JP2859148B2 - ウォーターバラスト付きボート - Google Patents

ウォーターバラスト付きボート

Info

Publication number
JP2859148B2
JP2859148B2 JP6319418A JP31941894A JP2859148B2 JP 2859148 B2 JP2859148 B2 JP 2859148B2 JP 6319418 A JP6319418 A JP 6319418A JP 31941894 A JP31941894 A JP 31941894A JP 2859148 B2 JP2859148 B2 JP 2859148B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water ballast
water
ballast
boat
hull
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP6319418A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08150990A (ja
Inventor
拓樹 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KEE BII SHOKUHIN KK
Original Assignee
KEE BII SHOKUHIN KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KEE BII SHOKUHIN KK filed Critical KEE BII SHOKUHIN KK
Priority to JP6319418A priority Critical patent/JP2859148B2/ja
Publication of JPH08150990A publication Critical patent/JPH08150990A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2859148B2 publication Critical patent/JP2859148B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Other Liquid Machine Or Engine Such As Wave Power Use (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、速度の減速に従って水
を自動的に満たし、速度の加速に従って水を自動的に排
水するウォーターバラストにより、静止時の船の安定
と、滑走時の船の走行性を高めたウォーターバラスト付
きボートに関する。
【0002】
【従来の技術】速度の減速に従って水を自動的に満た
し、速度の加速に従って水を自動的に排水する従来のウ
ォーターバラストは、船体の全長と幅にほぼ等しい寸法
のタンク等により作られ、船体底部等に取付けられてい
た。しかし、このような従来のウォーターバラストには
次のような問題点があった。まず、第1に、横方向の安
定性が極めて悪いという点である。これは、単胴船の構
造に由来する問題点でもあり、船体の全長に対する船体
の幅がせいぜい全長の1/4程度であれば、その船底に
大容量のウォーターバラストを設けても充分な横安定性
を得ることはできなかった。第2に、このような大容量
のウォーターバラストでは、発進加速時等にバラスト水
が片寄り、船体に深刻な影響を及ばすアンバランスの原
因になるおそれがあった。
【0003】この発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、従来のウォーターバラストのように、吃水を深くし
て船体の重心を下げることができばかりでなく、横方
向の安定性を図ることができ、かつ、滑走時の走行性を
損なうことがないウォーターバラスト付きボートを提供
することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載のウォーターバラスト付きボート
は、速度の減速に従って船尾部に設けた取水/排水口に
水が流入し、速度の加速に従って前記取水/排水口から
水が排出するウォーターバラストを備えたボートにおい
て、前記ウォーターバラストは、船体中心線に沿う前後
方向に細長いウォーターバラスト上面と、該ウォーター
バラスト上面の左右両縁からそれぞれ船底に向けて立下
がったウォーターバラスト左右両側面と、それらのウォ
ーターバラスト左右両側面及び前記ウォーターバラスト
上面からなる下開き溝の開口部を覆いかつ横断面形状が
略V字状のウォーターバラスト底面とから構成され、船
尾部側のウォーターバラスト底面には、水を取水する
数の孔が設けられていることを特徴とする。
【0005】また、上記目的を達成するために、請求項
2に記載のウォーターバラスト付きボートは、速度の減
速に従って船尾部に設けた取水/排水口に水が流入し、
速度の加速に従って前記取水/排水口から水が排出する
ウォーターバラストを備えたボートにおいて、前記ウォ
ーターバラストは、船体中心線に沿う前後方向に細長い
ウォーターバラスト上面と、該ウォーターバラスト上面
の左右両縁からそれぞれ船底に向けて立下がったウォー
ターバラスト左右両側面と、それらのウォーターバラス
ト左右両側面及び前記ウォーターバラスト上面からなる
下開き溝の開口部を覆うウォーターバラスト底面とから
構成され、前記ウォーターバラスト左右両側面及び前記
ウォーターバラスト上面は船体と一体に構成し、一方、
ウォーターバラスト底面は船体と別体に構成するととも
に、前記ウォーターバラスト底面は、前記下開き溝の開
口部に対し、間隙を備えて取付けられていることを特徴
とする。
【0006】請求項3に記載のように、前記ウォーター
バラスト付きボートは、前記ウォーターバラストに対し
ラム圧を作用させるラム圧孔を船首部に設けたことを特
徴とする。
【0007】請求項4に記載のように、前記ウォーター
バラスト付きボートは、前記ウォーターバラストに船舶
推進用原動機の排気を導入したことを特徴とする。
【0008】請求項5に記載のように、前記ウォーター
バラスト付きボートは、前記ウォーターバラストに送風
装置からの空気を導入したことを特徴とする。
【0009】請求項6に記載のように、前記ウォーター
バラスト付きボートは、船底に設けられた段差により船
前後にステップ状の船底を備えたステップ船であっ
て、各船底に、船体中心線に沿う前後方向に細長いウォ
ーターバラスト上面と、該ウォーターバラスト上面の左
右両縁からそれぞれ船底に向けて立下がったウォーター
バラスト左右両側面と、それらのウォーターバラスト左
右両側面及び前記ウォーターバラスト上面からなる下開
き溝の開口部を覆いかつ横断面形状が略V字状のウォー
ターバラスト底面とから構成されたウォーターバラスト
を設け、船尾部及び前記段差にそれぞれ取水/排水口を
設けたことを特徴とする。
【0010】
【作用】請求項1に記載のウォーターバラスト付きボー
ト(以下、ボートとも称する)によれば、ウォーターバ
ラストに水が流入した状態で、ウォーターバラスト左側
面と船底により船が構成され、また、ウォーターバラス
ト右側面と船底により別の船が構成され、船体中心線の
左右の船体がそれぞれ船となり双胴船として機能するた
め、横安定性が優れたボートとなる。また、船体中心線
に沿う前後方向に細長いウォーターバラスト上面によっ
て、小容量のウォーターバラストにすることができるの
で、発進加速時等のアンバラスを防ぐことができるし、
原動機に対する負荷を軽減させることができ、かつ、利
用できる船体内空間を大きく取ることができる。また、
ウォーターバラスト上面、ウォーターバラスト左右両側
面及びウォーターバラスト底面により構成されるウォー
ターバラストは、船体中心線に沿うようにボックス構造
を形成することになり、キール構造を不要としながら、
通常のキール構造を採用した船舶よりも高い強度と剛性
を備えことができる。さらに、船尾部に設けた取水/排
水口に加えて、横断面形状が略V字状のウォーターバラ
スト底面の船尾部側に設けられた、水を取水する複数の
孔からも取水することができるので、迅速な安定性を図
ることができるし、波の山から谷にジャンプした船体が
その船尾部から着水する場合には、着水の瞬間、海水が
複数の孔から船底を通過してウォーターバラスト内で後
ろ方向に進行方向を変えるので、着水時の衝撃を緩和し
つつ、前方への推進力を得ることができる。
【0011】請求項2に記載のボートによれば、ウォー
ターバラスト底面のみを交換することができる。従来の
キール部は浅瀬等で磨耗する事が多く、その場合、手間
のかかる修理を必要としたり、最悪の場合には船体その
ものが使用不能となることもあるが、請求項2に記載の
ボートによれば、ウォーターバラスト底面のみを交換す
ることができて、迅速に、かつ、安価に修復することが
できるまたウォーターバラスト底面は船底に対して水密
性を持たせずに取り付けることができるため、取付作業
が極めて容易になる。さらに前記ウォーターバラスト底
面と前記下開き溝の開口部の間隙から水が浸入するので
取水を短時間で行うことができ、迅速な安定性を図るこ
とができる。
【0012】請求項3に記載のボートによれば、ラム圧
を利用してバラスト水をより迅速に排出させることがで
きる。
【0013】請求項4に記載のボートによれば、原動機
の排気を利用してバラスト水をより迅速に排出させるこ
とができる。
【0014】請求項5に記載のボートによれば、送風装
置の空気を利用してバラスト水をより迅速に排出させる
ことができる。
【0015】請求項6に記載のボートによれば、ステッ
プ船の段差によって形成される船底毎に前記ウォーター
バラスト及び取水/排水口を設けるようにしているの
