JP2862947B2 - 高速度工具鋼線材の製造方法 - Google Patents
高速度工具鋼線材の製造方法Info
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- JP2862947B2 JP2862947B2 JP9623990A JP9623990A JP2862947B2 JP 2862947 B2 JP2862947 B2 JP 2862947B2 JP 9623990 A JP9623990 A JP 9623990A JP 9623990 A JP9623990 A JP 9623990A JP 2862947 B2 JP2862947 B2 JP 2862947B2
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- Japan
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- wire
- tool steel
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- steel wire
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Description
【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、エンドミル、ドリル、タップなどの工具
や、厳しい摩耗を受ける装置部品、例えば金型ピン、パ
ンチ類を製造する素材である高速度工具鋼線材の製造方
法に関する。
や、厳しい摩耗を受ける装置部品、例えば金型ピン、パ
ンチ類を製造する素材である高速度工具鋼線材の製造方
法に関する。
（従来の技術） 高速度工具鋼線材の製造に当っては、捲回されたコイ
ル線材（１）をA1変態開始温度以下の低温度で焼鈍した
後、例えば第２図に示すように素材を回転させながら、
ガイドローラ（１）を経てから位相をずらせて回転して
いる複数の駒を配置したフライヤー方式の捩り矯正直線
化装置（２）を通し、さらに後方のガイドローラ（３）
を経て切断機（４）により所定寸法に切断し、次いでつ
づみ形などの所定形状をしたローラを組合せた。例えば
２ロールの傾斜式矯正ローラを通して焼曲りを最終的に
矯正していたが、線材には依然として焼曲りが残存し
た。
ル線材（１）をA1変態開始温度以下の低温度で焼鈍した
後、例えば第２図に示すように素材を回転させながら、
ガイドローラ（１）を経てから位相をずらせて回転して
いる複数の駒を配置したフライヤー方式の捩り矯正直線
化装置（２）を通し、さらに後方のガイドローラ（３）
を経て切断機（４）により所定寸法に切断し、次いでつ
づみ形などの所定形状をしたローラを組合せた。例えば
２ロールの傾斜式矯正ローラを通して焼曲りを最終的に
矯正していたが、線材には依然として焼曲りが残存し
た。
しかし、しかる線材を素材にしてドリルやタップなど
を製造するに当っては、400〜600℃の加熱範囲でソルト
バスにて焼入する、所謂塩浴焼入が主として行われた。
かかる方法によれば、上から柄部などを保持して吊す方
法で加熱焼入ができ、加熱保持中のクリーブ変形が殆ど
なく、かつ焼入冷却媒体が溶融塩浴のため、冷却時の温
度むらが少ない。言いかえると、製品一本の何れの部位
も同一温度勾配で冷却されるため焼曲りの発生が起こり
にくい。仮に焼曲りが起こってもその規模は軽度であ
る。また、軽度の曲りを生じた時は、塩浴焼入後100〜2
00℃位で曲がり補正を施すことができたため、焼曲りの
問題はほとんどなかった。
を製造するに当っては、400〜600℃の加熱範囲でソルト
バスにて焼入する、所謂塩浴焼入が主として行われた。
かかる方法によれば、上から柄部などを保持して吊す方
法で加熱焼入ができ、加熱保持中のクリーブ変形が殆ど
なく、かつ焼入冷却媒体が溶融塩浴のため、冷却時の温
度むらが少ない。言いかえると、製品一本の何れの部位
も同一温度勾配で冷却されるため焼曲りの発生が起こり
にくい。仮に焼曲りが起こってもその規模は軽度であ
