JP2859579B2 - 弁装置におけるばね撓み調整装置 - Google Patents

弁装置におけるばね撓み調整装置

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JP2859579B2
JP2859579B2 JP8080279A JP8027996A JP2859579B2 JP 2859579 B2 JP2859579 B2 JP 2859579B2 JP 8080279 A JP8080279 A JP 8080279A JP 8027996 A JP8027996 A JP 8027996A JP 2859579 B2 JP2859579 B2 JP 2859579B2
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弘太郎 青山
吉洋 酒井
芳雄 土屋
信義 浜田
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Okano Valve Mfg Co Ltd
Tokyo Electric Power Company Holdings Inc
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Tokyo Electric Power Co Inc
Okano Valve Mfg Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、系内の圧力が一定
値以上になると開弁する安全弁もしくは逃し弁のような
弁装置に関し、特に、ばねの圧縮力を利用したかかる弁
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】このような弁装置においては、その作動
圧力を調節するために、ばねの撓みを調整可能であるこ
とが必要であり、該ばねには一般的にばね撓み調整装置
が設けられている。図3は、そのようなばね撓み調整装
置の代表的な従来例が組み込まれた安全弁の要部を示し
ている。
【0003】図3において、1はスプリングケース、2
はその頂部に取り付けられたキャップであり、弁棒3の
上端部は、スプリングケース1を貫いて上方に延び、キ
ャップ2の中に入っている。この弁棒3には、典型的に
はコイルばねである可調節ばね4を上から抑えるばね抑
え5が遊嵌すると共に、該ばね抑え5の軸方向位置を調
節するために、該ばね抑え5と係合するようにばね撓み
調整装置、即ち調節スリーブ6が遊嵌している。該調節
スリーブ6の外周には雄ねじが切られていて、スプリン
グケース1に螺合している。可調節ばね4の圧縮力を調
節する際には、調節スリーブ6を回して上動又は下動さ
せれば、ばね抑え5も上動又は下動して、可調節ばね4
が弛緩又は圧縮される。これにより、弁棒3の図示しな
い下端部に設けられた弁体が弁口の弁座から離脱させる
ために必要な流体圧力の値が調節される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のばね撓
み調整装置において、調節スリーブ6を回転させるため
には、先ず、スプリングケース1に螺合しているキャッ
プ2を外して、弁棒3の上端部を露出させた後、スプリ
ングケース1の天井部にある突出部1aに嵌合している
ロックスリーブ7を上方に抜き取ってから、調節スリー
ブ6を回転可能な状態とする面倒な操作が必要である。
【0005】しかも、突出部1aの外周面の断面形状
は、使用中に調節スリーブ6が回転して緩まないよう、
円形から、直径方向に対峙した2つの三日月形部分を切
り欠いた形状であり、また、該突出部1aに嵌合するロ
ックスリーブ7の下端部も同様の形状であるため、且
つ、調節スリーブ6及びロックスリーブ7は、図示しな
いが、調節スリーブ6の上端部6aの外周に形成された
水平断面が正8角形の部分と、ロックスリーブ7のフラ
ンジ状上端部7aの内周に形成された水平断面が正6角
形の部分とが嵌合して組み合っているため、調節スリー
ブ6の1回の最小回転角度は、360°/16=22.
5°にしかならず、従来のばね撓み調整装置は、調節精
度が悪いという難点があった。
【0006】更に、調節スリーブ6を回転する場合、こ
の調節スリーブ6には可調節ばね4の圧縮力の反作用が
ばね抑え5を介して作用しているため、調節に大きな力
が必要であり、作業性の向上の観点からも、解決が望ま
れていた。
【0007】従って、本発明の主な目的は、可調節ばね
の圧縮代を弁装置の外部から容易に調節可能なばね撓み
調整装置を提供することである。また、本発明の別の目
的は、上述のような調節の容易性に加えて、調節を実質
的に無段階で精度良く行うことができるばね撓み調整装
置を提供することである。本発明の更に別の目的は、可
調節ばねの圧縮代の調整時に弁装置の作動性能に悪影響
を与えることのないばね撓み調整装置を提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した目的から、請求
項1に記載の本発明のばね撓み調整装置は、系内の流体
の圧力が一定値以上になると、キャップを有するスプリ
ングケース内に収容された可調節ばねの圧縮力を利用し
て弁口が開く弁装置において、前記スプリングケースの
内部に回転自在に配設された回転部材と、該回転部材を
前記スプリングケース及び前記キャップの外部から回転
させるための駆動装置と、前記回転部材及び前記可調節
ばねの間に介在し、前記回転部材の回転時に上動又は下
動して前記可調節ばねの圧縮代を変化させる軸方向移動
部材とを備え、前記駆動装置は、前記スプリングケース
及び前記キャップの外部から前記弁装置の内部に延びる
作動軸と、該作動軸により回転される複数の回転伝達部
材を含む減速装置とを備え、前記複数の回転伝達部材
は、前記作動軸に接続されたウオームと、該ウオームに
係合すると共に前記回転部材の周囲に装着されたウオー
ム歯車とからなり、前記キャップは、前記スプリングケ
ースの上方に配設されると共に、前記軸方向移動部材に
は、前記キャップの内周面に軸方向に移動可能に嵌合す
るガイドプレートが装着されていることを特徴としてい
る。
【0009】このように、請求項1に記載の本発明によ
れば、弁装置の外部から可調節ばねの圧縮代を調節可能
としているため、調節に際して、かかる弁装置に備わっ
ているスプリングケースのキャップを外したりする等と
いう面倒な作業が不要になり、しかも、セルフロック機
能を発揮するウオーム及びウオーム歯車を用いているた
め、弁棒側の振動等によって可調節ばねの圧縮代が変化
するようなこともない。そして、該回転部材の回転量に
応じて可調節ばねの圧縮代が決まるので、圧縮代は実質
的に無段階で精度良く調節される。 また、請求項1に記
載の本発明によると、前記キャップは前記スプリングケ
ースの上方に配設されると共に、前記軸方向移動部材
(調節スリーブ)には、前記キャップの内周面に軸方向
に移動可能に嵌合するガイドプレートが装着されてい
る。従って、軸方向移動部材はガイドプレートを介して
キャップに回転方向に固定されているため、軸方向移動
部材が傾いて関連部分に損傷を生じさせるようなことが
なく、弁装置の安全性能が確保される。
【0010】また、請求項2に記載の本発明によると、
前記駆動装置は、前記スプリングケース及び前記キャッ
プの外部において前記作動軸に接続されたハンドルを備
え、前記軸方向移動部材が前記回転部材の内部に配設さ
れている。可調節ばねの圧縮代の調節の際には、ハンド
ルを軽く回すだけで、係合し合うセルフロックのウオー
ムとウオーム歯車、ひいては回転部材(ハンドルブッシ
ュ)が回転される。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明の好適な実施の形態
即ち実施形態について添付図面を参照して詳細に説明す
るが、図面中、同一符号は同一又は対応部分を示すもの
とする。また、本発明の実施形態を安全弁に関して以下
に説明するが、本発明は、それに限定されるものではな
く、系内の圧力が一定値以上になるとばねの圧縮力を利
用して開弁するような弁装置に適用可能であることを理
解されたい。図1は、本発明の一実施形態によるばね撓
み調整装置が組み込まれた安全弁の要部を示す断面図で
あり、図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。
図1及び図2において、ほぼ円筒形のスプリングケース
28は、その天井部28aの周辺にフランジ部分28b
を有し、該フランジ部分に、シルクハット状のキャップ
38が、その下端にあるフランジ部分38aで複数個
(図には1個のみを代表的に示す)の頭付きボルト39
により取り付けられている。
【0012】弁棒40は、上述のスプリングケース28
の天井部28aを貫いて、キャップ38に延入してい
る。スプリングケース28内には、コイルばねでよい可
調節ばね26が弁棒40の一部を囲んで配設されてお
り、該可調節ばね26の上端はばね抑え41に着座して
いる。図示しないが、弁棒40の下端部には、周知のよ
うに弁体が装着されており、通常、該弁体は、可調節ば
ね26の圧縮力により流体通路にある弁口に着座してい
るが、流体の圧力が一定値以上になると、上記圧縮力に
打ち勝って弁棒40を例えば持ち上げることにより、上
記弁口を開き、流体の圧力を解放するようになってい
る。
【0013】キャップ38のほぼ中央部を横方向に延び
ているのは、吹き出しテスト用の第1レバー42であ
り、また、同様にほぼ中央部から下方に延びている逆L
字形のものはテスト用の第2レバー43であり、いずれ
も、軸42a,43aを支点として回動自在に支承され
ている。安全弁の吹き上げテストの際には、第2レバー
43を上方に引き上げると、そのL字の角部近傍が第1
レバー42に当接して、同第1レバー42を時計方向に
回動させ、その結果、同第1レバー42に形成された凸
42aが弁棒40に取り付けられた部材44に係合し
て、弁棒40を可調節ばね26の圧縮力に抗して強制的
に持ち上げ、上述した弁口を開いて、作動状態の確認が
可能である。
【0014】次に、本発明による可調節ばねの圧縮代も
しくは撓みの調整装置の構造について説明すると、符号
21は、ばね抑え41の上方で弁棒40の一部を遊嵌状
態で囲む調節スリーブ(軸方向移動部材)であり、同調
節スリーブ21は、その下端部で、ばね抑え41の上面
に形成された凹部に装着されたスラストベアリング25
により回転自在に支持されている。換言すれば、可調節
ばね26の荷重はスラストベアリング25を介して調節
スリーブ21により支持されている。該調節スリーブ2
1の上端部には、フェザーキーのようなキー部材36に
よりガイドプレート32が固定されると共に、周知の構
造のものでよいロックナット37が固定されている。キ
ャップ38の小径部38bの内面下端部には複数個(実
施形態では直径方向に対峙して2個)の縦突条部38c
が形成されており、同縦突条部は、ガイドプレート32
の周面に形成された縦溝に嵌合している。このガイドプ
レート32を設けることにより、キー部材36を上下に
移動させると同時に、ばね圧縮力の調整時に調節スリー
ブ21が傾いて安全弁の作動に悪影響を与えないように
なっている。
【0015】また、調節スリーブ21の外周にはねじ部
21aが形成されており、該ねじ部21aにほぼ円筒形
のハンドルブッシュ(回転部材)22が螺合している。
該ハンドルブッシュ22は、適数のニードルベアリング
のように支承手段27を介してスプリングケース28の
天井部28aに設けられた突出部28cに案内されてお
り、これも、スラストベアリング29を介して可調節ば
ねの荷重を支持する。
【0016】更に、このハンドルブッシュ22には、周
知のフェザーキーのようなキー部材30によってウオー
ム歯車23(複数の回転伝達部材の一つ)が装着される
と共に、その固定のために、ロックナット31が図示の
ように螺合のような適宜の手段により取り付けられてい
る。図2に最も良く示すように、横方向に延びてキャッ
プ38の大径部38dの中に入っているのは、キャップ
外部にある手動のハンドル48に接続された作動軸45
であり、該作動軸45には、前述したウオーム歯車23
と噛み合うようにウオーム24(回転伝達部材)が装着
されている。また、該作動軸45を安定的に支持するた
めに、スプリングケース28の天井部28aの上面から
は、ウオーム24を挟む離間した位置で、ウオームが回
転する時の荷重を受けるためにスラスト軸受33を有す
る1対の支持脚46が上方に延びている。前述のハンド
ル48、作動軸45、ウオーム24、ウオーム歯車23
等はハンドルブッシュ22を外部から回転させるセルフ
ロック機能付きの駆動装置を構成する。また、回転伝達
部材であるウオーム歯車23及びウオーム24は減速装
置を構成する。
【0017】各支持脚46は、ボルト35によってスプ
リングケース28に固定されている。また、ウオーム歯
車23及びウオーム24の位置決定後、図2に略示した
ノックピン47のような位置決め手段により各支持脚
の位置を決め、以降の分解組立によって位置が変わら
ないようにしている。
【0018】以上のような構成において、可調節ばね2
6の圧縮力を調整するには、スプリングケース28及び
キャップ38の外部にある作動軸45の端部に設けられ
たハンドル48を所要の方向に回転させることにより、
作動軸45を介してウオーム24が同方向に回転し、ウ
オーム歯車23も回る。このウオーム歯車23の回転に
より、キー部材30を介してハンドルブッシュ22が回
転し、調節スリーブ21も回転しようとするが、該調節
スリーブ21には、回り止めのため、キャップ38の縦
突条部38cに嵌合したガイドプレート32がキー部材
36及びロックナット37により固定されているため、
同調節スリーブ21は、回転することなく上動又は下動
する。
【0019】そのため、可調節ばね26の圧縮代に変化
が与えられて、ばね抑え41及び可調節ばね26も上動
又は下動され、可調節ばね26の圧縮力を調整すること
ができる。この調整量は、ハンドル48の回転量によっ
て決まるため、実質的に無段階で調整可能である。ま
た、ハンドルブッシュ22の回転は、ハンドル48の直
径、ウオーム及びウオーム歯車の速比等の適切な設定に
より小さな力で簡単に行うことができる。
【0020】
【0021】
【発明の効果】請求項1に記載の本発明によれば、弁装
置のスプリングケースやキャップの外部から可調節ばね
の圧縮代を調節可能としているため、その調節に際し
て、かかる弁装置に備わっているスプリングケースのキ
ャップを外したりする等という面倒な作業が不要にな
り、非常に作業性の良いばね撓み調整装置を提供するこ
とができる。しかも、ウオーム及びウオーム歯車のセル
フロック作用のため、弁棒側の振動等によって可調節ば
ねの圧縮代が変化するようなことはなく、信頼性の高い
ばね撓み調整装置を提供することができる。また、回転
部材の回転量に応じて可調節ばねの圧縮代が決まり、可
調節ばねの圧縮代を実質的に無段階で精度良く調節する
ことができる。更に、請求項1に記載の本発明による
と、前記キャップは、前記スプリングケースの上方に配
設されると共に、軸方向移動部材はガイドプレートを介
してキャップに回転方向に関して固定されているため、
圧縮代の調節等の際に軸方向移動部材が傾いて関連部分
損傷を生じさせるようなことがなく、弁装置の安全性
能を確保することができる。
【0022】また、請求項2に記載の本発明によると、
可調節ばねの圧縮代の調節の際には、前記スプリングケ
ース及び前記キャップの外部において前記作動軸に接続
されたハンドルを軽く回すだけで、係合し合うセルフロ
ックのウオームとウオーム歯車、ひいては回転部材(ハ
ンドルブッシュ)を容易に回転させることができる。し
かも、本発明のばね撓み調整装置では、従来のものに実
質的に上述のハンドルと、作動軸と、減速装置とを付加
するだけでよいから、設定圧力での弁口の開放の安定
性、弁口の開放後の閉止圧力の安定性、及び耐シール性
等の弁装置特に安全弁の基本性能を損なうことなく、圧
縮代を調整可能である。
【0023】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態によるばね撓み調整装置
が組み込まれた安全弁の要部を示す断面図である。
【図2】 図1のII−II線に沿った断面図である。
【図3】 従来のばね撓み調整装置が組み込まれた安全
弁の要部を示す断面図である。
【符号の説明】
21…調節スリーブ(軸方向移動部材)、22…ハンド
ルブッシュ(回転部材)、23…ウオーム歯車(減速装
置を構成する回転伝達部材)、24…ウオーム(減速装
置を構成する回転伝達部材)、26…可調節ばね、28
…スプリングケース、32…ガイドプレート、38…キ
ャップ、38c…縦突条部、45…作動軸、48…ハン
ドル。
フロントページの続き (72)発明者 土屋 芳雄 神奈川県横浜市鶴見区大黒町11番1号 東京電力株式会社 横浜火力建設所内 (72)発明者 浜田 信義 福岡県北九州市門司区中町1番14号 岡 野バルブ製造株式会社内 (56)参考文献 特開 昭50−127228(JP,A) 実開 平6−10675(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16K 17/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 系内の流体の圧力が一定値以上になる
    と、キャップを有するスプリングケース内に収容された
    可調節ばねの圧縮力を利用して弁口が開く弁装置におい
    て、前記スプリングケースの内部に回転自在に配設され
    た回転部材と、該回転部材を前記スプリングケース及び
    前記キャップの外部から回転させるための駆動装置と、
    前記回転部材及び前記可調節ばねの間に介在し、前記回
    転部材の回転時に上動又は下動して前記可調節ばねの圧
    縮代を変化させる軸方向移動部材とを備え、前記駆動装
    置は、前記スプリングケース及び前記キャップの外部か
    ら前記弁装置の内部に延びる作動軸と、該作動軸により
    回転される複数の回転伝達部材を含む減速装置とを備
    え、前記複数の回転伝達部材は、前記作動軸に接続され
    たウオームと、該ウオームに係合すると共に前記回転部
    材の周囲に装着されたウオーム歯車とからなり、前記キ
    ャップは、前記スプリングケースの上方に配設されると
    共に、前記軸方向移動部材には、前記キャップの内周面
    に軸方向に移動可能に嵌合するガイドプレートが装着さ
    れていることを特徴とするばね撓み調整装置。
  2. 【請求項2】 前記駆動装置は、前記スプリングケース
    及び前記キャップの外部において前記作動軸に接続され
    たハンドルを備え、前記軸方向移動部材が前記回転部材
    の内部に配設されていることを特徴とする請求項1に記
    載のばね撓み調整装置。
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