JP2859575B2 - 消火システム - Google Patents

消火システム

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JP2859575B2
JP2859575B2 JP8025277A JP2527796A JP2859575B2 JP 2859575 B2 JP2859575 B2 JP 2859575B2 JP 8025277 A JP8025277 A JP 8025277A JP 2527796 A JP2527796 A JP 2527796A JP 2859575 B2 JP2859575 B2 JP 2859575B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は消火システムに係わ
り、特に、早期消火が可能であり、誤作動もなく、しか
も水損を最小限にとどめることができる消火システムに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の消火システムとしては、水泡系消
火設備や粉末・ガス系消火設備等が知られている。
【0003】水泡系消火設備の代表的なものとしてスプ
リンクラ消火装置が挙げられる。このスプリンクラ消火
装置は、消火剤として水や泡を使用するものであり、天
井などに付設された配管上に複数のスプリンクラヘッド
が配置されている。このスプリンクラヘッドは熱によっ
て溶解する可溶部(デフレクタ)を有し、火災が発生し
て温度が上昇すると、この可溶部が溶解し又は破壊され
る。可溶部が溶解等すると、配管中に常時加圧されてい
る水や泡がスプリンクラヘッドから放出されて自動的に
消火を行うものである。すなわち、このスプリンクラ消
火装置は、火災が発生してその炎が天井まで達した後、
この炎の熱によってスプリンクラヘッドの可溶部が溶解
等することによって作動するようになっている。
【0004】また、粉末・ガス系消火設備は、消火剤と
して粉末やガスを使用するものである。この消火設備
は、粉末やガスを消火剤として使用する関係上、ある程
度気密性を備えた空間内での消火に使用されるものであ
る。具体的には、コンピュータルーム、地下駐車場、電
気室等に使用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来のスプリンクラ消火装置は、火災による炎が天井に達
してスプリンクラヘッドの可溶部が溶解することによっ
て作動するものであるために、装置が作動した時点では
既に火災が広範囲にわたっている可能性がある。このよ
うな場合には、スプリンクラ消火装置の作動によって消
火に成功したとしても、火災による被害は多大なものと
なり、特に、消火対象区域内に高価な商品等が貯蔵、製
造等されている場合には、その被害は計り知れない。さ
らに、一斉開放型のスプリンクラ消火装置、すなわち1
つのスプリンクラヘッドが作動すると他のすべてのスプ
リンクラヘッドが作動するタイプのスプリンクラ消火装
置の場合には、まだ延焼していない場所にある商品等に
も水が放射されることなり、その被害(水損)が拡大し
てしまうという問題がある。
【0006】また、一旦発火すると消火しにくい物質が
消火対象区域内に存在する場合には、炎が発生する前に
消火装置を作動させる必要がある。ところが、上述した
ように従来のスプリンクラ消火装置は炎が発生しなけれ
ば作動しないために、このような消火しにくい物質が存
在する区域には適用することができない。特に、非常に
燃えやすい物質の場合には延焼速度が極めて早くなるの
で、従来のスプリンクラ消火装置では火災による被害が
甚大なものとなる恐れがある。
【0007】さらに、従来のスプリンクラ消火装置は、
加圧状態の消火剤が常にスプリンクラヘッドまで充填さ
れているため、火災以外の何らかの原因によってスプリ
ンクラヘッドが破損した場合には加圧された消火剤が放
出されてしまう可能性がある。このようにスプリンクラ
消火装置の誤作動によって消火剤が放出されると、消火
対象区域内にある商品等が水損等による被害を受けるこ
とになり、特に、水損を受けやすい高価な商品の場合に
はその被害が多大なものとなってしまう。
【0008】また、従来の粉末・ガス系消火設備は、消
火剤として粉末やガスを使用する関係上、その適用対象
が気密空間に限られるばかりでなく、消火剤の取扱いが
極めて不便であるという問題がある。
【0009】また、火災の早期発見と早期消火を達成す
るために、消火対象区域内に複数の煙感知器を設け、こ
れらの煙感知器による煙検知信号を利用して消火設備を
作動させる方法が考えられる。例えば、図6に示したよ
うに、消火対象区域Dを形成する複数の放射区域d1、
d2、d3、d4内に各1台の煙感知器100を設け
る。そして、火災発生地点Pから煙が発生し、この煙を
4台の煙感知器100のうちのいずれかが感知したら煙
検知信号を発信する。煙感知信号が発せられたら、図7
に示したように、消火対象区域D内に設けられた複数の
放出ヘッド101のすべてを作動させて消火対象区域D
の全体、すなわち放射区域d1、d2、d3、d4のす
べてに対して消火剤を放出する。ところが、この方法で
は、火災発生地点P以外の非延焼部分に対しても消火剤
を放出してしまい、消火対象区域D内にあるすべての商
品が水損を受けてしまうという問題がある。また、煙感
知器100が誤作動によって煙検知信号を発した場合で
も消火剤が放出されてしまい、水損が発生する恐れがあ
る。
【0010】そこで、本発明の目的は、上述した種々の
問題を解消し、火災を早期に発見して直ちに消火できる
と共に、消火剤による水損を最小限にとどめることがで
き、さらに、誤作動による水損を確実に防止できる消火
システムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による消火システ
ムは、煙を検知した場合に煙検知信号を発信する複数の
煙感知手段と、少なくとも2つの前記煙感知手段からの
煙検知信号を受信した場合に放出信号を発信する制御手
段と、前記放出信号に応じて作動して消火剤を放出する
消火手段とを備えている。
【0012】そして、本発明による消火システムは、前
記制御手段は、いずれか1つの前記煙感知手段からの煙
検知信号を受信した場合に待機信号を発信する第1の制
御手段と、他のいずれか1つの前記煙感知手段からの煙
検知信号を受信した場合に放出信号を発信する第2の制
御手段とを有し、前記消火手段は、消火剤を輸送する輸
送ラインと、この輸送ラインの途中に設けられ、前記待
機信号に応じて開放する第1の弁手段と、この第1の弁
手段よりも下流側の前記輸送ラインに設けられ、前記放
出信号に応じて開放する第2の弁手段とを有することを
特徴とする。
【0013】また、本発明による消火システムは、前記
消火システムは、煙検知信号を発信した煙感知手段を特
定する判別手段を備え、前記消火システムの消火対象区
域を形成する複数の放射区域のそれぞれに複数の前記煙
感知器を設け、前記第1の弁手段よりも下流側の前記輸
送ラインを分岐させて複数の分岐ラインを形成し、前記
複数の分岐ラインのそれぞれに前記第2の弁手段を設
け、前記複数の分岐ラインを前記複数の放射区域に分配
し、前記第2の制御手段は、共通する放射区域に設けら
れた少なくとも2つの前記煙感知手段からの煙検知信号
を受信した場合に、前記共通する放射区域に分配された
前記分岐ラインの前記第2の弁手段に対して放出信号を
発信するようにしたことを特徴とする。
【0014】また、本発明による消火システムは、前記
制御手段は、前記放出信号の発信回数を計算する回数演
算手段と、前記発信回数の最大値を設定する回数設定手
段とを有し、前記発信回数が前記最大値になった場合に
は放出信号を発信しないようにしたことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】第1の実施形態 以下、本発明による消火システムの第1実施形態につい
て、図1乃至図4を参照して説明する。図1は、本実施
形態による消火システムの概略系統図であり、図1にお
いて符号1は内部に消火剤を貯えた消火剤貯蔵タンクで
ある。ここで、消火剤には水、泡薬剤等の消火剤を使用
し、例えば消火対象がガソリン等の石油火災である場合
には泡薬剤を使用する。
【0016】また、消火剤貯蔵タンク1内の消火剤の中
に吸い込み配管2の入口端が没しており、この吸い込み
配管2の出口端は消火用ポンプ装置3に接続されてい
る。この消火用ポンプ装置3には、消火剤貯蔵タンク1
から吸い上げた消火剤を吐出する吐出配管4の入口端が
接続されている。この吐出配管4の途中には仕切弁5が
設けられており、この仕切弁5は常時開放されている。
仕切弁5よりも上流側(消火用ポンプ装置3側)には逆
止弁6が設けられており、この逆止弁6は下流側から上
流側への消火剤の逆流を防止している。逆止弁6と消火
用ポンプ装置3との間の吐出配管4には、分岐配管7を
介して呼水槽8が接続されている。また、仕切弁5より
も下流側の吐出配管4には、分岐配管9を介して起動用
圧力空気槽10が接続されており、分岐配管9の途中に
は常時開放されている仕切弁11が設けられている。
【0017】吐出配管4の出口端には第1弁装置12が
設けられており、この第1弁装置12は、常時開放され
ている仕切弁13を有し、この仕切弁13の下流側には
流水を検知するアラーム弁14が設けられている。この
アラーム弁14のさらに下流側には第1一斉開放弁15
が設けられており、この第1一斉開放弁15には吐出配
管4から分岐した第1起動用配管16の一端が接続され
ている。この第1起動用配管16の途中には、第1一斉
開放弁15を作動させる際に開放する第1起動用電磁弁
17が設けられている。
【0018】第1一斉開放弁15の出口側には輸送配管
18の入口端が接続されており、この輸送配管18の途
中には常時開放されている仕切弁19が設けられてい
る。この仕切弁19と第1一斉開放弁15との間の輸送
配管18にはテスト回路20が設けられている。
【0019】仕切弁19よりも下流側の輸送配管18に
は3本の分岐配管21a、21b、21cが接続されて
おり、これらの分岐配管21a、21b、21cの途中
には第2一斉開放弁22a、22b、22cがそれぞれ
設けられている。また、これらの第2一斉開放弁22
a、22b、22cには、分岐配管21a、21b、2
1cからさらに分岐した第2起動用配管23a、23
b、23cの一端が接続されている。これらの第2起動
用配管23a、23b、23cの途中には、第2一斉開
放弁22a、22b、22cを作動させる際に開放する
第2起動用電磁弁24a、24b、24cが設けられて
いる。
【0020】第2一斉開放弁22a、22b、22cよ
りも下流側の分岐配管21a、21b、21cの途中に
は、常時開放されたテスト用仕切弁25a、25b、2
5cが設けられている。これらのテスト用仕切弁25
a、25b、25cと第2一斉開放弁22a、22b、
22cとの間の分岐配管21a、21b、21cには、
テスト用配管26a、26b、26cを介して常時閉止
されたテスト用弁27a、27b、27cが設けられて
いる。
【0021】テスト用仕切弁25a、25b、25cよ
りも下流側の分岐配管21a、21b、21cには、さ
らに分岐した各4本の放出配管28a、28b、28c
が接続されている。これらの放出配管28a、28b、
28cの出口端には、消火剤を放出する放出ヘッド29
a、29b、29cが設けられている。
【0022】さらに、本実施形態による消火システム
は、消火対象区域の天井付近に設けられた複数の煙感知
器30を備えており、これらの煙感知器30は信号ライ
ンを介して制御装置31に接続されている。また、第1
起動用電磁弁17、第2起動用電磁弁24a、24b、
24c、起動用圧力空気槽10及び消火用ポンプ装置3
も、信号ラインを介して制御装置31に接続されてい
る。さらに、制御装置31には信号ラインを介して火災
報知装置32が接続されている。なお、煙感知器30は
その感度を調節することが可能であり、消火対象区域内
にある商品の性質等(火災時に発生する煙の濃度等)に
応じて適宜調節する。
【0023】図2は本実施形態による消火システムの概
略系統を示した平面図であり、この図から分かるよう
に、複数の煙感知器30は所定の配置で設けられてい
る。すなわち、消火対象区域D内の4つの放射区域d
1、d2、d3、d4の中央部Aに合計4台の煙感知器
30が設けられており、また、放射区域d1と放射区域
d3との境界、及び放射区域d2と放射区域d4との境
界のそれぞれの中間部Bに合計2台の煙感知器30が設
けられ、さらに、消火対象区域Dの中央部Cに1台の煙
感知器30が設けられている。
【0024】次に、本実施形態による消火システムの作
用について説明する。通常時においては、図1に示した
逆止弁6から第1一斉開放弁15までの吐出配管4、及
び吐出配管4から分岐した第1起動用配管16のそれぞ
れの内部には加圧された消火剤が充填されている。ま
た、吐出配管4から分岐した分岐配管9及びこの分岐配
管9の一端に接続された起動用圧力空気槽10にも、加
圧された消火剤の圧力がかかっている。一方、第1一斉
開放弁15よりも下流側にある輸送配管18、分岐配管
21a、21b、21c、放出配管28a、28b、2
8c等は、通常時は空配管である。また、消火用ポンプ
装置3は、通常時は停止している。
【0025】次に、火災が発生した場合について説明す
る。ここで、図3に示したように放射区画d1内の地点
Pにおいて火災が発生したものと仮定する。
【0026】地点Pにおいて火災が発生すると、この火
災による煙が天井まで上昇する。天井に達した煙は、天
井の表面に沿って放射方向に拡散する。放射方向に拡散
した煙は、まず、消火対象区域Dの中央部Cにある煙感
知器30に到達し、この煙感知器30は煙を検知して第
1の煙検知信号を発信する。ここで、各煙感知器30
は、内部にマイクロチップを備えており、各煙感知器3
0毎の固有の信号を発信することができる。つまり、個
々の煙感知器30が独自のアドレスを有している。そし
て、第1の煙検知信号は信号ラインを経由して制御装置
31に伝送され、第1の煙検知信号を受信した制御装置
31は警報信号を発信する。
【0027】この警報信号は信号ラインを経由して火災
報知装置32に伝送され、警報信号を受信した火災報知
装置32は第1の警報を発する。この第1の警報は、音
声によって火災の発生を知らせるようにすることができ
る。音声の内容は、例えば、「火災対象区域Dにおいて
火災が発生しました。」のようにすることができる。
【0028】火災発生からさらに時間が経過すると、天
井に沿って放射方向に拡散した煙が、放射区域d1と放
射区域d3との境界の中間部Bにある煙感知器30に達
し、この煙感知器30は煙を検知して第2の煙検知信号
を発信する。この第2の煙検知信号は信号ラインを経由
して制御装置31に伝送され、第2の煙検知信号を受信
した制御装置31は待機信号を発信する。
【0029】この待機信号は信号ラインを経由して火災
報知装置32に伝送され、待機信号を受信した火災報知
装置32は第2の警報を発する。この第2の警報も第1
の警報と同様に音声とすることができ、例えば、「火災
発生場所は火災対象区域D内の放射区域d1又は放射区
域d2です。」のようにすることができる。
【0030】一方、制御装置31からの待機信号は、信
号ラインを経由して第1起動用電磁弁17に伝送され、
待機信号の受信によって電圧が印加されて第1起動用電
磁弁17が開放される。第1起動用電磁弁17が開放さ
れると、第1起動用配管16等の内部にある加圧状態の
消火剤が第1一斉開放弁15に送られ、送られた消火剤
の圧力によって第1一斉開放弁15が開放される。
【0031】また、第1起動用電磁弁17、第1一斉開
放弁15が開放されると、第1起動用電磁弁17よりも
上流側の吐出配管4内の消火剤の圧力が低下し、吐出配
管4に接続された分岐配管9内の消火剤の圧力も同時に
低下する。すると、起動用圧力空気槽10内の圧力も低
下し、この圧力が所定値以下に達すると起動用圧力空気
槽10は圧力低下信号を発信する。この圧力低下信号は
信号ラインを経由して制御装置31に伝送され、圧力低
下信号を受信した制御装置31はポンプ起動信号を発信
する。このポンプ起動信号は信号ラインを経由して消火
用ポンプ装置3に伝送され、この消火用ポンプ装置3が
起動される。
【0032】消火用ポンプ装置3が起動されると、吸い
込み配管2を介して消火剤貯蔵タンク1から吸い上げら
れた消火剤が、吐出配管4を経由して開放状態の第1一
斉開放弁15に送られ、さらに、輸送配管18及び分岐
配管21a、21b、21cを経由して、第2一斉開放
弁22a、22b、22c及び第2起動用電磁弁24
a、24b、24cの下流側まで送られて加圧状態とな
る。
【0033】そして、火災発生からさらに時間が経過す
ると、火災による煙は放射区域d1の中央部Aにある煙
感知器30に到達し、この煙感知器30が第3の煙検知
信号を発信する。この第3の煙検知信号は信号ラインを
経由して制御装置31に伝送される。
【0034】第3の煙検知信号を受信した制御装置31
は、既に受信している第1及び第2の煙検知信号及び今
回受信した第3の煙検知信号を発信した合計3台の煙感
知器30が、4つの放射区域d1、d2、d3、d4の
うちのいずれの区域にあるかを判断する。ここで、B点
及びC点に設けられている3台の煙感知器30について
は、隣接するいずれの区域にも属しているものとする。
そして、制御装置31は、第1、第2及び第3の煙検知
信号を発信した3台の煙感知器30のすべてが同一の放
射区域に属すると判断したら、その放射区域を火災発生
区域と特定して第1の放出信号を発信する。本ケースに
おいては放射区域d1が火災発生区域として特定され
る。
【0035】第1の放出信号は、信号ラインを経由して
放射区域d1用の第2起動用電磁弁24aに送られ、第
1の放出信号の受信によってこの第2起動用電磁弁24
aが開放される。この第2起動用電磁弁24aが開放さ
れると、加圧された消火剤が放射区域d1用の第2一斉
開放弁22aに供給され、この第2一斉開放弁22aが
開放される。第2一斉開放弁22aが開放されると、放
出配管28aを経由して放射区域d1用の放出ヘッド2
9aに消火剤が供給され、図4に示したように、放出ヘ
ッド29aから放射区域d1に対して消火剤が放出され
る。そして、放出ヘッド29aから放出された消火剤
は、地点Pで発生した火災を消火する。
【0036】一方、第1の放出信号は信号ラインを経由
して火災報知装置32に伝送され、第1の放出信号を受
信した火災報知装置32は第3の警報を発する。この第
3の警報も第1及び第2の警報と同様に音声とすること
ができ、例えば、「火災対象区域Dの放射区域d1で消
火剤を放出しました。」のようにすることができる。
【0037】また、火災発生からさらに時間が経過する
と、消火する前に既に発生していた煙が、放射区域d3
の中央部Aに設置された煙感知器30に達し、この煙感
知器30から第4の煙検知信号が制御装置31に送られ
る。この場合には、制御装置31は、既に放射区域d1
の第2起動用電磁弁24に対して第1の放出信号を発信
していることを条件として、さらなる放出信号を発しな
いこととする。つまり、制御手段31に、放出信号の発
信回数を計算する回数演算手段と、発信回数の最大値を
設定する回数設定手段とを設ける。そして、回数設定手
段によって発信回数の最大値を1回に設定し、回数演算
手段によって計算された発信回数が1となった場合には
さらなる放出信号を発信しないようにする。
【0038】以上述べたように本実施形態による消火シ
ステムによれば、火災の発生を煙によって感知して消火
剤を放出するようにしたので、火災発生後の初期段階に
おける消火が可能であり、火災による被害を最小限にく
い止めることができると共に、消火に要する消火剤の量
も最小限にすることができる。特に、一旦発火すると消
火しにくい物質が消火対象区域D内に存在する場合に
は、この防災システムは極めて有効である。
【0039】また、本実施形態による防災システムは、
通常時においては消火剤が放出ヘッドまで達していない
ので、放出ヘッド等が破損した場合でも消火剤が誤って
放出される恐れがない。また、通常時においては第1一
斉開放弁15及び第2一斉開放弁22a、22b、22
cによって二重の障壁を構成しているので、これらの弁
の一方が何らかの理由で破損した場合でも消火剤が誤っ
て放出されることはなく、誤放出の可能性が極めて低く
抑えられている。
【0040】また、本実施形態による防災システムは、
消火剤として水を使用することができるので、その適用
対象が気密空間に限られるということがない。
【0041】また、本実施形態による防災システムによ
れば、消火対象区域Dを構成する4つの放射区域d1、
d2、d3、d4のうち、火災発生地点Pが属する1つ
の放射区域のみに対して消火剤を放出することができる
ので、消火剤の放出による水損を最小限に抑えることが
できる。
【0042】また、本実施形態の第1の変形例として、
4つの放射区域d1、d2、d3、d4のうちの2つま
でに対して消火剤を放出可能とすることもできる。つま
り、回数設定手段によって発信回数の最大値を2回に設
定し、回数演算手段によって計算された発信回数が2と
なった場合にはさらなる放出信号を発信しないようにす
る。
【0043】次に、本変形例の作用について、引き続き
図3を参照して説明する。消火する前に既に発生してい
た煙が、放射区域d3の中央部Aに設置された煙感知器
30に達し、この煙感知器30から第4の煙検知信号が
制御装置31に送られた場合に、制御装置31は第2の
放出信号を発信する。この第2の放出信号は信号ライン
を経由して放射区域d3用の第2起動用電磁弁24cに
送られ、第2の放出信号の受信によってこの第2起動用
電磁弁24cが開放される。この第2起動用電磁弁24
cが開放されると、加圧された消火剤が放射区域d3用
の第2一斉開放弁22cに供給され、この第2一斉開放
弁22cが開放される。第2一斉開放弁22cが開放さ
れると、放出配管28cを経由して放射区域d3用の放
出ヘッド29cに消火剤が供給され、放出ヘッド29c
から放射区域d3に対して消火剤が放出される。
【0044】そして、煙がさらに拡散して放射区域d2
のB点及びA点にある煙感知器30に達し、これらの煙
感知器30から制御装置31に対してさらなる煙検知信
号が送られた場合は、既に2回の放出信号を発信してい
るので、制御装置31はさらなる放出信号(第3の放出
信号)を発信しない。
【0045】このように消火剤の放出を2つの放射区域
まで可能とすれば、ガソリンのように延焼速度が極めて
早い物質の火災の場合でも、確実に消火することができ
る。
【0046】また、本実施形態の第2の変形例として、
制御手段31を、前記第1の煙検知信号を受信した場合
に、前記警報信号と前記待機信号の両方の信号を発信す
るようにすることもできる。そして、前記第2の煙検知
信号を受信した場合には、制御手段31は待機信号に代
えて第2の警報信号を火災報知装置32に発信し、第2
の警報信号を受信した火災報知装置32は前記第2の警
報を発するようにする。
【0047】また、本実施形態の第3の変形例として、
放射区域をさらに細分化して、細分化されたそれぞれの
区域毎に消火剤を放射できるようにすることもできる。
このようにすれば、消火剤による水損をさらに低減する
ことができる。
【0048】第2の実施形態 次に、本発明による消火システムの第2実施形態につい
て、図5を参照して説明する。なお、前記第1実施形態
と同一部材には同一符号を付して詳細な説明は省略す
る。
【0049】本実施形態は、図1に示した前記第1実施
形態の第1弁装置12を変更したものであり、図5は本
実施形態における第1弁装置50を示している。この第
1弁装置50は、第1一斉開放弁15と第1起動用電磁
弁17との間の第1起動用配管16の途中にチャンバー
51を有している。さらに、このチャンバー51の上流
側にはオリフィス52が設けられている。
【0050】このように本実施形態における第1弁装置
50はチャンバー51及びオリフィス52を備えている
ので、第1起動用電磁弁17が開放された場合、第1一
斉開放弁15への加圧された消火剤の供給が緩やかにな
り、したがって水圧の上昇が緩やかとなって第1一斉開
放弁15の開放速度が減速される。このため、第1一斉
開放弁15の開放に伴って生じる水撃(ウォータハンマ
ー)、具体的には第2一斉開放弁22a、22b、22
c、22d及び第2起動用電磁弁24a、24b、24
c、24dへの水撃を防止することができる。
【0051】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、火災
を早期に発見して直ちに消火できると共に、消火剤によ
る水損を最小限にとどめることができ、さらに、誤作動
による水損を確実に防止できる消火システムを提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による消火システムの第1実施形態の概
略を示した系統図。
【図2】同実施形態の平面図。
【図3】同実施形態の作用を説明するための平面図。
【図4】同実施形態の作用を説明するための側面図。
【図5】本発明による消火システムの第2実施形態の第
1弁装置を示した系統図。
【図6】従来の消火システムの構成及び作用を説明する
ための平面図。
【図7】従来の消火システムの構成及び作用を説明する
ための側面図。
【符号の説明】
1 消火剤貯蔵タンク 2 吸い込み配管 3 消火用ポンプ装置 4 吐出配管 5、11、13、19 仕切弁 6 逆止弁 7、9、21a、21b、21c 分岐配管 8 呼水槽 10 起動用圧力空気槽 12、50 第1弁装置 14 アラーム弁 15 第1一斉開放弁 16 第1起動用配管 17 第1起動用電磁弁 18 輸送配管 20 テスト回路 22a、22b、22c、22d 第2一斉開放弁 23a、23b、23c、23d 第2起動用配管 24a、24b、24c、24d 第2起動用電磁弁 25a、25b、25c、25d テスト用仕切弁 26a、26b、26c テスト用配管 27a、27b、27c テスト用弁 28a、28b、28c 放出配管 29a、29b、29c、29d 放出ヘッド 30 煙感知器 31 制御装置 51 チャンバー 52 オリフィス

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】煙を検知した場合に煙検知信号を発信する
    複数の煙感知手段と、少なくとも2つの前記煙感知手段
    からの煙検知信号を受信した場合に放出信号を発信する
    制御手段と、前記放出信号に応じて作動して消火剤を放
    出する消火手段と、を備え、 前記制御手段は、いずれか1つの前記煙感知手段からの
    煙検知信号を受信した場合に待機信号を発信する第1の
    制御手段と、他のいずれか1つの前記煙感知手段からの
    煙検知信号を受信した場合に放出信号を発信する第2の
    制御手段とを有し、 前記消火手段は、消火剤を輸送する輸送ラインと、この
    輸送ラインの途中に設けられ、前記待機信号に応じて開
    放する第1の弁手段と、この第1の弁手段よりも下流側
    の前記輸送ラインに設けられ、前記放出信号に応じて開
    放する第2の弁手段とを有することを特徴とする消火シ
    ステム。
  2. 【請求項2】前記消火システムは、煙検知信号を発信し
    た煙感知手段を特定する判別手段を備え、 前記消火システムの消火対象区域を形成する複数の放射
    区域のそれぞれに複数の前記煙感知器を設け、 前記第1の弁手段よりも下流側の前記輸送ラインを分岐
    させて複数の分岐ラインを形成し、前記複数の分岐ライ
    ンのそれぞれに前記第2の弁手段を設け、前記複数の分
    岐ラインを前記複数の放射区域に分配し、 前記第2の制御手段は、共通する放射区域に設けられた
    少なくとも2つの前記煙感知手段からの煙検知信号を受
    信した場合に、前記共通する放射区域に分配された前記
    分岐ラインの前記第2の弁手段に対して放出信号を発信
    するようにしたことを特徴とする請求項1記載の消火シ
    ステム。
  3. 【請求項3】前記制御手段は、前記放出信号の発信回数
    を計算する回数演算手段と、前記発信回数の最大値を設
    定する回数設定手段とを有し、前記発信回数が前記最大
    値になった場合には放出信号を発信しないようにしたこ
    とを特徴とする請求項2記載の消火システム。
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