JP2859381B2 - 入出者計数装置 - Google Patents

入出者計数装置

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JP2859381B2
JP2859381B2 JP2158371A JP15837190A JP2859381B2 JP 2859381 B2 JP2859381 B2 JP 2859381B2 JP 2158371 A JP2158371 A JP 2158371A JP 15837190 A JP15837190 A JP 15837190A JP 2859381 B2 JP2859381 B2 JP 2859381B2
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polling
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儀三 芝野
晴一 樋口
治夫 鈴木
幸雄 中山
達朗 今田
幸夫 東郷
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Enu Tei Tei Komyunikeeshon Uea Kk
Sumiden Opcom Ltd
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Enu Tei Tei Komyunikeeshon Uea Kk
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は入出者計数装置に関し、さらに詳細にいえ
ば、とう道、トンネル、地下構造物、建築物内等の閉じ
た空間において、当該空間を適当な領域に区分けし、そ
れぞれの領域に入っている人の存在を検知し、識別する
ことができる入出者計数装置に関する。
〈従来の技術と発明が解決しようとする課題〉 ケーブル等を布設するとう道、地下トンネル、地下
室、あるいは建築物等の中の閉じた空間は、必要に応じ
人間が出入りして仕事や作業を行う閉空間系として捕ら
えることができる。
閉空間内の仕事は、外部から観察しにくく、入構者が
内部に取り残されたりすると、重大事故に繋がりかねな
い。このため、閉空間のどの領域に何人の人が、あるい
はだれが入っているかを常時観察把握しておくことは非
常に重要である。また、入構者の存在場所の近辺に火災
事故などの異常事態が発生した場合、それを外部に知ら
せ、何等かの手段を講ずるようにするのも重要である。
このため、とう道等閉空間を管理する企業体では管理
センターを設け、閉空間内の各領域での入構者の数や彼
等の識別番号(ID)を観察把握するようにしている。
すなわち、従来では、第23図に示すように、とう道1
を適当な領域に区分けして各領域の境目に赤外線カウン
タ61,62,63,…を設け、その前を人が通過するのをカウ
ントし、各カウンターのカウント数を処理して各領域に
存在する人数を管理していた。
このシステムは、簡単な赤外線カウンターを使用して
いるという点で経済性の面では有利であるが、人間の行
動は複雑であって、1つのカウンターの前を何回も往復
したり、複数人が並んでカウンターを横切ってしまう
と、各領域における入構者数が計算と合わなくなってく
る。その他、機械がカウンターの前を横切ってもカウン
トミスを起こす。このような誤りを起こすと、システム
の目的を達成しなくなる。
そこで、各入構者に無線送信ターミナルを所持させ、
構内の各領域に受信アンテナを設置し、無線送信ターミ
ナルの発する電流を最も強く受信した受信アンテナに対
応する領域に入構者の位置を推定することも考えられ
る。
しかし、この方式では、電波がとう道、トンネル内で
ほとんど減衰せず遠方まで伝わると考えられるので、入
構者の所持する無線送信ターミナルから発する電波が多
数の受信アンテナにより受信され、入構者の位置を決定
することが困難となる。電波がフェージングを起こすと
なお困難になる。
無線送信ターミナルから音声を通じて現在位置を知ら
せることも考えられるが、音声無線送信機を多数用意す
るのにコストがかかる上、入構者に繁雑な作業を強いる
ことになり、実用性はほとんどない。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、そ
の目的とするところは、地下構造物、建築物内部等の閉
じた空間内において、入構者がどの領域にいるかを、入
構者に繁雑な作業を要求せず、かつ正確に検知すること
のできる入出者計数装置を提供することにある。
〈課題を解決するための手段および作用〉 上記の目的を達成するための請求項1記載の入出者計
数装置は、第1図に示すように、各入構者に、閉じた空
間内を伝搬できる最低周波数fc以下の周波数で電磁波
(電磁波は磁界と電界とが交互に変動するので、磁界の
波ととらえることもできる。したがって、以下、電磁波
を表すのに、「交流磁界」又は「磁界」とう表現を用い
ることがある。)を発生させる送信機ターミナル4を所
持させ、とう道等の閉空間1の中を空間内の道に沿って
垂直に複数の領域に仕分けし、それぞれの領域内に道と
ほぼ平行になるように、誘導線ループアンテナ3を設置
し、誘導ループアンテナ3に発生した誘起電圧をアンテ
ナ制御器8において中間周波数の信号(以下「中間周波
信号」という)に周波数変換して信号伝送線5から中央
管理装置6まで当該中間周波信号を導くようにしたもの
である。
誘導線ループアンテナ3は、誘導界を受信できるなら
ば、閉空間1の形状等に応じてどの位置に設置してもよ
い。例えば第2図(a)に示すように閉空間1の天井に
沿って設置してもよいし、同図(b)に示すように両側
壁に沿って設置してもよい。同図(c)に示すように、
閉空間1の底面に沿って設置してもよく、同図(d)に
示すように片側壁に沿って設置してもよい。特に、同図
(c)のように底面に近い位置では、事故時に送信機タ
ーミナル4を持った入構者が転倒したときでも、確実に
検知できるので好ましい。
送信機ターミナル4は、第3図に示すように、上記最
低周波数fc以下の周波数fの交流を発生する駆動器41
と、アンテナ42とを有するもので、fc以下の周波数fで
アンテナ42を駆動することによってアンテナ43から交流
磁界Hが発生する。交流磁界Hは誘導界であって、第4
図に示すように距離Dとともに急激に強度が減衰する特
性を持っている。
