JP2862089B2 - 部分アンボンドpc鋼撚り線の成形方法および成形装置 - Google Patents

部分アンボンドpc鋼撚り線の成形方法および成形装置

Info

Publication number
JP2862089B2
JP2862089B2 JP11069389A JP11069389A JP2862089B2 JP 2862089 B2 JP2862089 B2 JP 2862089B2 JP 11069389 A JP11069389 A JP 11069389A JP 11069389 A JP11069389 A JP 11069389A JP 2862089 B2 JP2862089 B2 JP 2862089B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
grease
stranded wire
steel
steel stranded
cladding tube
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP11069389A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02292445A (ja
Inventor
彬 橋本
正良 深井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NITSUTOKU KENSETSU KK
Original Assignee
NITSUTOKU KENSETSU KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NITSUTOKU KENSETSU KK filed Critical NITSUTOKU KENSETSU KK
Priority to JP11069389A priority Critical patent/JP2862089B2/ja
Publication of JPH02292445A publication Critical patent/JPH02292445A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2862089B2 publication Critical patent/JP2862089B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coating Apparatus (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Reinforcement Elements For Buildings (AREA)
  • Wire Processing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、コンクリートに定着、固定される裸線部
分(ボンド部分)と、コンクリートとの定着、固定を避
けた被覆部分(アンボンド部分)とを併存させた部分ア
ンボンドPC鋼撚り線の成形方法および成形装置に関す
る。
〔従来の技術〕
コンクリートに圧縮力を予め作用させるシステムとし
て、プレテンションシステムと、ポストテンションシス
テムとが知られている。プレテンションシステムでは、
PC鋼撚り線(単に、ストランド、ケーブルということも
ある)のような高強度鋼線は、緊張力(テンション)を
加えた状態で、コンクリート型内に配設され、コンクリ
ートが打設される。そのため、コンクリートが固まる
と、圧縮力がコンクリートに作用する。他方、ポストテ
ンションシステムでは、PC鋼撚り線を通す導孔(いわゆ
る、シース)を設け、PC鋼撚り線をシースに通した後、
コンクリートが打設され、その後、緊張力がPC鋼撚り線
に加えられる。そして、いずれのシステムにおいても、
PC鋼撚り線は、クサビを利用し、緊張装置(PC鋼撚り線
緊張装置)によって緊張される。
一般に、PC鋼撚り線は、数本のPC鋼素線を撚った裸線
として形成される。このような裸線のPC鋼撚り線は、打
設されたコンクリートに付着、固定されるため、後述の
アンボンドPC鋼撚り線に対して、単に、PC鋼撚り線(一
般のPC鋼撚り線、付着型PC鋼撚り線)と呼ばれる。
これに対して、コンクリートに付着、固定されず、伸
び縮みの抑制されたアンボンドPC鋼撚り線(非付着型PC