で、取水や排水が迅速に行われ、縦方向の安定性を図る
ことができるばかりでなく、減速時や静止時の横方向の
安定性を迅速に図ることができる。
【0016】
【実施例】本発明に係るボートの実施例を図1乃至図4
に基づいて以下に説明する。図1は実施例に係るボート
の斜視図、図2は同ボートの正面図、図3は図2に示す
船体中央部のA−A線横断面図、図4は変形例に係るウ
ォーターバラストを備えたボートの横断面図、図5は図
2に示すB−B線縦断面図である。
【0017】図1に示すボート1は、例えば全長約5メ
ートル、最大幅約2メートルの8人乗り小型船舶であ
り、後述するように、この船舶の船体中心線2に沿って
船尾部3から船首部4にかけて前後方向に細長いウォー
ターバラスト5が船底6より上方に突出するように設け
られている。該ウォーターバラスト5は、速度の減速に
従って船尾部3に設けられた取水/排水口7から取水さ
れる。その結果、ウォーターバラスト5が設けられてい
る船体中心線2付近では浮力が働かず、ウォーターバラ
スト5の左右に浮力が分かれて作用し、恰も、双胴船の
ように浮力が作用する。しかも、速度の加速に従って、
前記取水/排水口7から排水し、浮力が増大してV型船
となり滑走時の走行性を妨げないようになっている。
【0018】前記ウォーターバラスト5は、図1及び図
3に示すように、船体中心線2に沿う前後方向に細長い
ウォーターバラスト上面50と、該ウォーターバラスト
上面50の左右両縁からそれぞれ船底6に向けて立下が
ったウォーターバラスト左右両側面51,52と、該ウ
ォーターバラスト左右両側面51,52及び前記ウォー
ターバラスト上面50からなる下開き溝の開口部53を
覆うウォーターバラスト底面54とから構成されてい
る。このような構成のウォーターバラスト5では、ウォ
ーターバラスト5に水が満たされ、ウォーターバラスト
左側面51と船底6と左舷11の下部が水中に没するこ
とにより船として機能し、一方、ウォーターバラスト右
側面52と船底6と右舷12の下部が水中に没すること
により船として機能する。
【0019】また、前記ウォーターバラスト5は、ウォ
ーターバラスト上面50、ウォーターバラスト左右両側
面51,52及びウォーターバラスト底面54により構
成されているので、船体中心線2に沿ってボックス構造
を形成することになり、キール構造を不要としながら、
通常のキール構造を採用した船舶よりも高い強度と剛性
を備えことができる。このボックス構造は、船体中心線
2に沿う前後方向に細長い形状であることから小容量の
ウォーターバラスト5になるので、発進加速時のアンバ
ラスを防ぐことができるし、原動機に対する負荷を軽減
させることができ、かつ、利用できる船体内空間を大き
く取ることができる。なお、この実施例では船尾部3か
ら船首部4にかけてウォーターバラスト5を設けている
が、船尾部3から船体中央部9に止めてもよい。
【0020】前記ウォーターバラスト上面50の幅wと
船体10の最大幅Wとの比は、ウォーターバラスト5の
左右の船体10に浮力を作用させることができるように
決められるもので、この実施例では略1/3の比となっ
ている。また、前記ウォーターバラスト左右両側面5
1,52の船底6からの高さhは、ウォーターバラスト
上面50が水没せずに或いは水没した状態で、ウォータ
ーバラスト5の左右の船体10に浮力を作用させること
ができる高さであればよい。なお、この実施例ではウォ
ーターバラスト上面50及び該上面50の両縁から船底
6に垂直に立下げられた左右両側面51,52により横
断面形状が下開きコ字状に成形されているが、図4に示
すように前記上面50の両縁から船底6に斜めに立ち下
げて略台形にしてもよいし、あるいは半円形でもよい。
【0021】前記ウォーターバラスト底面54は、横断
面形状が略V字状に構成されており、凌波性を高めるよ
うになっている。該ウォーターバラスト底面54は、前
記ウォーターバラスト左右両側面51,52と前記ウォ
ーターバラスト上面50とからなる下開き溝の開口部5
3に対し、接着するようにしてもよいし、また、ボルト
等の止着手段を介して着脱自在に取付けるようにしても
よい。従来のキール部は浅瀬等で磨耗する事が多く、そ
の場合、手間のかかる修理を必要としたり、最悪の場合
には船体10そのものが使用不能となることもあるが、
実施例のボート1では、前記ウォーターバラスト底面5
4と船底6とは別体であるので、ウォーターバラスト底
面54のみを交換することができ、迅速かつ、安価に修
復することができる。
【0022】この場合、図6に示すように、前記ウォー
ターバラスト底面54を、前記ウォーターバラスト左右
両側面51,52と前記ウォーターバラスト上面50と
からなる下開き溝の開口部53に対し間隙gを設けてボ
ルト8等で取付けるようにしてもよい。このような構成
であれば、ウォーターバラスト底面54は船底6に対し
て水密性を持たせずに取り付けることができるため、船
体10の製造コストが安価なものになり、また、その間
隙gから水を短時間に取水することができるので、迅速
な安定性を図ることができる。
【0023】なお、この実施例では船体10とウォータ
ーバラスト底面54とを別体にしたが、両者を一体に構
成してもよい。
【0024】図2及び図5に示すように前記ウォーター
バラスト5は、連通管40を介して船首部4に設けられ
てるラム圧孔41に連通されている。前記ラム圧孔41
は、前進中の船舶に対し前方から作用する空気の圧力
(ラム圧)をウォーターバラスト5に導入するもので、
ウォーターバラスト5内の海水等をより迅速に排出させ
るものである。一方、このボート1の船尾部3には船舶
推進用原動機(図示せず)を取り付けるための原動機取
付部30が設けられている。そして、船舶推進用原動機
の排気をチューブ等によりウォーターバラスト5の船首
部4に導き、ウォーターバラスト5内の海水等をより迅
速に排出させるようにしてもよい。なお、前記船体10
内に送風装置(Blower、図示せず)を備え付け、前記原
動機等を用いて送風装置のファンを回転させ、該ファン
から送り出される空気をチューブ等によりウォーターバ
ラスト5の船首部4に導き、ウォーターバラスト5内の
海水等をより迅速に排出させるようにしてもよい。
【0025】上記のように構成されたボート1は、熱成
形法によりプラスチック等の合成樹脂を成形することに
より製造される。なお、FRP(Fiber Reinforced Plas
tics)により成形したり、さらには強化用繊維としてガ
ラス繊維を用いたGFRPを用いたハイブリット構造に
より成形してもよい。また、この発明を実施するボート
の大きさはこの実施例のように8人乗り小型船舶に限定
されるものではなく、広く小型船舶に実施することがで
きる。
【0026】次に実施例に係るボート1の作用を図7及
び図8に基づいて説明する。図7は、ボート1の滑走時
の吃水線Dを示すもので、この時には取水/排水口7よ
り海水は排水されている。そして、減速に従って海水が
取水/排水口7より流入し、静止時にはその吃水線Dは
図8に示す位置になる。この状態ではウォーターバラス
ト5左右の船底6が水中に没した状態になっており、恰
も双胴船のような浮力B,Bを受けることができるよう
になっている。
【0027】前記取水/排水口7に加えて、図9に示す
ように船尾部3側のウォーターバラスト底面54に、複
数の孔55を設けるようにしてもよい。このような構成
では、これらの孔55から水を短時間に取水することが
できるので、迅速な安定性を図ることができる。さら
に、図10に示すように、波の山から谷にジャンプした
船体10がその船尾部3から着水する場合には、着水の
瞬間、海水が複数の孔55から船底6を通過してウォー
ターバラスト5内で後ろ方向に進行方向を変えるので、
着水時の衝撃を緩和しつつ、前方への推進力を得ること
ができる。
【0028】本発明の構成をステップ船100に応用す
るようにしてもよい。該ステップ船100は、図11に
示したように、船底6に段差101を設けたもので、段
差101で接水することにより図12に示すように、縦
方向の安定性を向上させることができるようになってい
る。本発明を応用する前記ステップ船100では段差1
01によって形成される船底6,6にそれぞれ上記実施
例に係るウォーターバラスト5を設け、また、段差10
1及び船尾部3にそれぞれ取水/排水口7を設けるよう
にしている。このような構成であれば、それぞれの取水
/排水口7により迅速に取水や排水を行うことができ、
また、縦方向の安定性を図ることができるばかりでな
く、減速時や静止時の横方向の安定性を迅速に図ること
ができる。
【0029】以上では本願発明の構成を双胴船の態様で
説明したが、三胴船として構成することもできる。即
ち、図13に示すように、ウォーターバラスト5を船体
中心線2の左右に設けるようにしてもよい。この構成で
は、船体中心線部分とウォーターバラスト5の左右部分
がそれぞれ船となり横安定性に優れた三胴船と同じよう
な浮力を得ることができる。
【0030】
【発明の効果】請求項1に記載のボートによれば、ウォ
ーターバラストに水が流入した状態で、ウォーターバラ
スト左側面と船底により船が構成され、また、ウォータ
ーバラスト右側面と船底により別の船が構成され、船体
中心線の左右の船体がそれぞれ船となり双胴船として機
能するため、横安定性が優れたボートとなる。また、船
体中心線に沿う前後方向に細長いウォーターバラスト上
面によって、小容量のウォーターバラストにすることが
できるので、発進加速時等のアンバラスを防ぐことがで
きるし、原動機に対する負荷を軽減させることができ、
かつ、利用できる船体内空間を大きく取ることができ
る。また、ウォーターバラスト上面、ウォーターバラス
ト左右両側面及びウォーターバラスト底面により構成さ
れるウォーターバラストは、船体中心線に沿うようにボ
ックス構造を形成することになり、キール構造を不要と
しながら、通常のキール構造を採用した船舶よりも高い
強度と剛性を備えことができる。さらに、船尾部に設け
た取水/排水口に加えて、横断面形状が略V字状のウォ
ーターバラスト底面の船尾部側に設けられた、水を取水
する複数の孔からも取水することができるので、迅速な
安定性を図ることができるし、波の山から谷にジャンプ
した船体がその船尾部から着水する場合には、着水の瞬
間、海水が複数の孔から船底を通過してウォーターバラ
スト内で後ろ方向に進行方向を変えるので、着水時の衝
撃を緩和しつつ、前方への推進力を得ることができる。
【0031】請求項2に記載のボートによれば、ウォー
ターバラスト底面のみを交換することができる。従来の
キール部は浅瀬等で磨耗する事が多く、その場合、手間
のかかる修理を必要としたり、最悪の場合には船体その
ものが使用不能となることもあるが、請求項2に記載の
ボートによれば、ウォーターバラスト底面のみを交換す
ることができて、迅速に、かつ、安価に修復することが
できるまたウォーターバラスト底面は船底に対して水密
性を持たせずに取り付けることができるため、取付作業
が極めて容易になる。さらに前記ウォーターバラスト底
面と前記下開き溝の開口部の間隙から水が浸入するので
取水を短時間で行うことができ、迅速な安定性を図るこ
とができる。
【0032】請求項3に記載のボートによれば、ラム圧
を利用してバラスト水をより迅速に排出させることがで
きる。
【0033】請求項4に記載のボートによれば、原動機
の排気を利用してバラスト水をより迅速に排出させるこ
とができる。
【0034】請求項5に記載のボートによれば、送風装
置の空気を利用してバラスト水をより迅速に排出させる
ことができる。
【0035】請求項6に記載のボートによれば、ステッ
プ船の段差によって形成される船底毎に前記ウォーター
バラスト及び取水/排水口を設けるようにしているの
で、取水や排水が迅速に行われ、縦方向の安定性を図る
ことができるばかりでなく、減速時や静止時の横方向の
安定性を迅速に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係るボートの斜視図である。
【図2】同ボートの正面図である。
【図3】図2に示す船体中央部のA−A線横断面図であ
る。
【図4】変形例に係るウォーターバラストを備えたボー
トの横断面図である。
【図5】図2に示すB−B線縦断面図である。
【図6】船底に対するウォーターバラスト底面の取付構
造を示す要部拡大断面図である。
【図7】ボートの滑走時の吃水線を示す説明図である。
【図8】ボートの静止時の吃水線を示す説明図である。
【図9】変形例に係るウォーターバラスト底面を示すボ
ートの斜視図である。
【図10】図9に示したウォーターバラスト底面の作用
を説明する説明図である。
【図11】他の実施例に係るボートの底面から見た斜視
図である。
【図12】図11に示したボートの作用を説明する説明
図である。
【図13】他の実施例に係るボートの横断面図である。
【符号の説明】
1 ボート 2 船体中心線 3 船尾部 4 船首部 5 ウォーターバラスト 6 船底 7 取水/排水口 8 ボルト 9 船体中央部 10 船体 11 左舷 12 右舷 30 原動機取付部 40 連通管 41 ラム圧孔 50 ウォーターバラスト上面 51 ウォーターバラスト左側面 52 ウォーターバラスト右側面 53 開口部 54 ウォーターバラスト底面 55 孔 100 ステップ船 101 段差
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−95991(JP,A) 特開 平1−212691(JP,A) 特開 平6−40380(JP,A) 特開 昭49−13893(JP,A) 特開 昭62−77297(JP,A) 特開 昭50−149095(JP,A) 実開 昭56−105498(JP,U) 実開 昭56−51696(JP,U) 実開 昭59−169298(JP,U) 実開 昭56−13094(JP,U) 実開 昭55−142395(JP,U) 実開 昭49−66964(JP,U) 実開 昭64−24700(JP,U) 実開 昭61−117090(JP,U) 実開 昭56−51696(JP,U) 実開 昭61−24395(JP,U) 特公 昭63−30199(JP,B2) 米国特許3085535(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B63B 43/06 B63B 1/18 B63B 11/04

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 速度の減速に従って船尾部に設けた取水
    /排水口に水が流入し、速度の加速に従って前記取水/
    排水口から水が排出するウォーターバラストを備えたボ
    ートにおいて、 前記ウォーターバラストは、船体中心線に沿う前後方向
    に細長いウォーターバラスト上面と、該ウォーターバラ
    スト上面の左右両縁からそれぞれ船底に向けて立下がっ
    たウォーターバラスト左右両側面と、それらのウォータ
    ーバラスト左右両側面及び前記ウォーターバラスト上面
    からなる下開き溝の開口部を覆いかつ横断面形状が略V
    字状のウォーターバラスト底面とから構成され、 船尾部側のウォーターバラスト底面には、水を取水する
    複数の孔が設けられていることを特徴とするウォーター
    バラスト付きボート。
  2. 【請求項2】 速度の減速に従って船尾部に設けた取水
    /排水口に水が流入し、速度の加速に従って前記取水/
    排水口から水が排出するウォーターバラストを備えたボ
    ートにおいて、 前記ウォーターバラストは、船体中心線に沿う前後方向
    に細長いウォーターバラスト上面と、該ウォーターバラ
    スト上面の左右両縁からそれぞれ船底に向けて立下がっ
    たウォーターバラスト左右両側面と、それらのウォータ
    ーバラスト左右両側面及び前記ウォーターバラスト上面
    からなる下開き溝の開口部を覆うウォーターバラスト底
    面とから構成され、 前記ウォーターバラスト左右両側面及び前記ウォーター
    バラスト上面は船体と一体に構成し、一方、ウォーター
    バラスト底面は船体と別体に構成するとともに、 前記ウォーターバラスト底面は、前記下開き溝の開口部
    に対し、間隙を備えて取付けられていることを特徴とす
    るウォーターバラスト付きボート。
  3. 【請求項3】 前記ウォーターバラストに対しラム圧を
    作用させるラム圧孔を船首部に設けたことを特徴とする
    請求項1又は請求項2に記載のウォーターバラスト付き
    ボート。
  4. 【請求項4】 前記ウォーターバラストに船舶推進用原
    動機の排気を導入したことを特徴とする請求項1乃至請
    求項3のいずれかに記載のウォーターバラスト付きボー
    ト。
  5. 【請求項5】 前記ウォーターバラストに送風装置から
    の空気を導入したことを特徴とする請求項1乃至請求項
    4のいずれかに記載のウォーターバラスト付きボート。
  6. 【請求項6】 船底に設けられた段差により船体前後に
    ステップ状の船底を備えたステップ船であって、各船底
    、船体中心線に沿う前後方向に細長いウォーターバラ
    スト上面と、該ウォーターバラスト上面の左右両縁から
    それぞれ船底に向けて立下がったウォーターバラスト左
    右両側面と、それらのウォーターバラスト左右両側面及
    び前記ウォーターバラスト上面からなる下開き溝の開口
    部を覆いかつ横断面形状が略V字状のウォーターバラス
    ト底面とから構成されたウォーターバラストを設け、船
    尾部及び前記段差にそれぞれ取水/排水口を設けたこと
    を特徴とするウォーターバラスト付きボート。
JP6319418A 1994-11-30 1994-11-30 ウォーターバラスト付きボート Expired - Fee Related JP2859148B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6319418A JP2859148B2 (ja) 1994-11-30 1994-11-30 ウォーターバラスト付きボート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6319418A JP2859148B2 (ja) 1994-11-30 1994-11-30 ウォーターバラスト付きボート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08150990A JPH08150990A (ja) 1996-06-11
JP2859148B2 true JP2859148B2 (ja) 1999-02-17

Family

ID=18109976

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6319418A Expired - Fee Related JP2859148B2 (ja) 1994-11-30 1994-11-30 ウォーターバラスト付きボート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2859148B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101259389B1 (ko) * 2010-12-29 2013-04-30 조동진 수상운송장치
KR101347953B1 (ko) * 2011-04-19 2014-01-15 조현철 수상운송장치
KR20130119686A (ko) * 2012-04-24 2013-11-01 조동진 보트
KR101347957B1 (ko) * 2012-04-25 2014-01-15 조동진 부력유닛이 구비된 보트
NZ731433A (en) * 2014-11-19 2018-08-31 Masayuki Izume Planing ship and method for manufacturing same
KR102089054B1 (ko) * 2017-11-09 2020-03-13 한국항공우주연구원 수상 계류형 부양중량체를 구비한 비행체

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3085535A (en) 1959-08-24 1963-04-16 Hunt Ind Inc Boat hull

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5651696U (ja) * 1979-09-28 1981-05-07
JPS56105498U (ja) * 1980-01-17 1981-08-17
JPS6124395U (ja) * 1984-07-18 1986-02-13 株式会社 広備技術センタ− オ−ルボ−ト
JPS6277297A (ja) * 1985-09-30 1987-04-09 Achilles Corp 滑走ボ−ト
JPH0195991A (ja) * 1987-10-07 1989-04-14 Busco Roberto & Co Snc 船の竜骨に長手方向に取付けられたタンク

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3085535A (en) 1959-08-24 1963-04-16 Hunt Ind Inc Boat hull

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08150990A (ja) 1996-06-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5215025A (en) Boat
CA1198938A (en) Boat
EP0898543B1 (en) Surface effect vessel hull
US5647297A (en) Foam stabilized watercraft
JP2793364B2 (ja) 船舶及び船舶動作方法
US8459198B2 (en) Bouyant hull extension providing lateral and longitudinal control for lightweight hulls
US4896621A (en) Method of modifying a boat hull to obtain enhanced lift and rough water stability
JP3660683B2 (ja) 水面航行器
KR20120036313A (ko) 단차형 선체와 외부 핀을 가진 선박
US5231949A (en) Dihedral tunnel boat hull
JP2859148B2 (ja) ウォーターバラスト付きボート
CN113320655A (zh) 一种半潜式平台底部的浮箱及其设计方法
US5317982A (en) Ship
US7104209B1 (en) Hybridhull boat system
US4301758A (en) Craft with at least two hulls
RU196940U1 (ru) Надувная лодка с надувным дном высокого давления
US4883012A (en) Dual-purpose water craft
RU2302356C2 (ru) Корпус судна, имеющий центральный киль и бортовые скулы
NZ337957A (en) Tri-hulled catamarans with side hulls configuration decreasing dives or lifts at speed which also decreases drag coefficient
JP3117550B2 (ja) 船の減揺装置
RU2783765C1 (ru) Надувная комбинированная лодка и способ ее изготовления
CN211731753U (zh) 客滚船
RU2347694C2 (ru) Судно на воздушной подушке
JPH0415777Y2 (ja)
JPH0447035Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees