JP2848384B1 - 有機el表示装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
アノード、有機EL層上にカソードを形成する際に、有
機EL層にダメージが生じる。 【解決手段】 透明支持基板1の表面に複数本の溝5を
列方向に形成し、この溝5内に複数本のアノード6を形
成し、かつ全面に有機EL層7を形成する。透明支持基
板1の表面にシャドウマスク8を密接し、これをマスク
とした蒸着法によりカソードを形成する。発光部となる
アノード6上の有機EL層7は溝5内に存在するため、
シャドウマスク8を密接しても有機EL層7の発光部が
シャドウマスク8によってダメージを受けることがな
く、発光特性に優れた有機EL表示装置が得られる。
Description
に用いられる有機EL表示装置とその製造方法に鞠する
ものである。
された有機EL層を挟んでカソードとアノードをマトリ
クス配置し、これらカソードとアノードに電圧を印加す
ることにより有機EL素子を発光させる構成とされてい
る。すなわち、アノードとカソード間に電圧を印加して
有機EL層を発光させることにより任意のパターンの表
示をするには、アノードとカソードを格子状に交差する
様に配置する。そして、アノードとカソードの間に通常
5〜20Vの電圧を印加して有機EL層に電流を流し、
アノードとカソードの交差領域の有機EL層を発生させ
ている。図9に従来の有機EL表示装置の一部の断面図
を示す。透明支持基板21に透明電極、通常ではITO
が形成され、フォトリソグラフイ技術を用い、塩化第二
鉄を含む化学薬液中でのウェットエッチング法で一方向
に伸びる複数列をした所要パターンに形成され、アノー
ド22として構成される。このアノード22上には真空
蒸着法で積層構造の有機EL層23が成膜され、この有
機EL層23の上に、前記アノードとは直交する方向に
伸びて前記アノード22と交差する複数行のカソード2
4が形成される。このカソード24の形成に際しては、
カソード24間に予めスリット状のフォトレジスト25
を形成しておき、このフォトレジスト25を含む全面に
カソード用金属を蒸着し、しかる上で前記フォトレジス
ト25をウェットエッチングにより除去することにより
フォトレジスト25以外のカソード用金属を残す、いわ
ゆるリフトオフ法が用いられる。
前記カソード24の形成に際しては、フォトレジスト2
5を除去するためのウェットエッチング法を用いるた
め、このフォトレジストを剥離するときに、エッチング
薬液が有機EL層23及び有機EL層とカソードとの界
面に浸潤してしまう。このために、表示装置の発光性能
及び寿命特性を著しく劣化させてしまうという問題が生
じる。このような不具合を回避する技術としては、シャ
ドウマスクを用いて有機EL層とカソードを蒸着法によ
り形成する技術が提案されている。すなわち、この方法
は、図9に示した構造の場合には、所要パターンのアノ
ード22を形成した後に、全面に有機EL層23を積層
状態に被着し、その上で有機EL層23上にストライプ
状のスリットを有するシャドウマスクを被せ、このスリ
ットを通してカソードを構成する導電材料を蒸着法によ
って形成し、所要パターンのカソードを形成する。この
技術では、前記したウェットエッチングが存在しないた
め、水分やエッチング薬液による前記した問題を解消す
ることが可能となる。
172号公報の技術では、透明支持基板上に列方向に複
数のITOからなるアノードを形成した後、このアノー
ド列に交差する方向に伸びる壁を所要の間隔をあけて形
成し、その上に有機EL層を形成する。この壁は例えば
フォトレジストやドライフィルを用いて形成する。ま
た、壁の高さは有機EL層の厚さを上回る高さに設定し
ておく。しかる後、カソードを形成する金属の気相堆積
