JP2862883B2 - 歯のスケーリング用及び歯の治療洗浄用の装置 - Google Patents

歯のスケーリング用及び歯の治療洗浄用の装置

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、歯のスケーリング、および歯肉溝や洗浄が
必要な他の口腔部位の洗浄に供する装置に用いるインサ
ートに関する。この装置は、スケーリングのみ、洗浄の
みを行なうことができ、或いは両動作を同時に行なうこ
とができる。
(従来技術および発明が解決しようとする問題点) 従来、歯苔や歯石は口腔疾患に含まれる有毒、刺激性
成分を潜伏させ、これらの歯苔や歯石は高周波スケーリ
ングにより歯から除去できることが知られている。この
ための従来装置には多くのものが知られている。従来の
スケーリング装置はスケーリング用先端チップを備えて
おり、これは、機械的、磁気歪的または圧電エネルギー
により約6kHzと50kHzの間の周波数で振動するように設
計されている。従来の装置で使用されるスケーリング用
先端チップは、歯の、比較的大きな露出平坦面から歯苔
や歯石を除去するのが主要な用途だったので、比較的大
形である。歯周ポケット(歯嚢)が外科的に露出させる
場合のほかは、2〜3の例外を除くと、従来のスケーリ
ング用先端チップは歯周ポケットの歯肉ラインより下の
スケーリングには大き過ぎる。
また、スタックおよびスケーリング用先端チップの振
動により熱が発生するので、殆んどの従来のスケーリン
グ装置では導管を備え、ハンドピースやスケーリング用
先端チップに水導水を供給して冷却するようにしてい
る。例えば、磁気歪装置においては、水導水を先ずトラ
ンスデューサスタックの周囲を循環させてこれを冷却
し、次にスケーリング用先端チップ上に流し先端チップ
を冷却するようにしている。また圧電装置ではスケーリ
ング用先端チップだけに冷却水を流すようにしている。
その後この冷却水は、スケーリング処置の間、患者の口
腔内に分与され、崩壊屑のある治療領域を洗浄するため
に使用される。
更に従来、酸素化された化学薬品または酸素発生化学
薬品により歯周ポケットを酸素化または洗浄する装置も
知られている。これは、嫌気性バクテリアが歯周ポケッ
トに生息することが見出さており、(嫌気性バクテリア
の存在と歯周疾患との間には因果関係が存在すると推測
される)、更に嫌気性バクテリアは酸素が存在すると生
存し得ないことが見出されていることによる。同様に、
他の抗バクテリア液を洗浄に使用することにより歯石、
歯苔および歯苔成分を容易に除去できる。かかる方法は
従来、洗浄法としてはよく知られたものである。
付着する歯石や歯苔から歯を清浄に保ち、1種以上の
適切な洗浄剤で歯周ポケットを洗浄する念入りな計画に
より、歯周疾患の進行を防止し、後退させることができ
ることが見出されている。
しかしながら、従来、上記のような両手順を与えるに
は、2つの異なる装置が必要であった。従って、歯科医
が、適切な治療を行なおうとすると、2つの独立した組
の装置の費用と置場所、及び、両手順を行なうときに2
つの組の装置両方を使用するために必要な時間と手数が
かかるという問題があった。
本発明は、かかる従来の手順と装置の問題点を解決す
ることを目的とする。
(課題を解決すための手段) 上記目的を達成するために、本発明は、歯をスケーリ
ングするために用いられ、治療洗浄のために用いられる
装置に使用するインサートを提供する。このインサート
は、スケーリング用先端チップと、インサート内にスケ
ーリング用先端チップを保持する保持手段と、スケーリ
ングまたは洗浄のために洗浄液をインサートを通してス
ケーリング用先端チップの端部に供給する経路手段とを
備えている。一実施例においては、この経路手段は、保
持手段への液体の流入を許容する流入口と、この流入口
と連通し、スケーリング用先端チップを通る内腔とを備
えている。第2実施例においては、スケーリング用先端
チップの外側のチャネルは、保持手段からスケーリング
用先端チップの末端部に流体を流すように作用する。超
音波スケーリング用にインサートが用いられ、更にイン
サートがその一部として磁気歪スタックからなる実施例
においては、インサートは、スタック冷却水が患者の口
腔に分与されないように、スタックの周囲からスタック
冷却水を除去する流出口を備えている。スケーリング用
先端チップは、歯周ポケットの歯肉ラインより下をスケ
ーリングし洗浄するように形状づけられ、寸法が定めら
れる。深い歯周ポケットに使用されるための特定の形状
で、且つ大臼歯の歯根の間及びそれらより下方のスケー
リングを行なうためのアクセスに供する左右曲げ部を有
するインサートも示されている。
[実施例] 第1図、第2図、第3図および第5図に示したよう
に、本発明の装置は、ベースユニット10、ハンドル13と
