JP2858926B2 - 機械の静的精度計測用のマスター計測装置 - Google Patents

機械の静的精度計測用のマスター計測装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、マシニングセンタ等の工作機器やその他の
計測機器類等、種に使用頻度が高く、かつ精度維持要求
の高い機械類の静的精度の計測と較正やNC制御装置に供
給する機械側の軸補正データの採取、機械設置域に対す
る設置レベルの計測と調整等の多用途に使用することの
できる静的精度計測用のマスター計測装置に関する。
〔従来技術〕
従来より、マシニングセンタを始めとする工作機械、
2次元、3次元測定装置等の機械類においては、機械の
導入、設置時や使用過程における定期保守等で計測機器
やゲージ類を使用して静的精度の計測と較正が遂行され
る。このような工作機械類の静的精度の計測、較正は従
来から日本工業規格の規定(JIS B 6336)を適用し、直
定規、直角定規等の測定具を機械のテーブル面上に設置
し、テーブルや主軸頭の動作時にテストインジケータで
測定具の測定面を辿ることにより、測定データを取得す
る方法が取られていた。
例えば、第5図は工作機械の直交2軸、つまりワーク
テーブルの移動方向(X軸方向)と主軸頭の上下移動方
向(Y軸方向)との直角度を計測、較正する場合の例を
示している。第5図において、マシニングセンタのコラ
ム1に沿って上下する主軸頭2の主軸先端2aにテストイ
ンジゲータ6を取付け、又、機械のベッドに対してサド
ル4を介して平面内で直交する2軸方向(X軸、Z軸)
に移動変位可能なワークテーブル3にL字形をした直角
定規7を載置し、このとき、同直角規定7は鉛直な測定
面7aがZ軸に平行になるようにテストインジケータ6の
読みから調節しながら設置する。また、同測定面7aと直
角な面7cが、テーブル3のX軸移動面と平行になるよう
に予め機械のレベルを調節しておく。こうして直角定規
7の設置後に測定面7aにテストインジケータ6を接触さ
せ、次に主軸頭2をY軸方向に移動変位させることによ
りテストインジケータ6の揺れを読み取り、読みの最大
値から工作機械のX軸とY軸との直角度を計測、較正す
るものである。
また、第6図は工作機械の旋回テーブルにおけるワー
ク載台面の面振れを測定、較正する場合を示している。
この場合には、主軸頭2の主軸2aにテストインジケータ
8を取付け、機械のワークテーブル4上に載置した旋回
テーブル9の上面に載置したゲージブロック10の測定面
にテーブルインジケータ8の先端を接触させて旋回テー
ブル9を旋回変位させる。このとき、旋回テーブル9の
中心点を中心にして90゜づつの割出し位置を設定し、各
90゜の割出し位置に就いて旋回時のテーブルインジケー
タ8の揺れを読み、最大読みを測定データにして、面振
れ測定し、所定の較正がおこなわれる。
〔発明が解決しようとする課題〕
然しながら、上述した測定具を用いて行う工作機械の
静的精度の計測と較正は測定具を工作機械のワークテー
ブルや旋回テーブルの載置面に設置してから、実際に計
測を実行するまでの段取り処理、例えば、測定具を工作
機械の設置現場の環境温度に安定させたり、その後、測
定具の測定面をテストインジケータの触針に対して予め
ワークテーブルの移動変位方向に応じて調整をおこなわ
なければならない等の処理が必須であり、また、段取り
後の実測作業にも相当の時間を要し、上述したJIS B 63
36に規定された精度検査項目を網羅するには、1台の工
作機械の計測、較正に2日程度もの日数を要するばかり
か、作業者の高熟練度が要求される問題がある。
このような測定具を用いた工作機械の静的精度の測定
方法による問題点を緩和する一環として、最近、金属性
の立方体ブロックに測定基準面や基準孔を穿設して種々
の計測項目を単一の計測ブロックにより網羅し得るよう
にして、計測工数の削減を図った計測ブロック装置も市
販されているが、この計測ブロック装置は、金属材料製
であり、低膨張金属材が使用されているとしても、工作
機械が設置される加工現場において、種々の熱源からの
発熱の影響や1日を周期とした気温の変化等による温度
変化に応じて発生する伸縮による寸法変化は、マニシン
グセンタ等の精密な工作機械の静的精度検査等に用いる
基準測定具として適用するには精度的に相応しくないと
言う欠点がある。
依って、本発明の目的は、上述した日本工業規格に基
づく測定具で工作機械の静的精度測定を方法や市販の特
殊な計測ブロック装置を用いた方法で遭遇する計測技術
上の問題点を解決し得る基準計測装置を提供せんとする
ものである。
本発明の他の目的は、温度変化の影響を受けて基準計
測具としての精度が劣化することの無いように改善され
た機械の静的精度計測用のマスター計測装置を提供せん
とするものである。
本発明の更に他の目的は、マシニングセンタにのワー
クテーブル上に設置されて静的精度を計測せんとしたと
きに、マシニングセンタの制御装置によって自動計測
し、マシニングセンタの静的精度の計測データを得るこ
とを可能にし、故に、作業者の熟練度をいたずらに要し
ないようにした絶対座標系を有した機械の静的精度計測
用のマスター計測装置を提供せんとするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、線膨張係数が0または0に近い、つまり略
線膨張係数が0の棒状体の端面に基準面を有した複数本
の計測棒を組み合わせ、これらを低膨張性の材料によっ
て形成した中空体構造の支持具に取付、固定することに
より、三次元空間内に複数の計測基準面を設けるように
した単一基準計測装置を構成して上述の目的を達成する
ようにしたものである。
すなわち、本発明によれば、計測対象機械に設置して
用いられ、該機械に装着した接触計測ツールで接触検知
する基準接触面を備えることにより機械の静的精度を計
測するマスター計測装置において、 前記計測対象機械の載台面に直線又はパレットを介し
て載置される基準底面を有し、低膨張材から成る支持ブ
ロックと、 線膨張計数が略0値の棒体の少なくとも両端面を前記
接触形計測ツールと協動する基準計測面にして複数の該
棒体を井桁状に組んで前記支持ブロックに取付け固定し
た基準計測棒と、 前記支持ブロックの基準底面と反対の頂面に相互に分
離して取付、固定される少なくとも3つの座標基準設定
用のボールと、 を具備して構成された機械の静的精度計測用のマスター
計測装置を提供するものである。
〔作用〕
本発明による機械の静的精度計測用のマスター計測装
置は、基準計測棒に形成された基準計測面に使用し、工
作機械の主軸に装着したテストインジケータ等の接触形
計測ツールとの接触点における読みを得て演算すること
により、自動的に機械の静的精度の計測を行い、その計
測データに従って、構成をおこなうことができるのであ
る。
以下、本発明を添付図面に示す実施例に基づいて更に
詳細に説明する。
〔実施例〕
第1図は、本発明に係る機械の静的精度計測用のマス
ター計測装置の構造を示す斜視図、第2A図から第2C図
は、六面体構造を有した支持ブロックの構造を示す断面
図、上面図、2C−2C断面図、第3図は、線膨張係数が略
0の棒状材料によって形成される基準計測棒の正面図、
第4図は、工作機械の静的精度の計測方法を説明する略
示斜視図、第5図と第6図は従来技術による工作機械の
静的精度の計測方法を説明する略示図である。
第1図を参照すると、本発明の実施例に係るマスター
計測装置は、支持ブロック20を有し、この支持ブロック
20は略立方体又は直方体形状を有した中空六面体ユニッ
トとして形成され、低膨張係数を有し、かつ中空状態で
機械強度が大きな材料、例えば、低膨張鋳鉄による鋳物
ユニットとして形成され、周囲の温度変化による形状、
寸法の変化を極小に抑制し得るようにしている。
なお、支持ブロック20の構造の詳細は第2A図から第2C
図に従って後述する。
支持ブロック20の底面22は加工時に高仕上げ精度に仕
上げられた平坦面に形成され、支持ブロック20を工作機
械のワークテーブル上に直接またはパレット等の治具を