用ソース源を透明支持基板の表面に対して傾斜された角
度に設定し、カソード用金属を表面に被着する。このた
め、壁の側面領域はソース源の陰になるため、この領域
にはカソード用金属は被着されることがなく、この領域
で絶縁分離された複数本の行方向のカソードが壁に沿っ
て形成される。
ードの製造技術において、前記したシャドウマスクを利
用する技術は、有機EL表示装置の発光特性や寿命特性
を改善する上では有利であるが、形成しようとする有機
EL表示装置の基板サイズが大きな場合には、これに伴
ってシャドウマスクの寸法も大きくなる。このため、カ
ソードを堆積する際に、下方に向けられる透明支持基板
の表面に密着させるべきシャドウマスクが、自重によっ
てその中央領域が下方に撓んで密着されなくなり、この
隙間を通してカソード用金属が透明支持基板の表面に被
着されるために、シャドウマスク通りのパターンのカソ
ードを形成することができなくなり、隣接するカソード
が短絡してしまうことになる。特に、微細なカソードを
形成するためには、シャドウマスクの厚みも薄くなるた
め、シャドウマスクの剛性が低下され、前記した撓みが
顕著になり易い。
いシャドウマスクを製作し、透明支持基板の反対側に磁
石を配置し、この磁石の磁力によってシャドウマスクを
透明支持基板の表面に密着させることが提案されてい
る。しかしながら、磁力によってシャドウマスクが透明
支持基板に当接されるため、その当接力によってシャド
ウマスクが有機EL層の表面に衝突され、有機EL層の
表面を損傷するおそれが生じる。有機EL層は、通常そ
の厚みが0.1μmから0.2μm程度と極めて薄いの
で、例えば、図9に示した有機EL表示装置の有機EL
層23にこのような損傷による傷Xが生じると、この傷
Xは容易に有機EL層23の下部のアノード22に達し
てしまうことになり、この傷Xの部分でその表面に形成
されるカソード24とアノード22が電気的に短絡さ
れ、この部分での有機EL層の発光が行われなくなると
いう問題が生じる。
トレジスト等による壁を利用する技術では、透明支持基
板の有機EL層上の全ての領域に対してほぼ等しい角度
でカソード金属を被着する必要があるため、大きな面積
の透明支持基板にカソードを形成するためには大きな真
空成膜装置が必要になり設備投資が多額になり、これに
伴って製造原価が高くなる。一方、充分な大きさの真空
成膜装置が準備できずに、カソード用金属のソース源か
ら透明支持基板の各領域に対する被着角度が相違する場
合には、壁による陰の部分の寸法が各領域において相違
することになり、前記ソース源かに近い領域と遠い領域
とでは形成されるカソードの幅寸法や位置精度に偏りが
生じ、高密度でかつ高精度の表示装置を形成することが
できなくなるという問題も生じる。
ードの製造を可能とし、これにより、高密度でかつ安価
に製造できる有機EL表示装置とその製造方法を提供す
ることにある。
置は、透明支持基板の表面には複数本の溝が列方向に形
成され、アノード及びアノード上の有機EL層がこの溝
内に配設されていることを特徴とする。前記溝の深さ
は、前記アノードの厚みと前記有機EL層の厚みを加算
した厚みよりも深く形成されている。また、有機EL層
は前記複数本の溝及びアノードを含む前記透明支持基板
上の所要の矩形領域にわたって連続した面として形成さ
れる。また、前記溝の底面は円筒面状に形成され、前記
アノードはこの円筒面を覆うように形成されることが好
ましい。
法は、 透明支持基板上にフォトリソグラフイ法により
複数本の溝を列方向に形成する溝形成工程と、前記透明
支持基板上の前記溝の底面に透明電極からなる複数本の
アノードを列方向に形成するアノード形成工程と、前記
透明支持基板上の所要の領域に有機EL層を形成する有
機EL層形成工程と、前記透明支持基板上にシャドウマ
スクを密接し、前記シャドウマスクを利用して前記有機