鋼撚り線)といわれるPC鋼撚り線も知われている。この
アンボンドPC鋼撚り線では、ポリエチレン樹脂等のプラ
スチックからなる被覆管がPC鋼撚り線を覆ってコンクリ
ートからPC鋼撚り線を隔離するとともに、グリースが、
被覆管の内部に充填され、被覆管、PC鋼撚り線間の摩擦
抵抗を低減して、PC鋼撚り線の伸縮を可能としている。
このように、伸縮自由な自由長をPC鋼撚り線に設定すれ
ば、コンクリート壁に作用する負荷に応じて、PC鋼撚り
線が伸縮して、山崩れ等の発生が防止される。
さらに、裸線のまま残した裸線部分(ボンド部分)と
グリースを充填した被覆管で覆った被覆部分(アンボン
ド部分)とを併存させた部分アンボンドPC鋼撚り線も知
られている。
つまり、グリースの詰まった被覆管で、裸線のPC鋼撚
り線(一般のPC鋼撚り線)の全長を覆うとフルアンボン
ドPC鋼撚り線が成形され、全長でなく一部を覆うと部分
アンボンドPC鋼撚り線が成形される。
〔発明が解決しようとする課題〕
フルアンボンドPC鋼撚り線は、グリースの詰まった被
覆管で、PC鋼撚り線の全長を覆えば足りるため、成形が
さほど困難でない。これに対して、部分アンボンドPC鋼
撚り線では、裸線のまま残す部分(ボンド部分)と被覆
管で覆う部分(アンボンド部分)とが併存するため、成
形工程が複雑化し、成形が容易でない。
たとえば、アンボンドPC鋼撚り線は、溶融プラスチッ
ク、たとえば、ポリエチレン樹脂をPC鋼撚り線の表面に
押し出しながら、グリースを、PC鋼撚り線、溶融プラス
チック間の隙間に充填し成形されている。ここで、グリ
ースは、溶融されない通常の半流動状態で供給される。
PC鋼撚り線の全長にわたってグリースを供給すれば、
フルアンボンドPC鋼撚り線が成形される。他方、グリー
スの供給を部分的に断ち、グリースが部分的に充填され
たアンボンドPC鋼撚り線を成形した後、グリースの充填
されない部分で被覆管をはぐことによって、部分アンボ
ンドPC鋼撚り線が成形される。
このような成形方法では、加熱手段、冷却手段を内蔵
した押し出し成形機等が必要となるため、成形装置が大
型化する。そのため、工事現場から工事現場への成形装
置の移動が難しく、工場に成形装置を据付けて、規格品
を生産せざるをえない。また、部分アンボンドPC鋼撚り
線の成形においては、一旦被覆した被覆管を部分的には
ぐ必要があるため、工程が複雑化するとともに、被覆管
に無駄が生じる。
部分アンボンドPC鋼撚り線を使用する工事現場では、
適宜設計変更されるため、用意されていない規格品の膨
分アンボンドPC鋼撚り線が急に必要になったり、被覆部
分の長さの異なる規格品外の部分アンボンドPC鋼撚り線
を必要とすることがある。そのため、工事現場におい
て、部分アンボンドPC鋼撚り線を手軽に成形できるとと
もに、成形装置の小型化できる成形方法が要望されてい
る。
いうまでもなく、工事現場に送られた裸線のPC鋼撚り
線は、既に撚られている。そのため、工事現場では、ア
ンボンドとしたい部分で、PC鋼撚り線の撚りをワンピッ
チ分だけ解除し、PC鋼撚り線の中央部分に半流動状態の
グリースを充填した後、被覆管に押し込んで、部分アン
ボンドPC鋼撚り線を成形する成形方法が採用されてい
る。この成形方法では、PC鋼撚り線の撚りが復帰する
と、グリースがPC鋼撚り線の中央部分から周囲に押し出
される。しかし、グリースがPC鋼撚り線の中央空間に残
り、周囲に均一かつ十分に分配されにくい。そのため、
被覆管、PC鋼撚り線の間にグリースが充填されず、被覆
管、PC鋼撚り線の間の摩擦抵抗が十分に低減されないた
め、PC鋼撚り線の伸縮を抑制する虞れがある。
この発明は、被覆管、PC鋼撚り線の間にグリースを十
分充填でき、小型の成形装置によって、工事現場で、部
分アンボンドPC鋼撚り線を手軽に成形できる成形方法の
提供を目的としている。
また、この発明は、被覆管、PC鋼撚り線の間にグリー
スが十分充填され、小型化の可能な、部分アンボンドPC
鋼撚り線の成形装置の提供を目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的のために、この発明の成形方法によれば、溶
融したグリースにPC鋼撚り線を浸してから、被覆管内に
導いている。つまり、グリースを溶融して油溜りに滞留
し、PC鋼撚り線を油溜りのグリースに浸して、PC鋼撚り
線にグリースを付着させ、その後、PC鋼撚り線を、油溜