以上のような構成であるから、送信機ターミナル4か
ら発生する磁界Hは、その局所性により、入構者の位置
する領域に設置された誘導線ループアンテナ3のみと鎖
交して誘導線ループアンテナ3に電圧を誘起する。中央
管理装置6では、アンテナ制御器8から信号伝送線5を
介して伝送される中間周波信号に基づいて、電圧が誘起
された誘導線ループアンテナ3を識別して、その誘導線
ループアンテナ3が設置されている領域を入構者の存在
領域として特定することができる。
また、アンテナ制御器8において、誘導線ループアン
テナ3に誘起された信号電圧を中間周波信号に周波数変
換していることにより、信号伝送線5における伝送効率
を向上することができ、このため信号伝送線5には信号
減衰の大きなケーブルを適用することができる。
請求項2記載の入出者計数装置の電気的構成は、第5
図に示されている。この第5図において、前述の第1図
に示された各部と同等の部分には同一の参照符号を付し
て示す。この入出者計数装置では、中央管理装置6と複
数のアンテナ制御器8との間は、共通の信号伝送線5を
介して接続されている。すなわち、信号伝送線5に対し
て複数のアンテナ制御器8が枝線9により接続された分
岐構成となっている。中央管理装置とアンテナ制御器8
との間の信号の授受は、ポーリング方式によって行われ
る。このため各アンテナ制御器8にはそれぞれにアドレ
スが付されており、中央管理装置は、信号伝送線5の中
のポーリング信号回線11に、いずれかのアンテナ制御器
8のアドレスを指定したポーリング信号を導出する。
各アンテナ制御器8では、自己のアドレスと上記ポー
リング信号中のアドレスとを照合して、この2つのアド
レスが一致したときには、自己のアドレスを含む応答信
号を信号伝送線5の中の応答信号回線12に導出する。
信号伝送線5はさらに送信機ターミナル4(第5図で
は図示が省略されている。)により誘導線ループアンテ
ナ3に誘起された電圧を中間周波数に変換して得た前述
の中間周波信号の伝送のためのターミナル信号回線13を
有している。そしてアンテナ制御器8は、当該アンテナ
制御器8とターミナル信号回線13との間を接続/遮断す
る図外の切替器を備えており、この切替器は、前述のポ
ーリング信号中のアドレスと自己のアドレスとが一致し
たときに当該アンテナ制御器とターミナル信号回線13と
の間を接続する。
このような構成によれば、信号伝送線5を共用してい
るので、信号伝送線の数を減少させることができる。
なお、第5図の構成では、ポーリング信号回線、応答
信号回線およびターミナル信号回線はそれぞれ別々の伝
送路を設けて実現しているが、1条の伝送路で各信号を
周波数多重により伝送するようにしてもよい。
上記請求項2記載の構成において、上記中央管理装置
は、各領域ごとに検知した送信機ターミナル数を記憶し
た管理テーブルを備え、この管理テーブルに記憶された
過去の送信機ターミナル数のデータに応じて、上記ポー
リング信号に含まれるアドレス変更の時間間隔を決定す
ることが好ましい。
送信機ターミナルからのデータの送出は、所定の時間
間隔で行われるので、1つの送信機ターミナルからの送
信データを確実に取得しようとすれば、中央管理装置
は、或る期間はアンテナ制御器からの中間周波信号の受
信を続けなければならない。送信機ターミナルの数が多
くなれば、受信観察時間はさらに長くなる。一方、1つ
の領域には幾つの送信機ターミナルが入っているか判ら
ないので、送信機ターミナルの検知漏れをなくそうとす
れば、各領域毎の受信観察時間を多めに設定する必要が
ある。しかし、これでは一通りの送信機ターミナルを観
察するのに多くの時間がかかってしまう。そこで、各領
域に入っている送信機ターミナル数は、短時間で急速に
変動しないとの予測のもとに、過去の(好ましくは直前
の)送信機ターミナル数のデータに応じて、当該領域の
受信観察時間を決定すれば、全体の受信観察時間を減ら
すことができる。
上記の構成では、ポーリング信号中に含まれるアドレ
スの変更の時間間隔を、送信機ターミナル数のデータに
基づいて決定することとして、上記の受信観察時間を決
定している。
上記のように管理テーブルに記憶された送信機ターミ
ナル数のデータに応じてアドレスの変更の時間間隔の決
定により受信観察時間を決定する場合に、管理テーブル
において送信機ターミナル数が零となっている領域につ
いてその観察時間をたとえば零としてしまうと、以後そ
の領域の観察が行われないことになるので、その後に当
該領域内に送信機ターミナルが入ってきた場合でも、こ
れを検知することができなくなってしまう。したがっ
て、送信機ターミナル数が零となっている領域に関して
も少なくとも1つの送信機ターミナルが検知できる程度
の時間は受信観察を行う必要がある。このため、受信観
察時間の短縮には限界がある。
そこで、上記の構成において、上記アンテナ制御器
は、誘導線ループアンテナに誘起される信号電圧を常時
監視して各領域における送信機ターミナルからの送信の
有無を検出する検出手段を有するとともに、この検出手
段で検出された情報を上記応答信号中に含ませるもので
あり、 上記中央管理装置は、アンテナ制御器を順次指定して
上記中間周波信号を受信するに当たり、上記応答信号中
に送信機ターミナルからの送信がないことを示す情報が
含まれているときには、当該アンテナ制御器からの中間
周波信号の観察をスキップして次のアンテナ制御器につ
いての上記中間周波信号の観察を行うことが好ましい。
このようにすれば、送信機ターミナル数が実際に零で
あるかどうかにより、各領域についての受信観察を行う
かどうが設定されるので、送信機ターミナルが存在して
いない領域については受信観察を省略して、全体の受信
観察時間を一層短縮することができる。
また、上記請求項2記載の構成において、上記信号伝
送回線は上記ターミナル信号回線を複数系統備え、 上記中央管理装置は、上記各アンテナ制御器毎にいず
れかの系統のターミナル信号回線を指定したポーリング
信号を上記ポーリング信号回線に導出し、 アンテナ制御器が備える上記切替器は、当該アンテナ
制御器のアドレスを指定したポーリング信号を受信した
ときに、上記中間周波信号を当該ポーリング信号におい
て指定された系統のターミナル信号回線に導出させるも
のであることが好ましい。
このような構成であれば、中央管理装置では、複数の
アンテナ制御器から同時に上記中間周波信号を受信でき
るので、複数の領域に関する受信観察をいわば並列的に
