JP2848200B2 - 凹版の製造方法 - Google Patents

凹版の製造方法

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JP2848200B2
JP2848200B2 JP18682393A JP18682393A JP2848200B2 JP 2848200 B2 JP2848200 B2 JP 2848200B2 JP 18682393 A JP18682393 A JP 18682393A JP 18682393 A JP18682393 A JP 18682393A JP 2848200 B2 JP2848200 B2 JP 2848200B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、精細パターン印刷、例
えば液晶カラーフィルタを得る精細パターン印刷などを
行う際に使用する凹版印刷用または凹版オフセット印刷
用の印刷版を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】凹版には、全体が金属よりなる通常のも
のの他に、ゴムなどの弾性層を用い、印刷時の弾性層の
潰れを利用して、剛性体に印刷したり、インキの厚さを
厚くするタイプのものがある。さらに区分すると、陸部
表面も弾性層である凹版と、陸部表面は硬度が弾性層よ
り高い凹版とがある。液晶ディスプレイパネルのカラー
フィルターのように、印刷パターンが精細で印刷位置制
度も要求される場合には後者のタイプのものが、印刷時
の加圧などによる版の変形が少ないので、適している。
すなわち、図12に示したように薄い金属板などからな
る硬質層31Bの上にゴムなどの弾性層32Bを設けた
構成の凹版30Bでは、印刷実施例の加圧によってイン
キセル15Bからインキ(図示せず)を押し出す作用効
果が期待できるため、ガラス板のような剛体にも印刷で
きるといった利点があり、液晶カラーフィルターの精細
パターンを印刷形成する手段として有望視されている。
【0003】この目的に適した凹版の陸部表面はかなり
平滑でなければならない。以下にその理由を記す。凹版
にインキを充填する方法としては、ワイピングとドクタ
リングがあり、いずれも凹部以外の部分のインキを除去
する方法であり、前者は文字通り拭き取る方法、後者は
刃先でかき取る方法である。本発明が対象としているよ
うな微細なパターンを印刷する必要がある場合には後者
が用いられる。なぜなら前者では、必要な部分のインキ
も若干拭き取ってしまい、微細なパターンではその影響
が大きく現れ、インキ量が不足して、正確な印刷ができ
なくなってしまうからである。刃先でかき取る場合、必
要な部分のインキをかき取ることはない。しかし、版の
表面が平滑でなければ、不要部分のインキがかき取られ
ずに、残ってしまう。大きなうねりと、細かな凸凹のい
ずれもドクタリング不良の原因となる。従って、版の表
面はかなり平滑である必要がある。実際には、刃先の磨
耗を減少させる目的もあり、版の表面を鏡面近くなるま
で研磨している。
【0004】次に、本発明の対象である下部が柔軟な凹
版において、表面を鏡面程度まで平滑にする方法につい
て記す。先ず第一に考えられる機械的研磨は、下部が弾
性体であるため、均一に施すことが難しい。次に、化学
的研磨は微小な凸凹を除去できるが大きなむらを除去す
ることが難しい。さらに、電気的な研磨も同様に大きな
むらを除去することが難しい。この構造を有する凹版の
製造方法としては、例えば特公平3−4398号が知ら
れている。該発明において、図12の弾性体32Bの上
にインキセル15Bを囲んで形成する陸部33Bを金属
の所望のパターンに形成する方法として、所望のパタ
ーンをエッチング法で形成した金属板を弾性体に貼着す
る方法、および、硬化層を弾性体に貼り付けてから、
所望の透き通し部を得るためにエッチングなどして、パ
ターニングする方法、が用いられている。また、特開平
4−34551号および特開平4−35989号には、
の方法、すなわち金属板を弾性体32Bの表面に貼着
し、エッチングする方法が採用されている。,いず
れにおいても研磨した金属板、硬化層を使用する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、エッチングは
周知のように深さ方向だけでなく横方向にも進行する。
この現象はサイドエッチングと呼ばれているが、このた
め、微細なパターンの場合にはインキセル15Bを精度