EL層の表面上に複数本のカソードを行方向に形成する
カソード形成工程とを含むことを特徴とする。ここで、
前記シャドウマスクは磁性材料で形成され、前記透明支
持基板の反対側の面に配置された磁石によって生じる磁
力により前記透明支持基板の表面に密接されることが好
ましい。また、前記シャドウマスクは、複数本のスリッ
ト部が行方向に形成されるとともに、各スリット部には
行方向の所要の間隔をおいて列方向のブリッジ部が形成
されており、前記ブリッジ部は前記透明支持基板の溝上
に位置されるように密着されるようにしてもよい。さら
に、前記溝形成工程は、前記溝の底面を円筒面に形成す
る工程であることが好ましい。
される溝がアノード上の有機EL層の表面高さよりも深
いため、有機EL層の発光領域はシャドウマスクに接触
されることがなく、その損傷が防止される。また、カソ
ードの形成工程において、シャドウマスクを透明支持基
板の表面に密着させることが可能となるため、カソード
用金属の蒸着工程で飛来する蒸着金属原子の方向が等方
性であっても、正確にパターにングされた、微細でかつ
高精度のカソードが形成できる。
参照して説明する。本発明の第1の実施形態を製造工程
順に説明する。先ず、図1(a)のように、透明支持基
板1の表面上にネガ型のドライフィルムレジスト2をラ
ミネータで貼り付けた後、形成しようとするアノードの
パターンとほぼ同じ列方向に伸びる複数の遮光部3aを
有するマスク3を用いて露光4を行い、かつ前記ドライ
フィルムレジスト2を現象することで、図1(b)のよ
うにパターニングを行う。前記透明支持基板1を構成す
るガラス基板は水分の吸着が少ない無アルカリガラス板
が望ましいが、基板乾操を充分行うなど工程に気をつけ
れば安価な低アルカリガラス板あるいはソーダライムガ
ラス板でもよい。しかる上で、図1(c)のように、前
記透明支持基板1をフツ酸等のエッチング液を用いて、
レジスト除去部分の透明支持基板1の表面をウェットエ
ッチングし、その側面が幾分傾斜された複数本の溝5を
形成する。なお、この溝5は後述するアノードと有機E
L層の厚みを加算した厚さよりも深く形成する。また、
前記レジスト2はその後剥離液で除去する。
拡大図示するように、先ず、図2(a)のように、前記
溝5が形成された前記透明支持基板1の表面上にITO
膜をスバッタ法で100nmの厚みに成膜する。そし
て、このITO膜をフォトリソグラフイ技術とエッチン
グ技術とで溝5に沿ってストライプ状にパターニング
し、前記溝5の底面上に延在されるアノード6を形成す
る。なお、ITO膜はアノードとして機能すると共に、
後述する有機EL層で発光した光を透過させて外部へ出
射させて表示するものであるから、より低抵抗で、かつ
より光透過率が高いことが望ましい。また、この実施形
態では、前記アノード6のパターンは、溝5に追従して
ラインピッチ1.0mm、ライン幅0.6mm、長さ4
5mmで128本の列として形成している。
基板1の表面上に、真空蒸着装置を用いて表示領域に積
層構造の有機EL層7(7a,7b)を蒸着形成し、前
記アノード6を有機EL層7で覆う。しかる後、図3に
示すように、前記透明支持基板1の表面上に、図4のよ
うな、アノード6と直交する方向に細長いストライプ状
の遮蔽部8aをもつシャドウマスク8を載置する。この
とき、図2(b)に示すように、前記シャドウマスク8
は磁性体材料で形成し、また前記透明基板1の裏面には
磁石9を配置することで、前記シャドウマスク8を透明
支持基板1の表面に密接させる。これにより、シャドウ
マスク8が薄く形成され、かつ大面積に形成されている
場合でも、シャドウマスク8の全面が透明支持基板1の
表面に密接されることになる。また、この場合でも、実
際に発光動作を行う有機EL層7のアノード6上の領域
部、すなわち発光部は溝5内に位置しているため、この
