JP2857209B2 - 非外気性雰囲気試験器 - Google Patents

非外気性雰囲気試験器

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JP2857209B2 JP4422390A JP4422390A JP2857209B2 JP 2857209 B2 JP2857209 B2 JP 2857209B2 JP 4422390 A JP4422390 A JP 4422390A JP 4422390 A JP4422390 A JP 4422390A JP 2857209 B2 JP2857209 B2 JP 2857209B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は酸素存在下では生育できない絶対嫌気性菌、
外気よりも酸素濃度の低い環境下でないと生育できない
醗酵性細菌、メタン細菌、硫酸還元細菌、光合成細菌等
の通性嫌気性菌を嫌気状態で培養する等のために使用す
る非外気性雰囲気試験器に関する。
〔従来の技術〕
従来、この種の非外気性雰囲気試験器は第7図に示す
ように、図示しないガス置換手段により非外気性雰囲気
下に置かれる試験槽Tを備えており、培養装置や試料等
Aは試験槽に設けた気密内扉Dを開いて該槽内に配置さ
れ、その後、槽T内が図示しないガス置換手段により非
外気性雰囲気下に置かれる。また、扉Dを覆うようにエ
ントリーボックスBが槽Tに連接されているときには、
試料等は一旦ボックスBの気密外扉dからボックスB内
へ納められ、ボックスB内が図示しないガス置換手段に
より槽T内と同じ雰囲気に置き換えられた後、扉Dが開
かれて槽T内へ配置される。
試験槽T内の培養装置や試料等Aは該試験槽の壁に設
けた孔Hの周縁に気密に連結された柔軟な非通気性材料
からなる手袋G内に手を挿入して操作される。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、操作者が手袋Gに手を挿入して試験槽T内の
試料等を取り扱う作業は難しく、特に細かい作業は困難
であった。また、手袋Gは非通気性のため、手からの発
汗により手袋内に水分が溜まり非常に不快であった。こ
の発汗を防止するたにエアーポンプ等で手袋G内にエア
ーを吹き込むことも試みられたが、手袋Gが手に密着
し、手袋内全体にエアーが行き渡らず、不快感を解消す
ることはできなかった。
そこで本発明は、非外気性雰囲気下に置かれる試験槽
を有する非外気性雰囲気試験器であって、前記試験槽内
の物品を取り扱うにあたり、従来のように手袋を介する
ことなく、容易確実に操作することができると共に、従
来手袋における発汗に伴う不快感の問題が生じない非外
気性雰囲気試験器を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は前記目的に従い、非外気性雰囲気下におかれ
る試験槽を有する非外気性雰囲気試験器において、前記
試験槽に設けた開閉可能の手挿脱用気密扉と、一端開口
縁部が前記気密扉を覆うように該扉周囲の前記試験槽壁
に気密に連結され、他端部に手挿脱部を有する萎みおよ
び膨張可能の弾性カバーと、前記カバー内から脱気する
ための手段と、前記カバー内へ非外気性ガスを供給する
手段とを備え、前記手挿脱部は、前記カバー内に対する
操作者の手首挿脱が可能で、該手首挿入時、手首をほぼ
気密に囲繞する弾性内周縁部を有する孔を備えているこ
とを特徴とする非外気性雰囲気試験器を提供するもので
ある。
前記試験器には、必要に応じ、前記カバー内圧の異常
上昇、異常低下を防止する手段を設けてもよい。
〔作 用〕
本発明非外気性雰囲気試験器においては、試験槽内の
物品は次のように取り扱われる。
すなわち、まず操作者の手首が前記弾性カバー他端部
の手挿脱部の孔から該カバー内へ挿入される。このよう
にカバー内に手首が挿入された状態では、前記の孔内周
縁部が操作者の手首または腕にほぼ気密に接する。しか
るのち該弾性カバー内が脱気手段によりある程度脱気さ
れ、引き続き該カバー内へ非外気性ガス供給手段から所
定の非外気性ガスが供給される。かかる脱気操作と非外
気性ガス供給操作を数回繰り返した後、該カバーに覆わ
れている試験槽の手挿脱用気密扉が開けられ、そこから
試験槽内へ操作者の手が挿入され、試験槽内の物品が取
り扱われる。試験槽内物品の処理が終わると、操作者の
手は再びカバー内へ戻され、しかるのち前記気密扉が閉
