JP2849236B2 - 太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池モジュール

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JP2849236B2
JP2849236B2 JP3149292A JP14929291A JP2849236B2 JP 2849236 B2 JP2849236 B2 JP 2849236B2 JP 3149292 A JP3149292 A JP 3149292A JP 14929291 A JP14929291 A JP 14929291A JP 2849236 B2 JP2849236 B2 JP 2849236B2
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    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/541CuInSe2 material PV cells

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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電性基体上に、裏面
反射層と光電変換部材である半導体層と透明導電層が順
次形成され、集電部の一部が銀を主成分とする材料で形
成された太陽電池の、光入射側表面がフッ素樹脂フィル
ムで被覆されている太陽電池モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】最近、CO2の増加による温室効果で、
地球が温暖化することが予測され、CO2を排出しない
クリーンなエネルギーの要求がますます高まっている。
またCO2を排出しない原子力発電も、なお諸種の問題
を残しており、より安全性の高いクリーンなエネルギー
が望まれている。将来期待されているクリーンなエネル
ギーのなかでも、特に太陽電池はそのクリーンさと安全
性と取り扱いやすさから期待が大きい。各種太陽電池の
中で、アモルファスシリコン太陽電池や化合物半導体太
陽電池は大面積に製造でき、製造コストも安価であるこ
とから熱心に研究されている。上述した太陽電池には、
太陽電池の強度を上げて軽くするためにステンレス基板
や導電層を形成したプラスチック基板などの導電性基体
が用いられているものもある。ステンレスなどの基板を
用いた太陽電池モジュールでは、さらに可透性を活か
し、軽量化するために表面保護材として樹脂フィルムを
ラミネートしている。
【0003】しかし、上述した樹脂フィルムラミネート
型太陽電池モジュールの屋外試験では、樹脂フィルムと
樹脂フィルムを太陽電池に接着する接着剤との間に細か
い空隙ができ、部分的に樹脂フィルムが剥がれるという
問題が生じている。また、集電用グリッド電極に銀が使
用されるか、集電用バスバーが銀ペーストの接着剤で接
着されている太陽電池モジュールの中には、これら電極
やバスバーが短絡して出力が低下するものも発生してい
る。本発明者らは、樹脂ラミネート太陽電池モジュール
の温度サイクル試験、温湿度サイクル試験、順バイアス
印加試験およびサンシャインウェザオメータ試験の結果
から、ラミネートフィルムの剥がれの主たる原因が樹脂
フィルムから透過する水蒸気であり、短絡の主たる原因
は銀のエレクトロマイグレーションであることをつきと
めた。
【0004】特開昭59-73942号公報と特開昭60-170980
号公報では、接着剤層と接する面を、高周波スパッタエ
ッチング処理したフッ素樹脂フィルムや三フッ化塩化エ
チレン樹脂フィルムを用いて接着剤により太陽電池を被
覆する方法が提案されている。
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の太陽電
池モジュールは、以下のような欠点があった。
【0005】0.1 Torrの水蒸気の雰囲気でスパッタエッ
チ処理すると記載されているが、水蒸気雰囲気で高周波
放電をおこすことは困難であり、アルゴンガスなどの不
活性ガスの放電でスパッタしたとしてもフッ素樹脂の炭
素−フッ素結合は強固でエッチングされにくい。したが
って、上述したスパッタ処理では接着剤との接着強度が
さほど向上しないために温湿度サイクル試験ではラミネ
ートの剥離が生じ、さらに水蒸気の侵入が容易になる。
また、一般的にはフッ素樹脂フィルムは接着性が悪いの
で、通常はコロナ放電処理や反応性強アルカリ処理によ
って表面処理を行ない、接着剤との接着強度を上げてい
