JP2855322B2 - 収納家具 - Google Patents

収納家具

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JP2855322B2
JP2855322B2 JP11327796A JP11327796A JP2855322B2 JP 2855322 B2 JP2855322 B2 JP 2855322B2 JP 11327796 A JP11327796 A JP 11327796A JP 11327796 A JP11327796 A JP 11327796A JP 2855322 B2 JP2855322 B2 JP 2855322B2
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furniture
hanging
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storage furniture
hanger
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廣久 野口
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EGUCHI MOKUZAI SANGYO KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は衣服などを収納する
収納家具に関するものである。更に詳しくは、衣服など
の吊り物を奥行方向に斜めに連なるよう段階的に吊下げ
ることにより、同じ収納能力では収納家具の奥行方向の
長さを短く形成することができるようにした収納家具に
関するものである。
【0002】
【従来技術】衣服などを収納する従来の収納家具には、
一般的に収納家具の収納部内の上部にハンガーパイプが
架設してある。ハンガーパイプは、収納家具の幅方向に
水平に架設されている。衣服などの吊り物は、衣服用ハ
ンガーがハンガーパイプとほぼ直角方向(奥行方向)に
なるようにして吊り下げて収納されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したよう
な従来の収納家具には、次のような課題があった。即
ち、収納家具の収納空間部の奥行方向の長さは、通常の
使用では少なくとも衣服用ハンガーの幅以上なければな
らない。そのため、設置に際してそれだけの設置スペー
スが必要となるが、狭い部屋などではその確保が困難な
場合も多い。また、収納家具の奥行方向の長さを一定の
長さより短くつくることができないという制限があるこ
とは、購買者のニーズが多様化している現在、意匠制作
上好ましくない。
【0004】本発明は上記課題を解決するもので、同一
の収納能力では従来の一般的な収納家具と比較して収納
家具の奥行方向の長さを短く形成できる収納家具を提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に講じた本発明の手段は次のとおりである。第1の発明
にあっては、衣服などを収納する収納家具であって、こ
の収納家具は、 家具本体と、 当該家具本体内に縦方向に
設けられ、奥行方向へ斜めに連なる複数の吊り具を備え
た吊り部材と、 上記吊り部材を移動させて上記複数の吊
り具を上記家具本体の正面視において左右方向に向ける
移動手段と、 を備えており、 上記吊り具は、隣合って掛
けられる衣服用ハンガーの肩部同士が重ならない段差を
もって形成されていることを特徴とする、 収納家具であ
る。
【0006】第2の発明にあっては、衣服などを収納す
る収納家具であって、この収納家具は、 家具本体と、
該家具本体の前部開口側に設けてある揺動部材と、 当該
揺動部材に縦方向に設けてあり、上記家具本体に収納し
た時に奥行方向へ斜めに連なる複数の吊り具を備えた吊
り部材と、 を備えており、 上記吊り具は、隣合って掛け
られる衣服用ハンガーの肩部同士が重ならない段差をも
って形成されていることを特徴とする、 収納家具であ
る。
【0007】第3の発明にあっては、衣服などを収納す
る収納家具であって、この収納家具は、 家具本体と、
該家具本体の前部開口側に設けてある扉部材と、 当該扉
部材の内面側に縦方向に設けてあり、上記扉部材を閉め
て上記家具本体に収納した時に奥行方向へ斜めに連なる
複数の吊り具を備えた吊り部材と、 を備えており、 上記
吊り具は、隣合って掛けられる衣服用ハンガーの肩部同
士が重ならない段差をもって形成されていることを特徴
とする、 収納家具である。
【0008】第4の発明にあっては、衣服などを収納す
る収納家具であって、この収納家具は、 家具本体と、
該家具本体内に縦方向に設けられ、奥行方向へ斜めに連
なる複数の吊り具を備えた吊り部材と、 上記吊り部材を
移動させて上記複数の吊り具を上記家具本体の正面視に
おいて左右方向に向ける移動手段と、 を備えており、
記吊り具は上記吊り部材の縁部寄りに所要間隔で複数の
貫通孔を設けることにより形成されていることを特徴と
する、 収納家具である。
【0009】第5の発明にあっては、衣服などを収納す
る収納家具であって、この収納家具は、 家具本体と、
該家具本体の前部開口側に設けてある揺動部材と、 当該
揺動部材に縦方向に設けてあり、上記家具本体に収納し
た時に奥行方向へ斜めに連なる複数の吊り具を備えた吊
り部材と、 を備えており、上記吊り具は上記吊り部材の
縁部寄りに所要間隔で複数の貫通孔を設けることにより
形成されていることを特徴とする、 収納家具である。
【0010】第6の発明にあっては、衣服などを収納す
る収納家具であって、この収納家具は、 家具本体と、
該家具本体の前部開口側に設けてある扉部材と、 当該扉
部材の内面側に縦方向に設けてあり、上記扉部材を閉め
て上記家具本体に収納した時に奥行方向へ斜めに連なる
複数の吊り具を備えた吊り部材と、 を備えており、上記
吊り具は上記吊り部材の縁部寄りに所要間隔で複数の貫
通孔を設けることにより形成されていることを特徴とす
る、 収納家具である。
【0011】第7の発明にあっては、上記吊り具は上記
吊り部材の縁部寄りに所要間隔で複数の貫通孔を設ける
ことにより形成されていることを特徴とする、第1,第
2,または第3の発明に係る収納家具である。
【0012】(作 用) 本発明に係る収納家具は、衣服などの吊り物を奥行方向
へ重ねて吊下げ収納する構造であるので、収納部は必ず
しも衣服用ハンガーの幅以上の幅を必要としない。従っ
て、吊り物の収納能力を基準にした場合において、収納
家具の奥行方向の長さをより短く形成することができる
ので、少ない設置スペースでの設置が可能となる。
【0013】奥行方向に斜めに連なって設けてある吊り
具に、衣服用ハンガーに掛けた吊り物を掛けると、衣服
用ハンガーの肩部の厚み部分、すなわち吊り物の肩部の
厚み部分が上下にずれるので、吊り物を奥行方向へ重複
させることができる。なお、吊り具は家具本体の正面か
ら見て奥行方向へ上り傾斜で設けてもよいし、下り傾斜
で設けてもよい。これによって、吊下げ部の水平換算し
た長さが同じである場合、従来のハンガーパイプなどの
ように同じ高さで水平方向へ重ね合わせる場合と比較し
て、より多くの吊り物を吊下げることができる。
【0014】収納家具の吊り部材に衣服などの吊り物を
掛けたり取り外したりする場合は、作業が可能であれば
吊り部材を収納部に収納した状態で行う。作業がしにく
い場合は、吊り部材を移動手段に沿って移動させたり、
揺動部材や扉部材の回動により移動させるなどして、吊
り物が掛け外ししやすい位置まで吊り部材を移動させ
る。吊り部材の吊り具は、家具本体内に縦方向に、かつ
奥行方向において斜めに連なるよう設けてあるので、吊
り物は吊り具の段差の分だけ上下にずれた状態で奥行方
向へ掛けられることになる。このため、隣合う吊り物と
の擦れ合う面積が小さくなり、摩擦抵抗も小さくなるの
で、吊り物の掛け外しがしやすい。
【0015】上記吊り具が上記吊り部材の縁部寄りに所
要間隔で複数の貫通孔を設けることにより形成されてい
るものにあっては、例えば吊り具がフック状のもののよ
うに引っ掛る部分が開放されて外部に突出していない
ので、構造的に強度が強く、欠けたりすることを防止で
きる。また、フック状のもののように必要でないものま
で引っ掛けてしまう不便さもなく、製造時における加工
もより簡単にできるので、コストも安価に抑えることが
できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき更に詳細に説明する。図1は本発明に係る収納
家具の第1の実施の形態を示し、吊り部材が家具本体内
に収納されている状態を示す説明図、図2は吊り部材が
家具本体の開口側へ移動されて横を向いた状態を示す説
明図である。符号K1は収納家具で、家具本体1と、吊
り部材2とを備えている。
【0017】家具本体1は、天板110、底板111、
側板112及び後板113などにより形成された基枠1
1を備えている。基枠11は前部側が開口しており、内
部は収納部10となっている。基枠11の前部側には、
蝶番を介して前面扉12、12が取り付けてある。収納
部10の上部には、板材を組み合わせてなる小物収納部
13と、その下部にはズボンZなどを吊下げるためのハ
ンガーパイプ14が設けてある。収納部10の下部に
は、衣服などを畳んで収納するための棚部15、15が
二段に設けてある。
【0018】前面扉12、12のうち一方の前面扉12
の内面側には、鏡120とネクタイ掛け121とが設け
てある。また、他方の前面扉12の内面側には、小物入
れ122とカッターシャツ入れ123とが設けてある。
なお、これらの鏡120、ネクタイ掛け121、小物入
れ122、カッターシャツ入れ123は、公知技術のも
のが使用されている。また、各前面扉12の内面側に設
けられるものは上記のものに限定しない。
【0019】天板110と底板111の内面側には、後
述するボールキャスター22を案内する移動手段である
ガイド溝16が設けてある。各ガイド溝16(天板11
0に設けられたものは図では見えない)は各面のほぼ中
央部に相互に対応させてL字状に形成してある。ガイド
溝16には、上記吊り部材2が移動可能に装着されてい
る。
【0020】吊り部材2は、収納部10内に縦方向に設
けてある。吊り部材2は板状体で形成されており、上部
には上部側からほぼ中間部にかけて段々と狭まるように
傾斜部が設けられ、ほぼ三角形状に形成されている吊り
片23を備えている。吊り片23の傾斜部には、吊り部
である所要数の吊り具21・・・が連なって設けてあ
る。吊り具21・・・は、隣合って掛けられる衣服用ハ
ンガーの肩部同士が重ならない段差をもって形成されて
いる。
【0021】吊り部材2の下部側は支柱部20となって
おり、その下部には吊り片23と同じ方向へ直角に設け
られた台片24を備えている。吊り片23の上端面と台
片24の下端面には、上記ガイド溝16に嵌め込まれる
ボールキャスター22がそれぞれ二箇所に設けてあり、
吊り部材2は図1に示す収納位置から図2に示す位置ま
での範囲で移動可能である。
【0022】(作 用) 図1または図2を参照して本発明の第1の実施の形態の
作用を説明する。収納家具K1の吊り部材2に衣服など
の吊り物を掛けたり取り外す場合は、作業が可能であれ
ば、吊り部材2を図1に示すように収納部に収納したま
まおこなう。掛け外し作業がしにくい場合は、図2に示
すように掛け外ししやすい位置まで吊り部材2を移動さ
せて掛け外しを行う。また、吊り部材2を幅方向へ向け
ることにより、吊下げられている上着Fなどの吊り物を
一覧することができ、吊り物の検索がしやすい。
【0023】吊り部材2の吊り具21・・・は、収納時
には収納部10の奥行方向において斜めに連なるように
設けてあり、吊り具21・・・は、隣合って掛けられる
衣服用ハンガーの肩部同士が重ならない段差をもって形
成されているので、吊り物は吊り具21・・・の段差
分だけ上下にずれた状態で奥行方向へ掛けられることに
なる。これにより、隣合う吊り物との擦れ合う面積が小
さくなり、摩擦抵抗も小さくなるので吊り物の掛け外し
がしやすい。
【0024】また、吊り物を掛ける衣服用ハンガーの肩
部の厚み部分、すなわち吊り物の肩部の厚み部分を上下
にずらすことによって、奥行方向へ重複させることがで
きるので、吊り部材2が水平換算で同じ長さであるな
ら、従来のように同じ高さで水平方向へ重ね合わせる場
合と比較して、より多くの吊り物を吊下げることができ
る。従って、吊り物の収納能力を基準にした場合、従来
の収納家具と相違して収納部10は必ずしも衣服用ハン
ガーの幅以上の幅を必要とせず、収納家具K1は奥行方
向の長さをより短く形成することができ、少ない設置ス
ペースでの設置が可能となる。
【0025】図3は本発明に係る収納家具の第2の実施
の形態を示し、揺動板を介して設けられた吊り部材が家
具本体内に収納されている状態を示す説明図、図4は図
3に示す吊り部材を収納部外に移動させた状態を示す説
明図である。なお、図3または図4において、図1また
は図2に示す収納家具と同一または同等の箇所には同一
の符号を付して示している。
【0026】収納家具K2の吊り部材2は、一方の前面
扉12より内側に設けてある揺動板4に設けてある。揺
動板4は長方形の板体で、収納部10の開口縁部に蝶番
3、3を介し、揺動可能に取り付けてある。吊り部材2
は、揺動板4の先端辺に揺動板4とほぼ直角になるよう
設けてある。本実施の形態における吊り部材2は、上記
第1の実施の形態における吊り部材2の吊り片23とほ
ぼ同様の形状である。後板113の内面側には、小物入
れ122やカッターシャツ入れ123(図3では図示を
省略している)が所要数設けてある。
【0027】収納家具K2は、吊り物の収納性などにつ
いては、上記収納家具K1とほぼ同様の作用を有してい
る。なお、吊り部材2の方向を変えることができる可動
手段の構造においては、上記収納家具K1と比較して簡
易であり、安価に製造できる利点がある。
【0028】図5は本発明に係る収納家具の第3の実施
の形態を示し、吊り部材が家具本体内に収納されている
状態を示す説明図、図6は図5に示す吊り部材を収納部
外へ移動させた状態を示す説明図である。なお、図5ま
たは図6において、図1または図2に示す収納家具と同
一または同等の箇所には同一の符号を付して示してい
る。
【0029】収納家具K3の吊り部材2は、一方の前面
扉12の内面の先端辺寄りに、前面扉12とほぼ直角に
なるよう設けてある。本実施の形態における吊り部材2
は、上記第1の実施の形態における吊り部材2の吊り片
23とは相違して、ネクタイ掛け29が二段に設けてあ
る。後板113の内面側には、小物入れ122やカッタ
ーシャツ入れ123(図5では図示を省略している)が
所要数設けてある。なお、吊り部材2が設けてある側の
前面扉12の下部には、耐荷重用のキャスター5が設け
てある。
【0030】収納家具K3は、吊り物の収納性などにつ
いては、上記収納家具K1とほぼ同様の作用を有してい
る。なお、吊り部材2の方向を変えることができる可動
手段の構造においては、上記収納家具K2と比較しても
更に簡易であり、より安価に製造できる。また、吊り部
材2に掛けてある吊り物の収納部10外部への移動及び
内部への収納が、前面扉12の開閉と共に行われるの
で、手間がかからない。
【0031】図7は本発明に係る収納家具の第4の実施
の形態を示し、吊り部材が家具本体の開口側へ移動され
て横を向いた状態を示す概略説明図、図8はキャスター
とガイドレールの嵌め合い状態を示す説明図である。な
お、図7においては正面の扉を省略している。また、図
7または図8において、図1または図2に示す収納家具
と同一または同等の箇所には同一の符号を付して示して
いる。
【0032】収納家具K4の吊り部材2は上記収納家具
K1の吊り部材2とほぼ同様の構造を有しているが、吊
り具21aはフック状ではなく、円形の貫通孔210を
一定間隔で設けることにより形成されている。230は
軽量化のための中抜き部である。天板110と底板11
1には上記ガイド溝16と同じ軌道を描くガイドレール
16aが表面より突出して設けてある。吊り部材2の上
下端面に設けてあるキャスター22aは、このガイドレ
ール16aに対応する構造の二輪キャスターである。キ
ャスター22aは図8に示すように中間の隙間部分をガ
イドレール16aに嵌め込んでスライド可能に取り付け
られる。
【0033】収納家具K4は、吊り物の収納性などにつ
いては、上記収納家具K1とほぼ同様の作用を有してい
る。なお、吊り部材2の方向を変えることができる可動
手段の構造においては、上記収納家具K1と比較し脱線
なども起こりにくく、騒音も少ない利点がある。また、
吊り具21aはフック状の上記吊り具21のように引っ
る部分が開放されて外部に突出していないので、構
造的に強度が強く、欠けたりすることを防止できる。更
には、上記吊り具21のように必要でないものまで引っ
掛けてしまう不便さもなく、製造時における加工もより
簡単にできるので、コストも安価に抑えることができ
る。
【0034】図9は本発明に係る収納家具の第5の実施
の形態を示し、吊り部材が家具本体の開口側へ移動され
て横を向いた状態を示す概略説明図である。なお、図に
おいては正面の扉を省略している。また、図において、
図1または図2に示す収納家具と同一または同等の箇所
には同一の符号を付して示している。
【0035】収納家具K5の吊り部材2は縦長の四角形
状に枠組みされた基枠25を備えている。基枠25の内
部側の上段と中段には、吊り棒26が水平に設けてあ
る。上下の吊り棒26のそれぞれの下方には上着を吊下
げることができる空間部が設けてある。なお、天板11
0と底板111に設けられるガイドレール16aと吊り
部材2の上下端面に設けてあるキャスター22aは、上
記収納家具K4のものと同様の構造である。
【0036】収納家具K5は、吊り部材2に上下二段に
吊り棒26が設けてあるので、上着などの比較的短い衣
服を収納する場合に収納性が良好である。なお、吊り部
材2の方向を変えることができる可動手段の構造におい
ては、上記収納家具K4と同様に脱線なども起こりにく
く、騒音も少ない利点がある。本発明は図示の実施の形
態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載内
において種々の変形が可能である。
【0037】
【発明の効果】本発明は上記構成を備え、次の効果を有
する。 (a)本発明に係る収納家具は、衣服などの吊り物を奥
行方向へ重ねて吊下げ収納する構造であるので、収納部
は必ずしも衣服用ハンガーの幅以上の幅を必要としな
い。従って、吊り物の収納能力を基準にした場合におい
て、収納家具の奥行方向の長さをより短く形成すること
ができるので、少ない設置スペースでの設置が可能とな
る。
【0038】(b)収納家具の奥行方向に斜めに連なっ
て設けてある吊り具に、衣服用ハンガーに掛けた吊り物
を掛けると、衣服用ハンガーの肩部の厚み部分、すなわ
ち吊り物の肩部の厚み部分が上下にずれるので、吊り物
を奥行方向へ重複させることができる。これによって、
吊下げ部の水平換算した長さが同じである場合、従来の
ハンガーパイプなどのように同じ高さで水平方向へ重ね
合わせる場合と比較して、より多くの吊り物を吊下げる
ことができる。
【0039】(c)収納家具の奥行方向の長さを一定の
長さより短くつくることができないという制限がなくな
るので、例えば、壁からあまり出張らずに奥行き方向の
長さが極く短く、他の本棚などの家具と同じ奥行きの収
納家具が欲しいなど、多様化する購買者の様々なニーズ
に対応しやすくなる。また、デザインの幅が広がるので
従来にない様々な意匠の収納家具の提供が可能となる。
【0040】(d)収納家具の吊り部材に衣服などの吊
り物を掛けたり取り外したりする場合は、作業が可能で
あれば吊り部材を収納部に収納した状態で行う。作業が
しにくい場合は、吊り部材を移動手段に沿って移動させ
たり、揺動部材や扉部材の回動により移動させるなどし
て、吊り物が掛け外ししやすい位置まで吊り部材を移動
させることができる。
【0041】(e)吊り部材の吊り具は、家具本体内に
縦方向に、かつ奥行方向において斜めに連なるよう設け
てあるので、吊り物は吊り具の段差の分だけ上下にずれ
た状態で奥行方向へ掛けられることになる。このため、
隣合う吊り物との擦れ合う面積が小さくなり、摩擦抵抗
も小さくなるので、吊り物の掛け外しがしやすい。
【0042】(f)吊り具が吊り部材の縁部寄りに所要
間隔で複数の貫通孔を設けることにより形成されている
ものにあっては、例えば吊り具がフック状のもののよう
に引っ掛る部分が開放されて外部に突出していないの
で、構造的に強度が強く、欠けたりすることを防止でき
る。また、フック状のもののように必要でないものまで
引っ掛けてしまう不便さもなく、製造時における加工も
より簡単にできるので、コストも安価に抑えることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る収納家具の第1の実施の形態を示
し、吊り部材が家具本体内に収納されている状態を示す
説明図。
【図2】吊り部材が家具本体の開口側へ移動されて横を
向いた状態を示す説明図。
【図3】本発明に係る収納家具の第2の実施の形態を示
し、揺動板を介して設けられた吊り部材が家具本体内に
収納されている状態を示す説明図。
【図4】吊り部材を収納部外に移動させた状態を示す説
明図。
【図5】本発明に係る収納家具の第3の実施の形態を示
し、吊り部材が家具本体内に収納されている状態を示す
説明図。
【図6】図5に示す吊り部材を収納部外へ移動させた状
態を示す説明図。
【図7】本発明に係る収納家具の第4の実施の形態を示
し、吊り部材が家具本体の開口側へ移動されて横を向い
た状態を示す概略説明図。
【図8】キャスターとガイドレールの嵌め合い状態を示
す説明図。
【図9】本発明に係る収納家具の第5の実施の形態を示
し、吊り部材が家具本体の開口側へ移動されて横を向い
た状態を示す概略説明図。
【符号の説明】
K1、K2、K3、K4、K5 収納家具 F 上着 Z ズボン 1 家具本体 10 収納部 11 基枠 110 天板 111 底板 112 側板 113 後板 12 前面扉 120 鏡 121 ネクタイ掛け 122 小物入れ 123 カッターシャツ入れ 13 小物収納部 14 ズボン掛け部材 15 棚部 16 ガイド溝 16a ガイドレール 2 吊り部材 20 支柱部 21、21a 吊り具 210 貫通孔 22 ボールキャスター 22a キャスター 23 吊り片 230 中抜き部 24 台片 25 基枠 26 吊り棒 29 ネクタイ掛け 3 蝶番 4 揺動板 5 キャスター

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 衣服などを収納する収納家具であって、
    この収納家具は、 家具本体(1) と、 当該家具本体(1) 内に縦方向に設けられ、奥行方向へ斜
    めに連なる複数の吊り具(21)を備えた吊り部材(2) と、 上記吊り部材(2) を移動させて上記複数の吊り具(21)を
    上記家具本体(1) の正面視において左右方向に向ける移
    動手段と、 を備えており、 上記吊り具(21)は、隣合って掛けられる衣服用ハンガー
    の肩部同士が重ならない段差をもって形成されているこ
    とを特徴とする、 収納家具。
  2. 【請求項2】 衣服などを収納する収納家具であって、
    この収納家具は、 家具本体(1) と、 当該家具本体(1) の前部開口側に設けてある揺動部材
    と、 当該揺動部材に縦方向に設けてあり、上記家具本体(1)
    に収納した時に奥行方向へ斜めに連なる複数の吊り具(2
    1)を備えた吊り部材(2) と、 を備えており、 上記吊り具(21)は、隣合って掛けられる衣服用ハンガー
    の肩部同士が重ならない段差をもって形成されているこ
    とを特徴とする、 収納家具。
  3. 【請求項3】 衣服などを収納する収納家具であって、
    この収納家具は、 家具本体(1) と、 当該家具本体(1) の前部開口側に設けてある扉部材と、 当該扉部材の内面側に縦方向に設けてあり、上記扉部材
    を閉めて上記家具本体(1) に収納した時に奥行方向へ斜
    めに連なる複数の吊り具(21)を備えた吊り部材(2) と、 を備えており、 上記吊り具(21)は、隣合って掛けられる衣服用ハンガー
    の肩部同士が重ならない段差をもって形成されているこ
    とを特徴とする、 収納家具。
  4. 【請求項4】 衣服などを収納する収納家具であって、
    この収納家具は、 家具本体(1) と、 当該家具本体(1) 内に縦方向に設けられ、奥行方向へ斜
    めに連なる複数の吊り具(21)を備えた吊り部材(2) と、 上記吊り部材(2) を移動させて上記複数の吊り具(21)を
    上記家具本体(1) の正面視において左右方向に向ける移
    動手段と、 を備えており、 上記吊り具は上記吊り部材(2) の縁部寄りに所要間隔で
    複数の貫通孔(210) を設けることにより形成されている
    ことを特徴とする、 収納家具。
  5. 【請求項5】 衣服などを収納する収納家具であって、
    この収納家具は、 家具本体(1) と、 当該家具本体(1) の前部開口側に設けてある揺動部材
    と、 当該揺動部材に縦方向に設けてあり、上記家具本体(1)
    に収納した時に奥行方向へ斜めに連なる複数の吊り具(2
    1)を備えた吊り部材(2) と、 を備えており、 上記吊り具は上記吊り部材(2) の縁部寄りに所要間隔で
    複数の貫通孔(210) を設けることにより形成されている
    ことを特徴とする、 収納家具。
  6. 【請求項6】 衣服などを収納する収納家具であって、
    この収納家具は、 家具本体(1) と、 当該家具本体(1) の前部開口側に設けてある扉部材と、 当該扉部材の内面側に縦方向に設けてあり、上記扉部材
    を閉めて上記家具本体(1) に収納した時に奥行方向へ斜
    めに連なる複数の吊り具(21)を備えた吊り部材(2) と、 を備えており、 上記吊り具は上記吊り部材(2) の縁部寄りに所要間隔で
    複数の貫通孔(210) を設けることにより形成されている
    ことを特徴とする、 収納家具。
  7. 【請求項7】 上記吊り具は上記吊り部材(2) の縁部寄
    りに所要間隔で複数の貫通孔(210) を設けることにより
    形成されていることを特徴とする、 請求項1、2または3記載の収納家具。
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