JP2860929B2 - 酸化物磁性材料の製造方法 - Google Patents
酸化物磁性材料の製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヘマタイト粉から所定
の値の飽和磁化を持つ酸化物磁性材料を製造する製造方
法に関するものである。
の値の飽和磁化を持つ酸化物磁性材料を製造する製造方
法に関するものである。
【0002】酸化物磁性材料である単相マグネタイト粉
は、磁性流体、電気抵抗素子、電子写真用のトナーやキ
ャリアなどに幅広く使用されるものであり、これを多量
に安価かつ任意の飽和磁化を持つものを製造することが
望まれている。
は、磁性流体、電気抵抗素子、電子写真用のトナーやキ
ャリアなどに幅広く使用されるものであり、これを多量
に安価かつ任意の飽和磁化を持つものを製造することが
望まれている。
【0003】
【従来の技術】従来、酸化物磁性材料であるマグネタイ
ト粉を製造するのに以下の3つの方法が知られている。
ト粉を製造するのに以下の3つの方法が知られている。
【0004】(1) 湿式法(共沈法):Fe2++2F
e3+の水溶液をアルカリ性にし、マグネタイト粉Fe3
O4を共沈させて製造する。 (2) 乾式法:ヘマタイトα−Fe2O3を水素・一酸
化炭素あるいは水蒸気中で加熱・還元してマグネタイト
粉Fe3O4を製造する。
e3+の水溶液をアルカリ性にし、マグネタイト粉Fe3
O4を共沈させて製造する。 (2) 乾式法:ヘマタイトα−Fe2O3を水素・一酸
化炭素あるいは水蒸気中で加熱・還元してマグネタイト
粉Fe3O4を製造する。
【0005】(3) 粉砕法:天然に産する磁鉄鉱を粉
砕してマグネタイト粉を製造する。また、本願発明者が
先に出願した特開平5−141473号に記載されてい
る製造方法によってヘマタイトからマグネタイトを効率
的に製造する方法がある。
砕してマグネタイト粉を製造する。また、本願発明者が
先に出願した特開平5−141473号に記載されてい
る製造方法によってヘマタイトからマグネタイトを効率
的に製造する方法がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の製造方
法によって製造したマグネタイト粉は、飽和磁化が一般
的なスピネルフェライトの値と比べて高く、組成による
飽和磁化の調整ができないため、マグネタイト粉の固有
の飽和磁化の値では使用し難い用途には適用できないと
いう問題があった。このマグネタイト粉の固有の飽和磁
化の値(後述する図3の実験例に示す固定値例えば〜9
1emu/g)では、電子写真現像用のキャリアなどの
用途には、ごく一部しか使用されていなかった。また、
本願発明者が先に出願した特開平5−141473号に
記載されている「ヘマタイト粉に、炭素原子同士の単結
合又は二重結合を有する液状又は粉末状物質を0.1〜
4.0重量%加え、ほぼ均一に混合した後、不活性ガス
中で1200〜1450°Cで加熱処理することを特徴
とする単相マグネタイト粉の製造方法」によって製造し
たマグネタイトでも、飽和磁化の調整ができないため、
当該製造したマグネタイトの飽和磁化などの磁気特性を
改善することが望まれている。
法によって製造したマグネタイト粉は、飽和磁化が一般
的なスピネルフェライトの値と比べて高く、組成による
飽和磁化の調整ができないため、マグネタイト粉の固有
の飽和磁化の値では使用し難い用途には適用できないと
いう問題があった。このマグネタイト粉の固有の飽和磁
化の値(後述する図3の実験例に示す固定値例えば〜9
1emu/g)では、電子写真現像用のキャリアなどの
用途には、ごく一部しか使用されていなかった。また、
本願発明者が先に出願した特開平5−141473号に
記載されている「ヘマタイト粉に、炭素原子同士の単結
合又は二重結合を有する液状又は粉末状物質を0.1〜
4.0重量%加え、ほぼ均一に混合した後、不活性ガス
中で1200〜1450°Cで加熱処理することを特徴
とする単相マグネタイト粉の製造方法」によって製造し
たマグネタイトでも、飽和磁化の調整ができないため、
当該製造したマグネタイトの飽和磁化などの磁気特性を
改善することが望まれている。
【0007】本発明は、これらの問題を解決するため、
ヘマタイト粉に炭素原子同士の単結合あるいは二重結合
を有する物質を混合し、焼成してマグネタイト粉を生成
した後、その冷却中に酸素雰囲気に制御して酸化し、所
望の飽和磁化を持つ酸化物磁性材料を簡易、安価、かつ
多量に製造することを目的としている。
ヘマタイト粉に炭素原子同士の単結合あるいは二重結合
を有する物質を混合し、焼成してマグネタイト粉を生成
した後、その冷却中に酸素雰囲気に制御して酸化し、所
望の飽和磁化を持つ酸化物磁性材料を簡易、安価、かつ
多量に製造することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】図1を参照して課題を解
決するための手段を説明する。図1において、混合工程
2は、ヘマタイト粉に−C−C−あるいは−C=C−を
分子中に有する液体状物質あるいは粉末状物質を0.1
〜4.0wt%混合する工程である。
決するための手段を説明する。図1において、混合工程
2は、ヘマタイト粉に−C−C−あるいは−C=C−を
分子中に有する液体状物質あるいは粉末状物質を0.1
〜4.0wt%混合する工程である。
【0009】造粒工程4は、ヘマタイト粉を球状顆粒に
する工程である。焼成工程5は、不活性ガス中で120
0〜1450°Cの焼成処理してマグネタイト粉を生成
し、その冷却中に1100〜300°Cのときに酸素濃
度0.1〜21%に制御する工程である。
する工程である。焼成工程5は、不活性ガス中で120
0〜1450°Cの焼成処理してマグネタイト粉を生成
し、その冷却中に1100〜300°Cのときに酸素濃
度0.1〜21%に制御する工程である。
【0010】
【作用】本発明は、図1に示すように、混合工程2でヘ
マタイト粉に−C−C−あるいは−C=C−を分子中に
有する液体状物質あるいは粉末状物質を0.1〜4.0
wt%混合し、焼成工程5によって不活性ガス中で12
00〜1450°Cの焼成を行ってマグネタイト粉を生
成し、その冷却中に1100〜300°Cのときに酸素
濃度0.1〜21%に制御し、所定の値の飽和磁化を持
つ酸化物磁性材料を製造するようにしている。
マタイト粉に−C−C−あるいは−C=C−を分子中に
有する液体状物質あるいは粉末状物質を0.1〜4.0
wt%混合し、焼成工程5によって不活性ガス中で12
00〜1450°Cの焼成を行ってマグネタイト粉を生
成し、その冷却中に1100〜300°Cのときに酸素
濃度0.1〜21%に制御し、所定の値の飽和磁化を持
つ酸化物磁性材料を製造するようにしている。
【0011】この際、焼成工程5の前の造粒工程4によ
ってヘマタイト粉を球状顆粒とし、酸化物磁性材料を球
状とするようにしている。従って、ヘマタイト粉に炭素
原子同士の単結合あるいは二重結合を有する物質を混合
し、焼成してマグネタイト粉を生成し、その冷却中に酸
素雰囲気にして酸化することにより、所望の飽和磁化を
持つ酸化物磁性材料を簡易、安価、かつ多量に製造する
ことが可能となる。
ってヘマタイト粉を球状顆粒とし、酸化物磁性材料を球
状とするようにしている。従って、ヘマタイト粉に炭素
原子同士の単結合あるいは二重結合を有する物質を混合
し、焼成してマグネタイト粉を生成し、その冷却中に酸
素雰囲気にして酸化することにより、所望の飽和磁化を
持つ酸化物磁性材料を簡易、安価、かつ多量に製造する
ことが可能となる。
【0012】
【実施例】次に、図1から図5を用いて本発明の実施例
の構成および動作を順次詳細に説明する。
の構成および動作を順次詳細に説明する。
【0013】図1は、本発明の1実施例構成図を示す。
図1において、配合工程1は、所定粒径(例えば1μ
m)のヘマタイト粉および必要に応じて各種添加物を配
合する工程である。
図1において、配合工程1は、所定粒径(例えば1μ
m)のヘマタイト粉および必要に応じて各種添加物を配
合する工程である。
【0014】混合工程2は、ヘマタイト粉に−C−C−
あるいは−C=C−を分子中に持つ化合物(液状物質あ
るいは固体状物質)を0.1〜4.0wt%混合する工
程である。例えばヘマタイト粉にポリビニールアルコー
ル2wt%、分散剤としてポリカルボン酸塩1wt%を
加え、更に球状顆粒にする造粒のための水を加える。こ
こで、水は、30%〜70%の範囲で加える。30%よ
りも少ないと、混練したときのスラリー粘度が高過ぎて
球状化できなかった。70%よりも多いと、スラリー濃
度が薄過ぎて緻密な球状顆粒が得られなかった。
あるいは−C=C−を分子中に持つ化合物(液状物質あ
るいは固体状物質)を0.1〜4.0wt%混合する工
程である。例えばヘマタイト粉にポリビニールアルコー
ル2wt%、分散剤としてポリカルボン酸塩1wt%を
加え、更に球状顆粒にする造粒のための水を加える。こ
こで、水は、30%〜70%の範囲で加える。30%よ
りも少ないと、混練したときのスラリー粘度が高過ぎて
球状化できなかった。70%よりも多いと、スラリー濃
度が薄過ぎて緻密な球状顆粒が得られなかった。
【0015】粉砕工程3は、混合工程2によって混合し
たものを、アトリションミルで湿式粉砕してヘマタイト
濃度約50wt%のスラリーを作成する工程である。造
粒工程4は、球状顆粒を生成する工程である。ここで
は、スラリーをアトライターで1時間撹拌後、スプレー
ドライヤーで熱風乾燥して球状顆粒化する。
たものを、アトリションミルで湿式粉砕してヘマタイト
濃度約50wt%のスラリーを作成する工程である。造
粒工程4は、球状顆粒を生成する工程である。ここで
は、スラリーをアトライターで1時間撹拌後、スプレー
ドライヤーで熱風乾燥して球状顆粒化する。
【0016】焼成工程5は、造粒工程4で得られた顆粒
を不活性ガス中(例えば窒素ガス中)で1200〜14
50°Cの範囲の温度で2時間加熱処理し、単相マグネ
タイト粉にし、その冷却中の1100〜300°Cのと
きに酸素ガス0.1〜21%(空気の酸素濃度)に制御
して酸化する工程である(図4参照)。ここで、不活性
ガス中(弱い還元性雰囲気中)でヘマタイトからマグネ
タイトへの熱転移に加えて、ヘマタイト粉と混合した有
機物を不活性ガス中で加熱して不完全燃焼状態にし、当
該有機物の熱分解時にヘマタイトから酸素を奪って還元
してマグネタイト化を大幅に促進する。また、冷却中に
酸素雰囲気にして単相マグネタイト粉の表面を酸化し、
マグネタイトとヘマタイトの混在粉とし、飽和磁化を任
意の値に調整する(図3の実験例参照)。
を不活性ガス中(例えば窒素ガス中)で1200〜14
50°Cの範囲の温度で2時間加熱処理し、単相マグネ
タイト粉にし、その冷却中の1100〜300°Cのと
きに酸素ガス0.1〜21%(空気の酸素濃度)に制御
して酸化する工程である(図4参照)。ここで、不活性
ガス中(弱い還元性雰囲気中)でヘマタイトからマグネ
タイトへの熱転移に加えて、ヘマタイト粉と混合した有
機物を不活性ガス中で加熱して不完全燃焼状態にし、当
該有機物の熱分解時にヘマタイトから酸素を奪って還元
してマグネタイト化を大幅に促進する。また、冷却中に
酸素雰囲気にして単相マグネタイト粉の表面を酸化し、
マグネタイトとヘマタイトの混在粉とし、飽和磁化を任
意の値に調整する(図3の実験例参照)。
【0017】解砕工程6は、焼成工程5で焼きついてい
るマグネタイトおよびヘマタイトの混在粉を解砕して製
品に仕上げる工程である。以上の工程に従い、ヘマタイ
ト粉に−C−C−あるいは−C=C−、および水を混合
し良く混練して熱風乾燥し、球状に造粒した後、不活性
ガス中で1200〜1450°Cの範囲で焼成して単相
のヘマタイト粉を生成した後、その冷却中の1100〜
300°Cのときに酸素ガス濃度0.1〜21%に制御
して単相のヘマタイト粉の表面を酸化し、所望の飽和磁
化(図3の実験例によれば20〜91emu/g)の球
状のマグネタイトとヘマタイトの混合粉(酸化物磁性
粉)を製造することができる。これにより、所望の飽和
磁化を持つ酸化物磁性粉を安価、多量、かつ安全に製造
することが可能となった。以下順次説明する。
るマグネタイトおよびヘマタイトの混在粉を解砕して製
品に仕上げる工程である。以上の工程に従い、ヘマタイ
ト粉に−C−C−あるいは−C=C−、および水を混合
し良く混練して熱風乾燥し、球状に造粒した後、不活性
ガス中で1200〜1450°Cの範囲で焼成して単相
のヘマタイト粉を生成した後、その冷却中の1100〜
300°Cのときに酸素ガス濃度0.1〜21%に制御
して単相のヘマタイト粉の表面を酸化し、所望の飽和磁
化(図3の実験例によれば20〜91emu/g)の球
状のマグネタイトとヘマタイトの混合粉(酸化物磁性
粉)を製造することができる。これにより、所望の飽和
磁化を持つ酸化物磁性粉を安価、多量、かつ安全に製造
することが可能となった。以下順次説明する。
【0018】図2は、本発明の焼成実験結果例を示す。
これは、ヘマタイト粉にPVA(ポリビニールアルコー
ル)を図示の量だけ添加および分散剤としてポリカルボ
ン酸塩1wt%に水を加えて混合して顆粒化したもの
を、図示の加熱温度で焼成した後の粉末X線回折による
定性分析結果である。比較例は比較のための実験例であ
る。実施例は本発明の実施例である。この実験例から以
下のことが判明した。
これは、ヘマタイト粉にPVA(ポリビニールアルコー
ル)を図示の量だけ添加および分散剤としてポリカルボ
ン酸塩1wt%に水を加えて混合して顆粒化したもの
を、図示の加熱温度で焼成した後の粉末X線回折による
定性分析結果である。比較例は比較のための実験例であ
る。実施例は本発明の実施例である。この実験例から以
下のことが判明した。
【0019】(1) PVAを添加せずにヘマタイト粉
のみの場合(試料番号1〜8)、加熱温度を変えても単
相のマグネタイトは得られなかった。X線回折の結果に
よれば、α−Fe2O3あるいはFeOの相が存在する。
のみの場合(試料番号1〜8)、加熱温度を変えても単
相のマグネタイトは得られなかった。X線回折の結果に
よれば、α−Fe2O3あるいはFeOの相が存在する。
【0020】(2) PVAの添加量を2wt%とし、
加熱温度を変えると、1200〜1450°Cの範囲で
単相のマグネタイトが得られた(試料番号13〜1
5)。1150°C以下ではα−Fe2O3が共存(試料
番号9〜12)し、1500°C以上ではFeOが共存
(試料番号16)した。従って、加熱温度は、1200
〜1450°Cの範囲とする必要がある(試料番号13
〜15)。
加熱温度を変えると、1200〜1450°Cの範囲で
単相のマグネタイトが得られた(試料番号13〜1
5)。1150°C以下ではα−Fe2O3が共存(試料
番号9〜12)し、1500°C以上ではFeOが共存
(試料番号16)した。従って、加熱温度は、1200
〜1450°Cの範囲とする必要がある(試料番号13
〜15)。
【0021】(3) 加熱温度を1300°Cと固定
し、PVA添加量を0.1〜3.0wt%まで変えた場
合、全て単相のマグネタイトが得られた(試料番号17
〜22)。
し、PVA添加量を0.1〜3.0wt%まで変えた場
合、全て単相のマグネタイトが得られた(試料番号17
〜22)。
【0022】以上の実験結果からヘマタイト粉にPVA
の添加量が0.1〜3wt%(4wt%)で加熱温度が
1200〜1450°Cの範囲で焼成すると、全て単相
のマグネタイトを生成できると判明した。
の添加量が0.1〜3wt%(4wt%)で加熱温度が
1200〜1450°Cの範囲で焼成すると、全て単相
のマグネタイトを生成できると判明した。
【0023】図3は、本発明の冷却中酸化の実験結果例
を示す。これは、図2の焼成実験結果例に示した範囲で
焼成した単相のマグネタイト粉について、その冷却中に
図示の温度X°Cから図示の酸素濃度Bに制御して表面
を酸化したときの飽和磁化を、振動型磁力計で測定した
ものである(図4、図5参照)。また、ガス中の酸素濃
度は、ジルコニア式酸素濃度計で測定した。ここで、切
替温度X°Cは、図4に示すように、冷却中に窒素雰囲
気から酸素雰囲気に切り換えたときの温度である。
を示す。これは、図2の焼成実験結果例に示した範囲で
焼成した単相のマグネタイト粉について、その冷却中に
図示の温度X°Cから図示の酸素濃度Bに制御して表面
を酸化したときの飽和磁化を、振動型磁力計で測定した
ものである(図4、図5参照)。また、ガス中の酸素濃
度は、ジルコニア式酸素濃度計で測定した。ここで、切
替温度X°Cは、図4に示すように、冷却中に窒素雰囲
気から酸素雰囲気に切り換えたときの温度である。
【0024】(1) 窒素雰囲気から酸素雰囲気に切り
替え制御しない場合(試料番号1)、飽和磁化が91e
mu/gであった。 (2) 雰囲気を21%O2(空気の酸素濃度)に切り
替え制御した場合、切替温度が350〜700°Cの範
囲のときに、図示のように飽和磁化86〜68emu/
gの範囲のマグネタイト粉の表面を酸化したマグネタイ
ト+ヘマタイトの混在粉が得られた。
替え制御しない場合(試料番号1)、飽和磁化が91e
mu/gであった。 (2) 雰囲気を21%O2(空気の酸素濃度)に切り
替え制御した場合、切替温度が350〜700°Cの範
囲のときに、図示のように飽和磁化86〜68emu/
gの範囲のマグネタイト粉の表面を酸化したマグネタイ
ト+ヘマタイトの混在粉が得られた。
【0025】(3) 雰囲気を2.0%O2に切り替え
制御した場合、切替温度が350〜700°Cの範囲の
ときに、図示のように飽和磁化86〜27emu/gの
範囲のマグネタイト粉の表面を酸化したマグネタイト+
ヘマタイトの混在粉が得られた。
制御した場合、切替温度が350〜700°Cの範囲の
ときに、図示のように飽和磁化86〜27emu/gの
範囲のマグネタイト粉の表面を酸化したマグネタイト+
ヘマタイトの混在粉が得られた。
【0026】(4) 雰囲気を0.2%O2に切り替え
制御した場合、切替温度が350〜1100°Cの範囲
のときに、図示のように飽和磁化85〜20emu/g
の範囲のマグネタイト粉の表面を酸化したマグネタイト
+ヘマタイトの混在粉が得られた。
制御した場合、切替温度が350〜1100°Cの範囲
のときに、図示のように飽和磁化85〜20emu/g
の範囲のマグネタイト粉の表面を酸化したマグネタイト
+ヘマタイトの混在粉が得られた。
【0027】(5) 雰囲気を0.1%O2に切り替え
制御した場合、切替温度が350〜1100°Cの範囲
のときに、図示のように飽和磁化86〜33emu/g
の範囲のマグネタイト粉の表面を酸化したマグネタイト
+ヘマタイトの混在粉が得られた。
制御した場合、切替温度が350〜1100°Cの範囲
のときに、図示のように飽和磁化86〜33emu/g
の範囲のマグネタイト粉の表面を酸化したマグネタイト
+ヘマタイトの混在粉が得られた。
【0028】以上の実験結果から図2の焼成実験の単相
のマグネタイト粉を、その冷却中の1100〜300°
Cのときに窒素ガスから酸素ガス0.1〜21%(空気
の酸素濃度)に切り替え制御して表面を酸化し、任意の
飽和磁化のマグネタイト+ヘマタイトの混在粉(酸化物
磁性材料粉)を生成できることが判明した。
のマグネタイト粉を、その冷却中の1100〜300°
Cのときに窒素ガスから酸素ガス0.1〜21%(空気
の酸素濃度)に切り替え制御して表面を酸化し、任意の
飽和磁化のマグネタイト+ヘマタイトの混在粉(酸化物
磁性材料粉)を生成できることが判明した。
【0029】図4は、本発明の加熱・冷却曲線例を示
す。これは、室温から200°C/HrでT°C(例え
ば1200°C)まで上昇させ、T°Cで2時間保持さ
せた後、200°C/Hrで冷却して室温に戻す。この
際、冷却中のX°Cのときに窒素雰囲気から酸素雰囲気
に切り替える(Aの部分が図3の雰囲気A(窒素雰囲
気)、Bの部分が図3の雰囲気B(酸素雰囲気)に対応
する)。ここで、冷却中の冷却速度の上限はマグネタイ
トの顆粒の場合、表面の歪みの影響によってひび割れな
どが発生しない500°C/Hr以下が適当である。ま
た、冷却速度の下限は焼成の全体の時間が非常に長くな
って非能率となるため、50°C/Hr以上とするのが
よい。本実施例では上述したようにこれらの範囲の20
0°C/Hrによって実験した。
す。これは、室温から200°C/HrでT°C(例え
ば1200°C)まで上昇させ、T°Cで2時間保持さ
せた後、200°C/Hrで冷却して室温に戻す。この
際、冷却中のX°Cのときに窒素雰囲気から酸素雰囲気
に切り替える(Aの部分が図3の雰囲気A(窒素雰囲
気)、Bの部分が図3の雰囲気B(酸素雰囲気)に対応
する)。ここで、冷却中の冷却速度の上限はマグネタイ
トの顆粒の場合、表面の歪みの影響によってひび割れな
どが発生しない500°C/Hr以下が適当である。ま
た、冷却速度の下限は焼成の全体の時間が非常に長くな
って非能率となるため、50°C/Hr以上とするのが
よい。本実施例では上述したようにこれらの範囲の20
0°C/Hrによって実験した。
【0030】図5は、本発明の飽和磁化の説明図を示
す。これは、図3の飽和磁化を測定するときの説明図で
ある。横軸は印加する磁界の強さH Oeを表し、縦軸
はそのときの磁化の強さM emuを表す。振動型磁力
計は、図示のように、例えば15kOeの磁界を印加し
た状態で、そのときのマグネタイト粉の磁化の強さMs
emuを測定する。そして、飽和磁化は、図示の下記の
式 δs=Ms/(マグネタイト粉の重量g)[emu/
g]・・・・(1) によって求める。この式(1)によって求めたものが図
3の飽和磁化δsである。
す。これは、図3の飽和磁化を測定するときの説明図で
ある。横軸は印加する磁界の強さH Oeを表し、縦軸
はそのときの磁化の強さM emuを表す。振動型磁力
計は、図示のように、例えば15kOeの磁界を印加し
た状態で、そのときのマグネタイト粉の磁化の強さMs
emuを測定する。そして、飽和磁化は、図示の下記の
式 δs=Ms/(マグネタイト粉の重量g)[emu/
g]・・・・(1) によって求める。この式(1)によって求めたものが図
3の飽和磁化δsである。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ヘマタイト粉に炭素原子同士の単結合あるいは二重結合
を有する物質を混合し、焼成してマグネタイト粉を生成
した後、その冷却中に酸素雰囲気に制御して酸化し、任
意の値の飽和磁化を持つ酸化物磁性材料を製造する構成
を採用しているため、所望の飽和磁化を持つ酸化物磁性
材料を簡易、安価、かつ多量に製造することができる。
特に、多量のヘマタイト粉を一度に焼成工程5によって
単相のマグネタイト粉にした後、その冷却中に酸素雰囲
気に切り替えて当該マグネタイト粉の表面を酸化して任
意の飽和磁化を持つマグネタイト+ヘマタイトの混在物
(酸化物磁性材料)を簡単な工程、容易、かつ安価に製
造できた。
ヘマタイト粉に炭素原子同士の単結合あるいは二重結合
を有する物質を混合し、焼成してマグネタイト粉を生成
した後、その冷却中に酸素雰囲気に制御して酸化し、任
意の値の飽和磁化を持つ酸化物磁性材料を製造する構成
を採用しているため、所望の飽和磁化を持つ酸化物磁性
材料を簡易、安価、かつ多量に製造することができる。
特に、多量のヘマタイト粉を一度に焼成工程5によって
単相のマグネタイト粉にした後、その冷却中に酸素雰囲
気に切り替えて当該マグネタイト粉の表面を酸化して任
意の飽和磁化を持つマグネタイト+ヘマタイトの混在物
(酸化物磁性材料)を簡単な工程、容易、かつ安価に製
造できた。
【図1】本発明の1実施例構成図である。
【図2】本発明の焼成実験結果例である。
【図3】本発明の冷却中酸化の実験結果例である。
【図4】本発明の加熱・冷却曲線例である。
【図5】本発明の飽和磁化の説明図である。
1:配合工程 2:混合工程 3:粉砕工程 4:造粒工程 5:焼成工程 6:解砕工程
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下川 明 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電 気化学株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−184764(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01F 1/11
Claims (2)
- 【請求項1】ヘマタイト粉に−C−C−あるいは−C=
C−を分子中に有する液体状物質あるいは粉末状物質を
0.1〜4.0wt%混合し、不活性ガス中で1200
〜1450°Cの焼成処理してマグネタイト粉を生成
し、その冷却中に1100〜300°Cのときに酸素濃
度0.1〜21%に制御し、所定の値の飽和磁化を持つ
酸化物磁性材料を製造する酸化物磁性材料の製造方法。 - 【請求項2】上記焼成処理前に、造粒処理によってヘマ
タイト粉を球状顆粒とし、上記酸化物磁性材料を球状と
するようにしたことを特徴とする請求項1記載の酸化物
磁性材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5215871A JP2860929B2 (ja) | 1993-08-31 | 1993-08-31 | 酸化物磁性材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5215871A JP2860929B2 (ja) | 1993-08-31 | 1993-08-31 | 酸化物磁性材料の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0766024A JPH0766024A (ja) | 1995-03-10 |
JP2860929B2 true JP2860929B2 (ja) | 1999-02-24 |
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ID=16679649
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5215871A Expired - Fee Related JP2860929B2 (ja) | 1993-08-31 | 1993-08-31 | 酸化物磁性材料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2860929B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63184764A (ja) * | 1986-09-02 | 1988-07-30 | Kawasaki Steel Corp | 電子写真現像剤用キヤリア及びその製造方法 |
-
1993
- 1993-08-31 JP JP5215871A patent/JP2860929B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0766024A (ja) | 1995-03-10 |
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