インサート14からなるハンドピース12、フットスイッチ
27から構成される。導管15は、ハンドピース12をベース
ユニット10に接続する。特に、導管15は、ベースユニッ
ト10の、それぞれ、個別円筒状リザーバ36と38の流出口
40と42に接続される。リザーバ36と38は1種以上の薬剤
流体を貯蔵するために設けられ、これらの流体はリザー
バから輸送され、必要なときはハンドピース12およびイ
ンサート14を通して分与できるようになっている。流体
は、リザーバ36と38に、その再充填開口を通して導入可
能であり、上記再充填開口はそれぞれキャップ16と18に
より閉じられる。
本実施例においては、ハンドル13はその中に、インサ
ート14に振動を与えるように構成された手段を有する。
このような手段は技術的にはよく知られており、機械
的、磁気歪性また圧電性のものが用いられる。従来知ら
れるように、歯科医師が歯にインサート14の先端チップ
32を軽く接触させると、先端チップ32は、その振動運動
により、歯苔および歯石を歯から除去することができ
る。
当業者に知られるように、歯のスケーリングのため
に、6〜50kHzのいずれかの周波数で振動するスケーリ
ング用先端チップが使用される。本実施例においては、
ハンドル13の出力は出力制御装置26により変化される。
約26kHz以上の周波数は一般に超音波領域に属すると考
えられる。
歯肉ラインより下のスケーリングは技術的には、「歯
根プレーニング(root planing)」として知られてい
る。ここで使用する用語「スケーリング(scaling)」
は、歯のスケーリングと歯根プレーニングの両者を意味
する。
本発明の装置は、従来の超音波スケーラー(歯石除去
器)としても使用することができ、その場合は、スイッ
チ24は、リザーバ36と38から薬剤が供給されず、また通
常の水導水がスケーリング用先端チップを冷却し且つ超
音波スケーリング中に口腔を洗浄するために使用される
ように第1位置(状態1)に設定される。従来の磁気歪
形の超音波インサートは、トランスデューサスタックを
冷却し、これらのスタックが更にスケーリング用先端チ
ップを冷却するように、水を使用していた。冷却水の流
れは従来約35cc/minに設定され、更に流量制御ノブ25に
より制御自在になされ、またハンドピースへの冷却水流
はフット制御装置27をその第2位置に設定することによ
り付勢されるようになされる。フット制御装置27が第2
位置にあると、電磁弁68が付勢され、レギュレータ70お
よび電磁弁68を通してハンドピース12に、更にスケーリ
ング用先端チップにわたって冷却水が流される。フット
スイッチ27がその第2位置に押圧されると、インサート
14の振動も開始される。
振動モジュール11は、振動電流を発生させることによ
り、ハンドピースに振動周波数を供給する。本実施例に
おいては、振動モジュール11により発生される電流の周
波数は、インサートが振動する周波数に直接関係する。
スイッチ24が第2位置(状態2)に設定されると、当
該装置は、ボタン20および22の一方または両者を押圧す
ることによりまたフット制御装置27をその第1位置に移
動させることにより動作状態になされる電磁弁56と58を
付勢することにより洗浄可能になされる。当該装置がこ
の状態にあると、給気装置60からの空気圧は、レギュレ
ータ66により低減され、リザーバ36または38のいずれ
か、または両者から導管15中に、流入口44を通してイン
サート14に、更にスケーリング用先端チップ32を通して
流体を口腔中に分与さる。本実施例においては、空気圧
はレギュレータ66により制御され、また給気量は約2〜
16psi(0.1406〜1.1248kg/cm2)に、制御ノブ28により
調節自在に維持される。
従来から知られるように、給気ラインは少なくとも1
つのフィルタ62、流入口電磁弁64およびレギュレータ66
を備えている。
当業者には知られるように、他の実施例においては、
リザーバ36と38、またはこれらから導かれるラインは、
リザーバ36と38から流体を分与するポンプ手段を備え
る。
更に、リザーバ36と38から導かれるラインは逆止め弁
61と71を備えることが好ましく、これらの逆止め弁61と
71は、ライン中の流れが一方向のみに与えられるように
するために使用されるものである。こては、例えば、リ
ザーバ38のみから流体を分与するときリザーバ38からリ
ザーバ36に流れる流体流を防止する。インサート14の振
動は、フットスイッチ27がその第2位置に移動されると
き開始される。
上記のように、ライン内の空気圧を制御することによ
り、流量制御装置28はリザーバ36と38からの流体の流量
を制御する。
回路構成が設けられ、これは、ボタン20と22の一方ま
たは両者が押下されることなしにハンドピースの振動の
付勢を防止するものである。これにより、インサート14
