JP2863502B2 - マルチディザー方式補償光学装置 - Google Patents

マルチディザー方式補償光学装置

Info

Publication number
JP2863502B2
JP2863502B2 JP8280433A JP28043396A JP2863502B2 JP 2863502 B2 JP2863502 B2 JP 2863502B2 JP 8280433 A JP8280433 A JP 8280433A JP 28043396 A JP28043396 A JP 28043396A JP 2863502 B2 JP2863502 B2 JP 2863502B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
laser beam
angle
adaptive optics
mirror
laser
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP8280433A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10123438A (ja
Inventor
英明 斉藤
康晴 嶺
祐治 一ノ瀬
誠 妹尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BOEICHO GIJUTSU KENKYU HONBUCHO
Hitachi Ltd
Original Assignee
BOEICHO GIJUTSU KENKYU HONBUCHO
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by BOEICHO GIJUTSU KENKYU HONBUCHO, Hitachi Ltd filed Critical BOEICHO GIJUTSU KENKYU HONBUCHO
Priority to JP8280433A priority Critical patent/JP2863502B2/ja
Publication of JPH10123438A publication Critical patent/JPH10123438A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2863502B2 publication Critical patent/JP2863502B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mechanical Light Control Or Optical Switches (AREA)
  • Laser Beam Processing (AREA)
  • Lasers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザビームの波
面歪みを補正するマルチディザー方式補償光学装置、並
びにこの装置を備えたレーザ共振器およびレーザ加工機
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のマルチディザー方式補償光学装置
は、例えば米国特許4016415号に記載されている
ように、ミラー面の凹凸を複数個取付けられた駆動素子
により変えることのできる形状可変鏡で波面を補正する
と共に、波面歪みを検出するため形状可変鏡の駆動素子
毎に異なる周波数で送信するレーザビームを位相変調し
ている。そして、当該光学装置に備えられた制御装置
は、受信光に含まれる複数の位相変調信号を分離検出
し、個々の位相変調信号がゼロとなるように対応する駆
動素子変位を独立に決定するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
では波面歪みを形状可変鏡のみで補正するため、補償光
学装置で補正可能な波面歪みの最大量は形状可変鏡の駆
動素子の最大変位により決まり、形状可変鏡で補正でき
る波面歪みの最大空間周波数は駆動素子間隔で決まるの
で、発生する波面歪みを予め測定あるいは推定し、形状
可変鏡の仕様を決定していた。一般に、波面歪みの空間
周波数は低周波から高周波まで存在するが、低周波の歪
みすなわち傾斜歪みを補正するためには大きな駆動素子
変位が必要となり、その必要量から最大変位を決定して
いた。このように、複雑な分布を持つ波面歪みを補正す
る形状可変鏡では、最も単純な歪みである傾斜歪みによ
りその性能が制約されてしまうという問題があった。
【0004】本発明はこのような従来技術の実情に鑑み
てなされたもので、その目的は、補正できる波面歪みの
範囲を簡単な構成で拡大することができるマルチディザ
ー方式補償光学装置を提供することにある。また、他の
目的は波面歪みのないレーザビームを簡単な構成で得る
ことができる光学装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決するた
め、本発明では、波面歪みの傾斜成分を補正するために
形状可変鏡の他に波面傾斜を可変できる手段を設け、そ
の走査量は制御装置で分離検出される複数の位相変調信
号から決定するように構成した。
【0006】すなわち、上記目的を達成するため、本発
明は、レーザビームを形状可変鏡の各駆動素子毎に異な
る周波数で位相変調し、レーザビームの焦点強度に基づ
いて形状可変鏡の駆動素子を制御することによりレーザ
ビームの波面歪みを補正するマルチディザー方式補償光
学装置において、レーザ光を出射するレーザ出射手段か
らレーザが照射される被照射材までのレーザビームの光
路中に設けられ、当該光路中で前記レーザビームの角度
を制御する手段と、前記レーザビームの焦点強度に含ま
れる複数の位相変調信号から前記レーザビームの角度を
制御する手段の角度制御量を決定する手段とを備えてい
るいることを特徴としている。
【0007】この場合、前記レーザビームの角度を変更
する手段を、反射面の角度が可変に設定されたチルトミ
ラーから構成することができる。チルトミラーとして
は、4点で支持し、当該4点の支持位置を軸方向に変更
することによって角度を変更するものや、3点で支持
し、当該3点のうちの2点の支持位置を軸方向に変更す
ることによって角度を変更するものを使用することがで
き、これらのチルトミラーは形状可変鏡の前段または後
段の光路中に配置すればよい。
【0008】また、前記レーザビームの角度を制御する
手段を、2方向の角度を独立して変更することができる
機構から構成することも、2方向の角度を独立して変更
することができる機構と、当該機構に搭載されたレーザ
ビームを集光する光学系とから構成し、前記角度の制御
を前記機構により行うようにすることもできる。なお、
前記2方向の角度を独立して変更することができる機構
としては、例えばジンバル機構が採用される。
【0009】また、前記角度制御量を決定する手段は、
前記位相変調信号を逆正弦関数演算し、前記形状可変鏡
の駆動素子の位置する領域のレーザ位相を求め、該レー
ザ位相の少なくとも2つ以上から前記角度制御量を決定
するように構成することができる。なお、前記角度制御
量を決定する手段は前記形状可変鏡の駆動素子の変位量
をも決定するように構成し、前記角度制御量を決定する
手段は、形状可変鏡の駆動素子の隣接する位置に対応す
る位相変調信号から得られるレーザ位相との位相差を±
π以内としてレーザビームの角度制御量と前記形状可変
鏡の駆動素子の変位量とを決定するように構成するとよ
い。その際、前記位相差が±π以上の場合には一方の位
相に2πを加算あるいは減算することによって補正して
前記レーザ位相差を±π以内とし、該補正されたレーザ
位相によりレーザビームの角度制御量と形状可変鏡の駆
動素子の変位量を決定することができる。
【0010】このように構成すると、光あるいはレーザ
ビームは波面と直交する方向に伝播するため、波面の傾
斜成分を操作することはレーザの伝播方向を変えること
と等価である。従って、伝播路にミラー面の角度を変え
ることのできるチルトミラーや形状可変鏡に全体の角度
を変えることのできる機構を付加することで、波面の傾
斜成分を操作することができる。
【0011】マルチディザー方式補償光学装置では、形
状可変鏡の駆動素子数に対応して存在する位相変調信号
が、波面の平均値と駆動素子の変位により変化する領域
のレーザ位相との差に比例することを利用して、駆動素
子を制御する。波面が揃うとき位相変調信号はゼロとな
るため、位相変調信号を入力として駆動素子の変位を出
力する1入力1出力の制御系が、駆動素子数と同数独立
に存在する制御系により従来は制御していたが、駆動素
子位置は既知であり上記比例関係が成立することから、
波面傾斜成分を操作する方向に存在する駆動素子に対応
する位相変調信号から、波面の傾斜量を演算により求め
ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照し、本発明の一
実施の形態について説明する。
【0013】図1は、レーザ共振器1から出力されるレ
ーザビーム2をレンズ6で集光し照射材7に照射するレ
ーザ加工機に、レーザ共振器1で発生する波面歪3によ
り照射エネルギー密度が低下するのを補償するために本
発明のマルチディザー方式補償光学装置を適用した例で
ある。
【0014】図1において、光学系は、レーザ出射手段
としてのレーザ共振器1と、レーザビームの角度を制御
する手段としてのチルトミラー4と、形状可変鏡5と、
レンズ6と、被照射材7と、光検出器9とからなり、さ
らに形状可変鏡5の駆動素子22に対する変位指令13
およびチルトミラー4に対する角度指令12とを出力す
る制御装置11が設けられている。なお、この制御装置
11は、角度制御量および駆動素子の変位量を決定する
手段として機能する。レーザ共振器1から出力されるレ
ーザビーム2はチルトミラー4に入射し、チルトミラー
4で反射して形状可変鏡5に入射する。その際、チルト
ミラー4の反射角度を変えることにより波面の傾斜を変
えることができ、波面歪3の傾斜成分はチルトミラー4
で補正される。チルトミラー4で反射されたレーザビー
ム2は、形状可変鏡5で波面歪3の傾斜成分をのぞいた
歪みを補正する。これにより、レンズ6に入射されるレ
ーザビーム2の波面には歪みがなくなるので、レンズ6
の焦点位置におかれた被照射材7上では回折限界に相当
する焦点像となり、高いエネルギー密度を得ることがで
きる。
【0015】図1を用いて説明したチルトミラー4と形
状可変鏡5の波面補正の原理を示したのが図2である。
図2は波面の一次元方向の分布を示したものである。図
2(a)に示す波面歪3を従来は形状可変鏡5のみで補
正していたため、図2(b)に示すように形状可変鏡5
の駆動素子22の駆動範囲が±1(位相)の場合には駆
動範囲内で波面歪3と同じ分布となるように形状可変鏡
5のミラー面が制御される。図2(a)に示されている
ように波面歪3は±2(位相)であるため、図2(b)
に示すように中央部でミラー面に段差が発生し、波面歪
3を正確に補正できない。これに対し、本発明ではチル
トミラー4と形状可変鏡5を用いて波面歪3を補正する
ため、形状可変鏡5のミラー面には図2(b)に示すよ
うな不連続な波面が発生することはなく、図2(c)お
よび(d)に図示したような波面を合成したものと波面
歪3を一致させることができる。したがって、形状可変
鏡5では図2(d)に示す歪みだけ補正すればよいこと
になる。図2(d)から分かるように歪は±1(位相)
の中に十分収まっており、±1(位相)補正可能である
とすると、形状可変鏡5における補正範囲が格段に広く
なっていることが理解できる。すなわち、チルトミラー
4によって傾斜成分を除去することが可能なので、補正
できる波面の範囲を拡大することができる。
【0016】なお、図2において形状可変鏡5の駆動範
囲が±2(図2(a))であれば波面歪3は補正可能で
あるが、数十から数百個に及ぶ形状可変鏡5の駆動素子
の駆動範囲を拡大するのに比べると、チルトミラー4を
導入する方が容易であることは言うまでもない。
【0017】次に、図1に示した形状可変鏡5とチルト
ミラー4に対する変位指令13と角度指令12を決定す
る制御装置11の具体的な構成例を図3および図4を用
いて説明する。形状可変鏡5の各駆動素子22を駆動す
る変位指令13は、図3に示すように制御回路20から
出力される形状可変鏡5のミラー面の凹凸を制御する制
御信号19と位相変調信号検出回路16の発振器15か
ら出力される特定の周波数を持つ発振信号18とが加算
されたものである。変位指令13は形状可変鏡5の駆動
素子数と同数存在し、各変位指令に含まれる発振信号1
8の周波数は駆動素子毎に異なる。図1において、形状
可変鏡5ではそのミラー面を補正すると共に送信するレ
ーザ光が駆動素子毎に異なる周波数で位相変調される。
そして、レンズ6の焦点位置に置かれた被照射材7から
反射される反射波8を光検出器9で検出する。光検出器
9で検出される光強度信号10には、形状可変鏡5の駆
動素子数と同数の位相変調信号17が含まれている。図
3において、形状可変鏡5の駆動素子数と同数設けられ
た位相変調信号検出回路16により、光強度信号10に
含まれる各位相変調信号17を分離検出する。位相変調
信号検出回路16は、同期検波器14と発振器15とか
らなり、同期検波器14には光強度信号10が入力さ
れ、発振器15から出力される特定の周波数を持つ基準
信号と同じ周波数成分を検出する。この周波数成分の強
度が位相変調信号17であり、当該位相変調信号17は
制御回路20に入力される。
【0018】いま形状可変鏡5の駆動素子数をNとすれ
ば、検出される位相変調信号17であるI(m)もN個
存在し、1つの駆動素子によって変化させられる領域の
レーザ位相をφ(m)、ただし、m=1〜Nとすれば下
記の式(1)の関係が成立する。
【0019】
【数1】
【0020】すなわち、式(1)から分かるように、位
相変調信号17の各信号I(m)は、位相変調された領
域のレーザ位相φ(m)と他の領域の位相との差の正弦
関数に比例する。
【0021】図4に示す制御回路20の構成において、
入力される位相変調信号17の各信号I(m)は比例・
積分回路25を介して制御信号19に変換される。形状
可変鏡5の駆動素子22の変位はレーザ位相φ(m)と
比例関係にあり、式(1)で示されるように位相差がな
ければ、すなわち波面が平坦であれば、位相変調信号1
7の各信号I(m)はゼロとなるため、位相変調信号1
7の各信号I(m)を最小化するように各駆動素子22
の変位を独立に決定すれば波面を補正できることがわか
る。従来、マルチディザー方式補償光学装置では形状可
変鏡5のみで波面を制御していたため、制御回路20の
構成は図4に示す比例・積分回路25を設けるだけであ
る。しかし、この実施形態では、チルトミラー4を用い
て波面の傾斜成分を制御するため、図4に示すように角
度指令決定回路26で各位相変調信号17を入力しチル
トミラー4に対する角度指令12を決定する。なお、チ
ルトミラー4の角度制御には、例えば電歪素子や磁歪素
子などからなる駆動素子が使用される。
【0022】チルトミラー4は、図5(a)の平面図、
図5(b)の側面図に示すように、円盤状のミラー21
と、このミラー21の裏面から当該ミラー21を一端で
支持する駆動素子22とからなり、駆動素子22の他端
は支持基板22aに位置が規定された状態で取り付けら
れている。なお、この実施形態では、駆動素子22は等
間隔dで5行5列の計25個設けられている。
【0023】次にチルトミラー4の角度指令12の決定
手順について、図5に示す形状可変鏡5と図6に示す角
度指令決定回路26のフローチャートを用いて説明す
る。形状可変鏡5は図5に示すように、ミラー21を2
5個の駆動素子22の各変位を制御することによりミラ
ー面の凹凸を変えるものである。ここで、各駆動素子2
2の変位量δ(m)と駆動素子が位置する領域のレーザ
位相φ(m)は比例する。いま、各レーザ強度a(m)
が等しく位相差{φ(m)−φ(n)}が小さいとすれ
ば、式(1)で示される各位相変調信号17は下記の式
(2)で表すことができる。
【0024】
【数2】
【0025】すなわち、各位相変調信号I(m)は、そ
の領域のレーザ位相φ(m)と波面全体の平均値との位
相差の正弦関数に比例することがこの式(2)から分か
る。図6のフローチャートにおいて、まず、ステップS
1で位相変調信号17、すなわち各駆動素子22の位相
変調信号I(1)、I(2)・・・・I(25)を入力
する。次に、ステップS2で式(3)で示す各位相変調
信号の逆正弦関数
【0026】
【数3】
【0027】を計算し、各駆動素子位置でのレーザ位相
と波面平均値との位相差を求める。チルトミラー4の角
度指令12には、2方向の角度指令θx 、θy があり、
図5に示す形状可変鏡5を用いる場合にはx方向ではφ
(11)とφ(15)、y方向ではφ(3)とφ(2
3)の少なくとも2個のレーザ位相から、式(4)に基
づいて計算し、
【0028】
【数4】
【0029】角度指令12を決定することができる。そ
して、ステップS4で角度指令θx 、θy をチルトミラ
ー4に出力して、角度指令決定回路26での処理が終了
する。以上説明した手順により、反射波8の光強度を検
出し形状可変鏡5とチルトミラー4を制御することがで
きる。
【0030】なお、上述した角度指令決定法では、x及
びy方向の角度指令θx 、θy を駆動素子22が配置さ
れた2点でのレーザ位相により決定した。検出される位
相変調信号17はノイズを含んでいるが、ノイズの影響
を抑えるためには多くの駆動素子位置での位相変調信号
を用いて最小自乗法などで角度指令12を決定すれば良
い。
【0031】また、位相変調信号17はレーザ位相の正
弦関数に比例するため、±π以上の位相を検出できな
い。このため、実際の位相分布が±π以上の範囲である
場合には、角度指令を正しく求めることはできない。一
方、形状可変鏡5の駆動素子間隔dは、制御する波面歪
みの最大空間周波数より決定するため、隣接する駆動素
子でのレーザ位相差がπ以下となるように、駆動素子を
配列することが可能である。そこで、逆正弦関数演算に
より求めた位相と隣接する位置のレーザ位相との差が±
π以上の場合は、一方の位相に2πを加算または減算す
ることにより、正しい位相に補正することが可能とな
る。このように補正した位相に基づいて角度指令12を
決定することにより、上述したような制御誤差をなくす
ることができる。このような補正法は、チルトミラー4
の角度指令12を決定するときだけではなく、形状可変
鏡5の制御信号19を決定する場合にも同様な手段によ
り適用できることは言うまでもない。
【0032】チルトミラー4としては例えば図7、図8
および図9に示すようなものがある。図7に示したチル
トミラー4は、ミラー21を軸受23を介して4つの駆
動素子22にて駆動するものである。各駆動素子22の
変位を変えることにより、ミラー面の傾きを変えること
ができる。なお、図7(a)は平面図、図7(b)は側
面図である。
【0033】図8に示したチルトミラー4は、ミラー2
1の1点を保持し、軸受23を介して2つの駆動素子2
2にて駆動するものである。この構造においても、各駆
動素子22の変位を変えることにより、ミラー面の傾き
を変えることができる。なお、このときには2方向の角
度指令12に基づいて各駆動素子22の変位量を求める
必要がある。なお、図8(a)は平面図、図8(b)は
側面図である。
【0034】図9に示したチルトミラー4は、いわゆる
ジンバル機構と呼ばれる構造を採用したもので、ミラー
21は軸受23aを介して内側のフレーム24aに接続
され、軸受23aを回転軸としてミラー21は回転でき
る。そして、フレーム24aは前記軸受23aと直交す
る方向に設けられた軸受23bを介してフレーム24b
に接続され、軸受23bを回転軸としてミラー21を含
めたフレーム24a全体を回転させることができる。こ
のように構成すると、ミラー21あるいはフレーム24
aに取り付けた駆動素子22の変位を変えることによ
り、ミラー面の角度を変えることができる。図9に示し
た構造では、駆動素子22によってミラー面の角度を変
えているが、2つの回転軸にモータ等の回転機構を設け
ることでも実現できる。
【0035】以上、この実施形態では、角度を制御する
手段としてチルトミラーを用いた例について説明した
が、この他にもレーザビームの角度を変える手段として
は、ポリゴンミラー、ガルバノミラーあるいは光音響素
子などを使用することができる。
【0036】これまでの実施形態では、補正する波面歪
3の傾斜成分をチルトミラー4の角度を変更することに
よって補償しているが、その他に光軸中心に対して形状
可変鏡5のミラー全体の傾きを変えたり、レンズ6の傾
きを変えてもよい。すなわち、光軸中心に対して形状可
変鏡5のミラー面全体の傾きを変えること及びレンズ6
の傾きを変えることは、チルトミラー4の角度を変える
ことと等価である。従って、形状可変鏡5あるいはレン
ズ6を例えば図7に示したジンバル機構の上に設置し、
前述の位相変調信号17より求めた角度指令12に基づ
いてその角度を制御することにより、波面傾斜成分を補
正できる。この構成は、ミラーを付加することなく、従
来のマルチディザー方式補償光学装置を構成する光学系
に角度を変える機構を付加するのみで実現できる。
【0037】なお、マルチディザー方式補償光学装置は
波面歪みを補正するものであり、本装置をいろいろな光
学装置に適用することによりその性能を向上させること
ができる。具体的には、レーザ共振器の後段に補償光学
装置を設けることにより、共振器内部で発生する波面歪
みを補正することが可能となり、空間的なコヒーレンス
の高いレーザビームを得ることができる。
【0038】また、レーザ加工機においては、レーザ共
振器、光学系の機械的歪み及び伝播路中で発生する波面
歪みにより、加工する加工材上でレーザビームが歪みエ
ネルギー密度が低下する問題が生じるが、本発明のマル
チディザー方式補償光学装置をレーザ加工機に適用する
と、エネルギー密度が高く照射ビーム径を狭くすること
ができるため、高性能なレーザ加工機を提供できる。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、補正する波面歪みの傾
斜成分はチルトミラー等の光の光軸に対する角度を変え
ることで補正し、残りの波面歪み成分を形状可変鏡で補
正するので、簡単な構成で補正できる波面歪みの範囲を
拡大することができる。
【0040】また、本発明のマルチディザー方式補償光
学装置を種々の光学装置に適用することにより、簡単な
構成で波面歪みのないレーザビームを得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るマルチディザー方式
補償光学装置の構成を示す図である。
【図2】本発明および従来技術における波面歪みの役割
分担を示す形状可変鏡とチルトミラーの波面の分布を示
す図である。
【図3】図1における制御装置の詳細な構成を示すブロ
ック図である。
【図4】図3における制御回路の詳細な構成を示すブロ
ック図である。
【図5】形状可変鏡の構造を示す図である。
【図6】図3における制御回路での計算手順を示すフロ
ーチャートである。
【図7】チルトミラーの構造の一例を示す図である。
【図8】チルトミラーの構造の他の例を示す図である。
【図9】ジンバル構造としたチルトミラーの構造を示す
図である。
【符号の説明】
1 レーザ共振器 2 レーザビーム 3 波面歪 4 チルトミラー 5 形状可変鏡 6 レンズ 7 被照射材 8 反射波 9 光検出器 10 光強度信号 11 制御装置 12 角度指令 13 変位指令 14 同期検波器 15 発振器 16 位相変調信号検出回路 17 位相変調信号 18 発振信号 19 制御信号 20 制御回路 21 ミラー 22 駆動素子 23 軸受 24 フレーム 25 比例積分回路 26 角度指令決定回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 妹尾 誠 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株式会社 日立製作所 電力・電機開発 本部内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02B 26/00 B23K 26/06 H01S 3/13

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザビームを形状可変鏡の各駆動素子
    毎に異なる周波数で位相変調し、レーザビームの焦点強
    度に基づいて形状可変鏡の駆動素子を制御することによ
    りレーザビームの波面歪みを補正するマルチディザー方
    式補償光学装置において、 レーザ光を出射するレーザ出射手段からレーザ光が照射
    される被照射材までのレーザビームの光路中に設けら
    れ、当該光路中で前記レーザビームの角度を制御する手
    段と、 前記レーザビームの焦点強度に含まれる複数の位相変調
    信号から前記レーザビームの角度を制御する手段の角度
    制御量を決定する手段と、を備えていることを特徴とす
    るマルチディザー方式補償光学装置。
  2. 【請求項2】 前記レーザビームの角度を制御する手段
    が、反射面の角度が可変に設定されたチルトミラーから
    なることを特徴とする請求項1記載のマルチディザー方
    式補償光学装置。
  3. 【請求項3】 前記チルトミラーは4点で支持され、当
    該4点の支持位置を軸方向に変更することによって角度
    を変更することを特徴とする請求項2記載のマルチディ
    ザー方式補償光学装置。
  4. 【請求項4】 前記チルトミラーは3点で支持され、当
    該3点のうちの2点の支持位置を軸方向に変更すること
    によって角度を変更することを特徴とする請求項2記載
    のマルチディザー方式補償光学装置。
  5. 【請求項5】 前記チルトミラーは形状可変鏡の前段ま
    たは後段の光路中に配されていることを特徴とする請求
    項2ないし4のいずれか1項に記載のマルチディザー方
    式補償光学装置。
  6. 【請求項6】 前記レーザビームの角度を制御する手段
    が、2方向の角度を独立して変更することができる機構
    からなることを特徴とする請求項1記載のマルチディザ
    ー方式補償光学装置。
  7. 【請求項7】 前記レーザビームの角度を制御する手段
    が、2方向の角度を独立して変更することができる機構
    と、当該機構に搭載されたレーザビームを集光する光学
    系とからなり、前記角度の変更は前記機構により行うこ
    とを特徴をする請求項1記載のマルチディザー方式補償
    光学装置。
  8. 【請求項8】 前記2方向の角度を独立して変更するこ
    とができる機構がジンバル機構からなることを特徴とす
    る請求項6または7記載のマルチディザー方式補償光学
    装置。
  9. 【請求項9】 前記角度制御量を決定する手段は、前記
    位相変調信号を逆正弦関数演算し、前記形状可変鏡の駆
    動素子の位置する領域のレーザ位相を求め、該レーザ位
    相の少なくとも2つ以上から前記角度制御量を決定する
    ことを特徴とする請求項1記載のマルチディザー方式補
    償光学装置。
  10. 【請求項10】 前記角度制御量を決定する手段は、前
    記形状可変鏡の駆動素子の変位量をも決定し、 前記角度制御量を決定する手段は、形状可変鏡の駆動素
    子の隣接する位置に対応する位相変調信号から得られる
    レーザ位相との位相差を±π以内としてレーザビームの
    角度制御量と前記形状可変鏡の駆動素子の変位量とを決
    定することを特徴とする請求項9記載のマルチディサー
    方式補償光学装置。
  11. 【請求項11】 前記位相差が±π以上の場合には一方
    の位相に2πを加算あるいは減算することによって補正
    して前記レーザ位相差を±π以内とし、該補正されたレ
    ーザ位相に基づいてレーザビームの角度制御量と形状可
    変鏡の駆動素子の変位量を決定することを特徴とする請
    求項10記載のマルチディザー方式補償光学装置。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし11のいずれか1項に
    記載のマルチディザー方式補償光学装置を備えているこ
    とを特徴とするレーザ共振器。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし11のいずれか1項に
    記載のマルチディザー方式補償光学装置を備えているこ
    とを特徴とするレーザ加工機。
JP8280433A 1996-10-23 1996-10-23 マルチディザー方式補償光学装置 Expired - Lifetime JP2863502B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8280433A JP2863502B2 (ja) 1996-10-23 1996-10-23 マルチディザー方式補償光学装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8280433A JP2863502B2 (ja) 1996-10-23 1996-10-23 マルチディザー方式補償光学装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10123438A JPH10123438A (ja) 1998-05-15
JP2863502B2 true JP2863502B2 (ja) 1999-03-03

Family

ID=17624994

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8280433A Expired - Lifetime JP2863502B2 (ja) 1996-10-23 1996-10-23 マルチディザー方式補償光学装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2863502B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001228449A (ja) * 2000-02-14 2001-08-24 Hamamatsu Photonics Kk レーザ集光装置及びレーザ加工装置
JP2004170638A (ja) * 2002-11-19 2004-06-17 Olympus Corp 映像撮影装置
JP4689194B2 (ja) * 2004-06-02 2011-05-25 キヤノン株式会社 光学素子の駆動装置、該駆動装置を用いて構成した光空間伝送装置、レンズ装置
DE102008050446B4 (de) 2008-10-08 2011-07-28 Carl Zeiss SMT GmbH, 73447 Verfahren und Vorrichtungen zur Ansteuerung von Mikrospiegeln
CN103412403B (zh) * 2013-07-18 2015-12-23 清华大学 激光光束调制系统
CN106602391B (zh) * 2016-12-09 2019-04-30 中国人民解放军海军航空工程学院 一种具备波前畸变自校正能力的板条激光模块
CN109217084B (zh) * 2017-06-30 2020-12-04 中国科学院上海光学精密机械研究所 高能重频热容激光器的控制方法和高能重频热容激光器

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10123438A (ja) 1998-05-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5045753B2 (ja) 油膜検出装置
JP5094994B2 (ja) ウェハ
US10466516B2 (en) Control system including a beam stabilizer and a phase modulation capable acousto-optic modulator for diverting laser output intensity noise to a first order laser light beam and related methods
JP2006253671A (ja) ビームドリフト補償装置及び方法
JP5296427B2 (ja) 光走査装置及びその制御方法、並びに、画像読取装置及びディスプレイ装置
JP2863502B2 (ja) マルチディザー方式補償光学装置
US4393303A (en) Intracavity phase front and power control
US10802270B2 (en) Optical scanner comprising a calibrating unit to calibrate intensity of the drive signal applied to a mirror driving unit
EP0825471B1 (en) Beam diameter control method and device
KR20180103991A (ko) 스캔 반사 미러 모니터링 시스템 및 방법, 포커싱 및 레벨링 시스템
JP7397317B2 (ja) レーザ加工装置の収差制御方法
US10491866B2 (en) Actuator controlling device, drive system, video device, image projection device, and actuator controlling method
JPH11218702A (ja) 光走査装置
JP2006026699A (ja) レーザ加工装置および方法
JP2000180748A (ja) 分割走査装置及び分割走査装置のビーム状態調整方法
TW202202261A (zh) 雷射加工裝置
JP2007094122A (ja) レーザ直接描画装置
KR102177243B1 (ko) 폴리곤 스캐너를 포함하는 레이저 가공 장치 및 방법
JP2007520724A (ja) 誘導ブリルアン散乱位相共役鏡を有する増幅器で位相を自己制御する装置及び方法
CN112817180A (zh) 应用于lcos系统位相调制工作台的高速运动控制方法及系统
JPH07230055A (ja) レーザビーム走査装置
JP2021009218A (ja) 光走査装置及びその制御方法
CN116893505A (zh) 光扫描装置、光扫描装置的驱动方法及图像描绘系统
JP2013195886A (ja) 光学走査装置
KR101718280B1 (ko) 회전 광학 소자를 이용한 고출력 위상안정 유도 브릴루앙 산란 위상 공액 거울

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term