JP5303560B2 - シリコーンまたは他のエラストマー材料を含む歯科用治療トレー - Google Patents

シリコーンまたは他のエラストマー材料を含む歯科用治療トレー Download PDF

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Description

本発明は、口腔治療組成物を送達するために使用される歯科用治療トレーに関する。
一般的な漂白方法は、各使用者に特有の歯列の形状に順応したカスタム歯科用トレーの使用を含む。注文製作のトレーを形成する1つの方法は、耐湿性の熱可塑性ポリマーのシートを石膏模型または人の歯の模型上で真空成形し、次いで余分なトレー材料をトリミングすることによる。別の方法は、人の歯を鋳型として使用する(例えば、「ボイルアンドバイト」トレー)。歯科医によって作製され販売される注文製作の歯科用トレーは、人の歯の石膏模型を使用して形成され、一般に数百ドルまたは数千ドルもの費用がかかる。
他の方法は、様々なサイズおよび形状の歯列弓に近づけることができ、製造にかかる費用が注文製作のトレーより実質的に低い、可撓性のストリップおよび非注文製作のトレーを含む。歯科用漂白組成物がストリップ上またはトレー内に置かれ、次いで人の歯の上に所望の期間にわたって置かれる。漂白ストリップを装着するために、漂白ストリップの一部分が使用者の歯の前面の上に取り付けられ、残りの部分が歯の咬合縁の周りで、舌側面の一部分に対して折り畳まれる。漂白ストリップは一般に使用者の歯への接着が悪く、一般に破れやすいという性質があるために、使用者が漂白ストリップを推奨される期間にわたって適正な位置に維持することは、困難であることが多い。従来の漂白ストリップは、使用者の口、顎、または舌の最小限の動きによってさえも、歯から滑り落ちやすいものである。漂白ストリップは、外れる、またはぼろぼろになることが非常に多いので、使用者は、推奨される漂白期間を完了するために、漂白ストリップを取り外し、新しい漂白ストリップに交換しなければならない場合がある。
非カスタム歯科用トレーは一般に、使用者の歯への適合性が悪いという欠点がある。非カスタム歯科用トレーは、サイズおよび形状のある範囲内で、サイズおよび形状が異なる歯列弓にほぼ適合するのに十分な可撓性を有するものもあるが、既存の非カスタムトレー、特に外側支持トレーなしで使用され、したがって自立式でなければならないトレーは、過度なサイズまたは形状の歯列弓(すなわち、著しく大きい、小さい、または特に歯並びの悪い歯)に快適に適合することができない。さらに、既存の自立式トレーは、人の歯列弓の全体的な形状およびサイズへの適合に加えて、人の個々の歯の隆起、凹部、および輪郭に順応し適合することが困難である。これらの欠点により、隣接する歯の最外面間に跨るブリッジが形成されること、および/または、トレーの壁が単に最も大きいまたは最も湾曲している歯に対応するのではなく、並んでいるすべての歯に正確に適合することができないことから、使用中、非カスタムトレーの壁と人の歯との間、特に個々の歯間の空間に、容易に大きな隙間ができる。そのような隙間により、使用中、容易に唾液が歯科用トレーへと浸入し、および/または歯科用漂白組成物が歯科用トレーから押し出される。
さらに、既存の非カスタムトレーの前壁および後壁が人の個々の歯の隆起、凹部、および輪郭に順応し適合することができないことは、それぞれの壁の大部分が、外部圧力(例えば、トレーの壁の外面を押圧する人の唇または舌)により、一斉に動く傾向にあることを意味する。自立式トレーの1つの歯に隣接する限局的な領域の動きは、一般に、そのような動きが望ましくない可能性がある隣接領域でトレーの壁の動きを同時に引き起こす。これにより、大きな隙間の形成に加えて、唾液がトレーの壁と人の歯との間の隙間に浸入し、および/または漂白組成物が歯科用トレーから押し出されるという、上述の傾向を悪化させる揚水作用が生み出されることがある。
低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(ULDPE)、エチレンビニル酢酸コポリマー(EVA)、ポリカプロラクトン(PCL)、他のタイプのポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステルアミド、およびそれらのコポリマーなど、熱可塑性材料から製造された自立式、非カスタム歯科用トレーが特許文献1および2(「Andersen特許」)に開示されている。上記の材料は、比較的厚い(すなわち、2mmより大きい)歯科用治療トレーの製造に使用されるとき、非常に堅く、注文製作でなければ使用者の歯に適合不可能なトレーが形成される。したがってAndersenは、壁厚の薄い(すなわち、約1mm未満)、非カスタム自立式トレーを開示している。これにより、トレーは、正式な注文製作をする必要なしに、ある範囲の様々なサイズおよび形状の歯列弓に順応するように十分に可撓性のあるものとなる。Andersenの自立式トレーは、従来の既存の自立式歯科用トレーと比較して、当技術分野での重要な進歩ではあるが、そのようなトレーは、人の個々の歯の隆起、凹部、および輪郭に、容易かつ正確に順応し適合するものではない。むしろ、これらは一般に、歯間の凹部に跨ることのあるブリッジを、個々の歯間に形成する。これらはまた、個々の歯の輪郭に適合するのではなく、部分的に一斉に動く傾向があるトレー壁の領域も有する。
さらに、Andersen特許に開示されたタイプの熱可塑性材料から歯科用トレーを射出成形する能力は限られている(すなわち、そのようなトレーを首尾よく射出成形することができる薄さについては実用上の制限がある)。したがって、非常に壁厚の薄い(すなわち、約5mm未満の)歯科用トレーは、薄いポリマーシートを鋳型上で真空成形するなど、他の方法によって形成しなければならない。
Andersenの製造方法の改善を試みて、多量(例えば、20〜50重量%)の疎水性の油性可塑剤(例えば、鉱油)を含むことが特許文献3(「Fischer特許」)に教示されている。比較的多量の可塑剤を含むことにより、歯科用トレーを射出成形することのできる厚さが、大幅に小さくなる。例えば、Fischer特許では、約0.015インチ(すなわち、約0.4mm)未満の壁厚を有するトレーをはじめて製造することができる。さらに、鉱油などの可塑剤を含むことにより、可塑剤を含まない熱可塑性ポリマーから作製される歯科用トレーよりも柔軟性および可撓性の高い歯科用トレーが形成される。しかしながら、鉱油などの疎水性可塑剤でさえ、時間の経過とともにブルーミングする(すなわち、表面へと移動する)傾向があることが認められた。このようなブルーミングによって、歯科用トレーは不快な味を生じ、歯科用トレーの表面に親水性の歯科用漂白組成物が接着しにくくなる。粘着性の歯科用漂白組成物をトレー表面に容易に接着することが不可能であると、人の歯へのトレーの適合性および順応性が一般に低下する。
最後に、漂白の成功に対する主な障害は、処方された漂白レジメンを使用者が完了しないことである。漂白装置を人の歯に装着するのが難しい場合、目に見える結果を得るために何度も繰り返しが必要な場合、または装着感が悪い場合、使用者は処方された漂白レジメンを単に諦め、早期に中断することがある。したがって、特定の漂白装置または方法を使用して歯科用漂白が可能であったとしても、漂白装置または方法に欠点があるために使用者が所望の結果を達成する前にやる気をなくすと、漂白が行われる見込みは低くなる。Andersenに従って製造された、1つの商業的に成功した、あらかじめ充填済みの自立式トレーデバイスは、大きな成功を収めている。顧客満足は一般に高い。しかしながら、そのようなデバイスに対する主な不満は、カスタムトレーのように使用者の歯に順応および適合することができないことである。
米国特許第6,964,571号明細書 米国特許第7,004,756号明細書 米国特許第7,137,814号明細書 米国特許第5,376,006号明細書 米国特許第5,785,527号明細書 米国特許第5,851,512号明細書 米国特許第5,858,332号明細書 米国特許第5,985,249号明細書 米国特許第6,306,370号明細書 米国特許第6,309,625号明細書 米国特許第6,312,671号明細書 米国特許第6,322,774号明細書 米国特許第6,368,576号明細書 米国特許第6,387,353号明細書 米国特許第6,500,408号明細書 米国特許第6,503,485号明細書 米国特許出願第11/460,016号明細書
その結果、レジメンの完了および結果の点から見ると、高価な注文製作の歯科用トレーの使用が、依然として最も信頼性の高い歯科用漂白方法である。非カスタム市販の漂白ストリップおよびトレーは、比較的安価ではあるが、特注フィッティングしたトレーと比較して、一般に結果が劣る。
本発明は一般に、歯科用治療組成物(例えば、歯科用漂白組成物)を人の歯に送達するために使用される、適合性および順応性が高い歯科用治療トレーに関する。非カスタムトレーは適合性が高いため、人の個々の歯の隆起、凹部、および輪郭に、容易かつ正確に適合し順応する。これらはまた、多種多様に異なるサイズおよび形状の歯列弓に、過度なサイズおよび形状の歯列弓であっても、順応し適合することもできる。このことは、トレーが自立式に設計されているときであっても当てはまる。使用の際、適合性および順応性が高い歯科用治療トレーは、「半カスタム歯科用トレー」と特徴付けることができる結果をもたらす。その結果、既存の歯科用トレーまたは治療ストリップよりも快適で、注文製作の歯科用トレーのように使用者の歯に適合する、非カスタム歯科用トレーが得られる。使用中にトレーよりも簡単に外れることが多い歯科用ストリップとは異なり、適合性が高い歯科用トレーは、柔軟であり装着が極めて快適でありながら、使用中にトレーの形状を維持するように十分な弾性性質を有する。これにより、薄く、可撓性を有する、熱可塑性ポリマーシートから作製される従来の漂白ストリップと比較して、治療中に定位置にとどまる能力が大きく向上する。
開示された非カスタム歯科用治療トレーの実施形態は、エラストマーシリコーンまたは、シリコーンと同様の特性を示す他のエラストマー性の高い材料(例えば、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)および、シリコーンと同様の弾性伸びおよび他の特性を示す熱可塑性エラストマー合金の登録商標である、VERSAflex)から形成される。VERSAflexは、イリノイ州McHenryに拠点を置くGLS Corporation社から販売されている。SEBSおよびVERSAflexは、シリコーンと同様の特性を示す熱可塑性エラストマーの特に有用な例であり、以下、「エラストマーシリコーン様材料」ということができる。「エラストマー」および「エラストマーシリコーン様材料」という用語は、熱可塑性および熱硬化性の材料を含む。
開示されたトレーは、エラストマー性が高い材料から作製されているため、これらは容易に弾性的に伸びる。この高い弾性伸びという特性は、従来のトレーおよびストリップを作製するために使用されるエラストマー性がないまたは低い熱可塑性ポリマーに欠如しているものであり、開示されたトレーが人の歯の隆起、凹部、および輪郭に、またサイズおよび形状が大きく異なる歯列弓にも、より密に適合することを可能にするものである。
ボイルアンドバイト歯科用トレーを形成するために使用される従来の熱可塑性材料とは異なり、エラストマーシリコーンおよび「エラストマーシリコーン様材料」はどちらも、注文製作の歯科用トレーを形成するために水中で煮沸することによって十分に軟化することはない。実際、硬化したシリコーンまたは他の熱硬化性のエラストマーは熱可塑性材料ではないため、これらから構成される非カスタム歯科用トレーは一般に、加熱によって軟化することはない。熱可塑性エラストマーは一般に、水の沸点よりもはるかに高い温度でのみ、軟化する。そのような材料は、このような方法で注文製作の歯科用トレーへと作製することはできない。したがって、非カスタム歯科用トレーは、従来の熱可塑性トレーおよびストリップ材料と比較して、より高い熱安定性を示す。
エラストマー材料は、弾力性(すなわち、変形する力から解放されると、もとの構成へとスプリングバックする能力)も示しながら、優れた適合性、可撓性、弾性伸び、および柔軟性を示す。そのような特性の組合せは、高いレベルの形状フィッティングおよび使用者の快適さをもたらす。エラストマーシリコーンまたはシリコーン様材料から形成された歯科用トレーは、より壁厚が大きくても、このような有益な特徴を示すので、より壁厚の薄いトレーおよびストリップと比較して、薄弱さが軽減されるというさらなる利点を有することができ、取り付けがより簡単になる。言い換えると、エラストマーシリコーンまたはエラストマーシリコーン様材料から作製され、所定の壁厚を有する歯科用治療トレーは、既存の歯科用トレーを製造するために一般に使用される熱可塑性材料から形成される同じ厚さのトレーより高い適合性、可撓性、および柔軟性を示す。さらに、開示されたトレーは、多量の可塑剤を添加したとしても熱可塑性ポリマーから作製される既存の非カスタム歯科用トレーおよびストリップには欠如している、優れた弾性伸びおよび弾力性を示す(すなわち、可塑剤は熱可塑性材料を軟化させることはできるが、エラストマーに転換することはできない)。
エラストマーシリコーンおよびシリコーン様材料はまた、従来の歯科用トレーおよびストリップを製造するために使用される熱可塑性材料と比較して、より高い表面接着力も示す。このような高い表面接着力によって、開示された歯科用トレーは、人の歯の表面により容易に接着でき、および/または粘着性のある粘性の歯科用治療組成物がトレーの表面に近接して配置されるようになるため、適合性がさらに高くなる。エラストマーシリコーンおよびシリコーン様材料から作製される歯科用トレーの表面接着力、特に粘着性のある粘性の歯科用漂白組成物とともに使用されるとき、従来のトレーと比較して、トレーの適合性および順応性がさらに高くなる。例えば、従来の非カスタム歯科用トレーは、歯に対して動くことがあり、唾液の流入および/または歯科用治療組成物の流出を引き起こす。さらに、もっと悪いことに、従来の歯科用漂白ストリップは、使用中、歯へ接着力が悪く、容易に滑り落ち、および/または簡単にぼろぼろになり、実質的には使用に適さない。エラストマーシリコーンおよびシリコーン様材料から作製されるトレーを提供することによって、従来のトレーおよびストリップが使用中に定位置にとどまる能力に関して、大きな改良がもたらされる。
エラストマーシリコーンおよびシリコーン様材料は一般に従来の熱可塑性材料より高価であるが、全体的な費用を考えると、正味の製造費用の節約をもたらす。熱可塑性材料は、特に薄い断面での(すなわち、0.5mm未満)射出成形が難しく、これは、従来の歯科用トレーが一般に、シート材料からの成形および/または切断によって形成されることを意味する。このことは、製造プロセスを非常に複雑にしている。射出成形によって歯科用トレーを形成することにより、費用が大幅に削減される。さらに、発明者の実際の経験によれば、比較的快適な壁厚の薄い(例えば、約0.4mm)歯科用治療トレーを、可塑性のある熱可塑性材料から製造する際の人件費は、非常に大きいため、歯科用トレーをエラストマーシリコーンまたはシリコーン様材料から形成することによって、費用の削減および特徴の改善を実現することができることは明らかである。より安価な非エラストマー熱可塑性ポリマーからトレーを形成することと比較して、全体的な製造費用を削減しながら、より高価なシリコーンおよび他のエラストマー材料を歯科用トレーへと射出成形することが可能であることは、驚くべき予期せぬ結果である。
一般に、エラストマーシリコーンおよびシリコーン様材料は、可塑剤をほとんどまたはまったく使用せずに、射出成形することができる。したがって、1つの実施形態では、歯科用トレーは、本質的または独占的にシリコーンまたは他のエラストマー材料からなる材料から形成することができる。可塑剤を排除することによって、(例えば、医療用の熱硬化性の2部液体組成物として提供される)シリコーン材料のみが必要となるため、製造が大きく簡略化される。また、可塑剤を排除することによって可塑剤のブルーミングもなくなり、成形されたトレーの味が改善され、歯および歯科用治療組成物への接着力も高くなる。
SEBS、VERSAflex、および他の例示的な熱可塑性エラストマーは、少量の補助成分と混合することができるが、そのような他の材料は、一般に、歯科用トレーを製造するために使用される組成物の約10重量%未満、好ましくは約5重量%未満、より好ましくは約3重量%未満、さらにより好ましくは約1重量%未満、最も好ましくは0重量%である。
歯科用治療組成物を人の歯に送達するために使用されるとき、ならびに適合性、順応性、および快適さを最大化することが望ましいとき、開示された歯科用トレーは、一般に壁厚が約1mm未満、好ましくは約0.03mmから約1mmの範囲、より好ましくは約0.05mmから約0.75mmの範囲、最も好ましくは約0.1mmから約0.5mmの範囲である。
壁厚が1mmより大きい歯科用トレーは一般に、より好ましいより壁厚の薄い歯科用トレーより、快適性および適合性が低い。このことは、同じショアA硬度のエラストマー材料を使用するときに特に当てはまる。しかしながら、従来の歯科用トレーを作製するために使用される熱可塑性材料とは異なり、ショアA硬度のエラストマー材料は、使用者の歯に対して高い適合性および順応性を有したまま、より壁厚の厚い歯科用トレーを形成するために、より簡単に操作(例えば、還元)することができる。したがって、厚さが1mmより大きいが(例えば、最大約1.5mm)、依然として高い適合性、順応性、および快適さを示す歯科用トレーは、本発明の範囲内である。
エラストマーシリコーンまたは他のエラストマー材料のデュロメータ硬度/柔軟性は、柔軟性と壁厚とのバランスをとるように、有利に選択される。上記の好ましい壁厚の範囲内(すなわち、約0.03mmから約1mm)では、ショアAデュロメータ硬度の値は、好ましくは約90から約20の範囲である。一般に、(例えば、良好な弾力性およびスプリングバック特性を維持するために)より壁の薄いトレーを作製するときは、より高いデュロメータの値(より柔軟性が低い)が好ましいが、(例えば、柔軟性、高い適合性、および快適さを維持するために)より壁の厚いトレーでは、より低いデュロメータの値(より柔軟性が高い)が好ましい。例えば、壁厚が約0.25mmのトレーは、有利には、ショアAデュロメータ硬度の値は約40とすることができるが、壁厚が約0.1mmのトレーでは、ショアAデュロメータ硬度の値は約70とすることができる。一方、厚さが1.5mmの非カスタムトレーは、有利には、ショアA硬度は約10とすることができる。
本明細書に開示された歯科用治療トレーは、注文製作ではない。すなわち、これらは、使用者の歯に取り付ける前に、使用者に特有の歯列に対応する窪みまたは他の特徴を持たない。このように、これらは多種多様に異なるサイズおよび形状の歯列弓の輪郭に適合しフィットすることができる。しかしながら、本明細書に開示された歯科用トレーは、適合性および順応性が極めて優れているので、特に粘着性のある歯科用治療組成物および糊のような接着剤と組み合わせて使用されるとき、使用者の歯の上に取り付け、(例えば、指および/または使用者の唇で押し付けることによって)使用者の歯の隆起、凹部、および輪郭に順応するように操作されると、非カスタム歯科用トレーは、注文製作のトレーとほぼ同様の性能が得られる。使用の際、これらは半カスタムトレーとみなすことができる。しかし、これらは従来の言葉の意味通りの「注文製作」ではない。なぜなら、使用者の歯から取り外されると、使用者に特有の歯列に対応する窪みまたは他の特徴がなくなり、(衛生面を考慮しなければ、少なくとも理論上では)別の人の歯に使用し、同じ半注文製作の感触および性能を示すことができるからである。本明細書に開示された、適合性および順応性が高い非カスタム歯科用トレーが、非注文製作でありながらも、使用の際に半カスタム歯科用トレーのように挙動することができることは、非エラストマー熱可塑性ポリマーから作製される従来の非注文製作の歯科用トレーと比較して、驚くべき予期せぬ結果である。
本発明のこれらおよび他の利点および特徴は、以下の説明および添付の特許請求の範囲から、より十分に明らかとなり、または以下に述べる本発明の実施例から知ることができる。
本発明の上記および他の利点および特徴をさらに明らかにするために、添付の図面に図示された特定の実施形態を参照して、本発明のより詳細な説明を以下に示す。これらの図面は本発明の典型的な実施形態を示しているだけであり、したがって本発明の範囲を制限するとみなすべきではないことを理解されたい。以下の図面を使用して、本発明をさらに具体的および詳細に記載し説明する。
本発明による例示的な非カスタム歯科用治療トレーの斜視図である。 任意の相補的外側支持トレーと併せてフィット性を高めるための解剖学的特徴を含む、代替の歯科用治療トレーの分解図である。 図2Aの外側支持トレー内に入れ子になった、図2Aの歯科用治療トレーを示す斜視図である。 剥離可能なカバーを有する密封された保護パッケージ内に入れられた、図2Bのアセンブリと同様の一対のトレーアセンブリを示す斜視図である。 本発明による歯科用治療トレーを上顎歯列弓の上に取り付けている人を示す図である。 上顎歯列弓および下顎歯列弓の両方の定位置に取り付けられた本発明による歯科用治療トレーを示す図である。
I.序論
本発明の好ましい実施形態は、歯科用治療組成物(例えば、歯科用漂白組成物)を人の歯に送達するために使用される、適合性の高い歯科用治療トレーを含む。好ましいトレーは、人の個々の歯の隆起、凹部、および輪郭、ならびに多種多様に異なるサイズおよび形状の歯列弓にも適合性が高く、容易かつ正確に適合し順応する。使用の際、適合性および順応性が高いトレーは、「半カスタム歯科用トレー」と特徴付けることができる。
驚くことに、また予期せぬことに、エラストマーシリコーンまたはシリコーン様材料から形成されるトレーは、高い弾力性(すなわち、トレー構造が定位置へとスプリングバックする能力)も示しながら、トレーを製造するために使用される従来の熱可塑性材料(例えば、EVA材料)と比較して、非常に高い適合順応性(すなわち、非カスタムトレーを、使用中、人の個々の歯の隆起、凹部、および輪郭に順応するような形状にし適合させる能力)を有する。その結果、熱硬化性のエラストマーシリコーン、他の熱硬化性のエラストマー、または熱可塑性エラストマーから作製される非カスタム歯科用トレーは、既存のあらかじめ充填された歯科用トレーおよび漂白ストリップと比較して、漂白経験を大きく向上させ、レジメンをより確実に順守させることができる。
驚くことに、また予期せぬことに、開示されたトレーは、注文製作の歯科用トレーの製造にかかる費用のほんの一部の費用で、注文製作の歯科用トレーを使用する経験に非常に近づけることができる。注文製作の歯科用トレーの製造には、それぞれの患者の歯の印象を取り、それぞれの患者のための石膏模型を形成し、次いで、それぞれの患者のための石膏模型から注文製作のトレーを形成する必要がある。反対に、本明細書に開示された非注文製作のトレーは、多種多様に異なるサイズおよび形状の歯および歯列弓にフィットさせるために、(例えば、射出成形によって)大量生産することができる。
別の驚くべき予期しなかった特徴は、開示された歯科用トレーが、エラストマー特性がほとんどまたはまったくない従来の熱可塑性ポリマーから作製される壁厚がより薄い非カスタム歯科用トレーと比較して、より壁厚が厚い場合でさえも、人の歯に対してより高い適合性および順応性を示すことができることである。これにより、薄弱さが軽減されるというさらなる利点が得られ、開示されたトレーをより簡単に取り付けられ(すなわち、外側支持トレーの補助なしに簡単に取り付けることができる)、定位置にとどめられるようになる。言い換えると、所定の壁厚を有するエラストマーシリコーンまたはシリコーン様の歯科用治療トレーは、従来の熱可塑性材料(例えば、EVA)から形成されるより薄いトレーと少なくとも同等の、一般にはそれよりも非常に高い、適合性、可撓性、および柔軟性を示す。さらに、エラストマーシリコーンまたはシリコーン様材料から作製される歯科用トレーは、他の材料から形成されたトレーには欠如している性質である、弾力性および弾性伸びを示す。特性の独自の組合せにより、使用者にとっての快適さが高くなり、所定の治療レジメンの順守が向上する。
使用中に弾性的に伸びず、したがって個々の歯間の隙間に跨るブリッジを形成する傾向がある、非エラストマーポリマーから作製されるトレーとは反対に、開示されたトレーは、人の個々の歯の谷間、凹部、および輪郭に対してより密に適合し順応できるようにする高い弾性伸びを有する。非エラストマーポリマーのトレーは、どれほど可撓性であるかにかかわらず、弾性的に伸びることができなければ、他の歯から外れたり、および/または他の歯にわたるブリッジのように引き伸ばしたりすることなしに、いくつかの歯間の凹部に適合することができない。既存の非カスタム歯科用トレーと比較して、開示されたトレーは、他の歯から外れたり、および/または他の歯にわたるブリッジのように引き伸ばしたりすることなしに、いくつかの歯の谷間、凹部、および輪郭に、簡単に適合し順応することができる。これは、既存の非カスタム歯科用トレーと比較して、驚くべき予期せぬ結果である。
II.エラストマーシリコーンおよびシリコーン様材料から作製される例示的な歯科用トレー
図1は、エラストマーシリコーンまたはシリコーン様材料を液体射出成形することによって形成することができる、例示的な非カスタム歯科用トレー100を示す。例えば、エラストマーシリコーン材料は、1つまたは複数のシロキサンを含む第1の部および活性剤を含む第2の部を含む、2部組成物を最初に含むことができる。2つの液体部をともに混合すると、シロキサン成分は、ポリシロキサンを形成するように重合し架橋する。エラストマーシリコーン材料の重合を加速するために、(例えば、モールドを加熱することによって)熱を加えることもできる。例えば、生シリコーン材料のA部およびB部をともに混合し、シリコーンの重合を開始する。多くの例示的なシリコーン材料では、この反応は室温で完全に硬化するのに2〜6週間かかることがある。これにより、混合されたシリコーン材料を所望の形状の非カスタムトレーへと射出成形または他の方法で形成するための十分な時間が得られ、そのプロセスには、シリコーン材料を、所望の形状へと配置した後、より迅速に硬化するように、形成された材料を加熱するステップを含む。混合物を加熱するステップは、材料を重合する速度を大幅に増加させる。例示的な方法によると、形成されたシリコーン材料は、シリコーン材料を数秒のうちに重合させることができる、約375°F(約190.6℃)で加熱することができる。実際の重合時間は、特定のシリコーン製品ならびに形成するトレーの厚さに依存する。本発明のトレーはまた、他の方法で硬化することもでき、例えば2部シリコーンの重合が混合および/または圧縮によって活性化される。
歯科用治療トレー100は、形成されたトレー本体102を含む。形成されたトレー本体102は、頬側−唇側前側壁104、舌側後側壁106、および頬側−唇側壁104と舌側壁106に渡る底壁108を含む。底壁108は、頬側−唇側壁104が底壁108から実質的に垂直方向に横方向に延びるように、頬側−唇側壁104に隣接している。舌側壁106は、底壁108の反対側に配設され、そこから上向きおよび下向きに、横方向に延びている。頬側−唇側壁104、舌側壁106、および底壁108はあいまって、略U字型の断面およびほぼ馬蹄形の湾曲を有する、形成されたトレー本体102を形成する。代替的なL字形のトレーは、頬側−唇側側壁および頬側−唇側側壁に隣接する底壁を含むことができる。
頬側−唇側壁104および舌側壁106は、より鋭い、またはより険しい縁部を有するトレーと比較して、トレーの快適さを最大にするために、丸み付けされた縁部109を含むことができる。頬側−唇側壁104は、使用中に切歯がくる中央付近に、その上面に沿って形成された、任意のV字形の切込み105を含むことができる。V字形の切込み105は、壁104が切歯により良く対応するように延び、曲がることを助ける。図示しないが、そのような同様の切込みまたは切れ目は、舌側壁106内に形成することもできる。
形成されたトレー本体102のサイズ、形状、および湾曲は、馬蹄形の湾曲を人の歯列弓の湾曲にほぼ近づけるために、有利に選択される。U字型断面は、トレー本体102の内部空洞にほぼ対応し、内部空洞を画成する。内部空洞の深さは、頬側−唇側壁104および舌側壁106がそれぞれ人の歯の所望の部分の上、および任意で人の歯肉の部分の上を延びるように選択される。形成されたトレー本体102を形成するエラストマーシリコーンまたはシリコーン様材料によって与えられる優れた適合性、順応性、可撓性、弾性伸び、および弾力性のために、頬側−唇側壁104、舌側壁106、および底壁108が人の歯に順応し適合する能力は、非エラストマーの熱可塑性材料から形成される非カスタムトレーに対して実質的に増加する。
本体102は、非カスタム性質である(すなわち、トレー本体102は実質的にある人の特有の歯列のサイズおよび形状に対応する構造ではない)ために、様々な人間に対応する複数の様々なサイズおよび/または形状の歯に快適にフィットする。しかしながら、下顎歯列弓は一般に上顎歯列弓より小さく、下顎歯は一般に上顎歯よりも小さいので、人の上顎歯列弓および下顎歯列弓に対応するサイズおよび構成である様々なサイズの歯科用トレーを提供することは、本発明の範囲内である。また、様々な人の歯列弓および/または歯の多様性(例えば、成人か小児か、口が大きいか平均的または小さいか、および歯が大きいか平均的または小さいか)に対応するために、可変サイズの治療トレーを提供することも、本発明の範囲内である。
トレー本体102は、シリコーンまたはシリコーン様材料のシートから射出成形、真空成形、切断、および/または打ち抜き加工することができるが、射出成形は、それぞれの壁の外側縁部109を、トレーが材料のシートから切断および/または打ち抜き加工されたときに形成される鋭く角度のある表面ではなく、滑らかで丸み付けされた縁部表面を有するように成形することができるため、切断および/または打ち抜き加工を含む他の方法よりも好ましい。そのような滑らかな縁部はまた、本体102を形成するシリコーンまたはシリコーン様材料によってもたらされる高い快適さに加えて、トレーの全体的な快適性にも貢献する。
図2Aは、トレー200が、使用中に人の歯により密に順応できるようにする、非カスタム解剖学的特徴を含む、代替の非カスタム歯科用治療トレー200を示す。本体202は、頬側−唇側前側壁204、底壁208、および頬側−唇側壁204に対して反対側で底壁208に連結された舌側側壁206を含む。図示されたトレー200は、人の上顎歯列弓の上に取り付けるためのサイズおよび構成である。図示するように、舌側壁206は、非カスタムトレー200が切歯の部位でより簡単に開き、または圧縮できるようにする切欠き205を、有利に含むことができる。これは、非カスタムトレー200の舌側壁206を様々なサイズの歯列弓により簡単に順応できるようにする際に有用である。底壁204は、臼歯(すなわち、小臼歯および大臼歯)と前歯(すなわち、犬歯および切歯)との移行部に対応する場所210の幅の急激な減少を含む。底壁208はまた、臼歯(すなわち、小臼歯および大臼歯)の咬頭間の凹部へと挿入するための2つのV字形の窪み216を有利に含む。
図2Aは、歯科用漂白トレー200を入れ子構成(図2Bを参照)で受けることができるように相補的形状である、対応する任意の外側支持トレー250と組み合わせた、歯科用漂白トレー200を示す分解図である。外側支持トレー250は、より密なフィット性を提供するために、トレー200と同じ解剖学的特徴を含むことができる。外側支持トレー250は、歯科用漂白トレー200を人の歯の上に取り付ける間、使用者が把持しやすいように、頬側−唇側前壁の中心部分から外向きに延びるハンドル252を有利に含む。
