JP2862580B2 - 成形断熱材とその製造方法 - Google Patents

成形断熱材とその製造方法

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JP2862580B2
JP2862580B2 JP1213825A JP21382589A JP2862580B2 JP 2862580 B2 JP2862580 B2 JP 2862580B2 JP 1213825 A JP1213825 A JP 1213825A JP 21382589 A JP21382589 A JP 21382589A JP 2862580 B2 JP2862580 B2 JP 2862580B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、成形断熱材とその製造方法に関し、より詳
細には、各種製品の高温熱処理時の断熱材として好適な
成形断熱材とその製造方法に関する。
[従来の技術] 近年、半導体、機能性セラミックスなどの需要が増大
するにつれて、真空炉、半導体単結晶成長炉、セラミッ
クス焼結炉、C/Cコンポジット焼成炉などによる高温熱
処理が実施されるようになってきた。このような高温熱
処理においては、耐熱性および断熱性に優れ、高温で物
性劣化を生じない断熱材が必要とされることから、炭素
繊維を出発原料とする断熱材、特に、支持体を配置する
ことなく炉内に直接装着するための必要な自立性を有
し、炉内への装着が容易な成形断熱材に対する需要が高
まっている。またコストダウン、寸法精度の向上を図る
ため、上記成形断熱材の成形方法の改善も強く要望され
ている。
上記成形断熱材の基材となるフェルト状の炭素繊維材
(以下に炭素繊維フェルトという)は、嵩密度が小いた
め、断熱材として必要な所望の大きな嵩密度となるまで
圧縮成形することが必要である。
上記の点に鑑み、炭素繊維フェルトに炭化可能な樹脂
を含浸させ、含浸フェルトを積層圧縮しつつ所望の厚さ
と嵩密度をもつ成形物とし、次いで成形物を焼成する成
形断熱材の製造方法が提案されている(特公昭50−3593
0号公報参照)。またこの先行技術には、炭化可能な樹
脂を含浸した含浸フェルトをマンドレルに巻き付け、外
側を薄肉の金属板で更に包んだ後、金属バンドで締め付
けて炭素繊維フェルトを圧縮した状態で含浸樹脂を硬化
及び炭化させることにより、所望の嵩密度を有する成形
断熱材を製造する方法が開示されている。
また炭素繊維フェルトと高密度の黒鉛シートとを炭素
質の結合剤を介して接着させた真空炉用多層成形断熱材
も提案されている(実公昭58−29129号公報参照)。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、特公昭50−35930号公報に開示された
製造方法によれば、圧縮率を制御することにより嵩密度
を調整でき、断熱性に優れた成形断熱材を製造すること
ができるものの、圧縮力が成形物全体に亘り均一に作用
せず、成形物の表層部と内層部とで圧力分布が生じ、嵩
密度分布が不均一となるだけでなく、嵩密度の分布状態
を制御し、優れた断熱性を有する成形断熱材を製造する
ことは困難である。また含浸フェルトの強度が小さいた
め、積層された含浸フェルトの外側を薄肉金属板で包ん
だ後、金属バンドで締め付ける方法では、成形断熱材の
表面及び内部のフェルト層に多数の波打ちが生じ、平滑
性、均一性及び外観のきれいな成形体を得ることが難し
い。さらに、作業工程が多く生産性が低いという問題も
ある。
また実公昭58−29129号公報は、成形した炭素繊維フ
ェルトの表面又は中間に黒鉛シートを貼った断熱材を開
示している。この断熱材は高温真空溶解炉用断熱材とし
て使用したとき、溶融金属が断熱材の内部に飛込んで断
熱材を損失することを防止できるとされている。しか
し、嵩密度は従来の断熱材と同等であるし、嵩密度は均
一である。さらに、黒鉛シートは高価であるという問題
点がある。
本発明の目的は、高い嵩密度を有し、断熱性に優れる
と共に平滑性に優れた成形断熱材を提供することにあ
る。
本発明の他の目的は、半径方向に嵩密度が変化し、断
熱性に優れた成形断熱材を提供することにある。
また本発明のさらに他の目的は、上記の如き優れた物
性を備えた成形断熱材を、複雑な工程を経ることなく生
産性よく製造できる成形断熱材の製造方法を提供するこ
とにある。
[発明の構成] 本発明は、炭素繊維フェルトが渦巻状に巻回積層さ
れ、前記炭素繊維フェルトが積層層間に存在する樹脂の
炭化物で一体化され、炭素繊維フェルト層が波打つこと
なく円周方向に連続して積層されている成形断熱材を提
供する。
本発明の成形断熱材によれば、炭素繊維フェルトが樹
脂の炭化層を介して渦巻状に巻回積層されているので、
金属バンドなどの締め付けなどによる凹凸部がなく、均