が振動しているとき冷却流体が先端チップ32に常に供給
される。
本実施例においては、特に歯肉炎や歯周疾患のある患
者を処置する場合、歯科医は、特定の薬剤を流出口40を
通してリザーバ36からハンドピースに供給するボタン20
を押下すればよく、或いは歯科医は流出口42を通してリ
ザーバ38から他の薬剤を供給するボタン22を押下すれば
よく、或いはリザーバ36と38からハンドピース12に所定
比の薬剤を供給するボタン20と22を押下すればよい。
磁気歪要素を用いたハンドピースを使用する好ましい
実施例においては、流出口40と42は、ベースユニット10
を流入口44を通してハンドピース12に接続するのに1本
のチューブだけを必要とするようにベースユニット10内
で接続される。しかし、当業者には明らかなように、若
干の用途の場合、リザーバ36と38からの流体が、これら
がインサート14を通して分与される直前に、ハンドピー
ス内で合流するようにベースユニット10をハンドピース
12に接続する2つの以上の導管を用いることがより適し
ている。このような構成によれば、1つの流体リザーバ
からの他のリザーバに切り換えたときラインを清浄にす
るのに必要な洗い流し洗浄の時間が低減される。導管15
は、ベースユニット10をハンドピース12に接続する薬剤
用チューブの外に、冷却水をトランスデューサスタック
30に搬送する1本のチューブと、冷却水を流出口46を通
してハンドピース12からシンクまたはその他の貯蔵部に
戻す1本のチューブと、ハンドピースの制御に必要な電
線とを備える。
他の実施例においては、当業者には明らかなように、
測定量の洗浄用流体、特に消毒用流体が先ずトランスデ
ューサスタックを冷却するために用いられ、そしてイン
サート14を通し治療動作領域に供給される。
ここで使用している薬剤には、歯周疾患またはむしば
に関係するバクテリアと斗うようになされた抗バクテリ
ア溶液や、むしばに対する抵抗力を増すようになされた
弗化物溶液などの溶液、歯石や歯苔、菌体内毒素などを
含む歯溝や歯を化学的に洗浄するようになされた界面活
性剤、更に治療を推進させる化学試薬を含む化学溶液な
どが含まれる。
本実施例においては、スケーラー先端チップ32は、ス
テンレススチールからなり、テーパー状になされ、歯周
スポットに挿入するのに適した寸法を有し、更におおよ
そ歯肉消息子の寸法を有する。従って、本発明のスケー
リング用先端チップは、チップ37の末端部の直径が、例
えば0.3〜0.9mm、好ましくは約0.5〜0.7mmの大きさを有
する。このスケーリング用先端チップは、上記末端部の
上流側約4mmの点における先端チップの直径が上記先端
チップの末端部の直径より約0.05〜0.7mm大きく、好ま
しくは0.05〜0.3mm大きくなるように、テーパー状にな
される。図示実施例においては、端部37におけるスケー
ラー先端チップ32は直径が約0.6mm、同心状口部供給オ
リフィス34が約0.25mm、更に、末端部の上流側約4mmで
直径が約0.8mmをなしている。
超音波動作中のインサート14の振幅は、使用される特
定のインサートの特定の幾何学的形状およびハンドピー
スのパワー出力に依存して与えられる。従って、ストロ
ーク振幅はパワー制御装置26により制御され、これによ
り臨床効果を維持し、歯肉下で使用されたときの患者の
慰安を増大させることができる。
ここで第3図および第4図に示したように、ベースユ
ニット10の他の実施例においては、リザーバ72と74は単
一シリンダ内に収容され、ここでリザーバ72はリザーバ
74を囲繞するようになされる。このような構成は、得ら
れる空間を有効に利用するものであり、またこのような
構成は、最高約1000mlのより大きなリザーバを使用する
ような実施例においては望ましいものである。
ここで第5図を参照すると、本実施例においては、洗
浄流体はスケーラー先端チップ32を通し、またスケーラ
ー先端チップ32の頂部または端部37のオリフィス34を通
して供給される。インサート14を有するハンドピース12
は、当該装置が条件2の下で動作されるとき歯周ポケッ
ト内での使用に適した大きさのインサート先端チップ32
を備えている。洗浄液、好ましくはリザーバ36または38
或いはこれらの両者からの薬剤は、流入口チューブ44を
通してインサート14に注入され、流路76を流れ、オリフ
ィス34を通して分与され。インサート14の孔78は、スタ
ック30を通過する冷却水が流路80に流入し、流出口46を
通して搬送され、シンクまたは他の貯蔵部に分与される
ようになる。頂部オリフィス34を有するインサート先端
チップ32は歯周ポケットの洗浄に特に適したものであ
る。洗浄液が先端チップ32から分与されると共に振動し
ていると、この洗浄液は微細なスプレイ状に分与され、
これは歯屑などのある作業域での洗浄を促進する。この
実施例を歯周ポケットの歯肉下で使用すると、ポケット
の洗浄や歯苔や歯石の除去がより確実になる。
ここで第6図を参照すると、洗浄液供給チューブ84お
よびバンドピースに収容されたフローリターンチューブ
86を備える他のハンドピースが示してある。このハンド
ピース82は、第5図のハンドピース12と同様に動作する
が、外側の外部チューブは備えてない。インサート先端
チップ48は、頂部35の上にスプレイ流出口50を有し、更
にインサート先端チップ48上で外部チャネル53を与える
破断(cutaway)側部52を有するように設計されてい
る。このようなインサートは、幾つかの用途の場合に、
治療時の他のスプレイ形状を与えるために使用される。
当業者には明らかなように、破断インサート先端チッ
プ48を有するインサートはハンドピース12の一部として
使用可能であり、またインサート先端チップ32はハンド
ピース82の一部として使用できる。第1図〜第15図に他
の組合せを加えて示してあるが、これらは、単に例示を
目的としたものであり、制限に加えるものではない。
ここで、他の実施例を示す第7図を参照すると、イン
サート90は、冷却用液体または薬用液体をインサート先
端チップ96上に分与する流出口94を備えた端部92を有
し、このインサート先端チップ96は、液体を先端チップ
の頂部98に流す外部チャネルを有する。この実施例にお
いては、冷却液体は先端チップ96に対して外部に配置さ
れているので、先端チップ96は中実金属片から形成でき
る。このような実施例によれば、先端チップの大きさを
更に低減させ、より寿命の長い先端チップを提供するこ
とができる。
ここで第8図および第9図を参照すると、歯の超音波
スケーリング、歯根プレーニング、および/または洗浄
に使用できる、本発明のインサートの実施例が示され
る。従来の超音波インサートの場合と同様に、インサー
ト14は、その主要部分として、スタック30、接続体11
2、先端チップ32a、および先端チップガード114と組立
保持体116からなる保持手段115を備えている。先端チッ
プ32a、接続体112およびスタック30はインサート要素11
0を構成する。従来から知られるように、スタック30は
接続体112に一体的に接続され、また先端チップ32aは、
これが付部分120で接続体112にろう付されたとき接続体
112に一体的に接続される。ここで用いられるように、
完全に組み付けられたインサートにおいては、スケーリ
ング用先端チップ32は、先端チップ32a、または他の既
に説明した先端チップ、および節点144からろう付部分1
20または同様の接続点まで延在する接続体112のその部
分を含むように規定される。
ショルダー118は、インサート14がハンドピース12に
組む付けられたときハンドル13(第1図)に対して当接
する。ハンドル13の内腔とインサート14の間はO−リン
グ126で封止され、スタック30のまわりを流れる冷却液
体の漏れが防止される。節点144は、インサート14の軸
方向振動運動の中央点またはゼロ点である。インサート
14は節点144で比較的に静止するものである。
当業者には、明らかなように、O−リング128と130は
低振幅振動領域にある。従って、インサートが組み付け
られたときO−リング128と130は封止を与えるように構
成されることが望ましい。
従来のインサートを使用したハンドピースにおいて
は、スタック冷却液体がスケーリング用先端チップ32を
もまた冷却するように用いられる。本発明においては、
冷却液体がギャップ122内に到ると、接続体112の周りの
液体の進行は、O−リング128により停止され、冷却液
体は流出口46を通してインサート14から放出される。ス
ケーリング用先端チップ32を冷却し且つ治療中に溝を洗
浄するために用いられる流体は流入口44を通して直交孔
124に、また内腔132を通して先端チップ32aのオリフィ
ス34に流入する。O−リング130は、流体がスケーリン
グ用先端チップ32の外側へ漏れることを防止する。
インサートピン136が設けられ、スケーリング用要素1
10の軸方向または半径方向の移動を防止する。インサー
トピン136はインサート要素110と保持手段115の間を接
続するので、ピン136を通して要素110から保持手段115
に最小振動が移される。逆に、保持手段115はわずかに
インサート要素110の振動を減衰させる。
当業者には明らかなように、望ましいときは、ピン13
6は、インサート要素110がピン136上を滑動し、要素110
から保持手段115へ移される移動量が最小になるように
嵌合が弛められる。
第10図に示したように、先端チップ32aの実施例にお
いては、先端チップは、口腔領域に達するのが難しいア
クセスを容易にするように曲げ加工される。スケーリン
グ用先端チップ32の使用は、(端部37の中央軸線146に
より表わされるように)端部37がチップ32aの突出部138
と(突出部138の中央軸線148により示されるように)約
110゜〜118゜、好ましくは約114゜の角度をなすとき最
も容易になる。突出部138は、接続体112内への挿入のた
めに用いられ、アンダーカット部137を有して、接続体1
12と先端チップ32aの間のろう付を補強する。
好ましい実施例においては、2つの小さな曲げ部134
と1345を利用して約114゜の角度の曲げ部が得られる。
2つの曲げ部を用いると口腔の作業領域への先端チップ
32aのアクセスがかなり容易になる。先端チップ32aは、
オリフィス34から第2曲げ部135の半径の終端部までの
長さが約15〜21mmが好ましく、また端部37における作業
用先端チップのオリフィス34から第1曲げ部134の半径
の始めまでの長さは約5〜8mmが好ましい。
好ましい実施例においては、端部37の直径を更に低減
させ、同時に端部37を回転スエージング加工することに
よって、先端チップ32aの端部37の壁厚を増加させるこ
とが望ましい。この作業は治療時の当接点におけるスケ
ーリング用先端チップ32を硬化させ、それによってその
強度を増加させ、更に大きさが減少した結果、スケーリ
ング用先端チップ32の歯周ポケットへのアクセスが改良
され。
当業者には明らかなように、若干の実施例において
は、スケーリング用先端チップ32の先端チップ37の大き
さを機械加工により低減させることが望ましい。
ここで第11図および第12図を参照すると、スケーリン
グ用先端チップの外側に洗浄液を流すように設計、構成
された先端チップを有するインサート14aの実施例が示
される。第11図の先端チップの構成は米国再発行特許
(U.S.Re)30,536号のパードリュー(Perdreaux)によ
り示されたものに類似している。第11図の実施例は第8
図の実施例に類似しており、その主要な差異は、O−リ
ング130がなく、流入口44から流入した流体が先端チッ
プ32b周りの先端チップガード114aを通りインサートか
ら流出するのでスケーリング用先端チップ32bまたは接
続体112aに内腔132が設けられない点にある。先端チッ
プガード114aはテーパー状端部140を備え、この端部は
先端チップ32b周りにぴったり嵌まりあっている。液体
は、これが先端チップガード114aを流出するとき先端チ
ップ32bを囲繞するが、先端チップ32bは、流体のかなり
の部分を先端チップ32bの曲げ部134の内径方向に流すス
ロット142を有する。スロット142を流出した流体は、従
って、流体のかなりの部分がスケーリングまたは洗浄処
置に関する領域に向けて流されるように先端チップの内
側彎曲部にわたり、その端部37に向けてチャネルが形成
される。
ここで第13図を参照すると、先端チップ32cは、単一
のグースネック状曲げ部150を用いて、深い歯周ポケッ
ト内のスケーリング用の特に構成されている。このグー
スネック状曲げ部150は、先端チップ端部37(中央軸線1
52により示されるように)と突出部156(中央軸線154に
より示されるように)の間で約125゜〜145゜の角度、好
ましくは約135゜の角度を与える。従って、端部37の末
端部と曲げ部150の半径の開始点の間の距離は約6〜12m
m、好ましくは約9mmであり、また端部37の末端部と曲げ
部150の半径の終端点の間の距離は約17〜23mmになる。
先端チップ32cは、接続体112bに対し迅速に着脱でき
るように構成されている。例えば、迅速な接続装置、例
えばスナップ接続装置または圧縮自在リングを有するコ
ケットなどが用いられ、先端チップ32cを接続体112bに
迅速に装着する。図示実施例においては、突出部154の
螺合部156により先端チップ32cと接続体112bの間が接続
される。従って、先端チップ32cは、使い捨てのものと
して作られてもよい。
当業者には明らかなように、インサート14と共に先端
チップ32cを利用することおよびインサート14aと共に先
端チップ32aを利用できるように改良されてもよい。上
記各種のインサートを上記先端チップと様々に組み合わ
せて使用することに関して、図は単に例を示すだけのも
のであり、制限を加えるものではない。
当業者には明らかなように、種々の長さと種々の作業
角度を有する機能的先端チップを設けることができる。
また、当業者には明らかなように、ベースユニットで
用いられる全てのコネクタとチューブ、導管およびハン
ドピースは、当該装置で使用する薬剤、洗浄液に対して
不活性である。本実施例においては、このようなチュー
ブおよび全てのコネクタは成形または押出し成形された
熱可塑性樹脂で形成される。
第14図および第15図に示したように、先端チップ32d
は、口腔の左側の大臼歯歯根プレーニングに適した右側
曲げ部162を備えている。
