JP2859924B2 - 金属蒸気レーザ装置 - Google Patents

金属蒸気レーザ装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は金属蒸気レーザ装置に係り、特にレーザ発振
過程での放電状態の良否判定を行い、効率的な運用を図
った金属蒸気レーザ装置に関する。
(従来の技術) 従来の金属蒸気レーザ装置は、例えば第2図に示すよ
うに構成されている。すなわち、同図においてレーザ発
振装置1は、金属蒸気を生成する金属蒸気源2が配置さ
れた放電管3と、この放電管3内に設けられた断熱材4
と、放電管3の両端に設置された一対の電極5,6と、こ
の電極5,6を支持しブリュスタ管を兼用する電極支持フ
ランジ7,8と、この電極支持フランジ7,8間の電気的絶縁
を行う絶縁円筒9とから構成されている。
また、放電管3内に高電圧で放電を行わせるための電
気回路は、高電圧電源11からの高電圧を有効に供給する
スイッチング素子としてのサイラトロン12と、充電抵抗
13、ピーキングコンデンサ14、充電コンデンサ15、パル
スドライブ電源16、ダイオードDおよびコイルLにより
構成される。
このように構成された金属蒸気レーザ装置は、レーザ
発振に至る過程で放電管3内の放電状態を一様にする必
要があることから、常に放電管3内をオペレータが目視
により監視し、放電状態が悪いようであれば、印加して
いる高電圧を遮断し放電管3内の不純物を排気し、再度
立上げ等の操作を行っている。つまり、放電の妨げの原
因は主に不純物の混入であり、これは放電管3を構成す
る部材の有している不純物が放電による温度上昇によっ
て放電管3内に発生してくるためで、放電管3等のメン
テナンス(部品交換等)を行った場合は、状況に応じて
数度の排気、再立上げ等の操作が必要となる。
(発明が解決しようとする課題) しかし、目視による放電状態の確認はオペレータが現
場で遮光メガネ等を装着して行う必要があるため、煩雑
であるとともに十分な注意が必要であった。また、従来
は放電状態の良否の判断をオペレータが行っていたた
め、その判断に個人差があり、必ずしも適切な判断とは
言えないところがあり、運転操作の面から信頼性に欠け
るという問題点があった。
本発明は上記事情を考慮してなされたもので、その目
的とするところは、放電状態の確認を現場での目視確認
によらず、電気的な判断に基づいて行い、信頼性を向上
させるとともに、省力化および自動化の図れる金属蒸気
レーザ装置を提供することにある。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 本発明に係る金属蒸気レーザ装置においては、上述し
た課題を解決するために、電極を両端部に有する放電管
と、この放電管内に配置され金属蒸気を生成する金属蒸
気源とを有し、上記両電極に、高電圧電源、充電コンデ
ンサ、スイッチング素子、ピーキングコンテンサおよび
充電抵抗器を有するパルス高圧電源回路を接続し、この
パルス高圧電源回路により前記電極間にパルス状に高電
圧を印加して放電を行わせるように構成した金属蒸気レ
ーザ装置において、前記パルス高圧電源回路の充電抵抗
器を両電極を有する放電管に並列に接続する一方、上記
充電抵抗器に流れる電流変位を検出する検出手段と、こ
の検出手段からの検出信号を入力して、放電管の放電状
態の良否を判定する判定手段とを備えたものである。
(作用) 上記の構成を有する本発明においては、パルス高圧電
源回路の充電抵抗器を放電管に並列に接続し、上記充電
抵抗器に流れる電流の変化を検出手段で検出し、この結
果に基づいて放電管の放電状態の良否を判定するように
したので、目視による確認動作を不要とし、集中的に多
数の装置をマンパワーをかけることなく操作可能とな
る。これにより、放電状態の良否の判定が適切となり信
頼性が向上する。
(実施例) 以下、本発明の一実施例を第1図を参照して説明す
る。
従来の金属蒸気レーザ装置の構成と同一または対応す
る部分には第2図と同一の符号を用いて説明を省略す
る。
第1図において、レーザ発振管1には金属蒸気を生成
する金属蒸気源2が配置された放電管3が設けられ、こ
の放電管3の両端部には一対の電極5,6が対向して設け
られている。これらの電極5,6間でパルス二次放電が行
われる。放電管3内には断熱材4が配置されている。電
極5,6はブリュスタ管を兼用する電極支持フランジ7,8で
支持され、この支持フランジ7,8間には絶縁円筒9を介
在させて電気的な絶縁を行っている。
前述したパルス二極放電は、電極支持フランジ7,8に
接続されたパルス高圧電源回路10によりなされる。この
パルス高圧電源回路10は、高電圧電源11,サイラトロン1
2,充電抵抗13、ピーキングコンデンサ14,充電コンデン
サ15、パルスドライブ電源16、ダイオードDおよびコイ
ルLによって構成されている。
このパルス高圧電源回路10では、充電抵抗13を介して
充電コンデンサ15に充電させる。このため充電抵抗13が
存在しないと充電コンデンサ15が充分に充電されないた
め、放電管3への充分なパルス放電電流が得られず、レ
ーザ発振が生じない。
このパルス高圧電源回路10は、充電コンデンサ15に充
電された電荷がサイラトロン12を点弧することにより、
ほぼ10-7秒以下の立上り時間で放電電流を発生するよう
にされている。サイラトロン12はパルス放電スイッチン
グ素子である。パルス高圧電源回路10で発生したパルス
高電圧は、電圧が数KV〜10数KV、繰返し周波数が数KHz
〜数10KHzである。
ところで、本実施例では充電抵抗13の近傍に電流の変
化を検出する検出手段としての電流検出器20を配置し、
電流検出器20が充電抵抗13に流れる電流値の変化を検出
し、この検出信号は判定手段としての判定装置21に送出
される。そして、判定装置21は検出信号に基づいて放電
の正常か異常かの判別を行い、この判別結果を高電圧電
源11などの金属蒸気レーザ装置の制御盤(図示せず)に
フィードバックさせるように構成している。
次に作用を説明する。
まず、高電圧電源11から直流高電圧が印加されると、
コイルLおよび充電コンデンサ15,充電抵抗11よりなる
回路より、コイルLおよび充電コンデンサ15によって決
定される時定数でさらに高電圧となり充電コンデンサ15
に充電される。この状態でパルスドライブ電源16よりサ
イラトロン12のグリッドGに数KHzの繰返し周波数でパ
ルスが印加されると、サイラトロン12は繰返し週明数に
同期して導通状態となり、充電コンデンサ15に蓄積され
たエネルギーがレーザ発振装置1の放電管3に印加され
放電が始まる。
次いで、放電管3は放電が起こると、抵抗的には少な
くなるため上記エネルギーはそのほとんどを放電管3で
消費することになるが、放電管3内に不純物等があり異
常放電となると、レーザ発振装置1と並列に接続された
充電抵抗13にその一部が流れることになる。本実施例は
この充電抵抗13に流れる電流値の変化を電流検出器20に
より検出し、この検出信号に基づいて判定装置21により
正・異常放電の判別を行い、この判別結果を高電圧電源
11にフィードバックさせて、装置の起動、停止等の運転
を自動的に行わせるようにしている。
このように本実施例によれば、充電抵抗13に流れる電
流値の変化を電流検出器20で検出し、この電流値の変化
で放電管3の放電状態の良否を判定し、この判別結果に
基づいて遠隔操作で運転するようにしたので、目視によ
る確認動作を不要とし、集中的に多数の装置をマンパワ
ーをかけることなく操作可能となる。これにより、放電
状態の良否の判定が適切となり信頼性が向上する。
なお、本発明は上記実施例に限らず種々の変形が可能
である。例えば、上記実施例において電流検出器20によ
り検出する電流の変化は電流値であったが、電流波形で
もよく、特に限定するものではない。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、レーザ出力性
能を低下させずに放電管内の放電状態が判別可能とな
り、放電の状態を目視により監視する必要がなくなり、
多数の装置であっても集中的に操作が可能になって、劣
力化と自動化が図れる。また、今までオペレータの判断
に依存していた放電状態の良否判断を画一的に判定でき
ることから、信頼性の向上が図れるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る金属蒸気レーザ装置の一実施例を
回路図を併用して示す断面図、第2図は従来の金属蒸気
レーザ装置を回路図を併用して示す断面図である。 1……レーザ発振管、2……金属蒸気源、3……放電
管、5,6……電極、11……高電圧電源、13……充電抵抗
(抵抗器)、20……電流検出器(検出手段)、21……判
定装置(判定手段)。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電極を両端部に有する放電管と、この放電
    管内に配置され金属蒸気を生成する金属蒸気源とを有
    し、上記両電極に、高電圧電源、充電コンデンサ、スイ
    ッチング素子、ピーキングコンテンサおよび充電抵抗器
    を有するパルス高圧電源回路を接続し、このパルス高圧
    電源回路により前記電極間にパルス状に高電圧を印加し
    て放電を行わせるように構成した金属蒸気レーザ装置に
    おいて、前記パルス高圧電源回路の充電抵抗器を両電極
    を有する放電管に並列に接続する一方、上記充電抵抗器
    に流れる電流変位を検出する検出手段と、この検出手段
    からの検出信号を入力して、放電管の放電状態の良否を
    判定する判定手段とを備えたことを特徴とする金属蒸気
    レーザ装置。
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