一性に優れていると共に、所定の嵩密度を有する炭素繊
維フェルト間に存在する樹脂の炭化層により、炭素繊維
積層部が一体化している。
さらに、本発明では、成形断熱材の製造方法であっ
て、炭素繊維又は高温処理により炭素繊維化可能な繊維
の少なくとも一種を含むフェルトと、フィルム及び/又
はネットのうち、少なくともいずれか一方が炭化可能な
樹脂を保持すると共に、前記炭素繊維又は高温処理によ
り炭素繊維化可能な繊維の少なくとも一種を含むフェル
トと、前記フィルム及び/又はネットとを、前記フィル
ム及びネットに張力を作用させた状態で筒状の巻取体に
巻き取って積層体を形成し、前記積層体中の前記樹脂を
硬化させた後、前記積層体を不活性雰囲気中または真空
中で炭化する成形断熱材の製造方法を提供する。
高温処理により炭素繊維化可能な繊維としては、フェ
ノール樹脂繊維;耐炎化処理されたレーヨン繊維、ポリ
アクリロニトリル繊維、フェノール樹脂繊維;不融化処
理されたピッチ繊維等が使用できる。以下、表現を簡単
にするため、本明細書では、「炭素繊維または高温処理
により炭素繊維化可能な繊維の少なくとも一種を含むフ
ェルト」を単に「炭素繊維等のフェルト」と略記する。
上記本発明の成形断熱材の製造方法によれば、炭素繊
維等のフェルトとフィルム及び/又はネットとが樹脂を
介して接着すると共に、巻取体の形状に対応した均一な
筒状積層体を得ることができる。その際、上記フィルム
及び/又はネットに張力を作用させた状態で、上記炭素
繊維等のフェルトを巻き取るので、炭素繊維等のフェル
トが巻き取り時に破断することは殆どない。またフィル
ム及び/又はネットに作用する張力の分力である求心方
向の力は、前記炭素繊維等のフェルトを巻取体に押し付
けて所望の厚さに圧縮する。上記張力を制御下に変化さ
せることにより所望の圧縮率ひいては所望の嵩密度分布
を有する筒状の積層体が得られる。次いで、上記筒状積
層体を炭化させることにより、所望の成形断熱材が得ら
れる。
なお、巻取体と対向して配設された加圧ロールによ
り、炭素繊維等のフェルトと、フィルム及び/又はネッ
トとを加圧して巻き取ると、上記フィルム及び/又はネ
ットに作用する張力と相まって、炭素繊維等のフェルト
と、フィルム及び/又はネットとをより均一に圧縮した
状態で巻き取ることができ、より均一な所望の嵩密度を
有する成形断熱材が得られる。
また炭化させる樹脂は、炭素繊維等のフェルトに予め
含浸させておいてもよいし、フィルム及び/又はネット
に予め塗布しておいてもよいし、巻取時に直接付与して
もよい。また巻取体に炭素繊維等のフェルトを巻き取る
に際し、フィルム及び/又はネットにかかる引張力を強
くすると嵩密度の高い成形断熱材が、引張力を弱くする
と嵩密度の低い成形断熱材が得られる。
なお、本明細書における用語の定義は次の通りであ
る。
「炭化」とは、ピッチ;ポリアクリロニトリル、フェ
ノール樹脂、レーヨン等の高分子類などの炭素含有物質
を高温焼成処理することを言う。
「炭化層」とは、炭化によって上記炭素含有物質から
得られるものを言う。炭化層は、その外側と、その内側
にある炭素繊維を接合している層であればよい。その層
は、連続した平板又はシート状である必要はなく、島状
に散在して存在するものであってもよい。
本発明で得られる成形断熱材においては、積層層間に
存在するフィルム及び/又はネット並びに樹脂の炭化物
量が、炭素繊維フェルト中における樹脂の炭化物量以上
であるという特徴がある。
なお、炭素繊維業界では、炭素繊維を約2000℃程度に
加熱処理した場合、加熱処理後の物質の結晶構造が殆ど
黒鉛化していないときでも、炭素繊維を黒鉛化処理した
と称することがあるが、本明細書では、この場合も炭化
の概念に含める。
通常の炭素繊維を約2000℃程度以上の温度で加熱処理
した場合に得られる処理物をも本明細書では炭素繊維と
言う。
以下に、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明をよ
り詳細に説明する。
上記成形断熱材を構成する炭素繊維等のフェルトの基
材としては、例えば、ポリアクリロニトリル、フェノー
ル樹脂、レーヨン等の高分子繊維、ピッチ、液晶ピッチ
等を出発原料とする種々の材料が使用できる。上記基材
は、炭素質や黒鉛質であってもよく、高強度タイプ、高
伸度タイプ、高弾性タイプ、汎用タイプ等種々のものが
使用できる。また上記基材は、例えば、繊維径5〜20μ
m程度の適宜の繊維径を有するものが使用できる。
成形断熱材の構成材料である上記炭素繊維等のフェル
トの厚みは、特に限定されず、所望する成形断熱材の厚
みなどに応じて、適宜のものが使用できるが、通常、厚
み5〜20mm程度のものが使用される。なお、上記炭素繊
維フェルトの積層数は、装着される炉などの大きさ、所
望する断熱性などに応じて適宜設定することができる。
また巻回積層前の炭素繊維等のフェルトの嵩密度は、通