発光部がシャドウマスク8に接触されて、傷等が発生す
ることが防止される。
ャドウマスク8を利用して前記透明支持基板1の表面に
導電材料を蒸着し、図5に平面図を示すように、前記ア
ノード6に直交する行方向に伸びる複数本のカソード1
0を形成する。このとき、透明支持基板1を平面上で回
転することにより、透明支持基板1の全面に均一な幅寸
法のカソード10を形成することが可能となる。このよ
うにして、製造される有機EL表示装置は図5に示した
通りであり、またそのAA線断面図とBB線断面図を図
6(a),(b)に示す。このように、前記シャドウマ
スク8のストライプ状の遮蔽部8aに対向する領域には
カソード10は形成されておらず、遮蔽部以外のスリッ
ト部8bに対向する領域にはカソード10が形成され
る。
のシャドウマスクとしては、図7に示すように、行方向
に形成された複数本のスリット部8b内に所要の間隔で
複数のブリッジ部8cを形成したシャドウマスク8Aを
用いることも可能である。このシャドウマスク8Aで
は、ブリッジ部8cを透明支持基板1の溝5上に位置さ
せることにより、カソードを蒸着する際の金属がブリッ
ジ部8cの両側からそれぞれ斜め方向に蒸着されるた
め、ブリッジ部8cの裏側となる溝5内の有機EL層7
の発光部上にもカソード10を形成することが可能とな
るためである。また、このシャドウマスク8Aにより、
シャドウマスクの機械的な強度を高め、カソード10を
高精度に形成する際に有利となる。
の一部を示す断面図である。ここでは、透明支持基板1
に形成する溝5の底面を曲面、例えば円筒面5aとして
形成する。そして、この円筒面5aの上にアノード6を
形成する。そして、このアノード6を含む全面に有機E
L層7を形成した後、その上にカソード10を形成す
る。このように、溝5の底面を円筒面5aに形成してい
るため、アノード6の幅寸法を低減した場合でも必要と
される断面積を確保でき、アノード抵抗の増大が防止で
きるため、微細な表示装置を製造する上で有利となる。
また、アノード6の底面がレンズ効果を発揮するため、
有機EL層7の発光部からの発光に集光性が与えられ、
光の取り出し効率が向上される。
度用いて説明する。先ず、図1(a)において、ネガ型
のドライフィルムレジスト2をラミネータで透明支持基
砺1上に貼り付ける。そして、フォトマスク3を使って
露光装置により近紫外光4を照射し、ストライプ状の光
学パターンをドライフィルムレジスト2に転写する。こ
こで、ネガ型のドライフィルムレジスト2は東京応化工
業(株)製の商品名αー450を使用した。また、透明
支持基板1へのラミネートは温度85〜115℃、圧力
2〜4Kg/cm2 の条件で毎分1〜3mの速さで行っ
た。なお、フォトマスク3の遮光部3aのパターン形状
は列になるように配列され、幅0.4mmで間隔ピッチ
10Ommのストライプの列31本となる。そして、両
端の列2本の外側にそれぞれ間隔0.6mmを隔てて充
分幅の広いパターン部が配置してある。この近紫外光4
の照射で、前記ドライフィルムレジスト2の露光領域は
架橋して不溶性となり、末露光部分は現像及び剥離洗浄
により除去できるようになる。次に、Na2 CO3 の
0.8〜1.2%水溶液で現像する。そして、剥離洗浄
をKOHの2〜4%水溶液で行う。このような現像及び
剥離洗浄は、透明支持基板上のドライフィルムレジスト
2を下而として400rpmで回転させ、現像液または
剥離液をレジストにスプレーして行った。そして、剥離
後3000rpmで60秒間回転させ、130℃のクリ
ーンオープン内で60分乾燥させた。これにより、図1
(b)のレジストパターンが形成される。次いで、図1
(c)のようにフッ酸等のエッチング液を用いてレジス
ト除去部分に露呈される透明支持基板1の表面をウェッ