る。コロナ放電処理は、コロナ放電で発生するオゾンを
反応させてカルボニル基を生じさせ接着強度を上げよう
とするものであるが、フッ素樹脂の場合は炭素とフッ素
の結合が強固であるために、カルボニル基を生じにく
く、接着強度はあまり上がらない。また、反応性強アル
カリ処理はアルカリ金属−ナフタレン錯化合物のテトラ
ヒドロナフタレン溶液に樹脂フィルムを浸してフッ素樹
脂フィルム表面の脱ハロゲンを行い、接着性を上げるも
のである。しかし、この方法では両面が一度に処理され
るために片面のみを処理することは難しい。両面処理の
フィルムで表面被覆する場合には処理面が大気に露出す
ることになるので汚れが付着し易くなる。したがって、
フッ素樹脂フィルムの片面のみを処理して接着剤との接
着強度を上げることができない。
【0006】本発明の目的は、耐湿性が高く剥離の少な
いフッ素樹脂フィルムで太陽電池表面を覆うことによ
り、短絡や開放端出力電圧低下の少ない、冒頭に述べた
種類の太陽電池モジュールを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のフッ素樹脂フィ
ルムで被覆した太陽電池モジュールは、フッ素樹脂フィ
ルムが、炭素−炭素結合と炭素−フッ素結合から成り、
かつ炭素−塩素結合または炭素−三フッ化炭素結合を含
むフッ素樹脂フィルムであり、フッ素樹脂フィルムの、
光入射面と反対側の面が、水素ガス、酸素ガス、窒素ガ
ス、アンモニアガスあるいは炭化水素のプラズマに曝さ
れて表面処理されており、表面処理された面が接着剤に
より太陽電池に接着されている。
【0008】
【作用】太陽電池の集電部に銀が使用されている場合に
は、エレクトロマイグレーションが発生しやすいので太
陽電池の表面保護材として透湿性の低いフッ素樹脂フィ
ルムが必要であり、フッ素原子のファンデアワールス半
径よりも大きい原子あるいは基、特に炭素−塩素結合あ
るいは炭素−三フッ化炭素結合を有するフッ素樹脂フィ
ルムは耐候性に優れ、かつ透湿性が低いことがわかっ
た。さらに上述のフッ素樹脂フィルムの表面を、水素、
酸素、窒素、アンモニアあるいは炭化水素から発生する
反応性のプラズマを当ててフィルム表面を活性化するこ
とによって接着剤との接着性も向上する。
【0009】したがって、本発明によれば屋外環境下で
も表面保護材であるフッ素樹脂フィルムが剥離せず、出
力の低下しない太陽電池モジュールを得ることができ
る。
【0010】そしてさらに、気体の水分子の結合角HOH
が104度であり、結合間隔O-Hが0.958Åであることをも
とに本発明者が研究を重ねた結果、ファンデアワールス
半径の大きい原子である塩素と炭素の結合(C−C
l)、あるいは原子間距離の大きい三フッ化炭素と炭素
の結合(C−CF3 )を、炭素原子に対する比率で25
%以上、より好ましくは45%以上を導入したフッ素樹
脂が透湿度の低いポリマーであるという知見を得た。な
お、透湿度の測定はJISに準じて90%の相対湿度差
で厚さ1mm、面積1m2の試料を24時間に通過する水蒸
気のグラム数を計測することによって行なった。上記フ
ッ素樹脂の透湿度は、0.01〜0.2であった。
【0011】本発明の主要構成部分である、片面がプラ
ズマ処理された、炭素−炭素結合と炭素−フッ素結合か
らなり、かつ炭素−塩素結合あるいは炭素−三フッ化炭
素結合を含む樹脂フィルムの主な構造式としては、(C
2−CFC1)n 、(CF2−CFCF3n、(CF2
−CFC1)n (CF2−CFCF3m、(CF2−CF
2n (CF2−CFCl)m、(CF2−CF2n (C
2−CFCF3m、(CF2−CF2n (CH2−CC
2m、(CF2−CF2n (CCl2−CCl2m
(CF2−CF2n(CHCl−CCl2m、(CF2
CF2n (CH2−CHCl)m、(CF2−CF2n
(CHCl−CHCl)m、(CF2−CFC1)n (C
2−CCl2m、(CF2−CFC1)n (CH2−C
2m、(CF2−CFC1)n (CH2−CHC
l)m、(CF2−CFC1)n (CHCl−CC
2m、(CF2−CFC1)n (CHCl−CHC
l)m、(CF2−CFC1)n (CH2−CHF)m
(CF2−CFC1)n (CCl2−CCl2m、(CF
2−CFCF3n (CH2−CF2m、(CF2−CFC
3n (CCl2−CCl2m、(CF2−CFCF3
n (CHCl−CCl2m、(CF2−CFCF3n
(CHCl−CHCl)m、(CF2−CFCF3n
(CH2−CCl2m、(CF2−CFCF3n (CH2
−CHCl)m、(CF2−CFCF3n (CH2−CH
F)m、(CH2−CF2n (CH2−CCl2m、(C
2−CF2n (CHCl−CHCl)m、(CH2−C
2n (CHCl−CCl2m、などがある。上記ポ
リマーは、モノマーC2ClF3、C36、C24、C2
4、C22C12、C222、C23C1、C2
3F、C2HC13 などを用いて、懸濁重合、乳化重合、
塊状重合などの重合方法で得られる。さらに、上記ポリ
マーはディスパージョン法、カレンダー法、溶融押出法
などの方法でフィルムに成形加工する。本発明者が見出
した、フッ素樹脂フィルムの接着性を向上させるため
の、フィルム片面の処理方法は、樹脂フィルム表面を水
素、酸素、窒素、炭化水素から発生する反応性のプラズ
マを当ててフィルム表面を活性化することによって接着
剤との接着性を向上させる方法である。フッ素樹脂フィ
ルム表面のプラズマ処理では以下の反応が起きていると
推測される。水素ガスから発生する水素プラズマをフッ
素樹脂フィルム表面に当てるとプラズマ中の水素とフッ
素樹脂中のフッ素が反応して脱フッ化水素が起きる。酸
素プラズマの照射では、樹脂フィルム表面にカルボニル
基が生成される。窒素プラズマの照射では、樹脂フィル
ム表面のフッ素とプラズマ中の窒素が反応して脱フッ化
窒素が起きる。アンモニアガスから形成されるプラズマ
中には反応性の原子状窒素および水素が発生し、樹脂フ
ィルム表面のフッ素と反応して脱フッ化窒素と脱フッ化
水素が起きる。炭化水素のプラズマの照射では、樹脂フ
ィルム表面のフッ素とプラズマ中の水素が反応して脱フ
ッ化水素が起きると同時に、樹脂フィルム表面上にプラ
ズマ重合によりポリマーが形成される。上記プラズマ
は、真空に排気した容器に原料ガスの水素、酸素、窒
素、あるいは炭化水素を導入し高周波放電またはマイク
ロ波放電することによって生成する。
【0012】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0013】図1は、本発明の一実施例を示す太陽電池
モジュールの模式断面図、図2は、図1中の太陽電池1
00を示す模式断面図である。直並列化された太陽電池
100が、透明な接着材103を介してフッ素樹脂フィ
ルム101と背面材104とで被覆されている。フッ素
樹脂フィルム101は炭素−炭素結合と炭素−フッ素結
合からなり、かつ炭素−塩素結合または炭素−三フッ化
炭素結合を含んでいる。そしてフッ素樹脂フィルム10
1の、接着剤103と接触する接触面102には、水素
ガス、酸素ガス、窒素ガス、アンモニアガスあるいは炭
化水素のプラズマに曝すことによって表面処理が施され
ている。
【0014】さらに、太陽電池モジュールの端面は、水
分の透過を抑えるためにブチルゴム系のシーラント10
5で封止されている。フッ素樹脂フィルム101の、プ
ラズマ処理されていない側の面、即ち光入射面にはシー
ラント105が付着しにくいので、シーラント105の
塗布部にはあらかじめコロナ放電処理が施されている
(機械的に表面荒さを増しておくこともある)。太陽電
池100は、導電性基体200上に裏面反射層201、
光電変換部材としての半導体層202、透明導電層20
3および集電用のグリッド電極204が順次形成され、
さらに導体のバスバー205が導電性接着剤206で集
電用グリッド電極204に接続されて構成されている。
銀は集電用のグリッド電極204、あるいは集電用のバ
スバー205をグリッド電極204に接着するための導
電性接着剤206に使用されているが、そのほか裏面反
射層201に用いられる場合もある。
【0015】上記導電性基体200には、ステンレス、
アルミニウム、銅、チタン、カーボンシート、亜鉛メッ
キ銅板あるいは導電層が形成されている樹脂フィルムな
どを用いることができる。裏面反射層201としては、
導電層、あるいは導電層の上に金属酸化物層が形成され
たものが用いられる。導電層の材質としては、Ti、C
r、Mo、W、A1、Ag、Niなどが用いられ、金属
酸化物層としてZnO、TiO2、SnO2などが用いら
れる。上記導電層および金属酸化物層の形成方法として
抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、スッパッタリング法な
どがある。
【0016】太陽電池100の光電変換部材としての半
導体層202には、pin接合非晶質シリコン、pn接
合多結晶シリコン、CuInSe2 /CdS等の化合物
半導体が用いられる。上記半導体層は、非晶質シリコン
の場合はシランガス等のプラズマCVDにより、多結晶
シリコンの場合は溶融シリコンのシート化あるいは非晶
質シリコンの熱処理により、CuInSe2/CdSの
場合は電子ビーム蒸着、スパッタリング、電析(電解液
の電気分解による析出)等の方法で形成される。 透明
導電層203に用いられる材料としては、In23
SnO2 、In23−SnO2(ITO)、ZnO、T
iO2 、Cd2 SnO4 あるいは高濃度不純物ドープし
た結晶性半導体層等があり、これらの材料により透明導
電層203を形成する方法としては抵抗加熱蒸着、電子
ビーム蒸着、スパッタリング法、スプレー法、CVD
法、不純物拡散等がある。
【0017】集電用のグリッド電極204の材料として
はTi、Cr、Mo、W、Al、Ag、Ni、Cu、S
nおよび銀ペーストなどの導電性ペーストが用いられ
る。グリッド電極204の形成方法にはマスクパターン
を用いたスッパッタリング、抵抗加熱、CVDの蒸着方
法あるいは全面に金属層を蒸着した後にエッチングして
パターニングする方法、光CVDにより直接グリッド電
極パターンを形成する方法、グリッド電極パターンのネ
ガパターンのマスクを形成した後にメッキにより形成す
る方法、導電性ペーストを印刷して形成する方法などが
ある。グリッド電極204に銀が使用されていない場合
にはグリッド電極204と集電用のバスバー205を接
着する導電性接着剤206に銀ペーストが用いられる。
導電性ペーストは通常微粉末状の銀、金、銅、ニッケ
ル、カーボンなどをバインダーポリマーと分散させたも
のが使用される。上記バインダーポリマーとしては、ポ
リエステル、エポキシ、アクリル、アルキド、ポリビニ
ルアセテート、ゴム、ウレタン、フェノール等の樹脂が
ある。
【0018】フッ素樹脂フィルムの接着剤103として
は、酢酸ビニル−エチレン共重合体(EVA)、シリコ
ン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素化ポリイミド樹脂などの
透明な樹脂を主成分とする接着剤を使用する。上記接着
剤には、架橋剤が含有されている。接着剤の光劣化を抑
制するためには、紫外線吸収剤が含有されていることが
望ましい。さらに、太陽電池モジュールの光電変換効率
の低下を少なくするために、上記接着剤103層の光透
過率は400ナノメートル以上の波長領域で80%以上
であることが好ましい。また、入射光の反射を少なくす
るためには、接着剤103層の屈折率が1.4〜2.0
の範囲であることが好ましい。
【0019】太陽電池モジュールの背面材104として
は各種絶緑性樹脂、セラミックス、ガラスあるいは絶緑
被覆した金属板などが用いられる。 [試作例1]洗浄したステンレス製の導電性基体200
上にスパッタ法によって膜厚5000ÅのAlと膜厚5
000ÅのZnOを順次堆積して裏面反射層201を形
成した。ついで、プラズマCVD法によりSiH4 とP
3 とH2 からn型a−Si層を、SiH4 とH2 から
i型a−Si層を、SiH4 とBF3 とH2 からp型a
−Si層を形成し、n膜厚150Å/i膜厚4000Å
/p膜厚100Å/n膜厚100Å/i膜厚800Å/
p膜厚100Åの積層構造の、光電変換層である半導体
層202を形成した。次に、O2 零囲気下で半導体層2
02にInを抵抗加熱法で蒸着することによって膜厚7
00Åの、In23 からなる透明導電層203を形成
し、さらに、集電用のグリッド電極204を銀ペースト
のスクリーン印刷で形成して、太陽電池素子を形成し
た。
【0020】上記方法で形成した複数個の太陽電池素子
のグリッド電極204を、金属箔あるいは金属ワイヤー
のバスバー205と銀を含有した導電性接着剤206と
で所定の電流が得られるように並列接続して単位セルを
形成し、所望の電圧を得るために上記単位セルのバスバ
ー205とステンレスの基体200をスポット溶接など
の方法で直列接続して太陽電池100を形成した。図3
は、フッ素樹脂フィルムの版面をRFプラズマ処理する
ためのプラズマ処理装置の一例を示す模式図である。
【0021】ヘキサフルオロプロピレンC36 とクロ
ロトリフルオロエチレンC2 C1F3 の懸濁重合により
共重合フッ素樹脂を得た後、溶融押出法によって厚み1
00ミクロンのフィルムを形成した。上述した方法で得
られた共重合フッ素樹脂フィルムを図3に示すプラズマ
処理装置内で、プラズマを発生するための原料ガスとし
てアンモニアガスを用いることにより処理した。
【0022】図3は、フッ素樹脂フィルムの片面をRF
プラズマ処理するためのプラズマ処理装置の一例を示す
模式図である。まず、プラズマ処理装置の送りローラ3
07側にコイル状の共重合フッ素樹脂フィルム300を
装着した後、プラズマ処理室305内を10-6Torrの真
空度まで排気し、ガス導入管306からNH3を30scc
mの流量で流し、プラズマ処理室305内の圧力を0.
5Torrに調節した。次に、13.56MHzの高周波
を発生する高周波電源304から300ワットの出力を
供給してカソード電極302とアノード電極303との
間で放電し、プラズマ309を発生した。同時に、巻取
りローラ308でコイル状の共重合フッ素樹脂フィルム
300を巻取りながらプラズマ処理をした。
【0023】上述したようなプラズマ処理をしたコイル
状の共重合フッ素樹脂フィルム300を所定の大きさに
切り出して、太陽電池の表面被覆材であるフッ素樹脂フ
ィルム101として使用した。
【0024】透明な接着剤103には、架橋剤と紫外線
吸収剤が添加されたシート状のEVAを用いた。背面材
104には絶縁処理した亜鉛鋼板を用いた。こうして作
製した太陽電池100を、図1の構成、すなわち共重合
フッ素樹脂フィルム101のプラズマ処理面である接触
面102がEVAの接着剤103に接触するように配置
して、光入射側から共重合フッ素樹脂フィルム101/
接着剤103/太陽電池100/接着剤103/絶縁処
理された亜鉛鋼板の背面材104の順に重ねた後、1T
orr程度に真空排気された真空ラミネーターに入れ、
大気圧で圧力をかけて140℃に保ち、30分間加熱し
て太陽電池の表面を被覆した。ただし、太陽電池の出力
端子はあらかじめ背面材104の亜鉛鋼板に形成された
出力端子用の孔から取り出しておいた。
【0025】表面被覆された太陽電池100の評価試験
を以下の方法により行なった。太陽電池100の端部お
よび出力端子取り出し部を、ブチルゴム系シーラント1
05で封止した後、太陽電池の出力端子に開放電圧に相
当する電圧を順方向に印加した状態で、−40℃〜90
℃、相対湿度90%の条件で温湿度サイクル試験を10
サイクル行なった。10サイクル試験の後外観を検査し
たが共重合フッ素樹脂フィルムの剥がれは認められなか
った。また、太陽電池の出力端子に開放端電圧に相当す
る電圧を逆方向に印加した場合のリーク電流の増加分
は、温湿度サイクル試験前に比較して20%以内であっ
た。リーク電流の結果から考えて、水蒸気の透過量はか
なり少ないと考えられる。 [試作例2]本試作例では、図2に示す半導体層202
が銅インジュウムセレナイドである太陽電池100を用
いた。銅インジュウムセレナイド太陽電池100を以下
のように作製した。導電性基体200としてステンレス
基板を用い、スパッタ法で裏面反射層201としてMo
層5000Å、Cu層2000ÅおよびIn層4000Å
を順次形成した後、H2 Se蒸気中で処理し、400℃
窒素雰囲気中で熱処理を施した。次にZnCd層6000
Åをスパッタリング法で蒸着し、半導体層202を形成
した。ついで、ZnO700Åをスパッタ法で蒸着して
透明導電層203を形成し、銀ペーストのスクリーン印
刷により集電電極204を形成して太陽電池素子を得
た。次に、試作例1と同様の方法で太陽電池素子を直列
に接続して太陽電池100を得た。
【0026】ヘキサフルオロプロピレンとビニリデンク
ロライドC22 C12 の懸濁重合により共重合フッ素
樹脂を得た後、溶融押出法にて厚み100ミクロンのフ
ィルムを成形した。上述した方法で得られた共重合フッ
素樹脂フィルムを図3に示すプラズマ処理装置により、
プラズマ発生の原料ガスとしてメタンガスCH4 を用い
て試作例1と同様な方法で処理した。メタンガスの流量
は60sccm、プラズマ処理室305の圧力は0.4Tor
r、高周波電源からの13.56MHzの供給電力は20
0ワットとした。
【0027】太陽電池の被覆は、光入射側から共重合フ
ッ素樹脂フィルム101/EVA接着剤103/グラス
ファイバーシート/EVA接着剤103/太陽電池10
0/EVA接着剤103/グラスファイバーシート/E
VA接着剤103/絶縁処理された亜鉛鋼板の背面材1
04の順に積み重ね、試作例1と同様の方法で行なっ
た。また、被覆した太陽電池100の評価試験方法も試
作例1と同様にした。温湿度サイクル試験後の外観検査
では、フッ素樹脂フィルム101の剥離箇所は確認でき
なかった。また、温湿度サイクル試験前後のリーク電流
の増加は40%以下であった。 [試作例3]アモルファスシリコン太陽電池素子のグリ
ッド電極をニッケルペーストのスクリーン印刷で作製し
た以外は試作例1と同様な方法で太陽電池素子を作製し
た。被覆材として使用するフッ素樹脂フィルムは、クロ
ロトリフルオロエチレンとビニリデンクロライドの乳化
重合で得られた共重合体をカレンダー法で厚み100ミ
クロンのフィルムに成形することによって得た。
【0028】図5は、フッ素樹脂フィルムの片面をマイ
クロ波プラズマ処理するためのプラズマ処理装置の一例
を示す模式図である。試作例1と同様にして、ガス導入
管406から窒素ガスを50sccmの流量でプラズマ処理
室405に導入し、内圧を0.1Torrに保ちながら
マイクロ波電源404により300ワットのマイクロ波
をマイクロ波導波管403と導入窓402を通してプラ
ズマ処理室405に導入して放電させ、プラズマ409
を発生して送りローラ407と巻き取りローラ408に
よって搬送されるフッ素樹脂フィルム400上にプラズ
マ処理をした。太陽電池モジュールは図1に示すような
構成とし、共重合フッ素樹脂フィルム101/透明なフ
ッ素化ポリイミド系の接着剤103/太陽電池100/
透明なフッ素化ポリイミド系の接着剤103/ポリエス
テルフイルムでラミネートしたアルミ箔の背面材104
の順で形成した。なお、共重合フッ素樹脂フィルム10
1の、接着剤103と接する面は上述のようにプラズマ
処理されている。表面被覆は次のような手順で行なっ
た。ポリエステルラミネートアルミ箔の背面材104の
片面にフッ素化ポリイミド系の接着剤103を塗布した
後、太陽電池100を配置し、その上にフッ素化ポリミ
イド系の接着剤103を塗布して、共重合フッ素樹脂フ
ィルム101を載せ、熱処理を施し表面被覆をして太陽
電池モジュールを得た。
【0029】被覆した太陽電池モジュールの評価試験方
法は試作例1と同様にした。温湿度サイクル試験後の外
観検査では、フッ素樹脂フィルムの剥離箇所は確認でき
なかった。また、温湿度サイクル試験前後のリーク電流
の増加は、50%以下であった。 [試作例4]試作例1と同様の方法で得られた太陽電池
100を用いて、フッ素樹脂フィルム101で被覆した
太陽電池モジュールを作製した。フッ素樹脂フィルム1
01にはクロロトリフルオロエチレンの塊状重合から得
られるポリマーを溶融押出法にて厚み100ミクロンの
フィルムに加工したものを使用し、フッ素樹脂フィルム
のプラズマ処理は、試作例3と同様の方法で行ない、窒
素ガスに変えて水素ガスからプラズマを発生させて処理
した。太陽電池100の被覆は試作例2と同様にし、被
覆した太陽電池モジュールの評価は試作例1と同様にし
た。
【0030】温湿度サイクル試験後の外観検査では、フ
ッ素樹脂フィルム剥離箇所は確認できなかった。また温
湿度サイクル試験前後のリーク電流の増加は、30%以
下であった。 [試作例5]図3のプラズマ処理装置を用いた以外は、
全て試作例1と同じ方法で、太陽電池モジュールを試作
した。図4のプラズマ処理装置が図3の装置と異なる点
は、フッ素樹脂フィルム側の電極をカソード電極にした
点である。高周波放電により生起するプラズマ中には正
イオン種が多く存在するので、これにより、力リード側
に正イオン種が選択的に引き寄せることができ、フッ素
樹脂フィルムの表面処理がより効果的に行われる。
【0031】試作例1と同じ湿温度サイクル試験の結果
は、リーク電流の増加分は、試験前の16%以内であっ