常、0.03〜0.08g/cm3程度であり、温度1500〜2500℃程
度で使用する断熱材は0.1〜0.4g/cm3程度の嵩密度が必
要であるので、嵩密度を大きくしなければならない。
上記フィルムおよびネットとしては、炭素繊維等のフ
ェルトの接着性を損わない材質のものであれば、下記の
ような高分子製のものが使用できる。例えば、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の
ポリエステル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポ
リスチレン、アクリル樹脂、ポリウレタン、ポリアミ
ド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン、ポリフェニレンオキサイドなどを素材とするフィル
ム又はネット単体、二種以上の上記フィルム及びネット
が積層された複合フィルム及び/又はネット等が例示さ
れる。また上記フィルムは、樹脂の保持効率を高めるた
め、浸透性を有するもの、例えばポーラスなものであっ
てもよく、上記フィルムとしては、適宜の厚み、例えば
厚み5〜500μmを有するものが使用できる。なお、目
の粗いネットを使用する場合には、樹脂を炭素繊維等の
フェルトに含浸させておく必要があるものの、目の細い
ネットを使用するときは、上記フィルムの場合と同様、
該ネットに樹脂を塗布し保持させていてもよい。
また上記含浸もしくは塗布用の樹脂としては、炭化可
能で、炭素繊維等のフェルトとの接着性を損わないもの
であればいずれも使用でき、フェノール樹脂、尿素樹
脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリウレ
タン、不飽和ポリエステル、ポリスチレン、飽和ポリエ
ステル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、アク
リル樹脂、ポリアミドなどの熱硬化性樹脂や熱可塑性樹
脂が例示され、これらの一種または二種以上の混合物が
使用される。これらの含浸用又は塗布用樹脂のうちで
は、熱硬化性樹脂、特にフェノール樹脂が好ましい。
また前記炭素繊維フェルトは、樹脂の炭化層を介して
積層、一体化されていればよく、樹脂の炭化層は、前記
積層された複数の炭素繊維フェルト間の界面近傍だけで
なく、炭素繊維フェルト全体に亘り分布していてもよ
い。樹脂の炭化層が炭素繊維フェルト全体に亘り分布し
ている成形断熱材にあっては、成形断熱材の一体性、形
状保持性および機械的強度をより一層高めることができ
る。
上記成形断熱材の嵩密度は、断熱性および形状保持性
を損わない範囲であれば特に限定されないが、通常、0.
08〜0.5g/cm3、好ましくは0.1〜0.3g/cm3、より好まし
くは0.1〜0.2g/cm3程度の嵩密度を有しているものがよ
い。成形断熱材の嵩密度が0.08g/cm3未満である場合に
は、断熱性が十分でなく、一方0.5g/cm3を越える場合に
は、熱容量が大きくなり、断熱性能も悪くなる。また成
形断熱材の厚さは、所望する断熱性などに応じて適宜定
めればよいが、高温熱処理時の断熱効果を確保するに
は、通常、20〜200mm程度とする。また成形断熱材の形
状は、巻回積層された渦巻状であればよく、断面が中空
楕円状など適宜の形状であってもよいが、炉への装着作
業を容易にするため、断面が中空円筒状であるのが好ま
しい。
また成形断熱材の嵩密度は、全体に亘り均一であって
もよく、或いは筒状成形断熱材の嵩密度が、例えば内側
から外側に向って連続的にまたは段階的に小さくなって
いてもよい。成形断熱材の嵩密度と断熱性との関係は、
一般に、高温では、成形断熱材の嵩密度が大きくなるに
つれて断熱性が大きくなる傾向を示す。例えば、嵩密度
の異なる本発明成形断熱材について窒素雰囲気下で測定
した熱伝導度と温度との関係を示す第1図から明らかな
ように、成形断熱材の嵩密度ρが0.1g/cm3から0.2g/cm3
へと大きくなるにつれて、熱伝導度、特に高温領域での
熱伝導度が小さくなる。従って、成形断熱材の嵩密度を
厚さ方向に連続的または段階的に変えた場合は、全体と
ての断熱性がよくなる。なお、上記成形断熱材における
嵩密度とその分布状態は、熱処理温度および所望される
断熱性に応じて上記範囲内で適宜選択することができ
る。
なお、本発明の成形断熱材のうち好ましい態様は、次
の通りである。
炭素繊維フェルトが渦巻状に巻回積層された成形断熱
材であって、上記炭素繊維フェルトが、フィルム及び/
又はネット、好ましくはポリエステルフィルム及び/又
はネットの炭化層、および熱硬化性樹脂、好ましくは熱
硬化性フェノール樹脂の炭化層を介して積層されている
とともに、嵩密度0.08〜0.5g/cm3の範囲内にあり、かつ
内側部の嵩密度が外側部よりも大きい成形断熱材。
以下に、本発明の成形断熱材の製造方法について詳細
に説明する。
本発明の成形断熱材の製造方法は、上記炭素繊維等の
フェルトと、フィルム及び/又はネットとを、筒状の巻
取体に巻き取り積層体を形成する巻取工程と、該積層体
中の前記樹脂を硬化させ、該筒状積層体のフィルム及び
/又はネット並びに樹脂を炭化させる炭化工程とを含ん
でいる。
上記巻取工程においては、炭素繊維等のフェルトとフ
ィルム及び/又はネットとを接着させるため、炭素繊維
等のフェルトと、フィルム及び/又はネットのうち、少
なくとも一方が炭化可能な樹脂を保持するものを使用す
る。上記樹脂は、積層状態において当接する炭素繊維等
のフェルトとフィルム及び/又はネットのうち少なくと
もいずれか一方に保持されていればよい。炭素繊維等の
フェルトとしては、炭素繊維等のフェルトの表層部およ
び/または裏層部に樹脂を塗布し、含浸させた状態の樹
脂を保持させた炭素繊維等のフェルト、炭素繊維等のフ
ェルト全体に亘り樹脂を含浸、保持させた炭素繊維等の
フェルトなどが使用できる。また上記フィルムとして
は、フィルムの表裏面のうち少なくともいずれか一方の
面に樹脂を塗布して樹脂を保持させたフィルムが使用で
きる。またネットには樹脂を塗布してもよい。なお、巻
取作業を効率的に行なうと共に、炭素繊維等のフェルト
の種類に応じて積層体の嵩密度を調整するため、樹脂を
表裏面に含浸させた炭素繊維等のフェルト及び/又は樹
脂を表裏面に塗布したフィルム及び/又はネットを用い
るのが好ましい。
なお、炭素繊維等のフェルト、フィルム、ネットおよ
び樹脂としては、前記のものが使用されるが、樹脂は好
ましくは溶液状で使用される。樹脂溶液を調製する際、
樹脂の種類などに応じて適宜の溶媒、例えば、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール
類;ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類;シク
ロヘキサンなどの脂環族炭化水素類;ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;アセトン、メチ
ルエチルケトン、ジオキサンなどのケトン類;ジメチル
エーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エ
チレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類;
酢酸エチルなどのエステル類など種々の溶媒が使用でき
る。樹脂溶液は、含浸性、塗布性などを損わない範囲で
適宜の粘度を有していればよく、通常、樹脂濃度10〜80
重量%程度のものが使用される。
また炭素繊維等のフェルトに対する樹脂の含浸量なら
びにフィルム及びネットに対する樹脂の塗布量は、特に
限定されない。炭素繊維等のフェルトに対する樹脂の含
浸量は、炭素繊維等のフェルト100重量部に対して樹脂
溶液として20〜160重量部程度であるのが好ましい。樹
脂溶液の含浸量が20重量部未満であると、炭素繊維等の
フェルトの接着性が十分でなく、160重量部を越える
と、成形断熱材の弾力性が失われる。またフィルムやネ
ットに対する液状樹脂の塗布量は、通常、50〜300g/m2
程度である。なお、炭素繊維等のフェルトとフィルム及
び/又はネットに保持された樹脂溶液は、巻き取り前に
溶媒を除去し乾燥させてもよい。
そして、上記巻取工程においては、炭素繊維等のフェ
ルトには引張力を作用させることなく、炭素繊維等のフ
ェルトを圧縮し、所望の嵩密度や嵩密度分布を有する積
層体を形成するためには、フィルム及び/又はネットに
張力を作用させた状態で、上記炭素繊維等のフェルトを
はさんだ状態で、フィルム及び/又はネットを巻き取
る。このようにして炭素繊維等のフェルトとフィルム及
び/又はネットとを巻き取ると、フィルム及び/又はネ
ットに作用する張力の分力が前記炭素繊維等のフェルト
に対して垂直方向に作用するので、炭素繊維等のフェル
トを圧縮させた状態で巻き取ることができる。その際、
フィルム及び/又はネットに作用させる張力を一定に保
つと、均一な嵩密度を有する積層体が得られる。また張
力を連続的にまたは段階的に制御しつつ変化させること
により、張力変化に対応して圧縮率ひいては嵩密度が厚
さ方向に連続的または段階的に変化した積層体が得られ
る。すなわち、例えば、フィルム及び/又はネットに作
用させる張力を巻取初期には大きくし、その後小さくす
ることにより、内側部の嵩密度が大きく外側部の嵩密度
が小さな積層体が得られる。換言すれば、フィルム及び
/又はネットに作用させる張力を制御することにより、
積層体の嵩密度分布を自由に調整することができる。し
かも、従来の技術とは異なり、一回の巻取操作により均
一性に優れた積層体を形成することができる。さらに
は、巻取体として円筒状のもの、例えばマンドレルなど
を使用すると、断面真円状の積層体を得ることができ
る。従って、巻取操作時に張力を制御するという簡単な
操作で、均一性に優れ、所望の嵩密度或いは嵩密度分布
を有する積層体を効率よく得ることができる。
なお、フィルム及び/又はネットに作用させる張力や
巻取速度は、所望する嵩密度或いはその分布分布、フィ
ルムやネットの強度、所望する積層体の生産効率などに
応じて適宜設定することができる。
上記巻取工程は、フィルム及び/又はネットに張力を
作用させた状態で行なえばよいが、巻取体と対向して配
設された加圧ロールにより、炭素繊維等のフェルトとフ
ィルム及び/又はネットとを加圧して巻き取るのが好ま
しい。この加圧ロールの使用により、巻取時にフィルム
及び/又はネットと炭素繊維等のフェルトとを均一に加
圧し圧縮することができるため、前記樹脂により炭素繊
維等のフェルトをより一層確実に接着させ、均一性に優
れた積層体が得られるだけでなく、フィルム及び/又は
ネットに作用する張力と相まって、各炭素繊維等のフェ
ルトの嵩密度をより一層精度よく制御することができ、
所望の嵩密度又はその分布を有する積層体を得ることが
できる。
より詳細には、フィルム及び/又はネットと共に樹脂
を含浸した炭素繊維等のフェルトを巻き取る場合、加圧
ロールによりフェルトを均一にしかも所望の圧力で加
圧、圧縮できるので、炭素繊維等のフェルトに含浸され
た樹脂により、フェルトとフィルム及び/又はネットと
を確実に接着させることができ、より一層均一性に優れ
た積層体が得られる。
上記加圧ロールによる圧力は、所望する積層体の均一
性に応じて適宜設定することができるが、通常、5〜50
kg/cm2程度である。
また炭素繊維等のフェルトに前記樹脂を含浸させるこ
となく、表裏面に樹脂を保持するフィルム及び/又はネ
ットを用い、複数の炭素繊維等のフェルトのうち各フェ
ルト間にまたは適宜枚数のフェルト間にフィルム及び/
又はネットを挾んだ状態で、上記と同様にして巻き取る
ことにより、所定の嵩密度を有する積層体を形成するこ
ともできる。より具体的には、例えば、樹脂を含浸して
いない2枚の炭素繊維等のフェルト間に、樹脂を保持す
るフィルム及び/又はネットを挾んだ状態で巻き取る場
合、ディッピングなどの塗布手段により前記フィルム及
び/又はネットに樹脂を保持させるだけで、フィルム及
び/又はネットに保持された樹脂により炭素繊維等のフ
ェルトとフィルム及び/又はネットとを確実に接着させ
ることができる。この場合には、炭素繊維等のフェルト
に樹脂を含浸させる必要がないので、製造工程を簡素化
できる。しかもフィルム及び/又はネットに保持された
樹脂量が少なくて済むため、炭化工程で炭化した樹脂か
ら発生する粉の量を著しく少なくすることができる。
以下に、添付図面を参照しつつ、上記巻取状態をより
具体的に説明する。
第2図は、巻取装置および巻き取り状態の概要を示す
概略図であり、この例ではフィルムが使用されている。
巻取装置は、炭素繊維等のフェルト(1)を収容する収
容部(図示せず)と、フィルム(2)が巻回され、かつ
フリクションなどによりフィルム(2)に作用する張力
を制御する張力制御部(図示せず)を備えたフィルム供
給装置(3)とを有している。
巻取装置のフィルム供給装置(3)と対向する端部に
は、モータなどの駆動源により回転可能な巻取体(4)
と、この巻取体(4)の上方に所定間隔隔てて設けられ
た回転可能な加圧ロール(5)とで構成された巻取装置
(6)が設けられている。なお、この例では、樹脂溶液
を含浸させ、乾燥させた炭素繊維フェルトが用いられて
いる。
上記構造の巻取装置により、筒状の積層体を得るに
は、予め炭素繊維等のフェルト(1)とフィルム(2)
とを巻取体(4)に止定した後、張力制御部によりフィ
ルム(2)に所定の張力を作用させながら、炭素繊維等
のフェルト(1)を供給し、炭素繊維等のフェルト
(1)およびフィルム(2)を加圧ロール(5)で加圧
しつつ、巻取体(4)に巻き取ればよい。
なお、上記巻取装置において、炭素繊維等のフェルト
(1)に樹脂溶液を含浸させるため、樹脂溶液を収容す
る容器(図示せず)を設けておいてもよく、炭素繊維等
のフェルト(1)から余剰の樹脂溶液を絞る一対の絞り
ロール(図示せず)を前記収容部と巻取体(4)との間
に配設すると共に、前記収容部から供給される炭素繊維
等のフェルト(1)の破断を防止しながらこれを円滑に
案内するために、前記絞りロールと前記巻取体(4)と
の間には、炭素繊維等のフェルト(1)を案内する複数
のローラからなるガイド部材を配設してもよい。或いは
ディッピング、ローラーコーティングなどの塗布手段に
より上記フィルム(2)に樹脂溶液を塗布し、炭素繊維
等のフェルト(1)と共に巻き取ってもよい。
樹脂が塗布されたフィルムまたは樹脂が塗布されてい
