JP2851051B2 - 鮮度保持剤 - Google Patents

鮮度保持剤

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JP2851051B2
JP2851051B2 JP63320018A JP32001888A JP2851051B2 JP 2851051 B2 JP2851051 B2 JP 2851051B2 JP 63320018 A JP63320018 A JP 63320018A JP 32001888 A JP32001888 A JP 32001888A JP 2851051 B2 JP2851051 B2 JP 2851051B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は鮮度保持剤とそれの利用法に関するものであ
る。さらに詳しくは、本発明は結晶質のアルミノ珪酸塩
(ゼオライト)または非晶質のアルミノ珪酸塩(以下AM
ASと略記する)を母体として、これに殺菌作用を有する
銀または亜鉛、ならびに両者を複合結合させて構成され
る鮮度保持剤とそれの野菜、果物(青果物)および魚貝
類等の鮮度保持への利用法を述べたものである。
[従来技術] 食品、野菜、果物、果物(青果物)および魚貝類や飼
料等の鮮度保持に関する研究は、現在、各地で行われて
いる。本発明者も、鮮度保持を目的として、青果物、生
鮮物、魚貝類等を防菌・防臭化して老化や腐敗を防止し
長期保存に耐え、これらの鮮度が好ましい状態で持続さ
れるよう種々研究を重ねた来た。その結果、結晶質のア
ルミノ珪酸塩(ゼオライト)またはAMASに殺菌作用を有
する銀または亜鉛、ならびに両者を複合して構成される
鮮度保持剤は野菜、果物(青果物)等より発生するエチ
レンガスを吸着したり、またこれらに付着した腐敗菌の
活動を抑制したり、または死滅させるために防菌・防臭
効果があり、これらの老化〜腐敗に基づく品質の劣化を
最少限に抑制するので、鮮度保持に非常に有効であるこ
とを見出して本発明に到達した。以下本発明の細部を述
べる。
本発明は殺菌作用を有する銀または亜鉛、ならびにに
前記の両者を安定に保持したアルミノ珪酸塩(ゼオライ
トまたはAMAS)よりなる鮮度保持剤を提供するものであ
る。即ち一般式 で表わされる結晶質のアルミノ珪酸塩(ゼオライト)中
のイオン交換可能な金属(M)の一部または全部を殺菌
作用を有する銀および亜鉛の金属イオンよりなる群より
選ばれた1種または2種の金属イオンで置換してなる抗
菌能を有する鮮度保持剤を本発明は提供するものであ
る。本鮮度保持剤は無機物質であり、結晶質である。但
し上記一般式中の係数x=1.0±0.3、y=1.4〜1.5、z
は水の分子数、nは原子価、およびMは銀ならびに亜鉛
を除く1価〜3価陽極イオン(例:Na+,NH4 +,K+,Ca
2+,Mg2+,Fe2+,Cu2+)を表わしてある。また、前記と
同一の一般式で表わされる非晶質のアルミノ珪酸塩(AM
AS)中のイオン交換可能な陽イオン(M)の一部または
全部を殺菌作用を有する銀および亜鉛の金属イオン群よ
り選ばれた1種または2種の金属イオンで置換してなる
抗菌能を有する鮮度保持剤をも本発明は併せて提供する
ものである。本鮮度保持剤は無機物質であり、非晶質で
ある。
本発明の鮮度保持剤は、アルミノ珪酸塩(結晶質:天
然または合成ゼオライト)または非晶質のアルミノ珪酸
塩(AMAS)のイオン交換可能な部分(陽イオン交換基)
に殺菌作用を有する金属イオンの1種または2種を保持
させたものである。この場合、殺菌作用を有する金属イ
オンとしては既述のように、Ag+およびZn2+が使用され
る。これらの金属の単独または複合型が本発明に使用さ
れる。野菜、果実等にミネラル成分を添加する場合は、
予め、アルミノ珪酸塩の抗菌化に際してカルシウム等の
ミネラル成分のアルミノ珪酸塩への保持を同時に実施し
てもよい。本発明の素材に使用するゼオライトは三次元
的に発達した骨格構造を有する結晶質のアルミノ珪酸塩
であって、比表面積(SSA)の大きな、細孔の発達した
多孔質のものが好ましい。例えばゼオライトとしてはSS
A≧150m2/gが好ましく、またゼオライト構成成分のSiO2
/Al2O3モル比は15以下、望ましくは11以下である。上
述の一般式で表わされるゼオライトのイオン交換容量は
yに反比例し、xに比例する。yが15以下のゼオライト
は必要とする殺菌性のAg+およびZn2+を保持するのに充
分なイオン交換容量と結合力を有し、かつAg+またはZn
2+と上記のように限定したゼオライトとのイオン交換反
応も迅速に行われる利点がある。一方yの増大とともに
ゼオライトのイオン交換容量は次第に減少し、例えばy
>15のゼオライトでは、それのイオン交換容量もyの増
大とともに減少し、また上記の抗菌金属イオンのゼオラ
イト固相内の拡散速度も次第に遅くなるので所定量の抗
菌金属の保持に長時間を要する欠点がある。従って本発
明で使用する母体としてはy>15のゼオライトは物性的
に見ても不適当である。かゝる理由に基づいて本発明で
使用するゼオライト母体としてはSiO2/Al2O3モル比15
以下と限定している。具体的には、合成ゼオライトとし
てA型ゼオライト(SiO2/Al2O3=1.4〜2.4)、X型ゼ
オライト(SiO2/Al2O3=2〜3)、Y型ゼオライト(S
iO2/Al2O3=3〜6)、P型ゼオライト(SiO2/Al2O3
=2〜5)、モルデナイト(SiO2/Al2O3=8〜10)等
が本発明の素材として好ましいものとして例示される。
一方天然ゼオライトとしてはアナルシン(SiO2/Al2O3
=3.6〜5.6)、チヤバサイト(SiO2/Al2O3=3.2〜6.
0)、クリノプチロライト(SiO2/Al2O3=8.5〜10.
5)、エリオナイト(SiO2/Al2O3=5.8〜7.4)、フオジ
ヤサイト(SiO2/Al2O3=4.2〜4.6)、モルデナイト(S
iO2/Al2O3=8〜10)等はSSAも大であるので、本発明
のゼオライト母体として好適なものとして例示される。
上記の天然または合成ゼオライトは粉末〜粗粒子状が
好ましく、これとAg+またはZn2+、またはこれら両者の
混合イオンのイオン交換が実施されて、抗菌金属の必要
量がゼオライト固相に保持され本発明の鮮度保持剤が調
製される。より具体的には、上記のゼオライト素材とし
て水溶性の抗菌金属塩類(例:硝酸銀、硝酸亜鉛)また
は前記塩類の混合液とのイオン交換をバッチ法またはカ
ーラム法で実施して所定量の抗菌金属をゼオライト相へ
固定させればよい。金属微量要素(例:K,Ca,Mg,Mn,Co,N
i)やカルシウム等のミネラル成分を抗菌金属とともに
ゼオライト相へ保持させる場合は、上記の抗菌金属含有
塩類水溶液に、さらに金属微量要素やミネラル成分含有
水溶液を加えてイオン交換を実施すればよい。上記のイ
オン交換に際して所定量の抗菌金属のゼオライト相への
保持はゼオライト素材の使用量および交換液である塩類
水溶液の濃度、温度、時間等を調節して実施すればよ
い。イオン交換を終了後、抗菌性金属を保持したゼオラ
イト相は過され、引続き水洗されてゼオライト固相中
の過剰の抗菌金属が除去される。次いで水洗済みのゼオ
ライト相は100°〜110℃付近で乾燥されて鮮度保持剤が
最終的に調製される。通常の場合、ゼオライト系を母体
とした本発明の鮮度保持剤中の抗菌金属含量は、無水基
準で、銀含有時は0.01〜12%、また亜鉛含有時は0.5〜1
6%が適量の範囲である。さらに銀および亜鉛の2種の
抗菌金属含有時はそれの総量が20%以下(無水基準)が
通常の適量の範囲である。
次に本発明の抗菌能を有するAMAS系の鮮度保持剤の母
体に使用される非晶質のアルミノ珪酸塩(AMAS)は、前
述したように、 〔X=1.0±0.3,y=1.4〜15、Xは水の分子数、nは原
子価、およびMは銀ならびに亜鉛を除く1価〜3価陽イ
オン(例:Na+,NH4 +,K+,Ca2+,Mg2+,Fe2+,Cu2+
を表わす〕の一般式で表わされるが、これに対する銀ま
たは亜鉛、あるいは両者のAMAS相への保持は、前述のゼ
オライトと抗菌金属イオンとのイオン交換に準じて実施
すればよい。抗菌能を有するAMAS系の鮮度保持剤中の抗
菌金属量は無水基準で、銀含有時は0.01〜9%、また亜
鉛含有時は0.5〜10%が適量の範囲である。さらに銀お
よび亜鉛の2種の抗菌金属含有時は、それの総量が13%
以内(無水基準)が通常の適量の範囲である。
本発明の構成素材に使用されるゼオライトおよびAMAS
は人畜に対して無害であり、何れも、極めて安全性の高
い物質である。素材の制酸効果を利用して、これらは制
酸剤に既に使用されている。安全なゼオライトやAMASを
使用して前述の方法で抗菌化して得られる本発明の鮮度
保持剤の安全性は極めて高い特徴がある。例えば、抗菌
能を有する本発明のAMASまたはゼオライト系の鮮度保持
剤の急性経口毒性は殆ど見られず、皮膚刺激性も極めて
弱く、また変異原試験では、突然変異誘起性は陰性であ
る。
次に本発明の鮮度保持剤の具体的使用法について述べ
る。本発明の抗菌剤を有するAMASまたはゼオライト系の
鮮度保持剤は粉末、粗粒子、または成型して球状、ペレ
ット状等の形状で使用される。勿論前記の2種の鮮度保
持剤はそれぞれ単独または混合して鮮度保持に使用可能
である。より具体的には本発明の鮮度保持剤を含有する
充填床に水を通過させて得られる床よりの流出液を用い
て野菜、果物(青果物)または魚貝類等を処理して鮮度
保持を実施すればよい。上記床よりの流出液は処理槽を
通過させた後、鮮度保持剤充填床に再循環させて繰返し
使用すればより効果的であり、また経済的である(後述
の第1図参照)。また上記の充填床を使用する代りに、
鮮度保持剤を含む水を用いて、バッチ法で野菜、果物ま
たは魚貝類等を処理してもよい(後述の第2図参照)。
さらに本発明は、本発明の鮮度保持剤とオゾンとを併用
して鮮度保持を実施する方法も提供するものである。即
ち、前述の鮮度保持剤を含有する充填床に水を通過させ
て得られる床よりの流出液に、さらにオゾンガスを含有
させた溶液を用いて野菜、果物および魚貝類の鮮度保持
を実施する方法を提供するものである。処理済み液は再
循環させて使用すればより経済的である。上記の代り
に、鮮度保持剤とオゾンを含有させた溶液を用いてバッ
チ法による処理を実施してもよい。本発明の鮮度保持剤
とオゾンを併用することにより防菌・防臭効果はより効
果的に実施でき、汚物の除去や腐敗等も最少限に防止で
きるので、野菜、果物(果実)および魚貝類の輸送中の
鮮度保持も良好であることが確認されている。前記処理
をした野菜、果物(果実)および魚貝類は、輸送後に、
予め水洗してから市場へ出せば、これらの鮮度は可成り
の日数を要する輸送期間中でも好ましい状態に保持され
る利点がある。
上記の記載から明白なように、本発明は、前述の固体
状の鮮度保持剤を含有する充填床に、水を通過させて得
られる床よりの流出液、あるいはさらにオゾンを含めた
該流出液よりなる液体状の鮮度保持剤をも提供する。
本発明を具体的に実施する場合のフローシートを第1
図に示した。8は処理槽であり、7は仕切板である。野
菜、果物(青果物)、魚貝類等は処理槽に投入され、一
定時間保持されている。本発明の抗菌能を有するゼオラ
イト系またはAMAS鮮度保持剤は4の充填塔に充填されて
いる。1は水の投入口であり、水は2のフィルターを通
過した後3の水貯槽に貯えられる。次に水は充填塔を通
過してから処理槽に入れられる。水は一定時間処理槽で
滞留された後、9および6のフィルターを通過した後充
填塔にもどり再循環される。pはポンプ、5は流量計を
示す。鮮度を保持させるために本発明の鮮度保持剤とオ
ゾンを併用する場合は、10のオゾン発生器よりのO3ガス
を充填塔よりの流出液と混合して使用すればよい。11は
気液混合装置を示す。また上記の充填床を使用する代り
に、例えば、第2図に示したような簡単なプラスチック
容器を用いて野菜、果物(果実)、魚貝類等を処理すれ
ばよい。1は容器、2は本発明の鮮度保持剤を入れた不
織布等のバグを示す。3は蓋を示す。容器中には水と鮮
度保持を目的とした対象物を入れ一定時間保持すればよ
い。時々撹拌または振とうを実施すればより効果的であ
る。上記の容器中の水にさらにオゾンを溶存させて使用
してもよい。
本発明の銀または亜鉛を含有するゼオライト系または
AMAS系の鮮度保持剤を充填した塔(第1図参照)に細菌
を含む水(井戸水または水道水)を通過させた場合、塔
よりの流出水中の細菌数は極端に減少する。例えば、2
〜3%銀を含有するゼオライト系またはAMAS系の保持剤
層を通過した水中の細菌はほゞ0であり、例えば大腸菌
は完全に0になり、24時間経過時点で、依然として流出
液中には大腸菌の発生を見ない利点がある(実施例−3
参照)。従ってかゝる処理水を使用すれば目的物の防菌
が可能で、ひいては腐敗や劣化等も防止でき、より長く
鮮度が維持できる利点がある。例えば第1図または第2
図に示した方法で野菜、果物(果実)、魚貝類等の鮮度
保持を実施する場合は、処理層中のAg+濃度は2〜60ppb
(Agを含有するAMASまたはゼオライト系鮮度保持剤を使
用時)が好ましく、またZn2+濃度は10〜400ppb(Znを含
有するAMASまたはゼオライト系鮮度保持剤を使用時)が
好ましい範囲である。第1図に示したような原理で鮮度
保持のための処理を実施して溶出液や処理層液中の抗菌
金属を上記の範囲に保持することは容易である。
次に本発明の実施の態様を実施例により説明する。実
施例−1に於ては本発明の鮮度保持剤の抗菌力試験とし
て発育阻止帯の形成試験が行われた(表−1)。本試験
に際しては、 表示した抗菌金属を含有しているAg−mordeniteの乾燥
粉末〔Ag=2.31%(無水基準)〕、AgZn−Xtype zeolit
eの乾燥粉末〔Ag=2.73%;Zn=4.85%(無水基準)〕お
よびZn−Atype zeoliteの乾燥粉末〔Zn=11.14%(無水
基準)〕の3種が使用された。上記3種の鮮度保持剤を
それぞれ約50mg/mlの濃度に懸濁しディスク(直径13m
m)にしみこませた。被検菌はリン酸緩衝液に108個/ml
になるように浮遊させ培地にそれの0.1mlコンラージ棒
で分散させ、被検ディスクをその上にはりつけた。培地
として、細菌に対してはMueller Hinton 2(BBL)。ま
たは真菌(カビ)に対してはSabouraud Dextrose Ager
(BBL)が用いられた。表−1に示したように、Ag−mor
deniteはEscherichia coliやStaphylococucs aureusの
細菌に対して阻止帯の形成が認められ、一方Aspergillu
s nigerに対して阻止帯の形成が確認された。AgZn−Xty
pe zeolite使用時はPseudomonas aeruginosaやAspergil
lus nigerに対して好ましい発育阻止帯が形成された。
さらにZn−Atype zeoliteを用いてStaphylococcus aure
usに対する阻止帯の形成が認められた。これらの試験よ
りもの本発明の鮮度保持剤は抗菌力を発揮していること
は明白である。
実施例−2は本発明の鮮度保持剤の抗菌力試験とし
て、シェークフラスコ法により、一定時間経過後の生存
している胞子数(No./ml)が測定された(表−2)。表
記の組成を有するAgZn−Atype zeolite乾燥粉末10mg/ml
懸濁液を用いてAspergillus nigerに対する抗菌力を試
験時は、試験開始時の胞子数は7.3×104個/mlである
が、6時間経過後には完全に死滅していることが分る。
一方、表記組成のAgZn−AMAS乾燥粉末(モル比SiO2/Al
2O3=2.51;非晶質)を用いて、AgZn−Atype zeolite乾
燥粉末と全く同様な方法で試験した場合、Aspergillus
nigerの生存している胞子数は2時間経過後は0であ
り、全く死滅していることが分る。
実施例−3は本発明の鮮度保持剤の充填床へ、大腸菌
(Escherichia coli)104個/mlを含有した人工水を通水
して菌の減少を試験した場合を示すものである。後述の
実施例−5と同一の鮮度保持剤〔Ag−mordenite,1/16″
pellet;Ag=2.69%(無水基準);モル比SiO2/Al2O3
=10〕をI.D−20mmのガラスカーラムに充填し床高を50m
mに保った。これに上記の人工水を25ml/minの流速で通
過して床よりの流出液中の大腸菌の菌数や銀濃度が測定
された。
結果を表−3に示したが、全流出液量が50lに到達時
の銀濃度は9ppbであり、大腸菌は検出されなかった。全
流出液量が100lに達した際の銀濃度は10ppbであり、流
出液中には大腸菌は依然見出されなかった。
実施例−4は本発明の鮮度保持剤を用いてオクラの鮮
度保持試験を実施した例を示したものである。即ち第2
図に示したような容器を用いてバッチ法による試験が行
われた。本試験に於ては、水道水(pH=6〜7)が100
l、およびオクラ約400kgが容器に投入された。鮮度保持
剤としてはAg−mordenite〔Ag=2.31%(無水基準);
天然のモルデナイト;モル比SiO2/Al2O3=10〕の粗粒
子(10〜30メッシュ)が使用され、これは4ケのバグ
(1ケ当りの不織布の袋中の鮮度保持剤約100g)に分割
された。オクラは約3時間浸漬された(液温24℃〜26
℃)時々内容物は撹拌された。
上記処理を終了したオクラは処理槽より取り出されて
水切りが行われた。次に処理済みのオクラの無作為サン
プリングを実施して、オクラ中の銀含有量を原子吸光法
により定量してAg=31ppb(平均値)を得た。但し上記
の値は80℃で減圧乾燥したサンプルの分析値である。
処理済みオクラは水切り後、約3週間保存されたが、
この間鮮度の劣化、変色、腐敗等は全く見られず、本発
明の鮮度保持剤はオクラに対して好ましい鮮度保持効果
を発揮することが確認された。前記約3週間の保存期間
を経過後、処理済みオクラは水道水中に約1時間浸漬さ
れ次いで水切りが行われた。オクラの無作為サンプリン
グを実施して、オクラ中の銀含有量を原子吸光法にによ
り定量してAg=25ppb(平均値)を得た。但し上記の値
は80℃で減圧乾燥したサンプルの分析値である。
実施例−4に於ては本発明の鮮度保持剤を用いてバッ
チ法によるオクラの鮮度保持試験が行われたが、別法と
して鮮度保持剤を含む水にさらにオゾンガスを溶存させ
て鮮度保持を実施してもよい。
実施例−5は本発明の鮮度保持剤とオゾン(O3)を併
用してオクラの鮮度保持試験を実施した場合を例示した
ものである。即ち第1図に示したような連続通水法によ
りオクラの鮮度保持試験が行われた。本試験開始に際し
て、鮮度保持剤〔Ag−mordenite 1/16″ pellet;Ag=2.
69%(無水基準);モルデナイト中のモル比SiO2/Al2O
3=10;充填量約1kg〕の充填塔4よりの流出液約120lと
オクラ約450kgが処理槽8に投入された。この場合オク
ラは処理槽の仕切板7をへだてて4分割して投入され
た。塔よりの流出液に対して、小型オゾン発生装置10よ
りのO3ガスが注入され、これはラインミキサー11により
混合された後、処理槽へ送られた。処理槽の液はポンプ
(p)を用いて約40l/minの流速で充填塔へ送られ再循
環された。なお処理槽の液温は24°〜27℃に、また液中
のオゾン濃度は9〜10ppmに保持された。処理槽で約10
分間処理されたオクラは取り出され、これの水切りが行
われた。次に水切りしたオクラの無作為サンプリングを
実施して、オクラ中の銀含有量を原子吸光法により定量
してAg=33ppb(平均値)を得た。但し上記の値は80℃
で減圧乾燥したサンプルの分析値である。
処理済みオクラは水切り後、約3週間保存されたが、
保存期間中、変色、鮮度の劣化、腐敗、悪臭等は全く見
られず、本発明の鮮度保持剤とオゾンを併用したオクラ
の処理法は優れた鮮度保持効果を発揮することが確認さ
れた。前記約3週間の保存期間を終了後、処理済みオク
ラは水に約1時間浸漬され、次いで水切りが行われた。
水切りしたオクラの変質は全く認められなかった。また
オクラの無作為サンプリングを実施して、この中の銀含
有量を原子吸光法により定量してAg=26ppb(平均値)
を得た。但し上記の値は80℃で減圧乾燥したサンプルの
分析値である。
本発明の方法にもとづいてオクラを処理した場合、処
理済みオクラ中のAg量は、最終的に、実施例−4では25
ppbであり、一方実施例−5では26ppbである。かゝる微
量のAgの存在は人畜に対して全く無害である。
本発明の鮮度保持剤は水に難溶であるが、これは電解
質であるため、水中では解離して抗菌性金属イオンを放
出する(例:Ag−mordeniteAg++[mordenite];AgZ
n−zeoliteAg++Zn2++[zeolite];AgZn−AMASA
g++Zn2++[AMAS]但し[]は母体を表わす)。放出
されたAg+やZn2+の抗菌イオンは、野菜、果物、および
魚貝類等へ細菌やカビ類をよせつけず、また上記に存在
している細菌類等の活動を抑えたりまたは直接死滅させ
る作用をする。また本鮮度保持剤はエチレンガスの吸着
にも効果的である。上記の作用にもとづいて野菜、果
物、および魚貝類等の変色、老化、腐敗等による品質の
低下を防止でき、長期に亘ってこれらの鮮度保持が可能
になると考えられる。さらに、本発明の鮮度保持剤に細
菌作用を有するオゾンを併用すれば、実施例に明示した
ように、好ましい効果が発揮される。
本発明を利用することにより、青果物、生鮮物の産地
より遠隔な消費他への輸送に際して、問題となる鮮度保
持の問題が解決する利点がある。
以上要するに本発明は新規な鮮度保持剤ならびにこれ
とオゾンとの併用を提案し、これらの利用法を述べたも
のであって本発明の鮮度保持効果は大きいものと確信す
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の鮮度保持剤またはこれとオゾンガスを
併用して連続通水により鮮度保持を実施する場合のフロ
ーシートの概要を示したものである。図中の記号につい
ては既に説明済みである。第2図は本発明の鮮度保持剤
またはこれとオゾンガスを併用してバッチ法による鮮度
保持を実施する場合の簡単な容器例を示したものであ
る。第2図中の記号については既に説明済みである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−154746(JP,A) 特開 昭61−247366(JP,A) 特開 平1−304871(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23L 3/358

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】銀、亜鉛、または前記の両者を保持し、Si
    O2/Al2O3モル比が15以下であるアルミノ珪酸塩を含有
    する充填床に、水を通過させて得られる床よりの流出液
    である、鮮度保持剤。
  2. 【請求項2】さらにオゾンを含む、請求項1記載の鮮度
    保持剤。
  3. 【請求項3】Ag+濃度が2から60ppbである、請求項1ま
    たは2記載の鮮度保持剤。
  4. 【請求項4】Zn2+濃度が10から400ppbである、請求項1
    または2記載の鮮度保持剤。
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