当業者には明らかなように、同様の先端チップが、口
腔の右側の歯根プレーニングに適した逆側の曲げ部を備
えてもよい。
先端チップ32dは、内腔132を通し、オリフィス34を通
して液体の供給端部をなすように構成される。この先端
チップ32dは、曲げ部162に加えてグースネック状曲げ部
150aを備え、曲げ部162が(第10図の曲げ部134と135に
より示されたように)ほぼ同一平面上ではなく曲げ部15
0aと異なる平面内に形成されていることを除けば、第10
図に示した先端チップと同様に形成される。
リザーバ36と38から分与された薬剤は、特に特定の治
療に効果があるように選択される。例えば、歯周疾患の
治療に対しては過酸化水素またはクロロヘキシジン(Ch
lorohexidine)溶液が選択使用され、歯苔の処置、また
は虫歯の治療の場合は、塩化亜鉛溶液、塩化セチルピリ
ジニウム(cetylpyridinium chloride)溶液、または、
弗化第1錫溶液が選択使用され、または菌体内毒素を歯
および歯肉の表面から化学的に除去するために表面活性
剤溶液が選択使用される。ボタン20と22を押下すると、
リザーバ36と38からの流れが同時に生じるので、歯科医
は歯周疾患と歯苔に対する治療を同時に行なうことがで
きる。既に知られるように、かかる治療に対して使用が
望まれる薬剤のうちの若干のものは短命であり、使用条
件下での貯蔵はできない。従って、リザーバ36と38を用
いて短寿命薬剤の諸成分を貯蔵すれば、リザーバ36と38
からの2種類の成分を同時に供給して、口腔内で、また
はハンドピース内で、あるいはハンドピースに導く導管
内に所望の短寿命薬剤を形成することにより適所に所望
の薬剤を形成することができる。
リザーバ36と38から分配される薬剤は、歯周疾患の治
療に有効であることが当業者に知れれているものならど
れでもよい。
本実施例においては、洗浄剤は次亜鉛塩素酸ナトリウ
ム、過酸化水素、弗化ナトリウムを含む。または含まな
い塩化亜鉛、塩化セチルピリジニウム(cetylpyridiniu
m chloride)を含む、四級化合物、弗化第1錫、二酸化
塩素、炭酸水素ナトリウム、クロロヘキシジン(chloro
hexidine)(例えばグルコン酸クロロヘキシジン(chlo
rohexidine gluconate))および、これらの混合物の溶
液からなるグループから選択される。
洗浄剤は、スケーラ先端チップ32または49を通して十
分量分与され、感染部位への供給を常に一定になるよう
にする。所望の流量は患者および特定の所望の位置に依
存する。洗浄剤の流量は約3〜20ml/minであり、最も好
ましくは5〜10ml/minである。特定の治療に対する流量
は、流量制御ノブ28により制御される。リザーバ36と38
の容量は、洗浄剤貯蔵量ざ約5分から5時間は、また好
ましくは連続使用の少なくとも10から20分間は十分なよ
うに定められる。従って、各々のリザーバの容量は約10
0〜1000mlまた必要に応じてそれ以上になる。
動作時には、スイッチ24が条件2の位置にあるとき
は、装置は医薬剤をリザーバ36と38の一方または双方か
ら分与しながらスケーリングを行なうようになされる。
ボタン22が押下されると、薬剤は流出口42を通してリザ
ーバ38から導管15に分配される。薬剤は導管15を通して
ハンドピース12に、流入口44を通してインサート14に流
れる。薬剤は、インサート先端チップ32を通して流れ、
先端チップ32の端部37にあるオリフィス34を通して分与
される。先端チップ32は1つの形状と大きさを持ち、ま
た歯周ポケットに嵌合するようにオリフィス34位置でデ
ーパ状端部37を有する。端部37は歯のスケーリングに適
した形状と強度を有する。
患者の気分をよくするために、装置はハンドピース1
2、または導管15内に任意に小形ヒータを設け、口腔内
に分与される洗浄液を約35〜38℃にしてもよい。
当業者に知られるように、当該装置を通しての薬剤の
流れ、またスケーリング用先端チップを通しての薬剤の
流れはその発泡をもたらすので、泡を減少するためこの
薬剤溶液に消泡剤を加えることが望ましい。
患者の治療時の気分を快適にするために、薬剤溶液に
調味料を加えることが望ましい。
本発明の実施例においては、洗浄剤として使用する薬
剤流体は、治療時に空気伝染バクテリアを死滅させるの
に十分な抗バクテリア活性を有している。
スケーリングおよび歯周洗浄用洗浄剤として用いられ
る薬剤成分は、例えば、米国特許、 第3,864,472号 第4,472,373号 第3,887,701号 第4,522,806号 第4,160,821号 第4,582,702号 第4,339,432号 第4,601,900号 に示してある。
当業者は、これらの引例に示されたどの組成物が本発
明の装置に最も有効に使用されるかを決定することがで
きる。
本発明の装置に使用される流体溶液の実施例は次のよ
うになる。
以下において、 Hystar5875はLONZAから市販されている水素化澱粉水
解物である。
調味料は、Unter&Co.から市販されているオランダハ
ッカ油/はっか油フレーバーである。
SDA−38B,SDA−37B、およびSDA−36Bは200プルーフア
ルコールである。
本発明の上記実施例およびこれを実施する方法につい
て以上に図示説明したが、当業者には明らかなように、
本発明は、添付した請求の範囲の範囲内で各種の変形、
変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、ベースユニット、フットスイッチ、およびハ
ンドピースを含む本発明の装置の斜視図、 第2図は、本発明の装置の概略図、 第3図は、本発明のベースユニットの破断平面図で、リ
ザーバの配置が異なる他の実施例を示す図、 第4図は、線4−4に沿う破断側面図で、第3図のリザ
ーバの配置が異なる他の実施例を示す図、 第5図は、中空先端チップおよび外部流の戻りを備えた
本発明のハンドピースを示す破断図、 第6図は、他の超音波スケーリング、歯周洗浄ハンドピ
ースを示す図、 第7図は、スプレーし、先端チップを冷却する、先端チ
ップとは別の手段を有するハンドピースの他の実施例の
図、 第8図は、洗浄液の端部供給を用いる本発明のインサー
トの実施例を示す図、 第9図は、90゜回転させた第8図の断面9−9に沿った
図、 第10図は、二重曲げ部を有するスケーリング/洗浄先端
チップの好ましい形状を示す図、 第11図は、スケーリング用先端チップの外側で洗浄液を
流すようになされた先端チップを有するインサートの実
施例を示す図、 第12図は、第11図の実施例の線12−12に沿う端面図、 第13図は、グースネックを有するスケーリング/洗浄先
端チップの第2の好ましい形状を示す図、 第14図は、右側大臼歯歯根プレーニング用スケーリング
先端チップを示す図、 第15図は、第14図の実施例の線15−15に沿う端面図であ
る。 [主要部分の符号の説明] 10……ベースユニット 12……ハンドピース 13……ハンドル 14……インサート 15……導管 36,38……リザーバ 32,96……先端チップ 26……パワー制御装置 30……トランスデューサスタック 40,42……流出口 44……流入口 150,162……曲げ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−97547(JP,A) 特開 昭62−97548(JP,A) 特開 昭55−35666(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61C 17/02 A61C 1/07 A61C 3/03

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】歯のスケーリング用及び治療洗浄用の装置
    であって、 (a)少なくとも2つの流体リザーバを有するベースユ
    ニットと; ここにおいて、該2つの流体リザーバのそれぞれは流出
    口を有しており、 (b)ハンドルとインサートを有するハンドピースと; ここにおいて、該インサートは、歯のスケーリングをす
    るための手段を有し、かつ、第一の導管手段を介して該
    流出口に接続されており、さらに、該第一の導管手段は
    該流体リザーバの流出口と連通して、該流体リザーバか
    らの液体を治療の歯肉部へ供給しており、 (c)該リザーバから該第一の導管手段を介して該ハン
    ドピースへ液体を含む薬剤の分与を制御する第一のスイ
    ッチング手段と; (d)該ハンドピースに接続されている第二の導管手段
    を介して冷却用液体を制御して該インサートを介して冷
    却用液体を供給し、液体を含む薬剤を、歯のスケーリン
    グをすることなく又は同時に歯のスケーリングをしつ、
    該インサートを介して分与することができる第二のスイ
    ッチング手段と;からなる装置。
  2. 【請求項2】請求項1の装置であって、該インサートが
    トランスデユーサであるときに該インサートにおいて超
    音波振動を発生する手段を有する装置。
  3. 【請求項3】請求項2の装置であって、超音波振動を発
    生する該装置はコイルを有し、該コイルが該ハンドピー
    スにおいて交番磁界を発生する装置。
  4. 【請求項4】請求項2の装置であって、該超音波振動が
    該ハンドピースにおいて流体に熱を生じさせる装置。
  5. 【請求項5】請求項1の装置であって、エアー圧が該流
    体リザーバから該ハンドピースへの流れを生じさせるた
    めに使用される装置。
  6. 【請求項6】請求項1の装置であって、該ベースユニッ