行って、全体の受信観察時間を減らすことができる。
さらに、請求項2記載の構成において、上記複数のア
ンテナ制御器をグループ分けし、各グループを構成する
アンテナ制御器に共通アドレスを付与し、 上記中央管理装置がいずれかのグループの共通アドレ
スを指定したポーリング信号を導出したときには、当該
共通アドレスが付与されたグループを構成するアンテナ
制御器は、上記中間周波信号をターミナル信号回線に導
出するとともに、予め定めた順序で上記応答信号を上記
応答信号回線に順次導出することが好ましい。
このようにすれは、或るグループに付与した共通アド
レスを含むポーリング信号がポーリング信号回線に導出
されると、当該グループを構成する複数の誘導線ループ
アンテナによって検出される送信機ターミナルからの信
号は中間周波信号に変換されて共通にターミナル信号回
線に導出される。これにより、複数のアンテナ制御器
(誘導線ループアンテナ)を配置した広い領域を、1つ
の領域として管理することができる。応答信号について
は、相互に衝突が生じないように、予め定めた順序で応
答信号回線に導出することとしている。
また、請求項2記載の構成において、上記中央管理装
置は、上記ポーリング信号中に全アンテナ制御器を指定
するための全体指定信号を含ませることができるもので
あり、 上記全体指定信号を含むポーリング信号がポーリング
信号回線に導出されたときには、全アンテナ制御器が上
記中間周波信号を上記ターミナル信号回線に導出するこ
とが好ましい。
このようにすれば、誘導線ループアンテナが配設され
た全領域に関して一度に受信観察を行うことができ、こ
れにより、観察対象の領域内に受信機ターミナルが存在
しているかどうかを即座に知ることできる。このこと
は、たとえば事故発生時などにおいて、避難状況を即座
に知る必要がある場合などに特に有効である。
さらに、請求項2記載の構成において、上記アンテナ
制御器とポーリング信号回線との間、アンテナ制御器と
応答信号回線との間、およびアンテナ制御器とターミナ
ル信号回線との間が、それぞれ、トランスフォーマと、
このトランスフォーマの各信号回線側に直列に接続した
抵抗とによって電気的に結合されていることが好まし
い。
この構成であれば、信号伝送線側から見たアンテナ制
御器のインピーダンスを充分に高くすることができるの
で、信号伝送線に多数のアンテナ制御器を並列接続する
ことができる。しかも、アンテナ制御器側から信号伝送
線を見た場合にインピーダンスの整合をとることができ
るので、信号の伝送効率を向上することができる。
信号伝送線からアンテナ制御器を見た場合のインピー
ダンスを高くするには、巻線比の高いトランスフォーマ
を用いることも考えられるが、トランスフォーマの漏れ
磁束を考慮すると、1つのトランスフォーマでは実際上
充分に大きなインピーダンス比を得ることができない。
このため、複数のトランスフォーマをシリーズに接続す
ることが考えられるが、この場合には複数のフランスフ
ォーマを配設するための大きなスペースが必要であり、
さらにコストの増大を招くこととなる。
これに対して、上記構成では、直列抵抗を用いている
ので、信号の減衰が生じるのであるが、トランスフォー
マおよび直列抵抗を合わせても信号の伝送に支障が生じ
るほど信号の減衰が生じることはない。したがって、上
記の構成により、1つのトランスフォーマで高いインピ
ーダンス比を実現することができ、しかも構成を大型化
させることなくアンテナ制御器と信号伝送線とを良好に
結合させることができる。
〈実施例〉 以下実施例を示す添付図面によって詳細に説明する。
第6図は、本発明の第1の実施例の入出者計数装置の
構成を示す概略図であり、とう道内に複数の領域を設定
し、各領域に平行誘導線ループアンテナ3a,3b,3c,…
(以下符号「3」で代表する)を設置している。入構者
は、各自送信機ターミナル4a,4b,4c,…(以下符号
「4」で代表する)を持っている。誘導線ループアンテ
ナ3に誘起された信号電圧は、アンテナ制御器8a,8b,8
c,…(以下符号「8」で代表する。)に与えられて中間
周波数の信号(以下「中間周波信号」という)に周波数
変換される。この中間周波信号は、信号伝送線5a,5b,5
c,…(以下符号「5」で代表する。)を通してスイッチ
ング回路7に入力される。スイッチング回路7は、一定
の周期で切替を行い、いずれかの信号伝送線5a,5b,5c,
…を中央管理装置6に接続する。
第7図は、とう道の断面図であり、とう道の横幅をW
で示す。とう道を導波管と見たときのカットオフ波長λ
cは、λc=2Wで近似できるので、電磁波が伝搬できる
カットオフ周波数fcは、 fc=c/2W(cは光の速度) … となる。送信機ターミナル4の送信周波数fは、とう道
内の電磁波の伝搬をなくすためにカットオフ周波数fcよ
りも小さな周波数によるように選ばれる。
第8図は、CCIRで標準とされている数十MHzまでの空
間雑音レベル(等価雑音指数)の周波数特性(同図にお
いて、Aはビジネスエリア、Bは住居エリア、Cは田園
エリア、Dは静かな田園エリアを示す。CCIRレポート25
8−4参照)、第9図は実際のとう道内で実測した等価
雑音指数の周波数特性であり、雑音は周波数が高いほど
低くなっている。したがって、都市雑音の影響を低減す
るために、周波数fはfcよりも小さな範囲でできるだけ
高い値に選ぶことが好ましい。
また、雑音の影響を低減するためには、磁界が誘導線
ループアンテナ3によってできるだけ効率よく検出され
ることも重要である。第10図は受信効率の計算のための
モデルであり、平行誘導線ループアンテナ3の間隔を2
D、線径を2r、平行誘導線ループアンテナ3の中心から
送信機ターミナル4までの距離をXとしている。誘導線
ループアンテナと送信機ターミナルとの結合係数C[d
B]は、ωを角周波数、Aを所定の係数とすると、 となる。この式から、結合係数Cは周波数の2乗に比例
して増大することが分かるので、この点からも周波数f
はfcよりも小さな範囲で高い方が好ましい。
次に、周波数fの具体的な選定指針を説明する。第7
図の幅Wのとう道を想定する。カットオフ周波数は、
式を使って となり、この周波数以下では電波は伝搬しなくなるの
で、存在しうる電磁波は局所的な誘導界のみとなる。fc
以下の周波数fにおけるとう道の長さ方向への電磁界の
減衰定数は、導波管の理論を採用して、近似的に、 と推定される。
とう道の幅W=5mならば、式からfc=30MHzとなる
