JP2863681B2 - 印刷用ゴムブランケットの製造方法 - Google Patents

印刷用ゴムブランケットの製造方法

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JP2863681B2
JP2863681B2 JP4320543A JP32054392A JP2863681B2 JP 2863681 B2 JP2863681 B2 JP 2863681B2 JP 4320543 A JP4320543 A JP 4320543A JP 32054392 A JP32054392 A JP 32054392A JP 2863681 B2 JP2863681 B2 JP 2863681B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、印刷用ゴムブランケッ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知の如く、オフセット印刷機は、版
胴、ブランケット胴、圧胴の主要部分から成る。版に
は、印刷すべき画像が形成されており、画像の部分にの
みインキが供給されている。このインキは、接触回転し
ているゴムブランケットに転写される。そして、インキ
は同じく接触回転している圧胴を介して、紙に転写され
完了する。
【0003】この過程でゴムブランケットは版と圧胴の
2つの胴と接触回転しており、各々の接触部分におい
て、およそ0.1〜0.2mmの圧縮変形を受けている。
ゴムブランケットの厚さは、1.7mmおよび1.95mm
のものが多用されている。ここで、厚さを調節するため
にポリエステルフィルムを下敷として使用するケースが
多い。また、印刷機械の回転速度は、枚葉機で毎時15
000回転、オフセット輪転機で毎分1000回転の高
速となっている。
【0004】前記ゴムブランケットは、およそ0.2〜
0.5mmの綿布あるいは合成繊維又は混紡の織布にゴム
糊を塗布機で塗布し、2〜4枚重ね最上層部にはインキ
の授受を行うための表面ゴム層を塗布する。
【0005】前記ゴムブランケットの製作は通常長尺で
行われ、およそ幅2m、長さ50〜100mである。未
加硫ブランケットはドラムに巻き付け、加硫缶内で14
0℃程度で5〜6時間加熱され加硫が行われる。その
後、必要に応じて表面研磨がなされ所定の厚さに調整さ
れる。
【0006】ゴムブランケットは印刷機械の仕様に応じ
て規定の寸法に裁断され、機械に取りつけるための金具
が両端につけられる。通常はプラスチックのフィルムを
下敷きとして、ブランケットと一緒にブランケット胴に
取りつける。版胴とゴムブランケット胴間が接触した時
の圧縮量は0.1mm〜0.15mm程度となるようゴムブ
ランケットの仕立てを下敷の厚さで調節する。更にゴム
ブランケットと圧胴間も同様に調節される。
【0007】これらの調整は各印刷機ごとに仕様が決め
られている。一例を挙げると、1.95mmのゴムブラン
ケットに0.1mmのポリエステルフィルムを組み合わせ
ると、2.05mmとなる。アンダーカット(切り落と
し)が1.90mmの印刷機に装着すると、2.05−
1.90=0.15mmとなり計算上はゴムブランケット
が0.15mmベアラよりも出っ張ることによる。これを
オーバーベアラと称し、版胴及び圧胴がブランケット胴
にぴったり押し当てられると、0.15mm圧縮されるよ
うになっている。通常、この数字を印圧と表現する。ゴ
ムブランケットはゆるまないように常に緊張された状態
で圧縮、復元がくり返される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】その結果、ゴムブラン
ケットを構成する基布の組織がくずれ、つぶされて厚さ
が薄くなってしまう。この現象をヘタリと称するが、通
常この値は0.08mm,大きなものでは0.12mmにも
達する。そうすると1.95mmのゴムブランケットは
1.87〜1.83mmとなり、下敷を含めた厚さは1.
97〜1.93でオーバベアラは0.07〜0.03mm
となり、設定した印圧よりも大幅に小さな値となってし
まう。この結果、版からブランケットへのインキの転移
及びブランケットから被印刷物へのインキの転移は低下
し、転移不良を起こすことになる。
【0009】このような場合、薄くなった分だけ厚い下
敷のフィルムと交換しなければならない。機械を停止
し、下敷を交換することは稼働率の低下を引起こすこと
であり、特に時間に制限のある新聞印刷に於いては遅配
の原因となる。
【0010】更に、最近は下敷を使う煩雑さを除くため
に下敷の厚さをゴムブランケットに加味し、例えば2.
05mmの厚さにして一枚貼りにするケースが増えてい
る。この場合は、下敷で厚さの調節はしないということ
が前提であるから、ヘタリが大きいということは致命的
となる。
【0011】本発明はこのような事情を鑑みてなされた
もので、ゴムブランケットの使用中の厚さの減少、即ち
ヘタリを極限まで少なくした印刷用ゴムブランケット
製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】ゴムブランケットは、一
般にソリッドゴム、圧縮層と称されるスポンジ状ゴム、
及び綿布あるいは合成繊維からなる織布からできてい
る。
【0013】本発明者らは、使用済みのゴムブランケッ
トを詳細に調査し、どの部位が厚さの減少(ヘタリ)を
来たしているかを調べた。その結果、ソリッドゴム及び
圧縮層はほとんど厚みの減少はないが、ゴムブランケッ
トを構成する織布、特にブランケット胴に接する織布が
もっとも薄くなっていることを究明した。金属のブラン
ケット胴と常に接触し、回転しているために徐々に組織
が変化し潰され薄くなったものと思われる。これに対
し、内部の織布の薄くなる度合いは少ない。これは、ゴ
ムにとり囲まれているために、応力が緩衝されるためと
思われる。
【0014】そこで本発明者らは、使用中に繰り返し加
えられる応力によって織布が潰されて薄くなることがヘ
タリの原因であるならば、織布を何らかの方法であらか
じめ潰しておけば、ヘタリを起こらないのではないかと
推定した。
【0015】そして、綿布を硬質のローラ間を通し加圧
してみたところ、0.4mmの厚さが0.05mm薄くなり
0.35mmの厚みとなった。即ち、綿布は加圧すること
によって容易にヘタリを生ずることが分かった。このこ
とは、ブランケットが高速で圧縮されるとかなり大きな
厚さ減少を生じることが推測され、特にブランケット胴
に接触している最下層の綿布が大きく変形を受けると思
われる。
【0016】ところで、ブランケットの厚さ減少を減ら
す手段としては、ブランケットに加工する前の綿布を硬
質のロール間を通過させて加圧して、予め薄くすること
が考えられる。しかしながら、綿布などの織布は、製織
の段階で糸が切れたための繋ぎ目や、織りムラなどの厚
い部分が存在する。仮に、このように厚い部分を硬質の
ローラで加圧すると、その部分は圧をかけ過ぎることと
なり、ひどい場合には糸が切れてしまうことになる。従
って、このような欠陥部を有する綿布を使ってブランケ
ットを作ると、その欠陥部は機械に取りつけ張力を加え
ることにより切断してしまう恐れがある。
【0017】このような理由から、本発明は、ゴムと綿
布を相互に積層し、ゴムを加硫、硬化する前の未加硫の
状態で硬質ローラ間で加圧する方法とした。また、実際
に未加硫ブランケットを加圧する場合には、ブランケッ
トをピンチローラで挟んで一定の張力下で行うべきであ
る。その理由は完成されたブランケットが印刷機械に取
りつけて使用される場合には当然両端で引っ張られる訳
であり、できるだけ使用時に近い状態で製造される事が
望ましいのである。具体的には、以下の通りである。
【0018】本発明は、一体に形成された複数の基布
と、この基布上に圧縮層を介して設けられたゴム層を有
した未加硫印刷用ゴムブランケットを、加熱しながら一
対以上の硬質ローラ間で加圧しつつ通過させることによ
って、基布中にゴムを侵入させると共に基布を予めへた
らせた後、加硫することを特徴とする印刷用ゴムブラン
ケットの製造方法である。
【0019】
【0020】ところで、ゴムの加硫、硬化後に加圧した
のではゴムのクッション効果によって、綿布の加圧は不
充分となるし、ゴムが綿布に侵入することは期待できな
い。即ち、未加硫のゴムと共に加圧することによって、
綿布へのダメージを取り除くと共に、ゴムの綿布組織へ
侵入を計り、使用時のヘタリを極限まで減らすことがで
きるのである。
【0021】加圧時に未加硫ブランケットを加熱するこ
とは、次の様な理由による。未加硫ゴムは、温度を上げ
ることによって流動性が増大する。流動性は加硫ゴムで
は全く期待できない。流動性を持ったゴムは、綿布の組
織即ち空隙中に入り込み、綿布とゴムが緻密にからみ合
った構造体となる。そうすると綿布は印刷機上で圧縮、
加圧されてもゴム弾性の助けにより変形できなくなり、
その結果ヘタリは生じなくなる。本発明の製法によるブ
ランケットでは、ゴムと綿布は極めて緊密に接着してい
るために、副次的にゴムと綿布間の接着強度が向上し、
使用中の層間別離は生じなくなる。
【0022】ここで注意しなければならないことは、未
加硫ゴムの流動性があまりに大き過ぎると、ブランケッ
トの最下層の綿布にゴムが染み出してしまうことであ
る。ゴムは摩擦が大きいため、もし最下層の綿布に多量
に染み出していると、下敷のポリエステルフィルム、あ
るいは金属のブランケット胴との滑りが悪くなりブラン
ケットを締めつけた時、摩擦係数が大きいため張力が均
一にかからず、厚さムラを生じ易い。これらを防ぐた
め、温度、圧力、ラインスピードなどの加工条件の制御
が大事である。
【0023】ここで一般的なダブリング作業と本発明の
工程の違いを説明する。ブランケットの製造に於いて
は、それぞれの織布にゴムを塗布し、貼り合わせること
が当然必要となる。これをダブリング(貼り合わせ)と
称する。
【0024】一般的なダブリングは、それぞれの織布を
貼り合わせるのが目的である。従って、本発明のように
硬質のローラは必要ない。又、加熱する必要もない。そ
してローラ間を通過させる速度、即ち、ラインスピード
は本発明に比べ、はるかに速いものでる。
【0025】
【0026】図1は、本願第3の発明に係る印刷用ゴム
ブランケットの製造装置の一例を示す。図中の符号1,
2は、一対のプレスロールである。このプレスロール
1,2は、繰出し装置3から送り出される未加硫ブラン
ケット4を加圧するものである。また、未加硫ブランケ
ットは、赤外線ヒータ9により加熱される。加熱,加圧
された未加硫ブランケットは、巻取りローラ10により巻
き取られる。なお、図中の符号5,6,7,8はピンチ
ローラを示す。本発明者らは、未加硫のブランケットを
様々な条件下で圧縮し、加硫、研磨後、実際の印刷機を
用いてロングランの印刷を行い、ヘタリを実測し、最適
な加工条件を見い出だした。検討した加圧するときの条
件は、例えば(a) プレスローラの硬さ、(b) 圧力、(c)
温度、(d) ラインスピード、及び(e) ブランケットの張
力である。 (1)プレスローラの硬さ;
【0027】まず、プレスローラの材質の硬さについて
検討した。上、下のプレスローラをスチール/スチー
ル、スチール/ゴム(ショアA.65),スチール/ゴ
ム(ショアA.80),スチール/ゴム(ショアA.9
5)の組み合わせで、未加硫のブランケットを加圧し、
厚さの減少の度合いを比較した。その結果、厚さの減少
の度合いはスチール/スチールの組み合わせが最も大き
く、スチール−ゴムの組み合わせの場合には硬さの硬い
程、厚さの減少は大きいこと分かった。
【0028】この結果を考慮して、次にスチールローラ
/ゴムローラ(ショアA.95)の組み合わせで、圧
力、温度、ラインスピード、および張力について最適条
件を探った。 (2)圧力;
【0029】圧力に関しては、夫々線圧20,30,4
0,50,75,100kgf/cmについて検討したが、3
0kgf/cmでは元の厚さ1.7mmに対し、厚さの減少が少
なく−0.04mm程度であまり効果はなく、50kgf/cm
では−0.07mmであり、75kgf/cmでは−0.09mm
であった。線圧は50kgf/cm以上が望ましいことが分か
った。 (3)温度;
【0030】温度については、ゴムの流動性に影響す
る。低温ではゴムの流動性は乏しく、高温である方が流
動し易い。特に、織布同士を貼り合わせる接着用ゴムの
流動性を高め、織布の組織の中にゴムを侵入させるため
には高温の方が良い。そうすると、織布の組織が固定さ
れ、使用中のヘタリは防止される。
【0031】未加硫ゴムブランケットを室温(25
℃),60℃に加熱し、ラインスピード3m/min 、線
圧50kgf/cmで圧縮すると、前者は厚さの減少が−0.
07mmであり、後者は−0.09mmであり、加熱するこ
とが効果的であることが確認された。これらのサンプル
を顕微鏡で観察すると、60℃に加熱して加圧したブラ
ンケットが室温で加圧したものよりも織布の組織の中に
ゴムが入り込んでいることが確認された。また、スチー
ルローラに接触した綿布の表面には光沢を生じ、アイロ
ン効果が認められた。 (4)ラインスピード;
【0032】未加硫ブランケットを加圧する時のライン
スピードはゴムが織布に侵入する度合いと織布のプレス
効果に影響する。未加硫ブランケットを60℃に加熱
し、圧力50kgf/cmとしラインスピードを夫々1m/
分,3m/分,5m/分,7m/分として加圧して、そ
の厚さの減少の度合いを比較した。夫々の厚さの減少は
−0.11mm,−0.09mm,−0.08mm,−0.0
6mmであり、作業効率を考えると、ラインスピードは3
〜5m/分が適当である。 (5)張力;
【0033】張力に関しては、あまりにも弱い場合に
は、プレスロール間を通過する時に、しわが入るおそれ
があるが、繰り出し時にはブランケット自体の重さで張
力が加わる。3〜5kgf/cmの張力が適当である。張力
ピンチローラ5,6及び7,8間で調節される。以上の
事から、まとめると、次の様なことが分かる。
【0034】未加硫ゴムブランケットは、スチールロー
ラ/スチールローラ或いはスチールローラ/ゴムロー
ラ,ゴムローラ/ゴムローラ間で加圧すると、厚さが減
少し、その度合いは硬いローラの方がその度合いが大き
い。従って、プレスローラとしては硬質の樹脂製ローラ
やセラミック製ローラも同様の効果が期待される。
【0035】プレスする圧力は、大きな程効果は大き
い。しかしながら、従来のブランケットの実際のヘタリ
量は−0.08〜0.12mm程度であることを勘案すれ
ば、50〜70kgf/cmの線圧が望ましい。未加硫ブラン
ケットを加熱したほうが効率が良い。但し、あまり高温
過ぎるとゴムの織布からの染み出しが多くなるので、1
00℃以下が望ましい。ラインスピードは、大きいほど
効率は良いが、プレス効果が劣るため3〜5m/分が望
ましい。
【0036】このようにして製造したゴムブランケット
は、オフセット輪転機にとりつけて実際に印刷に供し、
経時的に厚さの変化を測定したところ、厚さの減少は著
しく少なく、安定した印刷ができる。
【0037】図2は、2対のプレスローラを備えた製造
装置の例であり、1対の図1よりもラインスピードを上
げることができ、より効率的である。なお、図中の11,
12はプレスローラを示し、加圧はプレスローラ1,11を
上下させて行い、プレスローラ2,12は固定しておく。
【0038】プレスローラ1,2、11,12の材質は、例
えばスチール/スチール,ゴム/ゴム,合成樹脂/合成
樹脂,セラミック/セラミックの組み合わせ、及び例え
ばスチール、ゴム、合成樹脂、セラミックのそれぞれの
材質から成るローラの組み合わせが可能である。ローラ
の材質がゴムや合成樹脂の場合、軟らかすぎると、プレ
ス効果が少ない。そのため少なくとも、ショアA硬度計
で70以上が望ましい。
【0039】未加硫ブランケットを加熱する方法は、プ
レスローラを通過する前に加熱しても良いし、或いはプ
レスローラ本体の内部をスチーム、温水又は電気的な手
法によって加熱してもよい。図1、2は、プレスローラ
を通過する前に赤外線ランプ9を用いて、未加硫ブラン
ケットを加熱している例を示している。
【0040】
【作用】本発明によれば、ゴムブランケットの使用中の
厚さの減少、即ちヘタリを極限まで少なくした印刷用ゴ
ムブランケットが得られる。
【0041】
【実施例】以下、本発明の実施例について比較例ととも
に説明する。 (実施例)
【0042】まず、本願第1の発明に係る印刷用ゴムブ
ランケットについて、図3を参照して説明する。図中の
21,22,23は、接着ゴム層24,25を用いて互いに一体に
形成された基布としての綿布を示す。これらの基布の上
には、圧縮層26,綿布27を介して表面ゴム層28が設けら
れている。ここで、前記基布21〜23は、接着ゴム層24,
25、圧縮層26、綿布27は予め圧縮してへたらされてい
。次に、上記構成の印刷用ゴムブランケットの製造方
法について説明する。
【0043】まず、圧縮層26となるゴム層を作成する。
即ち、ニトリルゴム(商品名;ニポール1032、日本
ゼオン社製)100重量部に、イオウ、加硫促進剤、老
化防止剤、加硫助剤、補強剤、軟化剤をミキシングロー
ルで十分に混合する。次に、混合したコンパウンドをト
ルオールに溶解し、ゴム糊を作る。つづいて、このゴム
糊にアクリル系マイクロバルーン(商品名;エクスパン
セル091DE,エクスパンセル社製)10重量部を加
え、十分に攪拌,混合する。この後、伸び止め加工を施
した0.4mmの厚さの平織りの綿布23に塗布機により
0.3mmのゴム糊層を形成する。このゴム糊層は、加硫
することにより無数のマイクロバルーンがゴム中に固定
され圧縮層となるものである。
【0044】次に、接着剤を介して、0.2mmの平織り
の綿布27を貼り合わせる。つづいて、接着用ゴム糊25を
介して厚さが0.3mmの綿布22を貼り合わせる。この場
合、接着用ゴム糊25は、従来よりも0.05mm厚く塗布
する。同じ様にして0.35mmの綿布21を接着用ゴム糊
24を介して貼り合わせる。この場合も、従来よりも0.
05mm厚く塗布する。
【0045】表面ゴム層28を除いた、前記(各層の)厚
さは1.75mmとする。従来の場合は1.65mmである
から接着用ゴム糊25,24は0.1mm厚く塗布したことに
なる。この余分の厚さ0.1mmはこの後の工程でプレス
ロールを通過させ、綿布の組織にゴム糊を侵入させるこ
とと、綿布自体をプレスすることにより薄くすることを
見込んだものである。
【0046】次に、このようして得られる未加硫ブラン
ケットを、図1の印刷用ゴムブランケットの製造装置の
繰出し装置3にセットした。この実施例では、プレスロ
ール1はショアAで硬度90のゴムローラで、プレスロ
ール2はスチールローラにクロムメッキを施したもので
ある。また、赤外線ヒータ9,9でブランケット表面が
60℃になる様に調節しておく。
【0047】次に、ピンチロール5,6及びピンチロー
ル7,8を調節してブランケットの張力を3.5Kg/
cm,プレス圧力を線圧で70Kgf/cm、ラインス
ピードを3m/分として、未加硫ブランケット4をプレ
スし、ピンチロール7,8を経て、巻取りロール10に巻
き取った。処理の済んだ未加硫ブランケットは厚さが
1.65mmとなった。このことは、0.1mm余分に塗布
したゴム糊は綿布23,22,21の組織に入り込み、かつ綿
布はプレスされ薄くなったことを意味する。綿布27の上
にショアAで硬度55のニトリルゴムから成る表面ゴム
層28を0.4mmのシートとして積層すると、全体として
2.05mmの厚さとなる。
【0048】このものを表面ゴム層28に離型紙を介しド
ラムに巻き付け、130℃の温度で5時間加熱し、加硫
させる。冷却後、表面ゴム層28を研磨し、1.95mmの
ブランケットを完成させる。
【0049】このブランケットを所定の寸法とし、下敷
として0.1mmのポリエステルフィルムを使い、オフセ
ット輪転機に取りつけ、印圧を0.1mmとして750回
転/分の速度で1千万回印刷した。1千万回転の時点
で、コブラマイクでブランケットのヘタリ(厚さの減
少)は、−0.03mmであった。この間、印刷物の品質
の低下はなく満足すべきものであり、当然下敷の交換は
必要としなかった。
【0050】なお、上記実施例では、基布21〜23、接着
ゴム層24,25、圧縮層26、綿布27及び表面ゴム層28を一
体に形成してからプレスロールで圧縮させる場合でも同
様の効果が得られる。 (比較例)実施例のプレス工程を除いてブランケットを
同様にして製作した。
【0051】このものを上記実施例と同じ印刷機に取り
つけ印刷した。100万回印刷した時点で厚さを測る
と、ヘタリは−0.05mmであった。400万回印刷で
は厚さは−0.07mmとなり、印刷物の品質、特にイン
キの濃度が低下したので下敷きを0.1mmから0.15
mmのものと交換した。600万回転で、厚さは−0.0
5mmとなった。合計でのヘタリは−0.12mmとなっ
た。この時点でブランケットを交換した。なお、上記実
施例では、圧縮性ブランケットについて述べたが、これ
に限らずいわゆるコンベンショナルブランケットについ
ても同様の効果を有する。
【0052】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明によれば、ゴム
ブランケットの使用中の厚さの減少、すなわちヘタリを
極めて少なくした印刷用ゴムブランケットの製造方法
提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る印刷用ゴムブランケッ
トの製造装置の説明図。
【図2】本発明の他の実施例に係る印刷用ゴムブランケ
ットの製造装置の説明図。
【図3】本発明に係る印刷用ゴムブランケットの概略断
面図。
【符号の説明】
1,2,11,12…プレスローラ、3…繰出し装置、4…
未加硫ブランケット,5,6,7,8…ピンチローラ、
9…赤外線ヒータ、10…巻取りローラ、21,22,23,27
…綿布、24,25…接着ゴム層、26…圧縮層、28…表面ゴ
ム層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−121893(JP,A) 特開 昭49−30004(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41N 10/00 - 10/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一体に形成された複数の基布と、この基
    布上に圧縮層を介して設けられたゴム層を有した未加硫
    印刷用ゴムブランケットを、加熱しながら一対以上の硬
    質ローラ間で加圧しつつ通過させることによって、基布
    中にゴムを侵入させると共に基布を予めへたらせた後、
    加硫することを特徴とする印刷用ゴムブランケットの製
    造方法
  2. 【請求項2】 前記未加硫印刷用ゴムブランケットを加
    圧する線圧が30kgf/cm以上であることを特徴と
    する請求項1記載の印刷用ゴムブランケットの製造方
  3. 【請求項3】 前記未加硫印刷用ゴムブランケットを加
    圧するラインスピードが1〜7m/分であることを特徴
    とする請求項1又は2記載の印刷用ゴムブランケットの
    製造方法
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