JP2850819B2 - チップ型固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

チップ型固体電解コンデンサの製造方法

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JP2850819B2 JP33163095A JP33163095A JP2850819B2 JP 2850819 B2 JP2850819 B2 JP 2850819B2 JP 33163095 A JP33163095 A JP 33163095A JP 33163095 A JP33163095 A JP 33163095A JP 2850819 B2 JP2850819 B2 JP 2850819B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チップ型固体電解
コンデンサの製造方法に関し、特に外部陽,陰極端子の
形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のチップ型固体電解コンデンサは、
図6に示すように、誘電体皮膜層、固体電解質層、陰極
金属層を形成してなるコンデンサ素子11に外部陰極端
子13を銀ペーストからなる導電性接着剤15にて接続
するとともに、コンデンサ素子11より導出した陽極リ
ード12を外部陽極端子14に抵抗溶接によって接続し
た後、素子11と外部陽,陰極端子14,13の一部を
エポキシ系の外装樹脂材16にてモールド成型し、モー
ルド樹脂材16から導出する外部陽,陰極端子14,1
3を折り曲げ成型して製造していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の従来
のチップ型固体電解コンデンサの製造方法では、コンデ
ンサ素子11をエポキシ系等の樹脂材16で外装するの
で、樹脂材16からの応力を受け、コンデンサの漏れ電
流が増大するという問題があった。また、樹脂厚の分だ
け製品が厚くなり、薄型化の妨げとなっていた。さら
に、外部陰極端子13を高価な銀ペーストからなる導電
性接着剤15で接続するため、コスト高になったり接続
の信頼性に問題があった。
【0004】本発明のチップ型固体電解コンデンサの製
造方法は、弁作用金属からなる陽極体に植立した弁作用
金属からなる陽極リードを金属帯板に電気的、機械的に
接続する工程と、陽極リード導出面に絶縁部材と外部陽
極端子を形成する工程と、陽極体に周面に誘電体皮膜
層、固体電解質層、外部陰極端子を構成する陰極金属層
を順次形成する工程と、陽極リードと外部陽極端子をレ
ーザ溶接あるいは抵抗溶接により電気的、機械的に接続
した後、陽極リードを切断する工程を含むとともに、前
記絶縁部材と外部陽極端子をインサート成型により同時
に形成することを特徴とする。
【0005】本発明の製造方法によれば、陽極体の周面
に形成された陰極金属層が外部陰極端子を構成するの
で、新たに外部陰極端子の取付けが不要になるため、銀
ペースト等の高価な導電性接着剤が不要になるととも
に、接着不良などの問題がなくなるので、接続の信頼性
が向上する。また、外部陰極端子と外部陽極端子を絶縁
する絶縁部材と外部陽極端子がインサート成型により同
時に形成されるため、端子の折り曲げ工程等がなくなり
経済的である。さらに、コンデンサ素子を樹脂外装しな
くてすむので、薄型化が可能になるとともに、樹脂の応
力で素子の誘電体皮膜が損傷し、漏れ電流が増大すると
いう問題もなくなる。
【0006】以下、本発明について、チップ型タンタル
固体電解コンデンサを例にして説明する。図1は、本発
明の製造方法によって得られたチップ型タンタル固体電
解コンデンサの縦断面図である。図において、1はタン
タル金属粒子の焼結体からなる陽極体、2はタンタル金
属線からなる陽極リード、3は耐熱性ポリイミド樹脂か
らなる絶縁部材、4は半田メッキを施した外部陽極端
子、5は五酸化タンタル皮膜からなる誘電体皮膜生層、
6はポリピロールからなる固体電解質層、7はグラファ
イト層,銀ペースト層,半田層からなり外部陰極端子を
構成する陰極金属層である。
【0007】以下、上記チップ型タンタル固体電解コン
デンサの製造方法について説明する。粒径がミクロンオ
ーダーのタンタル微粉末をプレス成型した陽極体1に、
タンタル金属線からなる陽極リード2を植立させる。次
に、1500℃以上の温度に設定した真空炉内にて焼結
させた後、図2に示すように金属帯板8に陽極体1を陽
極リード2を介して複数個固着する。次に、金属帯板8
に陽極体1を固着した状態で、インサート成型により陽
極体1の陽極リード2の導出面とその周辺部に、耐熱性
ポリイミドかなる絶縁部材3と表面に半田メッキを施し
た図3に示す断面コの字形の外部陽極端子4を同時形成
する。この際、絶縁部材3の厚みは、陽極対1の厚みと
ほぼ同一にし、陽極対1と絶縁部材3がほぼ同一面上に
なることが望ましい。
【0008】次に、金属帯板8に固着した陽極体1を
0.1vol%の燐酸水溶液中に浸漬し、1分間に1V
の昇圧速度にて陽極酸化を行い、厚さ約1,000オン
グストロームの五酸化タンタル皮膜からなる誘電体被膜
層5を形成する。次に、塩化第2鉄の20vol%メタ
ノール溶液に、陽極体1を浸漬し、陽極体1内部に含浸
させた後、温度50℃のオーブンにてメタノールを蒸発
させる。次に、10%のピロールモノマー溶液流に浸漬
し、固体電解質層6となるポリピロール層6を形成す
る。塩化第2鉄とピロールモノマーの浸漬は陽極体1の
内部に約0.1〜0.5ミクロン、陽極体1の外部に5
〜20ミクロンのポリピロール層6が形成されるまで1
0〜20回繰り返し行われる。次に、ポリピロール層6
上にグラファイト層、銀ペースト層を周知の方法で形成
した後、温度220℃の共晶半田浴に陽極体1をディッ
ピングして銀ペースト層上に、半田層を形成する。この
ようにして、グラファイト層、銀ペースト層、半田層の
3層からなり外部陰極端子を構成する陰極金属層7を形
成する。
【0009】次に図2に示す外部陽極端子4のスリット
部4aと陽極リード2が交差する部位に、レーザ光線を
照射して、外部陽極端子4と陽極リード2を溶接すると
ともに、もう1本のレーザ光線を、外部陽極端子4のス
リット部4aと陽極リード2との交差部より約5〜10
ミクロン離れた部位に照射し、陽極リード2を切断す
る。なお、この外部陽極端子4と陽極リード2の溶接
と、陽極リード2の切断は2本のレーザ光線により同時
に行われる。
【0010】上記の方法にて作製した定格電圧16V、
静電容量10μFのチップ型タンタル固体電解コンデン
サ100個に電圧16Vを印加し、1分経過後の漏れ電
流不良発生結果を表1に示す。ただし、漏れ電流が1μ
Aを超えるものを不良とした。また、比較のため、従来
技術にて作製したコンデンサについても漏れ電流を測定
した。本発明により得られたコンデンサは、従来品に較
べ漏れ電流不良が明らかに減少していることがわかる。
【0011】
【表1】
【0012】図4は、本発明の第2実施例の縦断面図で
ある。この実施例は図5に示すように、外部陽極端子4
0の端面部に舌片部40aを有する構造にしているの
で、外部陽極端子40の舌片部40aと陽極リード2と
の接続を、高価なレーザ装置ではなく抵抗溶接機にて接
続できる利点がある。
【0013】なお、本発明の各実施例において、固体電
解質層として、導電性高分子の一つであるポロピロール
を、ピロールモノマーと酸化剤を接触させることにより
酸化重合して形成したが、従来一般に行われている技術
である硝酸マンガンの熱分解法により二酸化マンガン層
を形成してもよい。ただし、この場合熱分解時の熱によ
り、外部陽極端子の半田メッキが溶融しやすく、表面が
酸化されることがあるので、二酸化マンガン層の形成
後、再度半田メッキを施すのが好ましい。
【0014】なお、本発明実施例ではチップ型タンタル
固体電解コンデンサを例にして説明したが、チップ型ア
ルミ固体電解コンデンサ等にも適用できることは勿論で
ある。
【0015】以上説明したように、本発明はコンデンサ
素子に樹脂外装を行わず、陰極体部を外部陰極端子を共
用化したことと、陰極体と外部陽極端子を絶縁する絶縁
部材と外部陽極端子とをインサート成型により同時に形
成したことにより、下記に述べる効果がある。 コンデンサ素子を樹脂外装しないで、チップ型コンデ
ンサが得られるので、樹脂から受ける応力がなくなり、
漏れ電流の劣化が防止できる。 外装樹脂厚の分だけ薄型化が可能となる。 外部陰極端子と、それを取り付ける高価な導電性接着
剤が不要になるので、コスト削減が可能になるだけでな
く接続の信頼性が向上する。 インサート成型により同時に絶縁部材と外部陽極端子
を形成できるので作業工数が短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明実施例1の製造方法によって作製され
たチップ型固体電解コンデンサの縦断面図
【図2】 同製造方法途中のコンデンサ素子を金属帯板
に固着した状態を示す断面図
【図3】 本発明実施例1に用いた外部陽極端子の斜視
【図4】 本発明実施例2の製造方法によって作製され
たチップ型固体電解コンデンサの縦断面図
【図5】 本発明実施例2に用いた外部陽極端子の斜視
【図6】 従来の製造方法によって作製されたチップ型
固体電解コンデンサの縦断面図
【符号の説明】
1 陽極体 2 陽極リード 3 絶縁部材 4 外部陽極端子 4a スリット部 5 誘電体皮膜層 6 固体電解質層(ポリピロール層) 7 陰極金属層(外部陰極端子) 8 金属帯板 40 外部陽極端子 40a 舌片部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】弁作用金属からなる陽極体に植立した弁作
    用金属からなる陽極リードを固設する工程と、陽極リー
    ド導出面にインサート成型により絶縁部材と外部陽極端
    子とを同時に形成する工程と、陽極体の周面に誘電体皮
    膜層、固体電解質層、外部陰極端子を構成する陰極金属
    層を順次形成する工程と、陽極リードと外部陽極端子を
    電気的、機械的に接続した後陽極リードを切断する工程
    とを含むことを特徴とするチップ型固体電解コンデンサ
    の製造方法。
  2. 【請求項2】陽極リードと外部陽極端子をレーザ溶接に
    より接続することを特徴とする請求項1記載のチップ型
    固体電解コンデンサの製造方法。
  3. 【請求項3】陽極リードと外部陽極端子を抵抗溶接によ
    り接続することを特徴とする請求項1記載のチップ型固
    体電解コンデンサの製造方法。
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