JP2854685B2 - 軟窒化用鋼 - Google Patents
軟窒化用鋼Info
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Description
て好適な軟窒化用鋼に関する。
造などの方法により所定形状に加工した後、主に疲労強
度の向上を目的として軟窒化処理により表面を硬化させ
て製造されることも多い。
Mn)やJIS−S48C(0.48C−0.75Mn)などの機械構造用炭
素鋼が用いられていた。
(微小ビッカース硬さHv=300に対応する表面からの距
離)が0.10mm程度と浅く、表面硬さ(表面下25μmでの
微小ビッカース硬さ)もHv=400程度と硬くないために
クランクシャフトとして適用した場合には疲労強度の点
で十分ではなく、高出力のエンジンには利用できなかっ
た。
化物形成元素であるAl及びCrを多量に添加したJIS−SAC
M 645(0.45C−0.4Si−1.5Cr−0.2Mo−1.0Al)や炭素鋼
にVを添加した鋼(0.45C−0.75Mn−0.10V)が用いられ
ていた。
l、Cr、V等の窒化物形成元素を含んでおり、表層の硬
化が顕著であるため疲労強度の向上の要請にはある程度
満足できるものの、クランクシャフト用材料として適用
する場合には、次のような新たな問題がある。
は、通常、クランクシャフト形状に加工し、軟窒化処理
した後、仕上げ工程において途中の製造工程で生じた曲
がりを矯正処理する。しかし、上記したような従来の軟
窒化用鋼では、窒化層が高硬度であるため曲げ矯正処理
時にクランクシャフト表面の窒化層に割れが生じる(即
ち、曲げ矯正性が悪い)という問題がある。
めに軟窒化処理をした場合に曲げ矯正性が低下してしま
い、自動車のクランクシャフト材料として不適当である
という問題がある。
目的で軟窒化処理した場合であっても、曲げ矯正が容易
で、かつ曲げ矯正時に窒化層に割れ等が生じることがな
い(即ち、曲げ矯正性が優れている)軟窒化用鋼を提供
することを目的とする。
Siの増加は軟窒化処理後の表面硬さや硬化深さを低下さ
せることが分かった。従って、Siは、疲労強度は若干低
下させるものの、曲げ矯正性の改善には非常に有効な元
素であるといえる。そして、このようなSiの増加による
疲労強度の低下は、C及び窒化物を形成しない元素であ
るMnの増加による心部硬さの向上により、補完できるこ
とが判明した。特に、Mnは、窒化層の靭性を構造させる
ことにより、曲げ矯正性の改善にも有効であることも分
かった。以上の知見に基づき、従来にはない高Si−高Mn
タイプの軟窒化用鋼を開発するに至った。
%、Mn:0.80〜2.50重量%、Cr:0.20重量%以下及びAl:
0.035重量%以下を含有し、残部がFe及び不可避的不純
物からなることを特徴とする軟窒化用鋼(以下「第1の
軟窒化用鋼」という)を提供する。
量%以下、Cu:1.0重量%以下及びMo:0.5重量%以下から
なる群より選ばれる1種以上を含有させた軟窒化用鋼
(以下「第2の軟窒化用鋼」という); 第1の軟窒化用鋼に、更にPb:0.03〜0.35重量%、Ca:
0.0010〜0.0100重量%及びS:0.04〜0.13重量%からなる
群より選ばれる1種以上を含有させた軟窒化用鋼; 第1の軟窒化用鋼に、更にBを0.0080重量%以下含有
させた軟窒化用鋼; 第2の軟窒化用鋼に、更にBを0.0080重量%以下含有
させた軟窒化用鋼; 第2の軟窒化用鋼に、更にPb:0.03〜0.35重量%、Ca:
0.0010〜0.0100重量%及びS:0.04〜0.13重量%からなる
群より選ばれる1種以上を含有させた軟窒化用鋼(以下
「第3の軟窒化用鋼」という);並びに 第3の軟窒化用鋼に、更にBを0.0080重量%以下含有
させた軟窒化用鋼、を提供する。
範囲内に限定した理由は以下のとおりである。
重要な元素である。Cの含有量を0.35〜0.65重量%とし
たのは、0.35重量%未満であると芯部硬さが低下し、全
体の強度が低下するためであり、0.65重量%を超えると
靭性や加工性が低下するためである。好ましいCの含有
量は0.45〜0.58重量%である。
Siの含有量を0.35〜2.00重量%としたのは、0.35重量%
未満であると軟窒化処理後の曲げ矯正性が悪く、2.00重
量%を超えると疲労強度の低下が著しく、また、靭性や
加工性も低下するためである。好ましいSiの含有量は0.
35〜1.00重量%である。
要な元素である。Mnの含有量を0.80〜2.50重量%とした
のは、0.80重量%未満であると芯部硬度や靭性が低下す
るためであり、2.50重量%を超えると加工性が低下する
ためである。好ましいMnの含有量は1.20〜1.60重量%で
ある。
処理時において侵入Nと結合し、表面硬さを高め、硬化
深さを大きくし疲労強度を向上させるという利点がある
ものの、0.20重量%を超えて添加すると曲げ矯正性の低
下が著しいためである。好ましいCrの含有量は0.15重量
%以下である。
理由である。なお、Alは溶融時において脱酸剤としても
作用する成分である。好ましいAlの含有量は0.020重量
%以下である。
することがないため、その添加により曲げ矯正性が低下
することなく、一方で固溶強化により強度を向上させ
る。
量%以下とし、Moの含有量を0.5重量%以下としたの
は、いずれの元素も含有量の上限を超えると加工性が低
下するためである。好ましい含有量はNiが1.50重量%以
下、Cuが0.50重量%以下、Moが0.50重量%以下である。
することがないため、その添加により曲げ矯正性が低下
することはなく、一方で軟窒化処理前の鋼に快削性を付
与する。また、Pbは、軟窒化特性を低下させ、曲げ矯正
性を向上させる。
%未満であると快削性が低下し、0.35重量%を超えると
強度及び靭性が低下するためである。好ましいPbの含有
量は0.15〜0.30重量%である。
10重量%未満であると快削性が低下し、0.0100重量%を
超えて添加することは鋼の溶製上困難だからである。好
ましいCaの含有量は0.0005〜0.0025重量%である。
%未満であると快削性が低下し、0.13重量%を超えると
強度及び靭製が低下するためである。好ましいSの含有
量は0.04〜0.07重量%である。
BNは硬度が低いので却って軟窒化特性が向上し、曲げ矯
正性が低下することはない。また、Bを所定量含有させ
ると焼入後の芯部硬さを向上させることができ、特に太
物部品にした場合の強度向上に有効である。
量%を超えて添加しても、増量したことによる効果の向
上はなく、製造コストの上昇を招くだけだからである。
好ましいBの含有量は0.0040重量%以下である。
避的不純物からなる軟窒化用鋼材料(比較例1はJIS−S
48C、比較例2はJIS−SACM645である)を、小型真空溶
解炉により溶製して、各々50kgの棒状のインゴットを得
た。次に、このインゴットを、1200℃の温度下、第1段
の鍛造で直径70cmの丸棒にし、更に同温度下、第2段の
鍛造で直径20cmの丸棒にした。
焼きならし処理をして、直径10cm、長さ130cmの供試体
(切欠係数 α=1.84)を調製した。次に、この供試体
に580℃、90分間の条件で軟窒化処理(タフトライド処
理)した。
り軟窒化性の評価、回転曲げ疲れ試験及び曲げ矯正試験
をした。結果を第1表に示す。
度が300までの表面からの深さ及び内部(供試体の芯部
付近)のビッカース硬度を測定した。
た。
に水平に置き、供試体の前記支点間の中間部に荷重を加
えた場合(二点支持中央集中荷重)に、シャフト表面に
割れが生じるまでのたわみ量で評価した。
Alを含有し、残部がFeと不可避不純物からなるものであ
り、更に、前記軟窒化用鋼に所定量のNi、Cu及びMO;P
b、Ca及びS並びにBを適宜組み合わせて含有させてな
るものである。
ら、従来の軟窒化用鋼と比べて、同程度の芯部硬さを保
持したまま、表面硬さを低くすることができる。従っ
て、本発明の軟窒化用鋼は、優れた疲労強度を保持した
まま、曲げ矯正性が向上されており、曲げ矯正時におい
て窒化層に割れ等が生じることがない。
ト用材料として好適である。
Claims (6)
- 【請求項1】C:0.35〜0.65重量%、Si:0.35〜2.00重量
%、Mn:0.80〜2.50重量%、Cr:0.20重量%以下及びAl:
0.035重量%以下を含有し、残部がFe及び不可避的不純
物からなることを特徴とする軟窒化用鋼。 - 【請求項2】更にNi:3.0重量%以下、Cu:1.0重量%以下
及びMo:0.5重量%以下からなる群より選ばれる1種以上
を含有する請求項1記載の軟窒化用鋼。 - 【請求項3】更にPb:0.03〜0.35重量%、Ca:0.0010〜0.
0100重量%及びS:0.04〜0.13重量%からなる群より選ば
れる1種以上を含有する請求項1記載の軟窒化用鋼。 - 【請求項4】更にBを0.0080重量%以下含有する請求項
1又は2記載の軟窒化用鋼。 - 【請求項5】更にPb:0.03〜0.35重量%、Ca0.0010〜0.0
100重量%及びS:0.04〜0.13重量%からなる群より選ば
れる1種以上を含有する請求項2記載の軟窒化用鋼。 - 【請求項6】更にBを0.0080重量%以下含有する請求項
5記載の軟窒化用鋼。
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JP19987490A JP2854685B2 (ja) | 1990-07-27 | 1990-07-27 | 軟窒化用鋼 |
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JP19987490A JP2854685B2 (ja) | 1990-07-27 | 1990-07-27 | 軟窒化用鋼 |
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JP19987490A Expired - Fee Related JP2854685B2 (ja) | 1990-07-27 | 1990-07-27 | 軟窒化用鋼 |
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EP2578717B1 (en) | 2010-11-17 | 2015-09-16 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Steel for nitriding purposes, and nitrided member |
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-
1990
- 1990-07-27 JP JP19987490A patent/JP2854685B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0483849A (ja) | 1992-03-17 |
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