JP2857690B2 - 義歯床安定化シート - Google Patents

義歯床安定化シート

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JP2857690B2 JP8119536A JP11953696A JP2857690B2 JP 2857690 B2 JP2857690 B2 JP 2857690B2 JP 8119536 A JP8119536 A JP 8119536A JP 11953696 A JP11953696 A JP 11953696A JP 2857690 B2 JP2857690 B2 JP 2857690B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、使用者の顎及び
義歯床の形状に適合すると共に、義歯床を使用者の顎に
安定させるのに役立つ義歯床安定化シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来は、義歯床を顎に安定させるための
手段として、粉状、ペースト状又は軟質板状の合成樹脂
から作られた義歯床安定材を用いて、義歯床の使用者
が、義歯床を顎に装着する段階で、義歯床を顎の間に生
じた間隙に義歯床安定材を充填するために、その都度、
粉状又はペースト状のものにおいては義歯床安定材の必
要量を容器から取り出し、軟質板状シートのものについ
ては適当な寸法形状に成形して使用している。
【0003】上述のような軟質シート状の義歯床安定シ
ートとしては、特開昭57−59529号公報に記載の
ポリチレン、ポリプロピレン、ポリブチン、ポリ塩化ビ
ニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ナイロン、ポリ
弗化ビニル、テフロン、ポリアクリロニトリル及びポリ
ビニルアルコールを含む義歯床の裏装用プラスチック材
料、実開昭59−172413号公報に記載の総義歯安
定用薄層シート、実開昭54−123695号公報に記
載の義歯用固定シート、及び実開昭61−196723
号公報に記載の義歯床安定材が提案されている。
【0004】さらには、本出願人による特開平3−10
9064号公報には、エチルメタルクリレートポリマー
41〜43重量%、ブチルフタリルブチルグリコレート
37〜39重量%及びグリセリルトリアセテート17〜
23重量%を含む組成物からなる義歯床を顎に安定させ
るための義歯床安定化シートが提案されており、この義
歯床安定化シートは、上記の組成物を含むので、約3日
で硬化し、約2週間の使用に耐える。この義歯床安定化
シートは、好ましくは、酸化チタン0.01〜0.3重
量%を更に含む。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、義歯床
安定化シートで安定化された義歯床の約2週間にわたる
使用後に、新しい義歯床安定化シートと交換するため
に、硬化した義歯床安定化シートを剥離させるべく義歯
床の裏面に固着した義歯床安定化シートを端からはがし
て行くと、当該義歯床安定化シートが途中で折れてしま
い、硬化した義歯床安定化シートの全部をはがすのに手
間がかかる。
【0006】本発明の目的は、義歯床安定化シートで安
定化された義歯床の使用後に、義歯床安定化シートの交
換のために硬化した義歯床安定化シートを剥離させるの
を容易に行い得る義歯床安定化シートを提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するた
めに、請求項1の義歯床安定化シートは、義歯床裏装用
のプラスチック組成物から成り、かつ義歯床を顎に安定
させるための義歯床安定化シート部材と、該義歯床安定
化シート部材の中に存在し、該義歯床安定化シート部材
を補強するための補強用シート状部材とを備え、前記補
強用シート状部材が伸縮性の材料で作られていることを
特徴をする。
【0008】
【0009】請求項の義歯床安定化シートは、請求項
の義歯床安定化シートにおいて、前記補強用シート状
部材が不織布であることを特徴とする。
【0010】請求項の義歯床安定化シートは、請求項
