JP3500876B2 - 直噴式火花点火エンジンの燃料噴射装置 - Google Patents

直噴式火花点火エンジンの燃料噴射装置

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JP3500876B2 JP29028096A JP29028096A JP3500876B2 JP 3500876 B2 JP3500876 B2 JP 3500876B2 JP 29028096 A JP29028096 A JP 29028096A JP 29028096 A JP29028096 A JP 29028096A JP 3500876 B2 JP3500876 B2 JP 3500876B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直噴式火花点火エ
ンジンの燃料噴射装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】点火プラグの近傍に燃料を集める混合気
の成層化をはかるため、シリンダ内にインジェクタを臨
ませ、シリンダ内に直接に燃料を噴射するようにした筒
内直接噴射式火花点火エンジンがある(例えば、特開平
3−74569号公報、参照)。
【0003】従来、この種の直噴式火花点火エンジンに
おいて、インジェクタの燃料噴射時期をピストンが下降
する吸気行程とピストンが上昇する圧縮行程にわたって
切換えるものがある。
【0004】例えばエンジンの負荷および回転数が所定
値以下のリーンバーン領域において、燃料噴射時期をピ
ストンが上昇する圧縮行程の後半に設定して、濃混合気
を点火プラグの近傍へと集めるようになっている。
【0005】一方、エンジンの負荷または回転数が所定
値を超えて上昇するリーンバーン領域外において、燃料
噴射時期をピストンが下降する吸気行程に設定して、点
火時期を迎えるまでに燃焼室に均質な混合気を形成する
ようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の直噴式火花点火エンジンの燃料噴射装置にあ
っては、燃料噴射圧力が一定に調節された場合、燃料噴
射時期が吸気行程と圧縮行程の間で切換えられるのに伴
ってシリンダにおける混合気の形態が悪化する可能性が
ある。
【0007】例えば、燃料噴射時期が吸気行程に設定さ
れた運転状態において、燃料噴射圧力を高速時に対応し
て高く設定していると、エンジン回転数が低下するの伴
って、燃料が噴射されるクランク角が小さくなり、燃料
が集中的に噴射されるため、吸気と燃料の混合が十分に
行われず、ピストンが上死点に到達する際にシリンダ内
に形成される混合気の均質化が十分にはかれない。この
結果、燃焼安定性が低下し、排気エミッションが悪化し
たり、失火等を招く可能性がある。
【0008】また、燃料噴射圧力を低速時に対応して低
く設定すると、燃料噴射時期がピストンが上昇する圧縮
行程の後半に切換えられた運転状態において、ピストン
が上昇する圧縮行程でインジェクタから燃料が噴射され
るクランク角が大きくなりすぎて、燃料を集中的に噴射
することができない。このため、濃混合気を点火プラグ
の近傍へと集められず、燃焼安定性が損なわれる可能性
がある。
【0009】本発明は上記の問題点を鑑みてなされたも
のであり、直噴式火花点火エンジンに適した燃料噴射装
置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の直噴式
火花点火エンジンの燃料噴射装置は、シリンダ内に燃料
を噴射するインジェクタと、シリンダ内の混合気に点火
する点火プラグとを備え、エンジンの運転状態に応じて
インジェクタの燃料噴射時期を圧縮行程とする成層燃焼
モードとインジェクタの燃料噴射時期を吸気行程とする
均質燃焼モードを切換える直噴式火花点火エンジンにお
いて、インジェクタの燃料噴射圧力を調節する燃料噴射
圧力調節手段を備え、低速低負荷時でインジェクタの燃
料噴射時期を吸気行程とする成層燃焼モードに切換える
とともにインジェクタの燃料噴射圧力をP 1 に調節し、
高速時でインジェクタの燃料噴射時期を吸気行程とする
均質燃焼モードに切換えるとともにインジェクタの燃料
噴射圧力をP 1 に調節し、低速高負荷時でインジェクタ
の燃料噴射時期を吸気行程とする均質燃焼モードに切換
えるとともにインジェクタの燃料噴射圧力をP 1 より低
いP 2 に調節する構成とする
【0011】請求項2に記載の直噴式火花点火エンジン
の燃料噴射装置は、請求項1に記載の発明において、
記燃料噴射圧力P 1 を略7MPaに調節し、前記燃料噴
射圧力P 2 を略3MPaに調節する構成とする
【0012】請求項3に記載の直噴式火花点火エンジン
の燃料噴射装置は、請求項1または2に記載の発明にお
いて、インジェクタに導かれる燃料圧力を検出する燃料
圧力検出手段と、検出される燃料圧力に応じてインジェ
クタの燃料噴射期間を補正する燃料噴射期間補正手段を
備える
【0013】請求項4に記載の直噴式火花点火エンジン
の燃料噴射装置は、シリンダ内に燃料を噴射するインジ
ェクタと、シリンダ内の混合気に点火する点火プラグと
を備え、インジェクタの燃料噴射時期を圧縮行程にする
成層燃焼モードと吸気行程にする均質燃焼モードをエン
ジンの運転状態に応じて切換える直噴式火花点火エンジ
ンにおいて、インジェクタの燃料噴射圧力を調節する燃
料噴射圧力調節手段を備え、成層燃焼モードでインジェ
クタの燃料噴射圧力を高く調節し、均質燃焼モードでイ
ンジェクタの燃料噴射圧力を低速時に低くし高速時に高
く調節し、成層燃焼モードから均質燃焼モードに切換え
るとともに燃料噴射圧力を低く調節する燃圧降下時を判
定し、燃圧降下時に成層燃焼モードから均質燃焼モード
に切換えられてから最初に吸気行程を迎える気筒につい
て燃料噴射圧力を高く維持する構成とする。
【0014】
【0015】
【発明の作用および効果】請求項1に記載の直噴式火花
点火エンジンの燃料噴射装置において、成層燃焼モード
では、ピストンが上昇する圧縮行程でインジェクタから
に燃料が高圧で噴射され、濃混合気を点火プラグの近傍
へと有効に集められる。この結果、燃焼性が確保される
希薄空燃比の限界値を拡大し、燃費の低減がはかれる。
【0016】均質燃焼モードでは、ピストンが下降する
吸気行程でインジェクタから燃料が噴射され、点火時期
を迎えるまでに燃焼室に均質な混合気が形成される。
【0017】この均質燃焼モードではインジェクタの燃
料噴射圧力を低速時で高速時より低下させることによ
り、インジェクタの燃料噴射期間が長くなり、ピストン
が下降する吸気行程でインジェクタから燃料が噴射され
るクランク角が大きくなる。このため、燃料が集中的に
噴射されず、吸気と燃料の混合が促進され、ピストンが
上死点に到達する際にシリンダ内に形成される混合気の
均質化がはかれ、サイクル変動に影響されない安定した
燃焼性が確保され、スモーク排出量を低減し、出力の向
上がはかれる。
【0018】さらに、低速低負荷時で成層燃焼モードに
切換えるとともにインジェクタの燃料噴射圧力をP2
り高いP1に調節することにより、インジェクタの燃料
噴射期間が短くなり、ピストンが上昇する圧縮行程でイ
ンジェクタから燃料が噴射されるクランク角が小さくな
る。このため、燃料が集中的に噴射されて、濃混合気を
点火プラグの近傍へと有効に集められ、燃焼性が確保さ
れる希薄空燃比の限界値を拡大し、燃費の低減がはかれ
る。
【0019】高速時で均質燃焼モードに切換えるととも
にインジェクタの燃料噴射圧力をP2より高いP1に調節
することにより、インジェクタの燃料噴射期間が短くな
り、ピストンが下降する吸気行程でインジェクタから燃
料の噴射を終了できる。このため、吸気と燃料の混合が
促進され、ピストンが上死点に到達する際にシリンダ内
に形成される混合気の均質化がはかれる。
【0020】低速高負荷時で均質燃焼モードに切換える
とともにインジェクタの燃料噴射圧力をP1より低いP2
に調節することにより、インジェクタの燃料噴射期間が
長くなり、ピストンが下降する吸気行程でインジェクタ
から燃料が噴射されるクランク角が大きくなる。このた
め、燃料が集中的に噴射されず、吸気と燃料の混合が促
進され、ピストンが上死点に到達する際にシリンダ内に
形成される混合気の均質化がはかれる。この結果、サイ
クル変動に影響されない安定した燃焼性が確保され、排
気エミッションを改善し、出力の向上がはかれる。
【0021】請求項に記載の直噴式火花点火エンジン
の燃料噴射装置において、成層燃焼モードでインジェク
タの燃料噴射圧力を略7MPaに調節することにより、
ピストンが上昇する圧縮行程でインジェクタから燃料が
噴射されるクランク角が十分に小さくなる。このため、
燃料が集中的に噴射され、濃混合気を点火プラグの近傍
へと有効に集められ、燃焼性が確保される希薄空燃比の
限界値を拡大し、燃費の低減がはかれる。
【0022】高速時で均質燃焼モードに切換えるととも
にインジェクタの燃料噴射圧力を略7MPaに調節する
ことにより、ピストンが下降する吸気行程でインジェク
タから燃料の噴射を終了できる。このため、吸気と燃料
の混合が促進され、ピストンが上死点に到達する際にシ
リンダ内に形成される混合気の均質化がはかれる。
【0023】低速高負荷時で均質燃焼モードに切換える
とともにインジェクタの燃料噴射圧力を略3MPaに調
節することにより、ピストンが下降する吸気行程でイン
ジェクタから燃料が噴射されるクランク角が十分に大き
くなる。このため、吸気と燃料の混合が促進され、ピス
トンが上死点に到達する際にシリンダ内に形成される混
合気の均質化がはかれる。この結果、サイクル変動に影
響されない安定した燃焼性が確保され、排気エミッショ
ンを改善し、出力の向上がはかれる。
【0024】請求項に記載の直噴式火花点火エンジン
の燃料噴射装置において、検出される燃料圧力に応じて
インジェクタの燃料噴射期間を補正するため、インジェ
クタの燃料噴射量を的確に調節することができる。この
結果、燃料噴射圧力を切換える運転時にも空燃比が変動
することが抑えられ、排気エミッションを改善し、出力
の向上がはかれる
【0025】請求項に記載の直噴式火花点火エンジン
の燃料噴射装置において、成層燃焼モードでは、ピスト
ンが上昇する圧縮行程でインジェクタからに燃料が高圧
で噴射され、濃混合気を点火プラグの近傍へと有効に集
められる。この結果、燃焼性が確保される希薄空燃比の
限界値を拡大し、燃費の低減がはかれる。 均質燃焼モー
ドでは、ピストンが下降する吸気行程でインジェクタか
ら燃料が噴射され、点火時期を迎えるまでに燃焼室に均
質な混合気が形成される。 この均質燃焼モードではイン
ジェクタの燃料噴射圧力を低速時で高速時より低下させ
ることにより、インジェクタの燃料噴射期間が長くな
り、ピストンが下降する吸気行程でインジェクタから燃
料が噴射されるクランク角が大きくなる。このため、燃
料が集中的に噴射されず、吸気と燃料の混合が促進さ
れ、ピストンが上死点に到達する際にシリンダ内に形成
される混合気の均質化がはかれ、サイクル変動に影響さ
れない安定した燃焼性が確保され、スモーク排出量を低
減し、出力の向上がはかれる。 燃圧降下時に成層燃焼モ
ードから均質燃焼モードに切換えられてから最初に吸気
行程を迎える気筒について燃料噴射圧力を高く維持する
構成としたため、成層燃焼モードで最後に圧縮行程を迎
える気筒について燃料噴射圧力が高く維持され、失火等
を防止でき、エンジンの運転性を損なうことを回避でき
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面に基づいて説明する。
【0027】図1に示すように、インジェクタ(燃料噴
射弁)14はシリンダ4内に臨み、インジェクタ14か
ら燃料が直接シリンダ4内に噴射される。エンジン1は
4つのシリンダ4を備え、各シリンダ4に4本のインジ
ェクタ14がそれぞれ臨む。
【0028】ピストン5が下降する吸気行程において、
吸気バルブ2が開かれるのに伴って各吸気ポート3から
シリンダ4内に空気が吸入される。
【0029】ピストン5が上昇する圧縮行程において、
各吸気ポート3を通ってシリンダ4内に吸入された空気
がピストン5で圧縮される。
【0030】ピストン5が圧縮行程で上死点の近傍に到
達するとき、点火プラグ6を介して燃料を着火燃焼させ
る。
【0031】ピストン5が下降する膨張行程において、
燃焼したガスはピストン5はコンロッド19を介してク
ランクシャフトを回転させる。
【0032】ピストン5が上昇する排気行程において、
排気バルブ7が開かれるのに伴ってシリンダ4内の排気
ガスが各排気ポート8から排出される。これらの各行程
が連続して繰り返される。
【0033】排気通路9の途中には三元触媒17,18
がそれぞれ設置され、排気中のHC、COを酸化すると
ともに、NOxを還元する。
【0034】吸入空気はエアクリーナ21から吸気ダク
ト22、スロットルチャンバ23を経て吸気管26およ
び各吸入ポート3を通って各シリンダ4に吸入される。
【0035】スロットルチャンバ23には、アクセルペ
ダルによって開閉駆動されるスロットルバルブ30が介
装される。
【0036】吸気通路20のスロットルバルブ30より
上流側と下流側を連通するバイパス通路35が配設され
る。バイパス通路35の途中には電磁式の補助空気弁
(ISC)36が設けられ、エンジン1のアイドル回転
速度を目標値にフィードバック制御するようになってい
る。
【0037】図2に示すように、フューエルタンク59
に貯溜された燃料は、低圧燃料ポンプ58を介して吸い
上げられ、高圧燃料ポンプ57に送られる。高圧燃料ポ
ンプ57は、加圧した燃料を蓄圧室56へと送り、蓄圧
室56から各気筒のインジェクタ14に燃料を圧送す
る。高圧燃料ポンプ57から蓄圧室56に送られる余剰
燃料は燃料戻し通路58を通ってフューエルタンク59
へと戻される。
【0038】インジェクタ14に導かれる燃料圧力はプ
レッシャレギュレータ55を介して大気圧との差圧が所
定値になるように調節される。
【0039】プレッシャレギュレータ55にはインジェ
クタ14に導かれる燃料圧力を段階的に調節する燃圧切
換バルブ54が備えられる。
【0040】インジェクタ14は燃焼室天井壁の側部か
らシリンダ4に臨む。点火プラグ6は燃焼室天井壁の中
央部からシリンダ4に臨む。
【0041】インジェクタ14は、その開弁時間が0〜
100%の間でデューティ制御されるもので、コントロ
ールユニット13から送られるパルス信号によって開弁
する。
【0042】本実施形態における燃料噴射システムは、
図4に示すように、エンジン1の運転状態を検出する運
転状態検出手段aと、運転状態に応じて燃料噴射量を設
定する噴射量設定手段bと、運転状態に応じて燃料噴射
時期を設定する噴射時期設定手段cと、運転状態に応じ
て燃料噴射圧力を設定する燃圧設定手段dと、設定され
た燃料噴射圧力に切換える燃圧切換え手段eと、燃料噴
射圧力を検出する燃圧検出手段fと、燃料噴射圧力に応
じて燃料噴射期間を演算する噴射期間演算手段gと、演
算された燃料噴射期間と燃料噴射時期に基づいてインジ
ェクタ14を駆動する噴射手段hとによって構成され
る。
【0043】コントロールユニット13は、CPU、R
OM、RAM、I/O等で構成されるマイクロコンピュ
ータを主体として設けられ、エンジン1の運転状態に応
じて各インジェクタ14の開弁時期と開弁期間(噴射パ
ルス幅)を制御するとともに、燃圧切換バルブ54の作
動等を制御する。
【0044】コントロールユニット13は、エアフロメ
ータ40で検出される吸気量Qaと、クランク角センサ
10で検出されてクランク角位置の基準となるREF信
号およびクランク角毎のPOS信号と、冷却水温センサ
43で検出される冷却水温度Twと、O2センサ40で
検出される排気中の酸素濃度に応じた信号と、スロット
ル開度センサ42で検出されるスロットル開度TVO
と、車速センサ48で検出される車速に応じた信号と、
燃圧センサ53で検出されるインジェクタ14に導かれ
る燃料圧力に応じた信号等を入力する。
【0045】コントロールユニット13は、検出された
吸入空気量Qaとエンジン回転数Nとに基づいて基本噴
射量Tpを次式で算出する。
【0046】 Tp=K・Qa/N ‥‥(1) ただし、K;定数そして、所定のストイキ域で空燃比が
理論空燃比を中心とした狭い範囲に収めるか、または成
層燃焼を実現するための空燃比となるように最終的な燃
料噴射量Tiを次式で算出して燃料噴射量をフィードバ
ック制御する。
【0047】 Ti=Tp×α×COEF+Ts …(2) ただし、αは空燃比フィードバック補正係数、COEF
は冷却水温度補正係数、および成層燃焼のための補正係
数等をパラメータとした各種補正係数の和、Tsは無効
噴射パルス幅である。
【0048】この演算された燃料噴射量Tiに対応する
パルス信号をインジェクタ14に出力し、燃料噴射制御
を行う。
【0049】コントロールユニット13は、図5に示す
マップに基づき、エンジン1の負荷および回転数が所定
値以下のリーンバーン領域で、シリンダ4に供給される
混合気の空燃比を理論空燃比より希薄側に調節する。エ
ンジン1の負荷または回転数が所定値を超えて上昇する
リーンバーン領域外で、シリンダ4に供給される混合気
の空燃比を理論空燃比またはリッチ側に調節する。
【0050】インジェクタ14の開弁時期である燃料噴
射時期は、図5に示すマップに基づいて、ピストン5が
下降する吸気行程とピストン5が上昇する圧縮行程にわ
たって切換えられる。すなわち、エンジン1の負荷およ
び回転数が所定値以下のリーンバーン領域で、燃料噴射
時期がピストン5が上昇する圧縮行程の後半に設定され
た成層燃焼モードに切換えられる。一方、エンジン1の
負荷または回転数が所定値を超えて上昇するリーンバー
ン領域外で燃料噴射時期がピストン5が下降する吸気行
程に設定された均質燃焼モードに切換えられる。
【0051】ところで、インジェクタ14の燃料噴射圧
力がプレッシャレギュレータ55を介して一定に調節さ
れた場合、均質燃焼モードで運転されるとき、エンジン
回転数が低下するの伴って、ピストン5が下降する吸気
行程でインジェクタ14から燃料が噴射されるクランク
角が小さくなり、インジェクタ14から燃料が集中的に
噴射されるため、吸気と燃料の混合が十分に行われず、
ピストン5が上死点に到達する際にシリンダ内に形成さ
れる混合気の均質化が十分にはかれない。この結果、燃
焼安定性が低下し、排気エミッションが悪化したり、失
火等を招く可能性がある。
【0052】本発明はこれに対処して、インジェクタ1
4の燃料噴射時期を吸気行程とする均質燃焼モードにお
いて、エンジン回転数が低下するの伴ってインジェクタ
14の燃料噴射圧力を低下させる構成とする。
【0053】図5のマップに示すように、所定の低速低
負荷時において、インジェクタ14の燃料噴射時期を吸
気行程とする成層燃焼モードに切換えるとともに、燃圧
切換バルブ54を介してインジェクタ14の燃料噴射圧
力を7MPaに調節する高圧噴射が行われる。
【0054】所定の高速時において、インジェクタ14
の燃料噴射時期を吸気行程とする均質燃焼モードに切換
えるとともに、インジェクタ14の燃料噴射圧力を7M
Paに調節する高圧噴射が行われる。
【0055】所定の低速高負荷時において、インジェク
タ14の燃料噴射時期を吸気行程とする均質燃焼モード
に切換えるとともに、インジェクタ14の燃料噴射圧力
を3MPaに調節する低圧噴射が行われる。
【0056】コントロールユニット13は、燃圧センサ
53で検出されるインジェクタ14に導かれる燃料圧力
に応じてインジェクタ14の燃料噴射期間を補正する。
すなわち、燃料噴射圧力が低下するのに伴ってインジェ
クタ14の燃料噴射期間を長くし、燃料噴射圧力が上昇
するのに伴ってインジェクタ14の燃料噴射期間を短く
する制御が行われ、所期の燃料噴射量が得られるように
する。
【0057】本実施形態における燃料噴射システムは、
以上のように構成され、次に作用について説明する。
【0058】低速低負荷時において、成層燃焼モードに
切換えるとともにインジェクタ14の燃料噴射圧力を7
MPaと高めることにより、ピストン5が上昇する圧縮
行程でインジェクタ14から燃料が噴射されるクランク
角が十分に小さくなる。このため、圧縮行程の後半に燃
料を集中的に噴射することができ、濃混合気を点火プラ
グ6の近傍へと有効に集められる。この結果、失火等を
防止し、燃焼性が確保される希薄空燃比の限界値を拡大
し、燃費の低減がはかれる。
【0059】高速時において、均質燃焼モードに切換え
るとともにインジェクタ14の燃料噴射圧力を7MPa
と高めることにより、ピストン5が下降する吸気行程で
インジェクタ14から燃料の噴射を終了できる。このた
め、吸気と燃料の混合が促進され、ピストン5が上死点
に到達する際にシリンダ4内に形成される混合気の均質
化がはかれる。
【0060】低速高負荷時において、均質燃焼モードに
切換えるとともにインジェクタ14の燃料噴射圧力を3
MPaと低く調節することにより、ピストン5が下降す
る吸気行程でインジェクタ14から燃料が噴射されるク
ランク角が十分に大きくなる。このため、ピストン1が
下降する過程で燃料が集中的に噴射されることなく、吸
気と燃料の混合が促進され、ピストン5が上死点に到達
する際にシリンダ内に形成される混合気の均質化がはか
れる。この結果、サイクル変動に影響されない安定した
燃焼性が確保され、排気エミッションを改善し、出力の
向上がはかれる。
【0061】また、図6に示すように、エンジン1の運
転状態が低速低負荷時から低速高負荷時へと移り、成層
燃焼モードから均質燃焼モードに切換えられるととも
に、インジェクタ14の燃料噴射圧力を7MPaから3
MPaと低く調節するときに、図中Aで示すように#3
気筒が圧縮行程で高圧噴射する時期と、図中Bで示すよ
うに#4気筒が圧縮行程で低圧噴射する時期が近接し、
逆転している。
【0062】そこで、エンジン1の運転状態が低速低負
荷時から低速高負荷時へと移るとき、成層燃焼モードか
ら均質燃焼モードに切換えられてから最初に吸気行程を
迎える#4気筒について、インジェクタ14の燃料噴射
圧力を7MPaと高く維持し、次に吸気行程を迎える#
2気筒から燃料噴射圧力を3MPaと低く調節する構成
とする。
【0063】これにより、成層燃焼モードで最後に圧縮
行程を迎える#3気筒について、インジェクタ14の燃
料噴射圧力が7MPaと高く維持され、失火等を防止で
き、エンジン1の運転性を損なうことを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すエンジンのシステム
図。
【図2】同じく燃料供給系のシステム図。
【図3】同じく制御系の構成を示すブロック図。
【図4】同じく制御内容を示すブロック図。
【図5】同じく燃焼モードと燃料噴射圧力を設定したマ
ップ。
【図6】同じく成層燃焼モードから均質燃焼モードへ切
換わる場合のタイミングチャート。
【符号の説明】
1 エンジン 2 吸気バルブ 4 シリンダ 5 ピストン 6 点火プラグ 10 クランク角センサ 13 コントロールユニット 14 インジェクタ 40 エアフロメータ 42 スロットル開度センサ 53 燃圧センサ 54 燃圧切換バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02D 41/34 F02D 41/34 L F02M 69/00 340 F02M 69/00 340Z (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/04 345 F02D 41/04 335 F02D 41/02 301 F02D 41/02 345 F02D 41/32 F02D 41/34 F02M 69/00 340

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダ内に燃料を噴射するインジェクタ
    と、 シリンダ内の混合気に点火する点火プラグとを備え、 インジェクタの燃料噴射時期を圧縮行程にする成層燃焼
    モードと吸気行程にする均質燃焼モードをエンジンの運
    転状態に応じて切換える直噴式火花点火エンジンにおい
    て、 インジェクタの燃料噴射圧力を調節する燃料噴射圧力調
    節手段を備え、低速低負荷時で成層燃焼モードに切換えるとともにイン
    ジェクタの燃料噴射圧力をP 1 に調節し、 高速時で均質燃焼モードに切換えるとともにインジェク
    タの燃料噴射圧力をP 1 に調節し、 低速高負荷時で均質燃焼モードに切換えるとともにイン
    ジェクタの燃料噴射圧力をP 1 より低いP 2 に調節するこ
    を特徴とする直噴式火花点火エンジンの燃料噴射装
    置。
  2. 【請求項2】前記燃料噴射圧力P 1 を略7MPaに調節
    し、 前記燃料噴射圧力P 2 を略3MPaに調節する ことを特
    徴とする請求項1に記載の直噴式火花点火エンジンの燃
    料噴射装置。
  3. 【請求項3】インジェクタに導かれる燃料圧力を検出す
    る燃料圧力検出手段と、 検出される燃料圧力に応じてインジェクタの燃料噴射期
    間を補正する燃料噴射期間補正手段を備えたことを特徴
    とする請求項1または2に 記載の直噴式火花点火エンジ
    ンの燃料噴射装置。
  4. 【請求項4】シリンダ内に燃料を噴射するインジェクタ
    と、 シリンダ内の混合気に点火する点火プラグとを備え、 インジェクタの燃料噴射時期を圧縮行程にする成層燃焼
    モードと吸気行程にする均質燃焼モードをエンジンの運
    転状態に応じて切換える直噴式火花点火エンジ ンにおい
    て、 インジェクタの燃料噴射圧力を調節する燃料噴射圧力調
    節手段を備え、 成層燃焼モードでインジェクタの燃料噴射圧力を高く調
    節し、 均質燃焼モードでインジェクタの燃料噴射圧力を低速時
    に低くし高速時に高く調節し、 成層燃焼モードから均質燃焼モードに切換えるとともに
    燃料噴射圧力を低く調節する燃圧降下時を判定し、 燃圧降下時に成層燃焼モードから均質燃焼モードに切換
    えられてから最初に吸気行程を迎える気筒について燃料
    噴射圧力を高く維持することを特徴とする直噴式火花点
    火エンジンの燃料噴射装置。
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