よく形成することが困難であるという問題点があった。
すなわち、インキセル15Bは最低でも2〜3μmの深
さに形成する必要があるが、さらに印刷されるインキの
厚さを厚くする必要がある場合には、10μm程度また
はそれ以上の深さに形成する必要がある。しかし、サイ
ドエッチングは深さ方向の2倍程度生じるので、インキ
セル部を例えば2〜3μmの深さに形成するとサイドエ
ッチングは4〜6μmになり、深さを10μmにすると
サイドエッチングは20μmにも達する。このため、イ
ンキセル幅10〜200μm程度の微細パターンを高精
度に形成することが困難であるといった問題点があり、
この点の解決が課題とされていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記した従来技
術の課題を解決するためになされたもので、その要旨は
裏面などの不要部がマスキングされ、電気絶縁体がイン
キセル配置のポジパターンで配設された導電性基板の露
出部にめっきを施し、導電性基板とめっきとの接着強度
より強い接着強度でめっき表面を、硬質層上に弾性体を
積層した凹版基板の弾性体表面に接着し、しかるのち導
電性基板と凹版基板とを離間して、凹版基板のインキセ
ルを囲繞形成する陸部を導電性基板から弾性体に剥離転
移するめっきにより形成することにある。
【0007】そして、導電性基板がステンレス鋼板、ま
たは表面にクロムまたは酸化物導電体が形成されている
板である前記記載の凹版の製造方法であり、
【0008】めっきが電気めっきと無電解めっきを順次
行うものである前記記載の凹版の製造方法であり、
【0009】弾性体表面がシリコーンゴムである前記記
載の凹版の製造方法であり、
【0010】弾性体が室温硬化型シリコーンゴムを金属
層上に注型して成型された前記記載の凹版の製造方法で
ある。
【0011】具体的には、微細なパターンを得る方法と
して、パターンめっき法を使用し、表面を鏡面近くまで
研磨した基板上にパターンめっきしたものを、転写する
ようにしている。
【0012】なお一方、当業者において普通に考え得る
方法は、該弾性体の上に直接に無電解パターンめっき法
で必要なパターン形成する方法である。しかし、この方
法では、めっきした金属層の表面を必要な程度まで研磨
して平滑にすることが難しい場合がある。この場合、さ
らに工夫して、該弾性体の表面を鏡面近くまで研磨し
て、めっきする方法が考えられる。こうすればある条件
では、めっき表面が鏡面に近くなる。しかし、該弾性体
の材質によれば通常の材質では、鏡面に近い表面にする
と、無電解めっき層との接着力を必要な程度まで高くす
ることが難しい場合もある。
【0013】この場合本発明は、裏面などの不要部分が
マスキングされ、電気絶縁体がインキセル配置のポジパ
ターンで配設された鏡面に近い表面を持つ導電性基板の
露出部にめっきを施し、導電性基板とめっきとの接着強
度より強い接着強度でめっき表面を、硬質層上に弾性体
を積層した凹版基板の弾性体表面に接着し、しかるのち
に導電性基板と凹版基板とを離間して、凹版基板のイン
キセルを囲繞形成する陸部を、導電性基板から弾性体に
接着剤を用いて剥離転移するめっきにより形成すること
で、さらなる効果の向上が期待できる。
【0014】導電性基板には、導電性基板とめっきした
金属層の間の接着強度を低く抑えるために、ステンレス
鋼板や、表面にクロム膜または酸化物導電体膜を形成し
た板を用いることが好ましい。ステンレス鋼の種類は格
別問わないが、表面の平滑なグレードがある品種が好ま
しい。例えば、SUS430はBAという表面が平滑な
グレードがある。一方、クロム膜の形成方法としては、
電気めっき法、真空蒸着法、スパッタリング法などがあ
る。酸化物導電体の種類としては、酸化スズ、酸化イン
ジウム、酸化亜鉛、ITOなどがある。めっき膜はいず
れの種類の酸化物導電体上に形成された場合でも容易に
剥離する。めっき液に侵されない種類のものであれば使
用できる。酸化物導電体膜の形成方法としては、真空蒸
着法、スパッタリング法、ゾル−ゲル法などがある。こ
れらの場合も、表面が平滑な方がめっき膜の剥離は容易
なので、鏡面または鏡面に近い面に加工した金属板、ガ
ラス基板、プラスチック基板の上に、クロムまたは酸化
物導電体膜を形成してあることが好ましい。なお、この
導電性基板に可撓性があると、凹版基板から引き剥がす
作業が容易に行える利点があるので、薄い金属板の他、
プラスチックフィルムなども好適である。
