JP2854104B2 - セラミックス被覆材料の製造方法 - Google Patents
セラミックス被覆材料の製造方法Info
- Publication number
- JP2854104B2 JP2854104B2 JP21623890A JP21623890A JP2854104B2 JP 2854104 B2 JP2854104 B2 JP 2854104B2 JP 21623890 A JP21623890 A JP 21623890A JP 21623890 A JP21623890 A JP 21623890A JP 2854104 B2 JP2854104 B2 JP 2854104B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ceramic coating
- coating layer
- color tone
- coating material
- layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Physical Vapour Deposition (AREA)
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、セラミックス被覆層表面の色調を変化させ
ることのできるセラミックス被覆材料の製造方法に関す
る。
ることのできるセラミックス被覆材料の製造方法に関す
る。
(従来技術) 金属やガラスのような無機材料、プラスチックのよう
な有機材料などの外観、耐食性および耐熱性などを向上
させる方法として、表面にセラミックス被覆層を形成す
る方法が従来より行われている。
な有機材料などの外観、耐食性および耐熱性などを向上
させる方法として、表面にセラミックス被覆層を形成す
る方法が従来より行われている。
このセラミックス被覆材料の製造方法には、ほうろう
法、ライニング法、加熱法および電気泳動法のように基
材表面にセラミックス原料の被覆層を形成した後、焼成
する方法、溶射法や真空めっき法のように基材表面に直
接セラミックス被覆層を形成する方法などがあるが、外
観的には真空めっき法、例えば、イオンプレーティング
法、スパッタリング法、イオン化蒸着法などが優れてい
る。
法、ライニング法、加熱法および電気泳動法のように基
材表面にセラミックス原料の被覆層を形成した後、焼成
する方法、溶射法や真空めっき法のように基材表面に直
接セラミックス被覆層を形成する方法などがあるが、外
観的には真空めっき法、例えば、イオンプレーティング
法、スパッタリング法、イオン化蒸着法などが優れてい
る。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、この真空めっき法によるセラミックス
被覆材料の製造は、セラミックス被覆層の組成を変化さ
せることが難しいため、色調を変化させることが困難な
場合が多い。例えば、イオンプレーティング法やイオン
化蒸着法でTi酸化物を蒸着する場合、蒸着中の酸素分圧
を大きくしても、酸素濃度が60at%以上のTi酸化物を蒸
着することができないため、透明なTiO2(O2濃度66.6at
%)層を蒸着しようとしても蒸着できない。また、TiN
層に炭素や酸素を含有させると、TiNの金色の色調を変
化させることができるが、Tiに対するN、O、Cの反応
性はそれぞれ大きく異なるため、TiN層中に含有させる
ことは困難であった。
被覆材料の製造は、セラミックス被覆層の組成を変化さ
せることが難しいため、色調を変化させることが困難な
場合が多い。例えば、イオンプレーティング法やイオン
化蒸着法でTi酸化物を蒸着する場合、蒸着中の酸素分圧
を大きくしても、酸素濃度が60at%以上のTi酸化物を蒸
着することができないため、透明なTiO2(O2濃度66.6at
%)層を蒸着しようとしても蒸着できない。また、TiN
層に炭素や酸素を含有させると、TiNの金色の色調を変
化させることができるが、Tiに対するN、O、Cの反応
性はそれぞれ大きく異なるため、TiN層中に含有させる
ことは困難であった。
セラミックスの種類によっては被覆性条件を変化させ
て色調を変えることのできるものもあるが、被覆層形成
条件を変化させると、密着性、硬度などを劣化させる場
合が多い。例えば、イオン、プレーティング法やイオン
変蒸着法でTiNを被覆する場合、被覆時の材料温度を低
くすると、茶色を帯びた金色にすることができるが、被
覆層の密着性や硬度は低下してしまう。
て色調を変えることのできるものもあるが、被覆層形成
条件を変化させると、密着性、硬度などを劣化させる場
合が多い。例えば、イオン、プレーティング法やイオン
変蒸着法でTiNを被覆する場合、被覆時の材料温度を低
くすると、茶色を帯びた金色にすることができるが、被
覆層の密着性や硬度は低下してしまう。
このため、真空めっき法では色調により意匠性を高め
て、種々の装飾用に使用できるようなセラミックス被覆
材料を製造するのは困難であった。
て、種々の装飾用に使用できるようなセラミックス被覆
材料を製造するのは困難であった。
本発明は、以上の点に鑑み、組成や被覆性形成条件を
変更することなくセラミックス被覆層の色調を変化させ
ることのできるセラミックス被覆材料の製造方法を提供
するものである。
変更することなくセラミックス被覆層の色調を変化させ
ることのできるセラミックス被覆材料の製造方法を提供
するものである。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、基材にセラミックス被覆層を形成した後、
セラミックス被覆層表層にCOイオンまたはOイオンを注
入して、セラミックス被覆層の色調を変化させるように
した。
セラミックス被覆層表層にCOイオンまたはOイオンを注
入して、セラミックス被覆層の色調を変化させるように
した。
(作用) 本発明者らは、組成や被覆層形成条件の変更によらず
にセラミックス被覆層の色調を変化させることができる
方法について種々検討した結果、セラミックス被覆層表
層にCOイオンまたはOイオンを注入すると、セラミック
ス被覆層の組成、形成条件が一定であってもイオンによ
って異なった色調のセラミックス被覆材料を製造できる
ことを見いだした。
にセラミックス被覆層の色調を変化させることができる
方法について種々検討した結果、セラミックス被覆層表
層にCOイオンまたはOイオンを注入すると、セラミック
ス被覆層の組成、形成条件が一定であってもイオンによ
って異なった色調のセラミックス被覆材料を製造できる
ことを見いだした。
第1図は、本発明により得られるセラミックス被覆材
料の断面を示したもので、1が基材、2が基材1の表面
に形成したセラミックス被覆層、3がセラミックス被覆
層表層部分のイオン注入層である。
料の断面を示したもので、1が基材、2が基材1の表面
に形成したセラミックス被覆層、3がセラミックス被覆
層表層部分のイオン注入層である。
セラミックス被覆層にCOイオンまたはOイオンを注入
するのは、金属イオンの注入では得られない色調を得る
ことができるからである。
するのは、金属イオンの注入では得られない色調を得る
ことができるからである。
本発明は製造できるセラミックス被覆材料は、セラミ
ックス被覆層が一層であっても、異なった組成の複層で
あってもよい。また、セラミックス被覆層の形成を真空
めっき法で行ったものだけでなく、ほうろう法、ライニ
ング法、加熱法、電気泳動法、溶射法、その他の方法で
行ったものでもよい。
ックス被覆層が一層であっても、異なった組成の複層で
あってもよい。また、セラミックス被覆層の形成を真空
めっき法で行ったものだけでなく、ほうろう法、ライニ
ング法、加熱法、電気泳動法、溶射法、その他の方法で
行ったものでもよい。
(実施例) 実施例1 イオンプレーティング法によりステンレス鋼板(SUS3
04)にTiN(金色)を1μmめっきした後、20KeVのOま
たは40KeVのCOをイオン注入して、CIELab表色系で色調
を測定した(標準光:C)。第2図にOのイオン注入量と
色調の関係を、第3図にCOのイオン注入量と色調の関係
を示す。
04)にTiN(金色)を1μmめっきした後、20KeVのOま
たは40KeVのCOをイオン注入して、CIELab表色系で色調
を測定した(標準光:C)。第2図にOのイオン注入量と
色調の関係を、第3図にCOのイオン注入量と色調の関係
を示す。
Oイオン注入の場合の色調は、第2図に示すごとく、
注入量が増加するにしたがって黄色に対応するb*の値
が小さく、赤色に対応するa*値が大きくなり、明るさ
に対応するL*の値が小さくなる。
注入量が増加するにしたがって黄色に対応するb*の値
が小さく、赤色に対応するa*値が大きくなり、明るさ
に対応するL*の値が小さくなる。
一方、COイオン注入の場合の色調は、注入量が増加す
るにしたがって黄色に対応するb*の値および明るさに
対応するL*の値が小さくなるが、赤色に対応するa*
の値の変化は小さくなる。L*の値は、Oイオンを注入
した場合と同様に注入量が増加するにしたがって小さく
なる。
るにしたがって黄色に対応するb*の値および明るさに
対応するL*の値が小さくなるが、赤色に対応するa*
の値の変化は小さくなる。L*の値は、Oイオンを注入
した場合と同様に注入量が増加するにしたがって小さく
なる。
実施例2 イオン化蒸着法を用いて実施例1と同じステンレス鋼
板にTiOを0.05μmめっきした後、ステンレス鋼板温度
を450℃にして、20KeVのOをイオン注入した。第4図に
Oのイオン注入量と色調の関係を示す。
板にTiOを0.05μmめっきした後、ステンレス鋼板温度
を450℃にして、20KeVのOをイオン注入した。第4図に
Oのイオン注入量と色調の関係を示す。
イオン注入量が増加するにしたがってTiOは透明にな
るため、a*、b*は0に近づき、L*は大きくなっ
た。
るため、a*、b*は0に近づき、L*は大きくなっ
た。
(発明の効果) 以上のように、本発明によれば、セラミックス被覆層
の組成や形成条件を変化させることなく色調を変えるこ
とができる。
の組成や形成条件を変化させることなく色調を変えるこ
とができる。
第1図は、本発明の製造方法により得られるセラミック
ス被覆鋼板の断面を模型的に示したものである。 第2図は、実施例1においてTiNめっきステンレス鋼板
のTiN層にOをイオン注入した場合のOイオン注入量と
色調の関係を示すグラフである。 第3図は、実施例1におけるTiNめっきステンレス鋼板
のTiN層にCOをイオン注入した場合のCOイオン注入量と
色調の関係を示すグラフである。 第4図は、実施例2においてTiOめっきステンレス鋼板
のTiO層にOをイオン注入した場合のOイオン注入量と
色調の関係を示すグラフである。 1……基材、2……セラミックス被覆層、3……イオン
注入層、
ス被覆鋼板の断面を模型的に示したものである。 第2図は、実施例1においてTiNめっきステンレス鋼板
のTiN層にOをイオン注入した場合のOイオン注入量と
色調の関係を示すグラフである。 第3図は、実施例1におけるTiNめっきステンレス鋼板
のTiN層にCOをイオン注入した場合のCOイオン注入量と
色調の関係を示すグラフである。 第4図は、実施例2においてTiOめっきステンレス鋼板
のTiO層にOをイオン注入した場合のOイオン注入量と
色調の関係を示すグラフである。 1……基材、2……セラミックス被覆層、3……イオン
注入層、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 14/00 - 14/58
Claims (1)
- 【請求項1】基材にセラミックス被覆層を形成した後、
セラミックス被覆層表層にCOイオンまたはOイオンを注
入して、セラミックス被覆層の色調を変化させることを
特徴とするセラミックス被覆材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21623890A JP2854104B2 (ja) | 1990-08-16 | 1990-08-16 | セラミックス被覆材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21623890A JP2854104B2 (ja) | 1990-08-16 | 1990-08-16 | セラミックス被覆材料の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0499870A JPH0499870A (ja) | 1992-03-31 |
JP2854104B2 true JP2854104B2 (ja) | 1999-02-03 |
Family
ID=16685442
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21623890A Expired - Lifetime JP2854104B2 (ja) | 1990-08-16 | 1990-08-16 | セラミックス被覆材料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2854104B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013114942A1 (ja) * | 2012-02-03 | 2013-08-08 | トーカロ株式会社 | 白色フッ化物溶射皮膜の黒色化方法および表面に黒色層を有するフッ化物溶射皮膜被覆部材 |
JP2013159812A (ja) * | 2012-02-03 | 2013-08-19 | Tocalo Co Ltd | 白色フッ化物溶射皮膜の黒色化方法および表面に黒色層を有するフッ化物溶射皮膜被覆部材 |
JP2013181239A (ja) * | 2012-03-05 | 2013-09-12 | Tocalo Co Ltd | 白色フッ化物溶射皮膜の黒色化方法および表面に黒色層を有するフッ化物溶射皮膜被覆部材 |
JP2013181238A (ja) * | 2012-03-05 | 2013-09-12 | Tocalo Co Ltd | 白色フッ化物溶射皮膜の黒色化方法および表面に黒色層を有するフッ化物溶射皮膜被覆部材 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20040035528A (ko) * | 2002-10-22 | 2004-04-29 | 송오성 | 이온주입에 의한 티타늄 발색 |
KR100949810B1 (ko) * | 2007-10-26 | 2010-03-30 | 아이시스(주) | 소재의 코팅 방법 |
JP2013194297A (ja) * | 2012-03-21 | 2013-09-30 | Seiko Instruments Inc | 装飾部品、時計部品、時計、及び装飾部品の製造方法 |
-
1990
- 1990-08-16 JP JP21623890A patent/JP2854104B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013114942A1 (ja) * | 2012-02-03 | 2013-08-08 | トーカロ株式会社 | 白色フッ化物溶射皮膜の黒色化方法および表面に黒色層を有するフッ化物溶射皮膜被覆部材 |
JP2013159812A (ja) * | 2012-02-03 | 2013-08-19 | Tocalo Co Ltd | 白色フッ化物溶射皮膜の黒色化方法および表面に黒色層を有するフッ化物溶射皮膜被覆部材 |
JP2013181239A (ja) * | 2012-03-05 | 2013-09-12 | Tocalo Co Ltd | 白色フッ化物溶射皮膜の黒色化方法および表面に黒色層を有するフッ化物溶射皮膜被覆部材 |
JP2013181238A (ja) * | 2012-03-05 | 2013-09-12 | Tocalo Co Ltd | 白色フッ化物溶射皮膜の黒色化方法および表面に黒色層を有するフッ化物溶射皮膜被覆部材 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0499870A (ja) | 1992-03-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
HK1028014A1 (en) | Photocatalytically-activated self-cleaning article and method of making same | |
JPH02133565A (ja) | 多層セラミックスコーティング金属板及びその製造法 | |
ES2192891T3 (es) | Mejoras introducidas en el revestimiento de vidrio. | |
JP2854104B2 (ja) | セラミックス被覆材料の製造方法 | |
GB2110250A (en) | Forming coated coloured articles | |
CN103302916B (zh) | 镀膜件及其制备方法 | |
JP2020097213A (ja) | 銀面を有する基材に対する曇りから銀を保護する層を接着させて材料を作る方法 | |
KR960031644A (ko) | 금색장식품 및 그 제조방법 | |
CN1030101A (zh) | 低反射率赤褐色涂层 | |
JP2022501500A (ja) | 銀変色から保護された銀メッキ表面を含む基材およびそのような基材の製造方法 | |
US4923764A (en) | Article of black silver color | |
JPS60141647A (ja) | カバ−ガラスの加飾方法 | |
EP1498402A1 (en) | Method of producing ceramic tiles having a metallic finish and the tile thus produced | |
GB1349046A (en) | Method of producing a stable tantalum-aluminum thin film | |
CN113136557A (zh) | 一种具有抗腐蚀耐磨的pvd薄膜以及制备方法 | |
JPH0460061B2 (ja) | ||
RU2039127C1 (ru) | Способ получения коррозионностойких покрытий золотистого цвета на подложках | |
KR950014929B1 (ko) | 산화크롬 피막을 이용한 칼라 스테인레스 강판의 제조방법 | |
CN1033177C (zh) | 具有金色表面涂层的制品 | |
JPS63125656A (ja) | 金色装飾面の形成方法 | |
KR940007212A (ko) | 이산화티타늄(TiO₂)의 진공증착을 이용한 칼라 스테인레스강판 및 그의 제조방법 | |
CN85107406A (zh) | 新型太阳能反光材料及制备技术 | |
JPH07115890B2 (ja) | ガラス基体面への薄膜形成方法 | |
JPS5881977A (ja) | 装飾基体の製造方法 | |
CN1014330B (zh) | 仿金装饰膜材料 |