JP2860550B2 - 急性皮膚炎症治療剤 - Google Patents
急性皮膚炎症治療剤Info
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- JP2860550B2 JP2860550B2 JP63210644A JP21064488A JP2860550B2 JP 2860550 B2 JP2860550 B2 JP 2860550B2 JP 63210644 A JP63210644 A JP 63210644A JP 21064488 A JP21064488 A JP 21064488A JP 2860550 B2 JP2860550 B2 JP 2860550B2
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- Japan
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Description
【発明の詳細な説明】 本発明はユビデカレノンを有効成分として含有する急
性皮膚炎症(ただし、放射線皮膚炎症を除く)治療剤に
関する。
性皮膚炎症(ただし、放射線皮膚炎症を除く)治療剤に
関する。
即ち、本発明は、ユビデカレノンの医薬用途発明であ
り、医療の分野において、急性皮膚炎症(ただし、放射
線皮膚炎症を除く)の治療のために利用される発明であ
る。
り、医療の分野において、急性皮膚炎症(ただし、放射
線皮膚炎症を除く)の治療のために利用される発明であ
る。
本発明者は薬剤投与によつて急性皮膚炎症(ただし、
放射線皮膚炎症を除く)を治療することを目的として種
々の検討を試みた。その結果ユビデカレノンを炎症部位
に直接塗布投与することによつて著しい治療成績が得ら
れることを見出し、本発明を完成するに至つた。
放射線皮膚炎症を除く)を治療することを目的として種
々の検討を試みた。その結果ユビデカレノンを炎症部位
に直接塗布投与することによつて著しい治療成績が得ら
れることを見出し、本発明を完成するに至つた。
すなわち本発明者は下記文献1)、2)、3)、
4)、5)、6)によつて示されるとおり、かつて放射
線皮膚炎ないし放射性潰瘍の治療、褥瘡の治療、熱傷の
治療、創傷の治療のためにユビデカレノンを使用する試
みをおこない、その結果著効を認める経験を得たのであ
るが、放射性皮膚炎ないし放射線潰瘍、褥瘡、熱傷、創
傷と皮膚炎とは原因および状況が異なるので、ユビデカ
レノンが皮膚炎に対しても同様に著効を示すことは当然
に予想することができなかった。しかしながら意外にも
上記のごとく著しい治癒成績が確認され、本発明が完成
された。従って、本発明の目的は急性皮膚炎症(ただ
し、放射線皮膚炎症を除く)の治療であり、本発明は該
目的の達成のためにユビデカレノンを炎症部位に投与す
ることを特徴とする治療剤を提供するものである。
4)、5)、6)によつて示されるとおり、かつて放射
線皮膚炎ないし放射性潰瘍の治療、褥瘡の治療、熱傷の
治療、創傷の治療のためにユビデカレノンを使用する試
みをおこない、その結果著効を認める経験を得たのであ
るが、放射性皮膚炎ないし放射線潰瘍、褥瘡、熱傷、創
傷と皮膚炎とは原因および状況が異なるので、ユビデカ
レノンが皮膚炎に対しても同様に著効を示すことは当然
に予想することができなかった。しかしながら意外にも
上記のごとく著しい治癒成績が確認され、本発明が完成
された。従って、本発明の目的は急性皮膚炎症(ただ
し、放射線皮膚炎症を除く)の治療であり、本発明は該
目的の達成のためにユビデカレノンを炎症部位に投与す
ることを特徴とする治療剤を提供するものである。
1) オクヤマ、エス.アンド ミシナ、エッチ:プリ
ンシピア オブ キャンサー テラピー.I.レスキュー
オブ ラジェーション ダメージ.サイエ.レポ.リ
サ.インスチ.トーホクユニバ.−C 29:1,1982. (Okuyama,S.and Mishina,H.:Principia of cancer the
rapy.I.Rescue of radiation damage.Sci.Rep.Res.Ins
t.Tohoku Univ.−C 29:1,1982.) 2)オクヤマ、エス.アンド ミシナ、エッチ:プリン
シピア オブ キャンサー テラピー.VI.アプリケーシ
ョン オブ ユビキノン オイントメント フォア イ
ントラクタブル ラジエーション アルサー:アン エ
クスパンデッド チトクローム シー イフェクト サ
イエ.レポ.リサ.インスチ.トーホク ユニバ.−C
30:36,1983. (Okuyama,S.and Mishina,H.:Principia of cancer the
rapy.VI.Application of ubiquinone ointment for int
ractable radition ulcers:An expanded cytochromec e
ffect Sci.Rep.Res.Inst.Tohoku Univ.−C 30:36,198
3.) 3) 特開昭60−100517 4) 特開昭61−210028 5) 特開昭62−77318 6) 特開昭63−39813 以下に本発明を詳細に説明する。古くから炎症の四徴
として(1)発赤、(2)腫脹、(3)疼痛(4)機能
低下が知られ、治療効果の目安として診療の指針となっ
ている。
ンシピア オブ キャンサー テラピー.I.レスキュー
オブ ラジェーション ダメージ.サイエ.レポ.リ
サ.インスチ.トーホクユニバ.−C 29:1,1982. (Okuyama,S.and Mishina,H.:Principia of cancer the
rapy.I.Rescue of radiation damage.Sci.Rep.Res.Ins
t.Tohoku Univ.−C 29:1,1982.) 2)オクヤマ、エス.アンド ミシナ、エッチ:プリン
シピア オブ キャンサー テラピー.VI.アプリケーシ
ョン オブ ユビキノン オイントメント フォア イ
ントラクタブル ラジエーション アルサー:アン エ
クスパンデッド チトクローム シー イフェクト サ
イエ.レポ.リサ.インスチ.トーホク ユニバ.−C
30:36,1983. (Okuyama,S.and Mishina,H.:Principia of cancer the
rapy.VI.Application of ubiquinone ointment for int
ractable radition ulcers:An expanded cytochromec e
ffect Sci.Rep.Res.Inst.Tohoku Univ.−C 30:36,198
3.) 3) 特開昭60−100517 4) 特開昭61−210028 5) 特開昭62−77318 6) 特開昭63−39813 以下に本発明を詳細に説明する。古くから炎症の四徴
として(1)発赤、(2)腫脹、(3)疼痛(4)機能
低下が知られ、治療効果の目安として診療の指針となっ
ている。
本発明において、ユビデカレノン軟膏の臨床的効果の
判定に用いた。
判定に用いた。
特異性の強い急性炎症とは、これらの四徴に加えて組
織壊死、脂漏形成のみられるものを指す。
織壊死、脂漏形成のみられるものを指す。
本発明の皮膚炎は広義に解釈されるものであり、原因
としては、外因性によるものと内因性によるものとがあ
る。
としては、外因性によるものと内因性によるものとがあ
る。
例えば、外因性の皮膚炎には俗名カブレと呼ばれる接
触皮膚炎や虫さされ、おむつかぶれがある。
触皮膚炎や虫さされ、おむつかぶれがある。
一方、内因性によるものとしては、アレルギーに起因
する脂漏性湿疹、アトピー性皮膚炎あるいは薬物による
湿疹、即ち薬疹がある。皮膚炎の病体生理は居所変化、
全身変化とともに日時変化していくが、本発明はこれら
の変化によって特に限定されることはない。
する脂漏性湿疹、アトピー性皮膚炎あるいは薬物による
湿疹、即ち薬疹がある。皮膚炎の病体生理は居所変化、
全身変化とともに日時変化していくが、本発明はこれら
の変化によって特に限定されることはない。
次にユビデカレノンは、ユビキノンあるいは補酸素Q
10とも呼ばれ、従来よりうっ血性心不全の治療剤として
医薬用途に使用されてきたものを本発明において使用す
ればよい。ユビデカレノンの牛の心筋のミトコンドリア
より抽出され、電子伝達系に関与することが知られてい
る。従ってユビデカレノンは心筋が虚血状態であって
も、心筋における酸素利用率を改善し、高いATP産生機
能を維持せしめることを可能とする。その結果、ユビデ
カレノンによって虚血心筋組織が受ける障害は軽減さ
れ、心収縮機能の低下が改善されることが知られてい
る。
10とも呼ばれ、従来よりうっ血性心不全の治療剤として
医薬用途に使用されてきたものを本発明において使用す
ればよい。ユビデカレノンの牛の心筋のミトコンドリア
より抽出され、電子伝達系に関与することが知られてい
る。従ってユビデカレノンは心筋が虚血状態であって
も、心筋における酸素利用率を改善し、高いATP産生機
能を維持せしめることを可能とする。その結果、ユビデ
カレノンによって虚血心筋組織が受ける障害は軽減さ
れ、心収縮機能の低下が改善されることが知られてい
る。
しかしながら皮膚投与されたユビデカレノンによって
急性皮膚炎症(ただし、放射線皮膚炎症を除く)が著効
をもって治癒されるという事実は従来未知であり、本発
明者によって初めて明らかにされた。
急性皮膚炎症(ただし、放射線皮膚炎症を除く)が著効
をもって治癒されるという事実は従来未知であり、本発
明者によって初めて明らかにされた。
ユビデカレノンは融点が48〜52℃の黄色乃至橙色の結
晶性粉末であり、脂溶性である。水、メタノールにはほ
とんど溶けない。前記のごとく従来はうっ血性心不全の
諸症状の改善のために経口投与されており、参考のため
に経口投与における亜急性毒性および慢性毒性を示せば
次のごとくである。
晶性粉末であり、脂溶性である。水、メタノールにはほ
とんど溶けない。前記のごとく従来はうっ血性心不全の
諸症状の改善のために経口投与されており、参考のため
に経口投与における亜急性毒性および慢性毒性を示せば
次のごとくである。
亜急性毒性 Wistar系ラット雌雄に40、200及び1,000mg/kg/日を5
週間及びウサギ雌雄に60及び600mg/kg/日を23日間連続
経口投与した。ラット及びウサギとも一般状態、血液、
尿検査、形態学的観察(肉眼的、組織学的)で対照群と
差を認めなかった。
週間及びウサギ雌雄に60及び600mg/kg/日を23日間連続
経口投与した。ラット及びウサギとも一般状態、血液、
尿検査、形態学的観察(肉眼的、組織学的)で対照群と
差を認めなかった。
本発明は本発明において前記のごとく定義される皮膚
炎が発症している部位に対してユビデカレノンを皮膚投
与することを特徴とする。
炎が発症している部位に対してユビデカレノンを皮膚投
与することを特徴とする。
従って皮膚投与にあたってはユビデカレノンをそのま
ま直接投与してもよいが、なるべくは皮膚塗布に適した
製剤として投与することが望ましい。またユビデカレノ
ンと共に他の薬剤、例えばサイトクロームC、ウロキナ
ーゼ等と併用して投与してもよく、本発明はこれら併用
投与によって限定されない。
ま直接投与してもよいが、なるべくは皮膚塗布に適した
製剤として投与することが望ましい。またユビデカレノ
ンと共に他の薬剤、例えばサイトクロームC、ウロキナ
ーゼ等と併用して投与してもよく、本発明はこれら併用
投与によって限定されない。
また本発明治療剤においてユビデカレノンの配合量は
0.05〜5.0%が推奨され、さらに好ましくは0.1〜2.0%
がよい。皮膚炎の大きさおよび進行度に応じて治療剤の
適当量を塗布すればよい。
0.05〜5.0%が推奨され、さらに好ましくは0.1〜2.0%
がよい。皮膚炎の大きさおよび進行度に応じて治療剤の
適当量を塗布すればよい。
ユビデカレノンの皮膚投与における安定性はよく、皮
膚に対する刺激性は少ない。例えば皮膚一時刺激性、累
積刺激性、眼瞼刺激性、光毒性、感作性、光感作性、バ
ッチテストの諸結果を示せば表1のごとくである。
膚に対する刺激性は少ない。例えば皮膚一時刺激性、累
積刺激性、眼瞼刺激性、光毒性、感作性、光感作性、バ
ッチテストの諸結果を示せば表1のごとくである。
皮膚投与に適した製剤とするためには、ユビデカレノ
ン以外の成分として適当な刺激性の少ない製剤用原料を
選択して配合すればよい。例えばグリセリン、スクワラ
ン、セチルアルコール、卵黄リン脂質、グリセリル脂肪
酸エステル等を選択し、常法により皮膚投与用製剤を製
造すればよい。
ン以外の成分として適当な刺激性の少ない製剤用原料を
選択して配合すればよい。例えばグリセリン、スクワラ
ン、セチルアルコール、卵黄リン脂質、グリセリル脂肪
酸エステル等を選択し、常法により皮膚投与用製剤を製
造すればよい。
以下に記載する実施例をもって本発明の急性皮膚炎症
(ただし、放射線皮膚炎症を除く)治療剤をさらに具体
的に説明する。
(ただし、放射線皮膚炎症を除く)治療剤をさらに具体
的に説明する。
実施例1 ステアリルアルコール 12.0 wt% スクワラン 6.0 ミリスチン酸イソプロピル 4.0 ポリオキシエチレンセチルアルコールエーテル(20モ
ル) 3.0 ステアリン酸 2.0 ユビデカレノン 0.5 プロピレングリコール 6.0 エチルパラベン 0.1 ブチルパラベン 0.1 精製水を加え 全量100.0 上記処方成分を常法により混合して均質なクリームと
なし、本発明の急性皮膚炎症(ただし、放射線皮膚炎症
を除く)治療剤とした。
ル) 3.0 ステアリン酸 2.0 ユビデカレノン 0.5 プロピレングリコール 6.0 エチルパラベン 0.1 ブチルパラベン 0.1 精製水を加え 全量100.0 上記処方成分を常法により混合して均質なクリームと
なし、本発明の急性皮膚炎症(ただし、放射線皮膚炎症
を除く)治療剤とした。
実施例2 スクワラン 15.0 wt% ミリスチン酸オクチルドデシル 5.0 硬化大豆油 5.0 モノステアリン酸プロピレングリコール 4.0 モノステアリン酸グリセリン 1.5 ステアリン酸 2.0 ユビデカレノン 1.0 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(50モル)1.0 部分水添卵黄リン脂質 1.0 グリセリン 5.0 エチルパラパン 0.3 酸化防止剤 適量 精製水を加え 全量100.0 上記処方成分を常法により混合して均質なクリームと
なし、本発明の急性皮膚炎症(ただし、放射線皮膚炎症
を除く)治療剤とした。
なし、本発明の急性皮膚炎症(ただし、放射線皮膚炎症
を除く)治療剤とした。
実施例3 スクワラン 3.0 wt% ミリスチン酸オクチルドデシル 2.0 ステアリン酸 1.2 モノステアリン酸グリセリン 1.0 ソルビタンモノパルミテート 0.5 セチルアルコール 0.5 セチルアルコールモノパルミテート 0.5 ポリオキシエチレングリセリンモノステアレート(20
モル) 1.5 メチルパラベン 0.2 プロレングリコール 5.0 キサンタンガム 0.05 ユビデカレノン 0.3 香 料 適量 精製水 全量100.0 上記処方成分を常法により混合して均質な乳液とな
し、本発明の急性皮膚炎症(ただし、放射線皮膚炎症を
除く)治療剤とした。
モル) 1.5 メチルパラベン 0.2 プロレングリコール 5.0 キサンタンガム 0.05 ユビデカレノン 0.3 香 料 適量 精製水 全量100.0 上記処方成分を常法により混合して均質な乳液とな
し、本発明の急性皮膚炎症(ただし、放射線皮膚炎症を
除く)治療剤とした。
実施例4 部分水添卵黄リン脂質 0.1 wt% ユビデカレノン 1.0 マクロゴール400 4.0 エチルアルコール 8.0 vol.% ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(50モル)0.8 wt% プロピレングリコール 2.0 エチルパラベン 0.1 香 料 適量 酸化防止剤 適量 精製水を加え 全量100.0 vol.% 上記処方成分中精製水を除く成分を均一に加温溶解
し、約60℃に保ち、これを予め同温度に加温した精製水
中に撹拌下に加え、均一混合し、室温まで冷却し、ユビ
デカレノン含有ローション剤を製造し、本発明の急性皮
膚炎症(ただし、放射線皮膚炎症を除く)治療剤とし
た。
し、約60℃に保ち、これを予め同温度に加温した精製水
中に撹拌下に加え、均一混合し、室温まで冷却し、ユビ
デカレノン含有ローション剤を製造し、本発明の急性皮
膚炎症(ただし、放射線皮膚炎症を除く)治療剤とし
た。
実施例5 固形パラフィン 1.0 wt% 微結晶パラフィン 7.0 セチルアルコール 2.0 ステアリン酸アルミニウム 1.0 ユビデカレノン 1.0 流動パラフィン 25.0 白色ワセリンを加え 全量100.0 上記処方成分を常法により混合して均質な軟膏とな
し、本発明の急性皮膚炎症(ただし、放射線皮膚炎症を
除く)治療剤とした。
し、本発明の急性皮膚炎症(ただし、放射線皮膚炎症を
除く)治療剤とした。
以下に記載する症例報告によって本発明の効果を説明
する。
する。
本発明の急性皮膚炎症(ただし、放射線皮膚炎症を除
く)治療剤としてはユビデカレノンを0.5%に含有する
親水性軟膏を使用した。治療にあたっては炎症部位を清
潔にし、ヒビテン液で消毒した後に同上軟膏を外用塗布
した。
く)治療剤としてはユビデカレノンを0.5%に含有する
親水性軟膏を使用した。治療にあたっては炎症部位を清
潔にし、ヒビテン液で消毒した後に同上軟膏を外用塗布
した。
症例1 生後6ケ月、女、おむつかぶれ、急性下痢症のため、
会陰部におむつかぶれによる急性皮膚炎をおこした。
会陰部におむつかぶれによる急性皮膚炎をおこした。
患部を清潔にした後、ユビデカレノン軟膏療法を開始
した。
した。
急速に発赤、腫脹がとれた。