の義歯床安定化シートにおいて、前記補強用シート状
部材が織布であることを特徴とする。
【0011】請求項の義歯床安定化シートは、請求項
の義歯床安定化シートにおいて、前記補強用シート状
部材がゴムであることを特徴とする。
【0012】請求項の義歯床安定化シートは、請求項
1からのいずれか1項の義歯床安定化シートにおい
て、前記補強用シート状部材がナイロン樹脂、ポリオレ
フィン樹脂、ポリエステル樹脂、又はアクリレート樹脂
からなることを特徴とする。
【0013】請求項の義歯床安定化シートは、請求項
の義歯床安定化シートにおいて、前記不織布が薄葉紙
状のナイロン不織布であることを特徴とする。
【0014】請求項の義歯床安定化シートは、請求項
の義歯床安定化シートにおいて、前記織布が、編まれ
たナイロンであることを特徴とする。
【0015】請求項の義歯床安定化シートは、請求項
1からのいずれか1項記載の義歯床安定化シートにお
いて、前記プラスチックの組成物が、エチルメタクリレ
ートポリマー41〜43重量%、ブチルフタリルブチル
グリコレート37〜39重量%及びグリセリルトリアセ
テート17〜23重量%を含む組成物からなることを特
徴とする。
【0016】請求項1の義歯床安定化シートによれば、
該義歯床安定化シート部材の中に該義歯床安定化シート
を補強するための補強用シート状部材が存在するので、
義歯床安定化シートで安定化された義歯床の約2週間に
わたる使用後、新しい義歯床安定化シートと交換するた
めに、硬化した義歯床安定化シートを剥離させるべく義
歯床の裏面に固着した義歯床安定化シートを端から少し
ずつはがしていくときに、義歯床安定化シート部材は折
れるものの補強用シート状部材はその伸縮性の故に折れ
て切断することはなく、折れた義歯床安定化シートを補
強用シート部材により繋がったままに維持することがで
きるので、義歯床安定化シートを一体として一度に義歯
床からはがすことができ、義歯床安定化シートの交換作
業を容易に行うことができる。加えて、補強用シート状
部材が伸縮性の材料で作られているので、義歯床安定化
シートを義歯床に装着するときに、義歯床安定化シート
状部材の延びに合わせて補強シート部材が延びるので、
該義歯床安定化シートの義歯床への装着を容易に行うこ
とができる。
【0017】
【0018】請求項の義歯床安定化シートによれば、
補強用シート状部材が不織布であるので、該不織布の両
側に存在する義歯床安定化シート部材が該不織布の間隙
を介して接着し、義歯床安定化シートを堅固な一体物と
することができる。
【0019】請求項の義歯床安定化シートによれば、
補強用シート状部材が織布であるので、該織布の両側に
存在する義歯床安定化シート部材が該不織布の間隙を介
して接着し、義歯床安定化シートを堅固な一体物とする
ことができる。
【0020】請求項の義歯床安定化シートによれば、
補強用シート状部材がゴムであるので、ゴムが有する本
来的な伸縮性の故に、義歯床安定化シートを顎に装着す
るときに、義歯床安定化シート部材の延びを阻害するこ
とがない。
【0021】請求項の義歯安定化シートによれば、前
記補強用シート状部材がナイロン樹脂、ポリオレフィン
樹脂、ポリエステル樹脂、又はアクリレート樹脂からな
るので、所望の伸縮度及び強度を得ることができ、かつ
義歯床安定化シート部材の義歯床裏装用プラスチック組
成物との相性を良好とできる。
【0022】請求項の義歯床安定化シートによれば、
前記不織布が薄葉紙状のナイロン不織布であるので、補
強用シート部材の伸縮度を大きくできる。
【0023】請求項の義歯床安定化シートによれば、
前記織布が、編まれたナイロンであるので、補強用シー
状部材の強度を高めることができる。
【0024】請求項の義歯床安定化シートによれば、
この裏装用プラスチック材料は、エチルメタクリレート
ポリマー41〜43重量%、ブチルフタリルブチルグリ
コレート37〜39重量%及びグリセリルトリアセテー
ト17〜23重量%を含む組成物からなるので、該義歯
床安定化シート部材は、約3日で硬化し、約2週間の使
用に耐える。また、該義歯床の顎への装着時に体温及び
唾液により義歯床安定化シート部材が固化し得(遅延硬