りの搬出口から、この搬出口に着脱可能に一端の固定さ
れたプラスチック製の被覆管内に導くことによって、被
覆されたアンボンド部分を成形している。ここで、被覆
管を取り除き、被覆管のない状態でPC鋼撚り線を送れ
ば、グリースは溶融されて十分な流動性を持つため、PC
鋼撚り線の周囲に付着しても、自然に落下し、分離され
る。そのため、PC鋼撚り線は裸線のままで残存し、ボン
ド部分が容易に得られる。
〔実施例〕
以下、図面を参照しながらこの発明の実施例について
詳細に説明する。
この発明の部分アンボンドPC鋼撚り線の成形装置10
は、第1図ないし第3図に示すように、油溜り12と、PC
鋼撚り線13の搬送手段14と、油溜りへの被覆管15の取付
け手段16と、油溜り、被覆管を支持する支持手段18とを
具備して構成されている。
たとえば、70〜90℃に加熱されて十分な流動性のある
溶融グリース20が供給されて、滞留するように、油溜り
12は構成されている。油溜り12は、実施例では、中空の
円筒形断面とされ、油溜りの天井にねじ付の注油孔22が
穿設されている。そして、注油孔22に支持管24の下端が
噛合され、支持管の上端に、溶融されたグリースの貯蔵
される給油タンク、たとえば、じょうご26が装着されて
いる。
油溜り12は、左右端に、搬入口12a、搬出口12bを持
ち、PC鋼撚り線13は、搬送手段14によって、搬入口に送
られ、搬入口から引き出される。そして、搬入口12aか
ら搬入口12bに至る間に、PC鋼撚り線13は油溜り12内の
溶融グリース20に浸され、グリースがPC鋼撚り線に付着
される。搬送手段14は、被覆管15内にPC鋼撚り線13を押
し込む力をPC鋼撚り線に加えうる構成であれば足りる。
搬送手段14は、第3図に示すように、油溜りの搬入口12
aの手前に通常、配設され、たとえば、一対の溝付ロー
ラを上下に離反して設け、ローラ間でPC鋼撚り線を挟持
する構成とされる。搬送手段14として人力を利用する構
成としてもよい。
PC鋼撚り線13へのグリース20の付着性を高めるよう
に、PC鋼撚り線を予め加熱することが好ましく、実施例
では、搬入口12a付近にヒータ30が配設されている。ヒ
ータ30は、第1図からよくわかるように、実施例では、
ヒートコイルから構成され、PC鋼撚り線13を周囲から均
一に加熱した後、油溜りのグリース20にPC鋼撚り線を浸
している。このように、ヒータ30が搬入口12aに配設さ
れた構成では、PC鋼撚り線13が予め加熱され、PC鋼撚り
線、グリースの温度差を小さくした状態で、PC鋼撚り線
が、油溜り12に送られて、グリース20に触れる。そのた
め、PC鋼撚り線13へのグリース20の付着性が改善され、
グリースはPC鋼撚り線に十分付着される。加えて、ヒー
タ30は、油溜り12内のグリース20も加熱して、グリース
の固化を防止するため、グリースは良好な流動性を持つ
溶融状態に維持され、この点からも、グリースの十分な
付着性が確保される。
ヒータ30の脱落を防止するために、取付けリング32が
油溜り12の左端にボルト止めされ、実施例では、取付け
リングは2つ割り形状とされている。無論、2つ割りの
取付けリング以外の取付け部材によって、ヒータ30の脱
落を防止してもよい。
グリース20の付着されたPC鋼撚り線13の押し込まれる
被覆管15が、油溜りの搬出口12bに待機している。被覆
管15は、ポリエステル樹脂のようなプラスチックより形
成され、取付け手段16によって、油溜りの搬出口に連通
して油溜りに着脱可能に取付けられている。第2図に示
すように、取付け手段16は、たとえば、薄肉部を後端に
持ち、搬出口12bに挿入可能な2つを割りパイプから形
成される。第2図、第3図からよくわかるように、取付
け手段16を固定するために、サポートブロック34が油溜
りの搬出口12bの下に熔着されるとともに、サポートブ
ロックに対向して、ブラケット36が搬出口の上方に熔着
されている。サポートブロック34は、搬出口12bに挿入
された取付け手段16の積置される高さに設けられる。そ
して、止めボルト38がブラケット36に噛合されて下方に
延び、ストッパ39が止めボルトの先端に装着されてい
る。
このように、取付け手段16が2つ割りパイプから形成
されているため、2つ割りパイプを割ることによって、
被覆管15は2つ割りパイプの薄肉部に容易に外装でき
る。取付け手段16への被覆管15の装着後、取付け手段、
