JP2852535B2 - 農園芸用土壌消毒剤 - Google Patents
農園芸用土壌消毒剤Info
- Publication number
- JP2852535B2 JP2852535B2 JP23921889A JP23921889A JP2852535B2 JP 2852535 B2 JP2852535 B2 JP 2852535B2 JP 23921889 A JP23921889 A JP 23921889A JP 23921889 A JP23921889 A JP 23921889A JP 2852535 B2 JP2852535 B2 JP 2852535B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- soil
- tmtt
- lime nitrogen
- test
- agricultural
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
- Fertilizers (AREA)
Description
アジアジン−2チオン(以下TMTTと称する)と石灰窒素
との混合物を有効成分として含有する農園芸用土壌消毒
剤に関する。
り、土壌病害の被害とともに極めて広範囲の作物に連作
障害を生じており、この解決が農業上重要な課題となっ
ていることは衆知の事実である。作物の土壌病害として
は、キュウリ、メロン、スイカなど、ウリ類の苗立枯
病、つる割病、白絹病、トマト、ナスなどの半身萎ちょ
う病、青枯病、ハクサイ、カンラン、カブなどの根こぶ
病、イチゴの萎ちょう病、萎黄病、タマネギの乾腐病、
花卉類の立枯病、球根腐敗病、リンゴ、桑の紋羽病など
がある。これらはどれをみても極めて防除困難なものば
かりで、特にカンラン、ハクサイ、カブなどに激甚な被
害を与え、かつ激しい連作障害を生じる根こぶ病などで
はこれに対して効果のすぐれた薬剤の開発が強く望まれ
ているのが現状である。
甚な被害を与えるつぎのような諸病害菌、すなわち、フ
ザリウム菌(Fusarium sp.)、ピシウム菌(Pythium s
p.)、リゾクトニア菌(Rhizoctonia sp.)、プラズモ
デイオフオラ菌(Plasmodiophora brassicae)のほか、
ネコブセンチュウ(Meloidogyne sp.)、ネグサレセン
チュウ(Pratylenchus sp.)などの土壌線虫の防除にも
極めて有効な土壌消毒剤であることは例えば特開昭57−
99503号公報によって知られている。TMTTは土壌に施用
することにより、適度の土壌水分と適度の地温があれ
ば、すみやかに加水分解してメチルイソチオシアネー
ト、ホルムアルデヒド、硫化水素、メチルアミンなどを
生成することが知られており、特にメチルイソチオシア
ネート、ホルムアルデヒド、硫化水素が前述の諸病害、
線虫、雑草に対する防除効果に関与している。TMTTの作
用特性として、前述のとおり処理後すみやかにガス化し
はじめるが、その蒸気圧は低く、長時間にわたって効果
が持続することにより充分な効果を発揮する。しかしな
がら、TMTTが充分な効果を発揮するためには、有効成分
にして10アール当り20〜30kgという多量の薬量を必要と
し、経済性に欠けるという実用上の欠点がある。さらに
土壌中での分解が不充分であったり、ガス抜きが不完全
な場合には著しい薬害を生ずるなどの難点がある。
造粒して得られる農園芸用土壌処理剤に関する発明が特
公昭46−21678号公報に開示されている。それによる
と、TMTTと尿素を混融、造粒すると残留性が大となりTM
TTの効果を高めることができ、その理由としては、「こ
の各粒子中に含まれている尿素は吸湿性が極めて大であ
るため、仮に土壌が毛管水の少ない乾燥状態であって
も、土壌粒子表面の吸着水および少量でも存在する毛管
水を吸引し本発明剤の粒子表面に水の皮膜を形成し、か
くして得られた部分的水封状態がTMTTの土壌残留性を大
にしているものと思われる。」と述べられている。確か
に土壌が乾燥している状態においては、TMTTの効果を高
める有効な発明であるが、TMTTの効果が最も発揮される
土壌の毛管水の充分存在する状態においては、TMTTとの
有意な差は現れないであろうことは予期される。また、
そのような土壌の水分が充分存在する条件は、消毒後に
定植または播種される植物に不可欠なものであり、潅水
は生産者の労働を惜しむところでは有り得ない。さらに
TMTTの土壌残留性を大にすることは、TMTTの薬害を助長
するものであり、本発明者らはこれとは全く発想を異に
する方法で問題の解決を試み、成功した。
としてカルシウムアナミドを約55%、遊離の生石灰を約
20%含む強アルカリ性の肥料であり、カルシウムシアナ
ミドの石灰を加算すると約60%のカルシウムを含んでい
る。主成分のカルシウムシアナミドは、肥料としての本
来の使用目的の他に動植物に対する作用活性から広い意
味での土壌改良の手段としても使用される。すなわち、
石灰窒素は肥料としての使用目的のほかに、一年性雑草
の防除、ウリ類、マメ類、アブラナ科野菜、ジャガイ
モ、サツマイモなどのネコブセンチユウの防除、土壌酸
性の矯正による土壌病害発生の軽減などに使用される。
有するものの、本剤単独の使用では防除困難な土壌病
害、特に根こぶ病、萎ちよう病、半身萎ちよう病、青枯
病などには実用的な効果は期待することができない。こ
のような欠点を補うべく石灰窒素プラス太陽熱利用の研
究もなされてはいるが、現状では実用上の労働力、太陽
熱利用のための効果が不安定であるなどの多くの問題点
をかかえている。
量で種々の土壌病害に対してすぐれた防除効果を発揮す
る土壌消毒剤を提供することである。
害、線虫に有効な土壌消毒用組成物の研究を実施した結
果、TMTTと石灰窒素とを巧みに配合することにより、そ
れぞれ異なった作用性を有する本混合組成物が、単一の
化合物では充分な効果を発揮し得ない前述の土壌病害に
対して極めてすぐれた防除効果を発揮すること、更には
極めて低薬量で相乗的に土壌病害を防除し得ることを発
見した。TMTTおよび石灰窒素をそれぞれ単独で散布する
ことは勿論知られているが、これらを混合組成物の形で
散布することはこれまで例がない。更にまた、従来、TM
TTは土壌中で加水分解してガス化し効果を発揮するが、
その主要活性成分であるメチルイソチオシアネートは土
壌中にアンモンアが多く存在すると反応してモノメチル
ウレアとなり、不活性化するため窒素質肥料との同時処
理は効果低減を招くとされてきた。しかしながら、本組
成物はこのような低減効果は全く認められず、むしろ予
想をはるかに上回るすぐれた防除効果を示すことを発見
したことは特筆すべきことである。
な土壌消毒が切望されている現状下にあって、このよう
な驚くべき低薬量で土壌消毒効果のある本組成物は投与
量の低減を可能にし、必然的に土壌消毒を低廉な防除費
用で実施可能にする経済的利点は極めて大きい。加えて
かかる低薬量化は現今の環境問題の面からも望ましく、
また、農作物に対する薬害軽減、使用上の安全性を増す
点からも本組成物の有用性は極めて高いものといえる。
例を記載するが、製剤例中のそれぞれの配合割合は、好
ましくは、TMTT10〜40重量部に対し、石灰窒素20〜60重
量部である。勿論この配合割合は広い範囲で変えうるも
のであり、また、添加物、補助剤も以下記載のものの他
広範囲に変え得ることはいうまでもない。
干例を記載する。文中の部および%はすべて重量基準で
ある。
以上)60部、ベントナイト10部、クレー5部をよく混合
しこれに重油5部を噴霧しよく混合する。この粉状物を
圧縮式造粒機で整型し、軽く破砕した後、篩分して径1
〜1.5mmのTMTTと石灰窒素の不定形粒剤を得た。
に、予め乾性油25部にTMTT15部を加えて湿式粉砕した懸
濁液を吹き付け、粒状石灰窒素の表面にTMTT粒子を付着
させ、TMTTと石灰窒素の混合粒剤を得た。
以上)60部を混合し、これに飛散防止のために重油5%
を全体によく噴霧し、更によく混合してTMTTと石灰窒素
の混合粉剤を得た。
害に対するすぐれた防除効果ならびにその特性について
更に詳細に説明する。
a brassicae Woronin)の休眠胞子を接種した。殺菌土
(胞子密度1×106 spores/ml土壌)300mlを用いた。供
試薬剤としてTMTT粉剤、石灰窒素粉剤、PCNB粉剤も供試
した。供試した粉剤はそれぞれ所定量の薬量を深さ5cm
の土とよく混和し再充填した。区制は1区1鉢(6苗)
3連制とした。処理後は鉢表面が極度に乾燥しない程度
に水を噴霧し、適湿を保たせて、7日後に白菜種子(品
種:王将)を播種した。
を 0 :こぶの形成が見られない I :側根のみにこぶの形成が見られ、その肥大の程度
が軽い II :主根あるいは側根、または両方に中程度のこぶの
形成が見られる III :主根あるいは側根、または両方に大きなこぶの形
成が見られる の4段階に分け、Williamsらの方法により根こぶ形成度
を算出し、防除価を算出した。すなわち、 根こぶ形成度=(I×10+II×80+III×100)/全調
査苗数 防除価=(1−処理区の根こぶ形成度/無処理区の根
こぶ形成度)×100 防除価の理論値は(a+b−ab)×100で表した。た
だし、a、bは各剤の防除価/100である。
た。
る、有効成分として、3,5−ジメチルテトラヒドロ−2H
−1,3,−5−チアジアジン−2−チオンを98%含有する
粉剤である。
る、有効成分として、カルシウムシアナミドを55%含有
する粉剤である。
有効成分としてペンタクロルニトロベンゼンを20%含有
する粉剤である。以下同様である。
た。混合剤は製剤例1の粒剤である。なお、防除価など
の算出方法は試験例1と同様であり、その結果は第2表
に示すとおりである。
効成分として3,5−ジメチルテトラヒドロ−2H−1,3,5−
チアジアジン−2−チオンを98%含有する微粒剤であ
る。
工接種したうえで白菜を一作し、その罹病根をすき込む
ことによって発病を均一にした試験圃場を用いた。各区
の境には深さ約20cmまで波板をうめ込み、処理薬剤およ
び菌の移動を防いだ。
理し、深さ約10cmの土壌をよく混和し、8月20日にガス
抜きのため再混和、8月21日に小カブ(品種、タカネコ
カブ)を播種した。その他は一般管理とした。1区2
m2、3連制。無被覆。
為に抽出し、発病株率、根こぶ形成度、収量などについ
て調査した。なお、根こぶ形成度などの計算は試験例1
に準じて行った。
粒剤および比較薬剤を所定量処理し、直後にロータリー
で混和した。7月3日にロータリーでガス抜きおよび耕
起を行い、7月15日に白菜種子を播種(品種、ハヤミド
リ2号)した。その他は一般管理とした。
為に抽出し調査した。調査方法その他は試験例3に準じ
た。
f.sp.raphani)の土壌フスマ培養菌を200g/m2混和接種
した上で大根を一作し、均一な発病条件とした。
理し、深さ約15cmの土壌と良く混和し、ポリエチレンシ
ートで被覆を行った。5月13日に被覆をとり除きガス抜
きのため再混和、5月20日大根(耐病総太り)を播種し
た。その他は一般管理とした。
発病程度を調査し、防除価を求めた。
る、有効成分として、カルシウムシアナミド60%を含有
する粉剤である。
a)汚染土壌に所定量の薬剤を処理し、ビニール袋に入
れ、よく混和したのち、ビニール袋を密封し5日間放置
した。その後、土壌を10×10×10cm2のプラスチックポ
ットに移し、ガス抜きのため5日間放置した後、トマト
(品種、ポンテローザ)を播種した。播種34日後に各区
30株について、根こぶの着生程度を0:根こぶ着生なし〜
3:根こぶ着生多、の4段階で調査し下記のようにして防
除価を求めた。
分単独では充分な効果を発揮し得ない種々の土壌病害に
対して極めてすぐれた防除効果を発揮する。しかも相乗
的に作用して極めて低薬量で土壌病害を防除することが
できる。
Claims (2)
- 【請求項1】3,5−ジメチルテトラヒドロ−2H−1,3,5−
チアジアジン−2チオンと石灰窒素との混合物を有効成
分として含有することを特徴とする農園芸用土壌消毒
剤。 - 【請求項2】3,5−ジメチルテトラヒドロ−2H−1,3,5−
チアジアジン−2チオンの10〜40重量部と石灰窒素の20
〜60重量部とを有効成分の配合割合として含有する特許
請求の範囲第(1)項記載の農園芸用土壌消毒剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23921889A JP2852535B2 (ja) | 1989-09-14 | 1989-09-14 | 農園芸用土壌消毒剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23921889A JP2852535B2 (ja) | 1989-09-14 | 1989-09-14 | 農園芸用土壌消毒剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03101603A JPH03101603A (ja) | 1991-04-26 |
JP2852535B2 true JP2852535B2 (ja) | 1999-02-03 |
Family
ID=17041505
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23921889A Expired - Lifetime JP2852535B2 (ja) | 1989-09-14 | 1989-09-14 | 農園芸用土壌消毒剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2852535B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107778073A (zh) * | 2016-08-29 | 2018-03-09 | 海南禾之润农业科技开发有限公司 | 防治槟榔黄化病的复合制剂及其制备方法 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH053402U (ja) * | 1991-06-27 | 1993-01-19 | 新日本製鐵株式会社 | 座屈拘束筋かい部材 |
JP5848933B2 (ja) * | 2011-09-27 | 2016-01-27 | フマキラー株式会社 | 腹足類忌避剤 |
JP5848934B2 (ja) * | 2011-09-27 | 2016-01-27 | フマキラー株式会社 | 腹足類駆除剤 |
-
1989
- 1989-09-14 JP JP23921889A patent/JP2852535B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107778073A (zh) * | 2016-08-29 | 2018-03-09 | 海南禾之润农业科技开发有限公司 | 防治槟榔黄化病的复合制剂及其制备方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03101603A (ja) | 1991-04-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US3376126A (en) | Method for regulating plant growth | |
CN111990405A (zh) | 一种含有氟吡菌酰胺和Cyclobutrifluram的杀线虫农用组合物 | |
KR101697258B1 (ko) | 제독유황 분말 혼합물을 유효성분으로 함유하는 식물병 방제용 조성물 및 이의 용도 | |
KR870002072B1 (ko) | N-(2-클로로-4-트리플루오로메틸페닐)-3-트리플루오로메틸벤젠술폰 아미드 유도체의 제조방법 | |
CN1977614A (zh) | 杀灭土壤中有害病菌和病虫的农药及制备工艺和使用方法 | |
JP2852535B2 (ja) | 農園芸用土壌消毒剤 | |
JPS5926604B2 (ja) | 農園芸用殺菌組成物 | |
JPS5890504A (ja) | 植物土「穣」病原糸状菌殺菌剤 | |
RU2095391C1 (ru) | Композиция для обработки почвы | |
JPH0374201B2 (ja) | ||
EP1951044A2 (en) | Hydrogen cyanamide pesticide formulations | |
US3028304A (en) | Soil fumigation | |
JP3573827B2 (ja) | 土壌膨柔化促進材およびそれを用いる土壌改善方法 | |
CN111205135A (zh) | 用于防治植物根结线虫的增效剂和功能复合肥 | |
LU500136B1 (en) | Method for controlling Garlic Maggot with Combination of Lime Nitrogen and Microbial Inoculum | |
EP0965269A2 (en) | Method for improving a soil nematode fauna and a soil microflora | |
JP2533010B2 (ja) | 農業用副資材及びその利用方法 | |
US4096661A (en) | Method of increasing the growth of plants grown from seed | |
JPH11180807A (ja) | 土壌燻蒸組成物 | |
JPS63250306A (ja) | 農園芸用殺菌組成物 | |
JP2001316205A (ja) | 植物活力剤 | |
JP2001019958A (ja) | 植物連作障害防除用土壌処理剤 | |
JPH0122241B2 (ja) | ||
JP2010126470A (ja) | アブラナ科植物病害の防除方法 | |
US5461077A (en) | Use of perbromides to control diseases in plants |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 9 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071120 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081120 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 10 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081120 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091120 Year of fee payment: 11 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091120 Year of fee payment: 11 |