JP2849490B2 - アモルファス五酸化バナジウム粉末の製造方法、及びこのアモルファス五酸化バナジウムを正極とするリチウム2次電池 - Google Patents
アモルファス五酸化バナジウム粉末の製造方法、及びこのアモルファス五酸化バナジウムを正極とするリチウム2次電池Info
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多結晶五酸化バナジウ
ム融液あるいはこれに高温で完全に混合する他の酸化物
成分を含む混合融液を純水中あるいは水溶液に直接投入
してアモルファス五酸化バナジウム粉末を製造する方
法、及び該アモルファス五酸化バナジウムを正極とする
リチウム2次電池に関するものである。
ム融液あるいはこれに高温で完全に混合する他の酸化物
成分を含む混合融液を純水中あるいは水溶液に直接投入
してアモルファス五酸化バナジウム粉末を製造する方
法、及び該アモルファス五酸化バナジウムを正極とする
リチウム2次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に多結晶五酸化バナジウム(c-V
2O5)は空気中で安定であり、斜方晶結晶に属し、せん
断構造を形成する酸化物であって、常温では橙色粉末、
融点は約690℃である。これらは、古くから酸化触媒
として広く使用されて来たものであるが、一般に、V2O5
は結晶格子内に隙間があり、リチウムセルを組んだ場
合、放電電圧が高く、高エネルギー密度のリチウム2次
電池をつくることができること、また3次元チャンネル
構造を有しており、そのチャンネルの中にリチウムがイ
ンターカレートすることができることから近年リチウム
二次電池の正極材料として注目を集め数多くの研究開発
がなされているものである。
2O5)は空気中で安定であり、斜方晶結晶に属し、せん
断構造を形成する酸化物であって、常温では橙色粉末、
融点は約690℃である。これらは、古くから酸化触媒
として広く使用されて来たものであるが、一般に、V2O5
は結晶格子内に隙間があり、リチウムセルを組んだ場
合、放電電圧が高く、高エネルギー密度のリチウム2次
電池をつくることができること、また3次元チャンネル
構造を有しており、そのチャンネルの中にリチウムがイ
ンターカレートすることができることから近年リチウム
二次電池の正極材料として注目を集め数多くの研究開発
がなされているものである。
【0003】他方、上記結晶性のV2O5を正極として用い
た場合、充放電を繰り返すことによって、結晶格子内へ
のリチウムの出入りが何度も行なわれ、結晶格子が崩れ
てしまい充放電特性が悪くなるという欠点がある。そこ
でこのような充放電サイクル特性を向上させる方法の一
つにV2O5の構造をアモルファスにするという方法があ
る。かかるアモルファス五酸化バナジウム(a-V2O5)
も、そのバナジウム1原子当りリチウムを約1個までイ
ンターカレートすることから、高エネルギー密度リチウ
ム二次電池の正極活性物質として注目され、同様に活発
に研究されている。
た場合、充放電を繰り返すことによって、結晶格子内へ
のリチウムの出入りが何度も行なわれ、結晶格子が崩れ
てしまい充放電特性が悪くなるという欠点がある。そこ
でこのような充放電サイクル特性を向上させる方法の一
つにV2O5の構造をアモルファスにするという方法があ
る。かかるアモルファス五酸化バナジウム(a-V2O5)
も、そのバナジウム1原子当りリチウムを約1個までイ
ンターカレートすることから、高エネルギー密度リチウ
ム二次電池の正極活性物質として注目され、同様に活発
に研究されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、上述のa-V2O5の
製造は、ほとんどの場合、前記c-V2O5を高温で融解し、
その融体を冷却手段を具備させた双ローラー(ツインロ
ーラー)間に流し込んで急冷し、排出側でガラス状の微
片からなる板状のa-V2O5を取出す方法で行われていた
(例えば、ケー・ナッサウら、ジャーナル・オブ・ノン
クリスタライン・ソリッド、44、297〜304、1
981)。かかる方法は、上記板状化急冷に際しての加
熱装置に大形装置を要するため装置が大型になり、また
ローラーの加熱を適切に抑制コントロールする意味から
も短時間に大量のa-V2O5を製造することが困難であるな
ど、それら作業性の点で難点があった。又これを正極と
するリチウム2次電池の製造上の作業性に難点があっ
た。
製造は、ほとんどの場合、前記c-V2O5を高温で融解し、
その融体を冷却手段を具備させた双ローラー(ツインロ
ーラー)間に流し込んで急冷し、排出側でガラス状の微
片からなる板状のa-V2O5を取出す方法で行われていた
(例えば、ケー・ナッサウら、ジャーナル・オブ・ノン
クリスタライン・ソリッド、44、297〜304、1
981)。かかる方法は、上記板状化急冷に際しての加
熱装置に大形装置を要するため装置が大型になり、また
ローラーの加熱を適切に抑制コントロールする意味から
も短時間に大量のa-V2O5を製造することが困難であるな
ど、それら作業性の点で難点があった。又これを正極と
するリチウム2次電池の製造上の作業性に難点があっ
た。
【0005】本発明の目的は、上記難点を解消し装置の
小型化が可能であり、及びa-V2O5粉末を得るための作業
性の向上がはかれ、更にコスト低減が可能なa-V2O5の製
造方法及びこれを用いたリチウム2次電池を提供するこ
とにある。
小型化が可能であり、及びa-V2O5粉末を得るための作業
性の向上がはかれ、更にコスト低減が可能なa-V2O5の製
造方法及びこれを用いたリチウム2次電池を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
c-V2O5融液、あるいはこれと他の酸化物を含む混合融体
を直接純水または水溶液中に投入し、コロイド状の酸化
物、a-V2O5を生成させたのち乾燥し、a-V2O5粉末を製造
することを特徴とする。又本発明の第2の発明は、c-V2
O5融液、又はこのc-V2O5にB2O3やMoO3を添加した融液を
純水中に投入して得たコロイド溶液より合成したアモル
ファスV2O5を正極とし、負極にリチウム金属を用いたこ
とを特徴とするリチウム2次電池である。
c-V2O5融液、あるいはこれと他の酸化物を含む混合融体
を直接純水または水溶液中に投入し、コロイド状の酸化
物、a-V2O5を生成させたのち乾燥し、a-V2O5粉末を製造
することを特徴とする。又本発明の第2の発明は、c-V2
O5融液、又はこのc-V2O5にB2O3やMoO3を添加した融液を
純水中に投入して得たコロイド溶液より合成したアモル
ファスV2O5を正極とし、負極にリチウム金属を用いたこ
とを特徴とするリチウム2次電池である。
【0007】本発明において、上記多結晶五酸化バナジ
ウムは市販品としても容易に得られるものが略例外なく
使用される。これらのc-V2O5は、良く知られているよう
に、るつぼ中で加熱すれば約690℃以上で容易に融解
する。そして上述の混合融体の場合は、他の成分酸化物
として、容易に上記V2O5と完全混合融体をつくり得る、
例えば三酸化モリブデン(MoO3)、三二酸化ホウ素(B2
O3)などが用いられ、これらは概ね5mol%量添加され
る。最終目的物の使用目的、用途等に応じて、上記a-V2
O5単独とするか、あるいはこのa-V2O5に上述のMoO3又は
B2O3等を混合して融液とするものである。それらの混合
量も同様に使用目的等に応じて決定すれば良い。
ウムは市販品としても容易に得られるものが略例外なく
使用される。これらのc-V2O5は、良く知られているよう
に、るつぼ中で加熱すれば約690℃以上で容易に融解
する。そして上述の混合融体の場合は、他の成分酸化物
として、容易に上記V2O5と完全混合融体をつくり得る、
例えば三酸化モリブデン(MoO3)、三二酸化ホウ素(B2
O3)などが用いられ、これらは概ね5mol%量添加され
る。最終目的物の使用目的、用途等に応じて、上記a-V2
O5単独とするか、あるいはこのa-V2O5に上述のMoO3又は
B2O3等を混合して融液とするものである。それらの混合
量も同様に使用目的等に応じて決定すれば良い。
【0008】更にこれら融液を投入するのは、通常の電
気的な材料にあっては純水中が最適と思われるが、又は
これを酸性側あるいはアルカリ側にシフトさせた、即ち
或る種のイオンを含む溶液であっても良い。上記融液を
得るための加熱手段としては、電気炉またはバーナー加
熱手段等がある。又これを純水または水溶液中に投入す
る場合は空気中で行うことができる。得られたコロイド
溶液の水ないしは揮発成分は適当に乾燥、特に好ましく
は真空乾燥により除去する。
気的な材料にあっては純水中が最適と思われるが、又は
これを酸性側あるいはアルカリ側にシフトさせた、即ち
或る種のイオンを含む溶液であっても良い。上記融液を
得るための加熱手段としては、電気炉またはバーナー加
熱手段等がある。又これを純水または水溶液中に投入す
る場合は空気中で行うことができる。得られたコロイド
溶液の水ないしは揮発成分は適当に乾燥、特に好ましく
は真空乾燥により除去する。
【0009】
【作用】この発明においては、上記a-V2O5の融液は、純
水中に流し込まれた際に瞬時に冷却されてガラス体の微
片となってコロイド状に懸濁する。そしてこれが乾燥固
化されることにより無秩序な結晶構造となりアモルファ
ス化品となるのである。
水中に流し込まれた際に瞬時に冷却されてガラス体の微
片となってコロイド状に懸濁する。そしてこれが乾燥固