ないフィルムと、樹脂を含浸した炭素繊維等のフェルト
を用いる場合は、第3図に示すように、複数の炭素繊維
等のフェルト(1a)(1b)間に樹脂が塗布されたフィル
ム(2)を挾んだ状態で、加圧ロール(5)で加圧しな
がら巻取体(4)に巻き取ってもよい。
また樹脂溶液を含浸した炭素繊維等のフェルト及び樹
脂溶液を塗布したフィルム及び/又はネットを乾燥させ
る乾燥器を炭素繊維等のフェルトの搬送路近傍及びフィ
ルム及び/又はネットの搬送路近傍に設けてもよい。
上記巻取工程を終えた積層体は、硬化後、常法による
炭化工程に供され、炭化可能なフィルム及び/又はネッ
ト並びに樹脂を炭化させる。
炭化工程では、フィルム及び/又はネット並びに樹脂
が炭化した炭化層を介して前記炭素繊維等のフェルトの
積層部が一体化すると共に、均一性に優れ、所定の嵩密
度とその分布を有する成形断熱材が得られる。
炭化工程は、窒素などの不活性雰囲気中または真空下
で適宜の温度、例えば1500〜3000℃で行なう。
なお、前記巻取工程においては、樹脂溶液を含浸した
炭素繊維等のフェルトや樹脂溶液が塗布されたフィルム
及び/又はネットを未乾燥状態で用いてもよて、或いは
上記樹脂溶液を乾燥させた炭素繊維等のフェルトやフィ
ルム及び/又はネットを用いてもよい。また巻取工程に
おいては、当初から前記巻取体とフィルム及び/又はネ
ットとの間に炭素繊維等のフェルトを介在させた状態で
炭素繊維等のフェルトとフィルム及び/又はネットとを
巻き取ってもよく、或いは巻取工程の当初においては、
フィルム及び/又はネットのみを巻取体に適宜回数巻き
取った後、上記のようにして炭素繊維等のフェルトとフ
イルム及び/又はネットとを巻き取ってもよい。
また上記巻取体として縦断面形状の異なるものを用い
ることにより、巻取体の断面形状に対応した任意の形状
の積層体を形成することができる。図示の如く、断面円
状の巻取体に炭素繊維等のフェルトおよびフィルム及び
/又はネットを巻き取る場合には、断面が真円筒状の積
層体を得ることができる。
巻取工程の最終段階では、前記積層体の外面に位置す
る炭素繊維等のフェルト上に、フィルム及び/又はネッ
トだけを適宜回数巻回してもよい。その際、炭素繊維等
のフェルトと当接するフィルム及び/又はネットの内面
に樹脂が付与されたフィルム及び/又はネットを巻回し
たり、フィルム及び/又はネットの端部を接着固定する
ことにより、積層体のばらけを防止することができる。
また巻取体として、例えば炭化可能なプラスチックなど
の材料でできた巻取体を用い、上記積層体を取外すこと
なく、そのまま炭化工程に供し、最後にプラスチック炭
化物を除去してもよい。また巻取体から筒状積層体を取
外すには、筒状積層体を巻取体から抜き出してもよく、
或いは筒状積層体を長手方向に切断し、上記フィルム及
び/又はネットで適宜回数巻回してもよい。なお、長手
方向に切断した場合には、巻取工程の後、必要に応じて
金属バンドなどで前記積層体を止定してもよい。
なお、本発明の成形断熱材の製造方法のうち好ましい
態様は、次の通りである。
炭素繊維等のフェルトと、フィルム及び/又はネッ
ト、好ましくはポリエステルフィルム及び/又はネット
のうち少なくともいずれか一方が炭化可能な熱硬化性樹
脂、好ましくは熱硬化性フェノール樹脂を保持すると共
に、上記炭素繊維等のフェルトとフィルム及び/又はネ
ットとを円筒状の巻取体に巻き取り積層体を形成し、該
積層体の上記フィルム及び/又はネット並びに樹脂とを
炭化させる断熱材の製造方法であって、前記フィルム及
び/又はネットに張力を制御しつつ、好ましくは巻き取
り初期の張力を大きくして張力を作用させると共に、加
圧ロールで加圧しながら、上記炭素繊維等のフェルトを
介してフィルム及び/又はネットを巻き取る成形断熱材
の製造方法。
従来の方法、すなわち、炭素繊維フェルトを作製した
後、樹脂を含浸し、巻取体に巻き付けて渦巻状の積層体
を作製し、その外周を金属バンドで固定した後、硬化
し、炭化する方法で作製した成形断熱材の断面形状は、
第6図に示すようになる。すなわち、巻き取り時に、強
度の弱い炭素繊維フェルトに張力をあまりかけられない
ので、嵩密度を大きくするために、巻取後、外側から金
属バンドで締付けると、炭素繊維フェルト層(31a)(3
1b)に多数の波打ちが発生する。この波打ちは炭化後の
製品にも残る。
これに対し、本発明の方法で作製した成形断熱材は、
フィルム及び/又はネットに張力をかけて炭素繊維等の
フェルトを圧縮しながら巻き取っているため、第5図に
示されるように、得られた成形断熱材の炭素繊維フェル
ト層(21a)(21b)間に波打ちがなく、外観がきれい
で、かつ嵩密度が周方向に均一であり、断熱性能が優れ
ている。
本発明の成形断熱材は、上記のように、均一性、寸法
精度、装着時の作業性、断熱性などに優れているため、
