JP2859807B2 - 光ファイバ送通用パイプ - Google Patents

光ファイバ送通用パイプ

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JP2859807B2
JP2859807B2 JP5333812A JP33381293A JP2859807B2 JP 2859807 B2 JP2859807 B2 JP 2859807B2 JP 5333812 A JP5333812 A JP 5333812A JP 33381293 A JP33381293 A JP 33381293A JP 2859807 B2 JP2859807 B2 JP 2859807B2
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Fujikura Ltd
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Fujikura Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電力ケーブル、光フ
ァイバケーブル等のケーブル内に予め組み込まれて用い
られ、ケーブル敷設後その内部に光ファイバユニット等
を圧縮空気などの加圧気体によって送通するための光フ
ァイバ送通用パイプに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の光ファイバ送通用パイプ
(以下、パイプと略記する。)は、高密度ポリエチレ
ン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどを
押出成形して作られている。
【0003】このパイプは、上述のように通常光ケーブ
ルなどの内部に収容されているため、その大部分は直射
日光に曝露されることはないが、光ケーブル等の終端に
おいては成端作業などによって直射日光に曝露されるこ
とがある。また、光ケーブル等のルート変更などの際の
作業中にパイプ全体が直射日光に曝露され、紫外線劣化
をきたすことがある。
【0004】このため、このようなパイプにおいても十
分な耐候性を付与する必要がある。高い耐候性を付与す
るには、パイプを構成するポリエチレンやポリプロピレ
ンにいわゆる紫外線吸収剤を添加してやればよい。この
ような目的のための紫外線吸収剤としては、オレフィン
系樹脂に多用されているヒンダードアミン系が挙げられ
る。ところが、このヒンダードアミン系紫外線吸収剤を
添加した高密度ポリエチレンなどからなるパイプを光の
当らない暗所に長時間保管しておくと、パイプがナチュ
ラル色(乳白色)から次第にピンク色に着色すると言う
暗所着色現象が生じることが判明した。
【0005】この暗所着色現象は、暗所での保管時間が
長くなるにつれて、ピンク色から赤色に変化し、さらに
時間が経過すると褐色に変化することも明らかになっ
た。また、場合によっては、室内に長時間保管したとき
も、着色することがある。しかし、直射日光に曝露され
る状態では全く着色しないことも判明した。そして、こ
の暗所着色現象は、パイプが光ケーブル等の内部で遮光
状態で収容されることから、光ケーブル等に長時間収容
されたパイプにおいても同様に発生し、パイプが着色す
ることになる。
【0006】一方、光ケーブル等に収容されるパイプ
は、将来の光回線の増設などを見込んで2本以上の複数
本とされることがある。この場合には、パイプの識別を
行う必要からパイプに着色を施すこととなる。ところ
が、この着色パイプも当然遮光状態でケーブル等の内部
に収容されるため、上述の暗所着色現象が発生し、その
識別用の着色が変化し、識別が行えないことになる不都
合が生じる。
【0007】上記暗所着色現象の原因を究明した結果、
高密度ポリエチレン等に添加されたヒンダードアミン系
紫外線吸収剤と同じく配合されたある種の酸化防止剤と
の反応によって生じるものであることが判明した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】よって、この発明にお
ける課題は、高い耐候性を有し、しかも暗所着色現象の
生じないパイプを得ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる課題は、特定のヒ
ンダードアミン系紫外線吸収剤と、特定のヒンダードフ
ェノール系酸化防止剤を選択配合することで解決され
る。
【0010】以下、この発明を詳しく説明する。この発
明のパイプを構成するポリエチレン系樹脂には、高密度
ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LD
PE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エ
チレン−プロピレン共重合体などのポリエチレン類やこ
れらポリエチレン類に潤滑性を高めるために、ポリオル
ガノシロキサン、ポリオルガノシロキサンとポリエチレ
ンなどのポリオレフィンとのブロック共重合体、フッ素
樹脂などを0.1〜30重量%程度配合したものが用い
られる。
【0011】上記ポリオルガノシロキサンとしては、分
子量が30万〜500万程度のものが好ましく、有機基
としてはメチル基、フェニル基、クロルフェニル基、ビ
ニル基、カルボキシル基などが用いられる。上記フッ素
樹脂としては、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ
ビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘ
キサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチ
レン−エチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチ
レン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニルなどが
用いられる。
【0012】これらのポリエチレン系樹脂は、その1種
が単独で、また2種以上を任意の割合で混合して用いる
ことができる。
【0013】このポリエチレン系樹脂には、耐候性向上
のための紫外線吸収剤として、ポリ[(6−モルフォリ
ノ−S−トリアジン−2,4−ジイル)〔2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジル〕イミノ]−ヘキサ
メチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジル)イミノ〕(以下、「UV−A」と略記する。)
が添加される。この「UV−A」はオリゴマータイプの
ヒンダードアミン系の紫外線吸収剤であって、高い光安
定性効果を持ち、高温下での熱酸化防止効果に優れ、か
つ上記ポリエチレン系樹脂に対して相溶性がよく、低揮
発性のものであり、従来のヒドロキシベンゾフェノン系
紫外線吸収剤に比べて高い光安定性を示すものである。
また、後述する特定の酸化防止剤との組み合わせにおい
て暗所着色現象を生じさせないものである。この「UV
−A」は、例えば商品名「CYASORB UV334
6LD」としてアメリカン・サイナアミド社より市販さ
れている。
【0014】この「UV−A」の添加量は、ポリエチレ
ン系樹脂に対して0.15重量%以上、好ましくは0.
2〜0.3重量%とされる。0.15重量%未満では耐
候性向上効果が得られない。
【0015】また、ポリエチレン系樹脂には、酸化防止
剤として1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒ
ドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸
(以下、「OX−A」と略記する。)が添加される。こ
の「OX−A」は、ヒンダードフェノール系の酸化防止
剤で、従来のフェノール系酸化防止剤に比べ極めて優れ
た酸化防止能を示し、上記ポリエチレン系樹脂との相溶
性が良好であるものである。また、前述の「UV−A」
との併用により暗所着色現象が生じないものである。こ
の「OX−A」は、例えば商品名「CYANOX179
0」としてアメリカン・サイナアミド社より市販されて
いる。
【0016】この「OX−A」の添加量は、ポリエチレ
ン系樹脂に対して0.1重量%以上、好ましくは0.1
5〜0.2重量%とされる。0.1重量%未満では酸化
防止効果が得られない。
【0017】「UV−A」および「OX−A」の添加
は、パイプ製造時に原料となるポリエチレン系樹脂に添
加する方法や原料ポリエチレン系樹脂に予め混合してお
く方法などによって行われる。そして、「UV−A」お
よび「OX−A」が添加されたポリエチレン系樹脂は、
周知の押出成形法によって長尺のパイプ状に成形され、
この発明のパイプとなる。
【0018】この発明のパイプにあっては、その形状は
断面形状が円形状以外に楕円状、角筒状であってもよ
く、さらにはその内壁面に長手方向に延びる多数の突条
を形成し、光ファイバユニット等との接触面積を小さく
するような構造であってもよい。また、二層押出法など
によってパイプ外面が「UV−A」および「OX−A」
を添加したポリエチレン系樹脂からなる層で被覆された
ものであってもよい。
【0019】この発明にあっては、「UV−A」および
「OX−A」を添加したポリエチレン系樹脂に、必要に
応じ帯電防止剤、着色剤、充填剤、難燃剤、滑剤などを
添加することができる。
【0020】このようなパイプにあっては、「UV−
A」と「OX−A」とが添加されたポリエチレン系樹脂
から構成されているので、耐候性が優れ、直射日光の曝
露を受けても紫外線による劣化がないとともに空気等に
よる酸化が防止されて長寿命のものとなる。また、後述
の実施例の結果からもわかるように、このパイプを長期
間暗所に保管しても暗所着色現象が生じないものとな
る。以下、具体例を示して作用効果を明確にする。
【0021】(実施例)高密度ポリエチレン(密度0.
95g/cm3 ,メルトインデックス2.1,色調ナチ
ュラル色)に対して、表1に示す紫外線吸収剤と酸化防
止剤とを添加し、押出成形して内径6mm、外径8mm
のパイプを製造した。これらパイプを屋外、屋内、暗室
にそれぞれ1年、2年、3年間放置し、その色調の変化
を肉眼にて観察した。結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】表1の着色度合の評価は、色調に変化がな
かったものを○、ピンク色に着色したものを×、赤色に
着色したものを△、褐色に着色したものを□として表示
した。また、「UV−B」は、ポリ[{6−(1,1,
3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−ト
リアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン
{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
イミノ}]、商品名「CHIMASSORB944」
(チバ・ガイギー社製)、「UV−C」は、コハク酸ジ
メチレート(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ
−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、
商品名「TINUVIN622LD」(チバ・ガイギー
社製)、「OX−B」は、テトラキス〔メチレン−3−
(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート〕メタン、商品名「IRGANO
X1010」(チバ・ガイギー社製)である。
【0024】表1の結果から、「UV−A」と「OX−
A」との選択的な組み合わせによって長期間の暗所での
保管にもかかわらず、暗所着色現象が生じないことがわ
かる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、この発明のパイプ
は特定のヒンダードアミン系紫外線吸収剤と特定のヒン
ダードフェノール系酸化防止剤とを添加したポリエチレ
ン系樹脂からなるものであるので、高い耐候性、熱安定
性を具備するとともにこれを暗所に保管しても暗所着色
現象が生じないものとなる。よって、ケーブル等内に収
容された多数本のパイプの識別をその着色で行うことが
できる。
フロントページの続き (72)発明者 鈴木 一成 千葉県佐倉市城内町109−2 タザマハ イツ102 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02B 6/44 G02B 6/46

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1,3,5−トリス(4−t−ブチル−
    3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシア
    ヌル酸0.1重量%以上と、ポリ[(6−モルフォリノ
    −S−トリアジン−2,4−ジイル)〔2,2,6,6
    −テトラメチル−4−ピペリジル〕イミノ]−ヘキサメ
    チレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
    ジル)イミノ〕0.15重量%以上を添加したポリエチ
    レン系樹脂からなる光ファイバ送通用パイプ。
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