図2Bでは、歯科用漂白トレー200が、歯科用トレーアセンブリ255を形成するように、外側支持トレー250内に入れ子になっている。ハンドル252は、外側支持トレー250を取り付けやすいように、およびトレー200を人の歯の上に取り付けた後に外側支持トレー250を取り外しやすいように、トレー200の頬側−唇側壁を越えて延びている。
もちろん、本開示の範囲内の歯科用トレーは、有利には、外側支持トレーまたは他の支持構造を必要としないように、十分な自立完全性を有して形成することができる(すなわち、歯科用トレーは側壁が内向きに倒れるほど薄弱ではない)。より厚い壁厚とのバランスをとり、全体的に快適なフィット性をもたらすように、より柔軟性が高いことを表す、より低いショアAデュロメータ硬度の値(例えば、約40以下)を示すように、比較的厚い(例えば、少なくとも約0.45mm)トレーを形成することができる。比較的厚いトレーは、例えばEVA/PPおよび可塑剤ブレンドなどから形成された同様のサイズのトレーより高い、優れた適合性、弾力性、柔軟性、可撓性、および快適さを有利に示す。
1つの実施形態では、エラストマーシリコーンまたはシリコーン様材料を含む非カスタム歯科用トレーは、トレー内にあらかじめ充填された歯科用治療組成物とともにあらかじめ包装することができる。トレーおよびトレー内にあらかじめ充填された治療組成物を保護するために、歯科用治療トレーを、保管中および使用前にトレーおよび特に治療組成物を汚染から保護するように、密封された容器またはパッケージ内に包装することができる。
図3は、保護パッケージ356内に密封された、上顎歯列弓の上に取り付けるように構成されたトレーアセンブリ355および下顎歯列弓の上に取り付けるように構成されたトレーアセンブリ355’を示す。トレー300および300’はそれぞれ、トレー内にあらかじめ充填された治療組成物354を含む。保護パッケージ356は、剛性の支持層358および剥離可能なカバー360を含む。トレーアセンブリ355および355’はそれぞれ、さらなる保護のために治療組成物354に近接して置かれた脱着可能な保護層(図示せず)を任意で含むことができる。歯科用治療トレーデバイスを使用したいと望むとき、剥離可能なカバー360を取り外し、支持層358からトレーアセンブリ355および355’を取り外し、または分離する。
あるいは、本明細書に開示された歯科用トレーは、後で使用者が使用直前にトレーへと注入する歯科用治療組成物とは別個に提供することもできる。便宜のために、1つまたは複数の非カスタム歯科用治療トレー、または外側支持トレー内に入れ子になった治療トレーを含むトレーアセンブリを、1つまたは複数の歯科用治療組成物と一緒に、キットで提供することができる。
治療組成物の例には、歯科用漂白組成物(例えば、過酸化物などの歯科用漂白剤を含む)、除感作組成物(例えば、硝酸カリウム、他のカリウム塩、クエン酸、クエン酸塩、および/またはフッ化ナトリウムなどの除感作剤を含む)、再石灰化組成物(例えば、フッ化ナトリウム、フッ化錫、モノフルオロリン酸ナトリウム、および/または他のフッ化塩などの再石灰化剤を含む)、抗菌組成物(例えば、クロルヘキシジン、トリクロサン、および/またはテトラサイクリンなどの抗菌剤を含む)、抗プラーク組成物、および抗歯石組成物(例えば、ピロリン酸塩などの抗歯石剤を含む)を含む。治療組成物は、粘着性のある粘性ゲル、粘性の低いゲル、粘性の高いパテ、または唾液または水で湿らせる前は接着性が低いが湿らせると粘着性および接着性が高くなる、実質的に固体の組成物を含むことができる。
歯科用漂白組成物を含有する水性過酸化物があらかじめ充填されたシリコーントレーの場合は、シリコーン材料内に存在する残留プラチナおよび/または錫触媒との接触により過酸化物漂白剤が早期に分解することを防ぐために、あらかじめ充填された組成物とシリコーントレーとの間に、(例えば、噛み、曲げ、および/または撓ませると破けるように構成された)破断可能な膜層を含むことが必要となり得る。あるいは、破断可能な膜層は、水分(例えば、唾液)と接触すると溶解し、分解し、または分散するようになるなど、水分解可能とすることができる。
有利には、トレーは本質的にエラストマーシリコーンまたはシリコーン様材料からなる。これは、優れた弾力性も示しながら、優れた適合性、可撓性、柔軟性、および弾性伸びを含む最も有益な特性の組合せであることが、発明者らによって明らかにされたためである。トレー本体の耐湿性ポリマー材料は、シリコーンまたは1つまたは複数のシリコーン様材料のみからなることが好ましいが、いくつかの実施形態では、材料がエラストマーシリコーンまたはシリコーン様材料と他の材料とのブレンドを含むように、追加の耐湿性ポリマー成分を含むことも可能である。そのような例に含むことのできる追加材料には、1つまたは複数のエラストマー(例えば、非シリコーン様熱可塑性エラストマー)、ラテックス、および/またはニトリルを含む。そのような追加の耐湿性成分は、好ましくはトレーの約10重量%以下、より好ましくは約5%以下、より好ましくは約3重量%以下、最も好ましくは約1重量%以下である。
水および/または可塑剤(例えば、PEG)、着色剤、および/または風味剤などの追加成分を、トレー本体を形成する組成物に添加することができるが、そのような材料の添加は一般に不必要であり、比較的好ましくない。同様に、そのような材料の添加は非常に少量(例えば、約10重量%以下、より好ましくは約5重量%以下、より好ましくは約3重量%以下、最も好ましくは約1重量%以下)である。
適切な2部シリコーン材料の例は、米国オハイオ州Akronに所在地を置くShin−Etsu Silicones社から利用可能である。1つの好ましい材料は、KEG2000−50A/Bであり、その物性を以下の表に示す。多様な他のShin−Etsu Silicones社製品および他の供給業者のシリコーン材料を使用することもできる。
Figure 0005303560
SEBS材料の適切な例はSEBS TPE 45Aであり、多様なプロバイダーから利用可能である。SEBS TPE 45Aの物性を以下の表にまとめた。多様な他のSEBS製品を使用することもできる。
Figure 0005303560
いくつかの適切なVERSAFLEX TPE材料が、イリノイ州McHenryに所在地を置くGLS Corporation社から利用可能である。好ましいVERSAFLEX材料は、VERSAFLEX CL30およびVERSAFLEX CL40を含み、それぞれの特性を以下の表にまとめた。GLS Corporation社の多様な他のVERSAFLEX製品を使用することもできる。
Figure 0005303560
使用することのできる別のエラストマーシリコーンおよびシリコーン様材料の例を以下の表に示す。以下に示すシリコーン様材料は、歯科用治療トレーの製造に従来使用されていた材料とは特性が異なることに留意されたい。例えば、様々なEVA材料が、従来、歯科用治療トレーの製造に使用されていたが、以下の表に示すEVA材料(すなわち、Ateva 2810AおよびEvatane 33−400)は、エラストマーシリコーン様特性(例えば、特に弾性伸び、柔軟性、および弾力性)を示し、歯科用治療トレーの製造に従来使用されていた従来のEVA材料と表面的に似ているにすぎず、その特性は著しく異なる。例えば、以下に示す材料はそれぞれ、少なくとも約300パーセント、より詳細には約450パーセントから約800パーセントの間の弾性(すなわち、弾性伸び)を有することに留意されたい。上記で述べた通り、そのような材料の弾性伸び、弾力性、および柔軟性は「感触」をもたらし、その結果、エラストマーシリコーンとほぼ同様の性能が得られる。
Figure 0005303560
歯科用治療組成物を人の歯に送達するために使用されるとき、ならびに適合性、順応性、および快適さを最大化することが望ましいとき、開示された歯科用トレーは、一般に壁厚が約1mm未満、好ましくは約0.03mmから約1mmの範囲、より好ましくは約0.05mmから約0.75mmの範囲、最も好ましくは約0.1mmから約0.5mmの範囲である。
壁厚が1mmより大きい歯科用トレーは一般に、より好ましいより壁厚の薄い歯科用トレーより、快適性および適合性が低い。このことは、同じショアA硬度のエラストマー材料を使用するときに特に当てはまる。しかしながら、従来の歯科用トレーおよびストリップを作製するために使用される熱可塑性材料とは異なり、ショアA硬度のエラストマー材料は、使用者の歯に対して高い適合性および順応性を有することができる、より壁厚の厚い歯科用トレーを形成するために、より簡単に操作(例えば、還元)することができる。したがって、厚さが1mmより大きく、好ましくは約1.5mm未満であるが、依然として高い適合性、順応性、および快適さを示す歯科用トレーは、本発明の範囲内である。
エラストマーシリコーンまたは他のエラストマー材料のデュロメータ硬度/柔軟性は、柔軟性と壁厚とのバランスをとるように、有利に選択される。上記の好ましい壁厚の範囲内(すなわち、約0.03mmから約1mm)では、ショアAデュロメータ硬度の値は、好ましくは約90から約20の範囲である。一般に、(例えば、良好な弾力性およびスプリングバック特性を維持するために)より壁の薄いトレーを作製するときは、より高いデュロメータの値(より柔軟性が低い)が好ましいが、(例えば、柔軟性、高い適合性、および快適さを維持するために)より壁の厚いトレーでは、より低いデュロメータの値(より柔軟性が高い)が好ましい。例えば、壁厚が約0.25mmのトレーは、有利には、ショアAデュロメータ硬度の値は約40とすることができるが、壁厚が約0.1mmのトレーでは、ショアAデュロメータ硬度の値は約70とすることができる。一方、厚さが1.5mmの非カスタムトレーは、有利には、ショアA硬度は約10とすることができる。
本明細書に開示されたエラストマーシリコーンまたはシリコーン様トレー材料の弾性伸びは、非カスタムトレーを形成する際に一般に使用される従来の非エラストマー熱可塑性材料(例えば、EVAおよび/またはPP)の弾性伸びより、はるかに大きい。エラストマーシリコーンまたはシリコーン様材料の弾性伸びは、好ましくは少なくとも約50%、より好ましくは少なくとも約75%、さらにより好ましくは少なくとも約100%、最も好ましくは少なくとも約300%である。1つの実施形態では、弾性伸びは約50%から約2000%の範囲であり、好ましくは約75%から約1500%の範囲、より好ましくは約100%から約1000%の範囲、最も好ましくは約300%から約800%の範囲である。
本発明による歯科用治療トレーは、未硬化の2部液体シリコーン組成物をモールドチャンバへと射出成形することによって製造することができる。液体シリコーンゴムの場合、2部は比較的低い粘度(例えば、1500〜2000Pa−s)であり、歯科用トレーを成形する際に従来使用されている熱可塑性材料の粘度より大幅に低い。したがって、材料がモールドへと射出される射出圧力は、EVA、PCL、PVC、および歯科用トレーの射出成形に使用されてきた他の材料など(例えば、一般に約20,000psiの圧力で射出され、一般に壁の薄いトレーを形成するために可塑剤の添加を必要とする)、一般に使用されている非エラストマー熱可塑性材料から歯科用トレーを射出成形するときに必要な射出圧力より、大幅に低い(例えば、約500から約5000psi、一般には約2000psi)。シリコーンからトレーを射出成形するのに必要な圧力が従来の熱可塑性材料と比較して大幅に低いことにより、所望の構造的特徴、特に非常に小さい断面(すなわち、0.015インチ未満すなわち約0.4mm)を有するトレーを製造する能力が、大きく向上する。例示的なトレーは、使用者にとって許容可能な程度の快適さを達成するように、比較的薄い壁で形成することができる。
エラストマーシリコーンまたはシリコーン様歯科用トレーを比較的薄い壁で形成する(最も高い快適さを有することができる)こともできるが、これは、所定の厚さのシリコーンまたはシリコーン様の歯科用トレーが、非エラストマー熱可塑性材料(例えば、EVAおよびPPのブレンド)から形成された同様のサイズの歯科用トレーより非常に高い快適さを示すので、必ずしも必要ではない。したがって、既存のトレーと等しい、または既存のトレーより優れた快適さを示すシリコーンまたはシリコーン様トレーは、大幅に厚い壁厚を有することができる。実際には、エラストマーシリコーンまたはシリコーン様材料の使用によって、より簡単により安価で形成され、取り付け中に外側支持トレーを必要としないことができる、比較的壁厚の厚い歯科用トレーと、その薄さ、適合性、可撓性、弾性伸び、弾力性、およびその柔軟でしなやかな感触により、別の材料から形成される同様のトレーには見られない、ある程度の快適さを提供する、より壁厚の薄い歯科用トレーとの間での選択が可能になる。
歯科用治療トレーは、所望の期間、装着することができる。歯科用治療トレーと人の歯との間の極めて快適なフィット性のために、歯科用治療トレーは、所望に応じて長期間、装着することができる。歯科用治療トレーは、短くは数分間、または長くは数時間、装着することができる。限定はされないが、例を挙げると、一般的な短期間の治療セッションは、約10分から約30分持続することができ、中期間の治療セッションは、約30分から約2時間持続することができ、プロフェッショナルによる特注または睡眠中の夜間治療を含む長期間の治療セッションは、約2時間から約12時間持続することができる。
粘着性のある治療組成物との組合せで使用されるとき、開示された歯科用治療トレーは、話す、飲む、喫煙する、咳をする、笑う、顔をしかめる、顔をゆがめるなどの通常の日常活動を行いながら、または睡眠中に、装着することができる。本発明による歯科用治療トレーは、上顎歯列弓、下顎歯列弓、またはその両方に同時に装着することができる。
図4Aは、歯科用治療アセンブリ455を上顎歯列弓の上に取り付けている人475を示す。外側支持トレーは、内側治療トレーを歯の上に取り付ける際に助けとなる。図4Bは、上顎歯列弓の上の定位置にある歯科用治療トレー400および下顎歯列弓の上の定位置にある歯科用治療トレー400’を示し、両方の外側支持トレーが取り外されている。
歯科用治療トレーを所望の期間の後に取り外すために、使用者は単に、トレーの縁または一部分を把持し、歯から引っ張って外すだけでよい。歯に接着したまま残った治療組成物は、水での洗浄またはすすぎによって、および/またはブラッシングによって、除去することができる。
以下は、射出成形によって本発明による歯科用治療トレーを製造するために使用することができる。2部シリコーン組成物およびエラストマーシリコーン様TPE組成物の例である。例示的な処方および製造条件を、例を使用して示すが、これに限定されない。他に記載がない限り、すべてのパーセンテージは重量パーセンテージである。
[実施例1]
シリコーン歯科用治療トレーを射出成形するための組成物を、Shin−Etsu社のKEG2000−50A/B2部熱硬化性シリコーン材料から形成した。活性剤/硬化剤を含有するA部の粘度は約1700Pa−sであり、シロキサンを含有するB部の粘度は約1600Pa−sであった。
2部のシリコーン組成物を貯蔵ドラムからホースを通してスタティックミキシングヘッドへと給送し、そこで2部をともに混合した。混合されたシリコーン材料をスタティックミキサーから出し、射出成形機のスクリューおよびバレルへと送り込んだ。混合されたシリコーン材料を、材料が迅速に重合する温度に加熱されたモールド(例えば、約375°F(約190.6℃))へと射出した。約30秒後(すなわち、30秒±10秒)に、重合がほぼ完了した後で、トレーを加熱されたモールドから取り出した。形成された例示的なトレーは、弾力的でもありながら、優れた適合性、可撓性、弾性伸び、および柔軟性を示した。成形されたトレーは半透明で、ショアAデュロメータ硬度が約50、弾性伸びが約580%であった。壁厚が約0.004インチ(0.10mm)、約0.006インチ(0.15mm)、約0.008インチ(0.2mm)、約0.01インチ(0.25mm)、および約0.014インチ(0.36mm)のトレーをそれぞれ形成した。トレーは、エラストマーシリコーンと同様の特性(例えば、特に弾性伸び、柔軟性、および弾力性)を示さない材料(例えば、EVAおよびPPのブレンド)から形成されたトレーと比較して、より良い適合性、可撓性、弾性伸び、柔軟性、および弾力性があり、人の歯列弓に装着したとき、非常に快適であった。さらに、シリコーン材料の表面は、歯の表面に接着(すなわち、グリップ)する傾向を示した。
[実施例2]
歯科用治療トレーを射出成形するための組成物を、SEBS TPE 45A材料から形成した。加熱された材料を、射出成形機のスクリューおよびバレルへと送り込むように給送した。材料をモールドへと射出し、次いで冷却した。約30秒後(すなわち、30秒±10秒)に、冷却されたトレーをモールドから取り出した。SEBSから形成された例示的なトレーは、実施例1のシリコーントレーと同様に、弾力的でもありながら、優れた適合性、可撓性、弾性伸び、および柔軟性を示した。成形されたトレーは半透明で、ショアAデュロメータ硬度が約45、弾性伸びが約800%、壁厚が約0.020インチ(0.5mm)であった。トレーは、エラストマーシリコーンと同様の特性(例えば、特に弾性伸び、柔軟性、および弾力性)を示さない材料から形成された従来の非カスタムトレーと比較して、より良い適合性、可撓性、弾性伸び、柔軟性、および弾力性があり、人の歯列弓に装着したとき、非常に快適であった。さらに、SEBS材料の表面は、歯の表面に接着(すなわち、グリップ)する傾向を示した。
[実施例3]
歯科用治療トレーを射出成形するための組成物を、VERSAFLEX CL30から形成した。加熱されたTPE材料を、射出成形機のスクリューおよびバレルへと送り込むように給送した。材料をモールドへと射出した。冷却されたトレーをモールドから取り出した。形成された例示的なVERSAFLEX CL30トレーは、実施例1のシリコーントレーと同様に、弾力的でもありながら、優れた適合性、可撓性、弾性伸び、および柔軟性を示した。成形されたトレーは半透明で、ショアAデュロメータ硬度が約30、弾性伸びが約780%、壁厚が約0.020インチ(0.5mm)であった。トレーは、シリコーンと同様の特性(例えば、特に弾性伸び、柔軟性、および弾力性)を示さない材料から形成されたトレーと比較して、より良い適合性、可撓性、弾性伸び、柔軟性、および弾力性があり、人の歯列弓に装着したとき、非常に快適であった。さらに、VERSAFLEX CL30材料の表面は、歯の表面に接着(すなわち、グリップ)する傾向を示した。
[実施例4]
歯科用治療トレーを射出成形するための組成物を、VERSAFLEX CL40から形成した。加熱されたTPE材料を、射出成形機のスクリューおよびバレルへと送り込むように給送した。材料をモールドへと射出した。冷却されたトレーをモールドから取り出した。形成された例示的なVERSAFLEX CL40トレーは、実施例1のシリコーントレーと同様に、弾力的でもありながら、優れた適合性、可撓性、弾性伸び、および柔軟性を示した。成形されたトレーは半透明で、ショアAデュロメータ硬度が約40、弾性伸びが約690%、壁厚が約0.020インチ(0.5mm)であった。トレーは、シリコーンと同様の特性(例えば、特に弾性伸び、柔軟性、および弾力性)を示さない材料から形成されたトレーと比較して、より良い適合性、可撓性、弾性伸び、柔軟性、および弾力性があり、人の歯列弓に装着したとき、非常に快適であった。さらに、VERSAFLEX CL40材料の表面は、歯の表面に接着(すなわち、グリップ)する傾向を示した。
[実施例5〜27]
歯科用治療トレーを、以下の表に示すエラストマーシリコーンまたはシリコーン様材料からそれぞれ形成した。トレーは一般に、実施例1のシリコーントレーと同様に、弾力的でもありながら、優れた適合性、可撓性、弾性伸び、および柔軟性を示した。成形されたトレーは壁厚が約0.020インチ(0.5mm)であり、ショアAデュロメータ硬度および弾性(すなわち、%伸び率)は以下の表に示す通りであった。トレーは、シリコーンと同様の特性(例えば、特に弾性伸び、柔軟性、および弾力性)を示さない材料から形成されたトレーと比較して、より良い適合性、可撓性、弾性伸び、柔軟性、および弾力性があり、人の歯列弓に装着したとき、非常に快適であった。
Figure 0005303560
本明細書に開示されたトレーと組み合わせて使用することのできる歯科用治療組成物の例を、以下に示す。
[実施例28]
実質的に固体の治療組成物を製造する際に使用するのに適切な初期流動性のある組成物を、以下の成分をともに混合することにより形成した。
エタノール 31.95%
水 10%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1.3百万) 27%
ポリビニルピロリドン(M.W.=約60,000) 10%
ラウリル硫酸ナトリウム 0.5%
グリセリン 15%
スクラロース25%溶液 0.5%
ピーチフレーバー 4%
硝酸カリウム 0.8%
フッ化ナトリウム 0.25%
最終組成物を歯科用トレーの表面の上に広げ、次いで実質的に固体の治療組成物を形成するように乾燥した。治療組成物は、当初は触れられるほど乾燥しているが、使用中に水または唾液と接触すると、非常に粘着性になった。硝酸カリウムには、歯の除感作作用がある。フッ化ナトリウムには、除感作作用および再石灰化作用がある。トレーは高い信頼度で歯の組織に接着し、優れた快適さおよび接着性を示した。
[実施例29]
粘着性のある粘性の歯科用漂白組成物を、以下の成分をともに混合することによって調製した。
水 22.5%
EDTA2ナトリウム 0.1%
過酸化カルバミド 18.5%
スクラロース25%溶液 0.75%
グリセリン 41.6%
カルボポール 5.3%
水酸化ナトリウム50%溶液 2.25%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1.3百万) 2%
カルボキシメチルセルロース 4%
スイカフレーバー 3%
歯科用漂白組成物のビーズを、本発明によるシリコーンまたはシリコーン様歯科用治療トレーの頬側−唇側側壁に沿って広げた。あるいは、歯科用漂白組成物を、歯科用治療トレー内にあらかじめ充填された実質的に固体の接着剤組成物の上に置く。トレーは高い信頼度で歯の組織に接着し、優れた快適さおよび接着性を示した。
本発明によるデバイスで使用することができる別の例示的な歯科用治療組成物、およびそのような組成物を作製するための方法が特許文献4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16および2006年7月26日に出願された17に開示されている。歯科用治療組成物、およびそのような組成物を作製するための方法を開示するために、上記の特許および特許出願を参照によって本願に援用する。
本発明は、その精神または本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で実施することができる。説明した実施形態は、あらゆる点において、限定ではなく例示であるにすぎないとみなすべきである。したがって、本発明の範囲は、上記の説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の均等物の意味および範囲内のすべての変更は、その範囲内に包含される。

Claims (25)

  1. 歯科用治療組成物を人の歯および/または歯肉に塗布する際に使用するための非注文製作の歯科用治療トレーであって、かつ注文製作の歯科用トレーの快適さおよびフィット性に近づけるために適合性が高い非注文製作の歯科用治療トレーにおいて、
    歯科用トレーの形状の耐湿性エラストマー材料から形成される非注文製作のバリア層を含み、前記非注文製作のバリア層が、様々な人に対応する複数の様々なサイズおよび形状の歯および歯列弓に快適にフィットするように、ある人の特有の歯列のサイズおよび形状に対応する構造を持たず、
    前記エラストマー材料が、本質的に、硬化したエラストマーシリコーン、硬化した非シリコーンエラストマー、熱可塑性エラストマー、および任意の10重量%未満の補助成分のうち少なくとも1つからなり、
    前記エラストマー材料が、少なくとも50%の弾性伸びを有し、
    前記非注文製作のバリア層が、使用中、ある人の歯の上に取り付けられると、前記非注文製作のバリア層が前記人の歯の特有の隆起、凹部、および輪郭に適合し、少なくとも一部が順応するよう高い適合性となるように、柔軟であり、可撓性であり、弾性的に変形可能であることを特徴とする非注文製作の歯科用治療トレー。
  2. 前記エラストマー材料は、本質的に硬化したエラストマーシリコーンからなることを特徴とする請求項1に記載の非注文製作の歯科用治療トレー。
  3. 前記エラストマー材料は、本質的に硬化した非シリコーンエラストマーからなることを特徴とする請求項1に記載の非注文製作の歯科用治療トレー。
  4. 前記エラストマー材料は、本質的に少なくとも100%の弾性伸びを有する熱可塑性エラストマーからなることを特徴とする請求項1に記載の非注文製作の歯科用治療トレー。
  5. 前記熱可塑性エラストマーは、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンまたは少なくとも300%の弾性伸びを有する熱可塑性エラストマーのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項4に記載の非注文製作の歯科用治療トレー。
  6. 前記エラストマー材料は、少なくとも75%の弾性伸びを有することを特徴とする請求項1に記載の非注文製作の歯科用治療トレー。
  7. 前記エラストマー材料は、少なくとも100%の弾性伸びを有することを特徴とする請求項1に記載の非注文製作の歯科用治療トレー。
  8. 前記エラストマー材料は、少なくとも300%の弾性伸びを有することを特徴とする請求項1に記載の非注文製作の歯科用治療トレー。
  9. 前記バリア層は、1mm未満の断面厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の非注文製作の歯科用治療トレー。
  10. 前記エラストマー材料は、20から90の範囲のショアAデュロメータ硬度の値を有することを特徴とする請求項9に記載の非注文製作の歯科用治療トレー。
  11. 前記バリア層は、1mmから1.5mmの範囲の断面厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の非注文製作の歯科用治療トレー。
  12. 前記エラストマー材料は、20未満のショアAデュロメータ硬度の値を有することを特徴とする請求項11に記載の非注文製作の歯科用治療トレー。
  13. 前記バリア層は、頬側−唇側側壁および前記頬側−唇側側壁に隣接する底壁を含み、前記頬側−唇側側壁および前記底壁が、歯科用組成物を置くことのできる中空の内部を画成することを特徴とする請求項1に記載の非注文製作の歯科用治療トレー。
  14. 前記バリア層は、0.75mm未満の断面厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の非注文製作の歯科用治療トレー。
  15. 前記バリア層は、0.5mm未満の断面厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の非注文製作の歯科用治療トレー。
  16. 前記非注文製作の歯科用トレーは、初期未硬化のシリコーン樹脂を射出成形してトレー中間物を形成し、次いで前記シリコーン樹脂を硬化して非注文製作の歯科用トレーを形成することによって形成されることを特徴とする請求項1に記載の非注文製作の歯科用治療トレー。
  17. 前記非注文製作の歯科用治療トレーは、滑らかで丸み付けされた外側縁部を有することを特徴とする請求項16に記載の非注文製作の歯科用治療トレー。
  18. 前記エラストマー材料は、ラテックス、ニトリル、水、可塑剤、着色剤、および風味剤からなる群から選択される少なくとも1つの補助成分とブレンドされ、いずれかの含まれるラテックス、ニトリル、水、可塑剤、着色剤、および/または風味剤が合計で前記エラストマー材料の3重量%未満であることを特徴とする請求項1に記載の歯科用治療トレーまたはストリップ。
  19. 請求項1に記載の非注文製作の歯科用治療トレーと、
    前記非注文製作のバリア層に近接して置かれた歯科用治療組成物とを含むことを特徴とする歯科用治療デバイス。
  20. 歯科用治療組成物を人の歯および/または歯肉に塗布する際に使用するための非注文製作の歯科用治療トレーであって、かつ注文製作の歯科用トレーの快適さおよびフィット性に近づけるために適合性が高い非注文製作の歯科用治療トレーにおいて、
    熱硬化性のエラストマー材料から形成され、様々な人に対応する複数の様々なサイズおよび/または形状の歯に快適にフィットするように、ある人の特有の歯列のサイズおよび形状に対応する構造を持たない、非注文製作のトレー本体を含み、
    前記熱硬化性エラストマー材料が、本質的に、硬化したエラストマーシリコーン、硬化した非シリコーンエラストマー、および任意の10重量%未満の補助成分のうち少なくとも1つからなり、
    前記エラストマー材料が少なくとも100%の弾性伸びを有し、
    前記非注文製作のトレー本体が、1.5mm未満の断面厚さを有し、使用中、ある人の歯の上に取り付けられると、前記非注文製作のトレー本体が前記人の歯の特有の隆起、凹部、および輪郭に適合し、少なくとも一部が順応するよう高い適合性となるように、柔軟であり、可撓性であり、弾性的に変形可能であることを特徴とする非注文製作の歯科用治療トレー。
  21. 前記熱硬化性のエラストマー材料は、硬化したエラストマーシリコーンから構成されることを特徴とする請求項20に記載の非注文製作の歯科用治療トレー。
  22. 前記非注文製作のトレー本体は0.5mm未満の厚さを有し、前記硬化したエラストマーシリコーンは少なくとも300%の弾性伸びを有することを特徴とする請求項20に記載の非注文製作の歯科用治療トレー。
  23. 歯科用治療組成物を人の歯および/または歯肉に塗布する際に使用するための非注文製作の歯科用治療トレーであって、かつ注文製作の歯科用トレーの快適さおよびフィット性に近づけるために適合性が高い非注文製作の歯科用治療トレーにおいて、
    熱可塑性エラストマー材料から形成され、様々な人に対応する複数の様々なサイズおよび/または形状の歯に快適にフィットするように、ある人の特有の歯列のサイズおよび形状に対応する構造を持たない、非注文製作のトレー本体を含み、
    前記熱可塑性エラストマー材料が、本質的に、少なくとも1つの熱可塑性エラストマーおよび任意の3重量%未満の可塑剤または他の補助成分からなり、
    前記熱可塑性エラストマー材料が、少なくとも300%の弾性伸びを有し、水中での加熱によってカスタマイズされず、次いである人の特有の歯列を加熱されたトレー本体へと永久的に記録するように、少なくとも最大100℃の温度で熱安定し、
    前記非注文製作のトレー本体が1.5mm未満の断面厚さを有し、使用中、ある人の歯の上に取り付けられると、前記非注文製作のトレー本体が前記人の歯の特有の隆起、凹部、および輪郭に適合し、少なくとも一部が順応するよう高い適合性となるように、柔軟であり、可撓性であり、弾性的に変形可能であることを特徴とする非注文製作の歯科用治療トレー。
  24. 前記熱可塑性エラストマーは、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンまたは少なくとも300%の弾性伸びを有する熱可塑性エラストマーのうち少なくとも1つから構成されることを特徴とする請求項23に記載の非注文製作の歯科用治療トレー。
  25. 前記非注文製作のトレー本体は0.5mm未満の厚さを有し、前記熱可塑性エラストマー材料は少なくとも300%の弾性伸びを有することを特徴とする請求項23に記載の非注文製作の歯科用治療トレー。
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