じられ、その後操作者の手首が前記弾性カバー内から外
へ引き出される。
〔実 施 例〕
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
以下に説明する実施例は嫌気性培養装置を取り扱う非
外気性雰囲気試験器である。
この実施例試験器は、第1図にその正面を、第2図に
第1図のX−X線に沿う概略断面を示すように、非通気
性壁に囲まれた試験槽1を備えており、該試験槽1の側
壁には培養装置や試料等を出し入れするための開閉可能
な気密内扉11が設けられている。また、気密扉11を囲む
ように、試験槽1にエントリーボックス2が連接されて
おり、該エントリーボックスにも開閉可能な扉21が設け
られている。従って気密外扉21を開くことによりボック
ス2に対し物品を出し入れすることができ、扉11を開く
ことによりボックス2側から試験槽1に対し物品を出し
入れすることができる。
試験槽1には図示しないガス置換手段が接続されてお
り、該ガス置換手段により試験槽1内を嫌気性培養装置
に必要な雰囲気に置換することができる。また、エント
リーボックス2にも図示しないガス置換手段が接続され
ており、該ボックス内雰囲気を試験槽1内と同じ非外気
性雰囲気に置き換えることができる。従って、試験槽1
内に試料等を挿入しようとする場合には、エントリーボ
ックス2の扉21が開かれ、該ボックス内に該試料が納め
られ、扉21が閉じられた後、該ボックス内の雰囲気が試
験槽1内の非外気性雰囲気と同じ雰囲気に置き換えら
れ、しかるのち扉11が開かれ、ボックス2内の試料等が
試験槽1内に入れられる。その後扉11が閉められる。ま
た、試験槽1内の試料等を取り出す場合には、試験槽の
扉11及びボックス2の扉21が共に閉められた状態で、ボ
ックス2内が試験槽1内雰囲気と同じ雰囲気下におか
れ、その後試験槽1の扉11が開かれ、試験槽1内の試料
等がボックス2内へ取り出され、しかるのち扉11が閉め
られ、次いでボックス2の扉21が開かれボックス2から
該試料等が外部へ取り出される。なお図示していない
が、ボックス2内へ納めた物品を試験槽1内へ配置する
作業、試験槽1内の物品をボックス2へ取り出す作業
は、図示しない自動または手動式の取り扱い装置により
扉21を閉めたまま行われる。
試験槽1の前壁12はガラス板等の透明材料からなって
おり、手首を挿入できるに充分な大きさの二つの孔13、
13を備えている。
第3図に詳しく示すように、前壁12の内面には各孔13
の縁に沿ってリングフレーム31が固着されており、該フ
レームに設けた溝311に気密シール用オーリング32が嵌
められている。このフレームには扉33が蝶番34によって
開閉自在に取り付けられている。扉33の一端部外面には
回動可能のロックレバー35が取り付けられており、該レ
バーの一端部はリングフレーム31に設けた切欠凹所312
に係脱自在である。
該ロックレバーを凹所312に係合させた状態では、扉3
3がオーリング32に気密に接し、前壁の孔13を通して試
験槽1内外の通気は不能となる。
また、ロックレバー35を回して該レバーを凹所312か
ら外すと、扉33を試験槽1内側へ開くことができる。
一方、試験槽前壁12の外面には、各孔13の縁に沿って
リングフレーム36が固着されている。
該リングフレーム36には非通気性の可撓性筒状ゴムカ
バー37の一端開口縁部が外嵌されており、オーリング38
によってリングフレーム36に気密に留められている。
該カバーの他端開口部にはリングフレーム39が内嵌さ
れている。カバー37の該他端部には非通気性の可撓性ゴ
ムカバー40の周辺部41が被せられ、カバー37の他端部と
共に、リングフレーム39にオーリング43で気密に留めら
れている。
カバー40はその中央部に孔42を備えている。孔42は、
操作者がその手首を挿脱することができると共にカバー
37内へ手首を挿入した時、該操作者の手首または腕に撓
みつつほぼ気密に接触することができるように操作者の
手首よりもやや小さく形成されている。
各カバー37には前壁12に固着したリングフレーム36を
介して真空ポンプ5が配管接続されている。また、真空
ポンプ5とカバー37の間の配管途中に電磁弁6が配管接
続されており、該電磁弁の入口側には試験槽1内気体と
同じ非外気性ガスを収容したボンベ7を接続できるよう
になっている。
ポンプ5は図示しない電気回路におけるフートスイッ
チ51を操作することによりオン・オフすることができ、
