JP2856735B2 - 無機担体表面の修飾作用を有するシラン化合物とその製造法 - Google Patents

無機担体表面の修飾作用を有するシラン化合物とその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、クロマトグラフィー分離技術に関し、よ
り詳細にはキラルな物質の混合物から光学異性体の分
離、精製および分析を行うクロマトグラフィー用固定相
の無機担体表面を化学修飾することのできる新規化合物
およびその製造法に関する。 〔従来の技術〕 クロマトグラフィー用固定相(分離剤ともいう)は、
使用時の固定相の流失による性能劣化を防止するため
に、通常、担体表面に化学結合された化学結合型であ
り、カラムに用いられる場合、固定相は充填剤として用
いられている。 ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィーな
どのクロマトグラフ法において、アミノ酸誘導体、ヒド
ロキシ酸などの光学異性体の等量混合物(ラセミ体)
を、各々の光学異性体に光学分割するために、光学活性
な固定相(光学分離用分離剤)が従来から研究され実用
化されている(例えば、原、土橋共著「化学の領域」南
江堂、東京、1981増刊132号171頁、および土橋、原共著
「ぶんせき」9巻、633頁1981)。 従来の光学活性な化学結合型固定相の多くは、分離対
象についての選択性を持ち、従って、各固定相で分離で
きる光学活性物質の種類は非常に限定されている。これ
に対して、下記構造式で表されるキラルなカルバモイル
ヒドロキシカルボン酸アミド残基を、直接にまたは短い
炭素鎖などのスペーサーを介して無機担体の表皮部に有
する固定相が開発されている(特開昭61−187655号)。 (式中、R1,R2およびR3は水素原子、アルキル基、また
はアリール基を意味し、nは1〜6の整数である) この不斉識別性のある官能基が無機担体表面にグラフ
トされた固定相は、分離・分析可能な光学活性物質に関
する広い適用範囲を有する 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、キラルなカルバモイルヒドロキシカル
ボン酸アミド残基、すなわち、不斉識別性光学活性部位
を無機担体表面に単に設けた固定相では、観測される不
斉選択性が必ずしも良好ではなかった。 この発明は上述の背景に基づきなされたものであり、
その目的とするところは、広範な光学活性物質を分離分
析することができると共に不斉識別性、不斉選択性に優
れたクロマトグラフィー用固定相を調製することのでき
る新規物質、およびその製造法並びにその使用を提供す
ることである。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者らはキラルなカルバモイルヒドロキシカルボ
ン酸アミド残基、すなわち、不斉識別性光学活性を有す
る官能基と無機担体表面から特定の距離だけ離すことに
より、不斉識別の性能が飛躍的に向上することを見出し
この発明を完成するに至った。 不斉識別性を有するシラン化合物(I) 無機担体表面を修飾して広範な光学活性物質を分離分
析することができると共に不斉識別性、不斉選択性に優
れたクロマトグラフィー用固定相を調製することのでき
るこの発明による新規なシラン化合物は、下記構造式
(I)で表されるものである。 (式中、R1は水素、アルキル、アリール、R′とR″は
アルキル、Aはヒドロキシ基、アルコキシ基、ハロゲン
原子) この発明の好ましい態様として、上記式(I)におけ
るR1、R2およびR3を水素原子、炭素数1〜6個の直鎖若
しくは分枝のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ま
たはアンスリル基などアリール基とすることができる。
この適当な嵩高な置換基によってこの発明から得られた
固定相に有利な立体効果が期待される。 更に、この発明の態様として、上記式(I)のnを、
2、4または6の偶数とすることが好ましい。この態様
により式(I)のカルバモイルヒドロキシカルボン酸ア
ミド残基が軸対称性を有するようになり、この発明から
得られた固定相に良好な不斉識別力を付与する。 この発明のシラン化合物(I)におけるAに連なる炭
素鎖はウンデカメチレン基−(CH211−であるが、こ
の発明においてこの炭素鎖は、1.33〜2.53nmの鎖長を、
好ましくは1.33〜1.90nmの鎖長を、より好ましくは1.33
〜1.80nmの鎖長を有する。これは、炭素鎖の鎖長が上記
の下限未満では、観測される不斉選択性が著しく低下
し、上記の上限と超えると、隣接する他の炭素鎖と絡ま
ったり光学活性部位が有効に固定相表面に露出しなくな
るからである。 この明細書で用いる「炭素鎖の鎖長」は、Aと直接結
合する窒素原子と、A末端のケイ素原子との間隔を理論
上最大限に伸ばしたときの炭素鎖の距離を示す。その計
算法は、結晶性ポリエチレンのメチレン基(CH2)2個
の実測距離を0.253nmとして評価し、例えば、Aの炭素
鎖がウンデカメチレン(CH211である場合、その鎖長
は0.253×11/2=1.39nmと計算される。 この発明において、式(I)の化合物におけるAのケ
イ素原子と結合したグラフト可能な官能基として、ヒド
ロキシ基、炭素数1〜4のアルコキシ基またはハロゲン
原子がある。 この発明のシラン化合物(I)のケイ素原子に結合す
る置換基には、グラフト可能な官能基以外にアルキル
基、水素原子などがあり、好ましい態様において、少な
くとも1のアルキル基、より好ましくは2のアルキル基
を有する。 この発明によるシラン化合物(I)のカルバモイルヒ
ドロキシカルボン酸アミド残基は、少なくとも1個の不
斉炭素を含み、キラリティーを有する。 製造法 キラルなカルバモイルヒドロキシカルボン酸アミド残
基を有するこの発明のシラン化合物(I)を製造する方
法を説明する。 (A) シラ化合物(I)を製造する第1の方法は、カ
ルバモイルヒドロキシカルボン酸アミド残基を有する化
合物(II)に、無機担体表面にグラフト可能な第1官能
基および該化合物(II)のB端末と反応可能な第2官能
基を有するケイ素含有試薬を反応させることを含むこと
を特徴とするものである。 (式中R1は水素原子、アルキル基、アリール基を意味
し、R2とR3は水素原子、nは2を示しBはウンデカメチ
レン基からなる炭素鎖末端に該ケイ素含有試薬と結合可
能な官能性を有するものである) ここでBの炭素鎖は、ケイ素含有試薬と結合後にAの
炭素鎖に対応するものである。従って、上記したAの炭
素鎖の説明はこの炭素鎖に準用される。 Bにおけるケイ素含有試薬と結合可能な官能性は、ケ
イ素含有試薬の種類に応じて種々のものがあり、例え
ば、その官能性を有する基として、ビニル基、ハロゲン
基、水酸基などがある。 これがビニル基であるときの(II)の例とその製造例
を以下に示す。 この反応式中、Zは水素原子、またはアセチルなどの
保護基を意味し、保護基の場合必要により脱保護され
る。またR4は−(CH2−基を示す。 この製造法(A)で用いられるケイ素含有試薬は、化
合物(II)のB末端と反応可能な第2官能基と無機担体
表面にグラフト可能な第1官能基を有する。この第1官
能基は、前述した通りであり、その説明をここに準用す
る。この第2官能基として、例えば水素原子、ハロゲン
原子、水酸基などがある。下記にケイ素含有試薬の構造
式の例を示す。 式中、R5、R6およびR7はヒドロキシ基、アルコキシ
基、アルキル基またはハロゲン基であり、第2官能基が
水素の場合を示す。この例による製造法(A)を以下の
反応式で示す。 (B)シラン化合物(I)の第2の製造法を次いで説
明する。尚この第2の製造法は本発明を構成するもので
はなく、参考のためにあげておくこととする。 この方法では、下記構造式(III)で表されるアミド
に、下記構造式(IV)で表されるケイ素含有アミドを縮
合させ、必要に応じて縮合の前若しくは後に該アミド
(III)の水酸基を保護若しくは脱保護することからな
る、無機担体表面の修飾作用を有するシラン化合物
(I)を製造するものである。 (式中R1は水素原子、アルキル基またはアリール基を意
味し、R2は水素原子、nは2であり、Zは水素または保
護基を意味し、Xは水酸基、ハロゲン基、またはカルボ
ニル基を活性化する基を意味する) (式中R′とR″はアルキル基を示し、Aはヒドロキシ
基、アルコキシ基、ハロゲン原子を示す) この製造法における説明は、前記の方法および前項の
記述を準用する。 無機担体の修飾法 次いで無機担体の修飾法を、すなわち、クロマトグラ
フィー用固定相の製造法を説明する。 この固定相の製造法では、この発明によるシラン化合
物(I)のグラフト可能な官能基を、下記式(V)で模
式的に表わされる無機担体表面のヒドロキシ基と縮合さ
せ、必要に応じて縮合前に該シラン化合物(I)のヒド
ロキシ基を保護しかつ縮合後に脱保護することからなる
ものである。 HO−Car …(V) (式中、Carは無機担体を表す) この発明によるキラルなカルバモイルヒドロキシカル
ボン酸アミド残基を有するシラン化合物(I)は、無機
担体にグラフトされる。この発明において用いられる無
機担体は、クロマトグラフィーの種類、分析対象などに
応じて決めることができ、例えば、シリカ、シリカゲ
ル、ゼオライト、イソライト、アルミナ、多孔性ガラス
などがある。この発明によるキラルなカルバモイルヒド
ロキシカルボン酸アミド残基を有するシラン化合物
(I)は、表面にヒドロキシ基を有する無機担体に化学
的に結合せしてグラフトされる。 この固定相の製造法の反応式例を、下記構造式で表さ
れるシラン化合物(I)の場合について示す。 (式中R4は(I)式のAの炭素鎖に相当し、R5、R6およ
びR7は前記と同じ意味を有する) (但し、R6がグラフト可能な官能基であった場合とす
る) 無機担体に化学的に結合させてグラフトする成分とし
て、この発明によるキラルなカルバモイルヒドロキシカ
ルボン酸アミド残基を有するシラン化合物(I)以外
に、別のグラフト可能成分を併用できる。その様な化合
物として、特に、無機担体の表面のヒドロキシ基が非不
斉選択的相互作用に関与してキラルなカルバモイルヒド
ロキシカルボン酸アミド残基による不斉選択的相互作用
を防げ、観測される不斉選択を著しく減少させる場合、
より反応性の高いトリメチルシリル基を有するシラン化
剤があり、このシラン化剤を用いてグラフトさせ、無機
担体の表面のヒドロキシ基の影響を無くすることができ
る。 この発明により得られた固定相(光学分割用分離剤)
が利用されるクロマトグラフィーには、液体クロマトグ
ラフィー、薄層クロマトグラフィー、ペーパークロマト
グラフィーおよびカラムクロマトグラフィーなどがあ
り、種々のクロマトグラフィーに応用できる。 〔作 用〕 この発明により得られた光学活性な固定相(光学分割
用分離剤)によるラセミ体などの光学異性体混合物の光
学分割のメカニズムは、必ずしも理論的に明らかではな
いが、次のように作用すると考えられる。 この発明のシラン化合物(I)が無機担体表面にグラ
フトされて得られた固定相は、その外面にキラルなカル
バモイルヒドロキシカルボン酸アミド残基を有するため
に、その不斉炭素上にヒドロキシ基およびアミド基があ
り、これらの官能基が分離対象(例えば、d体とl体と
の等量混合物)との相互作用を及ぼして対掌体とジアス
テレオマー錯体を形成し、この相互作用の差異によって
広い範囲の化合物に対して不斉認識能を発現する。 しかしながら、無機担体を化学修飾して得られる光学
活性固定相上での溶質対掌体の保持、すなわち不斉選択
能力には、光学活性部位との不斉選択的相互作用と、無
機担体表面のヒドロキシ基との非不斉選択的相互作用と
が関与している。この無機担体表面のヒドロキシ基との
非不斉選択的相互作用は、観測される不斉選択を著しく
減少させると考えられる。 この発明において、光学活性部位の残基は、無機担体
表面から一定間隔を置いて連結されるように、スペーサ
ーを介して無機担体に結合される。このようにキラルな
カルバモイルヒドロキシカルボン酸アミド残基が、無機
担体表面のヒドロキシ基から離されることによりヒドロ
キシ基との非不斉選択的相互作用による溶質保持への影
響を最小とすることができ、この光学活性部位による本
来の不斉識別力を発揮させることができるものと考えら
れる。 〔発明の効果〕 この発明により次の効果を得ることができる。 (a)この発明から得られた固定相は、従来の固定相に
比べて広い適用範囲を持ち、クロマトグラフィーにおい
てジオール、α−またはβ−ヒドロキシ酸、α−アミノ
酸エステル、アミド誘導体、β−ヒドロキシケトンなど
の光学分割を行うことができる。 (b)この発明において、不斉識別性のある官能基と無
機担体との間を一定間隔以上に設定されているので、不
斉識別能力が著しく向上させることができる。 〔実施例〕 実施例および比較例をもってこの発明を詳説するが、
これらの例はこの発明を理解するためでありこの発明が
この例に限定されるものではない。 例1出発原料の調製 (R,R)−酒石酸無水物ジアセテート(参照、オーガ
ニック・シンセシス、改訂4巻第242頁(1963))5.82g
(26.9ミリモル)を塩化メチレン30mlに溶解し、この溶
解物に0℃でイソプロピルアミン3.5g(58.4ml)を滴下
した。20分間反応させた後、減圧下で溶媒を留去し、こ
の残留物に酢酸エチル400mlと食塩で飽和させた5規定
の塩酸を50ml加えて抽出し、酢酸エチル層を飽和食塩水
で洗浄した。洗浄後、酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、さらに減圧濃縮した。 この濃縮物をイソプロピルアルコール/n−ヘキサンか
ら再結晶化してモノアミド(ロ)の無色結晶6.49g(88
%)を得た。得られたモノアミドの物性値は次の通りで
ある。 融点:176.5〜177℃ IR(KBr):3330,2970,1750,1635,1555cm−1 NMR(CDCl3−DMSO−d6(20:1v/v)):δ1.13(d,3H,J
=6.6Hz)、1.15(d,3H,J=6.0Hz)、2.11(s,3H)、3.
85〜4.24(m,1H)、5.59〜5.68(m,2H)、6.67(brd.1
H,J=7.5Hz、exchangeable with D2O)、10.12(brd,
1H,exchangeable with D2O) MS(chemical ionization) 計算値:275、観測値276(MH+) 比旋光度〔α〕D28=21.9(cl.26,エタノール) 例2中間体の製造 例1で得られたモノアミド(ロ)1.12g(4.05ミリモ
ル)とピリジン322mg(4.07ミリモル)を50mlのアセト
ニトリルに溶解し、シュウ酸ジN−コハク酸イミド1.15
g(4.05ミリモル)を加えて室温で12時間撹拌した後、
0℃に冷却し、10−ウンデセニルアミン678mg(4.01ミ
リモル)とトリエチルアミン406mg(4.01ミリモル)を1
5mlのアセトニトリルに溶解して加えた。1時間半この
温度で撹拌した後、700mlの酢酸エチルと100mlの水を加
え抽出した。有機層を水、1.5規定の塩酸、飽和重曹
水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾
燥させ、さらに減圧下溶媒を留去した。残留物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、白色固体のジ
アミド(ハ)1.14g(66%)を得た。得られたジアミド
の物性値は次の通りであった。 融点:148〜149℃ IR(KBr):3280,2980,2930,2860,1755,1650,1545cm−1 NMR(CDCl3):δ1.13(d,3H,J=6.0Hz)、1.27(bro,1
4H)、1.92〜2.17(m,2H)、2.14(s,6H)、3.12〜3.33
(m,2H)、3.83〜4.22(m,1H)、4.83〜5.08(m,2H)、
5.55〜6.03(m,3H)、6.33〜6.73(brm.2H,exchangeabl
e with D2O) MS(chemical ionization) 計算値:426、観測値426(M+) 比旋光度〔α〕D27=13.43c2.43,エタノール) 例3シラン化合物(I)の合成 例2で得られたオレフィン性ジアミド(ハ)877mg
(2.06ミリモル)を8mlのクロロフォルムに溶解し、こ
れに塩化白金酸のイソプロピルアルコール溶液(0.13モ
ル/リットル)0.1mlを加え室温で4分間撹拌した後、
ジメチルクロロシラン3mlを加え、30分間加熱還流し
た。その後、溶媒と過剰のジメチルクロロシランを減圧
留去してガム状のシラン化合物(ニ)を得た。 例4 無機担体への修飾(固定相の調製) 例3で得られたシラン化合物を続いて、乾燥させた多
孔性シリカゲル(nucleosil 100〜5.5μm、100オング
ストローム)2.0をベンゼン12mlに懸濁させたものにピ
リジン6mlと共に加え24時間室温でゆっくりと撹拌し
た。その後、シリカゲルをろ過して集め、クロロフォル
ム、アセトンで洗浄した。得られた修飾シリカゲルのIR
値、元素分析値は次の通りである。 IR(KBr):2930,2850,1760、1655,1550cm−1 元素分析値:C:12.33、N:1.19% 上記の修飾シリカゲル540mgを続いて、18mlのクロロ
フォルムに懸濁させ、2mlのトリメチルシリルイミダゾ
ールを加えて12時間加熱還流した後、シリカゲルをろ過
して集め、クロロフォルム、アセトンで洗浄した。得ら
れた修飾シリカゲルの元素分析値は次の通りである。 元素分析値:C:14.24、N:1.19% 上記の修飾シリカゲル520mgを更に、51のメタノール
に懸濁させて0℃に維持し、これに0.6規定のアンモニ
ア水10mlを加えて5時間ゆっくりと撹拌した。撹拌後、
シリカゲルをろ過して集め、メタノール、アセトンで洗
浄した。得られた修飾シリカゲル(固定相)のIR値は次
の通りである。 IR(KBr):2920,2850,1650,1540cm−1 例5 光学分割への応用 例4で得られた修飾シリカゲル(固定相)を、50×0.
1cm(i.d.)のステンレス製カラムに充填し、下記第1
〜6表に示す各種の対掌体について毎分60μ(20℃)
の流速でクロマトグラフを得た。その結果を下記の下記
第1〜6表に示す。 比較例 この発明と同じキラルなカルバモイルヒドロキシカル
ボン酸アミド残基を有するシラン化合物であるが、この
発明の化合物(I)のAの炭素鎖に相当する炭素鎖が約
0.38nmの鎖長を有する下記構造式の従来の固定相を前記
の実施例と同様に調製した。 (式中、R1およびR3は水素原子、R2はイソプロピル基で
あり、Silは無機担体のシリカゲルをを示す) この従来の固定相とこの実施例による固定相を用い
て、N−tert−ブチル−β−ヒドロキシカルボアミド化
合物について光学分割して比較した。その結果を第7表
に示す。 この表から理解されるように、実施例による固定相の
分離係数αは、いずれも比較例による固定相の分離係数
αと比較して大きく、分離度が著しく向上し、保持時間
が大幅に短縮されてクロマトグラフィーによる分析上著
しく改善された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−187655(JP,A) J.Chromatography, 322(1985)p.287−293 J.Chromatography, 364(1985)p.377−388 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07F 7/12 G01N 30/48

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.下記構造式(I)で表される、キラルなカルバモイ
    ルヒドロキシカルボン酸アミド残基を有するシラン化合
    物。 (式中、R1は水素、アルキル、アリール、R′とR″は
    アルキル、Aはヒドロキシ基、アルコキシ基、ハロゲン
    原子) 2.下記構造式(II)で表されるカルバモイルヒドロキ
    シカルボン酸アミド残基を有する化合物に、無機担体表
    面のヒドロキシ基にグラフト可能な第1官能基および該
    化合物(II)のB末端と反応可能な第2官能基を有する
    ケイ素含有試薬を反応させて、下記構造式(I)で表さ
    れるキラルなカルバモイルヒドロキシカルボン酸アミド
    残基を有するシラン化合物を製造する方法。(式中、R1は水素、アルキル、アリール、R′とR″は
    アルキル、Aはヒドロキシ基、アルコキシ基、ハロゲン
    原子) (式中、R1は上記と同じ意味を有し、Bはウンデカメチ
    レン基からなる炭素鎖末端に該ケイ素含有試薬と結合可
    能な官能基を有するものである) 3.ケイ素含有試薬が下記構造式を有する特許請求の範
    囲第2項記載の製造法。 (式中、R5、R6およびR7はヒドロキシ基、アルコキシ
    基、アルキル基またはハロゲン基である)
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J.Chromatography,322(1985)p.287−293
J.Chromatography,364(1985)p.377−388

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