症例2 53歳、女、急性接触皮膚炎 悪性リンパ腫の治療中に、抗悪性腫瘍治療剤の点滴静
脈内注射療法を実施したところ、左側胸部痛があり湿布
剤を貼った。数時間後に局所に熱感、疼痛増悪があり、
発赤、腫脹等が見られた。二日後には水泡を形成した。
疼痛に対して、消炎鎮痛剤を投与しても鎮痛効果は得ら
れず、急性接触皮膚炎と診断し、ユビデカレノン軟膏療
法を実施した。塗布後数時間で激痛は消失した。また、
発赤、腫脹、水泡等も迅速に治療効果が認められた。
脈内注射療法を実施したところ、左側胸部痛があり湿布
剤を貼った。数時間後に局所に熱感、疼痛増悪があり、
発赤、腫脹等が見られた。二日後には水泡を形成した。
疼痛に対して、消炎鎮痛剤を投与しても鎮痛効果は得ら
れず、急性接触皮膚炎と診断し、ユビデカレノン軟膏療
法を実施した。塗布後数時間で激痛は消失した。また、
発赤、腫脹、水泡等も迅速に治療効果が認められた。
本症例は、2ケ月前にも同様の左胸部痛があり、同様
に湿布剤を投与しても皮膚傷害が見られなかったことか
ら、抗悪性腫瘍剤投与により付随して惹起された現象
(histamine sensitizing activity)と考えられる。
に湿布剤を投与しても皮膚傷害が見られなかったことか
ら、抗悪性腫瘍剤投与により付随して惹起された現象
(histamine sensitizing activity)と考えられる。
症例3 51歳、男、脂漏性湿疹 左耳背部に発赤、落せつ、掻痒を伴う脂漏性湿疹に対
し、ユビデカレノン療法を開始した。2日後発赤、落せ
つ、掻痒は減退した。
し、ユビデカレノン療法を開始した。2日後発赤、落せ
つ、掻痒は減退した。
急性炎症は、臨床的には、発赤、局所熱感、腫脹、疼
痛を四徴とするものである。組織学的には、上皮細胞傷
害、血管傷害、間質傷害が起こっており、一剤で、全て
を治療するのは、困難であると考えられて来た。しかし
ユビデカレノン軟膏には、そのようなpotentialがあ
り、急性皮膚炎の治療は、理解しやすいモデルである。
即ち、外用されたユビデカレノンは、皮膚をよく浸透し
て、皮膚および皮下組織ターゲット細胞に到達し、傷害
されたミトコンドリア内の電子伝達系を賦活する。その
結果、疼痛は、緩和、消失する。血管内皮細胞でも、同
様のことが起こると、組織液漏出が減少し、腫脹も減少
し治療する間質細胞の治療である。臨床的には、水泡形
成、皮下浮腫形成の頓挫、吸収も意味する。皮膚細胞の
賦活は、正常の皮膚のturgorの回復をもたらし、又、上
皮細胞の再生も促進するので、創口、潰瘍の治癒、接着
を誘導することにもなる。以上のように、ユビデカレノ
ン軟膏は、皮膚炎一般に対して、かなり総合的な治療効
果を発揮できる、画期的薬剤の一つと考えられる。剤型
としても、軟膏のほか、ローション、湿布、スプレイ方
式等が考えられる。外用に対して、過敏症、新たな接触
皮膚炎といつた副作用も見られなかつたので、医薬品と
してのみならず、医薬部外品としての利用も、現実的と
考えられる。
痛を四徴とするものである。組織学的には、上皮細胞傷
害、血管傷害、間質傷害が起こっており、一剤で、全て
を治療するのは、困難であると考えられて来た。しかし
ユビデカレノン軟膏には、そのようなpotentialがあ
り、急性皮膚炎の治療は、理解しやすいモデルである。
即ち、外用されたユビデカレノンは、皮膚をよく浸透し
て、皮膚および皮下組織ターゲット細胞に到達し、傷害
されたミトコンドリア内の電子伝達系を賦活する。その
結果、疼痛は、緩和、消失する。血管内皮細胞でも、同
様のことが起こると、組織液漏出が減少し、腫脹も減少
し治療する間質細胞の治療である。臨床的には、水泡形
成、皮下浮腫形成の頓挫、吸収も意味する。皮膚細胞の
賦活は、正常の皮膚のturgorの回復をもたらし、又、上
皮細胞の再生も促進するので、創口、潰瘍の治癒、接着
を誘導することにもなる。以上のように、ユビデカレノ
ン軟膏は、皮膚炎一般に対して、かなり総合的な治療効
果を発揮できる、画期的薬剤の一つと考えられる。剤型
としても、軟膏のほか、ローション、湿布、スプレイ方
式等が考えられる。外用に対して、過敏症、新たな接触
皮膚炎といつた副作用も見られなかつたので、医薬品と
してのみならず、医薬部外品としての利用も、現実的と
考えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−222016(JP,A) 特開 昭63−39813(JP,A) 日本臨床44巻・臨時増刊号(1986)最 新薬物療法 manual 新訂版(昭 61年11月10日発行) 1137頁 高木編「薬物学」(1987年2月25日発 行)南山堂 273頁
Claims (2)
- 【請求項1】ユビデカレノンを有効成分として含有する
急性皮膚炎症(ただし、放射線皮膚炎症を除く)治療
剤。 - 【請求項2】急性皮膚炎症が内因性皮膚炎症又は外因性
皮膚炎症である請求項1記載の治療剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63210644A JP2860550B2 (ja) | 1988-08-26 | 1988-08-26 | 急性皮膚炎症治療剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63210644A JP2860550B2 (ja) | 1988-08-26 | 1988-08-26 | 急性皮膚炎症治療剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0259519A JPH0259519A (ja) | 1990-02-28 |
JP2860550B2 true JP2860550B2 (ja) | 1999-02-24 |
Family
ID=16592722
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63210644A Expired - Fee Related JP2860550B2 (ja) | 1988-08-26 | 1988-08-26 | 急性皮膚炎症治療剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2860550B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100775803B1 (ko) * | 2000-05-09 | 2007-11-12 | 카네카 코포레이션 | 유효 성분으로서 보효소 q 를 함유하는 피부용 조성물 |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0719552A3 (en) * | 1994-12-26 | 1997-08-20 | Takeda Chemical Industries Ltd | Pharmaceutical composition containing a quinone derivative or the hydroquinone thereof for the treatment of dermatitis |
DE19944137A1 (de) * | 1999-09-15 | 2001-03-22 | Beiersdorf Ag | O/W-Emulsionen mit einem Gehalt an einem oder mehreren Biochinonen und einem erhöhten Gehalt an Glycerin |
JP2008031110A (ja) * | 2006-07-31 | 2008-02-14 | Taisho Pharmaceut Co Ltd | 痛みの予防又は緩和剤 |
JP4300370B2 (ja) | 2007-03-13 | 2009-07-22 | 春三 小林 | 上皮改善剤 |
-
1988
- 1988-08-26 JP JP63210644A patent/JP2860550B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
日本臨床44巻・臨時増刊号(1986)最新薬物療法 manual 新訂版(昭61年11月10日発行) 1137頁 |
高木編「薬物学」(1987年2月25日発行)南山堂 273頁 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100775803B1 (ko) * | 2000-05-09 | 2007-11-12 | 카네카 코포레이션 | 유효 성분으로서 보효소 q 를 함유하는 피부용 조성물 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0259519A (ja) | 1990-02-28 |
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