JP2863036B2 - ハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀カラー写真
感光材料に関するもので、新規なイエロー発色カプラー
(以下イエローカプラーと記す)を含有し、特に色再現
性、光や熱に対する色像堅牢性、処理依存性が改良され
たハロゲン化銀カラー写真感光材料に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀カラー写真感光材料は、該
材料に露光を与えた後発色現像処理をすることにより、
色素形成カプラーと芳香族第一級アミン現像主薬の酸化
体を反応させて色素画像を形成するものである。一般
に、この方法においては減色法による色再現法が用いら
れ、それぞれ感色性の異なるハロゲン化銀乳剤層中にイ
エロー、マゼンタ、シアンの色素を形成するカプラーを
分散して使用する。このうちイエローカプラーとしては
ピバロイル型イエローカプラー、ベンゾイル型イエロー
カプラーに代表されるアシルアセトアニリド型カプラー
やマロンジアニリド型カプラーが広く知られている。ピ
バロイル型イエローカプラーは色相および色像堅牢性が
優れており、その特徴を生かして主としてカラープリン
ト材料で使われてきているが、分子吸光係数が小さくカ
ップリング活性が低いという欠点を有していた。また、
特徴とされる色相や色像堅牢性の点でも近年のより高度
な要求に応えるためには更なる改良が望まれていた。
【0003】ベンゾイル型イエローカプラーは分子吸光
係数が高く、かつ高活性であるため、主として撮影用ネ
ガティブフィルムで用いられてきた。しかし、このカプ
ラーは吸収波形がブロードでかつ生成した色素画像の堅
牢性も低く、やはり更なる改良が望まれていた。一方、
マロンジアニリド型イエローカプラーは、例えば米国特
許第4,149,886号、同4,095,984号、
同4,477,563号などに記載されているが、色相
および画像堅牢性において、前記ベンゾイル型カプラー
に比べてさらに劣るため、現像抑制剤放出型のカプラー
として限られた用途で使われているにすぎなかった。こ
のカプラーの欠点を改良したカプラーが欧州特許447
020A1号に記載されている。しかし、このカプラー
を以てしても、発色性、色相、色像堅牢性とも十分満足
すべきレベルには到達していなかった。以上のような事
情から、高い分子吸光係数、高い発色性、優れた色相、
そして優れた色像堅牢性のすべてを兼ね備えたカプラー
の開発が強く望まれていた。
【0004】一方、上記のイエローカプラーの欠点を補
うため、高沸点有機溶媒、褪色防止剤、発色促進剤など
が種々検討されている。例えば、高沸点有機溶媒により
色相を改良する方法としては、特開昭63−24154
7号、同63−256952号などに、また色像の堅牢
性を改良する方法としては、米国特許第4745049
号、特開昭64−11262号、同64−17056
号、同64−10247号、同64−50048号、特
開平2−4239号などに記載されている。褪色防止剤
により色像堅牢性を改良する方法としては、例えば、特
開昭61−2151号、同61−6652号、特開平1
−196049号、同1−284853号などに記載さ
れている。また、色像堅牢性を改良するために水不溶性
かつ有機溶媒可溶性の重合体を使用する方法が特開昭6
4−50049号に記載されている。しかし、上記の方
法を以てしてもなお、ますます高度化している要求に十
分に応えられる性能には到達しておらず、カプラーもし
くはその使用技術の更なる改良が強く望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、高い分子吸光係数、高い発色性、優れた色相、そし
て優れた色像堅牢性のすべてを兼ね備えた新規なイエロ
ーカプラーを開発し、それを使って色再現性、画像堅牢
性、処理依存性に優れたハロゲン化銀カラー写真感光材
料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の前記の目的は以
下のハロゲン化銀カラー写真感光材料により達成され
た。すなわち、 (1) 支持体上のイエロー発色性ハロゲン化銀乳剤層
中に、下記一般式(I)で表されるイエロー発色カプラ
ーの少なくとも1種が高沸点有機溶媒中に溶解して分散
され、かつイエロー発色カプラーに対する高沸点有機溶
媒の重量比が0.6以上であることを特徴とするハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料。
【0007】
【化3】
【0008】式(I)中、Xは窒素原子とともに1−イ
ンドリニルを形成するために必要な有機残基を表し、Y
は芳香族基または複素環基を表し、Zは該一般式で示さ
れるカプラーが現像主薬酸化体と反応して離脱する基を
表す。 (2) 前記高沸点有機溶媒の誘電率が6.0以下であ
ることを特徴とする前項1記載のハロゲン化銀カラー写
真感光材料。 (3) 前記高沸点有機溶媒が下記一般式〔S−1〕〜
〔S−5〕のいずれかで表されることを特徴とする前項
1または2に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
【0009】
【化4】
【0010】式〔S−1〕においてR1、R2及びR3
それぞれ独立にアルキル基、シクロアルキル基、アリー
ル基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、または
アリールオキシ基を表わす。式〔S−2〕においてR4
及びR5はそれぞれ独立にアルキル基、シクロアルキル
基またはアリール基を表わし、R6はハロゲン原子
(F、Cl、Br、I以下同じ)、アルキル基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基またはアルコキシカルボニル
基を表わし、aは0〜3の整数を表わす。aが複数のと
き複数のR6は同じでも異なっていてもよい。式〔S−
3〕においてArはアリール基を表わし、bは1〜6の
整数を表わし、R7はb価の炭化水素基またはエーテル
結合で互いに結合した炭化水素基を表わす。式〔S−
4〕においてR8はアルキル基またはシクロアルキル基
を表わし、cは1〜6の整数を表わし、R9はc価の炭
化水素基またはエーテル結合で互いに結合した炭化水素
基を表わす。式〔S−5〕においてdは2〜6の整数を
表わし、R10はd価の炭化水素基(ただし芳香族基を除
く)を表わし、R11はアルキル基、シクロアルキル基ま
たはアリール基を表わす。 (4) 該イエロー発色性ハロゲン化銀乳剤層中に水不
溶性の重合体を含有することを特徴とする前項1〜3の
いずれかに記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。 (5) 該イエロー発色性ハロゲン化銀乳剤層中の該イ
エロー発色カプラーに対する水不溶性の重合体の重量比
が0.2以上であることを特徴とする前項4に記載のハ
ロゲン化銀カラー写真感光材料。 (6) 支持体上にそれぞれ少なくとも1層の互いに感
色性の異なるシアン発色性ハロゲン化銀乳剤層、マゼン
タ発色性ハロゲン化銀乳剤層および前記のイエロー発色
性乳剤層を有する前項1〜5のいずれかに記載のハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料。
【0011】一般式(I)で示されるカプラーについて
以下に詳しく述べる。
【0012】Aで表わされる複素環基は、1−インドリ
ニルである。
【0013】一般式(I)においてYが芳香族基を表わ
すとき、炭素数6以上、好ましくは6〜10、置換また
は無置換の芳香族基である。特に好ましくは、フェニル
またはナフチルである。
【0014】一般式(I)においてYが複素環基を表わ
すとき、炭素数1以上、好ましくは1〜10、特に好ま
しくは2〜5、飽和または不飽和、置換または無置換の
複素環基である。ヘテロ原子として好ましくは、窒素原
子、イオウ原子または酸素原子がその例である。環員数
としては、5〜6員環が好ましいがそれ以外であっても
よい。単環または縮合環のいずれでもよい。Yが複素環
基を表わすとき、具体的には例えば2−ピリジル、4−
ピリミジニル、5−ピラゾリル、8−キノリル、2−フ
リルまたは2−ピロリルが挙げられる。
【0015】一般式(I)においてAで示される基およ
びYで示される基が各々置換基を有するとき、置換基の
例としては、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、クロル
原子)、アルコキシカルボニル基(炭素数2〜30、好
ましくは2〜20。例えばメトキシカルボニル、ドデシ
ルオキシカルボニル、ヘキサデシルオキシカルボニ
ル)、アシルアミノ基(炭素数2〜30、好ましくは2
〜20。例えばアセトアミド、テトラデカンアミド、2
−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)ブタンアミ
ド、ベンズアミド)、スルホンアミド基(炭素数1〜3
0、好ましくは1〜20。例えばメタンスルホンアミ
ド、ドデカンスルホンアミド、ヘキサデカンスルホンア
ミド、ベンゼルスルホンアミド)、カルバモイル基(炭
素数2〜30、好ましくは2〜20。例えばN−ブチル
カルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル)、スル
ファモイル基(炭素数1〜30、好ましくは1〜20。
例えばN−ブチルスルファモイル、N−ドデシルスルフ