化されることにより無秩序な結晶構造となりアモルファ
ス化品となるのである。
【0010】
【実施例】以下実施例に基づきこの発明をさらに詳細に
説明する。
説明する。
【0011】実施例 1 c-V2O5を白金るつぼに約0.6〜0.7gを入れ、ガスバー
ナーにより約750℃に加熱し、融液を得た。一方50
mlビーカーに純水を入れ、これをまわりから氷によって
冷却し、純水の温度を5℃前後に保ち、このビーカー中
には攪拌子を具備させておき、スタラーによって攪拌し
得るようにした。上記融体を直接ビーカーの純水中にる
つぼをかたむけて投入した。ビーカー内での固化したV2
O5は部分的にはかたまりとして存在していたが、2時間
ほど攪拌を継続すると、やがてほとんど分散液となっ
た。
ナーにより約750℃に加熱し、融液を得た。一方50
mlビーカーに純水を入れ、これをまわりから氷によって
冷却し、純水の温度を5℃前後に保ち、このビーカー中
には攪拌子を具備させておき、スタラーによって攪拌し
得るようにした。上記融体を直接ビーカーの純水中にる
つぼをかたむけて投入した。ビーカー内での固化したV2
O5は部分的にはかたまりとして存在していたが、2時間
ほど攪拌を継続すると、やがてほとんど分散液となっ
た。
【0012】次にこの分散溶液をロ過し、微粒子状のV2
O5を分離すると共にロ液を200℃に加熱し約2日間真
空乾燥した。得られたV2O5粉末は、 CuKαX線回折によ
りアモルファスであることを確認した。また乾燥したa-
V2O5は空気中に放置するとa-V2O51モルあたり約1/2 モ
ルの水(H2O)を吸収するが、約120℃に加熱すると、
水は蒸発し、再びa-V2O5になることが熱重量分析(TG)に
より確認された。
O5を分離すると共にロ液を200℃に加熱し約2日間真
空乾燥した。得られたV2O5粉末は、 CuKαX線回折によ
りアモルファスであることを確認した。また乾燥したa-
V2O5は空気中に放置するとa-V2O51モルあたり約1/2 モ
ルの水(H2O)を吸収するが、約120℃に加熱すると、
水は蒸発し、再びa-V2O5になることが熱重量分析(TG)に
より確認された。
【0013】実施例2 MoO3 0.5mol%を予め混合したc-V2O5を、白金るつぼに約
1.2g入れ、ガスバーナーにより約810℃に加熱し、
融液を得た。一方50mlビーカーにHCl によりpH5にし
た水を入れ、これをまわりから氷によって冷却し、溶液
の温度を3℃前後に保ち、このビーカー中には実施例1
と同様にしてスタラーによって攪拌し得るようにし、上
記融体を直接ビーカーの純水中にるつぼをかたむけて投
入した。
1.2g入れ、ガスバーナーにより約810℃に加熱し、
融液を得た。一方50mlビーカーにHCl によりpH5にし
た水を入れ、これをまわりから氷によって冷却し、溶液
の温度を3℃前後に保ち、このビーカー中には実施例1
と同様にしてスタラーによって攪拌し得るようにし、上
記融体を直接ビーカーの純水中にるつぼをかたむけて投
入した。
【0014】ビーカー内でのV2O5は部分的にはかたまり
として存在していたが、2時間ほど攪拌するとやがてほ
とんど分散液となった。この溶液をロ過し、微粒子状の
V2O5を分離すると共に、以下実施例1の如くして真空乾
燥した。得られたMoO3を含むV2O5粉末は、 CuKαX線回
折によりアモルファスであることを確認した。
として存在していたが、2時間ほど攪拌するとやがてほ
とんど分散液となった。この溶液をロ過し、微粒子状の
V2O5を分離すると共に、以下実施例1の如くして真空乾
燥した。得られたMoO3を含むV2O5粉末は、 CuKαX線回
折によりアモルファスであることを確認した。
【0015】また乾燥した上記a-V2O5は空気中に放置す
るとa-V2O51モルあたり約1/2 モルの水(H2O) を吸収す
るが、約120℃に加熱すれば水は蒸発し、再びa-V2O5
になることが実施例1と同様に熱重量分析(TG)により
確認された。
るとa-V2O51モルあたり約1/2 モルの水(H2O) を吸収す
るが、約120℃に加熱すれば水は蒸発し、再びa-V2O5
になることが実施例1と同様に熱重量分析(TG)により
確認された。
【0016】実施例3 B2O3を0.8mol%予め混合したc-V2O5を、白金るつぼに約
1.0gを入れ、ガスバーナーにより約800℃に加熱し
て得た融液を用いた外は、実施例1と全く同様に行っ
た。実施例1及び2と概ね同様に、アモルファスが得ら
れることが確認された。
1.0gを入れ、ガスバーナーにより約800℃に加熱し
て得た融液を用いた外は、実施例1と全く同様に行っ
た。実施例1及び2と概ね同様に、アモルファスが得ら
れることが確認された。
【0017】実施例4 実施例1によるa-V2O5を正極用ペレットとするために、
集電材として45wt.%のグラファイト、結合剤として5
wt.%のテフロン(登録商標)を加え、加圧成形してペレ
ット化した。正極ペレットの質量は2.5mgのものを用い
た。
集電材として45wt.%のグラファイト、結合剤として5
wt.%のテフロン(登録商標)を加え、加圧成形してペレ
ット化した。正極ペレットの質量は2.5mgのものを用い
た。
【0018】実験用のリチウム2次電池は次のようにし
て形成した。図1のように、真ちゅうの電極1にOリン
グ2を取付け、パイレックス管3をはめ込み、上部に正
極ペレット4、セパレーター5及びリチウムホイル6を
この順に設け、上部から真ちゅうの電極7で押えつけ、
スプリング8にて固定した。尚図において、9,10は
リードワイヤ、11はプラスチックテープである。
て形成した。図1のように、真ちゅうの電極1にOリン
グ2を取付け、パイレックス管3をはめ込み、上部に正
極ペレット4、セパレーター5及びリチウムホイル6を
この順に設け、上部から真ちゅうの電極7で押えつけ、
スプリング8にて固定した。尚図において、9,10は
リードワイヤ、11はプラスチックテープである。
【0019】電解液としてPC中にLiClO4を溶解して1
mol/l としたものを用い、リチウム電池特性測定は、ガ
ルバノスタットを定電流法にて行い、全てアルゴン雰囲
気中のドライボックス中にて行った。第1回放電の結果
を図2に示す。同図の如く0.1mA/cm2で1Vまで放電す
ると上記a-V2O5にインターカレートするリチウムのモル
数倍率は約3となり約450Ah/kg の理論容量密度とな
った。上記正極用のV2O5中にB2O3を加えたもの、又はMo
O3を加えたものについて同様に実験を行い、これらの結
果を図3及び図4に示したが、上記V2O5単独の場合と同
様の傾向を示した。
mol/l としたものを用い、リチウム電池特性測定は、ガ
ルバノスタットを定電流法にて行い、全てアルゴン雰囲
気中のドライボックス中にて行った。第1回放電の結果
を図2に示す。同図の如く0.1mA/cm2で1Vまで放電す
ると上記a-V2O5にインターカレートするリチウムのモル
数倍率は約3となり約450Ah/kg の理論容量密度とな
った。上記正極用のV2O5中にB2O3を加えたもの、又はMo
O3を加えたものについて同様に実験を行い、これらの結
果を図3及び図4に示したが、上記V2O5単独の場合と同
様の傾向を示した。
【0020】次に充放電サイクルの結果は図5〜図7に
示す。同図によれば正極がV2O5だけの場合、及び外にB2
O3が10mol%含まれている場合は、1.75Vから3.4V
の間の充放電では、理論容量密度は、1回目でリチウム
のモル数倍率が約2となるので約300Ah/kg 、300
回の充放電後は同倍率は約1となるので約150Ah/kg
となった。更にV2O5にMoO3を10mol%加えたものを正極
にしたものは、同様にして1回目で約300Ah/kg 、1
00回の充放電後で約200Ah/kg の理論容量密度とな
った。
示す。同図によれば正極がV2O5だけの場合、及び外にB2
O3が10mol%含まれている場合は、1.75Vから3.4V
の間の充放電では、理論容量密度は、1回目でリチウム
のモル数倍率が約2となるので約300Ah/kg 、300
回の充放電後は同倍率は約1となるので約150Ah/kg
となった。更にV2O5にMoO3を10mol%加えたものを正極
にしたものは、同様にして1回目で約300Ah/kg 、1
00回の充放電後で約200Ah/kg の理論容量密度とな
った。
【0021】
【発明の効果】本発明は、上記の説明で明らかなように
多結晶五酸化バナジウム融液あるいはこれに高温で完全
に混合する他の酸化物成分を含む混合融液を純水中ある
いは水溶液に直接投入してアモルファス五酸化バナジウ
ム粉末を製造し得る方法であるから、上述の2本ロール
の冷却手段の如き大形機器を必要とせず、しかも、上記
融液の水中への投入等で足りること、及び得られる粉体
は微粉状となって粉砕が容易であるため作業性を向上さ
せ得る効果がある。
多結晶五酸化バナジウム融液あるいはこれに高温で完全
に混合する他の酸化物成分を含む混合融液を純水中ある
いは水溶液に直接投入してアモルファス五酸化バナジウ
ム粉末を製造し得る方法であるから、上述の2本ロール
の冷却手段の如き大形機器を必要とせず、しかも、上記
融液の水中への投入等で足りること、及び得られる粉体
は微粉状となって粉砕が容易であるため作業性を向上さ
せ得る効果がある。
【0022】そしてかかるa-V2O5の製造装置の小型化、
及び作業性向上等により、特にリチウム2次電池の製造
が効率化され、かつ安価に提供し得る効果がある。尚本
発明により得られるa-V2O5は、既に述べた如く酸化触媒