セラミックスの焼結、特殊炭素材の焼成などに際しての
断熱材として極めて有用である。
第4図は、本発明による円筒状成形断熱材を真空炉に
適用した場合の一例を示す断面斜視図である。この真空
炉(10)は、高温熱処理される焼結原料(11)などを収
容する中空部(12)と、この中空部(12)を包囲し、収
容された原料を加熱する筒状加熱部(13)と、該加熱部
(13)を断熱保温する筒状の成形断熱材(14)と、円周
方向に所定間隔毎に設けられたスペーサ(15)を介して
取付けられたステンレススチール製の冷却用ジャケット
(16)とで構成されている。なお、上記加熱部(13)
は、高温加熱を容易にするため、黒鉛チューブ(13a)
とこの黒鉛チューブ(13a)内に内蔵された黒鉛製の電
気ヒータ(13b)とで形成されている。またこの例で
は、上記筒状の成形断熱材(14)は、厚み50〜100mm程
度、径300〜1500mm程度に形成されている。
上記の真空炉(10)は、通常、2000℃以上の温度、真
空度10-1torr程度で使用されるが、上記加熱部(13)の
周囲には、筒状成形断熱材(14)が設けられているた
め、断熱性に優れており、上記冷却用ジャケット(16)
に供給する水などの冷媒の供給量も少なくて済む。
なお、上記成形断熱材は、筒状の形態でそのまま被装
着物に装着する必要はなく、被装着物の形状に応じて適
宜切断して使用してもよく、被装着物がパイプなどの長
尺物である場合、長手方向に切断して被装着物に装着し
てもよい。
[実施例] 以下に、実施例に基づいて、本発明をより詳細に説明
する。
実施例1 嵩密度0.05g/cm3、目付500g/m2、繊維径13μm、厚み
10mm、幅300mmの炭素繊維フェルトに、固形分70重量
%、メチルエチルケトン30重量%の組成からなるレゾー
ル型フェノール樹脂液(群栄化学工業(株)製)を上記
炭素繊維フェルト100重量部に対して60重量部含浸させ
た後、80℃の温度で1時間乾燥して、メチルエチルケト
ンを除去した。
また膜厚40μm、幅400mmのポリエステルフィルム
(東レ(株)製、商品名ルミラー)を径300mmのマンド
レルに予め接着すると共に、加圧ローラで15kg/cm2の圧
力を印加しながら、このフイルムとマンドレルとの間
に、樹脂が含浸した上記炭素繊維フェルトを挾み込ん
だ。
次いで、フィルム供給装置によりフリクションを掛
け、フィルムに張力を作用させながら、マンドレルを回
転させ、厚み約50mmの積層体が得られるまで、炭素繊維
フェルトとフィルムとを巻き取り、上記フィルムのみを
さらに積層体の外面に2周巻き付け、フィルムの端部を
積層体に接着固定した。
得られた積層体の樹脂を180℃の温度で3時間硬化さ
せ、不活性雰囲気下、800℃の温度で1時間炭化処理し
た後、さらに2000℃の温度で1時間加熱処理することに
より、成形断熱材を作製した。得られた成形断熱材の嵩
密度を測定したところ、約0.15g/cm3であった。また成
形断熱材の熱伝導度を2000℃の温度で測定したところ1.
1Kcal/m・h・℃であった。また成形断熱材の表面の凹
凸の程度を目視により評価したところ、殆ど凹凸部がな
く、均一性に優れていた。さらに、スパイラルを形成す
る積層層間も凹凸や波打ちがなく、きれいな形状をして
いた。
実施例2 フィルムに張力を作用させ、積層体の厚みが約25mmに
なるまで炭素繊維フェルトとフィルムとを巻き取り、そ
の後、フィルムに作用させる張力を小さくした状態で、
積層体の厚みが約50mmになるまで炭素繊維フェルトとフ
ィルムとを巻き取る以外は、上記実施例1と同様にして
成形断熱材を作製した。
得られた成形断熱材を内側部と外側部とに分割して、
実施例1と同様にして嵩密度を測定したところ、内側部
の嵩密度が約0.2g/cm3、外側部の嵩密度が約0.1g/cm3
あり、嵩密度が不連続的に分布していた。また成形断熱
材の表面には殆ど凹凸部がなく、均一性に優れているこ
とが判明した。
実施例3 加圧ロールで圧力を印加しないこと、およびフィルム
に作用させる張力を増加したこと以外は、上記実施例1
と同様にして成形断熱材を作製した。
得られた成形断熱材の嵩密度を実施例1と同様にして
測定したところ、約0.15g/cm3であり、成形断熱材の表
面には殆ど凹凸部がなく、均一性に優れていることが判
明した。
実施例4 樹脂を含浸していない実施例1の炭素繊維フェルト
と、樹脂溶液の塗布量150g/m2のフィルムを用いる以外
は、上記実施例1と同様にして成形断熱材を作製した。
得られた成形断熱材の嵩密度を実施例1と同様にして測
定したところ、約0.1g/cm3であり、成形断熱材は、凹凸
部がなく均一性に優れていることが判明した。
なお、上記実施例で得られた成形断熱材の曲げ強度お
よび収縮率を測定したところ、いずれも曲げ強度0.3〜
0.36MPa、縦方向の収縮率約0.5%、横方向の収縮率約0.