介して設置するときに安定に設置可能とする基準面を形
成している。また、支持ブロック20の四側面の各面には
保持具30を介して計測棒40が取付け、固定されている。
このとき、複数と保持具30は、1つの部品として低膨張
材料(低膨張鋳鉄)を用いて別に製造され、支持ブロッ
ク20の各側面のコーナー部位に、固定ネジ等の取付手段
で取付け、固定されるか、または支持ブロック20を鋳造
する過程で同時に鋳造、形成した支持ブロックと一体の
部分として設けられても良い。そして、各保持具30は丸
棒形状を有した計測棒40を挿通する保持孔と、その保持
孔に計測棒40を挿通後に締付けネジで計測棒40を不動に
固定できるように上記保持孔に向けて切り入れたすり割
りとを備え、締付けネジですり割り部分を締付けて計測
棒40を固定的に保持する構造を備えている。
さて、計測棒40は各面に4本が井桁状に組んで取付
け、固定されている。この計測棒40は線膨張係数が略0
のプラス材料で形成されており、そのようなガラス材料
としては、例えば日本電気ガラス(株)により製造、販
売されているネオセラムNO.N−0(線膨張係数:−6.5
X 10-7/℃)からなる棒状体を研削形成することにより
所望の計測棒とすることができる。なお、上記のネオセ
ラムNO.N−0によると、計測棒の長さが320mmの場合に
温度変化が10℃に対して誤差は2ミクロン程度の極小値
になり、故に、マシニングセンタ等の高精度の工作機械
の静的精度を計測する用途にも十分に耐えることができ
る。各計測棒40は第3図に図示のように、少なくともそ
の両端が接触形のインジケータにより接触、計測される
計測基準面42を形成するように予め高仕上げ面として形
成されている。然しながら、更に、膨状体の長さ方向の
表面に1ないし複数の平坦な計測面44を予め形成してお
いても良い。この計測棒40は上述のように線膨張係数が
略0と見做しことができる材料から形成されているの
で、1日の気温変化等により温度変化が発生する場所で
使用されても伸縮により計測に影響を来すような長さ変
動が発生しないよう配慮されている。このように温度変
化の影響が低減された計測棒40は、既述の如く各棒が両
端に計測面基準42を有することにより、マスター計測装
置の各側面には4本の計測棒40により空間内に夫々が分
離したA:B、C:D、G:H、I:Jで示された8点の計測基準面
42が形成されている。なお、各側面の計測棒40の計測基
準面42は、予め計測棒40の長さを4本が全て等長となる
ように製造し、例えば第1図において、計測基準面42に
就き、GとIが、又HとJが縦方向に略揃っているよう
に取付け固定し、又AとC及びBとDが水平方向に略揃
っているように取付け、固定することが好ましい。又、
本実施例では、最適実施例として支持ブロック20の4つ
の側面に夫々、井桁状に計測棒40を組み付けた構造とし
て記載したが、所要に応じて4つの側面全部ではなく、
例えば、隣接した2つの側面にだけ計測棒40の井桁組立
体を取付け、固定した構造としても十分に計測機能を達
成できる場合もある。4つの側面全部に計測棒40を取付
けておけば、マシニングセンタ等の工作機械上に設置し
て使用するときに、任意の側面の計測棒40を使用できる
点、静的精度に関する検査項目が多い場合にも1台のマ
スター計測装置で全て網羅できる点等で便宜であるとい
う利点がある。
支持ブロック20の上面には、十字形の支持板32がねじ
止め又は接着等の固定方法で取付けられ、この支持板32
に依って形成される4つのコーナー位置と中心位置との
5つの位置にマスター球34が取付台36を介して取付けら
れている。マスター球34と取付台36とは一体要素に予め
形成され、取付台36の下端に設けた雄ねじ軸を支持板32
の取付位置に形成した雌ねじ孔に螺合させることにより
固定されている。このマスター球34は予め既知の直径を
有し、鋼球により形成すれば良いが、好ましくは温度変
化の影響を受けないガラス材料等によって形成された球
体であることがより望ましい。これらの5つのマスター
球34における中心位置のマスター球34と支持ブロック20
の各側面の両端に位置した2つ1組のマスター球34(各
側面に2つ1組があり、従って4側面で4組があること
になる)との3つのマスター球34の各位置を周知の高精
度の三次元側定器により計測した三次元位置データを絶
対座標位置として使用すれば、マスター計測装置を工作
機械に設置したとき、工作機械上における3つのマスタ
ー球34の位置が不変であることから、これらの3つのマ
スター球34の位置を工作機械に装着した接触形計測ツー
ルで測定することにより、機械の座標系におけるマスタ
ー球34の位置関係からマスター計測装置の機械上におけ
る位置、姿勢を検出して、その検出データによって機械
の静的精度の計測時に補正を行うことが可能となる。つ
まり、マスター計測が装置が機械上で例えば、設置時に
傾いて設置されている場合等はその傾きがマスター球34
の絶対座標位置のデータから検出できるので、その後に
遂行される機械の静的精度の計測をその分だけ補正する
ことが可能となるのである。
ここで、第2A図から第2C図を参照すれば明らかなよう
に、支持ブロック20は、中央部に円筒状の縦リブ24を有
し、外周囲には4つの縦壁面26を備え、縦リブ24と各縦
壁面26とが頂部で4つの横リブ27で結合されている。そ
して下底部には基準面22を有した四角形状の基台23と上
記の縦リブ24の外側に同心に位置した円筒状の縦リブ28
が備えられ、両縦リブ24と28とは下底部の横リブ29によ
って接続されている。つまり、支持ブロック20は中空の
軽量ユニットとして形成される共に内側の円筒縦リブ24
の中心線を中心とした線対称形状を有し、故に、この点
でも温度変化の影響で形状歪みが発生しない単体ユニッ
トに設計、製造されていることがわかる。このような中
空形状の支持ブロック20により計測棒40を支持した構造
のマスター計測装置は温度変化に対する歪み誤差が殆ど
無視可能な高精度の計測基準装置と成ることが分かる。
マスター計測装置は、支持ブロック20に計測棒40、マ
スター球34が取付け、固定された組立の完了状態で予
め、高精度の三次元測定器を用いて既述したマスター球
34の位置を絶対座標位置として計測し、また、計測棒40
の各計測基準面42の位置を絶対座標位置として計測し、
記録する。つまり、登録したデータはマスター計測装置
が損傷等により故障を生じた場合を除き、永続的に同マ
スター装置の絶対的な基準データとして用いられ、以後
のマスター計測装置による工作機械の静的精度の計測時
に使用されるのである。
次に上述した本発明に係るマスター計測装置を用いて
工作機械、特に、マシニングセンタの静的精度の計測を
行う方法を第4図を参照して説明する。
第4図に示すように、マスター計測装置50はは予めマ
シニングセンタによる加工ワークと同様にパレット60に
予め設置される。つまり、ワーク加工の場合と同様に、
ワークステーションからマシニングセンタのワークテー
ブル62上に搬送車等によって自動搬送され、搭載され
る。
他方、マシニングセンタの主軸64には周知の自動工具
交換装置による工具交換と同作用によって、予め工具マ
ガジンに準備された接触形計測ツール、例えば、周知の
タッチプローブ装置66等が装着される。
なお、マスター計測装置50をパレット60に設置すると
きは、適宜の断熱シート材を介在させることが好まし
い。
そして、マスター計測装置50の1つの側面がマシニン
グセンタの主軸64に装着されたタッチプローブ装置66に
対向するように、例えば、第1図に示した計測基準面42
を有した計測棒40のA:B、C:D、G:H、I:Jの組が主軸64の
先端を向くように機械のワークテーブル上に設置する。
次いで、マシニングセンタのワークテーブル62のX軸
方向の移動変位、主軸64を有した主軸頭のY軸方向の移
動変位、主軸64の軸心に一致したZ軸方向の移動変位
(X軸、Y軸、Z軸は互いに三次元空間内で直交する3
方向であり、工作機械の加工動作に必要とさる通常の動
作方向である)によって主軸64に装着したタッチプロー
ブ装置66でマスター球34の座標位置を検出する。このと
き、マスター球34は全て直径が既知量の球体であるか
ら、タッチプローブ装置66と各マスター球34との接触時
の位置データを得ることにより、簡単に全てのマスター
球34の中心位置のX、Y、Zデータを検知、採取するこ
とが可能である。こうして、マスター球34の座標デー
タ、特に、マスター計測装置50の中心位置にあるマスタ
ー球34と上記4組の計棒40を井桁状に有した側面の両端
に装着された2つのマスター球34との合計3個のマスタ
ー球34の座標値データを計測すれば、マシニングセンタ
が有する直交3軸のX、Y、Z座標系における各マスタ
ー球34の座標位置が確定する。故に、このデータとそれ
らマスター球34に関して登録された絶対座標データとの
関係からマスター計測装置50がマシニングセンタの機械
上に設置された状態における水平面に対する傾きやマシ
ニングセンタ座標の原点に対するマスター計測装置50の
中心のマスター球34の座標データ等を得ることができ
る。
このようにしてマスター球34のデータ取得後にマシニ
ングセンタの静的精度の実測工程に入る。
例えば、マシニングセンタのワークテーブル62の面と
主軸64との間におけるX軸とY軸との直角度、X軸とZ
軸との直角度、Y軸とZ軸との直角度を始めとするテー
ブル動きによる位置決め精度、繰り返し位置決め精度、
ワークテーブル62の割出し旋回におけるテーブル割出し
精度、ワークテーブルのX軸移動変位におけるピッチン
グ精度、同ローリング精度、同ヨー精度、ワークテーブ
ル上面の旋回時の面振れ精度、ワークテーブルのX軸方
向の移動変位における真直度等種々の日本工業規格に指
定された静的精度の検査項目に就いて、マスター計測装
置50の計測棒40における計測基準面42を用いて計測を遂
行することができる。
例えば、ワークテーブル62のX軸方向の移動変位と主
軸64のY軸方向の移動変位の直角度を測定する場合につ
いて簡単に説明する。
先ず、ワークテーブル62のX軸方向の移動変位によっ
て主軸64に装着したタッチプローブ装置66を同方向に移
動変位させ、計測棒40の計測基準面42におけるB、Dの
面を接触検知してデータを採取する。なお、このとき、
タッチプローブ装置66を接触させるために微小のY軸方
向の変位が主軸頭の移動により付与されても良い。
次に主軸64をY軸方向に移動変位させて計測棒40の計
測基準面42におけるGとIとの基準面にタッチプローブ
装置66を接触させ、同GとIとの基準面を検知する。こ
のようにして検知した時点におけるB面、D面、G面、
I面の計測データをB1,D1,G1,I1とし、又、予め高精度
の三次元測定装置で計測したこれら4つの計測基準面42
の絶対座標データをB0,D0,G0,I0とすると、マシニング
センタ上におき、計測した上記B1,D1,G1,I1をマスター
計測装置50の座標系の値にマスター球34の上記計測値と
三次元測定装置で予め測定した絶対座標との差に応じて
変換し、その変換後の値をB,D,G,Iとすると、マシニン
グセンタにおけるワークテーブル62の移動変位方向であ
るX軸と主軸64が上下に移動変位する方向であるY軸と
の間のX:Y直角度は 〔(G−G0)−(I−I0〕×Q/P −〔(B−B0)−(D−D0)〕 ・・・(1) なる演算によって得ることができる。
なお、上記(1)式において、Qは面GとIとの間の
Y軸に沿う距離、Pは面BとDとの間のX軸に沿う距離
である。従って、上述した変換演算や(1)式の演算を
マシニングセンタに備えられた制御装置のメモリー手段
に予め記憶させておけば、自動的に演算を遂行すること
ができる。
上述の説明には、マニシングセンタのX軸−Y軸間の
直角度に就いて1例として説明したが、他の日本工業規
格(JIS B 6336)に規定された工作機械の静的精度の検
査項目に就いても、マスター計測装置50の計測棒40の基
準計測面42を主軸64に装着したタッチプローブ66等の計
測ツールを用いて接触法で計測を遂行することができ
る。
〔発明の効果〕
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、工
作機械の静的精度の計測、その計測結果に基づく較正が
単一のマスター計測ユニットを駆使して全ての検査項目
に就いて連続的に遂行でき、従って工作機械の精度検査
を短時間で達成することができる。しかも、本発明に係
るマスター計測装置は、使用現場の1日の気温の変化や
熱発生源の存在等による温度変化の影響を受けることが
なく、故に、計測精度が温度変化に応じて劣化すること
がないという利点がある。
更に、本発明によるマスター計測装置は、単一の計測
装置で多数の計測項目を網羅できるから、マシニングセ
ンタ等の静的精度をパレットを用いて機械のワークテー
ブル上に設置し、計測結果を同マシニングセンタの制御
装置に具備された演算手段とメモリー手段を用いて演算
することにより自動計測を遂行することができるう。こ
の結果、工作機械の精度計測を特別な熟練度を有した作
業者しか行い得ないと言う従来の欠点を解消を図ること
もできるのである。
なお、本発明に係るマスター計測装置は工業機械の静
的精度ばかりでなく、工作加工現場や検査現場で使用さ
れる種々の計測装置の静的精度の測定、較正やその他の
一般機械類の精度測定にも適用できることは言うまでも
ない。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る機械の静的精度計測用のマスタ
ー計測装置の構成を示す斜視図、第2A図から第2C図は、
六面体構造を有した支持ブロックの構造を示す断面図、
上面図、2C−2C断面図、第3図は、線膨張係数が略0の
棒状材料によって形成される基準計測棒の正面図、第4
図は、工作機械の静的精度の計測方法を説明する略示斜
視図、第5図と第6図は従来技術による工作機械の静的
精度の計測方法を説明する略示図。 20……支持ブロック、22……下底面、30……保持具、34
……マスター球、40……計測棒、42……計測基準面。
フロントページの続き (72)発明者 久木田 充至 山梨県南都留郡忍野村忍草字古馬場3580 番地 ファナック株式会社内 (56)参考文献 特開 昭54−84760(JP,A) 実開 昭51−77154(JP,U) 実開 昭62−46305(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01B 3/00 - 3/56 G01B 5/00 - 5/30 B23Q 17/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】計測対象機械に設置して用いられ、該機械
    に装着した接触形計測ツールで接触検知する基準接触面
    を備えることにより機械の静的精度を計測するマスター
    計測装置において、 前記計測対象機械の載台面に直接またはパレットを介し
    て載置される基準底面を有し、低膨張材から成る支持ブ
    ロックと、 線膨張計数が略0値の棒状の少なくとも両端面を前記接
    触形計測ツールと協動する基準計測面にして複数の該棒
    体を井桁状に組んで前記支持ブロックに取付け固定した
    基準計測棒と、 前記支持ブロックの基準底面と反対の頂面に相互に分離
    して取付、固定される少なくとも3つの座標基準設定用
    のボールと、 を具備して構成されることを特徴とした機械の静的精度
    計測用のマスター計測装置。
  2. 【請求項2】前記支持ブロックは立方体又は直方体形状
    を有した中空ブロックからなると共に該立方体又は直方
    体の少なくとも1つの面が平面度の高い前記基準底面に
    形成され、該基準底面を囲む四面の少なくとも一つの面
    に4つの前記棒体が井桁状に取付、固定され、空間に8
    つの基準計測面を形成して成る請求項1に記載の機械の
    静的精度計測用のマスター計測装置。
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