としても使用し得ることは云うまでもない。
及び作業性向上等により、特にリチウム2次電池の製造
が効率化され、かつ安価に提供し得る効果がある。尚本
発明により得られるa-V2O5は、既に述べた如く酸化触媒
としても使用し得ることは云うまでもない。
【図1】本発明実施例によるa-V2O5を正極として用いた
リチウム2次電池の断面図、
リチウム2次電池の断面図、
【図2】同リチウム電池特性図。
【図3】正極としてV2O5+B2O3を用いたリチウム電池特
性図。
性図。
【図4】正極としてV2O5+MoO3を用いたリチウム電池特
性図。
性図。
【図5】V2O5正極リチウム電池の充放電特性図。
【図6】V2O5+B2O3正極リチウム電池の充放電特性図。
【図7】V2O5+MoO3正極リチウム電池の充放電特性図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 伸一郎 埼玉県川口市元郷1−33−16 (72)発明者 藤芳 皓志 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電 気工業株式会社内 審査官 前田 仁志 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C01G 31/02 H01M 4/02 H01M 4/48 H01M 10/40
Claims (2)
- 【請求項1】 多結晶五酸化バナジウム(c-V2O5)融
液、あるいは高温下で混合する他の酸化物との混合融体
を純水ないしは水溶液中に直接投入し、コロイド状酸化
物とした後乾燥することを特徴とするアモルファス五酸
化バナジウム(a-V2O5)粉末の製造方法。 - 【請求項2】 c-V2O5融液、又はこのc-V2O5にB2O3やMo
O3を添加した融液を純水中に投入して得たコロイド溶液
より合成したアモルファスV2O5を正極とし、負極にリチ
ウム金属を用いたことを特徴とするリチウム2次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3082846A JP2849490B2 (ja) | 1991-03-25 | 1991-03-25 | アモルファス五酸化バナジウム粉末の製造方法、及びこのアモルファス五酸化バナジウムを正極とするリチウム2次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3082846A JP2849490B2 (ja) | 1991-03-25 | 1991-03-25 | アモルファス五酸化バナジウム粉末の製造方法、及びこのアモルファス五酸化バナジウムを正極とするリチウム2次電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05105450A JPH05105450A (ja) | 1993-04-27 |
JP2849490B2 true JP2849490B2 (ja) | 1999-01-20 |
Family
ID=13785750
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3082846A Expired - Fee Related JP2849490B2 (ja) | 1991-03-25 | 1991-03-25 | アモルファス五酸化バナジウム粉末の製造方法、及びこのアモルファス五酸化バナジウムを正極とするリチウム2次電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2849490B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07122275A (ja) * | 1993-05-25 | 1995-05-12 | Wilson Greatbatch Ltd | 電気化学電池用のカソード、その調製方法および電気化学電池 |
JPH07142067A (ja) * | 1993-07-12 | 1995-06-02 | Wilson Greatbatch Ltd | 電気化学電池用カソードおよびその調製方法、並びに電気化学電池 |
WO2008056794A1 (fr) | 2006-11-10 | 2008-05-15 | Fuji Jukogyo Kabushiki Kaisha | Matériau d'électrode, procédé de fabrication de matériau d'électrode et batterie secondaire au lithium non aqueuse |
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