JP2850473B2 - 組み込み型電気湯沸器の自動引出し装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、一般家庭で使用する組み込み型電気湯沸器
の自動引出し装置に関するものである。

従来の技術 従来の組み込み型電気湯沸器の引出し装置は、第５図
のような構成となっていた。すなわち、１は壁の凹所へ
嵌装した外箱の内面に設けた段部を有するループの溝２
を持つカムで、３は外箱内へ収容した収納箱下面に設け
たレバーで前記溝２に嵌装している。

この構成による動作は、まず引き出されていた収納箱
下面のレバー３は溝２の直線部４に位置している。ここ
で収納箱を外箱内へ収納しようとして収納箱を押すとレ
バー３は溝２を左から右へ移動する。

さらに収納箱を押すとレバー３は溝５を通じて凹部６
に至るが、押すのを止めるとレバー３は突起７で誘われ
凹部８に係止され元のルートには戻らない。しかしこの
時レバー３はＡだけ移動するので外箱周囲のフランジ部
等に対し、収納箱外周の縁等との間に隙間を生じてい
た。

発明が解決しようとする課題 しかしながら、このような従来の構成では、この隙間
にパッキン等を設けてもやはり隙間は解消されず、ここ
からゴキブリ等が侵入する恐れがあった。

本発明は、このような課題を解決した収納時に隙間が
なく、且つ自動的に引き出すことのできる、組み込み型
電気湯沸器を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段 上記課題を解決するために本発明の第１の手段は、壁
の凹所へ嵌装した前面開放型の外箱を設け、この外箱の
中に支持したレール上に、前面に額縁状の扉を有する収
納箱を載置して前後方向に水平移動可能とし、この収納
箱内へ電気湯沸器を組み込むと共に、前記収納箱の下部
で外箱との空間へ電磁石を設け、前記電磁石を前記扉内
に設けたスイッチにより、前記収納箱を常に前方へ押し
出すようにあらかじめ収納箱へ付勢された開放バネのロ
ック装置を開錠するようにしたものである。

第２の手段は、収納箱の後面と外箱の奥面とにそれぞ
れ設けた磁石は、同極を相対向させることで収納箱を常
に前方へ押し出すようにしたものである。

作用 本発明は、上記した第１の解決手段により、壁の凹所
へ嵌装した前面開放型の外箱の中へ支持したレールへ載
置した前面に額縁状の扉を有する収納箱を収容して前後
方向に水平移動させこの収納箱内へ電気湯沸器等を組み
込むと共に収納箱の下部で外箱との空間へ電磁石を設け
前記電磁石を前記扉内に設けたスイッチで収納箱を常に
前方へ押し出すようにあらかじめ付勢された開放バネの
ロック装置を開錠するようにしたのでロック時収納箱が
少しも元に押し出されることなく、従って外箱外周のフ
ランジ部と収納箱外周の扉の額縁状部との間が広がるこ
となく、この部分にパッキン等を使用すると全く隙間な
くシールでき、また隙間がないのでゴキブリ等の侵入が
防止できる。

また、第２の手段では、収納箱の後面と外箱の奥面と
にそれぞれ設けた磁石は同極が相対向させることで収納
箱を常に前面へ押し出すようにしたので前記と同様に、
外箱外周のフランジ部と収納箱外周の扉の額縁状部との
間が広がることなく、この部分にパッキン等を使用する
と全く隙間なくシールでき、また隙間がないのでゴキブ
リ等の侵入が防止できるものである。

実施例 以下、本発明の一実施例を第１図から第３図に基づい
て説明する。

第１図において、10は壁11の凹所へ嵌装した前面開放
型の外箱で、この中に外箱中に支持したレール12へ載置
した前面に額縁状の扉13を有する収納箱14を収容して前
後方向に水平移動させている。

前記収納箱14内へ電気湯沸器15やドリップ式コーヒー
メーカー16を組み込むと共に収納箱14の下部で外箱10と
の空間17へ電磁石18を設けた前記電磁石18を前記扉13内
に設けたスイッチ19で収納箱14を常に前方へ押し出すよ
うにあらかじめ付勢された開放バネ20,21のロック装置2
2を開錠するようにしている。

23,24は前記開放バネ20,21の保持ガイド板であり、ロ
ック装置22の鎖錠レバー25は一端を前記外箱10に係止さ
れ他端は前記電磁石18のプランジャー26と係合し、収納
箱14に固定された軸27を中心に回動する。

28は前記収納箱14を外箱10内にロック装置22で鎖錠し
て収納し、この際収納箱14の前面開放部の外周フランジ
部29と扉13の後面30との間の隙間に介在させたパッキン
グである。

31,32,33,34等は壁11の他の凹所に収納した他の機器
である。また、35は空間17の他の箇所に設けた前記コー
ヒーメーカー16のヒーターであり、36はヒーター35に載
置したデカンタ、37はデカンタ36に同じく載置したコー
ヒーバスケットである。

38は収納箱14内に設けた水タンクであり、この水タン
ク38内の水をヒーター35で加熱しこの湯を揚水管39で前
記コーヒーバスケット37へ注ぐものである。

上記した構成により、電気湯沸器15や水タンク38に注
水するためスイッチ19をオンするとプランジャー26が電
磁石18側へ引かれ鎖錠レバー25が時計回り方向へ回動し
ロックが開放される。よって収納箱14は開放バネ20,21
により保持ガイド板23,24のフランジ部40,41が収納箱14
の内面に当たるまで手前に押し出される。そこで扉13の
周囲を持ちさらに引き出す。給水後、扉13の前面を押し
て収納していくと保持ガイド板23,24の奥面42,43が外箱
10の奥面44につき当たるがなおも押しこむと開放バネ2
0,21がチャージされ鎖錠レバー25でフックされる。この
時扉13から手を放しても収納箱14,扉13はバックするこ
とがなく、パッキング28はきっちりシールしゴキブリや
ゴミの侵入が防止できる。

第４図は本発明の他の実施例で開放バネ20,21に換え
て磁石を使用したもので外箱10の内奥面と収納箱14の奥
外面にそれぞれ磁石45,46,47,48の極性が同極で対向す
るように固着したもので前記実施例と同様の働きをする
ものである。

発明の効果 上記実施例から明らかなように本発明の実施例による
と、収納箱を一番奥まで押しこんだ状態で鎖錠するので
外箱の前面外周のフランジ部と収納箱の扉の後面との隙
間が拡大することなくこの間に設けたパッキングが有効
に作用しゴミやゴキブリ等の侵入がなくなった。

鎖錠位置を外箱奥の平面で行なっているので鎖錠位置
のバラツキが少なく隣接する他の機器との扉の凹凸が少
なくなり見栄えがよくなった。

また、電気湯沸器等を引き出す際にはワンタッチで手
軽にできる。

その上引き出し動作の後半は手で任意のスピードでお
こなえるので電気湯沸器や水タンク内の湯や水が揺れて
こぼれることがなく安全性が向上した。

また、ロック装置は引き出し動作中他の部品と擦れる
ことがないので異音等を発生しないことは言うまでもな
い。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明の一実施例を示す要部横断面図、第２図
は同要部正断面図、第３図は同要部側断面図、第４図は
本発明の他の実施例の要部一部切り欠き横断面図、第５
図は従来の動作を示す説明図である。 10……外箱、11……壁、12……レール、13……扉、14…
…収納箱、15……電気湯沸器、17……空間、18……電磁
石、19……スイッチ、20……開放バネ、21……開放バ
ネ、22……ロック装置、45……磁石、46……磁石、47…
…磁石、48……磁石。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】壁の凹所へ嵌装した前面開放型の外箱を設
   け、この外箱の中に支持したレール上に、前面に額縁状
   の扉を有する収納箱を載置して前後方向に水平移動可能
   とし、この収納箱内へ電気湯沸器を組み込むと共に、前
   記収納箱の下部で外箱との空間へ電磁石を設け、前記電
   磁石を前記扉内に設けたスイッチにより、前記収納箱を
   常に前方へ押し出すようにあらかじめ収納箱へ付勢され
   た開放バネのロック装置を開錠する組み込み型電気湯沸
   器の自動引出し装置。
2. 【請求項２】収納箱の後面と外箱の奥面とにそれぞれ設
   けた磁石は、同極を相対向させることで収納箱を常に前
   方へ押し出すようにした請求項１記載の組み込み型電気
   湯沸器の自動引出し装置。