JP2853005B2 - 内燃機関およびその製造方法 - Google Patents

内燃機関およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関(以下、単に
エンジンともいう)とその製造方法とに関するもので、
とくに、排気浄化手段としての排気ポートへの二次空気
の導入通路およびその形成方法を中心とするものであ
る。
【0002】
【従来の技術】自動車や自動二輪車用の内燃機関では、
排気を浄化する目的で排気ポート内に空気(二次空気)
を導入する方式がよく採用される。一酸化炭素(CO)
や炭化水素(HC)など、排気中に含まれる未燃焼成分
を、その二次空気により酸化(二次燃焼)させて浄化を
はかるのである。
【0003】図3は、そのような排気浄化手段を備えた
内燃機関についてシリンダヘッドの付近を示す断面図
で、特公昭63−2005号公報に記載されたものであ
る。シリンダ50と一体に組み付けられたシリンダヘッ
ド51のうちに排気弁57と吸気弁58とが配置され、
またそれらを開閉すべく、カムシャフト55aを含む動
弁機構55が構成されている。吸気弁58で開閉される
開口には、気化器(図示せず)やエアクリーナ(同)と
接続された吸気ポート54がつながり、排気弁57で開
閉される開口には、排気管(図示せず)やマフラー
(同)と接続された排気ポート53がつながっている。
そしてこの排気ポート53に対し、排気浄化のための二
次空気の導入通路60が接続されている。導入通路60
としては、シリンダヘッド51のうちに形成された導入
孔62のほか管63・65やリード弁64、さらには空
気制御弁(図示せず)やエアクリーナ(同。上記のと兼
用も可能)など、外部までの種々の構成部分が含まれ
る。排気弁57の開閉(すなわち排気の通過・停止)に
ともなって排気ポート53内の圧力は正・負に脈動する
が、その脈動圧の作用と、排気ポート53に向かう一方
向にのみ気体を通すリード弁64の作用とにより、導入
孔62などを含む導入通路60を経て二次空気が開口6
0aより排気ポート53内に導入される。
【0004】なお、図3に転記したこの内燃機関は、上
記の公報によれば、シリンダ(気筒)ごとに二つずつ排
気弁57と排気ポート53とを有しており、それに合わ
せて二次空気の導入孔62や管63がシリンダあたり二
本ずつ形成されている。ただし、リード弁64や管65
・空気制御弁などの数がそれぞれ一つずつで足りるよう
に、三口型(入側が一口で出側が二口の形式)の特殊な
リード弁64が使用されている。図示の例のほか、1シ
リンダあたりに排気ポートがやはり二つ(もしくはそれ
以上)ある場合に、導入孔の形成等にともなう工数やコ
ストを削減するなどの目的で、排気ポートの一方のみに
二次空気の導入通路が形成される例もある。同じシリン
ダとつながる複数の排気ポートは排気弁(もしくは燃焼
室)からあまり離れないうちに合流するのが普通なの
で、一方の排気ポートに導入された空気でも、通常はす
ぐに他方へも流入して排気浄化の作用を果たすからであ
る。
【0005】また図4に、二次空気導入方式の排気浄化
手段を備える別の内燃機関についてシリンダヘッド71
の排気ポート73付近のみを示す。排気ポート73は、
シリンダの中心線cに近い箇所から屈曲しながらその中
心線cとほぼ直角の方向へ延び、その上部に排気弁およ
びその動弁機構のための取付け穴75が設けられてい
る。そしてその取付け穴75よりもややシリンダの中心
線c寄りの位置に、二次空気の導入通路となる導入孔8
2が形成されている。この導入孔82は、排気ポート7
3の屈曲部分の外側、つまりシリンダの上方(内燃機関
における上死点の向き)に開口80aをもち、中心線c
とほぼ平行に延びてリード弁(図示せず)等につながる
ものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上に紹介した従来の
内燃機関には、二次空気の導入通路に関連してそれぞれ
つぎのような不都合が存在する。
【0007】イ) 図3の内燃機関の場合は、1シリンダ
あたり排気ポート53が二つあることにともなって二次
空気の導入通路60も二組あるが、導入孔62や管63
を二つずつ形成するため、その分だけ製作に手間がかか
り工数・コストが高くなっている。導入孔62の形成は
一般的にはキリ穴加工によるが、冷却水の通路や排気弁
57の位置関係等によっては真っすぐな穴が通らず、シ
リンダヘッド51のうちの適当な箇所に当該導入孔62
を形成するのが困難な場合もある。また導入孔62が二
本だと、空気制御弁やエアクリーナまでの通路をすべて
二本にするか、図3の例のような特殊なリード弁64を
用いるなどして通路を一本に合わせるかする必要がある
が、いずれの場合にも相当のコストがかかる。
【0008】ロ) 一方、シリンダごとに二つ以上ある排
気ポートのうち前述のように一部のみに対して二次空気
の導入通路を形成するやり方は、図3の場合よりも製作
面では有利だが機能的には不利なことが多い。すなわ
ち、内燃機関が大型であるときなど各ポートが排気弁か
らかなり離れた位置で合流する場合に、排気の浄化効率
が十分でなくなる。各ポートが短い距離のうちに合流す
るなら、一部のポートに導入した二次空気がすべてのポ
ートの高温度の排気と混合されて効率よく二次燃焼が起
こるが、そうでなければ、混合時点での排気の温度が低
下して二次燃焼が起こりにくくなるからである。
【0009】ハ) 排気ポートのそれぞれに二次空気の導
入通路を形成する場合であっても、上記ロ)と同様の理由
により排気ポートでの導入孔の開口位置は排気弁に近い
ほど好ましいが、図3の内燃機関ではそれ(排気弁57
・開口60a間の距離)がやや遠く、したがって排気の
浄化効率について最適ではない。その点からは、むしろ
図4に示した例のように排気ポート73の最上流部分に
導入孔82の開口80aがある方が、二次燃焼が起きや
すく排気の浄化効率が高い。
【0010】ニ) しかし図4の例では、その導入孔82
の開口80aが排気の流れを乱して抵抗になり、排気が
スムーズでなくなるという不都合がある。排気ポート7
3の屈曲した外側(膨らみ側)の部分に開口80aがあ
いているので、排気ポート73に沿って曲がりながら流
れる排気が遠心力の作用でその開口80aに強く当たる
からである。
【0011】本発明は、1シリンダにつき排気ポートが
二つ以上ある内燃機関について、以上の不都合を解消せ
んとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の内燃機関は、1シリンダ(1気筒)あたり複数の排気
ポート(排気弁の直後の部分)を有するとともに、排気
ポートへの二次空気の導入通路を有する内燃機関であっ
て、同じシリンダにつながる複数の排気ポート間を接続
する連通孔と、その連通孔の一部と外部とを接続すべく
形成した導入孔とを含めて上記二次空気の導入通路を構
成し、かつ、シリンダヘッドのうち上記二次空気の導入
通路と点火プラグの取付口との間に、両者(すなわち二
次空気の導入通路と点火プラグの取付口)の間を通って
いて両者に接近する一本の冷却水通路を形成したもので
ある。
【0013】この内燃機関については、請求項2に記載
したように、上記の連通孔を同じシリンダにつながるす
べての排気ポートに接続し、かつ、上記の導入孔を1シ
リンダあたり一本のみ形成するとよい。また請求項3の
ように、各排気ポートに対して、カムシャフトの軸心と
平行な方向に上記連通孔を開口させるのが好ましい。な
お請求項4のように、上記の連通孔は、排気ポートなど
とともにシリンダヘッドのうちに鋳造成形にて形成する
とよい。
【0014】一方、本発明の請求項5の製造方法は、以
上のような内燃機関を製造する方法であって、上記の連
通孔を砂型中子を用いる鋳造成形によって形成したの
ち、その連通孔の一部とつながるようにキリ穴加工(ド
リルによる穴の加工)をすることにより上記の導入孔を
形成するものである。
【0015】
【作用】本発明の請求項1の内燃機関は、第一に、排気
ポートへの二次空気の導入通路の構成を容易にする。1
シリンダあたり二つの排気ポートがある場合を例にとっ
て説明すれば、両方の排気ポートが連通孔にて接続さ
れ、その連通孔の一部が導入孔を介して外部に通じるの
で、導入孔やそれ以降の管・リード弁等を含む導入通路
を一本のみとしても、両排気ポートへ二次空気が導入さ
れて効果的な排気浄化がなされるからである。この場
合、導入孔やそれに続く管の必要数が図3(前記公報)
の例の半分になることに加え、リード弁としても二口型
の最も簡単な形式のものが最小個数あればよい。排気ポ
ート間に形成する連通孔は導入孔に比べてかなり短いも
ので足りるため、導入通路の構成のために必要な工数お
よびコストが、以上によって相当に減少することにな
る。
【0016】請求項1の内燃機関ではまた、二次空気の
導入通路としての開口を、排気ポートのうちの任意の位
置に設けることができる。連通孔は排気ポート間をつな
ぐだけで足りるため、図4の例に倣い排気ポートの上方
(上死点の向き。以下同様)に開口させることもでき、
またそれ以外の方向、たとえば下方(下死点の向き。以
下同様)や側方(上方・下方とは直角な方向)に開口さ
せることもできるからである。そして導入孔も、このよ
うな連通孔のどこか一部につながるものであればよいた
め、その位置を比較的自由に決定できる。こうした点よ
り、本発明の内燃機関では排気ポートへの二次空気の導
入位置について、排気弁に近い位置(浄化効率上このま
しい)や排気の遠心力の方向と異なる位置(排気がスム
ーズでこのましい)など、最適な箇所を選定することが
可能である。
【0017】なお、この請求項1の内燃機関について
は、必ずしもすべての排気ポート間を接続する連通孔を
設けるものではない。たとえば排気ポートが四つあり、
隣接する二つの排気ポートは排気弁から短距離のうちに
合流するが他の隣接する二つは冷却水通路などとの関係
で合流までが遠いような場合、前者の二つについては一
方のみに導入孔を直接(つまり連通孔なしで)開口さ
せ、後者の二つに限って上記のとおり連通孔と導入孔と
を形成するのもよい。このように請求項1の内燃機関で
は、導入通路の形成容易性やコスト、あるいは排気の浄
化効率等の点で最も有利な態様を選択して、二次空気の
導入通路を設けることができる。
【0018】請求項2の内燃機関は、すべての排気ポー
トに対して一連に連通孔を形成し、かつ導入孔を一本の
み形成したものなので、上記したうちの典型的な作用を
発揮する。すなわち、1シリンダごとには排気ポートの
数にかかわらず導入孔が一本のみなので、導入孔を形成
しやすく、またそれ以降の管やリード弁を含む導入通路
の全体的な構成が極めて簡単である。すべての排気ポー
トが二次空気の導入通路とつながっており、しかも上述
のように同通路の開口は各ポートの最適な位置に設け得
るので、排気の浄化効率・排気流れの円滑性の面でも望
ましい。
【0019】請求項3の内燃機関ではとくに、排気ポー
ト内を排気が円滑に流れ、したがって機関出力の面で好
ましい。排気の流れが円滑であるのは、排気ポートに対
する導入孔の開口がカムシャフトの軸心と平行な方向に
設けられているからである。カムシャフトの軸心の方向
は排気ポートの上方ではなく、いわば側方に相当し、上
下面内で屈曲する排気ポートの膨らみ側(排気に作用す
る遠心力の方向)とは異なるのが一般的なので、その方
向にある開口によって排気が強く乱されることはないの
である。
【0020】内燃機関のうち通常いわゆるシリンダヘッ
ドの部分に設けられる上記の連通孔は、シリンダヘッド
が鋳造されたのちにドリルによるキリ穴加工で形成する
ことも不可能ではないが、請求項4のように鋳造成形に
よって形成するのがよい。連通孔は一つのシリンダにつ
いての複数の排気ポート間をつなぐものであればよい
が、シリンダヘッドの鋳造後にこれをキリ穴加工する場
合には、他の部分(シリンダヘッドの外壁や冷却水通路
など)にもドリルの侵入しろとしての穴が通じることに
なり、加工後に適宜フタをしなければならない(フタが
できない場合もあり得る)からである。請求項4の内燃
機関の場合には、連通孔とつながる不必要な穴があくこ
とがないので、のちにフタをする必要もない。また、鋳
造によれば連通孔を屈曲させることも容易なので、排気
ポート内に設ける開口を好適な位置に定めることができ
る。なお、連通孔につながる導入孔は、連通孔等と同時
に鋳造成形してもよいが、外部と接続されやすいシリン
ダヘッドの外壁や上下端面からキリ穴加工することも可
能である。
【0021】本発明の請求項5に記載した内燃機関の製
造方法では、鋳造成形することにより連通孔を形成する
ので、上記のように、フタなどが必要になる余計な穴が
あかないうえ、その開口を排気ポート内の望ましい位置
に設けることが容易である。また、その鋳造成形のため
に砂型中子を用いるのでコスト的にも有利である。な
お、そのようにして形成した連通孔につながる導入孔は
キリ穴加工によって形成するが、上述のとおり導入孔の
数は少なくて足りることから、この加工に要するコスト
も低い。
【0022】
【実施例】図1に本発明の一実施例を示す。この例は、
いわゆる4バルブ形式(1気筒あたりの排気弁・吸気弁
が二つずつある形式)の自動二輪車用高性能4サイクル
エンジンに関するものであるが、図1(a)・(b)・(c)
には、そのうちのシリンダヘッド1について1気筒相当
分の要部のみを示している。すなわち、図1(a)は一つ
のシリンダ(気筒)につながる二つの排気ポート3A・
3Bとそれらへの二次空気の導入通路10とを示す概念
図、同(b)はシリンダヘッド1の縦断面図(同(a)にお
けるb−b断面図)、そして同(c)は、排気ポート3A
・3B等の横断面図(同(b)におけるc−c断面図)で
ある。
【0023】図1(b)に示すようにこのエンジンのシリ
ンダヘッド1には、燃焼室2と排気ポート3・点火プラ
グ取付口4・動弁機構配置部5、ならびに冷却水通路6
などが一体に形成されている。図の右方にあたる部分に
は吸気ポートなどもあるが、図示は省略している(図3
参照)。排気ポート3のうち、燃焼室2への開口部であ
って排気弁(図示せず)が当たるバルブシート3aの部
分とそのすぐ下流の部分とは、図1(a)のように排気ポ
ート3A・3Bの二つに分かれており、100ミリ程度
下流ではじめて合流し、排気ポート3となっている。
【0024】以上のようなエンジンにおいて、排気浄化
のための二次空気の導入通路10をつぎのとおり設けて
いる。すなわち、シリンダヘッド1における二つの排気
ポート3A・3Bに対して、図1(a)のように両者間を
接続する連通孔11を設けるとともに、その中央付近か
ら外部へかけて二次空気導入用の導入孔12を一本のみ
形成する。導入孔12の一端は図1(b)のようにシリン
ダヘッド1の上端面にあるが、エンジンの組立後には、
この導入孔12を図示以外のリード弁や他の管など(図
3参照。ただし本例では導入孔12が一本なので単純な
一系統のみで足りる)を介して外部に接続し、全体とし
て導入通路10を構成するのである。図3の例と同様
に、排気ポート3A・3Bにおける排気圧力の脈動にと
もない、上記リード弁の作用で導入通路10から各排気
ポート3A・3B内へ外気が流入する。
【0025】シリンダヘッド1はアルミ合金からなる鋳
造品であるが、上記の導入通路10のうち連通孔11
は、このシリンダヘッド1の鋳造成形の際に同時に形成
した。つまり、排気ポート3(3A・3B)や冷却水通
路6などを成形するのと同様に砂型中子(図示せず)を
使用して連通孔11を形づくる。こうして中子を使用し
て鋳造により連通孔11を形成すると、ドリルによって
穴をあけるのと違って余計な延長部分が形成されず、図
1(a)・(c)のとおり任意の必要な部分のみにコンパク
トな穴を設けることができる。連通孔11についてはこ
の点に加え、排気ポート3A・3B間のみを接続すれば
よく、直接シリンダヘッド1の外側へ延びる穴とする必
要はないことから、各排気ポート3A・3Bにおける連
通孔11の(つまり導入通路10の)開口10aは、浄
化効率や排気の流れの面で好適な位置を選んで形成する
ことができた。つまり、図1(a)・(b)のように燃焼室
2(バルブシート3a)に極めて近く、かつ各排気ポー
ト3A・3Bの側方の位置に開口10aを設けた。開口
10aが燃焼室に近いと、放熱する前の高温の排気内に
二次空気が導入されて二次燃焼が促進され、排気が効率
的に浄化される。また「側方」とは、排気ポート3A・
3Bの長手方向でも上下方向すなわちシリンダの中心線
cの方向でもなく、カムシャフト(図3における符号5
5a参照)の軸心と平行な方向をいい、図示のように排
気ポート3A・3Bが屈曲する膨らみ側には相当しない
ため、ここに設けた開口10aは、遠心力を受ける排気
の流れを乱す作用が小さい。
【0026】そして上記連通孔11につながる導入孔1
2は、シリンダヘッド1を鋳造成形したのち、その上端
面からドリル(図示せず)を進めるキリ穴加工によって
形成した。真っすぐな導入孔12を一本のみ設ければよ
く、太さ(直径で約6ミリ)や長さ(約百ミリ)が極端
に大きくはないため、鋳造よりもキリ穴加工の方が簡便
だからである。
【0027】シリンダヘッド1において二次空気の導入
通路10を以上のように形成したので、このエンジンで
は、リード弁(図示せず)などを含めた二次空気導入の
ための構成が簡単になりそのコストが低いうえ、排気の
浄化効率が高い、排気抵抗が少なくて出力効率が高い
−といった利点がもたらされる。
【0028】つづく図2には、1シリンダあたり三つの
排気ポートがある内燃機関の例を示す。この図2は、シ
リンダヘッドの要部、すなわち同じシリンダに通じる排
気ポート23A・23B・23Cとそれらに対する排気
浄化用二次空気の導入通路30とを、図1(c)と同様の
角度から見た概念図である。
【0029】この例でも、すべての排気ポート23A・
23B・23Cに対する導入通路30をできるだけ簡単
に構成すべく、まず各排気ポート23A・23B・23
C間を連通孔31で接続したうえ、その連通孔31の一
部に接続して、外部へ通じる導入孔32を一本だけ形成
している。前記(図1)の実施例と同じく、連通孔31
については、キリ穴加工によると一部を塞ぐ必要性がと
もなうことから、砂型中子を用いる鋳造によって形成し
た。砂型中子によれば、図示のように屈曲し、かつ分岐
部分を有する連通孔31であっても容易に形成できる。
連通孔31をこのように任意に形成し得ることと、その
連通孔31のどこに導入孔32を接続してもよいことな
どから、導入通路30をシリンダヘッド内のどの部分に
通すか、またその開口30aを排気ポート23A・23
B・23C内のどの位置に設けるか−などについて、
比較的自由な設計・製作が可能である。
【0030】以上の点から、この内燃機関においても、
リード弁などを含む二次空気の導入通路30の全体を簡
単にしてそのコストを低くできるほか、排気の浄化効率
・排気抵抗等に関しても好適な構成が採用できる。
【0031】
【発明の効果】本発明の請求項1の内燃機関にはつぎの
ような効果がある。すなわち、排気ポートの数に比べて
導入孔の数が少なくなるので、排気浄化のための二次空
気の導入通路が、リード弁や他の必要な管を含めた全体
構成として簡単化され、製作期間の短縮やコストダウン
も可能になる。また、排気ポートにおける二次空気導入
通路の開口を、浄化効率上このましい排気弁に近い位置
や、排気の流れがスムーズになる側方位置などに任意に
選定して設けることができる。
【0032】請求項2の内燃機関では、シリンダあたり
の導入孔が最小本数でありながらも各排気ポートに二次
空気が導入されるので、導入通路の全体的構成が簡単で
あるとともに排気の浄化効率等もすぐれている。
【0033】請求項3の内燃機関ではとくに、導入孔の
開口が排気を乱しにくい位置にあって排気ポート内を排
気が円滑に流れるため、機関出力の向上に有利である。
【0034】請求項4の内燃機関は、容易にしかも任意
な経路で連通孔を形成できる。したがって、排気ポート
内の好適な位置にその開口を設けて排気の浄化効率や出
力性能を高めることも容易である。
【0035】請求項5に記載した内燃機関の製造方法に
よると、連通孔および導入孔の形成が容易で低コストな
うえ、排気ポート内の開口位置も任意に定めて排気の浄
化や出力向上を実現しやすいという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である内燃機関について、シ
リンダヘッドにおける1気筒相当分の要部を示す。すな
わち、図1(a)は1気筒分の二つの排気ポートとそれら
への二次空気の導入通路を示す概念図、同(b)はシリン
ダヘッドの縦断面図(同(a)におけるb−b断面図)、
同(c)は排気ポート等の横断面図(同(b)におけるc−
c断面図)である。
【図2】本発明の別の実施例を示す図で、シリンダヘッ
ドのうち1気筒分のシリンダに通じる三つの排気ポート
とそれらに対する二次空気の導入通路とを、図1(c)と
同様の角度から見た概念図である。
【図3】二次空気導入方式の排気浄化手段を備えた従来
の内燃機関について、シリンダヘッドの付近を示す断面
図である。
【図4】排気浄化手段を備える従来の別の内燃機関につ
いて、シリンダヘッドの排気ポート付近を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1 シリンダヘッド 3(3A・3B)・23A・23B・23C 排気ポー
ト 10・30 導入通路 10a・30a 開口 11・31 連通孔 12・32 導入孔
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F01N 3/34 F02F 1/42

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1シリンダあたり複数の排気ポートを有
    するとともに、排気ポートへの二次空気の導入通路を有
    する内燃機関であって、 同じシリンダにつながる複数の排気ポート間を接続する
    連通孔と、その連通孔の一部と外部とを接続すべく形成
    された導入孔とを、上記二次空気の導入通路のうちに含
    み、 シリンダヘッドのうち上記二次空気の導入通路と点火プ
    ラグの取付口との間に、両者の間を通っていて両者に接
    近する一本の冷却水通路を有することを特徴とする内燃
    機関。
  2. 【請求項2】 上記の連通孔が同じシリンダにつながる
    すべての排気ポートに接続され、かつ、上記の導入孔が
    1シリンダあたり一本のみ形成された請求項1に記載の
    内燃機関。
  3. 【請求項3】 各排気ポートに対し、カムシャフトの軸
    心と平行な方向に上記連通孔が開口した請求項1または
    2に記載の内燃機関。
  4. 【請求項4】 上記の連通孔がシリンダヘッドのうちに
    鋳造成形によって形成された請求項1〜3のいずれかに
    記載の内燃機関。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機
    関を製造する方法であって、 上記の連通孔を砂型中子を用いる鋳造成形によって形成
    したのち、その連通孔の一部とつながるようにキリ穴加
    工することによって上記の導入孔を形成することを特徴
    とする内燃機関の製造方法。
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