ァモイル、N−ヘキサデシルスルファモイル、N−3−
(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)ブチルスルファ
モイル)、アルコキシ基(炭素数1〜30、好ましくは
1〜20。例えばメトキシ、ドデシルオキシ)、N−ア
シルスルファモイル基(炭素数2〜30、好ましくは2
〜20。例えばN−プロパノイルスルファモイル、N−
テトラデカノイルスルファモイル)、スルホニル基(炭
素数1〜30、好ましくは1〜20。例えばメタンスル
ホニル、オクタンスルホニル、ドデカンスルホニル)、
アルコキシカルボニルアミノ基(炭素数1〜30、好ま
しくは1〜20。例えばメトキシカルボニルアミノ、テ
トラデシルオキシカルボニルアミノ)、シアノ基、ニト
ロ基、カルボキシル基、アリールオキシ基(炭素数6〜
20、好ましくは6〜10。例えばフェノキシ、4−ク
ロールフェノキシ)、アルキルチオ基(炭素数1〜3
0、好ましくは1〜20。例えばメチルチオ、ドデシル
チオ)、ウレイド基(炭素数1〜30、好ましくは1〜
20。例えばフェニルウレイド)、アリール基(Yが芳
香族基を表わすとき説明したのと同義)、複素環基(Y
が複素環基を表わすとき説明したのと同義)、スルホ
基、アルキル基(炭素数1〜30、好ましくは1〜20
の直鎖、分岐、環状、飽和、不飽和、置換または無置
換。例えば、メチル、エチル、イソプロピル、シクロプ
ロピル、トリフルオロメチル、シクロペンチル、ドデシ
ル、2−ヘキシルオクチル)、アシル基(炭素数1〜3
0、好ましくは2〜20。例えばアセチル、ベンゾイ
ル)、アリールチオ基(炭素数6〜20、好ましくは6
〜10。例えばフェニルチオ)、スルファモイルアミノ
基(炭素数0〜30、好ましくは0〜20。例えば、N
−ブチルスルファモイルアミノ、N−ドデシルスルファ
モイルアミノ)、N−アシルカルバモイル基(炭素数2
〜30、好ましくは2〜20。例えばN−ドデカノイル
カルバモイル)、N−スルホニルカルバモイル基(炭素
数1〜30、好ましくは2〜20。例えばN−ヘキサデ
カンスルホニルカルバモイル、N−ベンゼンスルホニル
カルバモイル、N−(2−オクチルオキシ−5−ter
t−オクチルベンゼンスルホニル)カルバモイル)、N
−スルファモイルカルバモイル基(炭素数1〜30、好
ましくは1〜20。例えば、N−(エチルスルファモイ
ル)カルバモイル、N−{3−(2,4−ジ−t−アミ
ルフェノキシ)プロピルスルファモイル}カルバモイ
ル)、N−スルホニルスルファモイル基(炭素数0〜3
0、好ましくは1〜20。例えばN−ドデカンスルホニ
ルスルファモイル、N−ベンゼンスルホニルスルファモ
イル)、N−カルバモイルスルファモイル基(炭素数1
〜30、好ましくは1〜20。例えば、N−(エチルカ
ルバモイル)スルファモイル、N−{3−(2,4−ジ
−t−アミルフェノキシ)プロピルカルバモイル}スル
ファモイル)、N−(N−スルホニルカルバモイル)ス
ルファモイル基(炭素数1〜30、好ましくは1〜2
0。例えば、N−(ドデカンスルホニルカルバモイル)
スルファモイル、N−(2−オクチルオキシ−5−t−
オクチルベンゼンスルホニルカルバモイル)スルファモ
イル)、3−スルホニルウレイド基(炭素数1〜30、
好ましくは1〜20。例えば、3−ヘキサデカンスルホ
ニルウレイド、3−ベンゼンスルホニルウレイド)、3
−アシルウレイド基(炭素数2〜30、好ましくは2〜
20。例えば、3−アセチルウレイド、3−ベンゾイル
ウレイド)、3−アシルスルファミド基(炭素数1〜3
0、好ましくは1〜20。例えば、3−プロピオニルス
ルファミド、3−(2,4−ジクロロベンゾイル)スル
ファミド)、3−スルホニルスルファミド基(炭素数0
〜30、好ましくは1〜20。例えば3−メタンスルホ
ニルスルファミド、3−(2−メトキシエトキシ−5−
t−オクチルベンゼンスルホニル)スルファミド)、ヒ
ドロキシル基、アシルオキシ基(炭素数1〜30、好ま
しくは1〜20。例えば、プロパノイルオキシ、テトラ
デカノイルオキシ)、スルホニルオキシ基(炭素数0〜
30、好ましくは0〜20。ドデカンスルホニルオキ
シ、2−オクチルオキシ−5−t−オクチルベンゼンス
ルホニルオキシ)、アリールオキシカルボニル基(炭素
数7〜20、好ましくは7〜10。例えばフェノキシカ
ルボニル)が挙げられる。
【0016】Aで示される基が置換基を有するとき置換
基の好ましい例としては、前記に列挙したものの中で、
ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルアミノ基、カルバ
モイル基、アルキル基、スルホンアミド基またはニトロ
基が挙げられるが無置換も好ましい例である。
【0017】Yで示される基が置換基を有するとき、置
換基の好ましい例としては、ハロゲン原子、アルコキシ
カルボニル基、スルファモイル基、カルバモイル基、ス
ルホニル基、スルホンアミド基、アシルアミノ基、アル
コキシ基、アリールオキシ基、N−アシルカルバモイル
基、N−スルホニルカルバモイル基、N−スルファモイ
ルカルバモイル基、N−スルホニルスルファモイル基、
N−アシルスルファモイル基、N−カルバモイルスルフ
ァモイル基、N−(N−スルホニルカルバモイル)スル
ファモイル基が挙げられる。
【0018】一般式(I)においてZで示される基とし
ては、従来知られているカップリング離脱基のいずれで
あってもよい。好ましいZとしては、窒素原子でカップ
リング位と結合する含窒素複素環基、芳香族オキシ基、
芳香族チオ基、複素環オキシ基、複素環チオ基、アシル
オキシ基、カルバモイルオキシ基、アルキルチオ基また
はハロゲン原子が挙げられる。これらの離脱基は、写真
性有用基もしくはその前駆体(例えば現像抑制剤、現像
促進剤、脱銀促進剤、カブラセ剤、色素、硬膜剤、カプ
ラー、現像主薬酸化体スカベンジャー、けい光色素、現
像主薬、または電子移動剤)または非写真性有用基のい
ずれであってもよい。
【0019】Zが含窒素複素環基を表わすとき、詳しく
は単環または縮合環の、置換または無置換の複素環基で
ある。その例として、スクシンイミド、マレインイミ
ド、フタールイミド、ジグリコールイミド、ピロリノ、
ピラゾリル、イミダゾリル、1,2,4−トリアゾール
−1−イル(または4−イル)、1−テトラゾリル、イ
ンドリル、ベンゾピラゾリル、ベンズイミダゾリル、ベ
ンゾトリアゾリル、イミダゾリジン−2,4−ジオン−
3−イル(または1−イル)、オキサゾリジン−2,4
−ジオン−3−イル、チアゾリジン−2,4−ジオン−
3−イル、イミダゾリン−2−オン−1−イル、オキサ
ゾリン−2−オン−3−イル、チアゾリン−2−オン−
3−イル、ベンゾオキサゾリン−2−オン−3−イル、
1,2,4−トリアゾリジン−3,5−ジオン−4−イ
ル、2−ピリドン−1−イル、モルホリン−3,5−ジ
オン−4−イル、1,2,3−トリアゾール−1−イル
または2−イミダゾリン−5−オンが挙げられる。これ
らの複素環基が置換基を有するとき、その置換基として
は、前記A基が有してもよい置換基として列挙した置換
基がその例として挙げられる。
【0020】Zが含窒素複素環基を表わすとき、好まし
くは、1−ピラゾリル、イミダゾリル、1,2,3−ト
リアゾール−1−イル、ベンゾトリアゾリル、1,2,
4−トリアゾール−1−イル、オキサゾリジン−2,4
−ジオン−3−イル、1,2,4−トリアゾリジン−
3,5−ジオン−4−イル、またはイミダゾリジン−
2,4−ジオン−3−イルである。これらは置換基を有
する場合も含まれる。
【0021】Zが芳香族オキシ基を表わすとき、好まし
くは置換または無置換のフェノキシ基である。置換基を
有するとき、置換基の例としては、前記Yで示される基
が有してもよい置換基として列挙した置換基が挙げられ
る。フェノキシ基が有する好ましい置換基としては、少
なくとも一個の置換基が電子吸引性置換基である場合で
あり、例えば、スルホニル基、アルコキシカルボニル
基、スルファモイル基、ハロゲン原子、カルボキシル
基、カルバモイル基、アシル基またはニトロ基がその例
である。
【0022】Zが芳香族チオ基を表わすとき、好ましく
は置換または無置換のフェニルチオ基である。置換基を
有するとき、置換基の例としては、前記Yで示される基
が有してもよい置換基として列挙した置換基が挙げられ
る。フェニルチオ基が有する好ましい置換基としては、
置換基の少なくとも一個がアルキル基、アルコキシ基、
スルホニル基、アルコキシカルボニル基、スルファモイ
ル基、ハロゲン原子、カルバモイル基またはニトロ基で
ある場合である。
【0023】Zが、複素環オキシ基を表わすとき、複素
環基の部分としては、前記Yが複素環基を表わすときと
同じ意味である。Zが複素環チオ基を表わすとき、5員
または6員の不飽和複素環チオ基が好ましい例である。
例えば、テトラゾリルチオ基、1,3,4−チアジアゾ
リルチオ基、1,3,4−オキサジアゾリルチオ基、
1,3,4−トリアゾリルチオ基、ベンゾイミダゾリル
チオ基、ベンゾチアゾリルチオ基または2−ピリジルチ
オ基が挙げられる。これらが置換基を有するときの例と
しては、前記Yが複素環基を表わすとき、有してもよい
置換基として列挙した置換基が挙げられる。これらの中
で特に好ましい置換基としては、芳香族基、アルキル
基、アルキルチオ基、アシルアミノ基、アルコキシカル
ボニル基またはアリールオキシカルボニル基である。
【0024】Zがアシルオキシ基を表わすとき、詳しく
は芳香族アシルオキシ基(炭素数7〜11、好ましくは
ベンゾイルオキシ基)、もしくは脂肪族アシルオキシ基
(炭素数2〜20、好ましくは2〜10)であり、置換
基を有してもよい。置換基の具体的例としては、前記Y
が芳香族基を表わすとき有してもよい置換基として列挙
した置換基が挙げられる。好ましい置換基としては、少
なくとも一個の置換基がハロゲン原子、ニトロ基、アリ
ール基、アルキル基またはアルコキシ基である場合であ
る。
【0025】Zがカルバモイルオキシ基を表わすとき、
炭素数1〜30、好ましくは1〜20の、脂肪族、芳香
族、複素環もしくは無置換のカルバモイルオキシ基であ
る。例えばN,N−ジエチルカルバモイルオキシ、N−
フェニルカルバモイルモルホリノカルボニルオキシ、1
−イミダゾリルカルボニルオキシまたはN,N−ジメチ
ルカルバモイルオキシが挙げられる。ここでアルキル
基、芳香族基および複素環基についての詳しい説明は、
前記Yの説明のなかで定義したものと同義である。
【0026】Zがアルキルチオ基を表わすとき、炭素数
1〜30、好ましくは1〜20のアルキルチオ基であ
る。アルキル基の詳しい説明は前記Yの説明のなかで定
義したものと同義である。一般式(I)においてZで示
される基として好ましいものは、5〜6員の含窒素複素
環基(窒素原子でカップリング位と結合する)、芳香族
オキシ基、5〜6員の複素環オキシ基または5〜6員の
複素環チオ基が挙げられる。
【0027】一般式(I)においてYで示される基とし
て好ましいものは、芳香族基である。特に好ましくはオ
ルト位に置換基を少なくとも一個有するフェニル基であ
る。置換基の説明は前記Yが芳香族基であるとき有して
もよい置換基として説明したものが挙げられる。
【0028】一般式(I)においてYで示される基が、
少なくとも一個の置換基をオルト位に有するフェニル基
であるとき、そのオルト位の置換基としては特に好まし
くは、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキル基または
アリールオキシ基である。一般式(I)で示されるカプ
ラーのなかで特に好ましいカプラーは下記一般式(II)
で示される。
【0029】
【化5】
【0030】式(II)中、YおよびZは一般式(I)に
おいて説明したのと同じ意味を表わし、X1 は−C(R
1 2 )−N−とともに1−インドリニルを形成するた
めに必要な有機残基を表わし、R1 及びR2 は各々水素
原子もしくは置換基を表わす。
【0031】一般式(II)においてYおよびZの好まし
い範囲および具体例は一般式(I)において説明したの
と同じである。一般式(II)においてBで示されるヘテ
ロ環基は1−インドリニルであり、その置換基の例は一
般式(I)においてAの説明の中で述べたものの中から
例として挙げられる。また、それらの好ましい範囲も同
義である。一般式(II)で示されるカプラーのなかで、
さらにより好ましいカプラーは、下記一般式(III)で示
される。
【0032】
【化6】
【0033】式(III)中、R3 は水素原子もしくは置換
基を表わし、R4 、R5 、R6 は置換基を表わす。Zは
一般式(I)において説明したのと同じ意味を表わし、
m、nはそれぞれ0から4までの整数を表わす。m、n
がそれぞれ2以上の整数を表わすとき、それらのR4
よびR6 は同じであっても異なっていても、また互いに
結合して環を形成してもよい。
【0034】一般式(III)においてR3 、R4 が置換基
を表すとき、それら置換基の例は、一般式(I)におい
てAで示される基が置換基を有するときの置換基の例と
同じである。R3 の好ましい例は、水素原子、アルキル
基、アリール基であり、R4の好ましい例としては、ハ
ロゲン原子、アルコキシ基、アシルアミノ基、カルバモ
イル基、アルキル基、スルホンアミド基またはニトロ基
が挙げられる。mは好ましくは0から2の整数、特に好
ましくは、0もしくは1である。
【0035】一般式(III)において、R5 、R6 で表わ
される置換基の例としては、一般式(I)においてYで
示される基が置換基を有するときの置換基の例と同じも
のが挙げられる。R5 は好ましくは、ハロゲン原子、ア
ルコキシ基、アルキル基またはアリールオキシ基であ
り、R6 の好ましい例は一般式(I)においてYで示さ
れる基が置換基を有するとき、置換基の好ましい例とし
て挙げたのと同じものが挙げられる。nは好ましくは0
から2の整数、より好ましくは1もしくは2である。
【0036】一般式(I)、(II)および(III)で示さ
れるカプラーは、X、YおよびZにおいて2価もしくは
2価以上の基を介して互いに結合する2量体またはそれ
以上の多量体を形成してもよい。この場合、前記の各置
換基において示した炭素原子数範囲の規定外となっても
よい。以下に一般式(I)で示されるカプラーの具体的
例を示すがこれらに限定されるわけではない。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】
【表5】
【0042】
【表6】
【0043】
【表7】
【0044】
【表8】
【0045】
【表9】
【0046】
【表10】
【0047】
【表11】
【0048】
【表12】
【0049】
【表13】
【0050】
【表14】
【0051】
【表15】
【0052】
【表16】
【0053】
【表17】
【0054】
【0055】
【表19】
【0056】
【表20】
【0057】
【化7】
【0058】本発明の化合物の合成法は一般的に従来知
られている公知の方法もしくはそれの類似の方法によっ
て合成することができる。例えば下記の合成ルートによ
って合成することができる。
【0059】
【化8】
【0060】式中、X、YおよびZは一般式(I)にお
いて説明したのと同じ意味である。R10はハロゲン原子
(例えば、クロール原子)、−OH、アルコキシ基(例
えば、メトキシ、エトキシ)、またはフェノキシ基(例
えば、フェノキシ、4−ニトロフェノキシ)を表わす。
Halはハロゲンを表わす。(a)の反応条件では、R
10がOHであるときには、脱水縮合剤(例えば、N,N
−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N−ジイソプ
ロピルカルボジイミド)を用いて行う。R10がハロゲン
原子のときには、脱ハロゲン化水素剤の存在下で反応を
行う。脱ハロゲン化水素剤としては、有機塩基(例え
ば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、
ピリジン、グアニジン、ブトキシカリ)、または無機塩
基(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ソデ
ィウムハイドライド、炭酸カリウム)などが用いられ
る。化合物3→化合物4の反応においては(b)として
ハロゲン化剤を用いる。例えば臭素、塩素、N−ブロモ
スクシンイミド、N−クロロスクシンイミドなどであ
る。化合物4→最終物の反応では、(c)として脱ハロ
ゲン化水素剤を用いるのが一般的である。例としては前
記の有機塩基または無機塩基が挙げられる。各々の反応
においては、反応溶媒が一般的に用いられる。例えば、
塩素系溶媒(例えば、ジクロロメチレン)、芳香族系溶
媒(例えば、ベンゼン、クロルベンゼン、トルエン)、
アミド系溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリ
ドン)、ニトリル系溶媒(例えば、アセトニトリル、プ
ロピオニトリル)、エーテル系溶媒(例えば、テトラヒ
ドロフラン、エチレングリコールジエチルエーテル)、
スルホン系溶媒(例えば、ジメチルスルホン、スルホラ
ン)または炭化水素系溶媒(例えば、シクロヘキサン、
ノルマルヘキサン)が挙げられる。
【0061】上記に示した合成ルート以外の方法によっ
ても合成することができる。例えば、J.Org.Ch
em.,29,2932(1964)に記載の方法によ
っても合成することができる。また5よりさらに官能基
の変換を行なって最終目的物に誘導する場合もある。そ
れらの合成ルートの変更もしくは追加反応については適
宜選択することができる。以下に具体的合成法について
述べる。他の例示化合物も同様にして合成できる。 合成例1.例示化合物(54)の合成 下記合成法により合成した。
【0062】
【化9】
【0063】化合物6の3.5g、および化合物7の1
4gをN,N−ジメチルホルムアミド100mlおよび
アセトニトリル100mlに溶解した。この溶液に、室
温にてN,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド6g
を溶解したアセトニトリル溶液40mlを滴下した。2
時間反応させた後析出したN,N′−ジシクロヘキシル
尿素をロ別した。ロ液を水500mlに注加し酢酸エチ
ル500mlで抽出した。分液ロートを用いて油層をと
り水で洗浄した後油層を芒硝で乾燥させた。溶媒を減圧
で留去し、残渣にヘキサンを加え、結晶化させた。1
7.2gの化合物8を得た。
【0064】化合物8の16gをジクロロメタン150
mlに混合した。臭素4.8gを含むジクロロメタン1
0mlの溶液を氷冷下(5℃〜10℃)滴下した。10
分間反応させた後分液ロートに移し水洗浄した。油層
(化合物9を含む溶液)をとりこのまま次工程に使用し
た。5,5−ジメチル−2,4−ジオキソ−1,3−オ
キサゾリジン8.1gおよびトリエチルアミン8.8m
lをN,N−ジメチルホルムアミド160mlに加え
た。この溶液に前記で得た化合物9のジクロロメタン溶
液を室温にて滴下した。1時間反応後酢酸エチル500
mlを加え分液ロートに移し水洗浄した。希塩酸で中和
後再び水洗浄し、油層を分離した。溶媒を減圧で留去
し、残渣をカラムクロマトグラフィーにより分離・精製
した。充てん剤としてはシリカゲルを用い溶離液として
は、酢酸エチル/ヘキサン(1/1)を用いた。目的と
する例示化合物(54)を含むフラクションを集め溶媒
を減圧で留去することにより、ワックス状の例示化合物
(54)を15.2g得た。 合成例2.例示化合物(2)の合成 前記合成例1と同様にして合成した。但し、化合物7の
代わりに等モル量の下記化合物10を用いた。
【0065】
【化10】
【0066】最終物はカラムクロマトグラフィーを用い
て精製し、ワックス状の例示化合物(2)を18.3g
得た。本発明のカプラーの好ましい使用量は0.01m
mol/m2 以上10mmol/m2 以下の範囲で、よ
り好ましくは0.05mmol/m2 以上5mmol/
2 以下、さらに好ましくは0.1mmol/m2 以上
3.0mmol/m2以下である。
【0067】本発明のカプラーに対するハロゲン化銀の
使用量はモル比で0.1〜100の範囲であり、好まし
くは0.5〜20、より好ましくは1.5〜10、さら
に好ましくは2.0〜6.0の範囲である。
【0068】本発明においてカプラー等親油性写真用有
機化合物を感光材料に導入するには種々の公知の分散方
法が用いられる。米国特許第2,322,027号等に
記載の水中油滴分散法では常圧で沸点が約175℃以上
の高沸点有機溶媒例えばフタル酸エステル類、リン酸エ
ステル類、安息香酸エステル類、脂肪酸エステル類、ア
ミド類、フェノール類、アルコール類、カルボン酸類、
N,N−ジアルキルアニリン類、炭化水素類、オリゴマ
ーないしポリマー類及び/または常圧で沸点約30℃な
いし約160℃の低沸点有機溶媒例えばエステル類(例
えばエチルアセテート、ブチルアセテート、エチルプロ
ピオネート、β−エトキシエチルアセテート、メチルセ
ロソルプアセテート)、アルコール類(例えばセカンダ
リーブチルアルコール)、ケトン類(例えばメチルイソ
ブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノ
ン)、アミド類(例えばジメチルホルムアミド、N−メ
チルピロリドン)、エーテル類(例えばテトラヒドロフ
ラン、ジオキサン)等により親油性写真有機化合物を溶
解したのちゼラチン等親水性コロイドに乳化分散され
る。
【0069】本発明で使用される高沸点有機溶媒は液体
状、ワックス状、固体状などいずれの形態であってもよ
い。なかでも本発明の前記イエローカプラーを溶解する
ために使用される高沸点有機溶媒としては、発色色素の
色相、光に対する堅牢性の点で誘電率(25℃、1気
圧、10KHz)が6.0以下の高沸点有機溶媒が好ま
しい。誘電率3.5〜5.5のものがより好ましい。ま
た、発色性、その他の写真性能の点で、前記一般式〔S
−1〕〜〔S−5〕のいずれかで表される高沸点有機溶
媒が好ましい。また、本発明の目的にとっては誘電率が
6.0以下で、且つ前記の一般式〔S−1〕〜〔S−
5〕のいずれかで表される高沸点有機溶媒がいっそう好
ましい。
【0070】以下、一般式〔S−1〕〜〔S−5〕につ
いて説明する。一般式〔S−1〕においてR1 、R2
びR3 はそれぞれ独立にアルキル基、シクロアルキル
基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ
基、またはアリールオキシ基を表わす。一般式〔S−
2〕においてR4 及びR5 はそれぞれ独立にアルキル
基、シクロアルキル基またはアリール基を表わし、R6
はハロゲン原子(F、Cl、Br、I以下同じ)、アル
キル基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはアルコ
キシカルボニル基を表わし、aは0〜3の整数を表わ
す。aが複数のとき複数のR6は同じでも異なっていて
もよい。一般式〔S−3〕においてArはアリール基を
表わし、bは1〜6の整数を表わし、R7 はb価の炭化
水素基またはエーテル結合で互いに結合した炭化水素基
を表わす。一般式〔S−4〕においてR8 はアルキル基
またはシクロアルキル基を表わし、cは1〜6の整数を
表わし、R9 はc価の炭化水素基またはエーテル結合で
互いに結合した炭化水素基を表わす。一般式〔S−5〕
においてdは2〜6の整数を表わし、R10はd価の炭化
水素基(ただし芳香族基を除く)を表わし、R11はアル
キル基、シクロアルキル基またはアリール基を表わす。
本発明において用いられる高沸点有機溶媒の具体例を以
下に示す。
【0071】
【化11】
【0072】
【化12】
【0073】
【化13】
【0074】
【化14】
【0075】
【化15】
【0076】
【化16】
【0077】
【化17】
【0078】
【化18】
【0079】
【化19】
【0080】
【化20】
【0081】本発明において用いられる高沸点有機溶媒
の前記以外の化合物例及び/またはこれらの高沸点有機
溶媒の合成方法は例えば米国特許第2,322,027
号、同2,533,514号、同2,772,163
号、同2,835,579号、同3,676,137
号、同3,912,515号、同3,936,303
号、同4,080,209号、同4,127,413
号、同4,193,802号、同4,239,851
号、同4,278,757号、同4,363,873
号、同4,483,918号、同4,745,049
号、欧州特許第276,319A号、特開昭48−47
335号、同51−149028号、同61−8464
1号、同62−118345号、同62−247364
号、同63−167357号、同64−68745号、
特開平1−101543号等に記載されている。
【0082】本発明の高沸点有機溶媒の使用量は、本発
明のイエローカプラーに対して重量比で0.6以上であ
るが、好ましくは0.6以上5.0以下で、より好まし
くは0.8以上4.0以下、さらに好ましくは1.0以
上3.0以下である。重量比が0.6未満だと、光堅牢
性が著しく悪化し、また5.0を越えると膜質や処理後
経時によって発生するステインの発生が問題となりやす
い。膜質を悪化させないようにゼラチンの塗布量を多く
すると乾燥時間が長くなるという問題が生じる。
【0083】本発明のイエローカプラーから形成される
イエロー画像の光や熱堅牢性を更に改良するために、水
不溶性重合体をイエローカプラーの含有するハロゲン化
銀乳剤層に含有せしめるのが好ましい。本発明に用いる
水不溶性重合体は国際公開特許WO88/00723号
及び特開昭63−44658号に記載のものを使用でき
る。そのなかでも特に好ましく本発明に用いられる重合
体は、水不溶性であればいかなる重合体でも良いが、繰
り返し単位が−(C=O)−結合を有するビニル重合体
及びポリエステル系重合体が好ましい。
【0084】本発明に用いる重合体の合成に好ましく使
用されるビニルモノマーは、種々の目的(例えば、溶解
性改良)に応じて、2種以上のモノマーを互いにコモノ
マーとして使用される。また、発色性や溶解性調節のた
めに、共重合体が水溶性にならない範囲において、コモ
ノマーとして酸基を有するモノマーも用いられる。ま
た、架橋可能な2つ以上のエチレン性不飽和成分を持つ
モノマーを用いることができる。この様なモノマーとし
ては、例えば特開昭60−151636号に記載のもの
を好ましく用いることができる。ビニルモノマーの中に
親水性のモノマー(ここでは、単独重合体にした場合に
水溶性になるものをいう。)をコモノマーとして用いる
場合、合成された共重合体が水溶性にならない限りにお
いて、共重合体中の親水性モノマーの割合に特に制限は
ないが、通常、好ましくは40モル%以下、より好まし
くは20モル%以下、更に好ましくは10モル%以下で
ある。また、モノマーと共重合する親水性コモノマーが
酸基を有する場合には、画像保存性の観点より、酸基を
もつコモノマーの共重合体中の割合は、通常、20モル
%以下、好ましくは10モル%以下であり、最も好まし
くはこのようなコモノマーを含まない場合である。
【0085】重合体中のモノマー成分は、好ましくは、
メタクリレート系、アクリルアミド系およびメタクリル
アミド系である。特に好ましくはアクリルアミド系及び
メタクリルアミド系である。また本発明に使用しうる重
合体の数平均分子量は、好ましくは、5000以上15
万以下で、より好ましくは1万以上10万以下である。
本発明における水不溶性重合体とは、100gの蒸留水
(25℃)に対する重合体の溶解度が3g以下、好まし
くは1g以下である重合体である。本発明に用いられる
重合体の具体例の一部を以下に記すが、本発明は、これ
らに限定されるものではない。以下に示す具体例中の共
重合体の共重合比は、モル比である。
【0086】 P−1)ポリメチルメタクリレート P−2)ポリエチルメタクリレート P−3)ポリイソプロピルメタクリレート P−4)ポリメチルクロロアクリレート P−5)ポリ(2−tert−ブチルフェニルアクリレ
ート) P−6)ポリ(4−tert−ブチルフェニルアクリレ
ート) P−7)エチルメタクリレート−n−ブチルアクリレー
ト共重合体(70:30) P−8)メチルメタクリレート−アクリロニトリル共重
合体(65:35) P−9)メチルメタクリレート−スチレン共重合体(9
0:10) P−10)N−tert−ブチルメタクリルアミド−メ
チルメタクリレート−アクリル酸共重合体(60:3
0:10) P−11)メチルメタクリレート−スチレン−ビニルス
ルホンアミド共重合体(70:20:10) P−12)メチルメタクリレート−シクロヘキシルメタ
クリレート共重合体(50:50) P−13)メチルメタクリレート−アクリル酸共重合体
(95:5) P−14)メチルメタクリレート−n−ブチルメタクリ
レート共重合体(65:35)
【0087】P−15)メチルメタクリレート−N−ビ
ニル−2−ピロリドン共重合体(90:10) P−16)ポリ(N−sec−ブチルアクリルアミド) P−17)ポリ(N−tert−ブチルアクリルアミ
ド) P−18)ポリシクロヘキシルメタクリレート−メチル
メタクリレート共重合体(60:40) P−19)n−ブチルメタクリレート−メチルメタクリ
レート−アクリルアミド共重合体(20:70:10) P−20)ジアセトンアクリルアミド−メチルメタクリ
レート共重合体(20:80) P−21)N−tert−ブチルアクリルアミド−メチ
ルメタクリレート共重合体(40:60) P−22)ポリ(N−n−ブチルアクリルアミド) P−23)tert−ブチルメタクリレート−N−te
rt−ブチルアクリルアミド共重合体(50:50) P−24)tert−ブチルメタクリレート−メチルメ
タクリレート共重合体(70:30) P−25)ポリ(N−tert−ブチルメタクリルアミ
ド) P−26)N−tert−ブチルアクリルアミド−メチ
ルメタクリレート共重合体(60:40) P−27)メチルメタクリレート−アクリロニトリル共
重合体(70:30)
【0088】P−28)メチルメタクリレート−スチレ
ン共重合体(75:25) P−29)メチルメタクリレート−ヘキシルメタクリレ
ート共重合体(70:30) P−30)ポリ(4−ビフェニルアクリレート) P−31)ポリ(2−クロロフェニルアクリレート) P−32)ポリ(4−クロロフェニルアクリレート) P−33)ポリ(ペンタクロロフェニルアクリレート) P−34)ポリ(4−エトキシカルボニルフェニルアク
リレート) P−35)ポリ(4−メトキシカルボニルフェニルアク
リレート) P−36)ポリ(4−シアノフェニルアクリレート) P−37)ポリ(4−メトキシフェニルアクリレート) P−38)ポリ(3,5−ジメチルアダマンチルアクリ
レート) P−39)ポリ(3−ジメチルアミノフェニルアクリレ
ート) P−40)ポリ(2−ナフチルアクリレート) P−41)ポリ(フェニルアクリレート) P−42)ポリ(N,N−ジブチルアクリルアミド) P−43)ポリ(イソヘキシルアクリルアミド) P−44)ポリ(イソオクチルアクリルアミド) P−45)ポリ(N−メチル−N−フェニルアクリルア
ミド) P−46)ポリ(アダマンチルメタクリレート) P−47)ポリ(sec−ブチルメタクリレート) P−48)N−tert−ブチルアクリルアミド−アク
リル酸共重合体(97:3)
【0089】P−49)ポリ(2−クロロエチルメタク
リレート) P−50)ポリ(2−シアノエチルメタクリレート) P−51)ポリ(2−シアノメチルフェニルメタクリレ
ート) P−52)ポリ(4−シアノフェニルメタクリレート) P−53)ポリ(シクロヘキシルメタクリレート) P−54)ポリ(2−ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト) P−55)ポリ(4−メトキシカルボニルフェニルメタ
クリレート) P−56)ポリ(3,5−ジメチルアダマンチルメタク
リレート) P−57)ポリ(フェニルメタクリレート) P−58)ポリ(4−ブトキシカルボニルフェニルメタ
クリルアミド) P−59)ポリ(4−カルボキシフェニルメタクリルア
ミド) P−60)ポリ(4−エトキシカルボニルフェニルメタ
クリルアミド) P−61)ポリ(4−メトキシカルボニルフェニルメタ
クリルアミド) P−62)ポリ(シクロヘキシルクロロアクリレート) P−63)ポリ(エチルクロロアクリレート) P−64)ポリ(イソブチルクロロアクリレート) P−65)ポリ(イソプロピルクロロアクリレート) P−66)ポリ(フェニルアクリルアミド) P−67)ポリ(シクロヘキシルアクリルアミド) P−68)ポリ(フェニルメタクリルアミド) P−69)ポリ(シクロヘキシルメタクリルアミド) P−70)ポリ(ブチレンアジペート)
【0090】本発明において、水不溶性重合体のハロゲ
ン化銀カラー感光材料中における使用量は、該感光材料
の感光層に含まれるイエローカプラーに対して、重量比
で、一般には0.02〜2.0、好ましくは0.2〜
2.0であるが、光褪色と発色性をともに改良する点で
0.4〜1.5の範囲がいっそう好ましい。
【0091】次に、本発明のイエローカプラーと水不溶
性重合体を同一層に含有させる方法について述べる。本
発明においては、好ましくはカプラーと水不溶性重合体
は共存せしめられ微細に分散される。さらに好ましくは
カプラーと水不溶性重合体は同一の油滴内に存在する。
例えばいわゆるローダブルラテックス法(米国特許第
4,203,716号)を用い、本発明の重合体のラテ
ックス中に含浸せしめることができる。更に好ましい方
法としては、有機溶媒に可溶性の重合体を用いる国際特
許WO88/00723号および米国特許第5,00
6,453号に記載の方法を用いることができる。すな
わち、本発明の重合体、高沸点有機溶媒、及びカプラー
を補助有機溶媒中に共に完全に溶解させた後、この溶液
を水中、好ましくは親水性コロイド水溶液中、より好ま
しくはゼラチン水溶液中に分散剤の助けをかりて、超音
波、コロイドミル等により微粒子状に分散せしめる方法
である。
【0092】本発明のイエローカプラーは公知の褪色防
止剤と合わせて使用するのが好ましい。このような退色
防止剤としては、ハイドロキノン類、6−ヒドロキシク
ロマン類、5−ヒドロキシクマラン類、スピロクロマン
類、スピロインダン類、p−アルコキシフェノール類、
ビスフェノール類を中心としたヒンダードフェノール
類、没食子酸誘導体、メチレンジオキシベンゼン類、ア
ミノフェノール類、ヒンダードアミン類およびこれら各
化合物のフェノール性水酸基をシリル化、アルキル化し
たエーテルもしくはエステル誘導体が代表例として挙げ
られる。有機褪色防止剤の具体例は以下の特許の明細書
に記載されている。
【0093】ハイドロキノン類は米国特許第2,36
0,290号、同2,418,613号、同2,67
5,314号、同2,701,197号、同2,72
8,659号、同2,732,300号、同2,73
5,765号、同3,982,944号、同4,43
0,425号、英国特許第1,363,921号、米国
特許第2,710,801号、同2,816,028号
などに、6−ヒドロキシクロマン類、5−ヒドロキシク
マラン類、スピロクロマン類は米国特許第3,432,
300号、同3,573,050号、同3,574,6
27号、同3,698,909号、同3,764,33
7号、特開昭52−152225号などに、スピロイン
ダン類は米国特許第4,360,589号に、p−アル
コキシフェノール類は米国特許第2,735,765
号、英国特許第2,066,975号、特開昭59−1
0539号、特公昭57−19765号などに記載され
ている。
【0094】ヒンダードフェノール類は米国特許第3,
700,455号、特開昭52−72225号、米国特
許第4,228,235号、特公昭52−6623号な
どに、没食子酸誘導体、メチレンジオキシベンゼン類、
アミノフェノール類はそれぞれ米国特許第3,457,
079号、同4,332,886号、特公昭56−21
144号などに、ヒンダードアミン類は米国特許第3,
336,135号、同4,268,593号、英国特許
第1,326,889号、同1,354,313号、同
1,410,846号、特公昭51−1420号、特開
昭58−114036号、同59−53846号、同5
9−78344号などに記載されている。
【0095】上記褪色防止剤の中でも特に好ましいのは
下記一般式(IV)で表わされるヒンダードフェノール類
および下記一般式(V)で表わされるビスフェノール類
である。
【0096】
【化21】
【0097】一般式(IV)中、R11は水素原子、アルキ
ル基、アルケニル基、アリール基、アリル基、アシル
基、またはシリル基を表し、R12、R13は炭素数3〜8
の直鎖または分枝のアルキル基で好ましくは2級または
3級、さらに好ましくは3級の炭素で結合したアルキル
基である。具体的にはn−ブチル、iso−プロピル、
tert−ブチル、tert−アミルなどが挙げられ
る。またアルキル鎖上の任意の位置に適当な置換基を有
していてもよい。R14は1価の有機基であればいかなる
ものでもよい。またR14の中にヒンダードフェノールま
たはビスフェノール部位が含まれていてもよい。
【0098】
【化22】
【0099】一般式(V)中、R15およびR16は各々独
立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール
基、アリル基、アシル基、ホスホニル基、ホスフィニル
基、またはスルホニル基を表し、R15とR16が上記の基
を介して連結し環を形成していてもよい。また、R17
18、R20およびR21は炭素数1〜8の直鎖もしくは分
枝のアルキル基を表わす。具体的にはメチル、エチル、
n−プロピル、iso−プロピル、tert−ブチル、
tert−アミル、シクロヘキシル、1−メチルシクロ
ヘキシル、シクロペンチルなどが挙げられる。上記アル
キル基はハロゲン原子をはじめとする適当な置換基を有
していてもよい。R19は水素原子または直鎖および分枝
の炭素数1〜8のアルキル基で具体的にはメチル、エチ
ル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、s
ec−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、t
ert−アミル、シクロヘキシルなどが挙げられる。本
発明に好ましく用いられるヒンダードフェノール類、ビ
スフェノール類の具体例を以下に示すが、もちろんこれ
らに限られるものではない。
【0100】
【化23】
【0101】
【化24】
【0102】
【化25】
【0103】
【化26】
【0104】
【化27】
【0105】
【化28】
【0106】本発明のハロゲン化銀感光材料に用いるハ
ロゲン化銀としては、塩(沃)化銀、塩(沃)臭化銀、
臭化銀や沃臭化銀が挙げられるが、特に迅速処理等の目
的のため、沃化銀を実質的に含まず塩化銀含有率が90
モル%以上(より好ましくは98モル%以上)の塩臭化
銀もしくは塩化銀の使用が好ましい。
【0107】本発明に係わる感光材料には、画像のシャ
ープネス等を向上させる目的で親水性コロイド層に、欧
州特許0,337,490A2号の第27〜76頁に記
載の、処理により脱色可能な染料(なかでもオキソノー
ル系染料)を該感材の680nmに於ける光学反射濃度
が0.70以上になるように添加したり、支持体の耐水
性樹脂層中に2〜4価のアルコール類(例えばトリメチ
ロールエタン)等で表面処理された酸化チタンを12重
量%以上(より好ましくは14重量%以上)含有される
のが好ましい。
【0108】また、本発明に係わる感光材料には、カプ
ラーと共に欧州特許0,277,589A2号に記載の
ような色像保存性改良化合物を使用するのが好ましい。
特にピラゾロアゾールカプラーやピロロトリアゾールカ
プラーとの併用が好ましい。即ち、発色現像処理後に残
存する芳香族アミン系現像主薬と化学結合して、化学的
に不活性でかつ実質的に無色の化合物を生成する化合物
(F)および/または発色現像処理後に残存する芳香族
アミン系発色現像主薬の酸化体と化学結合して、化学的
に不活性でかつ実質的に無色の化合物を生成する化合物
(G)を同時または単独に用いることが、例えば処理後
の保存における膜中残存発色現像主薬ないしその酸化体
とカプラーの反応による発色色素生成によるステイン発
生その他の副作用を防止する上で好ましい。
【0109】また、本発明に係わる感光材料には、親水
性コロイド層中に繁殖して画像を劣化させる各種の黴や
細菌を防ぐために、特開昭63−271247号に記載
のような防黴剤を添加するのが好ましい。
【0110】また、本発明に係わる感光材料に用いられ
る支持体としては、ディスプレイ用に白色ポリエステル
系支持体または白色顔料を含む層がハロゲン化銀乳剤層
を有する側の支持体上に設けられた支持体を用いてもよ
い。更に鮮鋭性を改良するために、アンチハレーション
層を支持体のハロゲン化銀乳剤層塗布側または裏面に塗
設するのが好ましい。特に反射光でも透過光でもディス
プレイが観賞できるように、支持体の透過濃度を0.3
5〜0.8の範囲に設定するのが好ましい。
【0111】本発明に係わる感光材料は可視光で露光さ
れても赤外光で露光されてもよい。露光方法としては低
照度露光でも高照度短時間露光でもよく、特に後者の場
合には一画素当りの露光時間が10-4秒より短いレーザ
ー走査露光方法が好ましい。
【0112】また、露光に際して、米国特許第4,88
0,726号に記載のバンド・ストップフィルターを用
いるのが好ましい。これによって光混色が取り除かれ、
色再現性が著しく向上する。
【0113】本発明のカラー写真感光材料は、露光後カ
ラー現像、漂白定着、水洗処理(または安定化処理)が
施されるのが好ましい。漂白と定着は前記のような一浴
でなくて別個に行ってもよい。
【0114】本発明に係わる感光材料に適用されるハロ
ゲン化銀乳剤やその他の素材(添加剤など)および写真
構成層(層配置など)、並びにこの感材を処理するため
に適用される処理法や処理用添加剤としては、下記の特
許公報、特に欧州特許0,355,660A2号(特開
平2−139544号)に記載されているものが好まし
く用いられる。
【0115】
【表21】
【0116】
【表22】
【0117】
【表23】
【0118】
【表24】
【0119】また、シアンカプラーとして、特開平2−
33144号に記載のジフェニルイミダゾール系シアン
カプラー、欧州特許0,333,185A2号に記載の
3−ヒドロキシピリジン系シアンカプラー(なかでも具
体例とくして列挙されたカプラー(42)の4当量カプ
ラーに塩素離脱基をもたせて2当量化したものや、カプ
ラー(6)や(9)が特に好ましい)や特開昭64−3
2260号に記載された環状活性メチレン系シアンカプ
ラー(なかでも具体例として列挙されたカプラー例3、
8、34が特に好ましい)を使用してもよい。
【0120】また、塩化銀含有率が90モル%以上の高
塩化銀乳剤を使用するハロゲン化銀カラー写真感光材料
の処理方法として、特開平2−207250号の第27
頁左上欄〜34頁右上欄に記載の方法が好ましく適用さ
れる。
【0121】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。以下の
実施例で使用した一般式〔S−1〕〜〔S−5〕で表わ
される化合物以外の高沸点有機溶媒の構造は以下のとお
りである。
【0122】
【化29】
【0123】実施例1 下塗りをしたトリアセチルセルロース支持体を用いて以
下に示す層構成の評価用の単層感光材料101を作製し
た。 (乳剤層塗布液調整)カプラー1.85mmol、酢酸
エチル10cc及びトリオクチルホスフェート(高沸点
有機溶媒、「オイル」とも言う)をカプラーに対して4
0重量%加えて溶解した。この溶液を10%のドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム溶液3ccを含む14%
ゼラチン水溶液33gに乳化分散させた。一方、塩臭化
銀乳剤(臭化銀70モル%)を硫黄増感したものを調製
し、これと前記乳化物とを混合溶解し、以下に示す組成
となるように塗布液を調製した。なお、硬膜剤として1
−オキシ−3,5−ジクロロ−s−トリアジン酸ナトリ
ウムを用いた。
【0124】(層構成)以下に、本実験に用いた試料の
層構成を示す。(数字はm2 当たりの塗布量を示す。) 〔支持体〕 トリアセチルセルロース支持体 〔乳剤層〕 塩臭化銀乳剤(前述) 4.0 mmol カプラー (表−A参照) 1.0 mmol 溶媒 (表−A参照) (カプラーの40重量%) ゼラチン 5.2 g 〔保護層〕 ゼラチン 1.3 g ポリビニルアルコールのアクリル 変性共重合体(変性度17%) 0.17 g 流動パラフィン 0.03 g
【0125】上記感光材料を光学ウェッジを用いて像様
露光した後、以下の処理工程で処理を行った。 (処理工程) 処理工程 温 度 時 間 発色現像 33℃ 2 分 漂白定着 33℃ 1.5分 水 洗 33℃ 3 分
【0126】 (処理液組成) 〔発色現像液〕 蒸留水 800 ml トリエタノールアミン 8.1 g ジエチルヒドロキシルアミン 4.2 g 臭化カリウム 0.6 g 炭酸水素ナトリウム 3.9 g 亜硫酸ナトリウム 0.13 g N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミド エチル)−3−メチル−4−アミノアニリン 硫酸塩 5.0 g 炭酸カリウム 18.7 g 水を加えて 1000 ml pH 10.25
【0127】 〔漂白定着液〕 蒸留水 400 ml チオ硫酸アンモニウム(700g/リットル) 150 ml 硫酸ナトリウム 18.0 g エチレンジアミン四酢酸(III)アンモニウム 55.0 g エチレンジアミン四酢酸ナトリウム 5.0 g 水を加えて 1000 ml pH 6.70
【0128】次に試料101に対して等モルになるよう
にカプラーを変更し、さらにオイル種およびその使用量
(カプラーに対する重量比)を表−Aに示したように変
更した他はまったく同様にして試料102〜165を作
製した。これらの試料についても上記試料101と同様
に露光した後、処理を行なった。
【0129】処理済みの試料について青色フィルターを
通して、イエロー発色濃度を測定し、センシトメトリー
曲線を作成した。この曲線より最大発色濃度(Dmax )
を読み取った。Dmax 値は主としてイエローカプラーの
分子吸光係数とカップリング活性により決まり、この値
が大きいほど発色性が高く優れたカプラーであると言う
ことができる。次に、上記試料の光に対する色像堅牢性
を評価するために、10万ルックスのXe光(3時間照
射/1時間消灯の間欠照射方式)を14日間照射した
後、再び濃度測定を行った。評価値はDmax 部における
残存色像の濃度を百分率で求め、表−Aに示した。
【0130】
【表25】
【0131】
【表26】
【0132】
【表27】
【0133】
【化30】
【0134】表−Aから、比較カプラーExY−1は高
沸点有機溶媒の使用量が多くなると、発色性は良化する
方向にあるものの、光堅牢性が低下していくことがわか
る。このようにピバロイル型イエローカプラーを始めと
する従来のアシルアセトアニリド型カプラーは高沸点有
機溶媒の使用量が少ない程、光堅牢性が向上する傾向に
あった。
【0135】一方、本発明のカプラーでは高沸点有機溶
媒の使用量にほとんど関係なくExY−1に対して1.
4〜1.5倍の高い発色濃度を示すことがわかる。さら
に光に対する色像堅牢性は、高沸点有機溶媒の使用量が
カプラーに対して0.6以上で著しく改良される。これ
は前記のアシルアセトアニリド型イエローカプラーの光
退色挙動からはまったく予想できないものである。この
ように本発明のイエローカプラーは本発明の高沸点有機
溶媒量(カプラーに対する重量比で0.6以上)で使用
することにより、はじめて高い発色性と優れた光堅牢性
を同時に実現することが可能となる。
【0136】実施例2 下塗りをしたトリアセチルセルロース支持体を用いて以
下に示す層構成の評価用の単層感光材料201を作製し
た。 (乳剤層塗布液調製)カプラー1.85mmol、酢酸
エチル10cc及びトリクレジルホスフェート(高沸点
有機溶媒)をカプラーに対して40重量%加えて溶解し
た。この溶液を10%のドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム溶液3ccを含む14%ゼラチン水溶液33g
に乳化分散させた。一方、塩臭化銀乳剤(立法体、平均
粒子サイズ0.88μmの大サイズ乳剤と0.70μm
の小サイズ乳剤の3:7の混合物(銀モル比)。粒子サ
イズ分布の変動係数は、それぞれ0.08と0.10、
各サイズ乳剤とも臭化銀0.3モル%を粒子表面の一部
に局在含有させ、残りが塩化銀であるハロゲン化銀粒子
からなる)を調製した。この乳剤には下記に示す青感性
増感色素A、Bが銀1モル当たり大サイズ乳剤に対して
は、それぞれ2.0×10-4モル、また小サイズ乳剤に
対しては、それぞれ2.5×10-4モル添加されてい
る。また、この乳剤の化学熟成は硫黄増感剤と金増感剤
を添加して行われた。前記乳化物とこの乳剤を混合溶解
し、以下に示す組成となるように乳剤層塗布液を調製し
た。なお、硬膜剤として1−オキシ−3,5−ジクロロ
−s−トリアジン酸ナトリウムを用いた。
【0137】(層構成)以下に、本実験に用いた試料の
層構成を示す。(数字はm2 当たりの塗布量を示す。) 〔支持体〕 トリアセチルセルロース支持体 〔乳剤層〕 塩臭化銀乳剤(前述) 3.0mmol カプラー (表−B参照) 1.0mmol 溶媒 (表−B参照) (カプラーの40重量%) ゼラチン 5.5g 〔保護層〕 ゼラチン 1.5g ポリビニルアルコールのアクリル変性共重合体 (変性度17%) 0.15g 流動パラフィン 0.03g
【0138】
【化31】
【0139】上記感光材料を光学くさびを通して露光
後、次の工程で処理した。 処理工程 温 度 時 間 カラー現像 35℃ 45秒 漂白定着 35℃ 45秒 安定(1) 35℃ 20秒 安定(2) 35℃ 20秒 安定(3) 35℃ 20秒 安定(4) 35℃ 20秒 乾 燥 80℃ 60秒 (安定は(4)から(1)への4タンク向流方式とし
た。)
【0140】各処理液の組成は以下の通りである。 〔カラー現像液〕 水 800 ml 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジ ホスホン酸(60%) 0.8 ml トリエタノールアミン 8.0 g 塩化ナトリウム 1.4 g 臭化カリウム 0.03 g N,N−ジエチルヒドロキシルアミン 4.6 g 炭酸カリウム 27 g 亜硫酸ナトリウム 0.1 g N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミド エチル)−3−メチル−4−アミノアニリン ・3/2硫酸・1水塩 4.5 g 硫酸リチウム(無水) 2.7 g 蛍光増白剤(4,4′−ジアミノスチルベン系) 2.0 g 水を加えて 1000 ml pH(水酸化カリウムを加えて) 10.25
【0141】 〔漂白定着液〕 水 400 ml チオ硫酸アンモニウム(700g/リットル) 100 ml 亜硫酸ナトリウム 18 g エチレンジアミン四酢酸鉄(III)アンモニウム 55 g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 3 g 氷酢酸 9 g 水を加えて 1000 ml pH 5.4
【0142】 〔安定液〕 ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.02 g ポリビニルピロリドン 0.05 g 水を加えて 1000 ml pH 7.0
【0143】次に、試料201に対してカプラー種およ
び高沸点有機溶媒の種類とその量(カプラーに対する重
量比)を表−Bに示したように変更した他は同一にして
試料202〜269を作製した。ただし、使用するカプ
ラーが本発明のカプラーである場合には、組成比を変化
させることはなく全体の塗布量を試料201に対して7
0重量%になるように低減させた。これらの試料につい
ても、上記試料201と同様に露光した後、処理を行な
った。
【0144】処理済みの試料について、青色フィルター
および緑色フィルターを通して、それぞれイエロー発色
濃度およびイエロー中のマゼンタ成分濃度を測定し、各
センシトメトリー曲線を作成した。この曲線より、下記
の式によりイエロー発色濃度1.5におけるマゼンタ成
分を求め、色相を表す尺度DG /DB とした。 (マゼンタ成分)=100×(マゼンタ濃度)/(イエ
ロー発色濃度) この値が小さい程、イエロー発色したときのマゼンタ成
分が少なく、優れた色相であることを示している。また
光に対する堅牢性は実施例1で示したのと同じ方法によ
り評価した。ただし、残存率は初濃度1.5における値
で示した。
【0145】
【表28】
【0146】
【表29】
【0147】
【表30】
【0148】表−Bより、比較カプラーExY−1はD
G /DB 値が大きく色相的に好ましくないことがわか
る。またこの値は高沸点有機溶媒の使用量を変えても大
きく変化することはない。一方、比較カプラーExY−
2は高沸点有機溶媒の使用量が少ないところでも比較的
小さなDG /DB 値を示し、比較カプラーExY−1に
対して色相的に優れていることがわかる。しかし、この
カプラーでも高沸点有機溶媒の使用量を増やすことによ
って、さらに色相が大幅に改良されるような傾向は認め
られなかった。またExY−2はExY−1と比べて光
堅牢性が劣っていることがわかった。またいずれのカプ
ラーも高沸点有機溶媒を増量することにより光堅牢性が
低下するのが認められた。
【0149】一方、本発明のイエローカプラーについて
は、高沸点有機溶媒の使用量を多くすることにより、よ
り大きな色相改良効果(DG /DB 値の低下)が見られ
る。この傾向は誘電率が6.0以下の高沸点有機溶媒
(例えばS−110、S−124、S−111、S−2
03、S−206など)で著しい。またアルキルホスフ
ェート類(例えばS−110、S−111など)ではそ
の傾向が特に著しく、本発明のカプラーの色相改良に好
ましい高沸点有機溶媒であると言える。
【0150】また、高沸点有機溶媒の使用量を増やすこ
とにより、いずれの高沸点有機溶媒でも光堅牢性の向上
が見られるが、高沸点有機溶媒の中でも、本発明の一般
式〔S−1〕〜〔S−5〕で表されるものが効果が大き
いことがわかる。
【0151】実施例3 ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体表面にコロ
ナ放電処理を施した後、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウムを含むゼラチン下塗層を設け、さらに種々の写
真構成層を塗布して以下に示す層構成の多層カラー印画
紙(300)を作製した。塗布液は下記のようにして調
製した。
【0152】第一層塗布液調製 イエローカプラー(ExY)132.0g、色像安定剤
(Cpd−1)15.0g、色像安定剤(Cpd−2)
7.5g、色像安定剤(Cpd−3)16.0gを、溶
媒(Solv−1)25g、溶媒(Solv−2)25
g及び酢酸エチル180ccに溶解し、この溶液を10
%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム60cc及び
クエン酸10gを含む10%ゼラチン水溶液1000g
に乳化分散させて乳化分散物Aを調製した。この乳化分
散物Aと実施例2の塩臭化銀乳剤とを混合溶解し、以下
に示す組成となるように第一層塗布液を調製した。乳剤
塗布量は銀量換算塗布量を示す。
【0153】第二層から第七層用の塗布液も第一層塗布
液と同様の方法で調製した。各層のゼラチン硬化剤とし
ては、1−オキシ−3,5−ジクロロ−s−トリアジン
ナトリウム塩を用いた。又、各層にCpd−14とCp
d−15をそれぞれ全量が25.0mg/m2と50m
g/m2 となるように添加した。その他の各感光性乳剤
層の塩臭化銀乳剤には下記の分光増感色素をそれぞれ用
いた。
【0154】
【表31】
【0155】
【表32】
【0156】また、青感性乳剤層、緑感性乳剤層、赤感
性乳剤層に対し、1−(5−メチルウレイドフェニル)
−5−メルカプトテトラゾールをそれぞれハロゲン化銀
1モル当たり8.5×10-5モル、7.7×10-4
ル、2.5×10-4モル添加した。また、青感性乳剤層
と緑感性乳剤層に対し、4−ヒドロキシ−6−メチル−
1,3,3a,7−テトラザインデンをそれぞれハロゲ
ン化銀1モル当たり、1×10-4モルと2×10-4モル
添加した。また、イラジエーション防止のために、乳剤
層に下記化32の染料(カッコ内は塗布量を表す)を添
加した。
【0157】
【化32】
【0158】(層構成)以下に各層の層構成を示す。数
字は塗布量(g/m2 )を表す。ハロゲン化銀乳剤は銀
換算塗布量を表す。
【0159】
【表33】
【0160】
【表34】
【0161】
【表35】
【0162】
【表36】
【0163】
【化33】
【0164】
【化34】
【0165】
【化35】
【0166】
【化36】
【0167】
【化37】
【0168】
【化38】
【0169】
【化39】
【0170】上記感光材料300を3色分解センシトメ
