JP2857271B2 - 相間スペーサ - Google Patents

相間スペーサ

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JP2857271B2 JP3331548A JP33154891A JP2857271B2 JP 2857271 B2 JP2857271 B2 JP 2857271B2 JP 3331548 A JP3331548 A JP 3331548A JP 33154891 A JP33154891 A JP 33154891A JP 2857271 B2 JP2857271 B2 JP 2857271B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、相間スペーサに関する
ものである。
【0002】
【従来技術】一般に、架空送電線には、ギャロッピング
やスリートジャンプ等の大振幅振動が生じた場合、相間
短絡事故が発生する。そこで、これらの振動による相間
短絡事故を防止するため、架空送電線には相間スペーサ
が取り付けられている。この相間スペーサは、碍子部を
有するスペーサ本体と、このスペーサ本体の両端に取付
けられた電線クランプとから構成されており、架空送電
線の径間内のほぼ中央または複数分割箇所に取り付けら
れる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、架空送
電線の径間内のほぼ中央または複数分割箇所に取り付け
られた相間スペーサは、碍子部の洗浄や点検が困難であ
るため、塩害による相間短絡や碍子部の劣化による相間
短絡が発生する場合がある。特に台風時には短時間に多
量の塩分が付着するので、相間スペーサを介しての相間
短絡が発生しやすい。相間スペーサは相間短絡を防止す
るために取り付けているのに、相間スペーサを取り付け
たために相間短絡が生じるということは本来の目的に反
する。
【0004】
【発明の目的】本発明は上記の問題点に鑑み、塩害等に
より相間短絡を生じさせない相間スペーサを提供するも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明は、碍子部を有するスペーサ本体と、このスペー
サ本体の両端に取り付けられた電線クランプとを具備し
た相間スペーサにおいて、前記スペーサ本体に、そのス
ペーサ本体の表面を流れる漏れ電流を検出する漏れ電流
検出器と、その漏れ電流検出器で検出した漏れ電流が規
定値を超えたときスペーサ本体を切り離すスペーサ本体
切離し機構とを設けたことを特徴とする。
【0006】
【作用】相間スペーサを介して相間短絡が発生する直前
には、碍子部の表面が塩害等により導電性を帯びてスペ
ーサ本体の表面を流れる漏れ電流が増大する。この漏れ
電流を漏れ電流検出器で検出し、ある規定値を超えたな
らばスペーサ本体切離し機構が作動してスペーサ本体を
切り離す。このため、上下の送電線は完全に空気絶縁さ
れ相間スペーサが原因となって生じる相間短絡を確実に
防止することができる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。図1は本発明に係る相間スペーサの一実施
例を示す。この相間スペーサ11は、碍子部13を有するス
ペーサ本体15と、このスペーサ本体15の両端に取り付け
られた電線クランプ17とを具備している。図中19は架空
送電線であり、21はスペーサ本体15の倒れる方向を規制
するため下側の架空送電線19とスペーサ本体15間に張設
された倒れ方向規制バネである。
【0008】スペーサ本体15は、長さ調整ロッド23の両
端に碍子部13を有し、かつ上方の碍子部13と上方の電線
クランプ17との間には、漏れ電流検出器27と、スペーサ
本体切離し機構29とを有している。
【0009】漏れ電流検出器27としては例えば変流器
(CT)が使用でき、この漏れ電流検出器27は漏れ電流
がある規定値を超えた場合に信号を発生するように構成
されている。
【0010】一方、スペーサ本体切離し機構29は、例え
ば図2のような構成となっている。すなわち、外筒31を
上下に二分割して突き合わせ、その突き合わせ部33の内
部に内筒35を配置してある。外筒31と内筒35にはロック
ピン37が突き通されている。ロックピン37はスライド棒
39にピン41によって回動自在に結合されている。
【0011】スライド棒39は、その上端のピストン部が
上側の外筒31内に設けられたシリンダ43内に配置され、
バネ45で上方に引っ張られている。シリンダ43内の上部
には火薬47が入っている。また内筒35は、内筒引き寄せ
バネ49によって下側の外筒31に引っ張られている。
【0012】通常は図2のように、スライド棒39がバネ
45で上方に引っ張られており、外筒31と内筒35に突き通
されたロックピン37が抜け出ない状態となっている。し
たがって、上下に二分割された外筒31は一体化してい
る。今、漏れ電流検出器27で規定値を超える漏れ電流を
検出し、検出信号が発生されると、その信号によってシ
リンダ43内の火薬47が爆発する。その爆発力でスライド
棒39はバネ49の引っ張り力に打ち勝って急速に下方に押
し下げられる。
【0013】スライド棒39が下方に押し下げられると、
ロックピン37はピン41を支点として回動しながら、外筒
31および内筒35から引き抜かれる。すると内筒35は内筒
引き寄せバネ49によって下側の外筒31内に引き込まれ、
スライド棒39はバネ45によって上側の外筒31内に引き込
まれる。
【0014】こうして上側と下側の外筒31は両者を結合
するものがなくなるので、完全に分離し、図3に示すよ
うにスペーサ本体15は、倒れ方向規制バネ21に引っ張ら
れて線路方向に倒れる。
【0015】スペーサ本体15に規定値を超える漏れ電流
が流れると、以上のようにしてスペーサ本体15が切り離
され、相間が空気絶縁されてしまうので、相間スペーサ
が原因となる相間短絡を確実に防止できる。スペーサ本
体15が倒れているか否かは送電線路の巡視等によりチェ
ックし、スペーサ本体15が倒れているのを発見したとき
は、相間スペーサ11を交換するか、あるいは洗浄、火薬
詰め等を行った後、再セットする。
【0016】なお、スペーサ本体の碍子としては、軽量
なポリマー製碍子を使用することが、運搬や取付け作業
等の点から好ましい。また、スペーサ本体の構造は特に
限定するものではなく例えば、全長にポリマー製碍子を
使用して長さ調整ロッドを省略してもよい。
【0017】また、漏れ電流検出器やスペーサ本体切離
し機構は上記実施例のものに限定されるものではない。
例えばスペーサ本体切離し機構としては、火薬やバネを
使わずにモーターとギヤ等を使ってもよく、スペーサ本
体を分離できる構造であれば何でもよい。
【0018】また、漏れ電流検出器とスペーサ本体切離
し機構のスペーサ本体への取付け位置は特に限定するも
のではない。更に、漏れ電流検出器やスペーサ本体切離
し機構に電源が必要な時は、電線に変流器を取り付け、
そこで生じる誘導電流を電源として用いるのが好まし
い。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ス
ペーサ本体に、そのスペーサ本体の表面を流れる漏れ電
流を検出する漏れ電流検出器と、その漏れ電流検出器で
検出した漏れ電流が規定値を超えたときスペーサ本体を
切り離すスペーサ本体切離し機構とを設けたので、相間
スペーサが相間短絡を起こす前にスペーサ本体を分離す
ることができ、したがって、相間スペーサが原因となっ
て生じる相間短絡事故を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る相間スペーサを示す
正面図。
【図2】 本発明に用いるスペーサ本体切離し機構の一
例を示す断面図。
【図3】 図1の相間スペーサのスペーサ本体が切離さ
れた状態を示す正面図。
【符号の説明】 11:相間スペーサ 13:碍子部 15:スペーサ本体 17:電線ク
ランプ 19:架空送電線 21:倒れ方
向規制バネ 23:長さ調整ロッド 27:漏れ電
流検出器 29:スペーサ本体切離し機構 31:外筒 33:突き合わせ部 35:内筒 37:ロックピン 39:スライ
ド棒 43:シリンダ 45:バネ 47:火薬 49:内筒引
き寄せバネ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 碍子部を有するスペーサ本体と、このス
    ペーサ本体の両端に取り付けられた電線クランプとを具
    備した相間スペーサにおいて、前記スペーサ本体に、そ
    のスペーサ本体の表面を流れる漏れ電流を検出する漏れ
    電流検出器と、その漏れ電流検出器で検出した漏れ電流
    が規定値を超えたときスペーサ本体を切り離すスペーサ
    本体切離し機構とを設けたことを特徴とする相間スペー
    サ。
JP3331548A 1991-11-21 1991-11-21 相間スペーサ Expired - Fee Related JP2857271B2 (ja)

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JP2561771B2 (ja) * 1992-01-22 1996-12-11 日本碍子株式会社 切り離し機構付き相間スペーサ
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