被覆管の重複した部分にホースバンド37が巻装されて、
被覆管は取付け手段に固定される。取付け手段16を上下
方向に整合させて搬出口12bに挿入した後、止めボルト3
8を螺進させれば、ストッパ39、サポートブロック34間
に挟持されて、取付け手段が固定され、取付け手段を介
して、被覆管15が油溜りの搬出口12bに取付けられる。
第2図において、参照符合40は、搬入口12a、搬出口1
2bからのグリース20の漏出を防止するためのオーリング
を示す。また、参照符合42は、油抜きプラグを示す。
油溜り12および被覆管15は、支持手段18によって支持
され、実施例では、パイプから支持手段を組み立ててい
る。つまり、第2図に示すように、横パイプ18aを所定
間隔で配設し、横パイプ上に一対の縦パイプ18bを配設
している。そして、第1図、第3図に示すように、実施
例では、油溜り12の左右サイドに螺着した六角孔付ボル
ト44を縦パイプ18bに乗せることによって、油溜り12
は、支持手段に支持されている。また、被覆管15は、横
パイプ18a上に固定された別の横パイプ18cに乗せられ
て、支持されている。なお、上述したPC鋼撚り線13の搬
送手段14もこの支持手段18上に配置される。
支持手段18の構成は一例であり、上記以外の構成の支
持手段によって、油溜り12、被覆管15を支持してもよ
い。たとえば、ウィンチで油溜り12、被覆管15を懸吊し
て、支持してもよい。
上記構成の部分アンボンドPC鋼撚り線の成形装置10に
よる成形方法について以下述べる。
グリース20は、加熱、溶融されてじょうご26に供給さ
れ、支持管24を介して、油溜り12に落下し、充満して滞
留される。グリース20の滞留した油溜り12に、PC鋼撚り
線13は、ヒータ30によって予め加熱されて、搬入口12a
から送り込まれる。このように、半流動性のグリースを
使用せず、溶融したグリース20にPC鋼撚り線13を浸して
いるため、グリースはPC鋼撚り線の周囲に十分、かつ、
ほぼ均一に付着される。特に、実施例のように、PC鋼撚
り線13を予め加熱し、PC鋼撚り線、グリース20の温度差
を小さくした状態で、PC鋼撚り線をグリースに浸してい
るため、グリースの付着性が改善され、十分な量のグリ
ースがPC鋼撚り線にまんべんなく付着される。
油溜り12でグリース20に浸されたPC鋼撚り線13をなお
も搬送すれば、グリースを付着したまま、PC鋼撚り線
は、油溜りの搬出口12bから被覆管15内に送り込まれ
る。
グリース20は、PC鋼撚り線13の周囲にまんべんなく付
着されているため、被覆管15、PC鋼撚り線13の間にグリ
ースが充填され、被覆管、PC鋼撚り線間の摩擦抵抗を低
減する。
特に、じょうご26から十分な落差のもとで、グリース
20を油溜り12に供給しているため、グリースは加圧さ
れ、搬入口12a、搬出口12b方向に流れようとする。そし
て、PC鋼撚り線13が搬出口12bから搬出されるため、PC
鋼撚り線の搬送方向と、搬出口12b方向へのグリース20
の流れ方向とが一致する。そのため、PC鋼撚り線13に引
き込まれるようにして、グリース20は被覆管内に流れ込
み、PC鋼撚り線へのグリースの安定した付着が確保され
て、被覆管15、PC鋼撚り線間にグリースが確実に充填さ
れる。
従って、PC鋼撚り線13は、大きな抵抗を受けることな
く、被覆管15に円滑に挿入され、十分な長さにわたっ
て、被覆管で覆われたPC鋼撚り線13が成形できる。つま
り、任意の長さのアンボンド部分が成形できる。また、
PC鋼撚り線13に付着したグリースは、PC鋼撚り線の余熱
によって加熱されるため、被覆管内においても、良好な
流動性を持つ溶融状態に長時間維持される。しかし、当
期、寒冷地等のように、外気が低い場合には、グリース
20の固化を防止する程度に被覆管15を加熱するとよい。
被覆管15の加熱は、被覆管にコイルを巻装したり、被覆
管を支持するパイプ18c上にコイルを置くことによっ
て、容易に行なえる。
所望長のアンボンド部分を成形した後、止めボルト38
を螺退させると、止めボルト、サポートブロック34間で
の取付け手段16の挟持が解除され、2つ割りパイプ間
(取付け手段)にガタが生じる。そのため、ホースバン
ド37を緩めると、被覆管15は取付け手段16から引き抜き
可能となる。被覆管15を取付け手段16から引き抜き、除
去した後、止めボルト38を螺進させ、被覆管なしで、取
付け手段16を油溜り12に取付ける。
上記のようなアンボンド部分成形工程でアンボンド部
分を成形した後、PC鋼撚り線13を再度搬送すると、油溜
り12でグリース20がPC鋼撚り線に付着しても、被覆管が
待機していないため、搬出口12bから出るとともに、グ
リースはPC鋼撚り線から自然に落下する。このように、
グリース20は、被覆管15で覆われない部分でPC鋼撚り線
13にもはや付着し続けられず、落下し、除去されるた
め、PC鋼撚り線は裸線のまま残存し、グリースの付着さ
れていないボンド部分が成形される。グリースの無駄を
避けるように、裸線のPC鋼撚り線を残存させる工程にお
いて、グリースの供給を中断することが好ましい。ま
た、油抜きプラグ42を取り、油溜り12からグリース20を
予め抜いてもよい。
上述した実施例は、この発明を説明するためのもので
あり、この発明を何等限定するものではなく、この発明
の技術範囲内で変形、改造等の施されたものも全てこの
発明に包含されることはいうまでもない。
たとえば、支持管24、じょうご26にヒータを巻装し
て、良好な流動性を持つ溶融状態にグリース20を加熱し
てもよい。無論、油溜り12を加熱したり、油溜り内でグ
リース20にヒータを投下してグリースの溶融状態を維持
してもよい。
また、実施例では、搬入口12a、搬出口12bを油溜り12
の軸線方向に設け、PC鋼撚り線13が、水平方向に搬送さ
れている。しかし、PC鋼撚り線13の搬送方向は水平方向
に限定されず、たとえば、PC鋼撚り線を上方または斜め
上方から搬入、搬出してもよい。この場合、PC鋼撚り線
13の搬送方向へのグリース20の流れを確保するように、
じょうご26を高く取り付けて、十分な落差を設定すると
よい。
〔発明の効果〕
上記のように、この発明によれば、アンボンド部分成
形工程の後、既製の被覆管を油溜りの搬出口から取外し
てPC鋼撚り線を送れば、アンボンド部分に連続してPC鋼
撚り線の裸線部分が形成できるため、必要長のアンボン
ド部分を持つ部分アンボンドPC鋼撚り線が任意に形成で
きる。
また、油溜りの搬出口に一端の取付けられた既製の被
覆管に、油溜りの搬入口から送られPC鋼撚り線を直接導
入するため、PC鋼撚り線回りへのグリースの付着の安定
化、および被覆管、PC鋼撚り線間へのグリースの十分な
充填が容易に確保できる。そのため、被覆管、PC鋼撚り
線の間の摩擦抵抗が十分に低減され、PC鋼撚り線の伸縮
を抑制する虞れのない高品質の製品が成形できる。
さらに、この発明の成形方法では、被覆管の押し出し
成形機を必要とせず、溶融したグリースの滞留した油溜
りにPC鋼撚り線を浸すとともに、この油溜りの搬出口に
被覆管の一端を着脱可能に取付ければ足りるため、成形
装置が構造的に簡単化されて、小型化できる。そのた
め、工事現場から工事現場に容易に移動でき、工事現場
で、部分アンボンドPC鋼撚り線が手軽に成形できる。
落差を利用してグリースが加圧され、また、PC鋼撚り
線の搬送方向と搬出口方向へのグリースの流れ方向とが
一致するため、PC鋼撚り線に引き込まれるようにして、
グリースは被覆管内に流れ込む。そのため、この点から
も、PC鋼撚り線へのグリースの安定した付着が確保さ
れ、被覆管、PC鋼撚り線間にグリースが確実に充填され
る。
特に、被覆管を加熱しながら、PC鋼撚り線を被覆管に
送り込めば、被覆管、PC鋼撚り線の間に充満されたグリ
ースの固化が確実に防止される。
さらに、油溜りへの溶融グリースの供給を中断して、
ボンド部分を成形すれば、グリースの無駄が防止される
とともに、グリースの落下による汚れが防止され、きれ
いな作業条件で成形が行なえる。
そして、この発明の成形装置によれば、被覆管の押し
出し成形機を必要とせず、溶融したグリースの滞留した
油溜りにPC鋼撚り線を送って浸すとともに、この油溜り
の搬出口に被覆管の一端を着脱可能に取付ければ足りる
ため、構造的に簡単化されて、小型化できる。
また、この成形装置によれば、グリースが被覆管、PC
鋼撚り線の間に充満されるため、PC鋼撚り線の伸縮を抑
制する虞れのない高品質の製品が成形できる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第3図は、この発明に係る部分アンボンド
PC鋼撚り線の成形装置の概略分解斜視図、縦断面図およ
び右側面図である。 10:部分アンボンドPC鋼撚り線の成形装置、12:油溜り、
12a,12b:油溜りの搬入口、搬出口、13:PC鋼撚り線、14:
搬送手段、15:被覆管、16:取付け手段、18:支持手段、2
0:グリース、22:注油孔、24:支持管、26:じょうご(貯
蔵タンク)、30:ヒータ、32:取付けリング、34:サポー
トブロック、36:ブラケット、37:ホースバンド、38:止
めボルト、39:ストッパ、40:オーリング、42:油抜きプ
ラグ、44:六角孔付ボルト。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B05C 3/10 B05C 3/12 E04C 5/08 - 5/10 B21F 19/00 - 23/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融したグリースの滞留された油溜りに、
    PC鋼撚り線を搬入口から送り、油溜りのグリースに浸し
    て、PC鋼撚り線の回りにグリースを付着させ、このPC鋼
    撚り線を、油溜りの搬出口から、この搬出口に着脱可能
    に一端の固定されたプラスチック製の既製の被覆管内に
    導くアンボンド部分成形工程において、PC鋼撚り線の回
    りを被覆管で被覆したアンボンド部分を成形するととも
    に、 油溜りの搬出口から被覆管を取外した後にPC鋼撚り線を
    送る裸線部分形成工程において、被覆管で被覆されない
    PC鋼撚り線の裸線部分を、被覆管で被覆したアンボンド
    部分に連続して形成する部分アンボンドPC鋼撚り線成形
    方法。
  2. 【請求項2】アンボンド部分成形工程において、グリー
    スの固化を防止する程度に被覆管を加熱している請求項
    1記載の部分アンボンドPC鋼撚り線成形方法。
  3. 【請求項3】PC鋼撚り線の裸線部分形成工程において、
    油溜りへの溶融グリースの供給を中断した請求項1また
    は2記載の部分アンボンドPC鋼撚り線成形方法。
  4. 【請求項4】搬入口、搬出口を持ち、溶融されたグリー
    スが供給されて、滞留する油溜りと、 PC鋼撚り線を油溜りの搬入口に送り、油溜りのグリース
    に浸した後、搬出口から引き出すPC鋼撚り線の搬送手段
    と、 2つ割りパイプから形成され、その後端に装着されたPC
    鋼撚り線被覆用のプラスチック製被覆管を、油溜りの搬
    出口への挿入により、当該搬出口に連通して着脱可能に
    取付ける取付け手段と、 油溜りを支持するとともに、油溜りの背後で被覆管を支
    持する支持手段と、 を具備した部分アンボンドPC鋼撚り線成形装置。
  5. 【請求項5】グリースの固化を防止する程度に被覆管を
    加熱するヒータを支持手段上に配設した請求項4記載の
    部分アンボンドPC鋼撚り線成形装置。
JP11069389A 1989-04-28 1989-04-28 部分アンボンドpc鋼撚り線の成形方法および成形装置 Expired - Fee Related JP2862089B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11069389A JP2862089B2 (ja) 1989-04-28 1989-04-28 部分アンボンドpc鋼撚り線の成形方法および成形装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11069389A JP2862089B2 (ja) 1989-04-28 1989-04-28 部分アンボンドpc鋼撚り線の成形方法および成形装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02292445A JPH02292445A (ja) 1990-12-03
JP2862089B2 true JP2862089B2 (ja) 1999-02-24

Family

ID=14542058

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11069389A Expired - Fee Related JP2862089B2 (ja) 1989-04-28 1989-04-28 部分アンボンドpc鋼撚り線の成形方法および成形装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2862089B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2521639Y2 (ja) * 1992-07-23 1996-12-25 株式会社明治ゴム化成 ゴム糊塗布装置
