JP2853066B2 - 道路トンネル用照明器具の取付装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば高速道路のトン
ネル内等に設置される照明器具の取付装置に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来、高速道路のトンネル内等に設置さ
れる照明器具は、トンネル内壁等の屋外施設に設けられ
た、主たる取付メカニズムを備える取付装置に照明器具
が嵌め込まれ、取り付けられるようになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、トンネ
ル内等に設けられる場合は、一般に高所に設置されるた
めに、例えば、地上からロボットを操作して、高所にあ
る取付装置の所定の部分を動かす遠隔操作をしなければ
ならず、一方、万一にも落下することのないように確実
な固定を必要とするから、照明器具の交換を行なう際
は、複雑かつ困難な操作、作業をしなければならなかっ
た。

【０００４】本発明は、このように従来技術の問題点を
解決するものであり、照明器具の交換作業、保守管理を
容易に行なうことができるようにした道路トンネル用照
明器具の取付装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の照明器具取付装置は、対向する一対の側面
にそれぞれ突出した固定ピン及び、把持手段により器具
を把持しないときは内蔵する付勢手段により一対の側面
からそれぞれ先端が突出し、把持手段により器具を把持
すると付勢手段の付勢力が抑制されて先端が内部へ引っ
込むロックピンを備えた照明器具と、照明器具設置部に
設けられ、前記固定ピンを受ける切欠き凹部及びロック
ピンが係合する係合孔を有する支持部材と、照明器具設
置部近傍に配設され、照明器具が支持部材に支持された
とき照明器具に設けられた電気的接続手段と係合して照
明器具に給電する給電手段とから構成されたことを特徴
とするものである。

【０００６】

【作用】この構成によれば、ロボットのマニピュレータ
により照明器具を把持すると、ロックピンが照明器具内
に引っ込むので、その状態で固定ピンを支持部材の切欠
き凹部に自在に着脱でき、一方、照明器具の電気的接続
手段と照明器具設置部に固定された給電手段とは、マニ
ピュレータで照明器具を把持したまま、固定ピンを中心
に照明器具を回動させることにより、自在に接続、切離
しができる。

【０００７】従って、照明器具の着脱が非常に簡単にな
り、交換、保守管理が極めて容易になる。

【０００８】

【実施例】以下、図面を参照して実施例を詳細に説明す
る。図１及び図２は、本発明の一実施例を示したもの
で、１は照明器具の設置場所であるトンネルの内壁面、
２はその内壁面１に固定された、照明器具を支持するた
めの左右一対の支持金具で、それぞれ切欠き凹部３及び
ロックピンが係合する係合孔４を有する。５は照明器具
であり、その対向する一対の側面に、前記支持金具２の
切欠き凹部３に係合する固定ピン６がそれぞれ突出して
いる。

【０００９】図２は、照明器具５の正面側より見た内部
メカニズムを示したもので、このメカニズムは器具内の
ランプや反射板の背後に設けられている。７は軸８を中
心に回動可能な回動板で、２本のロックピン９及び押圧
子10の各一端が連結されている。11はスプリングで、回
動板７の一端を常に引っ張っており、従って、回動板７
は矢印Ｂ方向とは逆方向に付勢されているので、ロック
ピン９及び押圧子10の各先端は照明器具５の外面から突
出している。12は一方のロックピン９の移動によりオ
ン、オフされるマイクロスイッチである。

【００１０】13は照明器具５の上面と下面にそれぞれ設
けられた把持用のピンであり、図１に示したように、照
明器具の交換に際して、ロボットのマニピュレータ14が
把持する部分に設けられている。マニピュレータ14が図
１のように照明器具５を把持すると、そのときマニピュ
レータ14の一部で押圧子10の先端を矢印Ｃ(図２参照)の
方向に押圧する。押圧された押圧子10は、スプリング11
の付勢力に抗して回動板７を矢印Ｂ方向に回動させ、そ
のためロックピン９の先端が照明器具５の側面から内部
へ引っ込む。

【００１１】15は、トンネル内壁面の支持金具２が固定
された位置の近傍に配設され、照明器具５が支持金具２
に支持されたとき照明器具に設けられたレセプタクル16
と係合して、照明器具５の伏角規定用を兼ねた電力供給
用のプラグとしてのコネクタである。

【００１２】次に、本実施例の動作を説明する。照明器
具５がロボットのマニピュレータ14により把持されてい
ないときは、スプリング11の付勢力により回動板７が反
時計方向に回動し、ロックピン９及び押圧子10の先端は
いずれも照明器具５の外面から突出している。いま、照
明器具を取り付けるために、マニピュレータ14で照明器
具５の上下面の所定位置(ピン13の位置)を挾んで把持す
ると、押圧子10の先端が押し下げられ、回動板７が時計
方向に回動するので、ロックピン９が照明器具５内に引
き込まれる。

【００１３】そこで、ロボットにより照明器具５をトン
ネル内壁面の取付部まで運び、照明器具５の側面に突出
した固定ピン６を支持金具２の切欠き凹部３に係合させ
る。さらにその状態から、固定ピン６を中心に照明器具
５を反時計方向(矢印Ａと逆の方向)に回動させると、コ
ネクタ15とレセプタクル16とが係合する。ここでマニピ
ュレータ14を離すと、スプリング11の付勢力により回動
板７が回動し、ロックピン９の先端が突出して支持金具
２の係合孔４に係合する。このようにして、照明器具５
は、固定ピン６、ロックピン９及びレセプタクル16・コ
ネクタ15部分で支持され、規定された伏角で安定的に固
定され、ランプに給電される。

【００１４】照明器具５を取付部から外す場合は、マニ
ピュレータ14で照明器具５の上下を挾んで把持すると、
ロックピン９が内部に引っ込み、支持金具２の係合孔４
から外れる。その状態で照明器具５を固定ピン６を中心
に矢印Ａ方向に回動すると、レセプタクル16・コネクタ
15部分が離れ、その後、照明器具５を左上方へ持ち上げ
て固定ピン６を切欠き凹部３から離脱させる。

【００１５】なお、照明器具５の取付、取外しに際し
て、マニピュレータ14により照明器具５を把持したと
き、ロックピン９が内部へ引き込まれるが、そのときマ
イクロスイッチ12が作動してランプの電源回路が切れる
ようになっている。従って、照明器具５の着脱時は、電
源を遮断するための特別の操作を必要としない。

【００１６】上記実施例から明らかなように、トンネル
内壁面に設置された支持金具２は、単に切欠き凹部３と
係合孔４を有するのみであり、従って、故障のおそれは
全くない。また、取付のためのメカニズムは照明器具５
側に設けられているので、点検、修理等の保守作業は地
上で行なうことができ、容易かつ安全である。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
照明器具を取り付けるためのメカニズムを照明器具側に
設け、設置部に設ける支持部材は単純な構造としたので
故障の可能性が少なく、メカニズム自体の保守作業は地
上で行なうことができるので、容易かつ安全になる。し
かも、取付が確実で、振動や停電により落下する危険が
ない。また、メカニズムの操作は、ロボットのマニピュ
レータによる把持動作のみで、その外の複雑、余分な動
作は要求しないので、照明器具の着脱作業が極めて簡単
になり、従って、照明装置の保守管理が容易になる。さ
らに、安価に実施することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における照明器具の取付状態
を示す側面図である。

【図２】同照明器具の内部メカニズムを示す図である。

【符号の説明】

１ … トンネル内壁面、 ２ … 支持金具、 ３ … 切欠
き凹部、 ４ … 係合孔、 ５ … 照明器具、 ６ … 固
定ピン、 ７ … 回動板、 ９ … ロックピン、10 … 押
圧子、 11 … スプリング、 15 … コネクタ、 16 …
レセプタクル。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) F21S 1/00 E21D 11/04 F21V 21/02 F21V 25/00

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 対向する一対の側面にそれぞれ突出した
   固定ピンと、把持手段により器具を把持しないときは内
   蔵する付勢手段により前記一対の側面からそれぞれ先端
   が突出し、把持手段により器具を把持すると前記付勢手
   段の付勢力が抑制されて前記先端が内部へ引っ込むロッ
   クピンとを備えた照明器具と、 照明器具設置部に設けられ、前記固定ピンを受ける切欠
   き凹部と前記ロックピンが係合する係合孔を有する支持
   部材と、 前記照明器具設置部近傍に配設され、前記照明器具が前
   記支持部材に支持されたとき照明器具に設けられた電気
   的接続手段と係合して前記照明器具に給電する給電手段
   と、 からなることを特徴とする道路トンネル用照明器具の取
   付装置。