JP2862362B2 - ステンレス製真空機器の表面処理方法 - Google Patents
ステンレス製真空機器の表面処理方法Info
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- JP2862362B2 JP2862362B2 JP28188790A JP28188790A JP2862362B2 JP 2862362 B2 JP2862362 B2 JP 2862362B2 JP 28188790 A JP28188790 A JP 28188790A JP 28188790 A JP28188790 A JP 28188790A JP 2862362 B2 JP2862362 B2 JP 2862362B2
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- Japan
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- vacuum
- stainless steel
- treatment method
- surface treatment
- vacuum equipment
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- ing And Chemical Polishing (AREA)
- Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、加速器、放射光施設(SRまたはSOR)、自
由電子レーザ、などの配管(ビーム軌道)部に適用され
る表面処理方法に関する。
由電子レーザ、などの配管(ビーム軌道)部に適用され
る表面処理方法に関する。
従来の真空機器の表面処理としては、脱脂、酸
洗、電解研磨、ベーキング(真空下で加熱処理)、
放電洗浄などであるが、近年、放電洗浄処理が注目を
浴びてきている。なお、放電洗浄は、低圧下で放電を長
時間おこして、真空機器をイオン照射し、不純物の除去
や吸蔵ガスのたたき出し等を行う清浄化方法である。
洗、電解研磨、ベーキング(真空下で加熱処理)、
放電洗浄などであるが、近年、放電洗浄処理が注目を
浴びてきている。なお、放電洗浄は、低圧下で放電を長
時間おこして、真空機器をイオン照射し、不純物の除去
や吸蔵ガスのたたき出し等を行う清浄化方法である。
放電洗浄は真空機器表面を清浄にするが、別の意味で
は活性な面を露出する処理方法であるため、処理後大気
にさらすと、大気中のガスが吸着したり、化学結合した
りして、処理効果が失なわれるため、工場でのあらかじ
めの処理としては不適当であった。
は活性な面を露出する処理方法であるため、処理後大気
にさらすと、大気中のガスが吸着したり、化学結合した
りして、処理効果が失なわれるため、工場でのあらかじ
めの処理としては不適当であった。
特にステンレス材の場合の表面処理方法は確立してい
なかった。
なかった。
従って、工場での製作段階であらかじめ放電洗浄を行
なった後も、その効果が持続できる表面処理方法の開発
が望まれている。これにより、現地での立上げ時間の大
幅な短縮が可能となる。
なった後も、その効果が持続できる表面処理方法の開発
が望まれている。これにより、現地での立上げ時間の大
幅な短縮が可能となる。
放電洗浄直後の表面を(大気にさらすことなく)、ち
密な酸化皮膜で保護する。そのための条件として、大気
圧の純酸素による加熱手段を採用する。
密な酸化皮膜で保護する。そのための条件として、大気
圧の純酸素による加熱手段を採用する。
大気圧の純酸素下で加熱して出来たち密な酸化皮膜
は、化学的に安定であるため、大気中のガスの吸着や化
学結合による表面汚染を抑える作用がある。
は、化学的に安定であるため、大気中のガスの吸着や化
学結合による表面汚染を抑える作用がある。
またこの皮膜は、ステンレスの母材に比較して、水素
の拡散係数が顕著に小さいため、超音真空領域などで
は、真空排気時に問題となる水素の真空機器からの放出
を低減する。
の拡散係数が顕著に小さいため、超音真空領域などで
は、真空排気時に問題となる水素の真空機器からの放出
を低減する。
本発明を長尺の真空配管に適用した実施例を第1図に
ついて説明する。
ついて説明する。
ステンレス製管を工場に於いて所定の寸法・形状に加
工した後、両端に盲板02等をつけて真空配管01とし、こ
れを真空ポンプ03で真空排気する。その後、所定のガス
(例えばアルゴン(Ar)ガス+10%酸素(O2))を所定
の圧力加えたのち、真空配管01内部にあらかじめ(真空
排気前に)設置した放電電極04と真空配管01との間でグ
ロー放電を行ない、表面の不純物を除去したのち、真空
排気し、その後純酸素を大気圧まで導入してヒータ06で
200℃〜400℃に加熱する。これによりち密酸化層05を表
面に形成する。その後大気開放し、出荷して現地組立を
行なう。
工した後、両端に盲板02等をつけて真空配管01とし、こ
れを真空ポンプ03で真空排気する。その後、所定のガス
(例えばアルゴン(Ar)ガス+10%酸素(O2))を所定
の圧力加えたのち、真空配管01内部にあらかじめ(真空
排気前に)設置した放電電極04と真空配管01との間でグ
ロー放電を行ない、表面の不純物を除去したのち、真空
排気し、その後純酸素を大気圧まで導入してヒータ06で
200℃〜400℃に加熱する。これによりち密酸化層05を表
面に形成する。その後大気開放し、出荷して現地組立を
行なう。
次に、第2図により、真空排気の各段階での支配要因
について説明する。
について説明する。
まず、大気圧の状態から排気をはじめると、容器中の
ガスの排出に要する速度が支配要因となる。その後、今
度は真空壁面に付着しているガスが表面から脱離して出
てくる速度が支配要因となる。表面のガスが少なくなっ
てくると、今度は真空材料の内部にいるガスが拡散によ