トエツチして探さ20〜60μmの断面が台形をした複
数の溝5を形成する。
持基板1にITO膜をスパック法で100nmの厚みに
成膜し、フォトリソグラフイ技術により溝5に沿ったス
トライプ状のアノード6を形成する。次に、溝5を下面
にしてこの透明支持基板1を図外の真空蒸着装置の基板
ホルダーに固定し、真空蒸着装置内の抵抗加熱ボートに
N.N’−ジフェニル−N.N’ビス(α−ナフチル)
−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(以下、
α−NPDという)を入れる。そして、別の抵抗加熱ボ
ートにトリス(8−キノリライト)アルミニウム錯体
(以下、Alq3という)を入れ、真空ポンプで真空蒸
着装置内を1×10-5Torr以下に排気する。しかる
後、有機EL層を蒸着する範囲を四角形にくり抜いた金
属製の図外のマスクを、前記溝5を有する透明支持基板
1の表面に固定するように設置する。そして、透明支持
基板1と前記マスクとの下部に配置されているα−NP
Dの抵抗加熱ボートに電流を流して加熱する。そして、
α−NPD層7aを膜厚50nm程度になるように蒸着
する。その後、Alq3 を入れた抵抗加熱ボートに電流
を流し、α−NPD層7aの表面にAlq3 層7bを膜
厚50nmまで蒸着する。このようにして、α−NPD
盾7aとAlq3 層7bとで構成する有機EL層7を形
成する。なお、α−NPD層7aは正孔を輸送する層と
して機能し、Alq3 層7bは電子を輸送する層及び発
光層として機能する。ここで、α−NPD及びAlq3
の蒸着有機分子は、溝5の真下方向から蒸薯膜の厚さが
より均一になるように、蒸着中に透明支持基板1を蒸着
ソース額に対して水平面内で回転させることが望まし
い。
ドウマスタ8を、予め真空蒸着装置内に配置しておき、
シャドウマスク8の上に前記有機EL層7を形成した前
記透明支持基板1を有機EL層7を下方に向けて設置す
る。なお、この状態を示す図3と図2(b)では上下関
係が逆になっている。このシャドウマスク8には、図4
に示すように、ストライプ状遮蔽部8a間にスリット部
8bが設けられており、透明支持基板1上のストライプ
状の溝5の列ラインに直交する行方向にストライプ状遮
蔽部8aが向けられるように形成されている。このスト
ライプ状の遮蔽部8aの寸法は、厚み0.4mm、幅
0.4mm、長さ130mmである。また、ストライプ
状遮蔽部8aは中心ピッチ1.0mmで32本平行に配
置されている。そして、シャドウマスク8のストライプ
状遮蔽蔀8aが透明支持基板1上に密着されるように、
透明支持基板1の裏面(実際の上面)に配置された磁石
9の磁力によって引き付けられる。したがって、シャド
ウマスク8の材質は磁力で引きつけられる磁性材料で構
成される。
ートにマグネシウムを入れ、また別の抵抗加熱ボートに
銀を入れて、マグネシウム:銀の比率を10:1となる
蒸着速度で同時に蒸着する。この時、蒸着ソース源から
くる各蒸着金属は、シャドウマスク8に対して真下方向
に対して対称となるように幾分傾斜された方向から飛来
される。したがって、この蒸者中には透明支持基板1を
蒸着ソース源に対して水平面内で回転させることによ
り、均一な合金層が形成される。この合金層は前記シャ
ドウマスト8のスリット部8bのパターンに追従したパ
ターンに形成されるため、前記有機EL層7上に膜厚が
200nm程度のカソード10として形成される。その
後、前記透明支持基板1をシャドウマスク8から引き離
す。
(b)に示した有機EL表示装置が製造される。このよ
うに本実施例では、透明支持基板1にシャドウマスク8
を密着させることができるため、シャドウマスク8が撓
むことによるカソード10のパターン不良が生じること
はない。また、その一方で、溝5内のアノード6上の有
機EL層7にはシャドウマスク8が接触されることはな