が、若干の余裕を見て、f=20MHzと選ぶ。式から、
減衰係数α=4dB/mが得られる。これによれば、10m離れ
れば40dB、20m離れれば80dBの減衰となるので、磁界の
局所性は十分に達せられる。
平行誘導線ループアンテナ3の終端は、アンテナの特
性インピーダンスとほぼ等しい値の抵抗R0で結ばれてい
ることが好ましい(第11図(a)参照)。
例えば、周波数fを20MHzとするとその波長は15mとな
る。誘導線ループアンテナの長さを100mとすると、ルー
プアンテナの長さは波長に比較して十分長くなってしま
う。このような場合、もし抵抗R0の代わりに導線で短絡
させると、第11図(b)に示すように誘導線ループアン
テナと送信機ターミナルとの結合度Cは、1/2波長ごと
に波を打った定在波状になる。このため、送信機ターミ
ナル4の位置が定在波の谷の位置に来ると誘導線ループ
アンテナに結合しなくなる。そこで、第11図(a)のよ
うに誘導線ループアンテナ終端を、その特性インピーダ
ンスにほぼ等しい抵抗R0で接続すると、誘導線ループア
ンテナと送信機ターミナルとの結合度Cはどの位置でも
ほぼ一様になり、どの位置でも送信機ターミナルを検出
することができる。
この入出者計数装置は、送信機ターミナル4に識別番
号(以下「ID」という)を持たせており、単に入構者の
存在を検知するのみではなく、入構者の個別識別を行う
ようにしている。
第12図は、送信機ターミナル4から発生する磁界の変
調信号のフォーマットであり、プリアンブル、同期ビッ
ト、スタートビットに続いて、入構者の所属、番号を表
すIDビット、誤り検出ビット、終了ビットにより構成さ
れている。中央管理装置6では、信号伝送線5を通して
受信された交流電圧信号を復調してそこに含まれている
IDビットを解読、検出すれば入構者の所属とその個別判
定を行うことができる。
第1表は、上記のようにして特定された各領域A,B,C,
…ごとの入構者数、およびその識別番号(001,002,003,
…)の管理テーブルを示す。
本実施例において、誘導線ループアンテナ3とスイッ
チ回路7との間に介挿されたアンテナ制御器8では、誘
導線ループアンテナ3に誘起された信号電圧が中間周波
数に変換される。これは、誘導線ループアンテナ3に誘
起される20MHz程度の高周波信号(送信機ターミナル4
の発生磁界に対応する)を直接伝送するには、高級な通
信ケーブルが必要であるという経済的な理由と、災害発
生時にも信号の伝送を良好に行うために信号伝送線5に
は難燃性のケーブルを用いる必要があるという理由とに
よる。すなわち、絶縁物に難燃材を適用した難燃性のケ
ーブルでは、第13図に示すように、伝送される信号の周
波数の増大に伴って信号の減衰が著しく増大する。第13
図から20MHzの信号では信号の減衰量は220dB/km程度で
あることが判り、たとえば伝送線路長が6kmであれば減
衰量は1320dBにもなってしまい、20MHzの高周波信号を
そのまま伝送することは不可能である。
これに対して、本実施例のように、アンテナ制御器8
で中間周波信号に周波数変換した信号を伝送するように
すれば、上記の問題は解決される。たとえば、中間周波
数を100kHzとすれば、第13図から難燃性のケーブルを用
いた場合の伝送損失は2.8dB/kmであることが判り、仮に
伝送路長が6kmであったとしても約18dBの減衰量となっ
て、この周波数の信号であれば難燃性のケーブルを信号
伝送線5に適用することができることが理解される。し
かも、中間周波信号を伝送するようにしているので、使
用するケーブルには比較的安価なものを用いることがで
きる。
第14図は本発明の第2の実施例の電気的構成を示すブ
ロック図である。この第14図において前述の第6図に示
された各部に対応する部分には同一の参照符号を付して
示す。本実施例では、中央管理装置6と複数のアンテナ
制御器8との信号の伝送は、中央管理装置6に接続した
信号伝送線5を共用して行われる。すなわち、複数のア
ンテナ制御器8は、それぞれ枝線9a,9b,…(以下符号
「9」で代表する。)を介して共通に信号伝送線5に接
続されている。この構成により、ポーリング方式を適用
して、アンテナ制御器8と中央管理装置6との間の信号
の伝送が行われる。なお、10は異なる観察領域に信号伝
送線5を分岐させるための分岐器である。
信号伝送線5は、中央管理装置6がポーリング信号を
導出するポーリング信号回線11と、ポーリング信号によ
り指定されたアンテナ制御器5からの応答信号を伝送す
るための応答信号回線12と、送信機ターミナル4(第14
図では図示が省略されている。)からの磁界により誘導
線ループアンテナ3に発生した信号電圧を中間周波数の
信号に変換して得た前述の中間周波信号を伝送するため
のターミナル信号回線13とを有している。
複数のアンテナ制御器8には、個別にアドレスが割り
当てられており、中央管理装置6はいずれかのアンテナ
制御器8に対応するアドレスを指定したポーリング信号
を導出することにより、いずれか1つのアンテナ制御器
8に信号送信の権利を与え、これに応答して当該アドレ
スが割り当てられたアンテナ制御器8は、応答信号回線
に自己のアドレスを含む応答信号を導出するとともに、
ターミナル信号回線13に送信機ターミナル4からの信号
に対応した中間周波信号を導出する。
第15図はアンテナ制御器8の構成を示すブロック図で
ある。ポーリング信号回線11からのポーリング信号は結
合器21から受信器22で受信される。ポーリング信号は、
第16図に示すようなフォーマットを有している。すなわ
ち同期信号に引き続き、スタートビット(STX)、送信
が許容されるアンテナ制御器8のアドレス、誤り検出、
終了ビット(PAD)が送信される。
受信器22で受信されたポーリング信号は、アドレス判
定回路23に与えられて、当該ポーリング信号中のアドレ
スと、当該アンテナ制御器8に割り当てられてCPU(中
央処理装置)24に接続したメモリ25に記憶されているア
ドレスとの照合が行われる。そして、2つのアドレスが
一致したときには、CPU24は、応答信号作成回路26に、
メモリ25に記憶したアドレスとその他必要なデータとを
与え、これに基づいて作成された応答信号は、送信器27
から結合器28を介して応答信号回線12に導出される。応
答信号のフォーマットは第17図に示されており、同期信
号、スタートビット(STX)、当該アンテナ制御器8の
アドレス、当該アンテナ制御器8に対応した誘導線ルー
プアンテナ3が担当する領域における送信機ターミナル
4の有無を示すビット、誤り検出ビット、および終了ビ
ット(PAD)を含んで構成されている。
誘導線ループアンテナ3に誘起された信号電圧は、バ
ルーン29を介して周波数変換器30に与えられる。この周
波数変換器30は、バルーン29から与えられる信号と局部
発振器31からの基準周波数信号とを混合して、バルーン
29からの信号を中間周波数の信号に周波数変換するもの
である。この中間周波信号は、アドレス判定回路23の出
力に基づいて切替器動作回路32により切り替えられる切
替器33を介し、さらに結合器34からターミナル信号回線
13に導出される。切替器動作回路32は、アドレス判定回
路23においてアドレスの一致が検出されたときにのみ、
切替器33において周波数変換器30と結合器34との間を接
続させるものである。
第18図は結合器34の構成を示す電気回路図である。結
合器21,28も同様の構成となっている。信号伝送線5に
は多数のアンテナ制御器8が並列に接続されるので、信
号伝送線5からアンテナ制御器8を見たときには、この
アンテナ制御器8が大きな負荷とならないように充分に
高いインピーダンス特性を有し、しかもアンテナ制御器
8から信号伝送線5を見た場合には信号の伝送効率を高
めるためにインピーダンスマッチングがとれていること
が望ましい。この要求を満足するために、第18図に示す
構成では、トランスフォーマ51と、このトランスフォー
マ51の信号伝送線5側に直列に接続した抵抗52とを用い
ている。
アンテナ制御器8のインピーダンスをZAとし、ポーリ
ング信号回線11、応答信号回線12およびターミナル信号
回線13の各伝送線路特性インピーダンスをZ0とし、抵抗
52の抵抗値をRLとすれば、トランスフォーマ51によるイ
ンピーダンス変換比は、 となる。また、伝送線路とアンテナ制御器8との結合度
は、 となる。ただし、式においてn2はトランスフォーマ51
のインピーダンス変成比である。
信号伝送線5からアンテナ制御器8を見た場合のイン
ピーダンスを高くするには、巻線比の高いトランスフォ
ーマを用いることも考えられるが、トランスフォーマの
漏れ磁束を考慮すると、1つのトランスの使用では実際
上充分に大きなインピーダンス比を得ることができな
い。しかし、複数のトランスフォーマを用いれば、配設
するための大きなスペースが必要であり、さらにコスト
の増大を招くこととなる。
第18図に示された構成では、直列抵抗52を用いている
ので、信号の減衰が生じるのであるが、トランスフォー
マ51および直列抵抗52を合わせて30dB程度の信号の減衰
が生じたとしても、信号の伝送には全く支障がない。し
たがって、上記の構成により、1つのトランスフォーマ
で高いインピーダンス比を実現することができ、しかも
構成が大型化することがない。
上記のような構成によって、中央管理装置6がアンテ
ナ制御器8にそれぞれ割り当てられたアドレスを含むポ
ーリング信号を上記アドレスを順次変更しながら導出す
ることによって、複数のアンテナ制御器8に順番に送信
の権利を与え、これにより、共通の信号伝送線5を共有
しつつ信号の混同を生じさせることなく中間周波信号の
伝送を行わせることができる。これによって、信号伝送
線5の数を少なくできるので、信号伝送線5の全長を大
幅に短縮してコストの低減に寄与することができる。
また、アドレスの一致が検出されたアンテナ制御器8
は応答信号を導出するので、ポーリングの実行のチェッ
クも行える。
ところで、1つの誘導線ループアンテナ3が担当する
領域に複数の送信機ターミナル4が存在している場合に
は、送信機ターミナル4の信号が衝突するので、アンテ
ナ制御器8からの中間周波信号が中央管理装置6に伝送
されても、この中央管理装置6では信号を正しく受信す
ることができず、結局当該領域の入構者数などを把握す
ることができない。このため、本実施例では、送信機タ
ーミナル4からの送信データに対応した変調信号の発生
を信号の送信に必要な時間に限定し、このような限定さ
た時間での信号の送信を送信機ターミナル毎に異なる周
期で行わせるようにしている。
すなわち、変調信号は第19図に示すように、周期Tで
繰り返し送信され、1つの変調信号の送信時間T0は一定
である。そして、周期Tは、送信機ターミナル4毎に異
なった値Ta,Tb,Tc,…に選ばれていて、各送信機ターミ
ナル4からの変調信号相互間の衝突が避けられるように
されている。Ta,Tb,Tc,…は互いに倍数の関係でなく、
全く無関係に選定されていることが好ましい。もし倍数
の関係にあれば、一度衝突すれば後になって再び衝突す
るからである。
また、周期Tは、第20図に示すように、1つの送信機
ターミナル内において1回の変調信号の送信毎に異なっ
たT1,T2,T3,…をとるようにしてもよい。
このようにして、同一の誘導線ループアンテナ3が担
当する領域に複数の送信機ターミナル4が存在する場合
でも、各送信機ターミナル4から送信された信号は、異
なるタイミングで中央管理装置6において検出されるこ
とになるので、中央管理装置6では各アンテナ制御器8
からの信号を適当な時間長ずつ観察すれば、1領域内に
複数の送信機ターミナル4が存在している場合でも、全
送信機ターミナル4からの信号を分離して検出すること
ができる。
ところが上記のようにしても、変調信号間の衝突の確
立は零にはならず、送信機ターミナル4の信号相互間の
衝突は、同一領域内に存在する送信機ターミナル4の数
が多いほど多くなる。このため或る領域での送信機ター
ミナル4の数が多ければ、中央管理装置6では、当該領
域のアンテナ制御器8からの中間周波信号を長時間にわ
たって観察する必要が生じる。
第21図は第20図の変調データ送信時間T0が17.5msec、
その発生時間間隔T1,T2,T3,…が平均周期2secの一様ラ
ンダム分布に従うとした場合の1領域内に存在する送信
機ターミナル4の数と、その数の送信機ターミナル4を
全て検出するのに要する時間をコンピュータによるシミ
ュレーションによって求めた結果である。シミュレーシ
ョンの条件は、送信機ターミナル4を検出すると直ちに
登録を行い、登録の抹消は2回非検出状態が続くと行う
ようにしている。
この第21図の結果から、1領域内に存在する送信機タ
ーミナル数が5,10,25,50と増えるに従って、ほぼ全ての
送信機ターミナル4を検出するのに要する時間は、5,7.
5,11,20msecと増えていくことが判る。
仮に各誘導線ループアンテナ3の出力を一定時間ずつ
観察することとすると、たとえば全アンテナ数が30、1
領域に同時に存在する可能性のある送信機ターミナル4
の総数が50である場合には、全部の領域をサーチするの
に要する時間は、 20×30=600(sec)=10(min) … となる。このように、1回のサーチに長時間を要すれ
ば、異常事態発生時などの場合には充分に対応すること
ができず、実用性がなくなってしまう。このため、たと
えば1領域に存在する送信機ターミナル数5,10,25,50基
に対応して、それぞれ観察時間を5,7.5,11,20msecなど
として、各領域毎に観察時間を異ならせることが考えら
れる。ところが、観察以前に各領域内に存在する送信機
ターミナル数を知ることはできないので、上記のように
各領域に現実に存在する送信機ターミナル数に対応して
観察時間を設定することはできない。
そこで、本実施例では、観察直前において、中央管理
装置6の管理テーブル(第1表参照)に登録されている
当該観察領域内の送信機ターミナル数に応じた観察時間
(たとえば登録数がn人なら、1〜2人余裕をみてn+
1またはn+2人の検知に必要な時間)を、各誘導線ル
ープアンテナ3毎に設定するようにしている。このこと
は、中央管理装置6が導出するポーリング信号中のアド
レスの変更の時間間隔を上記管理テーブルに基づいて設
定することにより実現される。各領域に存在する入構者
数は急激には変化しないので、上記のようにして観察時
間を設定することによって、最適なオペレーションが達
成される。
ところで、管理テーブルにおいて或る領域における送
信機ターミナル数が零の場合に、当該領域の観察をスキ
ップすることとすれば、全領域の1回の観察時間を一層
短縮することができる。しかし、管理テーブルへの登録
数が零となった場合にその領域の観察をスキップするよ
うな論理を組んでおくと、一度送信機ターミナル数が零
になった領域についてはそれ以降観察されることがなく
なって、その領域に入構者が新たに入ってきた場合で
も、観察が行われないという不具合が生じる。
このため、管理テーブルに登録された送信機ターミナ
ル数が零である領域についても、或る最低時間長は当該
領域を観察することとすることも考えられる。ところ
が、たとえば送信機ターミナル4が変調信号を発生する
平均時間間隔を1secとし、信号の発生時間間隔は一様乱
数に従うものとすると、必要な最低観測時間は2secとな
る(これ以下の時間では、送信機ターミナル4が1基だ
け観測領域内に入った場合に、これを見逃すおそれがあ
る)。したがって、全ループアンテナ数を30とすると、
全領域の観測には最低でも1minの時間を要することにな
り、あまり効率がよくない。
この問題は、第15図に示すように、周波数変換器30の
出力信号を検出手段である受信レベル監視器35において
監視することによって解決される。すなわち、各アンテ
ナ制御器8では、常時、誘導線ループアンテナ3の出力
(中間周波信号に変換した信号)が受信レベル監視器35
で監視されており、その出力に基づいて当該領域での送
信機ターミナル4のからの送信の有無に関する情報がメ
モリ25に記憶される。そして、当該アンテナ制御器8の
アドレスを指定したポーリング信号を受信したときに
は、応答信号中に上記送信の有無に関する情報を含ませ
る(第17図参照)。
このようにすれば、中央管理装置6では、応答信号に
よって送信機ターミナル4のからの送信の有無を知るこ
とができるので、中間周波信号の観察を行うことなく直
ちに次のアンテナ制御器8のアドレスを指定して、他の
領域の観察に移ることができる。これにより、送信機タ
ーミナル4が存在しない領域の観察を実質的にスキップ
して、処理を大幅に高速化することが可能となる。な
お、中央管理装置6は、応答信号中に送信機ターミナル
4からの送信がないことを示す情報が含まれているとき
には、上記の管理テーブルにおいて当該領域の送信機タ
ーミナル数を零とする。
本実施例ではまた、中央管理装置6が出力するポーリ
ング信号によって、たとえば一群の誘導線ループアンテ
ナ3が設置された広い領域毎の観察を可能とするいわゆ
るグループポーリングを行うこともできる。すなわち、
たとえば階段部などでは複数の誘導線ループアンテナ3
が配設されているが、この一群の誘導線ループアンテナ
3をグループとして管理して、階段部全体を一つの領域
として管理したい場合があり、このような場合にグルー
プポーリングが用いられる。
具体的には、各アンテナ制御器8のアドレスの特定桁
(通常は最上位または最下位)をグループポーリングの
指定のための桁とし、各グループを構成するアンテナ制
御器8には上記特定桁に共通の数字を付与したアドレス
を付しておく。そして、中央管理装置6が当該共通の数
字(共通アドレス)を上記特定桁に含むアドレスを指定
したポーリング信号をポーリング信号回線11に導出する
と、これに応答して上記共通の数字を特定桁に含むアド
レスを有する一群のアドレス制御部が、送信機ターミナ
ル4からの変調信号に対応した中間周波信号をターミナ
ル信号回線13に導出する。
たとえば、アドレスを3桁の数字として、最上位に6
を指定してポーリングすると600〜699までのアドレスグ
ループのアンテナ制御器8が応答する。すなわち第15図
の構成において、アドレス判定部23は、最上位の桁の数
字が6のときには、切替器33が結合器34と周波数変換器
30との間を接続するような制御信号を切替器動作回路32
に与える。
グループポーリングにおいて、複数のアンテナ制御器
8が応答信号を同時に応答信号回線12に導出すると、応
答信号の衝突が生じるので、この応答信号は当該グルー
プにおいて予め定めた順序で各アンテナ制御器8が順番
に応答信号回線12に導出するようになっている。
本実施例では、さらに、中央管理装置6が管理する全
アンテナ制御器8を同時にポーリングする全体ポーリン
グも可能なようになっている。すなわち、ポーリング信
号の1桁または1ビットを全体ポーリングのために割り
当て、この特定桁または特定ビットに所定値(全体指定
信号)をセットしたポーリング信号がポーリング信号回
線11に導出されたときには、全アンテナ制御器8が送信
機ターミナル4からの信号(中間周波信号)をターミナ
ル信号回線13に導出する。
これにより、ターミナル信号回線13には、とう道内に
少なくとも1つの送信機ターミナル4が存在していれ
ば、中間周波信号が導出されることになるので、上記の
全体ポーリングによって、とう道内の入構者の有無を即
座に調べることができる。このような全体ポーリング
は、異常事態発生時において、入構者が避難を開始した
場合に残存人員を調べる場合などに特に有効である。
第22図は本発明の第3の実施例の基本的な構成を示す
ブロック図である。この第22図において前述の第14図に
示された各部に対応する部分には、同一の参照符号を付
して示す。本実施例においては、信号伝送線5は送信機
ターミナル4からの変調信号に対応した中間周波信号を
伝送するために2系統のターミナル信号回線13A,13Bを
備えている。本実施例では、各アンテナ制御器8が備え
る切替器33(第15図参照)は、周波数変換器30からの中
間周波信号をターミナル信号回線13Aに与える状態と、
蒸気中間周波信号をターミナル信号回線13Bに与える状
態と、上記中間周波信号をいずれの回線13A,13Bにも導
出しない状態との間で切り換えることができる構成とさ
れる。
さらに、中央管理装置6が導出するポーリング信号中
には、ターミナル信号回線13A,13Bのうちのいずれかの
回線を指定する指定信号が含まれている。
この構成により、中央管理装置6が順にアンテナ制御
器8のアドレスを指定し、また各アンテナ制御器8ごと
に使用すべきターミナル信号回線を回線13A,13Bのいず
れかに指定したポーリング信号を出力することにより、
当該アドレスのアンテナ制御器8は、指定されたターミ
ナル信号回線に上記中間周波信号を導出する。
一のアンテナ制御器8からの中間周波信号がたとえば
回線13Aを介して中央管理装置6へ伝送されている期間
に、この中央管理装置6が他のアンテナ制御信号8のア
ドレスを指定し且つ回線13Bを使用すべきことを指定し
たポーリング信号を導出すれば、当該他のアンテナ制御
器8は回線13Bに中間周波信号を導出する。このように
して、中央管理装置6では、同時に2つのアンテナ制御
器8からの中間周波信号を観察することができる。
これにより、いわば2つの領域の観察を並行して行う
ことができるようになるので、全領域の観察に要する時
間を格段に短縮することができる。しかも、何らかの原
因でたとえばターミナル信号回線13Aを介して中間周波
信号を伝送させることができなくなった場合でも、他方
の信号回線13Bを指定したポーリング信号を導出するこ
とにより、中間周波信号の伝送を行わせることもでき
る。このように、一方の回線を他方の回線のいわばバッ
クアップ的な用途に用いることもでき、これによりシス
テムの信頼性が向上される。
さらに、一方の信号回線を用いてアンテナ制御器8を
1個1個指定しての個別ポーリングを行うと同時に、他
方の信号回線を利用して上記のグループポーリングや全
体ポーリングを行うこともできる。この場合には、上記
の切替器33は、ターミナル信号回線13A,13Bの両方に中
間周波信号を導出することもできる構成とすればよい。
なお、本発明は上述の各実施例に限定されるものでは
なく、たとえば上記の第3の実施例では、ターミナル信
号回線を2系統設けることとしたが、3系統以上のター
ミナル信号回線が設けられてもよい。その他本発明の要
旨を変更しない範囲において種々の設計変更を施すこと
が可能である。
〈発明の効果〉 以上のように、本発明の入出者計数装置によれば、送
信機ターミナルから発生する誘導界は、その局所性によ
り、入構者の位置する領域に設置された誘導線ループア
ンテナのみと鎖交して電圧を誘発する。中央管理装置で
は、電圧が誘起された誘導線ループアンテナを識別し
て、その誘導線ループアンテナが設置されている領域を
入構者の存在領域として特定することができる。
したがって、地下構造物、建築物内部等の閉じた空間
内において、入構者がどの領域にいるかを、入構者に繁
雑な作業を要求せず、かつ正確に検知することができ
る。
さらに、誘導線ループアンテナに誘起された信号電圧
は、アンテナ制御器で中間周波信号に周波数変換された
後に、信号伝送線を介して中央管理装置に伝送されるの
で、信号の伝送効率を高めることができる。このため信
号伝送線には信号減衰が比較的大きい難燃性のケーブル
などを適用することができるので、災害発生時にも信号
の伝送を確実に行うことができる。さらには、信号の減
衰の比較的大きな安価なケーブルを使用できるので、コ
ストの低減にも有利である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の入出者計数装置の概要を示す図、 第2図はとう道内の誘導線ループアンテナの形状を例示
する図、 第3図は送信機ターミナルの概要を示す図、 第4図は送信機ターミナルから出力される誘導界の距離
減衰特性を示すグラフ、 第5図は本発明の他の入出者計数装置の概要を示す図、 第6図は本発明の第1の実施例の入出者計数装置の構成
を示す図、 第7図はとう道の断面図、 第8図はCCIRで標準とされている数十MHzまでの空間雑
音レベル(等価雑音指数)の周波数特性を示すグラフ、 第9図は実際のとう道内で実測した等価雑音指数の周波
数特性を示すグラフ、 第10図は送信機ターミナルと、誘導線ループアンテナと
の位置関係を示す断面図、 第11図(a)は終端を抵抗で繋いだ誘導線ループアンテ
ナを示す斜視図、 第11図(b)は終端を短絡した誘導線ループアンテナを
示す斜視図、 第12図は送信機ターミナルから発生する交流磁界を変調
する変調信号の信号フォーマットを示す図、 第13図は典型的な難燃性ケーブルの減衰量の周波数特性
を示すグラフ、 第14図は本発明の第2の実施例の電気的構成を示すブロ
ック図、 第15図はアンテナ制御器の電気的構成を示すブロック
図、 第16図は中央管理装置が出力するポーリング信号のフォ
ーマットを示す図、 第17図はアンテナ制御器が出力する応答信号のフォーマ
ットを示す図、 第18図はアンテナ制御器と信号伝送線とを結合する結合
器の構成を示す電気回路図、 第19図および第20図は1つの送信機ターミナルから発信
されるデータの時間構成図、 第21図は1つの領域に入っている送信機ターミナル数と
検出時間との関係を示す図、 第22図は本発明の第3の実施例の電気的構成を示すブロ
ック図、 第23図は赤外線カウンタを利用した従来の入出者計数装
置を示す図である。 1…閉じた空間、3…誘導線ループアンテナ、4…送信
機ターミナル、5…信号伝送線、6…中央管理装置、8
…アンテナ制御器、11…ポーリング信号回線、12…応答
信号回線、13,13A,13B…ターミナル信号回線、30…周波
数変換器、33…切替器、35…受信レベル監視器(検出手