【0015】また、電気めっきはめっき速度が速いが、
パターンの形状、配置などに基づく電流密度分布の不均
一のため、めっきの厚さが不均一になる傾向が強い。一
方、無電解めっきはめっき速度は遅いが、めっきの厚さ
の均一性がよい。実際には、この二つの方法を組み合わ
せることが好ましい。さらに、無電解めっき法では、め
っきを開始するために触媒層を形成する必要があるが、
通常のパラジウム系触媒の形成法では、必要なパターン
部分だけに形成することは難しい。また、通常の触媒で
は、めっき開始までの誘導時間がめっきパターンのサイ
ズによって異なったりして安定せず、めっき厚にむらを
生じることが多いので、最初に電気めっきを施し、引き
続き無電解めっきを行うことが好ましい。
【0016】めっきする金属は、弾性体との馴染みのよ
い柔軟な金属が好ましい。例えば、銅が好ましい。一
方、ドクターリング耐性を得るためには、硬度の高い金
属が望ましい。例えば、硬質クロムめっきが好ましい。
このような構成を得るため、例えば弾性体へ銅めっき膜
を転移した後に、硬質クロムめっきを施す方法がある。
また別の方法として、先ず硬質の金属めっき膜を形成
し、その上に柔軟な金属めっき膜を形成するという、2
層めっき法がある。この場合実際には、例えばリンを含
有するニッケルめっき膜を形成し、その上に銅めっき膜
を形成する。前者は200〜300℃の熱処理により、
硬度が向上し、ドクターリング耐性を向上させることが
できる。また、例えばタングステンカーバイトを分散し
ためっき浴中でめっきを行うと、析出しためっき膜中に
極めて硬いタングステンカーバイトが分散混入してい
て、ドクターリング耐性が高いので好適である。
【0017】弾性体としては、通常のオフセット印刷用
のブランケットが、良好な耐インキ性、印刷に適した圧
縮性を有し、実用性のあるものを得やすいので、好適で
ある。しかし、微細なパターンを印刷する際には、イン
キは印刷時に全部被印刷物に転移するのでなく、インキ
セル内で分裂し、ほぼ半分の量はインキセル内に残ると
いう欠点がある。インキセル内のインキの全部または大
半が被印刷物に転移するようにするためには、インキセ
ルの底部を撥インキ性の物質、例えばシリコーンゴムに
することが望ましい。
【0018】本発明においては、以下に示すように、接
着剤として縮合型液状シリコーンゴムを用いることによ
って、版の凹部底面をシリコーンゴムにすることがで
き、被印刷物へのインキの転移率を高めることができ
る。すなわち、先ず金属パターンは、めっき後フォトレ
ジストを剥離し、充分に水洗、乾燥しておく。一方、接
着剤として室温硬化型の液状シリコーンゴムの内、縮合
硬化型のもの(例えば商品名:TSE370;東芝シリ
コーン社製)を凹版基板の弾性体の表面に塗布し、そこ
へ、上記の乾燥しためっき金属パターンを例えば0.1
〜1.0kgf /cm2(約10〜100kPa)の圧力で
圧着し、該液状シリコーンゴムが硬化するまで、例えば
1〜3時間保持する。硬化後、凹版基板とめっき基板と
を端部から順次分離していくと、めっき金属パターンは
弾性体に接着していて、めっき基板から剥離する。この
ようにして、凹部の底部がシリコーンゴムである凹版を
製造できる。なお、必要に応じてめっき金属や弾性体に
プライマをコートして接着強度を確保する。
【0019】また、以下の方法がある。先ず、非めっき
パターンを形成するフォトレジストとして、剥離液がア
ルカリ水溶液であるタイプのもの(例えば商品名:リス
トン3600シリーズ;デュポンジャパン社製)を使用
する。非アルカリ性のめっき液を用いて所定のパターン
めっきを行った後、該フォトレジストを剥膜せずに、充
分に水洗、乾燥して、凹版基板上に塗布されている接着
用の該液状シリコーンゴムと圧着する。硬化後、アルカ
リ水溶液型の剥離液に浸漬すると、フォトレジストは徐
々に剥離し、宙に浮いた状態になる。その後、凹版基板
とめっき基板を引き剥がすと、めっき膜はめっき基板か
ら剥離し、凹版基板上のシリコーンゴムに接着転移す
る。
【0020】さらに、シリコーンゴムには型の中に流し
込んで室温で硬化できるタイプのもの(例えば商品名:
型取り用液状シリコーンゴムTSE3450;東芝シリ
コーン社製)がある。これを用いることによって、以下
に述べる製法を取ることができる。先ず、パターンめっ
き用のフォトレジストとしては、前段で述べた剥離液が
アルカリ水溶液であるタイプのものを使用する。非アル
カリ性のめっき液を用いて所定のパターンめっきを行っ
た後、該フォトレジストを剥離せずに、充分に水洗、乾
燥し、流し込み用の型枠を周囲に形成する。型枠の一例
は、所定の厚さ(例えば1mm)、幅1cmのアルミ板
をめっき基板の周囲に並べたものである。その中へ、所
定の配合を行ったシリコーンゴムを流し込み、上にガラ
ス板を置く。ガラス板の周囲は型枠上に乗るようにする
ので、所定の厚さの硬化シリコーンゴムが、めっきパタ
ーン上に形成される。硬化後、アルカリ水溶液型の剥膜
に浸漬すると、フォトレジストは徐々に剥離し、宙に浮
いた状態になる。その後、凹版基板とめっき基板とを引
き剥がすと、めっき膜はめっき基板から剥離し、凹版基
板上のシリコーンゴムに接着転移する。なお、めっきパ
ターンとシリコーンゴムの間の接着力を確保するため
に、金属とシリコーンゴムの間の接着用のプライマをめ
っきパターンに塗布する。めっきパターン以外のフォト
レジスト部分に塗布しても、問題を生じない。
【0021】この方法の利点は以下の通りである。第一
に、接着時に加圧しないので、弾性体に歪みが発生せ
ず、パターンの変形がない点である。第二には、通常の
ブランケットには、印刷適性を向上するため、種々の工
夫が施されているが、その一つである布が鋳込まれた構
造を簡便に得ることができる点である。第三に、シリコ
ーンゴムの板を製造するための別の装置が不要である点
である。
【0022】
【作用】弾性体上にインキセルを囲繞形成することにな
る陸部を、鏡面に近い導電性基板の表面に施しためっき
を剥離転移させて形成するので、導電性基板表面に電気
絶縁体をホトリソグラフィなどで形成しておけば、めっ
きパターンの形成精度が向上し、したがって、これを弾
性体の上に剥離転移して形成するインキセルの形成精度
を高くすることができる。さらに、めっきの厚さに部分
的なむらがあっても、接着剤を用いて剥離転写するの
で、めっきの厚さむらは接着剤層で吸収され、凹版の陸
部の表面が鏡面に近くなる。従って、ドクターリングが
確実に行われるので、不要部にインキが残ることがなく
なり、印刷の品質が向上する。
【0023】
【実施例】
(実施例1)次に、第1の実施例を図1〜図6に基づい
て詳細に説明する。
【0024】1はめっきを施すことのできる導電性基板
であり、特に析出形成しためっき(金属)を比較的簡単
に剥離することのできる金属、例えばステンレス鋼など
である。この実施例1においては、0.3mmt ×300
mm×300mmのサイズのSUS430−BAの板を、め
っきする面を鏡面に研磨して使用した。
【0025】11は前記導電性基板1の研磨面に、所望
のインキセル配置のポジパターンで形成した電気絶縁体
であり、具体的には例えばドライフィルムタイプのネガ
型のフォトレジスト(例えば商品名:リストン101
0;デュポンジャパン社製、厚さ25μm)12を研磨
したステンレス面に貼着し、所要のパターンが形成され
たフィルム原版(図示せず)などを密着露光した後、専
用の現像液で現像することにより、露光部が残存するよ
うにして形成した。このため、線幅50〜500μm、
間隔50〜200μmの電気絶縁体11を約±5μmの
精度で形成することができた。
【0026】電気絶縁体11が上記のようにして所望の
インキセル配置のポジパターンで対置された導電性基板
1を、表1に示した組成のめっき浴に浸漬し、表2の作
業条件で電気めっきを行い、導電性基板1の露出部にニ
ッケルめっき13を、電気絶縁体11より僅かに薄い約
20μmの厚さに析出生成した。なお、導電性基板1の
裏面や周囲のめっき不要部には、非導電性の素材(例え
ば商品名:マスクエース;太陽化工業製、または商品
名:めっきマスキングテープ スコッチ#854;住友
スリーエム製)によるマスキング14を施して、導電性
基板1の露出部にめっきした。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】ニッケルめっき13を導電性基板1の露出
部に形成した後、残存している電気絶縁体11を、例え
ば剥離液として指定されている塩化メチレンをスプレー
することによって除去し、ロール刷毛(図示せず)など
を介してニッケルめっき13の上に、ニッケルめっき1
3と導電性基板1との接着強度より強い接着力を有する
接着剤(例えば商品名:セメダイン#521;セメダイ
ン社製)4を、接着可能な状態で、膜厚が例えば20μ
mになるように塗布し、接着可能な状態に乾くまで所定
時間、例えば15分間待機した。
【0030】一方、3は0.5mmt×300mm×3