5%であり、炭素繊維フェルト間にフィルムの炭化層が
介在していても、曲げ強度、収縮率に有意差がないこと
が判明した。
[発明の効果] 以上のように、本発明の成形断熱材は、炭素繊維フェ
ルトが渦巻状に巻回積層され、前記炭素繊維フェルトが
積層層間に存在する樹脂の炭化物で一体化され、炭素繊
維フェルト層が波打つことなく円周方向に連続して積層
されているので、高い嵩密度を有し、断熱性に優れると
共に平滑性に優れている。
また半径方向に嵩密度が変化した成形断熱材は、断熱
性がさらに優れている。
また本発明の成形断熱材の製造方法によれば、炭素繊
維等のフェルトと、フィルム及び/又はネットのうち、
少なくともいずれか一方が炭化可能な樹脂を保持すると
共に、前記炭素繊維等のフェルトと、前記フィルム及び
/又はネットとを、前記フィルム及びネットに張力を作
用させた状態で筒状の巻取体に巻き取って積層体を形成
し、前記積層体中の前記樹脂を硬化させた後、前記積層
体を不活性雰囲気中または真空中で炭化するので、上記
の如き優れた物性を備えた成形断熱材を、複雑な工程を
経ることなく生産性よく製造できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は嵩密度の異なる成形断熱材の熱伝導度と温度と
の関係を示す図、 第2図は巻取装置および巻き取り状態の概要を示す概略
図、 第3図は他の巻き取り状態を示す概略図、 第4図は、円筒状成形断熱材を真空炉に適用した場合の
一例を示す断面斜視図、 第5図は本発明の方法により得られた成形断熱材の一例
を示す断面図、 第6図は従来の方法により得られた成形断熱材を示す断
面図である。 (1)(1a)(1b)……炭素繊維等のフェルト、 (2)……フィルム、(4)……巻取体、(5)……加
圧ロール (14)……成形断熱材、 (21a)(21b)……炭素繊維フェルト層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜田 健吾 大阪府大阪市中央区平野町4丁目1番2 号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 山本 幸一 大阪府大阪市中央区平野町4丁目1番2 号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 吉川 隆彦 大阪府大阪市北区大淀北1丁目6番41号 日光化成株式会社内 (56)参考文献 特開 昭46−44013(JP,A) 特開 昭61−213486(JP,A) 実公 昭58−29129(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 1/00 - 35/00 C04B 35/52 F27D 1/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素繊維フェルトが渦巻状に巻回積層さ
    れ、前記炭素繊維フェルトが積層層間に存在する樹脂の
    炭化物で一体化され、炭素繊維フェルト層が波打つこと
    なく円周方向に連続して積層されていることを特徴とす
    る成形断熱材。
  2. 【請求項2】炭素繊維フェルトの嵩密度が厚さ方向に変
    化していることを特徴とする請求項1記載の成形断熱
    材。
  3. 【請求項3】炭素繊維又は高温処理により炭素繊維化可
    能な繊維の少なくとも一種を含むフェルトと、フィルム
    及び/又はネットのうち、少なくともいずれか一方が炭
    化可能な樹脂を保持すると共に、前記炭素繊維又は高温
    処理により炭素繊維化可能な繊維の少なくとも一種を含
    むフェルトと、前記フィルム及び/又はネットとを、前
    記フィルム及びネットに張力を作用させた状態で筒状の
    巻取体に巻き取って積層体を形成し、前記積層体中の前
    記樹脂を硬化させた後、前記積層体を不活性雰囲気中ま
    たは真空中で炭化することを特徴とする成形断熱材の製
    造方法。
  4. 【請求項4】巻取体と対向して配設された加圧ロールに
    より、炭素繊維又は高温処理により炭素繊維化可能な繊
    維の少なくとも一種を含むフェルトと、フィルム及び/
    又はネットを加圧しつつ巻き取ることを特徴とする請求
    項3記載の成形断熱材の製造方法。
  5. 【請求項5】フィルム及び/又はネットに作用させる張
    力を、巻き取り初めと巻き取り終りの間で変化させるこ
    とにより、得られる成形断熱材の厚さ方向の嵩密度を変
    えることを特徴とする請求項3または4記載の成形断熱
    材の製造方法。
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