JP2856333B2 - 電気透析装置およびそれを用いた電気透析方法 - Google Patents

電気透析装置およびそれを用いた電気透析方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は電気透析装置に係り、特に塩素ガスや水素ガ
ス等の有害ガスの発生の無いレドックス・フロー型電気
透析装置およびそれを用いた電気透析方法に関する。
〔従来の技術〕
従来の電気透析装置は、例えば第6図に示されるよう
に、透析槽1の部分、陽、陰(電)極5、6、酸供給タ
ンク19、および直流電源15により主に構成されている。
透析槽1内には多数の透析室ブロック2が設けられてお
り、陰イオン交換膜Aと陽イオン交換膜Kが交互に配置
されている。
この電気透析槽に、原水7が供給されると、透析槽1
内の透析室ブロック2内では、濃縮水9と脱塩水8を交
互に生成され、陽極液16からは塩素ガス、陰極液17から
は水素ガスが下記の反応式(1)および(2)により発
生する(特開平2−2830)。
陽極:2Cl-→Cl2+2e- (1) 陰極:2H++2e-→H2 (2) そして、従来の電気透析装置においては、有毒な塩素
ガスおよび可燃性の高い水素ガスの発生に対する配慮は
全くなされていなかった。
このため、本発明者らは先に、有毒で危険性の高い塩
素ガスおよび水素ガスの発生を抑えるレドックス・フロ
ー型の電気透析装置を提案した(特開平1−256815
号)。この電気透析装置の構成は、第5図に示すごと
く、透析槽1の基本的構造、陽、陰(電)極5、6、直
流電源15などの配置は従来の装置と同様であるが、従来
の装置の酸供給タンク19の代わりに、陽極室3から陰極
室4に極液を循環させる手段として、極液循環タンク10
と極液循環ポンプ11を設け、酸化還元反応が可逆的に行
われる性質を持つ特定の極液を陽極室3および陰極室4
に循環させて、上記塩素ガスや水素ガスなどの有害ガス
の発生を抑制する構造のものである。例えば、鉄系の溶
液である塩化第一鉄(FeCl2)と塩化第二鉄(FeCl3)の
混合溶液を、極液循環タンク10内に注入し循環させる
と、陽、陰極5、6では、次の反応が起きる。
陽極:FeCl2+Cl-→FeCl3+e- (3) 陰極:FeCl3+e-→FeCl2+Cl- (4) すなわち、陽極室3内では、Fe2+の酸化反応が生じ、
FeCl3が増加しFeCl2が減少する一方、陰極室4内では、
Fe2+の還元反応が生じ、 FeCl2が増加しFeCl3が減少する。したがって、FeCl2
とFeCl3の生産量には変化が生じないので、陽、陰極
5、6からのガスの発生は起こらない。
なお、陽極反応では、上記(3)式に示されるように
Cl-が必要であるが、このCl-は、陽極室3に接した透析
室ブロック2より陰イオン交換膜Aを介して得られるも
のである。また、陰極反応では、上記(4)式に示され
るように、Cl-を除去する必要があるが、このCl-は、陰
極室4に接した陰イオン交換膜Aを介して除去される。
しかしながら、上記のレドックス・フロー型電気透析
装置において、装置の運転中に、循環する極液の組成が
変化した場合には、陽極からは塩素ガスが、陰極からは
水素ガスが発生するという問題があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述したごとく、従来の電気透析装置は、陽極からは
有害な塩素ガス、陰極からは危険な可燃性の水素ガスが
発生するという問題があった。また、本発明者らの先願
であるレドックス・フロー型電気透析装置においては、
酸化還元反応が可逆的に行われる極液を用いることによ
り、上記有害ガスの発生を抑制することができるが、極
液の組成が変化した場合には、陽極から塩素ガス、陰極
からは水素ガスがしばしば発生するという問題があっ
た。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消するも
のであって、塩素ガスおよび水素ガスを両極から発生さ
せないようにしたレドックス・フロー型電気透析装置お
よびそれを用いて電気透析方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記本発明の目的は、基本的には、電気透析槽の陽極
からの塩素ガスなどの発生に対しては、陽極と陽極液な
どとの間の電位差をモニタリングし、この電位差が規定
値以下に保たれるように運転すると共に、上記電位差が
規定値を超えた場合には、極液組成の調整を行うか、ま
たは新しい極液に交換することにより達成される。
また、陰極からの水素ガスなどの発生に対しても上記
と同様に、陰極と陰極液などとの間の電位差をモニタリ
ングし、この電位差が規定値以下に保たれるように運転
すると共に、上記電位差が規定値を超えた場合には、上
記と同様に極液組成の調整を行うか、または新しい極液
に交換することにより達成される。
本発明は、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜を交互に
配置して構成した複数の透析室ブロックを連接させて設
け、上記透析室ブロックの両端部の一方に陽極室、他方
に陰極室を構成した電気透析槽を有し、該電気透析槽に
直流電流を印加して脱塩水と濃縮水とに分離する電気透
析装置において、上記陽極室と陰極室に酸化還元反応が
可逆的に行われる極液を直列もしくは並列に循環させる
流路と、該極液の循環流路に極液の補給もしくは交換を
行う極液補給タンクを設け、かつ上記電気透析槽の陽極
と陽極液、陽極と透析槽、陽極と陰極との間の電位差、
および陰極と陰極液、陰極と透析槽、陰極と陽極との間
の電位差のうちの少なくとも1箇所の電位差を検出する
電位差計を配置し、上記電位差が、上記電気透析槽の陽
極もしくは陰極からガスの発生が生じない許容電位差以
内となるように、上記循環する極液の組成を調整制御す
る手段を備えた電気透析装置。
また、本発明の電気透析装置において、電気透析槽の
陽極および陰極もしくはそのいずれか一方の電極の極液
側の電極上に、極液が流通可能な形状とした繊維状の電
極、例えばカーボン束糸などにより構成したカーボン電
極を配置して、上記極液が繊維状電極の内部を通過する
構造となし、電極と極液との接触面積を増大させて電気
透析の効率を一段と向上させることができる。
さらに、本発明の電気透析装置を用いて電気透析を行
う方法において、酸化還元反応が可逆的に行われる極液
は、主成分として、鉄系(Fe2+/F3+)、チタン系(Ti
3+/Ti4+)、スズ系(Sn2+/Sn4+)、臭素系(Br-/Br2
0)、クロム系(Cr3+/Cr6+)、モリブデン系(Mo2+/M
o3+)、バナジウム系(V3+/V4+またはV4+/V5+)、銅
系(Cu+/Cu2+)の化合物のうちより選択される少なく
とも1種の化合物を含む溶液を用いることが好ましい。
そして、上記極液のpHを酸性保持し電気透析を行うこと
がより望ましい。
そして、上述した極液を用い、電気透析槽の陽極と陽
極液、陽極と透析槽、陽極と陰極との間の電位差、およ
び陰極と陰極液、陰極と透析槽、陰極と陽極との間の電
位差のうちの少なくとも1箇所の電位差をモニタリング
し、上記陽極および陰極から有害ガスが発生しない許容
電位差以内に、上記極液の組成を調整して透析を行う電
気透析方法である。
〔作用〕
電気化学的に見ると、陽極反応において極液組成が変
化すると、陽極と陽極液との間の電位差が大きくなり、
主反応以外に種々の反応が生じる。また同様に、陰極反
応において、極液組成が変化すると、陰極と陰極液との
間の電位差が大きくなり、主反応以外に種々の反応が生
じる。したがって、極液組成が変化していない正常な運
転の状態においては、陽極と陽極液との間の電位差が規
定値以下になるように設定し、また極液組成が変化した
異常な状態になっても、直ちに極液組成を調整したり、
また極液を交換したりして、電極と極液との間の電位差
が規定値以下になるように運転すると、陽極の反応は主
反応のみの反応となり、陽極から塩素ガス等のガスの発
生がなく電気透析を行うことができる。
同様に、陰極においても、上記と同様の制御操作を行
えば、陰極から水素ガス等のガスの発生を抑制しながら
電気透析を行うことができる。
〔実施例〕
以下に本発明の一実施例を挙げ、図面を引用しながら
さらに詳細に説明する。
(実施例 1) 第1図に、本実施例において用いた電気透析装置の構
成を示す。本実施例における電気透析装置は、主に透析
槽1、陽(電)極5、陰(電)極6、直流電源15、極液
循環タンク10、陽、陰(電)極5、6と陽極室液23、陰
極液24との間の電位差を測定する電位差計20、21により
構成される。透析槽1の部分は、複数の透析室ブロック
2からなり、陽イオン交換膜Kと陰イオン交換膜Aが交
互に複数設置されている。極液流路12、13、14は、陽極
室3から陰極室4を経て極液循環タンク10間を循環する
閉ループを構成している。ここで使用される極液として
は、鉄系(Fe2+/F3+)、チタン系(Ti3+/Ti4+)、ス
ズ系(Sn2+/Sn4+)、臭素系(Br-/Br2 0)、クロム系
(Cr3+/Cr6+)、モリブデン系(Mo2+/Mo3+)、バナジ
ウム系(V3+/V4+またはV4+/V5+)、銅系(Cu+/C
u2+)など酸化還元反応が可逆的に行われる化合物を主
成分とした溶液が用いられる。そして、極液供給タンク
31は、未使用の新しい極液が充填されており、必要に応
じて、流量調節バルブ28、29、30を開閉操作し、新しい
極液の補給あるいは交換を行う、例えば、流量調節バル
ブ28、29を開き、流量調節バルブ30を閉じると、連続透
析運転を行いつつ新しい極液に入れ換えることができ
る。
原水7は、透析室ブロック2内の陽イオン交換膜K
と、陰イオン交換膜Aの間に供給され、この時、陽、陰
(電)極5、6の間に電圧を印加すると、脱塩水8と濃
縮水9が交互に生成される。透析室ブロック2内で生成
した脱塩水8および濃縮水9はまとめられ、生成脱塩水
8および生成濃縮水9として透析槽1の系外へ移送され
る。
電位差系20は、陽(電)極5と陽極室3内を流れてい
る陽極液23との間にかかる電位差をモニタリングし、電
位差系21は、陰(電)極6と陰極室4内を流れている陰
極液24との間にかかる電位差をモニタリングするために
設けられている。
例えば、鉄系溶液の塩化第一鉄(FeCl2)と塩化第二
鉄(FeCl3)の混合溶液と、小量のHClを極液循環タンク
10内に注入すると、陽、陰(電)極5、6では、次に示
す反応が起きる。
陽極:FeCl2+Cl-→FeCl3+e- (3) 陰極:FeCl3+e-→FeCl2+Cl- (4) 上記(3)式および(4)式の反応が円滑に進行する
場合には陽極5、陰極6からのガスの発生はないが、極
液の性状(組成)が変化すると、陽、陰(電)極5、6
と陽、陰極室3、4内を流れている陽極液23、陰極液24
との間の電位差が大きくなり、次のような副反応が生じ
る。
陽極:2Cl-→2Cl2+2e- (5) 陰極:2H++2e-→H2 (6) この現象は、電気化学的に次のように説明される。す
なわち、上記(3)式、(4)式の反応の標準水素電極
電位E0(25℃)はE0=0.771、上記(6)式の反応の標
準水素電極電位E0′はE0′=0.000、上記(5)式の反
応の標準水素電極電位E0″はE0″=1.358である。した
がって、極液中のFeCl2とFeCl3の濃度が1モルの標準状
態において、陽極5と陽極液23との間の電位差が0.587V
(E0″−E0=1.358−0.771)より大きくなると、陽極5
からは上記(5)式に示すごとく塩素ガスが発生する。
また、陰極液24と陰極6の電位差が0.771V(E0−E0′=
0.771−0)より大きくなると、陰極6からは上記
(6)式に示したごとく水素ガスが発生される。
なお、この陽極5と陽極液23の電位差0.587Vおよび陰
極液24と陰極6の電位差0.771Vは、液性状(組成)、電
極材料等によって変化するため、本実施例における電気
透析装置を運転するに当っては、使用する電気透析装置
の固有の値として、あらかじめ塩素ガスを発生する電位
差および水素ガスを発生する電位差を求めておく必要が
ある。
電気透析装置の陽極室3に設けられている電位差計20
は、塩素ガスを発生しない許容電位差内で運転されてい
るかモニタリングし、陰極室4に設けられている電位差
計21は、水素ガスを発生しない許容電位差内で運転され
ているかを常にモニタリングする。そして、善意差計2
0、21の電位差測定値が、それぞれ許容電位差を超える
ならば、直ちに極液を補給して組成を調整したり、また
は、極液補給タンク31に充填されている新しい極液に交
換したりして、ガスの発生のない正常な運転ができるよ
うに調整制御される。
本発明の実施例によると、電気化学的に陽極から塩素
ガス、陰極からは水素ガスが発生しない条件の許容電位
差以内で透析運転ができるため、有害で危険な水素ガス
や塩素ガスの発生がなく、安全で信頼性の高い電気透析
装置を構成することができる。これにより、水素ガスの
発生による爆発の危険性の問題や、塩素ガスの発生によ
る人体などに対する公害の問題および金属や建築物など
の腐食の問題などが効果的に解決される。
(実施例 2) 本実施例においては、上記実施例1の陽極5と陽極液
23間の電位差をモニタリングする代わりに、陽極5と透
析槽1の任意の場所または、陽極5と陰極6との電位差
をモニタリングし、電気透析を行う方法について説明す
る。本実施例における効果は、電位差の測定値に多少の
誤差が生じ易いが、上記第1図に示した実施例1に見ら
れる陽極液23中の電位差測定の困難性が解決されるとい
う効果がある。本実施例における電気透析装置の陽極室
3内には、電極面積を増大させるための繊維状電極(炭
素電極)22が充填され、この電極内を極液が流れる構造
としている。このため、第1図に示すような陽極5と陽
極液23との電位差の測定は困難となる。したがって、陽
極流路12、13、14を循環する極液の陽極室3の入口部ま
たは、出口部で測定せざるを得ず、この場合には、大き
な測定誤差が生じ易い。これは、極液流路12、13、14の
極液にも電位差が生じていることにある。本実施例の効
果は、陽極5と透析槽1の任意の場所または、陽極5と
陰極6の電位差の測定が極めて簡単なところにある。な
お、電位差測定において、透析槽1における電位差(電
圧降下)が含まれるが、この電位差(電圧降下)は比較
的安定であるため、容易に陽極5と陽極液23との間の正
確な電位差を算出することができる。ここで、透析槽1
の任意の場所の電位差は、例えば白金線をその場所に挿
入して測定する。
同様に、陰極液24と陰極6との電位差のモニタリング
も、上述した陽極5と陽極液23との電位差のモニタリン
グと同じ方法で求められる。
(実施例 3) 本実施例の電気透析装置の電極構造を第2図に示す。
図において、陽極室3と陽(電)極5または、陰極室4
と陰(電)極6を組み合わせた断面構造を示すものであ
る。
本発明実施例においては、陽、陰極室3、4内に、繊
維状電極(炭素電極)22を数枚重ねて、陽、陰(電)極
5、6上に設置して、炭素状電極22の中に極液流路12、
13、14を循環する極液を流すように構成したものであ
る。本実施例の効果は、上記実施例1と同様に、陽、陰
(電)極5、6と陽極液23、陰極液24との間の電位差を
モニタリングすれば、陽、陰(電)極5、6からの塩素
ガス、水素ガスの発生を抑制することができる。
さらに、繊維状電極(炭素電極)22を使用することに
より、炭素電極のもっている高い比表面積のため、陽、
陰(電)極5、6の表面積の数倍の表面積が、上記陽、
陰(電)極5、6と繊維状電極(炭素電極)22を組み合
せることにより容易に得られ電気透析の効率を一段と向
上させることができる。なお、繊維状電極(炭素電極)
22の全体構造を第3図に示す。なお、第4図は第3図の
A−A断面図である。
〔発明の効果〕
以上詳細に説明したごとく、本発明の電気透析装置に
よれば、陽極と陽極液などとの間の電位差あるいは陰極
と陰極液などとの間の電位差をモニタリングすることに
より、酸化還元反応が可逆的に行われる極液の陽極およ
び陰極から有害ガスの発生が生じない許容電位差以内と
なるように、上記極液の組成を調整し制御することがで
きるので、水素ガス等の発生による爆発の危険性の問題
や塩素ガス等の発生による人体に対する公害の問題を効
果的に解消することができ、安全で信頼性の高い電気透
析を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例1において例示した電気透析装
置の構成を示す模式図、第2図は本発明の実施例3にお
いて例示した電極の構成を示す模式図、第3図は第2図
の電極を構成する繊維状電極の構成を示す模式図、第4
図は第3図のA−A断面図、第5図は本出願人による先
願の電気透析装置の構成を示す模式図、第6図は従来の
電気透析装置の構成の一例を示す模式図である。 1…透析槽、2…透析室ブロック 3…陽極室、4…陰極室 5…陽(電)極、6…陰(電)極 7…原水、8…脱塩水 9…濃縮水、10…極液循環タンク 11…極液循環ポンプ 12、13、14…極液流路 15…直流電源、16…陽極液 17…陰極液、18…酸供給ポンプ 19…酸供給タンク、A…陰イオン交換膜 K…陽イオン交換膜、20、21…電位差計 22…繊維状電極(炭素電極) 23…陽極液、24…陰極液 25…糸、26…カーボン束糸 27…カーボン糸 28、29、30…流量調節バルブ 31…極液補給タンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石田 哲義 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日 立株式会社呉研究所内 (56)参考文献 実開 昭59−138403(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01D 61/44 - 61/54

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陽イオン交換膜と陰イオン交換膜を交互に
    配置して構成した複数の透析室ブロックを連接させて設
    け、上記透析室ブロックの両端部の一方に陽極室、他方
    に陰極室を構成した電気透析槽を有し、該電気透析槽に
    直流電源を印加して脱塩水と濃縮水とに分離する電気透
    析装置において、上記陽極室と陰極室に酸化還元反応が
    可逆的に行われる極液を、直列もしくは並列に循環させ
    る流路と、該極液の循環流路に極液の補給もしくは交換
    を行う極液補給タンクを設け、かつ上記電気透析槽の陽
    極と陽極液、陽極と透析槽、陽極と陰極との間の電位
    差、および陰極と陰極液、陰極と透析槽、陰極と陽極と
    の間の電位差のうちの少なくとも1箇所の電位差を検出
    する電位差計を配置し、上記電位差が、上記電気透析槽
    の陽極もしくは陰極からガスの発生が生じない許容電位
    差以内となるように、上記循環する極液の組成を調整制
    御する手段を備えたことを特徴とする電気透析装置。
  2. 【請求項2】請求の範囲第1項において、電気透析槽の
    陽極および陰極もしくはそのいずれか一方の電極の極液
    側の電極上に、極液が流通可能な形状とした繊維状の電
    極を配置して、上記極液が繊維状電極の内部を通過する
    構造としたことを特徴とする電気透析装置。
  3. 【請求項3】請求の範囲第2項において、繊維状の電極
    は、カーボン束糸により構成したことを特徴とする電気
    透析装置。
  4. 【請求項4】請求の範囲第1項、第2項または第3項記
    載の電気透析装置を用いて電気透析を行う方法におい
    て、酸化還元反応が可逆的に行われる極液は、主成分と
    して、鉄系(Fe2+/F3+)、チタン系(Ti3+/Ti4+)、
    スズ系(Sn2+/Sn4+)、臭素系(Br-/Br2 0)、クロム
    系(Cr3+/Cr6+)、モリブデン系(Mo2+/Mo3+)、バナ
    ジウム系(V3+/V4+またはV4+/V5+)、銅系(Cu+/Cu
    2+)の化合物のうちより選択される少なくとも1種の化
    合物を含む溶液を用いることを特徴とする電気透析方
    法。
  5. 【請求項5】請求の範囲第4項において、極液のpHを酸
    性とした溶液を用いることを特徴とする電気透析方法。
  6. 【請求項6】請求の範囲第4項または第5項記載の極液
    を用い、電気透析槽の陽極と陽極液、陽極と透析槽、陽
    極と陰極との間の電位差、および陰極と陰極液、陰極と
    透析槽、陰極と陽極との間の電位差のうちの少なくとも
    1箇所の電位差をモニタリングし、上記陽極および陰極
    から有害ガスが発生しない許容電位差以内に、上記極液
    の組成を調整して透析を行うことを特徴とする電気透析
    方法。
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