た。 [比較例1]フッ素樹脂フィルムにエチレンとテトラフ
ルオロエチレンの共重合体を用いて、あとは試作例1と
同様に太陽電池100を被覆して太陽電池モジュールを
得た。 温湿度サイクル試験後の外観検査では、フッ素
樹脂フィルム101の剥離箇所は表面積の約40%であ
ることを確認した。また、温湿度サイクル試験前後のリ
ーク電流の増加は、約10倍であった。 [比較例2]試作例4においてプラズマ処理の変わりに
高周波の10KV高電圧をかけるコロナ放電処理をした
フッ素樹脂フィルム101を用いて被覆した太陽電池モ
ジュールを作製した。
【0032】試作例1と同様に温湿度サイクル試験を行
なった結果、外観検査では、フッ素樹脂フィルムの剥離
箇所は表面積の約60%であることを確認した。また、
温湿度サイクル試験前後のリーク電流の増加は、約3倍
であった。
【0033】以上、試作例1、2、3、4、5と比較例
1、2での、順方向のバイアス電圧印加後の温湿度サイ
クル試験の結果から、本実施例の太陽電池モジュール
は、表面被覆材であるフッ素樹脂フイルム101の剥離
がほとんどなく、水蒸気の透過に起因すると考えられる
銀のエレクトロマイグレーションも少ないことがわかっ
た。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、耐湿性が
高く剥離の少ないフッ素樹脂フィルムで太陽電池表面を
覆うので、耐候性に優れ、短絡や出力電圧低下の少ない
太陽電池モジュールを得ることができるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す、太陽電池モジュール
の模式断面図である。
【図2】本発明の太陽電池モジュールに用いられる太陽
電池の一例を示す模式断面図である。
【図3】高周波プラズマ処理装置の一例を示す模式図で
ある。
【図4】高周波プラズマ処理装置の一例を示す模式図で
ある。
【図5】マイクロ波プラズマ装置の一例を示す模式図で
ある。
【符号の説明】
100 太陽電池 101 フッ素樹脂フィルム 102 接触面 103 接着剤 104 背面材 105 シーラント 200 導電性基体 201 裏面反射層 202 半導体層 203 透明導電層 204 グリッド電極 205 バスバー 206 導電性接着剤 300 コイル状フッ素樹脂フィルム 302 カソード電極 303 アノード電極 304 高周波電源 305 プラズマ処理室 306 ガス導入管 307 送りローラ 308 巻取りローラ 309 プラズマ 400 コイル状フッ素樹脂フィルム 402 導入窓 403 マイクロ波導波管 404 マイクロ波電源 405 プラズマ処理室 406 ガス導入管 407 送りローラ 408 巻取りローラ 409 プラズマ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に、裏面反射層と光電変換
    部材である半導体層と透明導電層が順次形成され、集電
    部の一部が銀を主成分とする材料で形成された太陽電池
    の、光入射側表面がフッ素樹脂フィルムによって被覆さ
    れている太陽電池モジュールにおいて、前記フッ素樹脂
    フィルムが、炭素−炭素結合と炭素−フッ素結合からな
    り、かつ炭素−塩素結合または炭素−三フッ化炭素結合
    を含むフッ素樹脂フィルムであり、該フッ素樹脂フィル
    ムの、光入射面と反対側の面が、水素ガス、酸素ガス、
    窒素ガス、アンモニアガスあるいは炭化水素のプラズマ
    曝されて表面処理されており、前記表面処理された面が
    接着剤により前記太陽電池に接着されていることを特徴
    とする太陽電池モジュール。
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