段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芝野 儀三 大阪府大阪市此花区島屋1丁目1番3号 住友電気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 樋口 晴一 大阪府大阪市此花区島屋1丁目1番3号 住友電気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 鈴木 治夫 大阪府大阪市此花区島屋1丁目1番3号 住友電気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 中山 幸雄 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 今田 達朗 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 東郷 幸夫 東京都大田区大森西7丁目6番31号 住 電オプコム株式会社内 審査官 後藤 時男 (56)参考文献 特開 平1−216629(JP,A) 特開 平2−268529(JP,A) 特開 昭62−287727(JP,A) 特開 昭63−301399(JP,A) 特公 昭55−5077(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G06M 7/00 - 11/00 G08B 25/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】地下構造物、建築物内部等の閉じた空間内
    に入った送信機ターミナルを所持する入構者を検知する
    装置であって、 上記送信機ターミナルと、上記閉じた空間を空間内の道
    に沿って垂直にかつ複数の領域に区分けした場合のそれ
    ぞれの領域内に、道とほぼ平行になるように設置され
    た、送信機ターミナルから発生する電磁波を検出する誘
    導線ループアンテナと、いずれかの誘導線ループアンテ
    ナに誘起される電圧を検出することにより入構者の存在
    している領域を特定する中央管理装置とを備え、 上記送信機ターミナルは、送信アンテナと、上記閉じた
    空間内を伝搬できる最低周波数fc以下の周波数fの交流
    信号で送信アンテナを駆動する駆動器とを有し、 上記誘導線ループアンテナは、この誘導線ループアンテ
    ナに誘起された信号電圧を中間周波数信号に変換するア
    ンテナ制御器と、上記中間周波信号を伝送する信号伝送
    線とを介して上記中央管理装置に接続されていることを
    特徴とする入出者計数装置。
  2. 【請求項2】複数のアンテナ制御器と上記中央管理装置
    との間が共通の信号伝送線を共用するようにして接続さ
    れているとともに、各アンテナ制御器には個別にアドレ
    スが付されており、 上記信号伝送線は、中央管理装置から上記複数のアンテ
    ナ制御器のいずれかのアドレスを指定したポーリング信
    号が順次導出されるポーリング信号回線と、自己のアド
    レスを指定したポーリング信号を受信したときに各アン
    テナ制御器が導出する応答信号を伝送する応答信号回線
    と、上記中間周波信号を伝送するターミナル信号回線と
    を有しており、 上記アンテナ制御器は、自己のアドレスを指定したポー
    リング信号を受信したときに、上記中間周波信号を上記
    ターミナル信号回線に導出し、自己のアドレス以外のア
    ドレスを指定したポーリング信号を受信したときには当
    該アンテナ制御器と上記ターミナル信号回線との間を遮
    断する切替器を備えていることを特徴とする請求項1記
    載の入出者計数装置。
  3. 【請求項3】上記中央管理装置は、各領域ごとに検知し
    た送信機ターミナル数を記憶した管理テーブルを備え、
    この管理テーブルに記憶された過去の送信機ターミナル
    数のデータに応じて、上記ポーリング信号に含まれるア
    ドレス変更の時間間隔を決定することを特徴とする請求
    項2記載の入出者計数装置。
  4. 【請求項4】上記アンテナ制御器は、誘導線ループアン
    テナに誘起される信号電圧を常時監視して各領域におけ
    る送信機ターミナルからの送信の有無を検出する検出手
    段を有するとともに、この検出手段で検出された情報を
    上記応答信号中に含ませるものであり、 上記中央管理装置は、アンテナ制御器を順次指定して上
    記中間周波信号を受信するに当たり、上記応答信号中に
    送信機ターミナルからの送信がないことを示す情報が含
    まれているときには、当該アンテナ制御器からの中間周
    波信号の観察をスキップして次のアンテナ制御器につい
    ての上記中間周波信号の観察を行うことを特徴とする請
    求項3記載の入出者計数装置。
  5. 【請求項5】上記信号伝送回線は上記ターミナル信号回
    線を複数系統備え、 上記中央管理装置は、上記各アンテナ制御器毎にいずれ
    かの系統のターミナル信号回線を指定したポーリング信
    号を上記ポーリング信号回線に導出し、 アンテナ制御器が備える上記切替器は、当該アンテナ制
    御器のアドレスを指定したポーリング信号を受信したと
    きに、上記中間周波信号を当該ポーリング信号において
    指定された系統のターミナル信号回線に導出させるもの
    であることを特徴とする請求項2記載の入出者計数装
    置。
  6. 【請求項6】上記複数のアンテナ制御器をグループ分け
    し、各グループを構成するアンテナ制御器に共通アドレ
    スを付与し、 上記中央管理装置がいずれかのグループの共通アドレス
    を指定したポーリング信号を導出したときには、当該共
    通アドレスが付与されたグループを構成するアンテナ制
    御器は、上記中間周波信号をターミナル信号回線に導出
    するとともに、予め定めた順序で上記応答信号を上記応
    答信号回線に順次導出するものであることを特徴とする
    請求項2記載の入出者計数装置。
  7. 【請求項7】上記中央管理装置は、上記ポーリング信号
    中に全アンテナ制御器を指定するための全体指定信号を
    含ませることができるものであり、 上記全体指定信号を含むポーリング信号がポーリング信
    号回線に導出されたときには、全アンテナ制御器が上記
    中間周波信号を上記ターミナル信号回線に導出すること
    を特徴とする請求項2記載の入出者計数装置。
  8. 【請求項8】上記アンテナ制御器とポーリング信号回線
    との間、アンテナ制御器と応答信号回線との間、および
    アンテナ制御器とターミナル信号回線との間が、それぞ
    れ、トランスフォーマと、このトランスフォーマの各信
    号回線側に直列に接続した抵抗とによって電気的に結合
    されていることを特徴とする請求項2記載の入出者計数
    装置。
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JPH0452894A (ja) 1992-02-20

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