化性に優れ)、容易に義歯床を顎に安定させ得(形状安
定化に優れ)、加えて、義歯床との接着性に優れ使用者
の義歯床安定化シートの成形物の特殊な形状への成形時
の成形性、及び義歯床使用後の義歯床安定化シートの成
形物と義歯床との剥離性を良好とし得る。この義歯床安
定化シート部材は、好ましくは、酸化チタン0.01〜
0.3重量%を更に含む。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す好まし
い実施の形態を参照しながら詳説する。
【0026】図1及び図2に示される本発明の実施の形
態に係る義歯床安定化シートの成型物は、ほぼ上顎用義
歯床の形に成形されている。
【0027】この義歯床安定化シートの成型物は、義歯
床裏装用のプラスチック組成物から成ると共に、かつ義
歯床を顎に安定させるための義歯床安定化シート部材1
0、10と、義歯床安定化シート部材10、10の間に
存在し、義歯床安定化シート部材10、10を補強する
ための補強用シート状部材20とを備える。
【0028】この義歯床裏装用のプラスチック材料は、
エチルメタクリレートポリマー41〜43重量%、ブチ
ルフタリルブチルグリコレート37〜39重量%及びグ
リセリルトリアセテート17〜23重量%を含む組成物
からなり、この義歯床安定化シートは、上記の組成物を
含むので、約3日で硬化し、約2週間の使用に耐える。
この義歯床安定化シートは、好ましくは、酸化チタン
0.01〜0.3重量%を更に含む。また、顎への装着
時に体温及び唾液により義歯床安定化シートが固化し得
(遅延硬化性に優れ)、容易に義歯床を顎に安定させ得
(形状安定化に優れ)、加えて、義歯床との接着性に優
れ使用者の義歯床安定化シートの成形物の特殊な形状へ
の成形時の成形性、及び義歯床使用後の義歯床安定化シ
ートの成形物と義歯床との剥離性を良好とし得る。
【0029】一方、補強用シート状部材20は薄葉紙状
のナイロン不織布で作られている。このナイロン不織布
は伸縮性がある。
【0030】以下、補強用シート状部材20の変形例に
ついて説明する。
【0031】補強用シート状部材20は伸縮性の材料で
作られているのがよく、薄葉紙状のナイロン不織布の他
に編まれたナイロン又は薄いゴムであってもよく、ワイ
ヤメッシュ状部材であってもよい。補強用シート状部材
20は厚さが薄い程よい。補強用シート状部材20は不
織布、織布、又はワイヤメッシュ状部材の場合は、不織
布、織布又はワイヤメッシュ状部材の間隙を介してその
両側に存在する義歯床安定化シート部材10,10を相
互に装着することができ、義歯床安定化シートを堅固な
一体物とするとこができる。
【0032】補強用シート状部材20が薄いゴム布であ
る場合は、補強用シート状部材20の両側に存在する義
歯床安定化シート部材10、10の相互の接着性を高め
るために、薄いゴム布に適宜な間隔で多数の孔が開けら
れるのがよい。
【0033】本実施の形態の義歯床安定化シートにおい
ては、図2に示されるように、本上顎用義歯床安定化シ
ートの成型物は一様の厚さを有し、その全体の厚さは
0.2〜2mm、好ましくは0.5〜1.5mm、更に
好ましくは0.9〜1.1mmである。補強用シート部
材11の厚さは、0.01〜0.2mmである。
【0034】本実施の形態に係る義歯床安定化シート
は、中に補強用シート状部材20が存在するので、本義
歯床安定化シートで安定化された義歯床の約2週間にわ
たる使用後、新しい義歯床安定化シートと交換すべく硬
化した義歯床安定化シートを剥離させるために、義歯床
の裏面に固着した義歯床安定化シートを端からはがして
いくときに、当該義歯床安定化シートが途中で折れるこ
となく、硬化した義歯床安定化シートの全部を一度には
がすことができ、義歯床安定化シートの交換作業を容易
に行うことができる。
【0035】以下、図面に示す具体例を参照しながら、
義歯床安定化シートの形状を説明する。
【0036】図1に示された義歯床安定化シートの成型
物の実施の形態は上顎用である。本成型物は、前縁1、
後縁2、左側縁3及び右側縁4により特定されたほぼ台
形の形状を有しており、前縁1と後縁2とは互いに平行