トリー用の光学くさびを使用して像様露光後、ペーパー
処理機を用いて、下記処理工程にカラー現像のタンク容
量の2倍補充するまで、連続処理(ランニングテスト)
を行った。 処理工程 温度 時間 補充量* タンク容量 カラー現像 35℃ 45秒 161 ml 10 リットル 漂白定着 35℃ 45秒 218 ml 10 リットル リンス(1) 35℃ 30秒 − 5 リットル リンス(2) 35℃ 30秒 − 5 リットル リンス(3) 35℃ 30秒 360 ml 5 リットル 乾 燥 80℃ 60秒 *感光材料1m2 当たりの補充量 (リンスは(3)から(1)への3タンク向流方式とし
た)
【0171】各処理液の組成は以下の通りである。 〔カラー現像液〕 〔タンク液〕 〔補充液〕 水 800ml 800ml エチレンジアミン四酢酸 3.0g 3.0g 4,5−ジヒドロシキベンゼン−1,3 −ジスルホン酸2ナトリウム塩 0.5g 0.5g トリエタノールアミン 12.0g 12.0g 塩化カリウム 2.5g − 臭化カリウム 0.01g − 炭酸カリウム 27.0g 27.0g 蛍光増白剤(WHITEX 4 住友化学製) 1.0g 2.5g 亜硫酸ナトリウム 0.1g 0.2g ジナトリウム−N,N−ビス(スルホナ ートエチル)ヒドロキシルアミン 5.0g 8.0g N−エチル−N−(β−メタンスルホン アミドエチル)−3−メチル−4−ア ミノアニリン・3/2硫酸・1水塩 5.0g 7.1g 水を加えて 1000ml 1000ml pH(25℃/水酸化カリウム及び 硫酸にて) 10.05 10.45
【0172】 〔漂白定着液〕(タンク液と補充液は同じ) 水 600ml チオ硫酸アンモニウム(700g/リットル) 100ml 亜硫酸アンモニウム 40g エチレンジアミン四酢酸鉄(III)アンモニウム 55g エチレンジアミン四酢酸鉄 5g 臭化アンモニウム 40g 硝酸(67%) 30g 水を加えて 1000ml pH(25℃/酢酸及びアンモニア水にて) 5.8
【0173】 〔リンス液〕(タンク液と補充液は同じ) 塩素化イソシアヌール酸ナトリウム 0.02g 脱イオン水(導電率5μs/cm以下) 1000ml pH 6.5
【0174】次に試料300に対して、イエローカプラ
ー(ExY)、色像安定剤(Cpd−1)および溶媒
(Solv−1)、(Solv−2)を、表−Cに示し
たカプラー、重合体(使用量はカプラーに対する重量%
で示した)、および高沸点有機溶媒(使用量はカプラー
に対する重量比で示した)に変更した他はまったく同様
にして試料301〜385を作製した。
【0175】これらの試料についてもそれぞれ3枚づつ
3色分解センシトメトリー用の光学くさびを使って露光
した後、前記試料300を使ってランニング状態にした
処理液を使って、処理を行なった。処理後に、各試料に
ついて青色フィルターを通してイエロー発色濃度を測定
し、センシメントリー曲線を作成した。試料300が濃
度2.20(最大発色濃度に対応する)を与える露光量
における各試料のイエロー発色濃度(Dmax )をセンシ
トメトリー曲線より読み取り、3枚の平均値を発色性を
示す評価値として表−Cに示した。
【0176】次に、上記試料のうち1枚を10万ルック
スのXe光照射(3時間明所/1時間暗所の間欠照射)
下に28日間置いた後、再びイエロー濃度を測定し、色
像残存率を求めた。色像残存率は初濃度1.5の点にお
ける残存率を百分率で表示し、光堅牢性の評価値とし
た。
【0177】また、上記試料の別の1枚を80℃相対湿
度70%下で28日間保存した後、上記と同様にして色
像残存率を求め、暗堅牢性の評価値とした。これらの評
価値は表−Cに合わせて示した。
【0178】
【表37】
【0179】
【表38】
【0180】
【表39】
【0181】表−Cより、実施例1および2で示したの
と同様に高沸点有機溶媒の使用量をカプラーに対して重
量比で0.6以上にすることにより、本発明のイエロー
カプラーでは光堅牢性が大幅に改良されることがわか
る。
【0182】また、重合体を添加した場合、比較カプラ
ーをExY−1に対しても光堅牢性が向上する。しかし
ながら、この効果は重合体の添加量を増やす程、大きく
なるものの、同時に発色性の低下を引き起こす。従って
光退色改良のために添加できる重合体量には限度があっ
た。
【0183】一方、本発明のカプラーに対しても重合体
を添加することにより光堅牢性が改良される。しかし高
沸点有機溶媒の使用量がカプラーに対して0.6未満で
は比較カプラーの光堅牢性レベルに到達できないが、高
沸点有機溶媒の使用量がカプラーに対して重量比で0.
6以上になると、同じ重合体添加量で比較カプラーと同
等以上の光堅牢性を示すようになる。さらに重合体の添
加量を増やすことにより、発色性を低下させることな
く、より高い光堅牢性を実現することが可能となる。更
に前記の処理工程において上記と同じ試料を用いて処理
を施し、現像液の補充量がタンク液量の5倍量になるま
でランニング処理を継続した後、上記と同様の評価を行
ったところ、本発明の試料では比較試料に比べて最大発
色濃度の低下が小さいことがわかった。このことによっ
て本発明の試料は処理依存性が少なく、優れていること
がわかる。
【0184】さらに、表−Cより本発明のイエローカプ
ラーを使用することで、暗所での色像堅牢性の点でも大
幅な改良が可能となることがわかる。
【0185】実施例4 実施例3の各試料の青感性乳剤層中の色像安定剤(Cp
d−2)をHP−5、BP−14及びBP−15に等モ
ル量になるように置き換えた試料を作製した。これらの
試料についても実施例3と同様の評価を行なった。この
場合にも実施例3と同様、本発明のカプラーは高沸点有
機溶媒をカプラーに対して0.6重量比以上使用したと
きに、特に高い光堅牢性を示すことが確認された。
【0186】
【発明の効果】以上のように、本発明のカプラーをカプ
ラーに対する高沸点有機溶媒の重量比が0.6以上で使
用することにより、色再現性、発色性、色像堅牢性、処
理依存性に優れた写真感光材料を提供することが可能と
なる。特に色像堅牢性は重合体の使用量をカプラーに対
して20重量%以上にすることでより優れたものとする
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−191340(JP,A) 特開 平2−298936(JP,A) 特開 昭52−154631(JP,A) 特開 平3−140952(JP,A) 英国特許出願公開1204680(GB,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03C 7/36 G03C 7/388 G03C 7/396

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上のイエロー発色性ハロゲン化銀
    乳剤層中に、下記一般式(I)で表されるイエロー発色
    カプラーの少なくとも1種が高沸点有機溶媒中に溶解し
    て分散され、かつ該イエロー発色カプラーに対する高沸
    点有機溶媒の重量比が0.6以上であることを特徴とす
    るハロゲン化銀カラー写真感光材料。 【化1】 式(I)中、Xは窒素原子とともに1−インドリニル
    形成するために必要な有機残基を表し、Yは芳香族基ま
    たは複素環基を表し、Zは該一般式で示されるカプラー
    が現像主薬酸化体と反応して離脱する基を表す。
  2. 【請求項2】 前記高沸点有機溶媒の誘電率が6.0以
    下であることを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀
    カラー写真感光材料。
  3. 【請求項3】 前記高沸点有機溶媒が下記一般式〔S−
    1〕〜〔S−5〕のいずれかで表されることを特徴とす
    る請求項1または2に記載のハロゲン化銀カラー写真感
    光材料。 【化2】 式〔S−1〕においてR1 、R2 及びR3 はそれぞれ独
    立にアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アル
    コキシ基、シクロアルキルオキシ基、またはアリールオ
    キシ基を表わす。式〔S−2〕においてR4 及びR5
    それぞれ独立にアルキル基、シクロアルキル基またはア
    リール基を表わし、R6 はハロゲン原子、アルキル基、
    アルコキシ基、アリールオキシ基またはアルコキシカル
    ボニル基を表わし、aは0〜3の整数を表わす。aが複
    数のとき複数のR6 は同じでも異なっていてもよい。式
    〔S−3〕においてArはアリール基を表わし、bは1
    〜6の整数を表わし、R7 はb価の炭化水素基またはエ
    ーテル結合で互いに結合した炭化水素基を表わす。式
    〔S−4〕においてR8 はアルキル基またはシクロアル
    キル基を表わし、cは1〜6の整数を表わし、R9 はc
    価の炭化水素基またはエーテル結合で互いに結合した炭
    化水素基を表わす。式〔S−5〕においてdは2〜6の
    整数を表わし、R10はd価の炭化水素基(ただし芳香族
    基を除く)を表わし、R11はアルキル基、シクロアルキ
    ル基またはアリール基を表わす。
  4. 【請求項4】 該イエロー発色性ハロゲン化銀乳剤層中
    に水不溶性の重合体を含有することを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載のハロゲン化銀カラー写真感光
    材料。
  5. 【請求項5】 該イエロー発色性ハロゲン化銀乳剤層中
    の該イエロー発色カプラーに対する水不溶性の重合体の
    重量比が0.2以上であることを特徴とする請求項4記
    載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
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