る。また、軽度の曲りを生じた時は、塩浴焼入後100〜2
00℃位で曲がり補正を施すことができたため、焼曲りの
問題はほとんどなかった。
ところが、塩浴焼入れでは廃液に塩化カリウム、塩化
ナトリウムが含まれるので公害上の問題があり、また省
エネルギーの点からも問題があり、雰囲気加熱焼入が主
流になってきた。
ナトリウムが含まれるので公害上の問題があり、また省
エネルギーの点からも問題があり、雰囲気加熱焼入が主
流になってきた。
（発明が解決しようとする課題） 従来から行われてきたソルト加熱焼入では、熱の受け
渡しは浴塩による伝導伝熱のため速やかに効率よく均一
に行われるが、真空加熱あるいは雰囲気加熱では熱の受
け渡しが、主として放射伝熱による。雰囲気炉ではガス
による伝導伝熱がこれに加わるが、非常に緩慢である。
同時に線材の装入量は格段に多く、炉内での積載部位に
よる昇温、降温のむらも大きくなる。
渡しは浴塩による伝導伝熱のため速やかに効率よく均一
に行われるが、真空加熱あるいは雰囲気加熱では熱の受
け渡しが、主として放射伝熱による。雰囲気炉ではガス
による伝導伝熱がこれに加わるが、非常に緩慢である。
同時に線材の装入量は格段に多く、炉内での積載部位に
よる昇温、降温のむらも大きくなる。
又、装入量を積載方法によっては線材のクリーブ変形
も大きくなる。この様な線材を熱の伝わりの悪い、ガス
冷却、汕冷却をするために各部位の温度、勾配が不均一
になり焼曲りを生じやすくなり、その曲り量も大きくな
る。この時、焼入の処理ロット内の数量が非常に多いた
め、100〜200℃の途中矯正は不可能である。
も大きくなる。この様な線材を熱の伝わりの悪い、ガス
冷却、汕冷却をするために各部位の温度、勾配が不均一
になり焼曲りを生じやすくなり、その曲り量も大きくな
る。この時、焼入の処理ロット内の数量が非常に多いた
め、100〜200℃の途中矯正は不可能である。
そのために、これに対処できるような焼曲がりのきわ
めて少ない高速度工具鋼の線材が強く要望されている。
高速度工具鋼線材の焼入時に発生する焼曲りの原因は、
冷間伸線や真直化工程によって生ずる不均一歪によるも
ので、焼入加熱時、冷却時の熱の受け渡しの緩慢さや不
均一性が、それぞれを助長する。更に硬さがHRC60以
上、一般には65から67の曲って製品を矯正するには、多
大の工数と経費がかかり、大きな問題点になった。
めて少ない高速度工具鋼の線材が強く要望されている。
高速度工具鋼線材の焼入時に発生する焼曲りの原因は、
冷間伸線や真直化工程によって生ずる不均一歪によるも
ので、焼入加熱時、冷却時の熱の受け渡しの緩慢さや不
均一性が、それぞれを助長する。更に硬さがHRC60以
上、一般には65から67の曲って製品を矯正するには、多
大の工数と経費がかかり、大きな問題点になった。
従来、冷間伸線コイルの真直化、切断には、２ロール
矯正、多ロール矯正、フライヤー矯正のうちのいずれか
１法又は２法の組合せにより真直化していたが、これら
の方法では、線材に引張と圧縮の歪がスパイラル状に加
えられるために、歪が不均一になる。この歪の不均一性
が焼曲りの原因になる。
矯正、多ロール矯正、フライヤー矯正のうちのいずれか
１法又は２法の組合せにより真直化していたが、これら
の方法では、線材に引張と圧縮の歪がスパイラル状に加
えられるために、歪が不均一になる。この歪の不均一性
が焼曲りの原因になる。
（課題を解決するための手段） 本発明者らは、研究の結果、冷間伸線加工後の歪を完
全に除去するか、又は、ねじることなしに直線化するこ
とによって生ずる不均一歪であれば、歪が残留していて
も焼上りが極めて少ないことを見出した。そこで、かか
る知見に基いて本発明がなされた。本発明は冷間伸線処
理された高速度鋼コイル線材をA1変態開始温度からA1変
態終了温度＋40℃の範囲で焼鈍を行い、次いで引抜ダイ
スによって線材表面から内部に向って圧縮変形を与え、
所定寸法に切断した後、さらにロール矯正機を経てコイ
ル線材を真直化し、高温で焼入れる高速度工具鋼の、真
空加熱焼入れおよび雰囲気加熱焼入れにおいて極めて焼
曲りの少ない高速度工具鋼の線材の製造方法を提供す
る。
全に除去するか、又は、ねじることなしに直線化するこ
とによって生ずる不均一歪であれば、歪が残留していて
も焼上りが極めて少ないことを見出した。そこで、かか
る知見に基いて本発明がなされた。本発明は冷間伸線処
理された高速度鋼コイル線材をA1変態開始温度からA1変
態終了温度＋40℃の範囲で焼鈍を行い、次いで引抜ダイ
スによって線材表面から内部に向って圧縮変形を与え、
所定寸法に切断した後、さらにロール矯正機を経てコイ
ル線材を真直化し、高温で焼入れる高速度工具鋼の、真
空加熱焼入れおよび雰囲気加熱焼入れにおいて極めて焼
曲りの少ない高速度工具鋼の線材の製造方法を提供す
る。
冷間伸線後の残留歪を完全焼鈍により除去するため
に、加熱温度を加熱変態開始温度から加熱変態終了温度
＋40℃の範囲としたのは、A1変態開始温度以下では残留
歪の除去には不十分であり、A1変態終了温度＋40℃を超
えると微細炭化物の凝集成長、結晶粒の成長による焼入
性の低下や焼入焼もどし後の強度低下を招来するためで
ある。
に、加熱温度を加熱変態開始温度から加熱変態終了温度
＋40℃の範囲としたのは、A1変態開始温度以下では残留
歪の除去には不十分であり、A1変態終了温度＋40℃を超
えると微細炭化物の凝集成長、結晶粒の成長による焼入
性の低下や焼入焼もどし後の強度低下を招来するためで
ある。
さらに、引抜ダイスによって線材表面から内部に向っ
て圧縮変形を与えるのは、線材部位差（例えば捲回され
たコイル線材の外周の伸びと内周の縮み）による引張、
圧縮の残留歪を圧縮歪のみとして、コイル線材を略真直
化したのである。
て圧縮変形を与えるのは、線材部位差（例えば捲回され
たコイル線材の外周の伸びと内周の縮み）による引張、
圧縮の残留歪を圧縮歪のみとして、コイル線材を略真直
化したのである。
（実施例） 次に本発明の実施例を第１図について説明すると、捲
回された高速度工具鋼コイル線材（10）をA1変態開始温
度からA1変態終了温度＋40℃の範囲で焼鈍した。ちなみ
に、各種高速度鋼のA1変態点の一例を第１表に示す。次
いで、コイル線材（10）を引出しチヤック（６）により
引張り、予備矯正ローラ（５）を経てダイス（11）を通
して、線材表面から内部に向けて圧縮変形を与える。こ
のため線材部位差による引張、圧縮の残留歪を圧縮歪の
みとして、コイル線材が略真直化され抽出され、矯正ロ
ール（７）、ガイドロール（１）を経て、切断機（４）
によって所定寸法に切断される。次いで、互いに軸の傾
斜した凸と凹の双曲面をもったロールを同一方向に回転
する２ロール式の傾斜ロール（８）により最終的に矯正
し真直度を向上させた。
回された高速度工具鋼コイル線材（10）をA1変態開始温
度からA1変態終了温度＋40℃の範囲で焼鈍した。ちなみ
に、各種高速度鋼のA1変態点の一例を第１表に示す。次
いで、コイル線材（10）を引出しチヤック（６）により
引張り、予備矯正ローラ（５）を経てダイス（11）を通
して、線材表面から内部に向けて圧縮変形を与える。こ
のため線材部位差による引張、圧縮の残留歪を圧縮歪の
みとして、コイル線材が略真直化され抽出され、矯正ロ
ール（７）、ガイドロール（１）を経て、切断機（４）
によって所定寸法に切断される。次いで、互いに軸の傾
斜した凸と凹の双曲面をもったロールを同一方向に回転
する２ロール式の傾斜ロール（８）により最終的に矯正
し真直度を向上させた。
本発明により製造した高速度工具鋼線材を素材として
ドリルを製造し、比較工程によるものと比較したとこ
ろ、第２表に示すような結果を得た。
ドリルを製造し、比較工程によるものと比較したとこ
ろ、第２表に示すような結果を得た。
（効 果） 本発明は、上述のように、高速度工具鋼コイル線材を
A1変態開始温度からA1変態終了温度の範囲で焼鈍したの
で、冷間伸線後の残留歪を除去することができた。さら
に、ダイス引きにより連続抽伸を行ったので線材表面か
ら内部に向かって圧縮変形を与えることになり、線材部
位差による引張、圧縮の残留歪を圧縮歪のみとしてコイ
ル線材を略真直化することができた。しかも、最終工程
で補助的に真直矯正したので、焼入冷部によって曲りを
助長する程の不均一は残らない。
A1変態開始温度からA1変態終了温度の範囲で焼鈍したの
で、冷間伸線後の残留歪を除去することができた。さら
に、ダイス引きにより連続抽伸を行ったので線材表面か
ら内部に向かって圧縮変形を与えることになり、線材部
位差による引張、圧縮の残留歪を圧縮歪のみとしてコイ
ル線材を略真直化することができた。しかも、最終工程
で補助的に真直矯正したので、焼入冷部によって曲りを
助長する程の不均一は残らない。
よって、本発明の製造方法で製造した丸棒ブランク
は、熱処理後の曲がり量が極めて小さく、しかものその
内部品質および切削工具としての性能を全く損なうこと
がない。この製造方法の丸棒ブランクは、真空加熱焼入
れや雰囲気加熱焼入れにおいても熱処理後にほとんど矯
正工程が不必要であるため、大幅なコストダウンが図れ
るとともに仕上研削代の縮減も可能になる。
は、熱処理後の曲がり量が極めて小さく、しかものその
内部品質および切削工具としての性能を全く損なうこと
がない。この製造方法の丸棒ブランクは、真空加熱焼入
れや雰囲気加熱焼入れにおいても熱処理後にほとんど矯
正工程が不必要であるため、大幅なコストダウンが図れ
るとともに仕上研削代の縮減も可能になる。
第１図は本発明の実施例を示す概略図、第２図は従来例
の概略図である。
の概略図である。
Claims (1)
- 【請求項１】冷間伸線処理された高速度鋼コイル線材を
A1変態開始温度からA1変態終了温度＋40℃の範囲で焼鈍
を行い、次いで引抜ダイスによって線材表面から内部に
向って圧縮変形を与え、所定寸法に切断した後、さらに
ロール矯正機を経てコイル線材を真直化したことを特徴
とする高速度工具鋼線材の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9623990A JP2862947B2 (ja) | 1990-04-13 | 1990-04-13 | 高速度工具鋼線材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9623990A JP2862947B2 (ja) | 1990-04-13 | 1990-04-13 | 高速度工具鋼線材の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH03294035A JPH03294035A (ja) | 1991-12-25 |
| JP2862947B2 true JP2862947B2 (ja) | 1999-03-03 |
Family
ID=14159682
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9623990A Expired - Lifetime JP2862947B2 (ja) | 1990-04-13 | 1990-04-13 | 高速度工具鋼線材の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2862947B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20020030060A (ko) * | 2002-03-26 | 2002-04-22 | 주식회사 뉴메탈텍 | 스틸코일의 가공방법 |
| JP2005138146A (ja) * | 2003-11-07 | 2005-06-02 | Sanyo Special Steel Co Ltd | 表面加工が施された棒材及びその製造方法 |
-
1990
- 1990-04-13 JP JP9623990A patent/JP2862947B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH03294035A (ja) | 1991-12-25 |
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