く、有機EL層7の発光部での破損が防止される。この
ようにして形成した有機EL表示装置のカソード10
に、デューティファクター1/32、かつフレーム周波
数150Hzで時分割走査する様に8Vのパルス電圧を
印加した。この時、非選択のカソードには+8Vが印加
され、選択されているカソードは0Vとなる。128本
のアノード6にはカソード5の走査タイミングに合わせ
て、所望の点灯させたい画素につながるアノード6に定
電流回路から300mA/cm2 、最大8Vのパルス電
流を流し、点灯させたくない画素につながるアノードは
0Vとなるよう制御した。この結果、画素の輝度600
cd/m2 で所望の表示パターンを通常の室内で観察で
きた。
使用したところ、溝の探さが、20μmから60μmあ
り、また有機EL層7の厚さは1μmにも満たないの
で、有機EL層7の表面からシャドウマスク8Aの上面
までははぼ20μmから80μmの隙間が生じる。この
ため、この隙間を通してシャドウマスク8Aのブリッジ
部8cの両側からそれぞれ斜め方向にも金属が蒸著され
る。なお、真空蒸着装置内で透明支持基板1を水平面で
回転させるときは、有機EL層7の表面に対して金属蒸
着ソース源から飛来する蒸着金属の方向は、射出角15
度以上を確保できるように設計してある。このため、幅
20μmのブリッジ部8cの真裏の有機EL層の表面に
もカソード10が形成できる。なお、このようなシャド
ウマスク8Aは、スリット部8bがブリッジ部8cで補
強されることになるため、50μmという薄い金属板で
もシャドウマスクとして使用できる。ここで、適用でき
るブリッジ部の幅、溝の深さ及びシャドウマスク8Aの
厚みは、用いる成膜装置でどれほどの射出角が確保でき
るかで定まるが、強度上、シャドウマスクは厚み50μ
m以上が望ましく、この場合ブリッジ部の幅は20μm
程度が望ましい。
度用いて説明する。図8(a)において、第1の実施の
形態と同様にしてガラス製の透明支持基板1にネガ型ド
ライフィルムレジストをラミネータで貼り付け、フォト
マスクを使って露光機により、第1の実施の形態で説明
したのと同様にして光学パターンを転写した。そして、
現象及び剥離洗浄工程を経てストライプ状の溝5を形成
するがこの溝5の底辺を円筒面5aとなるようにエッチ
ングする。このストライプ状の溝5に、列ラインセなる
アノード6を配列形成し、幅0.lmmで間隔ピッチ
0.35mmの63本となっている。また、溝5の深さ
は20μm〜80μmとなっている。そして、第lの実
施形態と同棲にα−NPD層7a、Alq3 層7bから
なる有機EL層7を真空蒸着法で成膜する。しかる後、
磁石9を用いSUS430製で厚さ50μmのシャドウ
マスク8を透明支持基板1上にセットする。このように
して、透明支持基板1上にシャドウマスク8のストライ
プ状遮蔽部8aがアノード18の列に直交する方向に設
置される。
の混合金属を成膜する。この場合には、直進性のある蒸
着金属が透明支持基板1に対しはぼ垂直から飛来するよ
うになる。そして、有機EL層47に選択的にカソード
10を形成する。次に、透明支持基板1からシャドウマ
スタ8を引き離す。この時にストライプ状遮蔽部8a上
の蒸着金属はリフトオフ法により除去される。このよう
にして図7(b)に示すように透明支持基板1上に列状
のアノード6、有機EL層7及び行状のカソード10を
有する有機EL表示装置が形成される。この第2の実施
形態では、0.35mmのように比較的狭いピッチで電
極を分離して形成しなければならないときに極めて有効
あると共に、溝5の底面の形状を円筒面にすることによ
り有機EL層7の発光部からの発光がアノード6のレン
ズ効果により光の取り出し効率をあげている。
表示装置は、透明支持基板内に列方向に溝が形成され、
この溝内にアノードと有機EL層が形成され、行方向に
