JP2856892B2 - 核融合炉の真空排気系及びそのクライオポンプ - Google Patents

核融合炉の真空排気系及びそのクライオポンプ

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JP2856892B2
JP2856892B2 JP2301116A JP30111690A JP2856892B2 JP 2856892 B2 JP2856892 B2 JP 2856892B2 JP 2301116 A JP2301116 A JP 2301116A JP 30111690 A JP30111690 A JP 30111690A JP 2856892 B2 JP2856892 B2 JP 2856892B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は核融合炉の燃料循環系における炉心からのプ
ラズマ排気処理に使用される核融合炉の真空排気系及び
そのクライオポンプに関する。
(従来の技術) 第6図は核融合炉の燃料循環系の一例を示している。
すなわち、炉心のプラズマ真空容器1における核融合反
応では、燃料注入系2から供給される重水素,トリチウ
ムがほぼ半々の割合になっている燃料の全量が反応する
わけではなく、燃焼する割合は,注入量に対し高々10%
である。反応生成物のヘリウムや、プラズマ真空容器1
の炉壁等から出てくる炭素化合物,窒素化合物,酸素化
合物等の不純物と共に未燃焼の燃料は、真空排気系3に
より排気され、燃料精製系4に送られる。燃料精製系4
において反応生成物のヘリウムや混入不純物は除去され
るが、若干の軽水素は燃料ガスと共にとどまる。これ水
素同位体混合ガスである燃料ガスは、同位体分離系5に
送られ、各同位体別に分離され、燃料貯蔵系6に貯蔵さ
れ再び燃料注入系2から炉心に燃料として供給される。
これら燃料循環系内の符号2〜6で示した各系は、各々
多数のコンポーネントを含む処理システムを構成する。
なお、図中符号7は中性ビーム注入系、8はトリチウ
ム回収系、9は一次冷却系をそれぞれ示している。
第7図及び第8図はそれぞれ従来の核融合炉真空排気
系3a,3bの第1および第2の例を示す系統図である。
第7図に示す第1の例の真空排気系3aは炉心の真空容
器1からゲートバルブ10を介してターボ分子ポンプ13,
中間バルブ17,スパイラルブースタポンプ14及び2基の
メタルベローズポンプ15が順次接続されている。また、
ゲートバルブ10と中間バルブ17との間にはバイパスバル
ブ18を有するバイパスライン19が設けられている。
第8図に示した第2の例の真空排気系3bにおいては第
7図における真空排気系3aのゲートバルブ10とターボ分
子ポンプ13との間に複合クライオポンプ11を介在させた
ものにある。すなわち、炉心のプラズマ真空容器1のプ
ラズマ排ガスはゲートバルブ10を経て複合クライオポン
プ11で排気される。複合クライオポンプ11,11aは前述の
ようにバッチ方式でガスを吸入するので、使用している
最中は出口側バルブ12が閉じられている。設計によって
定められた使用時間を経た後、ゲートバルブ10を閉じ、
閉じられていた予備機側ゲートバルブ10aを開き、予備
機の複合クライオポンプ11aに切り替えられる。その際
予備機出口バルブ12aは閉じられる。複合クライオポン
プ11,11aは直ちに出口バルブ12,12aを開き再生をする。
なお、符号10a,11a,12aは予備機を示し待機中のもの
である。
出口バルブ12の下流側にはメインバルブ16,ターボ分
子ポンプ13,中間バルブ17,スパイラルブースタポンプ14
及び二基のメタルベローズポンプ15が直列接続されてお
り、また、出口バルブ12の下流側と中間バルブ17との間
にはバイパス弁18を有するバイパスライン19が設けられ
ている。
第9図(a)及び(b)はそれぞれ第8図に示した真
