なお、前群枠10の構成材料は、コスト上から合成樹脂
材であることが好ましく、また、T−Nナット14および
駆動リードナット15は、精度と耐久性とが得られるなら
ば、いずれも前群枠10と一体的に構成してもよい。
16は、摺動脚部が二股に分岐している電気的な摺動ブ
ラシで、前群枠10の枠本体11に適宜の絶縁材を介して取
付けられている。
この二股状の摺動ブラシ16は、一方の摺動脚部が、後
述するポジションスイッチ基板41のWIDEパターン42とTE
LEパターン43とに間欠的に圧接して摺動し、他方の摺動
脚部がグランドパターン44と常時圧接して摺動するよう
に構成されている。
一方、後群枠20は、副レンズ系LSを保持する先端部21
と、二股に分岐された状態に形成された基部22と、両者
を連結するステー23とから構成され、基部22が前群枠10
の枠本体11と補助枠部12との間に位置するように、共通
ポール4に対して設けられている。
そして、先端部21の一部には、前述の回転阻止用ポー
ル5の外周面に係接し得る位置決め突起21aが形成され
ている。これは、TELE撮影時における後群枠20の姿勢、
すなわち、副レンズ係LSが撮影光軸O上に正確に位置し
ているときの姿勢を設定するためのものである。
また、後群枠20の基部22には、前述のカム板部材7と
係接し得る係脱ピン24が植設されているが、この係脱ピ
ン24とカム板部材7との相対関係は、WIDE撮影時に後群
枠20が露光開口3側に駆動変位したときに、カム板部材
7の押下げ作用面7aがこの係脱ピン24を押下げて後群枠
20を時計方向へ回転させ、その後は、保持作用面7bの働
きで後群枠20をその退避姿勢に保持し得るように設定さ
れている。
そのため、TELE撮影時に第1図の挿入位置にあった副
レンズ系LSは、係脱ピン24が押下げ作用面7aで押下げら
れた時点から撮影光軸O外への退避を開始し、係脱ピン
24が保持作用面7bに当接した後はそのまま退避姿勢を保
持することになる。
なお、後群枠20は、基部22に固定的に設けたT−Nナ
ット22aを介して共通ポール5に摺動且つ回転可能に嵌
合しているが、その構成材料は合成樹脂材であることが
好ましく、T−Nナット22aは、精度と耐久性とが得ら
れるならば後群枠20と一体的に構成してもよい。
25は共通ポール4に巻回された捻ればねで、その旋回
付勢力を利用して後群枠20に反時計方向への回動力を付
与している。
この捻ればね25は、一端が前群枠10のダブルステーの
下側ステー13bに、他端が後群枠20の基部22に形成した
押動突起26にそれぞれ掛けられている。
27はコイル状の連結ばねで、前群枠10の枠本体11に形
成された突起11bと後群枠20の基部22に形成された突起2
2bとの間に掛け渡されている。そして、前群枠10が被写
体側へ変位するときには、この連結ばね27の働きで後群
枠20を同方向へ一体的に変位させ得るように構成されて
いる。
しかしながら、後群枠20の被写体側への変位量は、TE
LE撮影時における後群枠20の光軸方向の位置を定める調
整ねじ28の先端部(図上の右端部)により規制されるよ
に構成されているため、たとえ前群枠10がそれぞれ以上
被写体側へ変位した場合でも、後群枠20はその規制位置
に留まるようになる。
これは、TELE撮影時において、後群枠20が調整ねじ28
の先端部に圧接して後群枠20の光軸方向の位置を安定さ
せることにもなる。
この調整ねじ28は、後述するポジション台40の左端部
近傍またはレンズ鏡枠2の適宜個所に起立的に形成され
た支持板45に螺合しており、その螺合回転量によって、
後群枠20に対する規制位置を調節し得るようになってい
る。
一方、前群枠10が露光開口3側へ変位するときには、
後群枠20の基部22に設けられた押動突起26を介して、後
群枠20を同方向へ一体的に押動変位させ得るように構成
されている。
29は前群枠10と駆動リードねじ6との間に存在するバ
ックラッシを片寄せして前群枠10の位置を正確に定める
ための圧縮ばねで、前群枠10の補助枠部12とレンズ鏡枠
2との間の共通ポール4に巻回的に設けられている。
さて、前述の駆動リードねじ6の左端部には、従動ギ
ア31とロータリー・エンコーダ(以下、「エンコーダ」
