JP2850336B2 - 焦点検出装置 - Google Patents

焦点検出装置

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JP2850336B2
JP2850336B2 JP63276823A JP27682388A JP2850336B2 JP 2850336 B2 JP2850336 B2 JP 2850336B2 JP 63276823 A JP63276823 A JP 63276823A JP 27682388 A JP27682388 A JP 27682388A JP 2850336 B2 JP2850336 B2 JP 2850336B2
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健 歌川
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吉晴 塩釜
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、一眼レフックスのオートフォーカスカメラ
に用いて好適な焦点検出装置に関する。
[従来の技術] 従来、一眼レフレックスのオートフォーカスカメラに
おける焦点検出方法として、位相差検出方式が採用され
ている。
第15図は位相差検出方式の原理構成を示す。
第15図において、対物レンズ(撮影レンズ)100の領
域101を介して入射した光束は視野マスク200、フィール
ドレンズ300、絞り開口部401および再結像レンズ501を
通りイメージセンサアレイ600A上に結像する。
同様に対物レンズ100の領域102を介して入射した光束
は視野マスク200、フィールドレンズ300、開口部402、
再結像レンズ502を通りイメージセンサアレイ600B上に
結像する。
これらイメージセンサアレイ600A,600B上に結像した
一対の光像は、対物レンズ100の焦点調節状態が予定焦
点面(フィルム等価面)より前に被写体の鮮鋭像を結ぶ
所謂前ピン状態では互いに遠ざかり、逆に予定焦点面よ
り後に結ぶ所謂後ピン状態では互いに近づき、予定焦点
面に結ぶ時いわゆる合焦時にはその中間にある所定の間
隔に光像が並ぶ。
従って、それぞれの光像をイメージセンサアレイ600
A,600Bによって光電変換し、これらの信号を演算部700
において演算処理して一対の光像のずれ量(デフォーカ
ス量)を求めることにより、対物レンズ100の焦点調節
状態がわかる。
次に、演算部700により光像のずれ量を求める焦点検
出演算について説明する。
演算部700は、複数の光電変換素子から成っているイ
メージセンサアレイ600A,600Bから第16図(a)(b)
に示すように、複数の光電変換出力(a1・・・an)及び
(b1・・・bn)を入力する。
次に各データ列(a1・・・an)と(b1・・・bn)を相
対的に所定のシフト範囲(−Lmax・・・−2,−1,0,1,2
・・・+Lmax)所定のデータ分Lずつ、即ちシフトピッ
チLでシフトしながら相関演算を行なう。
具体的には相関量C(L)を次式で算出する。
但し、j−i=L(シフトピッチ) ここでLは上述の如くデータ列のシフト量に当る整数
であり、初項kと最終項rはシフト量Lに依存して変化
させてもよい。
こうして得られた相関量C(L)の内で極小値となる
相関量を与えるシフト量が合焦点となり、合焦点に対す
るデフォーカス量とデフォーカス方向に基づいて対物レ
ンズ100を合焦駆動すればよい。
ここで極小値とは、連続する3つの相関量C1,C2,C3に
つき、中央の相関値C2が両側の相関値C1,C3に対し小さ
い値をもつ場合に極小値C2と定義される。この極小値に
対し最小値という概念が存在するが、最小値とは所定シ
フト範囲の中で最も小さい相関量であり、両者が一致す
る場合と一致しない場合とがある。
ところで、演算部700で演算される相関量C(L)は
第16図(c)に示すように離散的な値であり、検出可能
な最小単位はラインセンサ600A,600Bのピッチ幅によっ
て制限されてしまう。そのため第16図(c)の場合、相
関量の極小値によりシフト量−1が合焦点を与えている
が、極小値としては不十分であり、実際の合焦点を与え
る極小値はシフト量−1と−2の間に存在している。
この離散的な相関量C(L)に対し補間演算を行なっ
て新たに極小値Cexを計算し、綿密な焦点検出を行なう
方法が特開昭60−37513で本出願人によって開示されて
いる。
この補間演算は第16図(d)のように、極小値として
検出されたシフト量Lの相関量Coと、その両側のシフト
量L−1,L+1の相関量C−1,C1によって計算する方法
であり、極小値Cexを与えるシフト量、つまり合焦点Fm
は次の式により求まる。
Fm=L+DL/E DL=(C−1−C1)/2 ・・・(2) Cex=Co−|DL| E=Max{C1−Co,C−1−Co} ここでMax{Ca,Cb}はCaとCbの内の大きな方を選択す
ることを意味する。
更に前記第(2)式で得られた最小値Cexが真に合焦
点を示しているのか、ノイズ等による相関量のゆらぎに
よるものかを判定する必要があり、次の条件を未たした
時、Cexは信頼性ありと判定する。
E>E1 且つ Cex/<G1 ・・・(3) 但し、E1,G1はある所定値 そして信頼性ありと判定されると相関量Cexを与える
シフト量Fmに基づいてモータ800によって対物レンズ100
を駆動する。
そして対物レンズ100の焦点調節状態が合焦となるま
で、以上のデータ入力、相関演算、補間演算、駆動を繰
り返す。
[発明が解決しようとする課題] このような従来の位相差検出方式においては、イメー
ジセンサアレイ600A,600Bに形成される一対の光像のず
れ量が、相関量C(L)のシフト量Lの範囲(−Lmax〜
Lmax)を外れた時は焦点検出が不可能となる。
即ち、対物レンズ100の焦点調節状態が合焦より大き
くはずれている時は前ピンであるか後ピンであるかも判
定できない。そこで焦点検出が不可能である時は、対物
レンズ100を所定方向へ駆動しながら焦点検出を行な
い、焦点検出が可能となる位置を見つける所謂スキャン
駆動を行なう。
このスキャン駆動においてスキャンを開始する方向は
対物レンズ100の種類によるが、一般的にはまず至近方
向へ駆動し、レンズ端にきたら駆動方向を反転させ無限
遠方向へ駆動し、レンズ端にきたら駆動を停止させてい
る。
しかし、検出不能な合焦点が無限遠方向にあるのにも
かかわらず、まず至近方向にスキャンを開始する場合が
あり、このような場合に合焦するまで時間がかかり、使
用者が期待しているオートフォーカスによる高速合焦を
損う問題があった。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされた
もので、合焦点が検出不能であっても合焦点の存在する
方向へ高い確率でレンズをスキャン駆動できる焦点検出
装置を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は、対物レンズの予定焦点面上の光像を2像に
分離再結像させる焦点検出光学系と、 前記焦点検出光学系により分離再結像された2像を電
気信号に変換して出力する一対のイメージセンサーアレ
イと、 前記一対のイメージセンサーアレイの出力に対して直
流成分を除去するフィルター処理を施した一対のデータ
列を相対的にシフトして相関量を演算する演算手段と、 前記演算手段の演算結果に基づいて、焦点検出が可能
かどうかを判定する判定手段と、 前記判定手段が焦点検出可能と判定したときには、前
記演算結果に基づいて前記対物レンズを駆動る駆動手段
を制御し、前記判定手段が焦点検出不可能と判定したと
きには、前記対物レンズをスキャン駆動させるように前
記駆動手段を制御する制御手段と、を備えた焦点検出装
置において、 前記判定手段が焦点検出不可能と判定したときには、
前記一対のイメージセンサーアレイの出力に前記フィル
ター処理を施していない一対のデータ列を相対的にシフ
トして新たに相関量を演算し、該相関量の変化傾向に基
づいて前記スキャン駆動のスキャン開始方向を設定する
スキャン方向設定手段を備えたことを特徴とする。
[作用] 第1図は本発明の原理説明図であり、対物レンズを合
焦状態から離していった時、即ち、一対の光像のずれ量
を合焦状態を与える所定の間隔からずらしていった時の
相関量C(L)の変化を示す。
ここでシフト量Lの範囲は(−4〜4)であり、シフ
ト範囲を外れた場合の理論上の相関量C(L)を点線で
示す。
まず第1図(a)は合焦近傍の状態であり、シフト量
L=0において相関量C(L)は極小値Coとなってお
り、前記第(2)式の補間演算によって合焦点を求める
ことができる。
次に第1図(a)の合焦状態から対物レンズをある方
向へずらすと、同図(b)のように極小値CoはL=0か
らずれる。この場合、プラス方向のL=3にずれて極小
値Coが得られるので、前記第(2)式の補間演算により
合焦点を求めることができる。
しかし、第1図(b)の状態から更に対物レンズをず
らすと、同図(c)のように極小値Coはシフト量Lの範
囲(−4〜4)からはみでてしまい、極小値による合焦
点を求めることはできない。
しかしながら、相関量C(L)は極小値Co、正確には
補間された極小値Cexを中心にして両側で単調減少、増
加している場合がほとんどである。
従って、第1図(c)と、それよりさらに対物レンズ
をずらした同図(d)の場合において、極小値は存在し
ないが相関量C(L)の最小値がL=4に存在するの
で、極小値Co、換言すると合焦点はL=4よりも先にあ
る確率が高いといえる。
そこで本発明にあっては、第1図(c)(d)の場合
に検出された相関量の最小値L=4に基づき、マイナス
方向にスキャンを開始するよりもプラス方向にスキャン
を開始する方が早く合焦点を検出できるものとしてスキ
ャン方向をプラス方向に設定して対物レンズをスキャン
駆動し、合焦までの駆動時間を短縮することができる。
[実施例] 第2図は本発明の一実施例を示した実施例構成図であ
る。
第2図において、100は対物レンズであり、対物レン
ズの領域101を介して入射した光束は、視野マスク200、
フィールドレンズ300、絞り開口部401及び再結像レンズ
501を通ってイメージセンサアレイ600A上に結像する。
同様に対物レンズ100の領域102を介して入射した光束は
視野マスク200、フィールドレンズ300、開口部402、再
結像レンズ502を通り、イメージセンサアレイ600B上に
結像する。イメージセンサアレイ600上に結像した一対
の光像の光電変換による信号は演算部700に与えられ、
演算部700において前記第(1)式に従った相関量C
(L)の演算及び前記第(2)式に従った補間演算さら
に前記第(3)式の判定条件に従った適正極小値の判断
が行なわれる。
対物レンズ100に対しては、モータ800が設けられ、演
算部700において相関計算及び補間計算さらに極小値の
適正判定から合焦点が検出されると、合焦点に対するデ
ィフォーカス量及びディフォーカス方向に従ってモータ
800が駆動され、対物レンズ100を合焦位置に駆動する。
また、演算部700で合焦点が検出不能であったとき、
即ち相関量から最小値が検出できなかったときには極小
値検出可能状態とするためにモータ800より対物レンズ1
00のスキャン駆動を行なうようになる。
このような構成は第15図に示した従来例と同じである
が、これに加えて本発明にあっては、新たにスキャン方
向設定部900が設けられ、スキャン方向設定部900は演算
部700で合焦点検出不能、即ち相関量の極小値が検出不
能であったときに相関量の最小値を与えるシフト量に基
づいてモータ800のスキャン開始方向を設定し、対物レ
ンズ100の最小スキャン駆動によって合焦点検出状態を
得られるように制御する。
ここで、第2図の実施例における演算部700及びスキ
ャン方向設定部900はマイクロコンピュータによるプロ
グラム制御により実現される。
第3図は第2図の実施例における演算部700及びスキ
ャン方向設定部900による本発明の第1実施例による制
御処理を示したフローチャートである。
第3図において、まず不図示のシャッターレリーズ釦
の半押しによりカメラ動作が開始されると、ステップS1
でイメージセンサアレイ600A,600Bから光電変換信号を
入力し、次のステップS2で前記第(1)式に従って相関
演算を行なう。
続いてステップS3に進み、ステップS2で求められた相
関量C(L)の中に極小値となる相関量Coが存在するか
否かを検出する。ステップS3で極小値の存在が判別され
るとステップS4に進み、前記第(2)式による補間演算
を行なう。続いてステップS5において、補間演算により
求められた極小値Cexの信頼性を前記第(3)式の条件
により判定する。
ステップS5で演算された極小値Cexが信頼性有りと判
定されると、ステップS12に進み、補間演算で求められ
た合焦点Fmに基づいてモータ800により対物レンズ100を
駆動し、ステップS13で合焦が判別されると一連のオー
トフォーカス制御を終了してシャッターレリーズ待機状
態に入り、一方、ステップS13で合焦が判別されなけれ
ば再びステップS1に戻って同様の処理を繰り返す。
ここで、ステップS13における合焦判定は、例えばス
テップS12で行なった対物レンズの駆動量が所定量以下
であったときに合焦と判定する。勿論、他の適宜の合焦
判定を行なうことができ、その場合にはステップS12,S1
3の処理とは異なってくるが、各合焦判定処理に適用し
たフローを適用すれば良い。
一方、ステップS3で相関演算により求められた相関量
C(L)に極小値が存在しないと判定されたときにはス
テップS6に進み、対物レンズ100のスキャン駆動中か否
かをチェックする。スキャン駆動中でなければステップ
S7に進み、ステップS2の相関演算で求められた相関量C
(L)の中より最小値を検出する。続いて、ステップS8
で検出された最小値が所定の条件を満たすか否かで信頼
性の有無を判定する。
ステップS8で検出された最小値が所定の条件を満たし
ておらず、信頼性無しと判定された場合には、ステップ
S10で予め定めたスキャン動作を指定し、ステップS11で
対物レンズのスキャン動作を開始する。一方、ステップ
S8で検出された最小値が所定の条件を満たして適正値と
判定されるとステップS9に進み、最小値を与えるシフト
量に基づいたスキャン方向を設定してステップS11でス
キャンを開始する。
一方、ステップS3で極小値有りと検出されてもステッ
プS4の補間演算による極小値CexにつきステップS5の前
記第(3)式の判定条件の適用により適正値でないと判
定された場合には、同様にステップS6に進みステップS7
〜S11の処理に入る。
ここで、ステップS9,S10に示すスキャン条件について
は、Fr及びFdとなる値をセットする。Fdはスキャン開始
方向を設定しており、Fd=0で至近方向、Fd=1で無限
遠方向を意味する。またFrはレンズ駆動方向を反転させ
る回数を示す。
従って、FdとFrの組合せによって作られるスキャン状
態は例えば次表−1のようになる。
この表−1に示すように、FdとFrの組合せによってあ
らゆるスキャン駆動のパターンを設定することができ
る。
ステップS9におけるスキャン駆動条件の設定にあって
は、ステップS8で検出された最小値が適正でないと判定
されたときに固定的にスキャン条件を設定しており、例
えばステップS9におけるFd,Frとしては、対物レンズ100
に組み込まれたROM等に格納されたスキャン方向Ld、反
転回数Lrを用いる。勿論、前記表−1に示すような例え
ばFd=0,Fr=1となる適宜のスキャン条件を設定しても
良い。
一方、ステップS8で検出された最小値が適正値である
と判定されたときのステップS10におけるFd,Frの条件設
定にあっては、後の説明で明らかにされる。
ステップS9またはS10によるスキャン条件の設定に基
づいてステップS11で対物レンズ100のスキャン動作が開
始されるとステップS1に戻り、ステップS3で極小値が検
出され、さらにステップS4の補間演算により合焦点Fmが
演算されてステップS4で適正値となる判定が得られる位
置を探す。尚、合焦点Fmが検出される位置が見付けられ
なかった場合には、設定されたFd,Frに従ったスキャン
駆動パターンに従ってスキャン停止に至るようになる。
また、一度対物レンズのスキャン動作、即ちスキャン
方向と反転回数が設定されてスキャン動作が開始された
スキャン動作中にあっては、これらのスキャン条件の設
定を再度行なう必要がないため、ステップS6でスキャン
中にあることを判別するとステップS7以降の処理が進ま
ず、ステップS1に戻る。
また、スキャン中のみならず、一度ステップS4の補間
演算が可能となったときには以後のスキャンを禁止する
スキャン禁止フラグを立て、ステップS6でスキャン禁止
か否かチェックし、スキャン禁止であればステップS7以
降の処理に進まずにステップS1に戻るようにしても良
い。
以上説明した第3図のフローチャートにおいて、ステ
ップS1〜S6の処理が第2図の演算部700で行なわれ、ス
テップS7〜S11までの処理がスキャン方向設定部900で行
なわれる。
次に、第3図のステップS2で行なわれる相関量C
(L)の具体的な計算方法を第4図を用いて説明する。
第4図は横にイメージセンサアレイ600Aの出力データ
a1,・・・an、縦にイメージセンサアレイ600Bの出力デ
ータb1,・・・bnを示し、相関量C(L)はシフト量L
に相当する破線の延長線上の○印または△印部分のデー
タaとデータbの差を加算した値となる。
ここで、イメージセンサアレイ600A,600Bのデータ数
は12個とした場合を例にとっている。
前記第(1)式にあっては、データaとデータbの差
分を取る組数は(r−k+1)で与えられるが、この組
数をシフト量Lによらず一定とした場合が第4図(a)
である。
即ち、第4図(a)にあっては、シフト範囲(−4〜
4)でデータaとbの差分を取る組数は全て8組となっ
ている。この第4図(a)に示す相関値の演算は、前記
第(2)式で示した補間演算を高い精度で行なう場合に
は有効であるが、シフト範囲を広くとろうとする組数が
減少して精度が得られない。
そこで第4図(b)に示すように、あるシフト量の範
囲では組数を一定とし、それ以外の範囲では組数を減少
させる相関量の算出法が行なわれる。
第4図(b)にあっては、シフト量L=−4〜4の範
囲で組数は一定の8となっており、このシフト範囲を越
えるシフト量L=−5,5で組数7、L=−6,6で組数6、
L=−7,7で組数5、L=−8,8で組数4と順次組数が減
少している。
この第4図(b)の方法は、シフト範囲を広くできる
点では有効であるが、前記第(2)式の補間演算を精度
良く行なうには、各シフト量で得られる相関量C(L)
を組数によって正規化することが望ましく、特に本発明
のように相関量C(L)によりスキャン開始方向を決め
るための最小値を与える相関量を検出する場合にあって
はこの規格化は絶対必要となる。
そこで第4図(b)に示すようにシフト量Lによって
組数が変化する場合の相関量C(L)の規格化の方法を
説明する。
まず、第1の規格化方法は、組数による割算で規格化
する方法であり、シフト量Lでの組数がN個であったと
すると、次式によって規格化される。
C(L)=C(L)・P/N ・・・(4) 但し、Pは定数 また、前記第(4)式による規格化の変形として、組
数のNの少ないシフト量での相関量C(L)は信頼性が
低いので最小値となりにくいように重み付けを軽くし、 C(L)=C(L)・P/(N−1) ・・・(5) として規格化しても良い。
次に、第2の規格化方法を説明する。この第2の規格
化方法はデータa1・・・an,b1・・・bnの中で相関量C
(L)を算出した部分の隣接するデータの差分の和、つ
まり自己相関で規格化する方法である。ここで、相関量
を算出した部分の隣接するデータの差分の和をそれぞれ
ac(L),bc(L)と定義する。
例えば、第4図(b)でシフト量L=−7での相関量
C(−7)の規格は次のようにして行なわれる。
相関量C(−7)の算出に使われるデータはa1〜a5,b
8〜b12である。そこで各データの隣接するデータとの差
分の和ac(−7),bc(−7)を求めると次のようにな
る。
ac(−7)=|a1−a2|+|a2−a3|+|a3−a4|+|a4−a
5| bc(−7)=|b7−b8|+|b8−b9|+|b9−b10|+|b10
−b11| そこで隣接するデータの差分の和ac(−7)とbc(−
7)の和で相関量C(−7)を割ることにより、次式に
よって規格化する。
C(−7)=C(−7)・P/{ac(−7)+bc(−
7)} ・・・(6) ここで定数Pとしては、シフト量L=0のときの自己
相関、即ち、ac(0)とbc(0)の和とすれば良い。よ
って相関量C(−7)の規格化は次式によって行なわれ
る。
C(−7)= C(−7)・{ac(0)+bc(0)}/{ac(−7)+
bc(−7)} ・・・(7) この第(7)式を一般的式で表わすと、 C(L)= C(L)・{ac(0)+bc(0)}/{ac(L)+bc
(L)} ・・・(8) で与えられる。この第2の規格化方法は前記第(4)式
または第(5)式の組数による規格化よりも正確に規格
化でき、精度を上げるためには第2の規格化方法を用い
ることが望ましい。
次に、第3図のステップS8で検出された最小値が適正
と判定されたときにステップS10で行なうスキャン開始
方向Fd及びモータ駆動の反転回数Frの設定について説明
する。
ここでシフト量Lがプラスであるときは対物レンズ10
0のスキャン方向としては無限遠方向を表わし、シフト
量Lがマイナスのときは至近方向をスキャン方向として
表わす。
第3図ステップS10の内容は第5図に詳細に示され
る。
第5図において、第3図のステップS8により検出され
た最小値が所定の条件を満たしており、この最小値とな
る相関量C(L)を与えるシフト量をLmとしたとき、ま
ず第5図のステップS21で最小値を与えるシフト量Lmが
プラスかマイナスかを判別する。シフト量Lmがプラスで
あれば合焦点が無限遠方向に存在する確率が高いのでス
テップS23に進んでFd=1,Fr=2とし、この場合のスキ
ャン動作は前記表−1から明らかなように、 (→無限遠→至近→無限遠停止) となる。一方、ステップS21でシフト量Lmがマイナスと
判定されたときには、合焦点が至近側に存在する確率が
高いことからステップS22に進み、Fd=0,Fr=1を設定
し、前記表−1から明らかなように、この場合のスキャ
ン動作は、 (→至近→無限遠停止) となる。尚、本発明で重要になるのは、スキャン開始方
向Fdの設定であるため、反転回数Frの設定は適宜に行な
うことができる。
次に、第3図のステップS8における検出された最小値
が適正値か否か判定する判定処理を説明する。
本発明にあっては、基本的にはステップS2の補間演算
によって合焦点を検出することができないときには、相
関量C(L)の中より最小値を検出し、この最小値を与
えるシフト量Lmの示す方向へスキャンを開始するもので
ある。
しかし、相関量は所定のシフト範囲について求めてい
ることから必ず最小値が存在し、例えば被写体が一様照
明であって相関量C(L)がシフト量Lによらず、ほぼ
一定の場合であってもノイズ等の発生により最小値が生
じ、この最少値は場合によってランダムに変わり、その
結果、最小値の信頼性が保証できないためにスキャン動
作のパターンが特定できない不具合を生じる。
そこで検出された最小値につき、なんらかの条件を設
け、この条件を満たすような最小値が存在したときに最
小値を与えるシフト量Lmに従ったスキャンを行ない、最
小値が条件を満たさないときには、対物レンズの種類や
状態に従った予め決められたスキャンを行なうようにす
る。
第6図は第3図のステップS8における最小値の信頼性
判定処理の具体例として第1の判定方法を示したフロー
チャートである。
第6図のフローチャートに示す第1の判定方法は相関
量C(L)の中より最小値を検出し、検出した最小値を
与えるシフト量Lmから所定量だけ離れたシフト量におけ
る相関値と最小値との差分を取り、この差分が所定の閾
値以上のときに適正最小値と判定する方法である。
即ち、第6図のステップS31で第3図のステップS7に
おいて検出された相関量の最小値を与えるシフト量Lmが
プラスであるかマイナスであるかをチェックし、マイナ
スであればステップS32に進み、プラスであればステッ
プS33に進む。
ステップS32,S33にあっては最小値の信頼性の判定を
行なう。この判定条件は最小値を与えるシフト量Lmから
シフト量L=0に近い2シフトだけ離れたシフト量にお
ける相関量と最小値との差が所定値H1以上であることと
する。
即ち、最小値を与えるシフト量Lmがマイナスのとき
は、 C=(Lm+2)−C(Lm)>H1 で判定し、またシフト量Lmがプラス、即ちゼロ以上のと
きは、 C(Lm−2)−C(Lm)>H1 で判定する。
ステップS32,S33の条件を満たさない場合は、ステッ
プS35に進んで信頼性無しとし、第3図のステップS9に
進む。勿論、ステップS32,S33の条件を満たされるとス
テップS34に進んで最小値は信頼性有りとして第3図の
ステップS10に進む。
第6図の判定条件にあっては、最小値を与えるシフト
量Lmに対し2シフト分離されたシフト量での相関値と最
小値との差が所定値H1以上であるという条件を設定して
いるが、必ずしも2シフト離れたシフト量の相関量でな
くても良く、適宜のシフト分だけ離れたシフト量に応じ
た閾値を設定して最小値の信頼性を判定すれば良い。
このように第6図に示した最小値の信頼性判定を行な
えば、通常の場合には非常に高い確率で対物レンズ100
を合焦点が存在する方向に駆動することができるので、
充分に効果があると言える。
しかしながら、第6図に示した第1の判定方法にあっ
ては、対物レンズ100の種類によってケラレが生じてし
まう場合に不具合が生じる。
即ち、第7図(a)は対物レンズ100にケラレが生じ
ていない場合であり、同図(b)はケラレが生じた場合
である。
ケラレは対物レンズ100の開放F値が小さく、即ちレ
ンズが暗く対物レンズ100の領域101と領域102の外接円
により対物レンズ100の距離が小さくなってしまう状態
である。
即ち、第7図(a)のケラレが生じていない場合に
は、対物レンズ100の外接円105は対物レンズ100の内側
に収まっているが、同図(b)のケラレが生じた場合に
は外接円105が対物レンズ100からはみ出している。
このようにケラレを生じる対物レンズ100を使用して
一様輝度の被写体を見たときのイメージセンサアレイ60
0A,600Bの出力は、第7図(c)で示すように、一方の
データ出力は破線で示すように右上り、他方のデータ出
力は実線で示すように左上りのデータとなる。
そこで、第7図(c)に示すイメージセンサアレイ60
0A,600Bの出力データの相関量C(L)を求めると第7
図(b)に示すようにシフト量の最大値lmax,−lmaxに
向かって垂れ下がるような相関量の分布となる。
従って、最小値を与えるシフト量Lmは、Lm=lmaxかLm
=−lmaxに必ずなる。
このような場合に第6図に示した第1の判定方法を適
用すると、 C(lmax−2)−C(lmax)>H1 C(lmax−2)−C(−lmax)>H1 となる判定条件を満たすことになる。従って、ケラレの
生じる対物レンズ100を使用する可能性のあるオートフ
ォーカスカメラにおいて、第6図に示した第1の判定方
法を用いることはあまり好ましくない。
そこで、ケラレを生じる対物レンズ100を対象とした
第2の最小値の判定方法を第8図のフローチャートを参
照して説明する。
第8図に示す第2の判定方法では、相関量C(L)の
最小値を与えるシフト量Lmがシフト範囲の限界値lmax或
いは−lmaxのときの条件を、それ以外のときの条件より
も厳しくしている。
即ち、第8図にあっては、まずステップS41で最小値
を与えるシフト量Lmの絶対値がlmaxか否か判定し、lmax
でなければステップS43に進んで閾値Stを所定値H1と
し、一方、lmaxであったときにはステップS42に進んで
閾値Stを所定値H3とする。ここで所定値H3は所定値H1よ
り大きい値、即ち厳しい条件を設定する値となる。
続いてステップS44に進んで最小値を与えるシフト量L
mがプラスかマイナスかを判定し、マイナスであればス
テップS45に進み、プラスであればステップS46に進む。
最小値を与えるシフト量Lmがマイナスのときのステップ
S45にあっては、 C(Lm+2)−C(Lm)>St として信頼性の判定を行ない、またシフト量Lmがプラス
のときのステップS46にあっては、 C(Lm−2)−C(Lm)>St として最小値の信頼性の判定を行なう。
従って、最小値を与えるシフト量Lmが、lmaxまたは−
lmaxでないときには、信頼性判定の閾値StはSt=H1とな
るため、第6図に示した第1の判定方法によるステップ
S32,S33と同じ判定を行なうこととなり、一方、最小値
を与えるシフト量Lmがlmaxまたは−lmaxのときには、閾
値St=H3として厳しい条件を設定して最小値を与えるシ
フト量が適正か否か判定する。
ここで、Lm=lmaxまたは−lmaxのときの判定値H3とし
ては、例えばH3=2×H1程度の値が望ましい。
更に、第8図のステップS41以前の処理で使用してい
る対物レンズ100がケラレを生じるものか否かを判断
し、ケラレを生じないときには、St=H1と固定してしま
う方法も考えられる。
以上説明した第8図の第2の判定方法によれば、ケラ
レの生じる対物レンズ100を用いた場合にも本発明によ
るスキャン開始方向の設定がより正確に行なうことがで
きる。
次に、第9図のフローチャートを参照して、最小値を
与えるシフト量Lmの第3の判定方法を説明する。
この第9図に示す第3の判定方法にあっては、相関量
C(L)がノイズ等の影響によって第10図に示すように
ふらついた場合の対策として有効であり、最小値を与え
るシフト量Lmの1つ隣りの相関量とさらに1つ隣りの相
関量とを比較し、前者が後者よりも大きいときには、最
小値は信頼性なしとするものである。
この第3の判定方法にあっては、Lm=|lmax−1|のと
きは1つ隣りの相関量とさらに1つ隣りの相関量を比較
することはできないのでLm=|lmax−1|のときはこの比
較は行なわず、第8図に示した第2の判定方法における
Lm=|lmax|のときと同じ判定を行なう。当然のことなが
らLm=|lmax|のときも同様である。
具体的に説明すると、まず第9図のステップS51にあ
っては、それまでの処理で得られた最小値を与えるシフ
ト量Lmの絶対値が|lmax|または|lmax−1|か否かチェッ
クする。シフト量Lmの絶対値が|lmax|または|lmax−1|
でなければステップS52に進み、さらに1つ隣りの相関
量との比較を行なう。即ち、ステップS52にあっては、 C(Lm+2)<C(Lm+1) を判定し、更に次のステップS53で、 C(Lm−2)<C(Lm−1) を判定し、ステップS52,S53のいずれか一方でも満たし
たときには相関量C(L)がふらついていると判断し、
ステップS59に進んで信頼性なしとし、第3図のステッ
プS9に進む。
一方、ステップS52,S53でいずれの条件も満たさない
ときは、ステップS54に進む。
ステップS54にあっては、補間演算を示す前記第
(2)式におけるEの値、つまり最小値を与えるシフト
量Lmの両隣りのシフト量での相関量の大きい方と最小値
との差が所定値H2以上であるか否か判定する。ステップ
S54でEが所定値H2より小さいときはステップS59に進
み、最小値は信頼なしとして第3図のステップS9に進
む。一方、ステップS54でEが所定値H2以上であれば、
ステップS55に進んで最小値は信頼性ありとして第3図
のステップS10に進む。
ここで第6図に示した第1の判定方法にあっては、最
小値を与えるシフト量Lmと2シフト離れたシフト量での
相関量と最小値との差が所定値H1以上という条件を設定
しているが、ステップS54にあっては、シフト量Lmに対
する隣りのシフト量との相関量を用いているので、所定
値H2はH1より小さい値となり、例えばH2=H1/2程度とな
る。
一方、ステップS51でシフト量Lmの絶対値が|lmax|或
いは|lmax−1|であった場合には、ステップS56以降の処
理に進んでより厳しい条件を適用する。
まず、ステップS56でシフト量Lmがマイナスかプラス
かをチェックし、マイナスであればステップS57に進
み、C(Lm+2)−C(Lm)が所定値H3より大きいか否
かチェックし、H3より小さいければステップS59に進ん
で信頼性なしとし、一方、H3より大きければステップS5
5に進んで信頼性ありとする。
また、ステツプS56でシフト量Lmがプラスのときには
ステップS57に進み、C(Lm+2)−C(Lm)が所定値H
3より大きいか否かチェックし、H3以下であればステッ
プS59に進んで信頼性なしとし、一方、所定値H3より大
きければステップS55に進んで信頼性ありとする。
以上説明した第1,第2及び第3の判定方法によれば、
相関量C(L)の最小値を与えるシフト量Lmがシフト量
(−lmax〜lmax)の範囲のどこにあっても、その最小値
の信頼性を判定し、条件を満たせばシフト量Lmの方向に
スキャンを開始することになる。
しかしながら、最小値を与えるシフト量Lmはシフト量
0の近傍にあるときには、即ち対物レンズ100の焦点調
節状態が合焦近傍にあることを意味している場合には、
以前に行なった補間演算が不能であると判定すること
は、被写体自体のコントラストが低くて、焦点検出が不
可能なのであって対物レンズ100の焦点調節状態が合焦
状態から大きく離れていることによるものではない。よ
って、この場合はスキャン動作を禁止としたり、或いは
最小値を与えるシフト量Lmに基づくスキャン動作は行な
わず、レンズの状態、種類に応じた固定的に定まったス
キャン動作を行なうようにすることが望ましい。
第11図は本発明の第2実施例を示したフローチャート
である。
第11図の第2実施例の制御動作にあっては、相関量C
(L)を求めるときにイメージセンサアレイ600A,600B
の出力の生データa1・・・an,b1・・・bnをそのまま使
用せず、各データ間の差分をとったデータを使用する方
法が知られており、次式に示すようなデータ処理を施
す。
この第(9)式または第(10)式の処理によって得ら
れる新たなデータa1′・・・an′,b1′・・・bn′は、
いわゆる生データa1・・・an,b1・・・bnを微分したよ
うなデータに相当し、新たに得られたデータの直流成分
はカットされている。
このような微分データa1′・・・an′,b1′・・・b
n′を用いて前記第(1)式により相関量C(L)を求
め、前記第(2)式による補間演算を行なうと、生デー
タを用いた演算よりも高い精度が実現される。
しかしながら、このように微分されたデータを用いる
と、相関量C(L)の最小値を与えるシフト量の方向に
合焦点の存在する確率が高いとは言えなくなってしま
う。この理由を第12,13,14図を用いて説明する。
第12,13,14図のそれぞれにおいて、(a)及び(d)
はイメージセンサアレイ600A,600Bの生データと生デー
タに基づく相関量C(L)を示し、(c)は微分データ
(b)に基づく相関量C(L)を示す。
まず、第12図(a)にあっては、イメージセンサアレ
イ600A,600Bに形成される一対の光像のずれ量はさほど
大きくなく、同図(b)に示す微分データに基づく同図
(c)の相関量C(L)において最小値Coは−Lmax〜Lm
axの範囲に存在し、前記第(2)式の補間演算により合
焦点Fmを求めることができる。
しかしながら、一対の光像のずれ量が大きくなると、
第13図(a)の生データから求めた同図(b)の微分デ
ータによる同図(c)の相関量C(L)のように最小値
Coは−Lmax〜Lmaxの範囲には存在せず、焦点検出演算は
不可能となる。
そして、微分データに基づく相関量C(L)は単調増
加または減少ではなく、両側で落ち込んだ形となり、ど
ちら側に合焦点を与える最小値Coが存在しているかを予
測できない状態となる。
更に、対物レンズ100を合焦状態から離すと第14図
(a)に示すイメージセンサアレイ600A,600Bの生デー
タが得られ、同図(b)に示す微分データによる同図
(c)の相関量C(L)は図示の形となり、合焦点とな
る最小値Coが存在する方向とは逆方向の−Lmax側が落ち
込んだ形となってしまう。
一方、微分を施していない生データを用いた第12,13,
14図(d)の相関量C(L)を見ると、第13図,14図の
ように対物レンズ100が合焦状態から大きく離れて−lma
x〜Lmaxの範囲に極小値が存在しなくなっても極小値Co
が存在すべき方向への相関量C(L)が単調減少とな
り、相関量C(L)の最小値の存在する方向に合焦点が
存在する確率が高いと言える。
そこで、第11図に示した本発明の第2実施例にあって
は、対物レンズ100の焦点調節状態を高精度で合焦させ
るために微分データによる相関演算及び補間演算を行な
って焦点検出を行なうとともに、焦点検出が不可能であ
った場合には生データによる相関演算を行なって求めた
相関量C(L)の内の最小値を与えるシフト量Lmに基い
てスキャン方向を決定する。
具体的に説明すると、第11図の第2実施例にあって
は、第3図に示した第1実施例と基本的には同じであ
り、ステップS2の相関演算を微分データに基づいて行な
っており、ステップS6とS7の間に新たに無微分データ、
即ち生データによる相関演算の処理ステップS15が加わ
った点で相違する。
更に、詳細に説明するならば、第11図のステップS2に
あっては、イメージセンサアレイ600A,600Bの出力デー
タ、即ち生データに対し前記第(9)式または第(10)
式によって直流成分をカットした微分データを求め、こ
の微分データに基づき前記第(1)式によって相関量C
(L)を求める。
一方、新たに追加されたステップS15にあっては、微
分データを用いずにイメージセンサアレイ600A,600Bか
ら得られた生データを用いて前記第(1)式によって相
関量C(L)を求める。
ここで、ステップS15の相関演算に用いる微分無デー
タとしては、直流成分をカットしていなければ良いの
で、イメージセンサアレイ600A,600Bの出力生データに
対し高周波成分カット等の処理は施していても良い。
更に、ステップS2とS15における相関量C(L)の計
算方法としては、ステップS2にあっては、ステップS4で
補間演算を高精度に行なう必要があるため、第4図
(a)に示したようにシフト量Lにかかわらず、組数が
常に一定となる方法が望ましい。
一方、ステップS15にあっては、なるべくシフト量L
を広い範囲でとりたいため、第4図(b)に示すように
シフト量Lによって組数が変化する方法を使用し、前記
第(4),(5)式或いは第(8)式によって規格化す
る方法が望ましい。
そして、相関演算でのシフト量Lの範囲−Lmax〜Lmax
をステップS2,S15においてそれぞれLmax=kmax,Lmax=l
maxとしたとすると当然のことながら、 lmax≧kmax であることが望ましい。
更に、第11図のステップS8にあっては、第3図の場合
と同様、最小値として検出された相関量C(L)の信頼
性の判定を行なっており、具体的な内容は第6図,第8
図または第9図に示した第1,第2,第3の判定方法が適用
される。これらの判定方法にあっては相関量C(L)の
最小値を与えるシフト量Lmが−lmax〜lmaxのどこに存在
していても最小値の信頼性を判定する条件を満たせばシ
フト量Lmの方向にスキャンを行なっている。
しかしながら、第11図の第2実施例にあっては、ステ
ップS8の判定条件以前のステップS2,S3,S4において微分
データに基づく焦点検出演算を行なっており、シフト量
Lmが−kmax+1〜kmax−1の範囲には合焦点はないと考
えることができる。
従って、ステップS7で検出された最小値を与えるシフ
ト量Lmが−kmax+1〜kmax−1の範囲にあるときは、こ
の最小値は信頼性ないと判定してステップS9に進むよう
にしても良い。
この方法を用いてlmax=kmaxとすると最小値を与える
シフト量Lmが−lmaxかlmaxのときだけ最小値の信頼性を
判定すれば良く、最小値を与えるシフト量Lmがそれ以外
の場合は、ステップS8の判定条件を適用することなく信
頼性なしと判定しても良い。
この第11図の第2実施例にあっても、ステップS1〜S6
の処理が第2図に示した演算部700の処理であり、残り
ステップS15,S7〜S11がスキャン方向設定部900による処
理となる。
[発明の効果] 以上説明してきたように本発明によれば、焦点検出演
算が不能であるときには、相関量の中で最小値となる相
関量を与えるシフト量の示す方向に基づいてスキャン開
始方向を決めているため、従来のように合焦点と逆方向
にスキャンを開始してしまうスキャン動作を最小限に抑
えることができ、高い確率で合焦点の存在する方向へス
キャンが開始されるため、合焦点までの到達時間が短く
なり、使い勝手を大幅に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の原理説明図; 第2図は本発明の実施例構成図; 第3図は本発明の第1実施例による制御動作を示したフ
ローチャート; 第4図は第3図のステップS2の相関演算の具体例を示し
た説明図; 第5図は第3図のステップS10のスキャン開始方向の設
定処理を示したフローチャート; 第6図は第3図のステップS8で行なう第1の判定方法を
示したフローチャート; 第7図は対物レンズにケラレが発生した場合の相関量の
説明図; 第8図は第3図のステップS3で行なう第2の判定方法を
示したフローチャート; 第9図は第3図のステップS8で行なう第3の判定方法を
示したフローチャート; 第10図はノイズによる相関量のフラ付きを示した説明
図; 第11図は本発明の第2実施例による制御動作を示したフ
ローチャート; 第12,13,14図は対物レンズを合焦状態から遠ざけた時の
センサアレイデータ、微分データの夫々に基づく相関量
の変化を示した説明図; 第15図は従来装置の構成図; 第16図は従来の焦点検出演算を示した説明図である。 100:対物レンズ 200:視野マスク 300:フィールドレンズ 401:絞り開口部 501,502:再結像レンズ 600A,600B:イメージセンサアレイ 700:演算部 800:モータ 900:スキャン方向設定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塩釜 吉晴 東京都品川区西大井1丁目6番3号 株 式会社ニコン大井製作所内 (72)発明者 山野 省三 東京都品川区西大井1丁目6番3号 株 式会社ニコン大井製作所内 (56)参考文献 特開 昭63−85709(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02B 7/28 - 7/40 G03B 3/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対物レンズの予定焦点面上の光像を2像に
    分離再結像させる焦点検出光学系と、 前記焦点検出光学系により分離再結像された2像を電気
    信号に変換して出力する一対のイメージセンサーアレイ
    と、 前記一対のイメージセンサーアレイの出力に対して直流
    成分を除去するフィルター処理を施した一対のデータ列
    を相対的にシフトして相関量を演算する演算手段と、 前記演算手段の演算結果に基づいて、焦点検出が可能か
    どうかを判定する判定手段と、 前記判定手段が焦点検出可能と判定したときには、前記
    演算結果に基づいて前記対物レンズを駆動する駆動手段
    を制御し、前記判定手段が焦点検出不可能と判定したと
    きには、前記対物レンズをスキャン駆動させるように前
    記駆動手段を制御する制御手段と、を備えた焦点検出装
    置において、 前記判定手段が焦点検出不可能と判定したときには、前
    記一対のイメージセンサーアレイの出力に前記フィルタ
    ー処理を施していない一対のデータ列を相対的にシフト
    して新たに相関量を演算し、該相関量の変化傾向に基づ
    いて前記スキャン駆動のスキャン開始方向を設定するス
    キャン方向設定手段を備えたことを特徴とする焦点検出
    装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の焦点検出装置において、 前記スキャン方向設定手段は、新たに演算した前記相関
    量の中で最小値を与えるシフト量を検出し、該シフト量
    に基づいて前記スキャン開始方向を設定することを特徴
    とする焦点検出装置。
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