空排気系3bの主排気ポンプとして使われる複合クライオ
ポンプ11,11aの第1および第2の例を示している。すな
わち、(a)に示す第1の例では胴本体20内に垂直方向
に沿って凝縮シェブロン22と吸着材パネル22が設置さ
れ、胴本体20の上端部に入口21が、下端部に出口24が設
けられたものからなっている。(b)に示す第2の例で
は胴本体20の上端部に出口24が、下端部に入口21が設け
られ、胴本体20内に水平方向に凝縮シェブロン22と吸着
材パネル23が設けられたものからなっている。
ここで、入口21から流入するプラズマ排気ガスは、ま
ず液体ヘリウム冷媒で4Kに冷却されている凝縮シェブロ
ン22に触れ、ヘリウム以外の全てのガスが凝縮トラップ
される。残ったヘリウムは、同様に液体ヘリウム冷媒で
4Kに冷却されている吸着在パネル23に吸着パネル23に吸
着トラップされる。この吸着剤パネル23の吸着剤にはモ
レキュラーシーブや活性炭が使われる。このような方式
であるので、運転中、出口24側はバルブで閉じられてい
る。この場合、凝縮シェブロン22及び吸着剤パネル23に
トラップされるガス量には限界があり飽和状態に達す
る。飽和した複合クライオポンプは再使用するために再
生運転をする。再生運転では、入口21側のバルブを閉
じ、出口24側のバルブを開く。凝縮シェブロン22及び吸
着剤パネル23では、液体ヘリウム冷媒を抜き、ヒーター
等で昇温して蒸発させる。蒸発したガスは、出口側から
ターボ分子ポンプ13等の他のポンプで排出される。
再生運転では蒸発するガスを排気するので、複合クラ
イオポンプ11,11aの出口弁12,12aの下流に再生用の真空
ポンプが多段に設置されている。この例では第8図に示
したようにターボ分子ポンプ13、次にスパイラルブース
タポンプ14、最後にメタルベローズポンプ15が2段に設
置されている。排気されたガスは第6図に示す下流の燃
料精製系4で精製処理される。
第10図は核融合炉の真空排気系に接続される燃料精製
系4を示す系統構成図である。すなわち、真空排気系3
a,3bから送られてくるプラズマ排出ガスは貯蔵タンクI
に一旦貯留し、後述する固体電解質電解セルaから送ら
れてくる再生ガスと混合し、流量変動の調整を行う。
また、このタンクIに緊急時に発生した際の系内ガス
を貯蔵する水素吸蔵・金属合金ゲッターbのラインを接
続する。本タンクIに一旦貯留されたガスは次に移送ポ
ンプcによりPb合金膜透過器dに移送される。
移送ポンプcで送られてきたガスはPb合金膜透過器d
により、水素ガスとその他の不純物ガスとに分離され
る。透過器dは300℃で運転するためトリチウム漏洩対
策を施した構造になっている。精製された水素ガスは真
空ポンプeで10torrの圧力で吸引を行い貯蔵タンクIIに
送られる。透過器dからの不純物ガスは貯蔵タンクIII
に移送される。なお、この不純物ガスの組成には未分離
の水素ガスが若干(全水素ガスの約0.3%)残存する。
Pb合金膜透過器dから送られてきた不純物ガスは貯蔵
タンクIIIで一旦貯留し、触媒反応器fで不純物を酸化
するために必要な酸素と希釈ガスのHeと混合する。混合
後移送ポンプgにより触媒反応器fに移す。触媒反応器
fの反応効果を上げるため酸素は大過剰に、He量は水素
の爆発限界以下の濃度になるよう調節する。
触媒反応器fは2段からなり、移送されてきた不純物
ガスのうち水素とアンモニアが温度150℃の第1段目の
貴金属触媒を充填した反応で水分と窒素に酸化される。
温度550℃の第2段目でメタンが酸化され水分と炭酸ガ
スに変化する。
触媒反応器fを出たガスは冷却器hで室温迄冷却され
コールドトラップiに移送される。コールドトラップi
は−78℃に温度制御され水分を凝固・除去する。その他
のガスは廃ガス処理系へ移行する。コールドトラップi
は2基が交互に運転され、一方がラップしている間他方
は約100℃の加熱Heで凝固したトリチウム水を気化させ
る。このトリチウムの切り替えは一定時間毎に行い、不
要なトリチウムインベントリーの増加を防ぐ。
ヘリウム(He)で気化されたコールドトラップiのト
リチウム水は貯蔵タンクIVに送られ、ここで脈動と組成
の平準化を行い移送ポンプjで固体電解質電解セル26に
送られる。
貯蔵タンクIVから送られた再生ガスは予熱器kで加熱
され固体電解質電解セルaに送られる。電解セルaはイ
ットリア安定化ジルコニア等の固体電解質の多管から構
成され、トリチウム水蒸気は気相電解され水素ガスと酸
素ガスに分離される。酸素ガスは廃ガス処理系へ送ら
れ、水素ガスはキャリアーのHeと共に冷却器lを経て移
送ポンプmにより貯蔵タンクIに送られプラズマ排ガス
と混合される。
なお、第8図中、バイパス弁18のバイパスライン19は
荒引きでターボ分子ポンプ13をバイパスさせるためのラ
インである。
真空排気系3の主排気ポンプとしては、複合クライオ
ポンプ11,11aの他、ターボ分子ポンプ13が直接使われる
場合もある。
(発明が解決しようとする課題) 核融合炉で燃料として使用されるトリチウムは、必ず
しも危険な物質ではないが、放射性なので一箇所に多量
に集中しない方が望ましい。その観点からは、真空排気
系の主排気ポンプのトリチウムインベントリーは小さい
方が良く、その点ターボ分子ポンプ13であれば排気を送
り出すだけであるからそのポンプ内に溜ることはない。
しかしながら、主排気ポンプが設置される炉心近くは
磁場が強力で金属製の従来品では使用不可能であり、セ
ラミックス製の改良品が望まれる。このタイプには次の
ような欠点がある。すなわち、複合クライオポンプ11,1
1aに比較し容量が一桁位小さく、必要容量を確保するに
は、台数が10倍以上になるので、設置に必要なスペース
も広くなること。また、容量当りのコストが複合クライ
オポンプ11,11aの10倍以上になり、経済性も良くないこ
とがある。さらに、動的な回転機器であることから、故
障ポテンシャルの面でも好ましくなく、セラミックス製
のポンプであれば、製作加工技術も高いものが要求され
る。従って、コストとスペースの両面で欠点をもつタイ
プである。なお、金属製のポンプでは、磁気シールドを
設置することによって対処はできるとしても、スペース
は1台当りより大きくなることは云うまでもない。
複合クライオポンプ11、11aのトリチウムインベント
リーはターボ分子ポンプ13に比較し大きくなるが、コス
トの面でも、スペースの面でも優れている。従って、ト
リチウムインベントリーの点が目立った欠点とも云え
る。これはバッチ処理するタイプであり、排気をポンプ
内に溜め込むタイプであるからである。また、それに伴
い、再生工程が必要になり、通常運転時の低い温度から
再生時の高い温度に切り替える等、熱的な扱いの面で無
駄を生ずる。この場合、プラズマ真空容器から排気すべ
き燃料同位体ガスの中には沸点・融点が高いガスから低
いガスまで雑多である。すなわち、トリチウム,重水素
の酸化物であれば水蒸気であり、沸点100℃,融点0℃
である。また、窒素化合物であればアンモニアであり、
沸点−33.4℃,融点−77.7℃である。更に、炭素化合物
のメタンは沸点−161.5℃,融点−182.5℃である。これ
にトリチウム,重水素という水素同位体ガスが加わる
が、その沸点は−252.7℃,融点は−259.1℃である。複
合クライオポンプの凝縮シェブロンには、一度にこれら
全ての成分がトラップされるので、再生時には、この最
も高い沸点のガス成分に合わせれば、運転中の4Kから常
温まで昇温する必要があり、その温度差は300℃以上に
もなる。これは熱効率上の欠点である。すなわち、常温
まで昇温されたポンプを4Kまで冷却するには多量の冷媒
と時間を要し、また折角冷却されている機械を常温まで
加温するのは無駄が多いからである。
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、
核融合炉のプラズマ真空容器から排出する排ガスの主要
ガス成分であるトリチウム等の燃料同位体ガスをバッチ
式でなく連続的に処理でき、トリチウムインベントリー
の小さい、また熱効率の面でも改良された核融合炉の真
空排気系及びそのクライオポンプを提供することにあ
る。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 第1の発明はプラズマ真空容器のガス排出側にゲート
バルブを介して不純物除去装置を接続し、この不純物除
去装置の出口側に出口弁を介してクライオポンプを接続
し、このクライオポンプで液化した燃料同位体を同位体
分離系に移送する供給管を設け、前記クライオポンプの
排ガスラインに真空ポンプラインを設け、この真空ポン
プラインの排気ラインにトリチウムモニタを設けると共
にトリチウムモニタの出口側ラインを二方に分岐して一
方の分岐管にトリチウム燃料系配管を設け、他方の分岐
管に大気放出用バルブを介して大気放出管を設けてなる
ことを特徴とする。
第2の発明はプラズマ真空容器から排気される燃料同
位体ガスを流入出する入口及び出口を有する胴本体内に
凝縮シェブロンを設け、この凝縮シェブロンで前記燃料
同位体ガスが液化凝縮された液体を前記胴本体外に流出
するためのファネル及び流出管を設けてなることを特徴
とする。
(作 用) 核融合炉の真空排気系及びクライオポンプにおいて
は、胴体内の凝縮シェブロンで排気対象の燃料同位体ガ
スを凝固させることなく液化凝縮させる。液化凝縮され
た液体はファネル及び流出管を通って胴体外へ流出す
る。また、凝縮シェブロンで液体が凝固されたとしても
ポンプを運転させた状態のまま凝固物を取り除くことが
できる。そのため、バッチ処理でなく連続的に排ガスを
処理することができる。また、この液化凝縮物あるいは
取り除かれた凝固物をポンプ外へ連続排出させることが
できるため、トリチウムインベントリーが小さく、また
再生運転工程が不要となり、熱効率の面でも大幅な改善
が得られる。
なお、クライオポンプの前段に不純物除去装置を設け
ることによって、クライオポンプ内には高沸点不純物が
流入してくることがなく、従ってクライオ面で凝縮ある
いは凝固するのは燃料トリチウム同位体のみであり、ク
ライオポンプの出口で燃料ガス成分とその他の不純物が
分離されるので、その系統間取合いの部分において簡略
化・合理化が図られ、トータルとして経済的でコンパク
ト化を図ることができる。
(実施例) 第1図を参照しながら本発明に係る核融合炉の真空排
気系の一実施例を説明する。
第1図中符号1はプラズマ真空容器を示しており、こ
の真空容器1の排気系側はa,b二系統で示すゲートバル
ブ10a,10bの入口側に接続されている。なお、b系統は
予備機であり、a系統が運転中は待機している。ゲート
バルブ10a,10bにはそれぞれ不純物除去装置31a,31bが接
続され、この不純物除去装置31a,31bの出口側には出口
弁32a,32bが接続され、出口弁32a,32bの流出側はクライ
オポンプ11に接続されている。不純物除去装置31a,31b
には再生ガス流出管33から流入する流入管34がバルブ35
a,35bを介して接続されている。また、不純物除去装置3
1a,31bはバルブ36a,36bを介して連通管37が接続されて
いる。連通管37は燃料精製系に接続する移送管38が接続
されている。クライオポンプ11で冷却されて液化した液
体はバルブ39を介して供給管40を通って同位体分離系に
送られる。クライオポンプ11の排気出口側はターボ分子
ポンプ13,スパイラルブースタポンプ14及びメタルベロ
ーズポンプ15が順次接続されている。メタルベローズポ
ンプ15の出口側配管41にはトリチウムモニタ42が設けら
れている。このトリチウムモニタ42より下流側は二方に
分岐され、一方の配管にはトリチウム燃料系配管43が電
磁弁44を介して接続され、他方の配管には大気放出用バ
ルブ45を介して大気放出管46が接続されている。トリチ
ウムモニタ42の信号は電磁弁44及び大気放出用バルブ45
に送られる。
しかして、上記実施例の真空排気系においてプラズマ
真空容器1から出た排気はゲートバルブ10aを経て、例
えば低温吸着塔のような不純物除去装置31aに入り、ト
リチウム,重水素,軽水素,及びヘリウム以外の不純物
が除去される。この不純物除去装置31aは不純物が蓄積
するバッチ処理タイプのものであっても、蓄積する不純
物のトリチウム量は小さいので従来の複合クライオポン
プに比較すれば、熱的にも安全上も操作上も大変取り扱
い易い装置である。この装置がバッチ式タイプであれ
ば、飽和時はb系統で示した予備機に切り替えて再生操
作を行うが、従来のクライオポンプと比べ、再生操作や
その後の予冷操作もはるかに簡単である。余分な不純物
が除去された燃料同位体ガスと除去されずに残存してい
るヘリウムはクライオポンプ11に流入して、分離され
る。すなわち、燃料のトリチウム同位体ガスはこのクラ
イオポンプ11内で凝縮あるいは一時的に凝固して供給管
40内を通り、同位体分離系に直接導かれる。また、ヘリ
ウムはクライオポンプ11の下流側に続くターボ分子ポン
プ、スパイラルブースタポンプ14,メタルベローズポン
プ15等によって排気され、燃料精製系に導かれる。この
ヘリウム中にはクライオポンプ11で除去しきれなかった
燃料同位体ガス微量含まれるが、安全上問題にならない
程度の微量であれば、直接大気放出することもできる。
その場合は、例えばクライオポンプ11の下流にある一連
のバックアップポンプ類の出口(図ではメタルベローズ
ポンプ15の出口)にトリチウムモニタ42を取り付け、排
ガスの含有トリチウム量をチェックし、許容量以下であ
れば大気放出用バルブ45を開く。しかし、許容量を越え
ているなら、大気放出用バルブ45は閉じ、燃料精製系へ
の電磁弁44を開き、燃料精製系に導き処理する。
なお、前述の不純物除去装置31aは再生ガス中に燃料
同位体ガスを含んでいるのでこれは必ず燃料精製系で処
理する。その場合は次のようにする。今、a系統を運転
していて飽和に達したところであるとする。ゲートバル
ブ10aと出口弁32aを閉じ、それまで閉じられていたゲー
トバルブ10bと出口弁32bとを開く。これによって、不純
物除去装置31bが運転に入る。なお、その際再生ライン
のバルブつまりバルブ31b,バルブ36bを閉じておく。系
統が閉じられた不純物除去装置31aは、バルブ35a,バル
ブ36aを開き再生ラインを使って暖機し、トラップされ
ている不純物を脱着させ、燃料精製系を導く。このよう
にして再生された不純物除去装置31aは不純物除去装置3
1bが飽和に達するまで待機させておく。なお、飽和に達
したか否かの判断は予め設計の段階で運転サイクル時間
として設定しておく。
以上のようにすることによって、真空排気系からの排
ガスの大半を占める燃料同位体ガスが直接同位体分離系
に流入されるので、燃料精製系の容量は従来の系統より
一桁小型化できコンパクト化が図れ、コストも小さく、
取扱い上も簡略化される。
第2図(a)及び(b)を参照しながら本発明に係る
クライオポンプの第1の実施例を説明する。
すなわち、第2図(a)は胴本体20の入口21が上端部
に、同図(b)は入口21が下端部にそれぞれ設けられ、
また(a)では凝縮シェブロン25が垂直方向に、(b)
では水平方向に設けられている。
凝縮シェブロン25の下部には(a)及び(b)共にフ
ァネル26が設けられており、ファネル26の下部には胴本
体20の下部から突出した流出管27が接続されている。
この実施例のクライオポンプではヘリウム冷媒は液化
温度の4Kには設定せず、燃料の水素同位体ガスが液化凝
縮する−252℃以下の温度に設定する。燃料ガス成分と
ヘリウム以外の不純物はクライオポンプの上流で除去さ
れており、クライオポンプ内では燃料成分のトリチウム
等水素同位体ガスが、凝縮シェブロン25で液化されファ
ネル26を通って流出管27から同位体分離系へ送られる。
一方、クライオポンプに流入したヘリウム成分は、凝縮
シェブロンを通過し出口から下流のターボ分子ポンプ等
により排気され燃料精製系に送られる。この場合、通常
の複合クライオポンプのように吸着剤パネルは取り付け
られていない。
上記構成の本実施例によれば、凝縮成分のみならず、
入口から供給されるガスの全成分がクライオポンプ内に
溜ることなく連続的に排出されるので、バッチ運転しな
くても連続的にガスを送り出すことができる。また、ト
リチウムインベントリーも増えず、ターボ分子ポンプの
場合と同様に低いインベントリーが期待できる。さら
に、再生工程が不要であるので、熱利用効率上好まし
い。
次に本発明のクライオポンプについて第2の実施例を
第3図により説明する。本実施例では、前述の第1の実
施例と同様に吸着剤パネルは取り付けてないが、凝縮シ
ェブロンのヘリウム冷媒は通常の複合クライオポンプと
同様4Kに設定する。燃料の水素同位体ガスは凝縮シェブ
ロン上に凝固し、トラップされる。凝固した氷は適宜マ
イクロ波あるいはレーザービーム28等で、局所的に加熱
して解かし取る。解け落ちた氷の破片は、ファネル26で
受け、次工程の同位体分離系へ送られる。一方、クライ
オポンプに流入したヘリウム成分が凝縮シェブロン25を
通過し、出口から下流のターボ分子ポンプ等により排気
され燃料精製系に送られる。
以上のように構成することにより、前記第1の実施例
と比較すれば、トリチウムインベントリーは多少増える
が、バッチ式に運転しなくても連続的に処理することが
できる。また、再生工程が不要であるので、熱利用上も
良好である。
次に本発明のクライオポンプについての第3の実施例
を第4図により説明する。本実施例では、第3図に示し
た第2の実施例と同様で、異なる点は凝固した氷の剥が
し方として、氷を機械的に削り取る器具を設けたことに
ある。すなわち、クライオポンプの凝縮シェブロン25内
に氷の削り取り器30を設けている。削り取り器30で剥が
れ落ちた氷の破片の後処理方法等は第2の実施例と同様
に行えばよい。
次に第5図を参照しながら本発明の真空排気系に接続
する燃料精製系を第4の実施例として説明する。
なお、この実施例においては前述した第10図と同一部
分には同一符号を付して重複する部分の説明は省略す
る。
すなわち、この実施例では第10図で説明した従来例か
ら、金属ゲッターb,貯蔵タンクI,移送ポンプc,パラジウ
ム合金膜透過器dを削除したことにあり、他の部分は従
来例とほぼ同様である。この燃料精製系は第1図で説明
した真空排気系のアウトプットのラインと次のように接
続する。すなわち、真空排気系から燃料精製系へ導かれ
るラインは貯蔵タンクIIIへ接続し、同位体分離系へ直
接接続するラインは冷却器を経て真空ポンプeに接続す
る。燃料精製系の固体電解質電解セルaの下流の移送ポ
ンプmの出口は水素同位体の混合ガスであるので同位体
分離系のラインの真空ポンプeに冷却器を経て接続す
る。
しかして、本実施例の燃料精製系によれば、真空排気
系の全アウトプットを負担せずに、大部分は直接同位体
分離系に送り込むので、燃料精製系の容量が小さくて済
み、コンパクト化・コスト低減が図れ、取扱い上も簡略
化される。
なお、本発明の実施態様を要約すれば下記の通りであ
る。
(1) 核融合炉真空排気系用クライオポンプにおい
て、炉心プラズマ排気の際に、機器内のクライオ面で燃
料同位体ガスを凝固させることなく、液化凝縮させるこ
とによりバッチ方式を採らずに連続処理できること。
(2) 前記クライオポンプにおいて、炉心プラズマ排
気の際に、機器内のクライオ面に凝固している燃料同位
体はポンプを運転させた状態で取り除くことによりバッ
チ方式を採らずに連続処理できること。
(3) 前記クライオポンプにおいて、クライオ面にト
ラップされている凝固物を、自動的に削り取る機器を内
蔵させることにより取り除くこと。
(4) 前記クライオポンプにおいて、クライオ面にト
ラップされている凝固物を、マイクロ波あるいはレーザ
ービーム等で局所加熱させて凝縮層を剥がし取るシステ
ムを付加させることにより取り除くこと。
(5) 前記クライオポンプにおいて液化凝縮した燃料
のポンプ外へ連続排出できるシステムを付加すること。
(6) 前記クライオポンプにおいて取り除かれた燃料
凝固物のポンプ外への連続排出をするシステムを付加さ
せること。
(7) 核融合炉真空排気系において、クライオポンプ
または既往の複合クライオポンプ等を設置する際、その
前段に不純物除去装置を置くこと。
(8) 前記真空排気系において、不純物除去をバッチ
式で行うために、不純物除去装置に予備機を置き交代で
運転させること。
(9) 前記真空排気系において、不純物除去装置を再
生する際発生する際再生不純物ガスを、主排気ポンプに
通さず直接燃料精製系へ送り、処理させること。
(10)前記真空排気系を含む処理方式を組み込んで燃料
精製系を構成すること。
(11)前記再生不純物ガスの処理と、複合クライオポン
プを通って出てくる若干の水素同位体ガスを含むヘリウ
ム排ガスとを併せて処理し、また複合クライオポンプで
凝縮した燃料ガスは受け入れず、処理しないこと。
(12)前項において、燃料精製系をバイパスしたクライ
オポンプで凝縮した燃料を直接処理すること。
(13)前項において、クライオポンプで凝縮した燃料ガ
スの他、燃料精製系で処理されて出てくる水素同位体ガ
スを併せて処理すること。
(14)前記燃料精製系及び同位体分離系を含む燃料循環
系を構成すること。
(15)前記真空排気システムにおいて、クライオポンプ
をガス状のまま通過するラインにおいて、出口にトリチ
ウムモニタをつけること。
(16)前項において、出口を2つのラインに分け、一方
を大気放出、一方を燃料精製系へ導き、それぞれバルブ
によって切り替え、その切り替えはトリチウムモニタに
連動させて行うこと。
[発明の効果] 本発明に係る核融合炉の真空排気系によれば、クライ
オポンプの前段に不純物除去装置を設けることによっ
て、クライオポンプ内に高沸点不純物が流入することな
く、クライオポンプの出口で燃料ガス成分とその他の不
純物とを分離できる。
また、プラズマ真空容器からの排ガスの大半を占める
燃料同位体がクライオポンプを通して直接同位体分離系
に流入されるので、燃料精製系の容量を従来例よりも一
桁小型化でき、真空排気系,燃料精製系および燃料循環
系等の各系統間取合いの部分において簡略化,合理化が
図れ、トータルとして経済的でコンパクト化を図ること
ができる。
本発明に係る核融合炉のクライオポンプによれば、胴
体内のクライオ面、つまり凝縮シェブロンで排気対象ガ
スを凝縮させることなく、液化凝縮させるか、またはク
ライオ面に凝固させたとしてもクライオポンプを運転さ
せた状態で凝固物を取り除くことができるため、バッチ
処理でなく連続的に排ガスを処理することができる。
また、液化凝縮物または取り除かれた凝固物をクライ
オポンプ外へ連続排出させるファイルおよび流出管を設
けることによりトリチウムインベントリーが小さく、か
つ再生運転工程が不要となるため、熱効率の面からも大
幅な改善効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る核融合炉の真空排気系の一実施例
を示す系統図、第2図(a)及び(b)は本発明に係る
複合クライオポンプの第1の実施例を示す縦断面図、第
3図(a)及び(b)は同様に第2の実施例を示す縦断
面図、第4図(a)及び(b)は同様に第3の実施例を
示す縦断面図、第5図は本発明の真空排気系に接続する
燃料精製系を示す系統図、第6図から第8図は従来例を
説明するためのもので、第6図は核融合炉の燃料循環系
を示すブロック図、第7図及び第8図はそれぞれ核融合
炉の真空排気系を示す系統図、第9図(a)及び(b)
は第8図の真空排気系における複合クライオポンプを示
す縦断面図、第10図は従来の燃料精製系を示す系統図で
ある。 1……プラズマ真空容器、2……燃料注入系 3……真空排気系、4……燃料精製系 5……同位体分離系、6……燃料貯蔵系 7……中性ビーム注入系、8……トリチウム回収系 9……一次冷却系 10・10a……ゲートバルブ 11・11a……複合クライオポンプ 12・12a……出口バルブ 13……ターボ分子ポンプ 14……スパイラルブースタポンプ 15……メタルベローズポンプ 16……メインバルブ、17……中間バルブ 18……バイパスバルブ、19……バイパスライン 20……胴体、21……入口 22……凝縮シェブロン、23……吸着剤パネル 24……出口、25……凝縮シェブロン 26……ファネル、27……流出管 28……マイクロ波またはレーザービーム 29……マイクロ波またはレーザービーム発振器 30……削り取り器 31a・31b……不純物除去装置 32a・32b……出口弁 33……流出管、34……流入管 35a・35b……バルブ 36a・36b……バルブ 37……連通管、38……移送管 39……バルブ、40……供給管 41……配管、42……トリチウムモニタ 43……トリチウム燃料系配管 44……電磁弁、45……大気放出用バルブ 46……大気放出管

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラズマ真空容器のガス排出側にゲートバ
    ルブを介して不純物除去装置を接続し、この不純物除去
    装置の出口側に出口弁を介してクライオポンプを接続
    し、このクライオポンプで液化した燃料同位体を同位体
    分離系に移送する供給管を設け、前記クライオポンプの
    排ガスラインに真空ポンプラインを設け、この真空ポン
    プラインの排気ラインにトリチウムモニタを設けると共
    にトリチウムモニタの出口側ラインを二方に分岐して一
    方の分岐管にトリチウム燃料系配管を設け、他方の分岐
    管に大気放出用バルブを介して大気放出管を設けてなる
    ことを特徴とする核融合炉の真空排気系。
  2. 【請求項2】プラズマ真空容器から排気される燃料同位
    体ガスを流入出する入口及び出口を有する胴本体内に凝
    縮シェブロンを設け、この凝縮シェブロンで前記燃料同
    位体ガスが液化凝縮された液体を前記胴本体外に流出す
    るためのファネル及び流出管を設けてなることを特徴と
    する核融合炉の真空排気系クライオポンプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102013109778A1 (de) * 2013-09-06 2015-03-12 Karlsruher Institut für Technologie Verfahren und Vorrichtung zur kontinuierlichen Wiederaufbereitung von Abgas eines Fusionsreaktors

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102013109778A1 (de) * 2013-09-06 2015-03-12 Karlsruher Institut für Technologie Verfahren und Vorrichtung zur kontinuierlichen Wiederaufbereitung von Abgas eines Fusionsreaktors

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