と略称する)32とが固定的に取付けられており、この
内、従動ギア31は、適宜の減速ギア機構(図示せず)を
介して、駆動リードねじ6の可逆方向へ駆動し得るDCモ
ータ33の駆動ギア34と連結されている。
一方、エンコーダ32は、フォトインタラプタ35と組合
わされて、駆動リードねじ6の回転角および回転数をパ
ルス信号として検出するためのパルス信号発生手段36を
構成するように設けられている。
なお、DCモータ33は、コアを有するモータとして構成
され、このDCモータ33のコギング周期Tmと、パルス信号
発生手段36のパルス信号発生周期Tpとは、 なる関係式を満足するように設定され且つ前記コギング
と前記パルス信号とが同期するように予め構成されてい
る。
例えば、DCモータ33のコギングが1回転につき12回発
生するとすれば、DCモータ33のコギング周期Tmは12分の
1回転であり、該12分の1回転またはその倍数、すなわ
ち6分の1回転(=2/12回転)、4分の1回転(=3/12
回転)、…等、が、パルス発生周期Tpの半分となるよう
にエンコーダ32のスリットを設計する。この場合、パル
ス信号発生手段36のエンコーダ32によるパルス発生周期
Tpは、6分の1回転またはその倍数、すなわち3分の1
回転(=2/6回転)、2分の1回転(=3/6回転=2/4回
転)等、であり、エンコーダ33のスリットは、DCモータ
33の1回転につきパルス信号が6回またはその整数分の
1回、すなわち3回、2回等だけ発生するように設計さ
れている。
40は、例えば合成樹脂材のような適宜の絶縁材で作ら
れたポジション台で、その内側面が撮影光軸O(共通ポ
ール4)と平行する状態で、レンズ鏡枠2に起立的に設
けられている。
そして、このポジション台40の内側面には、WIDE撮影
時およびTELE撮影時における、主レンズ系LMおよび副レ
ンズ系LSの各関係位置を設定するためのポジションスイ
ッチ基板41が固定されている。
このポジションスイッチ基板41には、第2図に示すよ
うに、WIDEパターン42・TELEパターン43・グランドパタ
ーン44の3本の導電性パターンが形成されている。そし
て、WIDEパターン42およびTELEパターン43は、光軸O方
向には所定の間隔を隔てて同一線上に、しかも、グラン
ドパターン44に対しては、両パターン42,43がグランド
パターン44と平行するような状態で配設されている。
この場合、前述の摺動ブラシ16の一方の摺動脚部は、
変倍時にWIDEパターン42とTELEパターン43とに間欠的に
接触し、他方の摺動脚部は、グランドパターン44と常時
接触するように構成されて、WIDEパターン42とグランド
パターン44との間、および、TELEパターン43とグランド
パターン44との間を、摺動ブラシ16を介してそれぞれに
短絡するようになっている。
その結果、WIDEパターン42と摺動ブラシ16とによって
WIDEポジションスイッチSWWが、また、TELEパターン43
と摺動ブラシ16とによってTELEポジションスイッチSWT
が、それぞれに構成されることになる。
そして、撮影光軸O上を前後方向に変位する摺動ブラ
シ16(すなわち、前群枠10)と、WIDEパターン42および
TELEパターン43とは、次のような相対位置関係に設定さ
れている。
すなわち、詳細を第2図に示すように、先ず、WIDEパ
ターン42とTELEパターン43との間に位置するポジション
スイッチ基板41上の露光開口3に近い位置に、WIDE準備
位置(WIDE基準位置)Woを設定し、次いで、WIDEパター
ン42上に、焦点合せの際のWIDE最近距離位置W1とWIDE無
限遠位置W2とをそれぞれ設定する。
同様に、WIDEパターン42とTELEパターン43との間に位
置するポジションスイッチ基板41上の被写体側に近い位
置に、TELE準備位置(TELE基準位置)T0を設定し、TELE
パターン43上に、焦点合せの際のTELE最近距離位置T1
TELE無限遠位置T2とをそれぞれ設定する。
なお、WIDE準備位置W0とWIDEパターン42の左端部との
間、および、TELE準備位置T0とTELEパターン43の右端部
との間には、それぞれ若干の間隔が形成されている。
第3図において、全体を50で示すのは可変焦点式レン
ズ駆動装置1の制御部である。
この制御部50は、T−W切換え操作釦51、シャッター
レリーズ釦52、AF(自動焦点調節装置)用IC53、モータ
駆動IC54、マイクロコンピュータ(以下「マイコン」と
いう)55および測光スイッチ56等の制御手段と、前述の
WIDEポジションスイッチSWWおよびTELEポジションスイ
ッチSWTとから構成される。
この場合、マイコン55は、各制御手段からの制御信号
およびそれぞれのポジションスイッチのオン、オフ信号
に基いて、DCモータ33をいずれかの方向に回転し、そし
て、停止させるように制御する。
また、前回の撮影が終了したときの各変焦点式レンズ
の撮影モード、すなわち、可変焦点式レンズがWIDE撮影
持のモードにあるか、TELE撮影時のモードにあるのか
は、予め、マイコン55に記憶されるようにも構成されて
いる。
以下、このように構成された可変焦点式レンズ駆動装
置1のWIDE−TELE切換えに関する基本動作について説明
する。
可変焦点式レンズ駆動装置1またはカメラの電源スイ
ッチ(図示せず)をオンすると、モータ駆動IC54が働い
てDCモータ33をWIDE方向に回転させ、駆動リードねじ6
および駆動リードナット15を介して、前群枠10を同方向
に変位させる。
前群枠10がWIDE方向に移動して、摺動ブラシ16がWIDE
パターン42の左端部と接触すると、その時点でWIDEポジ
ションスイッチSWWがオン(LOW)信号を出力して、DCモ
ータ33を逆回転させ、前群枠10をTELE方向に反転的に変
位させる。
そして、前群枠10がTELE方向に移動し、摺動ブラシ16
がWIDEパターン42の左端部から外れる位置に来ると、WI
DEポジションスイッチSWWがオフ(Hi)信号を出力し
て、マイコン55がDCモータ33への給電を断つように制御
する。
この場合、給電を断たれたDCモータ33はそのまま自走
回転に移行するが、前述したように、DCモータ33のコギ
ング周期Tmと、パルス信号発生手段36のパルス信号発生
周期Tpとの関係を、 となるように設定し且つこれらコギングとパルス信号と
が同期するように設定してあるため、DCモータ33は、第
5図(c)および(d)に示すように、常にモータの自
走回転トルク位置で停止することになる。
これは、パルスの半周期(1/2)Tpをコギング周期Tm
の倍数に対応させて、パルスおよびコギングを同期させ
ると、DCモータ33の実質的な停止信号が常に同じ自走回
転トルク位置で発せられるからである。
このDCモータ33の停止位置は、WIDEパターン42の左端
部から若干外れた位置になるから、予めWIDE準備位置W0
をこの停止位置に設定して置けば、可変焦点式レンズ駆
動装置1またはカメラの電源スイッチをオンしたときに
は、DCモータ33は、前群枠10を必ずWIDE準備位置W0に停
止させることになる。
なお、マイコン55には、前回の撮影が終了したときの
可変焦点式レンズの撮影モードが記憶されているので、
前回撮影が終了したときの前群枠10の位置がWIDE撮影時
の位置にある場合、すなわち、摺動ブラシ16がWIDEパタ
ーン42上に位置しているときには、DCモータ33の最初の
WIDE方向への回転制御が省略されるように構成されてい
る。
従って、前群枠10がWIDE撮影時の位置にあっても、TE
LE撮影時の位置にあっても、DCモータ33は前群枠10をWI
DE準備位置W0に停止させることができる。
ところで、可変焦点式レンズがWIDE準備位置W0に在る
ときには、前群枠10が第1図示の位置から露光開口3に
近い位置に変位している関係で、後群枠20は副レンズ系
Lsが撮影光軸Oから外れた退避姿勢に保持される。
すなわち、前群枠10が第1図の位置から右方向に移動
すると、その枠本体11が押動突起26を介して後群枠20の
基部22に接触し、圧縮ばね29の付勢力に抗しつつ後群枠
20を右方向に押動するから、後群枠20に植設された係脱
ピン24が、カム板部材7の押下げ作用面7aに当接して押
下げられる。
その結果、後群枠20は、捻ればね25の旋回付勢力に抗
して時計方向に回動し、前述の退避姿勢に移行すること
になり、主レンズ系LMは、WIDE撮影時の焦点距離を実現
する関係位置にセットされることになる。
さて、前群枠10がWIDE準備位置W0に在る状態でT−W
切換え操作釦51を操作し、可変焦点式レンズをTELE撮影
時のモードに切換えると、前群枠10および後群枠20は、
次のような動作を行って、可変焦点式レンズをTELE撮影
時の状態に移行させる。
すなわち、T−W切換え操作釦51をTELE撮影を実現す
る状態に切換えると、マイコン55が、モータ駆動IC54を
介してDCモータ33をTELE方向に回転させるように制御
し、駆動リードねじ6および駆動リードナット15を介し
て前群枠10を同方向に移動させる。
そして、摺動ブラシ16がTELEパターン43の右端部に接
触した時点で、TELEポジションスイッチSWTがオン
(LOW)信号を出力してDCモータ33を逆回転させ、前群
枠10をWIDE方向に反転的に変位させる。
そのため、摺動ブラシ16は、TELEパターン43の右端部
から外れる位置にまで変位するが、この時点で、TELEポ
ジションスイッチSWTがオフ(Hi)信号を出力して、DC
モータ33への給電を断つ。
従って、給電を断たれたDCモータ33は、前述したよう
な経緯により、TELEパターン43の右端部から若干離れた
モータの自走回転トルク位置で停止する。
すなわち、TELE準備位置T0を予めこの停止位置に設定
して置けば、T−W切換え操作釦51をTELE撮影を実現す
る状態に切換えたときには、DCモータ33は前群枠10を必
ずTELE準備位置T0で停止させることができる。
さて、可変焦点式レンズがTELE準備位置T0にセットさ
れると、前群枠10が露光開口3に近い位置から被写体に
近い第1図示の位置に移動することになる。
そのとき、退避姿勢に保持されていた後群枠20が、前
群枠10の移動の過程で連結ばね27に引張られて左方向に
変位するから、後群枠20上の係脱ピン24はカム板部材7
の押下げ作用面7aから離れて行く。
そのため、後群枠20は、左方向(被写体方向)に移動
しながら捻れば25の旋回付勢力によって反時計方向に回
転し、後群枠20の先端部21に形成された位置決め突起21
aが回転阻止用ポール5の外周面に当接した姿勢、すな
わち、副レンズ系Lsが撮影光軸O上に正確に位置した姿
勢で回転を阻止される。
しかし、前群枠10と後群枠20とはその後も左方向への
一体的移動を続け、後群枠20の基部22が調整ねじ28の先
端部に当接した時点で、後群枠20だけがその位置に停止
し、主レンズ系LMのみがさらに若干変位して所定位置で
停止し、TELE撮影時の焦点距離を実現する関係位置にセ
ットする。
この場合、後群枠20には連結ばね27の付勢力が付与さ
れることになり、後群枠20が停止位置に確実に留め置か
れることになる。
なお、前群枠10がTELE準備位置T0に在る状態でT−W
切換え操作釦51を操作し、WIDE撮影を実現する状態に切
換えると、先に述べた手順に従って、前群枠10がWIDE準
備位置W0に設定されることになる。このことは、T−W
切換え操作釦51を両方向の撮影モードに切換えることに
より、可変焦点式レンズを、WIDE撮影時のモードとTELE
撮影時のモードとに交互に設定することができることを
意味する。
次に、それぞれの撮影モードにおける焦点合せ動作お
よび撮影動作について、第4図のWIDE−TELE切換え制御
説明図を参照しながら説明する。
可変焦点式レンズがWIDE撮影時のモードにセットされ
ている場合には、前述したように、前群枠10がWIDE準備
位置W0に設定され、後群枠20が退避姿勢の位置に置かれ
ている。
さて、撮影に際して測光スイッチ56をオンすると、WI
DE撮影時におけるAF測距情報がAF用IC53からマイコン55
に対して出力され、この距離情報に基いた主レンズ系LM
の繰り出し量(前群枠10の変位量)が、マイコン55によ
り演算されて、フォトインタラプタ35のパルスカウント
数として設定される。
なお、このパルスカウント数は、WIDE準備位置W0を基
準として設定されたカウント数であり、DCモータ33が回
転する際に、ロータリー・エンコーダ32とフォトインタ