であって、前縁1は後縁2より短く、しかもこの台形は
後縁2に垂直な中心軸5に関して対称である。また、前
縁1、左側縁3及び右側縁4は外側にわずかに湾曲した
略直線であり、台形の各頂部6は一定の曲率を有する曲
線で規定されている。後縁2は、台形の中心部方向にわ
ずかに変形しており、かつ一定の曲率を有する曲線で規
定されている。
【0037】加うるに、この義歯床安定化シートの成形
物は網目状の板材から作られてもよい。この場合は、義
歯床安定化シートの組成物の使用量を減らすことができ
る。
【0038】図3に示された上顎用義歯床安定化シート
の成形物の実施の形態の変形例は上顎用であり、基本的
な形状は図1に示す成形物と同じであるが、前縁1、左
側縁3、右側縁4は直線である点が図2の成形物と異な
る。
【0039】ここで、各頂部6の形状、及び後縁2の台
形の中心部方向への変形部が一定の曲率の曲線以外のい
ずれの曲線であってもよい。
【0040】図4に示された上顎用義歯床安定化シート
の成型物の実施の形態の他の変形例では、基本的な形状
は図1に示す成型物と同じであるが、台形の中心部に打
ち抜き部7を有する点で、図1に示す成型物と異なる。
この打ち抜き部7は、外形の形状を縮小した前縁、後
縁、左側縁及び右側縁を有するほぼ相似台形の形状を呈
する。
【0041】打ち抜き部7は以下の効果を呈する。義歯
床安定化シートが固着している義歯床を上顎に装着した
ときに、義歯床を義歯床安定化シートと共に上顎側に強
く押すと義歯床安定化シートはへこみ、打ち抜き部7に
よって規定される空間の体積が減少し、当該空間に閉じ
こめられた空気が上顎と義歯床安定化シートとの間の間
隙を介して側方に押し出される。その後、義歯床の上顎
に対する押圧をやめると義歯床安定化シートが有する作
用により、打ち抜き部7によって規定される空間内に負
圧が生起されて義歯床が上顎に向かって吸引され、義歯
床が上顎に確実に保持され得る。また、打ち抜き部7に
対応する上顎の部位は義歯床安定化シートによって圧迫
されることなく、義歯床下の粘膜、血管及び神経は保護
される。
【0042】図5に示された義歯床安定化シートの成形
物の実施の形態のさらに他の変形例は下顎用である。本
成型物は、前縁1、後縁2、左側縁3及び右側縁4によ
り規定されたほぼ馬蹄形の形状を有しており、前縁1と
後縁2は互いに平行であって、前縁1は後縁2より短
く、しかもこの馬蹄形は後縁2に垂直な中心軸5に関し
て対称である。また、左側縁3及び右側縁4はわずかに
湾曲した略直線を形成している。
【0043】さらに、前縁1に隣接する頂部の曲率が大
きいため前縁1の直線部がなくなっている。また、後縁
2に隣接する頂部6の曲線が半円であると共に、後縁2
が馬蹄形の中心部の近傍まで変形しており、後縁2の中
央が半円を規定している。この後縁2の台形の中心部方
向への変形部によって舌と義歯床安定化シートの成型物
とが干渉するのを避けることができる。加うるに、この
義歯床安定化シートの成形物は網目状の板材から作られ
てもよい。この場合は、義歯床の顎に対する維持力をさ
らに増加させることができる。この場合、図5に示す実
施の形態において、各頂部6の形状及び後縁2の馬蹄形
の中心部方向への変形は半円又は一定の曲率を有する曲
線以外のいずれの曲線としてもよい。
【0044】図6に示された義歯床安定化シートの成形
物の実施の形態のさらに他の変形例は下顎用である。本
成型物は、基本的な形状は図5に示した成型物と同じで
あるが、左側縁3及び右側縁4は後縁5に垂直である。
ここで各頂部6の形状及び後縁2の馬蹄形の中心部方向
への変形は半円又は一定の曲率を有する曲線以外のいず
れの曲線としてもよい。
【0045】以上の義歯床安定化シートの成形物の使用
法は次の通りである。まず、義歯床に軟質状の義歯床安
定化シートを張り付け、これを口腔内に挿入し、顎に装
着した後、上下の歯をかみ合わせて、義歯床を顎側に押
圧する。硬化前の義歯床安定化シートの成形物は、軟質
な性質を有するが故に、この押圧力によって変形し、義
歯床を顎の間隙部を埋めると共に義歯床を顎に安定させ
る。この義歯床安定化シートの成形物は、材料の硬化特
性により、口腔内の温度と水分とに応じて時間の経過と
共に硬化する。
【0046】本義歯床安定化シートで安定化された義歯
床の約2週間にわたる使用後、新しい義歯床安定化シー
トと交換するために、硬化した義歯床安定化シートを剥
離すべく義歯床の裏面に固着した義歯床安定化シートを
端からはがしていく。本義歯床安定化シートには、補強
用シート状部材が中に存在するので、当該義歯床安定化
シートが途中で折れることなく、硬化した義歯床安定化
シートの全部を一度にはがすことができ、義歯床安定化
シートの交換作業を容易に行うことができる。
【0047】一方、あらかじめ顎と義歯床の形状に適合
する形状に成形された義歯床安定化シートの成型物を使
用すれば、使用者が、義歯床を顎に装着する度に、粉状
又はペースト状の義歯床安定材を容器から必要量だけ取
り出した後、義歯床に盛り付けたり、軟質状の義歯安定
材を義歯床の寸法形状に合わせて成形する等のわずらわ
しい作業や義歯床安定材の厚さを均等にする等のわずら
わしい作業から開放され、誰もが、神経を使うことなく
きわめて容易にかつ確実に義歯床を顎に装着し安定させ
ることができ、また、未成形の軟質の義歯床安定材を、
使用者が成形して使う場合に比べ、不要分が少ないので
経済的であり、装着時に義歯床安定材に手があまりふれ
ないで済むので衛生的である。
【0048】上記の特定な形状をした義歯床安定化シー
トの成形物の製造方法としては、公知の方法が適用し得
る。たとえば、所定割合の成分を含む合成樹脂組成物を
よく混練した後、所定の厚さを有するシート状又は網目
状の板材に延ばし、この延ばされた板材の2枚の間に補
強用シート状部材を挟んだ後、得られた材料を所望の形
状に打ち抜く方法と、上記混練された組成物をまず雌型
内に所望の厚さに充填し、その上に雌型の形状に合わせ
て成形した補強用シート状部材を載せ、さらにその上に
上記混練された組成物を充填することによって所望の形
状に成型する方法とがある。
【0049】
【発明の効果】請求項1の義歯床安定化シートによれ
ば、該義歯床安定化シート部材の中に該義歯床安定化シ
ートを補強するための補強用シート状部材が存在するの
で、義歯床安定化シートで安定化された義歯床の約2週
間にわたる使用後、新しい義歯床安定化シートと交換す
るために、硬化した義歯床安定化シートを剥離させるべ
く義歯床の裏面に固着した義歯床安定化シートを端から
少しずつはがしていくときに、義歯床安定化シート部材
は折れるものの補強用シート状部材はその伸縮性の故に
折れて切断することはなく、折れた義歯床安定化シート
を補強用シート部材により繋がったままに維持すること
ができるので、義歯床安定化シートを一体として一度に
義歯床からはがすことができ、義歯床安定化シートの交
換作業を容易に行うことができる。加えて、補強用シー
ト状部材が伸縮性の材料で作られているので、義歯床安
定化シートを義歯床に装着するときに、義歯床安定化シ
ート状部材の延びに合わせて補強シート部材が延びるの
で、該義歯床安定化シートの義歯床への装着を容易に行
うことができる。
【0050】
【0051】請求項の義歯床安定化シートによれば、
補強用シート状部材が不織布であるので、該不織布の両
側に存在する義歯床安定化シート部材が該不織布の間隙
を介して接着し、義歯床安定化シートを堅固な一体物と
することができる。
【0052】請求項の義歯床安定化シートによれば、
補強用シート状部材が織布であるので、該織布の両側に
存在する義歯床安定化シート部材が該不織布の間隙を介
して接着し、義歯床安定化シートを堅固な一体物とする
ことができる。
【0053】請求項の義歯床安定化シートによれば、
補強用シート状部材がゴムであるので、ゴムが有する本
来的な伸縮性の故に、義歯床安定化シートを顎に装着す
るときに、義歯床安定化シート部材の延びを阻害するこ
とができない。
【0054】請求項の義歯安定化シートによれば、前
記補強用シート部材がナイロン樹脂、ポリオレフィン
樹脂、ポリエステル樹脂、又はアクリレート樹脂からな
るので、所望の伸縮度及び強度を得ることができ、かつ
義歯床安定化シート部材の義歯床裏装用プラスチック組
成物との相性を良好とできる。
【0055】請求項の義歯床安定化シートによれば、
前記不織布が薄葉紙状のナイロン不織布であるので、補
強用シート部材の伸縮度を大きくできる。
【0056】請求項の義歯床安定化シートによれば、
前記織布が、編まれたナイロンであるので、補強用シー
状部材の強度を高めることができる。
【0057】請求項の義歯床安定化シートによれば、
この裏装用プラスチック材料は、エチルメタクリレート
ポリマー41〜43重量%、ブチルフタリルブチルグリ
コレート37〜39重量%及びグリセリルトリアセテー
ト17〜23重量%を含む組成物からなるので、該義歯
床安定化シート部材は、約3日で硬化し、約2週間の使
用に耐える。また、該義歯床安定化シートの顎への装着
時に体温及び唾液により義歯床安定化シート部材が固化
し得(遅延硬化性に優れ)、容易に義歯床を顎に安定さ
せ得(形状安定化に優れ)、加えて、義歯床との接着性
に優れ使用者の義歯床安定化シートの成形物の特殊な形
状への成形時の成形性、及び義歯床使用後の義歯床安定
化シートの成形物と義歯床との剥離性を良好とし得る。
この義歯床安定化シート部材は、好ましくは、酸化チタ
ン0.01〜0.3重量%を更に含む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る義歯床安定化シートの成形物の実
施の形態を示す平面図である。
【図2】図1に示す義歯床安定化シートの成形物の側面
図である。
【図3】本発明に係る義歯床安定化シートの成形物の実
施の形態の変形例を示す平面図である。
【図4】本発明に係る義歯床安定化シートの成形物の実
施の形態の他の変形例を示す平面図である。
【図5】本発明に係る義歯床安定化シートの成形物の実
施の形態のさらに他の変形例を示す平面図である。
【図6】本発明に係る義歯床安定化シートの成形物の実
施の形態のさらに他の変形例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 前縁 2 後縁 3 左側縁 4 右側縁 5 中心線 7 頂部 8 打ち抜き部 10 義歯床安定化シート部材 20 補強用シート状部材

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 義歯床裏装用のプラスチック組成物から
    成り、かつ義歯床を顎に安定させるための義歯床安定化
    シート部材と、該義歯床安定化シート部材の中に存在
    し、該義歯床安定化シート部材を補強するための補強用
    シート状部材とを備え、前記補強用シート状部材が伸縮
    性の材料で作られていることを特徴をする義歯床安定化
    シート。
  2. 【請求項2】 前記補強用シート状部材が不織布である
    ことを特徴とする請求項記載の義歯床安定化シート。
  3. 【請求項3】 前記補強用シート状部材が織布であるこ
    とを特徴とする請求項記載の義歯床安定化シート。
  4. 【請求項4】 前記補強用シート状部材がゴムであるこ
    とを特徴とする請求項記載の義歯床安定化シート。
  5. 【請求項5】 前記補強用シート状部材がナイロン樹
    脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、又はアク
    リレート樹脂からなることを特徴とする請求項1から
    のいずれか1項に記載の義歯床安定化シート。
  6. 【請求項6】 前記不織布が薄葉紙状のナイロン不織布
    であることを特徴とする請求項記載の義歯床安定化シ
    ート。
  7. 【請求項7】 前記織布が、編まれたナイロンであるこ
    とを特徴とする請求項記載の義歯床安定化シート。
  8. 【請求項8】 前記プラスチック組成物が、エチルメタ
    クリレートポリマー41〜43重量%、ブチルフタリル
    ブチルグリコレート37〜39重量%及びグリセリルト
    リアセテート17〜23重量%を含む組成物からなる請
    求項1からのいずれか1項記載の義歯床安定化シー
    ト。
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