カソードが形成された構成であるため、カソードを形成
する際のシャドウマスクを透明支持基板の表面に密着し
た場合でも、シャドウマスクが有機EL層に接触される
ことがなく、有機EL層がダメージを受けることがな
い。このため、シャドウマスクにより形成するカソード
の信頼性、精度が向上でき、微細でかつ高精度の有機E
L表示装置が得られるとともに、有機EL表示額置の製
造歩留まりが大幅に向上する。また、カソードの形成に
際してレジストを用いないため、レジストに残留する水
分、溶剤による素子劣化がない。さらに、透明支持基板
を回転しながらカソードが形成できるため、蒸着ソース
を有効に利用でき、かつ金属層を均一に成膜できるとと
もに、大型の表示装置を小型化の成膜装置を用いて製造
することも可能となり、設備コストの低減にも有効とな
る。
のその1である。
のその2である。
を説明するための斜視図である。
る。
平面図である。
面図である。
断面図である。
る。
Claims (8)
- 【請求項1】 透明支持基板の表面上に透明電極からな
る複数本のアノードを列方向に有し、前記アノード上に
有機エレクトロルミネセント層(以下、有機EL層)を
有し、前記有機EL層上に前記アノードに直交する複数
本のカソードを行方向に有する有機EL表示装置におい
て、前記透明支持基板の表面には複数本の溝が列方向に
形成され、前記アノード及びアノード上の有機EL層は
前記溝内に配設されていることを特徴とする有機EL表
示装置。 - 【請求項2】 前記溝の深さは、前記アノードの厚みと
前記有機EL層の厚みを加算した厚みよりも深く形成さ
れている請求項1に記載の有機EL表示装置。 - 【請求項3】 有機EL層は前記複数本の溝及びアノー
ドを含む前記透明支持基板上の所要の矩形領域にわたっ
て連続された面として形成されている請求項1または2
に記載の有機EL表示装置。 - 【請求項4】 前記溝の底面は円筒面状に形成され、前
記アノードはこの円筒面を覆うように形成されている請
求項1ないし3のいずれかに記載に有機EL表示装置。 - 【請求項5】 透明支持基板上にフォトリソグラフイ法
により複数本の溝を列方向に形成する溝形成工程と、前
記透明支持基板上の前記溝の底面に透明電極からなる複
数本のアノードを列方向に形成するアノード形成工程
と、前記透明支持基板上の所要の領域に有機EL層を形
成する有機EL層形成工程と、前記透明支持基板上にシ
ャドウマスクを密接し、前記シャドウマスクを利用して
前記有機EL層の表面上に複数本のカソードを行方向に
形成するカソード形成工程とを含むことを特徴とする有
機EL表示装置の製造方法。 - 【請求項6】 前記シャドウマスクは磁性材料で形成さ
れ、前記透明支持基板の反対側の面に配置された磁石に
よって生じる磁力により前記透明支持基板の表面に密接
される請求項5に記載の有機EL表示装置の製造方法。 - 【請求項7】 前記シャドウマスクは、複数本のスリッ
ト部が行方向に形成されるとともに、各スリット部には
行方向の所要の間隔をおいて列方向のブリッジ部が形成
されており、前記ブリッジ部は前記透明支持基板の溝上
に位置されるように密着される請求項5または6に記載
の有機EL表示装置の製造方法。 - 【請求項8】 前記溝形成工程は、前記溝の底面を円筒
面に形成する請求項5ないし7のいずれかに記載の有機
EL表示装置の製造方法。
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1997
- 1997-12-05 JP JP9335625A patent/JP2848384B1/ja not_active Expired - Fee Related
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