って出てくる速度が支配要因となり、最後には真空壁を
通って大気側のガスが透過してくる速度が支配要因とな
る。
ガスの排出に要する速度が支配要因となる。その後、今
度は真空壁面に付着しているガスが表面から脱離して出
てくる速度が支配要因となる。表面のガスが少なくなっ
てくると、今度は真空材料の内部にいるガスが拡散によ
って出てくる速度が支配要因となり、最後には真空壁を
通って大気側のガスが透過してくる速度が支配要因とな
る。
上記の表面処理方法により、表面脱離、拡散の各過程
での排気時間が短縮される。
での排気時間が短縮される。
本発明は、ステンレス製真空機器を放電洗浄後、大気
にさらすことなく表面をち密な酸化処理する表面処理方
法において、あらかじめ機器内部に設置した放電電極に
よる放電洗浄後、大気圧の純酸素を導入し、200〜400℃
に加熱して表面を酸化することにより、次の効果を有す
る。
にさらすことなく表面をち密な酸化処理する表面処理方
法において、あらかじめ機器内部に設置した放電電極に
よる放電洗浄後、大気圧の純酸素を導入し、200〜400℃
に加熱して表面を酸化することにより、次の効果を有す
る。
放電洗浄で真空機器表面の清浄化をした後、酸化さ
せることにより、ち密な皮膜を作ることができる。
せることにより、ち密な皮膜を作ることができる。
このち密な皮膜により、放電洗浄した表面を大気曝
露時に汚染から防ぐことができる。
露時に汚染から防ぐことができる。
上記項の処理を工場での製作時に施工することに
より、放電洗浄で得た清浄表面をち密な酸化皮膜で保護
した状態で、輸送、組立ができる。これにより、現地で
の組立時に早く真空排気ができ、また到達真空度も良
い。
より、放電洗浄で得た清浄表面をち密な酸化皮膜で保護
した状態で、輸送、組立ができる。これにより、現地で
の組立時に早く真空排気ができ、また到達真空度も良
い。
上記項で得られた皮膜は、表面へのガス吸着量が
少ないため、早く真空排気できる。また、到達真空度に
ついても、超高真空領域で問題となる水素ガスの放出を
抑制できるので、極高真空域にまで到達できる。
少ないため、早く真空排気できる。また、到達真空度に
ついても、超高真空領域で問題となる水素ガスの放出を
抑制できるので、極高真空域にまで到達できる。
例えば、高エネルギー粒子による皮膜損傷が生じて
も、内部には放電洗浄で清浄化した面があるので、真空
度が悪くなる心配がない。
も、内部には放電洗浄で清浄化した面があるので、真空
度が悪くなる心配がない。
また、この皮膜は酸化処理により、修復可能なた
め、長期に使用できる。例えば、メンテナンスでやむを
えず、大気曝露が必要な際には、あらかじめこの処理を
施せば、ち密皮膜が再生して、表面保護ができる。
め、長期に使用できる。例えば、メンテナンスでやむを
えず、大気曝露が必要な際には、あらかじめこの処理を
施せば、ち密皮膜が再生して、表面保護ができる。
第1図は本発明の実施例に係る表面処理方法の処理チャ
ートを示し、第2図は真空排気特性の支配要因を示す線
図である。 01……真空配管,02……盲板, 03……真空ポンプ,04……放電電極, 05……ち密酸化層,06……ヒータ
ートを示し、第2図は真空排気特性の支配要因を示す線
図である。 01……真空配管,02……盲板, 03……真空ポンプ,04……放電電極, 05……ち密酸化層,06……ヒータ
Claims (1)
- 【請求項1】ステンレス製真空機器を放電洗浄後、大気
にさらすことなく表面をち密な酸化処理する表面処理方
法に於いて、あらかじめ機器内部に設置した放電電極に
よる放電洗浄後、大気圧の純酸素を導入し、200〜400℃
に加熱して表面を酸化することを特徴とするステンレス
製真空機器の表面処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28188790A JP2862362B2 (ja) | 1990-10-22 | 1990-10-22 | ステンレス製真空機器の表面処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28188790A JP2862362B2 (ja) | 1990-10-22 | 1990-10-22 | ステンレス製真空機器の表面処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04157149A JPH04157149A (ja) | 1992-05-29 |
JP2862362B2 true JP2862362B2 (ja) | 1999-03-03 |
Family
ID=17645355
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28188790A Expired - Fee Related JP2862362B2 (ja) | 1990-10-22 | 1990-10-22 | ステンレス製真空機器の表面処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2862362B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4744014B2 (ja) * | 2001-06-27 | 2011-08-10 | 新日鐵住金ステンレス株式会社 | 真空機器用オーステナイト系ステンレス鋼およびその製造方法 |
-
1990
- 1990-10-22 JP JP28188790A patent/JP2862362B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04157149A (ja) | 1992-05-29 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |