JP2850595B2 - 内燃機関 - Google Patents

内燃機関

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JP2850595B2
JP2850595B2 JP26386091A JP26386091A JP2850595B2 JP 2850595 B2 JP2850595 B2 JP 2850595B2 JP 26386091 A JP26386091 A JP 26386091A JP 26386091 A JP26386091 A JP 26386091A JP 2850595 B2 JP2850595 B2 JP 2850595B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平2−169834号公報には、低
負荷運転時には、要求燃料噴射量の全量を圧縮行程にお
いて噴射して点火栓周りに混合気を形成し、中高負荷運
転時には、吸気行程において機関気筒内に燃料を噴射し
て予混合気を形成すると共に、圧縮行程において機関気
筒内に燃料を噴射して点火栓近傍に着火用混合気を形成
せしめるようにした内燃機関が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところがこの内燃機関
では、要求燃料噴射量を吸気行程と圧縮行程とに分割し
て噴射せしめる領域のうち、低負荷側の領域において
は、着火時において点火栓周りに着火の良好な混合気を
確実に形成することが困難であり、このため燃焼が不安
定になるという問題を生ずる。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め本発明によれば、吸気行程において燃料を噴射して機
関気筒内に予混合気を形成すると共に、圧縮行程におい
て機関気筒内に燃料を噴射して点火栓近傍に着火用混合
気を形成せしめるようにした内燃機関において、点火栓
によって混合気を着火せしめる際に放電を開始する電圧
を検出する放電開始電圧検出手段を設け、この放電開始
電圧検出手段によって検出された電圧の増大に応じて、
吸気行程燃料噴射量に対する圧縮行程燃料噴射量の比を
増大せしめ、それにより検出された電圧の増大に応じて
点火栓周りの空燃比を減少させるようにしている。
【0005】
【作用】点火栓の放電開始電圧は、着火時における点火
栓周りの混合気の空燃比の増大に応じて増大する。従っ
て、点火栓の放電開始電圧は着火時における点火栓周り
の混合気の空燃比を間接的に表わしている。このため、
放電開始電圧の増大に応じて、すなわち着火時における
点火栓周りの混合気がリーンになるに応じて、吸気行程
燃料噴射量に対する圧縮行程燃料噴射量の比を増大せし
めて、着火時における点火栓周りの混合気をリッチ化せ
しめるようにしている。
【0006】
【実施例】図1には本発明の一実施例である4気筒ガソ
リン機関の全体図を示す。同図において、1は機関本
体、2はサージタンク、3はサージタンク2から延びる
吸気管、4は吸気管3の途中に設けられたスロットル
弁、5は各気筒内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁、6
は点火栓、7は高圧用リザーバタンク、8は高圧導管9
を介して高圧燃料をリザーバタンク7内に圧送するため
の、吐出圧制御可能な高圧燃料ポンプ、10は燃料タン
ク、11は導管12を介して燃料タンク10から高圧燃
料ポンプ8に燃料を供給する低圧燃料ポンプを夫々示
す。低圧燃料ポンプ11の吐出側は、各燃料噴射弁5の
ピエゾ圧電素子を冷却するための圧電素子冷却用導入管
13に接続される。圧電素子冷却用返戻管14は燃料タ
ンク10に連結され、この返戻管14を介して圧電素子
冷却用導入管13を流れる燃料を燃料タンク10に回収
する。各枝管15は、各高圧燃料噴射弁5を高圧用リザ
ーバタンク7に接続する。
【0007】高圧用リザーバタンク7には圧力センサ3
6が取付けられ、この圧力センサ36は高圧用リザーバ
タンク7内の燃料圧を検出する。圧力センサ36の検出
値に基づいて、高圧用リザーバタンク7内の燃料圧が目
標燃料圧となるように高圧燃料ポンプ8が制御せしめら
れる。吸気管3の入口部には、吸入空気量QAを検出す
るためのエアフローメータ37が配置される。
【0008】図2は電子制御ユニット20の構成を示す
ブロック線図である。図2を参照すると、電子制御ユニ
ット20はディジタルコンピュータからなり、双方向性
バス21によって相互に接続されたROM(リードオン
リメモリ)22、RAM(ランダムアクセスメモリ)2
3、CPU(マイクロプロセッサ)24、入力ポート2
5および出力ポート26を具備する。
【0009】圧力センサ36はAD変換器30を介して
入力ポート25に接続される。機関回転数Neに比例し
た出力パルスを発生するクランク角センサ38は入力ポ
ート25に接続される。また、エアフローメータ37は
AD変換器32を介して入力ポート25に接続される。
一方、出力ポート26は、対応する駆動回路33,34
を介して夫々高圧燃料ポンプ7および燃料噴射弁5に接
続される。また、出力ポート26は駆動回路35を介し
てイグナイタ16に接続される。このイグナイタ16は
点火コイル17を介して点火栓6に接続される。
【0010】点火栓6と並列に分圧用の抵抗18,19
が接続される。抵抗18と19の間がピーク電圧ホール
ド回路39に接続され、このピーク電圧ホールド回路3
9はAD変換器31を介して入力ポート25に接続され
る。これによって点火栓6の放電開始電圧VSPを検出
することができる。図3に燃料噴射弁5の側面断面図を
示す。図3を参照すると、40はノズル50内に挿入さ
れたニードル、41は加圧ロッド、42は可動プランジ
ャ、43はばね収容室44内に配置されかつニードル4
0を下方に向けて押圧する圧縮ばね、45は加圧ピスト
ン、46はピエゾ圧電素子、47は可動プランジャ42
の頂部とピストン45間に形成されかつ燃料で満たされ
た加圧室、48はニードル加圧室を夫々示す。ニードル
加圧室48は燃料通路49および枝管14を介して高圧
用リザーバタンク7(図1)に連結され、従って高圧用
リザーバタンク7内の高圧燃料が枝管14および燃料通
路49を介してニードル加圧室48内に供給される。ピ
エゾ圧電素子46に電荷がチャージされるとピエゾ圧電
素子46が伸長し、それによって加圧室47内の燃料圧
が高められる。その結果、可動プランジャ42が下方に
押圧され、ノズル口53は、ニードル40によって閉弁
状態に保持される。一方、ピエゾ圧電素子46にチャー
ジされた電荷がディスチャージされるとピエゾ圧電素子
46が収縮し、加圧室47内の燃料圧が低下する。その
結果、可動プランジャ42が上昇するためにニードル4
0が上昇し、ノズル口53から燃料が噴射される。
【0011】図4には図1に示す機関の縦断面図を示
す。図4を参照すると、60はシリンダブロック、61
はシリンダヘッド、62はピストン、63はピストン6
2の頂面に形成された略円筒状凹部、64はピストン6
2頂面とシリンダヘッド61内壁面間に形成されたシリ
ンダ室を夫々示す。点火栓6はシリンダ室64に臨んで
シリンダヘッド61のほぼ中央部に取り付けられる。図
面には示さないがシリンダヘッド61内には吸気ポート
および排気ポートが形成され、これら吸気ポートおよび
排気ポートのシリンダ室64内への開口部には夫々吸気
弁66(図7(a)参照)および排気弁が配置される。
燃料噴射弁5はスワール型の燃料噴射弁であり、広がり
角が大きく貫徹力の弱い噴霧状の燃料を噴射する。燃料
噴射弁5は、斜め下方を指向して、シリンダ室64の頂
部に配置され、点火栓6近傍に向かって燃料噴射するよ
うに配置される。また、燃料噴射弁5の燃料噴射方向お
よび燃料噴射時期は、噴射燃料がピストン62頂部に形
成された凹部63を指向するように決められる。
【0012】本実施例の内燃機関は機関運転状態に応じ
た燃料噴射量を吸気行程と圧縮行程とに分割噴射可能な
筒内噴射式内燃機関であって、図5には所定の機関回転
数における吸気行程燃料噴射量と圧縮行程燃料噴射量の
割合を示す。図5を参照すると、横軸は機関の負荷を表
しており、図5では負荷として燃料噴射量Qをとり、縦
軸にも燃料噴射量Qをとっている。
【0013】機関負荷を示す燃料噴射量がアイドル時の
燃料噴射量QI から中負荷時の燃料噴射量QM までは、
圧縮行程においてだけ燃料が噴射され、圧縮行程におけ
る燃料噴射量QC はアイドル燃料噴射量QI から中負荷
燃料噴射量QM まで漸次増大せしめられる。機関負荷を
示す燃料噴射量がQM を越えると、圧縮行程燃料噴射量
はQM からQD まで急激に減少せしめられると共に吸気
行程における燃料噴射量QS はQP まで急激に増大せし
められる。QM は中負荷付近の燃料噴射量であり、QD
とQP との和として次式で示される。
【0014】QM =QD +QP ここで、QD は点火栓6により着火可能な混合気を形成
し得る最小限の圧縮行程燃料噴射量でありアイドル燃料
噴射量QI より少量である。また、QP は吸気行程にお
いて噴射された燃料がシリンダ室64内に均質に拡散し
た際に点火栓6による着火火炎が伝播可能な最小限の吸
気行程燃料噴射量である。中負荷時の燃料噴射量QM
ら高負荷時の燃料噴射量QH までは燃料噴射量を圧縮行
程と吸気行程とに分割して噴射し、圧縮行程燃料噴射量
は機関負荷によらずQD で一定とし、吸気行程燃料噴射
量は機関負荷の増大に伴って増大せしめる。
【0015】機関負荷が高負荷時燃料噴射量QH を越え
て最大燃料噴射量QW までのごく高負荷時においては、
燃料噴射量が多いため吸気行程噴射によって形成される
シリンダ室内の予混合気の濃度が着火に十分なほど濃い
ため、着火のための圧縮行程噴射をやめて、要求燃料噴
射量の全量を吸気行程において噴射することとしてい
る。高負荷時燃料噴射量QH はシリンダ室内に燃料が均
質に拡散した場合にも点火栓により着火可能な均質混合
気を形成可能な最小限吸気行程燃料噴射量である。
【0016】図6に示されるように、吸気行程とは排気
プロセスの上死点から吸入プロセスの下死点までの期間
を意味し、圧縮行程とは吸入プロセスの下死点から圧縮
プロセスの上死点までの期間を意味する。吸気行程噴射
はDI で示される期間内で実行される。この期間DI
吸気行程のほぼ前半に相当する。圧縮行程噴射はDC
示される期間内で実行される。この期間DC は圧縮行程
のほぼ後半に相当する。燃料は期間DI またはDC 内で
噴射されるために、噴射燃料はシリンダブロック60に
直接衝突することはなく、このため噴射燃料はシリンダ
ブロック60の内面にほとんど付着しない。
【0017】中負荷付近(燃料噴射量QM ) より低い負
荷領域においては、図4に示されるように、圧縮行程後
期に圧縮行程噴射のみが実行され、燃料噴射弁5から点
火栓6およびピストン62頂面の凹部63を指向して燃
料が噴射される。この噴射燃料は貫徹力が弱く、またシ
リンダ室64内の圧力が高くかつ空気流動が弱いため、
噴射燃料は点火栓6付近の領域Kに偏在する。この領域
K内の燃料分布は不均一であり、リッチな混合気層から
空気層まで変化するため、領域K内には最も燃焼し易い
理論空燃比付近の可燃混合気層が存在する。従って点火
栓6付近の可燃混合気層が容易に着火され、この着火火
炎が不均一混合気層全体に伝播して燃焼が完了する。こ
のように、中負荷より低い低負荷領域においては、圧縮
行程後期に点火栓6付近に燃料を噴射し、これによって
点火栓6付近に可燃混合気層を形成し、斯くして良好な
着火および燃焼が得られることとなる。
【0018】一方、中負荷付近(燃料噴射量QM )より
高い負荷領域においては、図7に示されるように、吸気
行程初期(図7(a))に吸気行程噴射が実行され、燃
料噴射弁5から点火栓6およびピストン62頂面の凹部
63を指向して燃料が噴射される。この噴射燃料は、広
がり角が大きく貫徹力の弱い噴霧状の燃料であり、噴射
燃料の一部はシリンダ室64内に浮遊し、他は凹部63
に衝突する。これらの噴射燃料は、吸気ポートからシリ
ンダ室64内に流入する吸入空気流によって生ずるシリ
ンダ室64内の乱れTによってシリンダ室64内に拡散
され、吸気行程から圧縮行程に至る間に予混合気Pが形
成される(図7(b))。この予混合気Pの空燃比は、
着火火炎が伝播できる程度の空燃比である。尚、図7
(b)の状態では噴射燃料の中心軸線の延長がシリンダ
壁に指向しているため、噴射燃料の貫徹力が強い場合に
は噴霧の一部が直接シリンダ壁に付着するおそれがあ
る。本実施例では比較的貫徹力の弱い噴射を行っている
ため特に問題はないが、本発明の実施例ではこの期間
無噴射期間とすることにより、燃料のシリンダ壁面への
付着防止効果を高めている。続いて圧縮行程後期(図7
(c))に圧縮行程噴射が実行され、燃料噴射弁5から
点火栓6近傍およびピストン62頂面の凹部63を指向
して燃料が噴射される。この噴射燃料は元々点火栓6に
指向しているうえ貫徹力が弱く、またシリンダ室64内
の圧力が大きいため、噴射燃料は点火栓6付近の領域K
に偏在する。この領域K内の燃料分布も不均一であり、
リッチな混合気層から空気層まで変化するため、この領
域K内には最も燃焼し易い理論空燃比付近の可燃混合気
層が存在する。従って点火栓6によって可燃混合気層が
着火されると、不均一混合気領域Kを中心に燃焼が進行
する(図7(d))。この燃焼過程で体積膨張した燃焼
ガスBの周辺から順次、予混合気Pに火炎が伝播し燃焼
が完了する。このように、中負荷および高負荷領域にお
いては、吸気行程初期において燃料を噴射することによ
り火炎伝播用の混合気をシリンダ室64内全体に形成す
ると共に、圧縮行程後期において燃料を噴射することに
より点火栓6近傍に比較的濃い混合気を形成して着火お
よび火炎核形成用の混合気を形成する。
【0019】特に中負荷運転時においては、従来の機関
のように吸気行程、または圧縮行程前半に要求噴射量の
全量を噴射すると、噴射燃料はシリンダ室64内全体に
拡散してしまうため、シリンダ室64内に形成される混
合気は過薄となり、着火および燃焼が困難になるという
問題がある。また一方、中負荷運転時において要求噴射
量の全量を圧縮行程後期において噴射すると、多量のス
モークが発生したり、空気利用率を高めることができず
十分な高出力を得ることができないという問題がある。
【0020】そこで、前述のように中負荷運転時におい
ては吸気行程と圧縮行程とに分割噴射することにより、
良好な着火と、空気利用率の高い燃焼により高出力を得
ようとしているのである。また、中負荷付近において
は、吸気行程で噴射された燃料により形成される均質混
合気は、着火可能な空燃比より薄い火炎伝播可能な程度
の空燃比でよく、希薄燃焼により燃費を向上することが
できる。
【0021】ところで図5において、燃料噴射量がQM
とQH の間であって要求燃料噴射量を吸気行程と圧縮行
程とに分割して噴射せしめる領域のうち、低負荷側の領
域、すなわちQM に近い領域では、着火時において点火
栓周りに着火の良好な混合気を確実に形成することが困
難であり、このため燃焼が不安定になるという問題を生
ずる。
【0022】そこで本実施例では、図8に示すように、
着火時における点火栓周りの混合気の空燃比の増大に応
じて点火栓の放電開始電圧VSPが増大することから、
放電開始電圧VSPを検出することによって着火時にお
ける点火栓周りの混合気の空燃比を間接的に検出してい
る。そして、放電開始電圧VSPが、例えば空燃比が1
3に相当する放電開始電圧VBより低くなった場合に
は、リッチ失火が発生したとして、圧縮行程燃料噴射量
の比率を減少せしめて、着火時における点火栓周りの混
合気をリーン化せしめるようにしている。これによって
リッチ失火を防止するようにしている。
【0023】一方、放電開始電圧VSPが、例えば空燃
比が25に相当する放電開始電圧VAより低くなった場
合には、リーン失火が発生したとして、圧縮行程燃料噴
射量の比率を増大せしめて、着火時における点火栓周り
の混合気をリッチ化せしめるようにしている。これによ
ってリーン失火を防止するようにしている。図9には吸
気行程および圧縮行程燃料噴射量を計算するルーチンを
示す。このルーチンは一定クランク角毎の割込みによっ
て実行される。
【0024】図9を参照すると、まずステップ70にお
いて、要求燃料噴射量Qが、機関回転数NeおよびQA
/Neに基づくマップ(図10参照)から求められる。
ここでQA/Neは機関1回転当りの吸入空気量であ
り、機関負荷を表わしている。次いでステップ71で
は、要求燃料噴射量Qに基づいて分割率QRが計算され
る。ここで分割率QRは要求燃料噴射量Qに対する吸気
行程燃料噴射量QS の比である。
【0025】要求燃料噴射量Qと分割率QRとのマップ
は図11に示すようである。図11は図5と対応してお
り、要求燃料噴射量QがQI からQM まではQRは0で
あり、従って、要求燃料噴射量Qの全量が圧縮行程にお
いて噴射される。QM からQ H までは、吸気行程および
圧縮行程噴射が実行され、負荷の増大に応じて吸気行程
燃料噴射量の比率が増大する。QH からQW まではQR
は1.0となり、要求燃料噴射量Qの全量が吸気行程に
おいて噴射される。
【0026】再び図9を参照すると、ステップ72にお
いてQRが0かまたは1に等しいか否か判定される。分
割率QRが0および1に等しくない場合にはステップ7
3に進み、QRに補正値KQRが加算される。補正値K
QRは後述する図12に示すルーチンにおいて計算され
る。ステップ74ではQRが0以上か否か判定され、Q
R<0であればステップ75に進みQRは0とされる。
一方、QR≧0であればステップ76に進みQR≦1か
否か判定される。QR>1であればステップ77に進み
QRは1とされる。QR≦1であればQRの値はそのま
ま維持される。
【0027】ステップ78では次式に基づいて吸気行程
燃料噴射量QS が計算される。 QS =Q・QR 次いでステップ79ではQから吸気行程燃料噴射量を減
算することによって圧縮行程燃料噴射量QC が計算され
る。ステップ72でQRが0または1であると判定され
た場合には、ステップ73からステップ77はスキップ
され、QRは補正されず0または1に維持される。
【0028】図12には補正値KQRを計算するための
ルーチンを示す。このルーチンは一定クランク角毎の割
込みによって実行される。図12を参照すると、まずス
テップ90において放電開始電圧VSPが読込まれる。
次いでステップ91において、VSP>VAか否か判定
される。VAは、前述のように、例えば空燃比25に相
当する放電開始電圧である(図8参照)。VSP>VA
の場合には、着火時における点火栓近傍の混合気が過薄
なためにリーン失火が発生するとして、ステップ92に
進み補正値KQRがαだけ減少せしめられる。これによ
って分割率QRが減少し、斯くして圧縮行程燃料噴射量
の比率が増大して、着火時における点火栓近傍の混合気
をリッチ化することができる。この結果リーン失火を防
止し斯くして安定した燃焼を得ることができる。
【0029】一方、VSP=VAの場合にはステップ9
3に進み、VSP<VBか否か判定される。VBは、前
述のように、例えば空燃比13に相当する放電開始電圧
である(図8参照)。VSP<VBの場合には、着火時
における点火栓近傍の混合気が過濃なためにリッチ失火
が発生するとして、ステップ94に進み補正値KQRが
αだけ増大せしめられる。これによって分割率QRが増
大し、斯くして圧縮行程燃料噴射量の比率が減少して、
着火時における点火栓近傍の混合気をリーン化すること
ができる。この結果リッチ失火を防止し斯くして安定し
た燃焼を得ることができる。
【0030】なお、本実施例のように放電開始電圧VS
Pの値をそのまま用いて失火判定するのではなく、例え
ばフュエルカット時(混合気が形成されていない時)に
おける放電開始電圧を基準放電開始電圧VSP0 とし、
このVSP0 に対するVSPの比に基づいて失火判定す
るようにすることによって、経時変化等の要因を除去し
て、より精度の高い制御を行うことが可能である。
【0031】また、本実施例では1つの燃料噴射弁によ
って吸気行程噴射および圧縮行程噴射を実行せしめるよ
うにしているが、各気筒の吸気ポートにポート燃料噴射
弁を夫々追加し、吸気行程噴射をこのポート燃料噴射弁
によって実行せしめるようにしてもよい。
【0032】
【発明の効果】着火時において点火栓周りに着火の良好
な混合気を形成することができ、このため良好な着火を
得ることができ、斯くして安定した燃焼を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の内燃機関の全体図である。
【図2】電子制御ユニットのブロック線図である。
【図3】燃料噴射弁の縦断面図である。
【図4】図1の機関の縦断面図である。
【図5】圧縮行程噴射と吸気行程噴射の制御パターンの
一例を示す線図である。
【図6】燃料噴射時期を示す線図である。
【図7】吸気行程および圧縮行程噴射を実行するときの
動作説明図である。
【図8】着火直前における点火栓近傍の空燃比と点火栓
の放電開始電圧VSPとの関係を示す線図である。
【図9】吸気行程および圧縮行程燃料噴射量を計算する
ためのフローチャートである。
【図10】機関回転数NeとQA/Neとに基づく燃料
噴射量Qのマップである。
【図11】燃料噴射量Qに基づく分割率QRのマップで
ある。
【図12】補正量KQRを計算するためのフローチャー
トである。
【符号の説明】
5…燃料噴射弁 6…点火栓

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気行程において燃料を噴射して機関気
    筒内に予混合気を形成すると共に、圧縮行程において機
    関気筒内に燃料を噴射して点火栓近傍に着火用混合気を
    形成せしめるようにした内燃機関において、前記点火栓
    によって混合気を着火せしめる際に放電を開始する電圧
    を検出する放電開始電圧検出手段を設け、該放電開始電
    圧検出手段によって検出された電圧の増大に応じて、吸
    気行程燃料噴射量に対する圧縮行程燃料噴射量の比を増
    大せしめ、それにより検出された電圧の増大に応じて点
    火栓周りの空燃比を減少させるようにした内燃機関。
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