ラプタ35とから成るパルス信号発生手段36でこのカウン
タ数を読取って、駆動リードねじ6の回転数とおよび回
転角を制御するものである。
換言すると、このパルスカウント数により、WIDE準備
位置W0からの前群枠10の変位量が決まるというものであ
る。
フォトインタラプタ35によるパルスカウント数の設定
が行われた後、シャッタレリーズ釦52を押すと、先ず、
モータ駆動IC54が作動を開始して、AF距離情報に対応し
たパルスカウント数だけDCモータ33を回転させ、駆動リ
ードねじ6および駆動リードナット15を介して、前群枠
10を露光開口3(像側)の方向に変位させる。
そのため、前群枠10は、WIDE最近距離位置W1とWIDE無
限遠位置W2との範囲内に存在する、マイコン55で演算さ
れたパルスカウント数の計数後の位置に移動し、モータ
33の回転停止に伴って主レンズ系LMをAF距離情報に対応
した位置にセットする。
この場合、DCモータ33は、前述の通りモータの自走回
転トルク位置で精度良く停止する。
また、後群枠20は、後群枠20上の係脱ピン24がカム板
部材7の保持作用面7bに当接しつつ移動するので、退避
姿勢を保ち続けながら前群枠10と共に変位することにな
る。
そして、その後にシャッタがレリーズされ、可変焦点
式レンズはWIDE撮影時の焦点距離をもって撮影を終了す
るが、撮影終了後は、DCモータ33が逆回転して前群枠10
を被写体方向に反転させ、WIDEポジションスイッチSWW
がオン信号からオフ(Hi)信号に変った時点で、DCモー
タ33の逆回転を停止させる。
従って、前群枠10は、WIDE準備位置W0に復帰すること
になる。
一方、可変焦点式レンズがTELE撮影時のモードにセッ
トされている場合には、前群枠10がTELE準備位置T0に設
定され、後群枠20がその後方光路内の位置に挿入されて
いる。
この状態で測光スイッチ56をオンすると、TELE撮影時
におけるAF距離情報がAF用IC53からマイコン55に対して
出力され、この距離情報に基いた主レンズ系LMの繰り出
し量(前群枠10の変位量)がマイコン55により演算され
て、フォトインタラプタ35のパルスカウント数として設
定される。
この場合のパルスカウント数は、TELE準備位置T0を基
準として設定されたカウント数であり、WIDE撮影時の場
合と同様に、このパルスカウント数により、TELE準備位
置T0からの前群枠10の変位量が決定される。
以後の動作手順は、WIDE撮影時の焦点合せおよび撮影
の場合と同様であるのでその詳細な説明は省略するが、
焦点合せ終了時点では、前群枠10は、TELE無限遠位置T2
とTELE最近距離位置T1との範囲内にあるAF距離情報に対
応した位置に移動し、後群枠20は、調整ねじ28の先端部
により係止された位置に留まる。そして、撮影終了後
は、前群枠10がTELE準備位置T0に復帰する。
なお、この場合におけるDCモータ33の停止の仕方も、
WIDE撮影時の場合と同様、モータの自走回転トルク位置
で精度良く停止する。
以上説明したように、上述した可変焦点レンズ駆動装
置1では、DCモータ33による撮影レンズの焦点距離の切
換え動作および焦点合せ動作に際して、いずれも、DCモ
ータ33の回転停止精度を良好且つ安定的に設定すること
が可能となる。
なお、DCモータ33の自走回転トルク位置については、
コギングトルクのピーク位置である必要はない。
また、図示実施例では、変位の必要なレンズ保持枠
(前群枠10)を駆動リードねじ6で変位させているが、
例えば変位量が少ないケースなどでは、カム変位機構を
利用することもできる。
以上一実施例について説明したが、本発明は、これに
限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内
で、種々に変形実施することが可能である。
例えば、図示実施例では、レンズ系の一部を撮影光軸
に挿脱する形式の二焦点式可変焦点レンズについて説明
したが、他形式の可変焦点レンズに本発明を適用するこ
とも可能であることを付記する。
〔発明の効果〕
以上述べた通り本発明によれば、コギングによる影響
を常に安定化させることによって、撮影レンズの焦点距
離の切換え動作および焦点合せ動作の際の最終的なスト
ップ位置を如何なる位置においても高精度に且つバラつ
きなく設定し得る新規な可変焦点式レンズ駆動装置を実
現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る可変焦点式レンズ駆動装置の一
実施例の構成を一部分解して示す斜視図、第2図は、WI
DEポジションスイッチおよびTELEポジションスイッチを
構成するWIDEパターン・TELEパターン・グランドパター
ンの関係を示す配置図、第3図は、第1図に示す可変焦
点式レンズ駆動装置の制御部の概略構成を示すブロック
図、第4図は、同実施例に係る可変焦点式レンズ駆動装
置のWIDE−TELE切換え制御説明図、第5図(a)は、コ
ギングによるモータの自走回転トルクの変化図、第5図
(b)は、自走回転トルクの変化に伴うモータの最終停
止位置を示す状態図、第5図(c)および第5図(d)
は、本発明によって制御されるDCモータの最終停止位置
をそれぞれ示す状態図である。 1……可変焦点式レンズ駆動装置、 2……レンズ鏡枠、 3……露光開口、4……共通ポール、 5……回転阻止用ポール、 6……駆動リードねじ、 7……カム板部材、 7a……押し下げ作用面、 7b……保持作用面、10……前群枠、 11……枠本体、12……補助枠部、 13a,13b……ダブルステー、 14……T−Nナット、 15……駆動リードナット、 16……摺動ブラシ、20……後群枠、 21……先端部、 21a……位置決め突起、 22……基部、23……ステー、 24……係脱ピン、25……捻ればね、 26……押動突起、27……連結ばね、 28……調整ねじ、29……圧縮ばね、 31……従動ギア、 32……ロータリー・エンコーダ、 33……DCモータ、 34……駆動ギア、 35……フォトインタラプタ、 36……パルス信号発生手段、 40……ポジション台、 41……ポジションスイッチ基板、 42……WIDEパターン、 43……TELEパターン、 44……グランドパターン、 45……支持板、50……制御部、 51……T−W切換え操作釦、 52……シャッタレリーズ釦、 53……AF用IC、 54……モータ駆動IC、 55……マイクロコンピュータ、 56……測光スイッチ、 LM……主レンズ系、 Ls……副レンズ系、 O……撮影光軸、 SWW……WIDEポジションスイッチ、 SWT……TELEポジションスイッチ、 W0……WIDE準備位置、 W1……WIDE最近距離位置、 W2……WIDE無限遠位置、 T0……TELE準備位置、 T1……TELE最近距離位置、 T2……TELE無限遠位置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−45154(JP,A) 特開 昭60−80812(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02P 5/04 - 5/26,7/04 - 7/34 H02K 29/00,21/00 G02B 7/04 G03B 5/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可変焦点式レンズの焦点距離の変更動作と
    それぞれの焦点距離における焦点合せ動作とを、コアを
    有するDCモータを用いて行う可変焦点式レンズ駆動装置
    において、前記DCモータの回転角度および回転数をパル
    ス信号化するパルス信号発生手段と、このパルス信号発
    生手段の発するパルス信号をカウントするパルス信号検
    知手段と、このパルス信号検知手段からのパルス検知信
    号に基いて前記DCモータの回転角および回転数を制御す
    るモータ制御回路とを具備し、前記DCモータのコギング
    周期をTm、前記パルス信号発生手段のパルス信号発生周
    期をTpとしたときに、これら2つの周期が、 なる関係式を満足するように各周期を設定し且つ前記コ
    ギングと前記パルス信号とを同期させるように構成して
    成ることを特徴とする可変焦点式レンズ駆動装置。
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