電磁弁6も図示しない電気回路におけるフートスイッチ
61を操作することによりオン・オフすることができる。
また、前記配管途中にはポンプ5による脱気操作により
カバー37内が予め定めた真空度に達するとこれを検出し
てポンプ5を停止させる圧力スイッチ52およびボンベ7
から非外気性ガスをカバー37内へ供給する場合において
カバー37内が予め定めた圧力に達すると電磁弁6を閉じ
るように作動する圧力スイッチ62が接続されている。
なお、圧力スイッチ52に代えて、一定時間ポンプ5を
作動させるタイマー装置を設けてもよく、また、圧力ス
イッチ62に代えて、一定時間電磁弁6を開いて非外気性
ガスを供給するタイマー装置を設けてもよい。
さらに、カバー37には例えば前記リングフレーム36を
介して安全弁を接続することもできる。この場合安全弁
は、ポンプ5による脱気が異常に進んでカバー37内が異
常低圧に達すると開いて外気をカバー37内へ導入する安
全弁V1と、電磁弁6が開かれて非外気性ガスがカバー37
内へ導入される場合に、カバー37内気圧が異常に上昇す
ると開いてカバー37内気体を外部へ放出するための安全
弁V2である。
なお、従来から知られているこのような安全弁に代え
て、第4図に示すようなリリーフ弁機能付マノメータを
採用してもよい。
該マノメータは、非圧縮性流体を収容するU字管と、
該U字管の各上端開口に連接され、該U字管より内径が
大きい圧力逃がし部分を有するチャンバとを備え、該各
チャンバは、前記U字管内非圧縮性流体全量を充分収容
できる容積を有するとともに、該チャンバ内に入った非
圧縮性流体が前記U字管へ自重落下できるように形成さ
れているものである。
第4図に示す例では、該マノメータMは、U字管1′
と、該U字管の一方の上端開口11′に連接されたチャン
バ2′と、U字管1′の他方の上端開口12′に連接され
たチャンバ3′とを備えている。
U字管1′は断面が円形で断面積一様な管であり、内
部に測定用液体4′を収容している。
各チャンバ2′、3′は断面円形のチャンバで、その
下端部は、チャンバ内に入った液体が自重で円滑にU字
管1′へ戻り落下できる勾配でU字管開口部11′、12′
に気密に接続されている。
また、チャンバ2′にはチューブ等の接続口201′を
有するキャップ20′が気密に被せられており、チャンバ
3′にはチューブ等の接続口301′を有するキャップ3
0′が気密に被せられている。本例では、例えば接続口2
01′をカバー37へ配管接続して用いることができる。
今、第4図に示す状態では、チャンバ2′に対してU
字管開口11′に加わる圧力P1は、チャンバ3′を介して
U字管開口12′に加わる圧力P2と等しく、従って液4の
液面41′、42′は同じ高さにある。
この状態から例えば圧力P1が圧力P2よりも大きくなる
と、液面41′、42′は第1図に破線で示す位置へ移動す
る。そしてこの液面高さの差lから圧力P1とP2の差、あ
るいは圧力P1(またはP2)が求められる。
このように通常の状態では、このマノメータは従来の
マノメータ同様に機能する。
また、このマノメータMによるとU字管開口11′に加
わる圧力P1(カバー37内圧力)が異常に高くなると、U
字管内の液体4′が全量チャンバ3′へ押し上げられ、
チャンバ2′からU字管内へ入った気体はチャンバ3′
内の液体中を気泡となって通過し、それにより圧力P1の
一部が圧力P2側(大気側)へ逃げる。すなわち、このマ
ノメータは、圧力P1が高すぎるとき、リリーフ弁として
機能する。
圧力P1が低すぎるときには、U字管1′の液体4′は
全量チャンバ2′内へ押し上げられ、チャンバ3′から
U字管へ流入した外気はチャンバ2′内の液体中を気泡
となって上方へ通過し、かくして圧力P2の一部が圧力P1
側へ供給される。従って圧力P1が低すぎる場合にも、こ
のマノメータはリリーフ弁として機能する。
なお、このマノメータは例えば第5図に示すように構
成されていてもよい。第5図のマノメータはU字管1′
の開口11′と12′の高さ位置がずれており、従って該開
口に接続されたチャンバ2′、3′の高さ位置もずれて
いる。このように高低差を設けると、第4図に示す場合
よりも、より小さい圧力P1でU字管内液体4′がチャン
バ3′内へ押し上げられ、また第4図に示す場合より
も、より大きい圧力P2でU字管内液体4′がチャンバ
2′内へ押し上げられる。従って、圧力を逃がす場合と
供給する場合とで、圧力に差を設けることができる。
また、U字管内に収容する非圧縮性流体に比重が適当
なものを選択して、マノメータ測定範囲およびリリーフ
弁として機能させる場合の逃がし圧力値等を選択・変更
することもできる。
前記実施例において、試験槽1内の物品を外部から操
作するには次のように行う。
まず操作者がその手首8をカバー40の孔42からカバー
37内へ挿入し、孔42をほぼ気密に閉じる。その後フート
スイッチ51を操作して真空ポンプ5を起動し、カバー37
内を脱気する。カバー37内が所定圧力まで低下すると圧
力スイッチ52が作動し、ポンプ5が停止する。しかるの
ちフートスイッチ61を操作して電磁弁6を開き、ボンベ
7から非外気性ガスをカバー37へ供給する。カバー37内
圧力が所定圧力に達すると圧力スイッチ62が作動し、電
磁弁6が閉じる。ポンプ5の起動および電磁弁6の開成
とを数回繰り返し、カバー37内を所定濃度の非外気性雰
囲気とする。次にカバー37内に挿入した手でロックレバ
ー35を回して扉33を開き、前壁孔13から試験槽1内へ手
を挿入し、試験槽1内の物品を処理する。試験槽1内の
処理が終わると試験槽1からカバー37へ手8を引き戻
し、扉33を閉めてロック35をかける。そのあと手をカバ
ー37から外部へ引き出す。
このように試験槽1内の物品操作は、カバー37内へ挿
入した手をそのまま試験槽1内へ挿入して行うことがで
きるので、物品処理を容易確実に行うことができ、細か
い操作も容易に確実に行うことができる。また、従来の
ように手袋に手を入れる場合と比べると発汗による不快
感を味わうということもない。
なお本発明は前記実施例に限定されるものではなく、
他にも様々な態様で実施することができる。例えば、前
記真空ポンプ5および電磁弁6を操作するフートスイッ
チ51、61に代えてカバー37内へ手動のスイッチを配置し
てもよい。
また、前記カバー37に配管接続された真空ポンプ5に
変えて、第6図に示すようにカバー37に逆止弁9を接続
し、カバー37の弾力を利用して手首8を前後させること
によりカバー37内を脱気させることも可能である。
〔発明の効果〕
本発明によると、非外気性雰囲気下に置かれる試験槽
を有する非外気性雰囲気試験器であって、前記試験槽内
の物品を取り扱うにあたり、従来のように手袋を介する
ことなく、容易確実に操作することができると共に、従
来手袋における発汗に伴う不快感が生じない非外気性雰
囲気試験器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図から第3図は本発明の一実施例を示すもので、第
1図は全体正面図、第2図は第1図のX−X線に沿う概
略断面図、第3図は試験槽内物品を操作するための装置
部分の断面図である。第4図はリリーフ弁機能付マノメ
ータの概略断面図、第5図はマノメータの他の例の断面
図、第6図は本発明の他の実施例の説明図である。第7
図は従来例の説明図である。 1……試験槽 33……気密扉 12……試験槽前壁 37……カバー 40……カバー(手挿脱部) 42……カバー40の孔 5……真空ポンプ 6……電磁弁 7……非外気性ガスボンベ 8……手 9……逆止弁 M……マノメータ V1、V2、……安全弁

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非外気性雰囲気下におかれる試験槽を有す
    る非外気性雰囲気試験器において、前記試験槽に設けた
    開閉可能の手挿脱用気密扉と、一端開口縁部が前記気密
    扉を覆うように該扉周囲の前記試験槽壁に気密に連結さ
    れ、他端部に手挿脱部を有する萎みおよび膨張可能の弾
    性カバーと、前記カバー内から脱気するための手段と、
    前記カバー内へ非外気性ガスを供給する手段とを備え、
    前記手挿脱部は、前記カバー内に対する操作者の手首挿
    脱が可能で、該手首挿入時、手首をほぼ気密に囲繞する
    弾性内周縁部を有する孔を備えていることを特徴とする
    非外気性雰囲気試験器。
  2. 【請求項2】前記カバー内圧の異常上昇、異常低下を防
    止する手段が設けられている請求項1記載の試験器。
JP4422390A 1990-02-23 1990-02-23 非外気性雰囲気試験器 Expired - Lifetime JP2857209B2 (ja)

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