CN103028527B (zh) * 2013-01-09 2016-03-23 中联重科股份有限公司 钢丝绳涂油装置及具有其的工程机械
CN104841604B (zh) * 2015-04-24 2017-03-29 东莞市联洲知识产权运营管理有限公司 一种漆包线润滑液涂覆装置
CN104841608B (zh) * 2015-04-24 2017-03-29 东莞市联洲知识产权运营管理有限公司 一种漆包线润滑液涂覆装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02292445A (ja) 1990-12-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2862089B2 (ja) 部分アンボンドpc鋼撚り線の成形方法および成形装置
FI71036B (fi) Framstaellning av ett flexibelt straengformigt stycke
US6055691A (en) Method of mounting and tensioning a freely tensioned tension member and device for carrying out the method
JP2002519593A (ja) ケーブルに荷重伝達部材を取り付ける方法及び装置並びに該装置を備えた吊り橋
CN1155845C (zh) 一种光缆及其制造方法
US5149385A (en) Tendons for prestressed concrete structures and method of using such tendons
US4631883A (en) Tendons for post-tensioned pre-stressed concrete structures
DE2304515A1 (de) Mediumdichte vorrichtung zum anbringen an einem vulkanisierrohr fuer elektrische kabel
AU625551B2 (en) Tendons for prestressed concrete structures and method of using and process for making such tendons
JPH11271581A (ja) 光ケーブルおよびその製造方法
JP2007277742A (ja) 防食pc鋼材及びその製造方法
US3211818A (en) Extruder and method
US9971114B2 (en) Optical cable containing fiber bundles and thread for tying the bundles
JPH01500579A (ja) 複数の帯材を含む長尺物の補強部材と、その製造と使用の方法
KR100253758B1 (ko) 방청 피복의 pc 스트랜드와 그 제조방법
JP2656441B2 (ja) アースアンカー工法とその緊張材
JP2524553B2 (ja) 防錆被覆異形pc鋼棒の製造方法
JP3735050B2 (ja) アンボンド被覆pc鋼より線
US5254190A (en) Tendons for prestressed concrete structures and method of using such tendons
JP4207038B2 (ja) 光ファイバケーブルの製造方法
JP2552604B2 (ja) Pc鋼より線の合成樹脂被覆形成加工方法及び合成樹脂被覆を形成したpcより線
JP2761523B2 (ja) 高付着力防錆被覆pc鋼材及びその加工方法
KR102220814B1 (ko) 교량용 케이블, 교량용 케이블 및 결합앵커 고정방법, 교량용 케이블 고정장치
JP2004156438A (ja) 被覆pc鋼より線
JPH07507Y2 (ja) 除去式アンカー用アンボンドpcストランド

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees