JP2851160B2 - 超弾性合金線材の製造方法 - Google Patents

超弾性合金線材の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、真直性の優れた超弾性合金線材の製造方法
に関するものである。
〔従来の技術とその課題〕
超弾性効果あるいは形状記憶効果を有するNi−Ti系合
金線材は、カテーテル用ガイドワイヤ、アクチュエータ
ー用材料、バネ材などの用途に広く使用されている。
これらの材料に用いられる合金線材は、上記の超弾性
効果などの特性の他にその特性を発揮し得るような線材
としてその真直性が要求される。
通常超弾性合金線材の真直性を得る製造方法として
は、直線状に或る大きさの張力をかけた状態で加熱炉中
に装入し加熱して直線状にする方法がある。
しかし、この方法では十分な真直性を得ることはでき
ず、特に加熱温度が低い場合(1次再結晶温度より低い
場合)においては矯正が不十分であり、また熱処理温度
が高い場合(1次再結晶温度より高い場合)では、その
ときにかける張力で線材が伸びてしまうことから線径が
細くなり、上記のバッチ式の場合においては十分な真直
性が得られない問題があった。
そこで図1に示すような通常の金属合金線材の矯正に
用いられる一般的なローラーレベラーを用いて超弾性合
金線材の矯正を行うことが考えられるが、次のような問
題がある。
図2に超弾性線材の負荷側のみの応力−歪線図を示
す。図のεはオーステナイト相の弾性歪、εは応力
誘起マルテンサイト変態による歪、εは応力誘起マル
テンサイト相の弾性歪、εは応力誘起マルテンサイト
相の塑性歪をそれぞれ示し、いわゆる超弾性特性を示す
領域εRmは εRm=ε+ε+ε であり、およそ10%位の回復歪を有す。また図3には負
荷および除荷の応力−歪線図を示す。
図2の如く超弾性記憶熱処理を施した合金線材の場
合、矯正加工に必要な負荷歪はεの領域となる。
したがって超弾性合金線材の矯正加工に必要な負荷歪
はおよそ10%以上となる。
このため線径dとローラーレベラーのロール径Dとの
比d/Dは一般の金属合金のときのd/Dより大きくする必要
があり、ローラ径Dは小さくしなければならない。
またNi−Ti系合金は耐力が通常の鋼線に比較して著し
く高いことから大きな張力をかけながらローラーレベラ
ーのロール間を通過させなければならない。
しかしこの大きな張力とロール径の関係からローラー
レベラーを設計するには種々の難しい問題がある。
また一度記憶熱処理を施したものに、再び塑性歪を入
れることになり超弾性特性を劣化させるという問題もあ
る。
さらに図4に示すように線材の矯正加工において曲げ
加工を受ける線材の表面部に導入される転位の応力場で
は応力誘起マルテンサイトが残留しており、オーステナ
イト相の界面にはこの変態歪による応力が蓄積され、結
果として内部応力の不均一性を招く問題もある。
一方伸線加工上り材を矯正加工する場合には、線材は
加工歪がはいっていることから10%の歪をかける必要は
ないが、スプリングバック量が大きいため依然としてd/
Dは一般の金属合金の場合より大きく、ローラーレベラ
ーの設計上問題がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、上記の問題について検討の結果なされたも
ので、一般の金属合金に使用される通常のローラーレベ
ラーを用いて線材に大きな加工歪を与えることなく、連
続的に真直性の優れた線材が得られ、しかも記憶熱処理
も同時に施すことが可能な超弾性合金線材の製造方法を
開発したものである。
〔課題を解決するための手段および作用〕
本発明は、Ni50.7〜53.0at%、残部Tiからなる合金線
材を150〜750℃の温度範囲でローラーレベラーにより熱
間矯正加工を施す超弾性合金線材の製造方法であって、
前記超弾性合金線材の線型dとローラーレベラーのロー
ル径Dとの比d/Dをd/D=3/1000〜5/100とすることを特
徴とする超弾性合金線材の製造方法である。また、Ni5
0.7〜53.0at%、Ti49.3〜47.0at%のNiまたは/およびT
iの一部をCr、Fe、Co、Mo、V、Pd、W、Cuの何れか1
種または2種以上を各0.01〜5.0at%の範囲で置換して
なる合金線材を150〜750℃の温度範囲でローラーレベラ
ーにより熱間矯正加工を施す超弾性合金線材の製造方法
であって、前記超弾性合金線材の線型dとローラーレベ
ラーのロール径Dとの比d/Dをd/D=3/1000〜5/100とす
ることを特徴とする超弾性合金線材の製造方法である。
すなわち本発明は、上記のNi−Ti合金或いはNiまたは
/およびTiの一部を上記の元素で置換したNi−Ti系合金
の超弾性線材を特定の温度範囲において熱間矯正加工す
ることにより通常のローラーレベラーを用いて真直性に
優れ、かつ加工歪の少ない線材が連続的に得られるよう
にしたものである。
また本発明は、上記の150〜750℃の温度の中でも特に
250〜750℃の温度域では矯正加工と同時に超弾性熱処理
を行うことができる効果がある。
そして上記の矯正加工に際して線材の線径dとローラ
ーレベラーのロール径Dとの比d/Dをd/D=3/1000〜5/10
0とすることにより、真直性の優れた線材が得られるも
のである。
本発明において合金組成を50.7〜53.0at%、残部Tiと
したのはNiが50.7at%未満では室温で超弾性特性を示さ
ず、Ni量が53.0at%を超えると伸線加工が困難になるた
めである。またNi 50.7〜52.0at%、Ti 49.3〜47.0at%
のNiまたは/およびTiの一部をCr、Fe、Co、Mo、V、P
d、W、Cuの何れか1種または2種以上で各0.01〜5.0at
%の範囲で置換するのは、これらの元素は上記した超弾
性特性を阻害せず、加工性、引張り強さ、耐食性などの
向上に寄与するからであり、0.01at%未満では上記の特
性の効果が少なく、5.0at%を超えると加工性が悪くな
るからである。
本発明の製造方法において矯正加工の温度範囲を150
〜750℃としたのは、この範囲において矯正加工を施す
ことにより線材に十分な真直性を与えることが出来、特
に250〜750℃に範囲においては同時に直線記憶熱処理が
施されるというコスト的なメリットもあり、150℃以下
では上記の真直性が不十分であり、750℃を越えると急
激に変形抵抗が小さくなり矯正加工中の張力によって線
径の変革が起こり易く張力のコントロールが難しくなる
ばかりか、特に大気中で行う場合は徒に厚く酸化皮膜を
付けるだけとなり不適切である。
次に矯正対象の線材の径dと矯正用レベルのローラ径
Dとの比d/Dを d/D=3/1000〜5/100 としたのはこの範囲で矯正加工で施すことにより線材に
十分な真直性を与えることが出来るからであり、d/D<3
/1000では上記の真直性が不十分であり、d/D>5/100で
はローラーレベラーの設計上に問題を来たし、ロール径
を小さく設計しなければならないこと及び大きな張力が
線材にかけなければならなくなりそのためにロール軸の
たわみが起こる等の問題があるからである。
〔実施例〕
以下に本発明の一実施例について説明する。
表1に示す組成のNi−Ti系合金線材の線径の異なるも
のについて図1に示すローラーレベラーを用い、矯正温
度とd/Dを変えて熱間矯正加工を行った。そして超弾性
特性、線径の変化性、加工性、真直性及びwhipping性を
調べ表1に併記した。なお超弾性特性、線径の変化性、
真直性及びwhipping性の試験方法と評価方法は下記の通
りである。
(*1)超弾性特性 図3において負荷歪8%まで負荷した後、応力が0に
なるまで除荷して、その時残留する歪εが、 ε<0.1% : ○ 0.1%≦ε<0.2% : △ 0.2%≦ε : × (*2)線径の変化性 矯正加工前の線径がd0に対して矯正加工後の線径d1
変化率((d0−d1)/d0)が (d0−d1)/d0<2%: ○ 2%≦(d0−d1)/d0: × (*3)直真性及びwhipping性 矯正加工後の真直性はwhipping性として評価すること
が出来る。このwhipping性とは図5の線に線径dの矯正
加工後の線材を直径Dのループ状に1巻きないし数巻し
た状態のパイプ内径5dのパイプ内に通し片端に回転トル
クを与えた時、反対側の片端から出ている線材がスムー
ズに回転する特性をいう。
(ただしDはD/d=200とする) トルクの伝達性 whipping性 スムーズ ○ スムーズでなくひっかかる感じ × 表から明らかなように、No.6、No.16、No.46、はいず
れも成分のNiが少ないため、またNo.7、No.17、No.47は
Niが多いため超弾性特性が悪い。Niの多いものは加工性
も良くない。
またNo.8、No.18、No.48は、矯正温度が高過ぎるため
線径の変化が大きく、No.9、No.19、No.49は温度が低過
ぎて真直性及びwhipping性が悪い、さらにNo.10、No.2
0、No.50はd/Dが小さ過ぎるため真直性及びwhipping性
が悪い。
これに対し、No.1〜5、No.11〜15、No.41〜45のよう
に本発明の条件を満すものは、いずれも良好な特性を示
す。
〔効果〕
以上に説明したように本発明によれば、比較的簡単な
方法により連続的に真直性の優れた超弾性合金線材が得
られるもので工業上顕著な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明に用いられるローラーレベラーの概略図、
図2は超弾性合金線材の応力−歪特性を示すグラフ、図
3は超弾性合金線材の負荷及び除荷の応力−歪線図、図
4は、ローラーレベラー矯正加工の際の線材の歪を示す
図、図5は線材の真直性及びwhipping性の試験方法を示
す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22F 1/10 C22F 1/18 B21F 1/02 B21D 1/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Ni50.7〜53.0at%、残部Tiからなる合金線
    材を150〜750℃の温度範囲でローラーレベラーにより熱
    間矯正加工を施す超弾性合金線材の製造方法であって、
    前記超弾性合金線材の線型dとローラーレベラーのロー
    ル径Dとの比d/Dをd/D=3/1000〜5/100とすることを特
    徴とする超弾性合金線材の製造方法。
  2. 【請求項2】Ni50.7〜53.0at%、Ti49.3〜47.0at%のNi
    または/およびTiの一部をCr、Fe、Co、Mo、V、Pd、
    W、Cuの何れか1種または2種以上を各0.01〜5.0at%
    の範囲で置換してなる合金線材を150〜750℃の温度範囲
    でローラーレベラーにより熱間矯正加工を施す超弾性合
    金線材の製造方法であって、前記超弾性合金線材の線型
    dとローラーレベラーのロール径Dとの比d/Dをd/D=3/
    1000〜5/100とすることを特徴とする超弾性合金線材の
    製造方法。
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