    トがポンプ手段を有し、該ポンプ手段が、液体の流れを
    該流体リザーバから該ハンドピースへと生じさせる装
    置。
  7. 【請求項7】請求項1の装置であって、歯のスケーリン
    グ用の該インサートは、その手段によって、歯のスケー
    リングの間、薬剤を該インサートを介して分与させ、同
    時に洗浄剤を歯溝へ運搬し、かつ崩壊屑のポケットを掃
    除し、さらに、機械化学的に感染されている歯溝を掃除
    するための手段を有する装置。
  8. 【請求項8】請求項1の装置であって、該インサートは
    テーパ付けされたチップを有し、該チップは歯周ポケッ
    トに嵌合できるように大きさが規定されており、かつ該
    リザーバの少なくとも一つからの流体が、該インサート
    が、振動なしで使用され、該流体を直接ポケットの底部
    に運搬するとき、該ハンドピースを介し分与される装
    置。
  9. 【請求項9】請求項8の装置であって、該インサート
    が、該ハンドピースから該チップの外側において歯周ポ
    ケットへの該流体の運搬のための外部チャネルを有して
    いる装置。
  10. 【請求項10】請求項1の装置であって、該インサート
    が、約11乃至約21mmの長さのチップを有し、該チップ
    は、該ハンドピースの軸に対して約105乃至140度の角度
    をなしている装置。
  11. 【請求項11】請求項1の装置であって、複合曲げ部が
    歯に対してより大きな接触面を提供するように設定され
    ている装置。
  12. 【請求項12】請求項1の装置であって、該インサート
    が19mmの長さのチップを有し、該チップがハンドピース
    の軸に対して約135度の角度をなしている装置。
  13. 【請求項13】請求項1の装置であって、該流体リザー
    バと該ハンドピースとインサートは、過酸化水素、フッ
    化第一錫、二酸化塩素、炭酸水素ナトリウム、塩化亜
    鉛、塩化セチルピリジウムを含む第四アンモニウム化合
    物、クロロヘキシジン、水及びこれらの混合液の溶液か
    らなるグループから選択された液体を保持しかつ分与す
    るように構成されている装置。
  14. 【請求項14】請求項1の装置であって、内部復帰路が
    冷却水のために具備され、該冷却水が該インサートを冷
    却するのに使用される装置。
  15. 【請求項15】請求項1の装置であって、該少なくとも
    2つの流体リザーバが、一つの円筒形の内部に同軸上に
    配置されている装置。
  16. 【請求項16】リザーバと; ベースユニットと; ハンドピースと; 液体を含む薬剤の分与を制御する第一スイッチング手段
    と; 薬剤用導管と; 給水手段からの水の通路を制御する第二スイッチング手
    段と; からなる歯のスケーリング用及び治療洗浄用の装置であ
    って、 該リザーバは、該ベースユニットにより支持され、該ハ
    ンドピースはハンドルとインサートとを有し、該インサ
    ートは歯のスケーリング手段を有し、該第一のスイッチ
    ング手段は該リザーバに接続され、該リザーバは該薬剤
    用導管に接続され、該薬剤用導管は該インサートに接続
    され、該ハンドピースは該第二のスイッチング手段に接
    続されて、 流体を含む薬剤が該インサートを介して該リザーバから
    歯肉部へ速やかに供給され、かつ水が該ハンドピースへ
    と速やかに通過するようにされている装置。
  17. 【請求項17】請求項16の装置であって、さらに給気手
    段を有し、該給気手段は第一のスイッチング手段の接続
    されており、該第一のスイッチング手段が該インサート
    を介して液体を含む薬剤の通路を制御するようにされて
    いる装置。
  18. 【請求項18】請求項16の装置であって、さらに給水手
    段を有し、該給水手段は第二のスイッチング手段に接続
    されており、該第二のスイッチング手段が該インサート
    を介して水の通路を制御するようにされている装置。
  19. 【請求項19】請求項16の装置であって、該装置な少な
    くとも2つのリザーバを有し、それぞれが該薬剤用導管
    に接続されている装置。
  20. 【請求項20】請求項16の装置であって、該歯のスケー
    リング手段が超音波を用いたスケーリング手段である装
    置。
  21. 【請求項21】請求項16の装置であって、該インサート
    は、チップと;外部チャネルと;該チャネルへと開かれ
    た分与ポートと;を有する装置。
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