00mmのサイズのステンレス鋼鈑(SUS304)か
らなる硬質層31と弾性体(例えば商品名:ブランケッ
トS−7000;金陽社製)32とを堅固に貼り合わせ
た構成の凹版基板であり、弾性体32の表面は接着剤4
との接着力を高めるため、例えば1000番のエメリー
ペーパで軽く研磨して用いた。
【0031】そして、導電性基板1の表面に析出形成し
たニッケルめっき13と、凹版基板3の弾性体32とを
対向させ、例えば約0.1kgf /cm2 (約10kPa)
の力で圧接し、接着剤4がほぼ完全に硬化した後、スペ
ーサ19を取り外し、次に導電性基板1と凹版基板3と
を端部から引き剥がすと、ニッケルめっき13は鏡面に
研磨された導電性基板1とは接着力が弱く、表面が粗く
研磨された弾性体32とは接着剤4を介して堅固に接着
しているので、導電性基板1の表面から剥離して凹版基
板3の弾性体32の表面に転移した。
【0032】これにより、凹版基板3の弾性体32上に
幅が50〜200μm、間隔が50〜500μmのイン
キセル15が、ニッケルめっき13などからなる陸部3
3によって囲繞形成された構成の凹版30を得ることが
できた。
【0033】そして、電気絶縁体11がフォトリソグラ
フィ法によって優れた寸法精度と位置精度で導電性基板
1の上に形成されていたので、この電気絶縁体11の間
に析出形成したニッケルめっき13の寸法・位置精度も
良好であった。このため、このニッケルめっき13を凹
版基板3の弾性体32の上に転移して形成した、凹版3
0のインキセル15の寸法・位置精度も高いものとなっ
た。
【0034】(実施例2)次に、第2の実施例を図7〜
図11に基づいて詳細に説明する。
【0035】1Aは、5mmt×300mm×300m
mのサイズのガラス板16の研磨した片表面に、透明な
導電性被膜であるITO17をスパッタリング法によっ
て約0.5μmの厚さに形成した導電性基板である。I
TO17は、この上に施しためっき(金属)を比較的簡
単に剥離することのできる金属酸化物である。
【0036】11Aは前記導電性基板1AのITO17
上に所望のインキセル配置のポジパターンで形成した電
気絶縁体であり、この場合は、ポジ型のフォトレジスト
(例えば商品名:AZLP−10;ヘキストジャパン社
製)12Aを乾燥時の膜厚が約10μmになるように塗
布し、プリベーク後所要のパターンが形成されたフィル
ム原板(図示せず)などを密着して露光し、所定の現像
液(例えば商品名:AZ303N;ヘキストジャパン社
製を1:4に希釈したもの)で現像し、露光部を除去す
ることにより、線幅10〜100μm、間隔10〜20
0μm、精度±2μm程度に形成したものである。
【0037】このようにして電気絶縁体11Aが表面に
形成された導電性基板1Aを、表3に示した組成の無電
解ニッケルめっき浴に浸漬し、露出部に約0.5μmの
ニッケル膜が析出形成されるまで電気めっきを行い、そ
の後は通電することなく前記の無電解めっき浴で継続し
て無電解めっきを行い、ニッケルめっき13Aを全膜厚
が電気絶縁体11Aと同程度の厚さの約10μmになる
まで形成した。この場合も、導電性基板1Aの裏面や周
囲のめっき不要部には、非導電性素材によるマスキング
14を施して、導電性基板1Aの露出部のめっきを行っ
た。
【0038】
【表3】
【0039】ニッケルめっき13Aの膜厚は、線幅が色
々であったが無電解めっきであったため、格別の工夫を
施さなくても±5%の範囲に納まった。
【0040】導電性基板1Aの電気絶縁体11A・ニッ
ケルめっき13Aの上に、シリコーンゴム接着のため、
金属用プライマ(例えば商品名:ME121;東芝シリ
コーン社製)18を塗布し、乾燥するのを待って全面を
露光した。
【0041】一方、凹版基板3Aの硬質層31Aとし
て、0.3mmt×300mm×300mmのサイズの
ステンレス鋼板(SUS304)を用い、この片面にも
金属用プライマ18を塗布し、この塗布面を上に向けて
水平に載置して周囲を厚さ2mmのスペーサ19で囲
い、この中に例えば室温硬化型のシリコーンゴム(例え
ば商品名:TSE3450;東芝シリコーン社製)20
に硬化剤(図示せず)を所定量添加したものを流し込
み、この上に前記導電性基板1Aの電気絶縁体11A・
ニッケルめっき13Aに塗布した金属プライマ18が下
を向くように載置して、シリコーンゴム20を硬化させ
た。
【0042】シリコーンゴム20が硬化するのを待っ
て、例えば図11に示したように現像液(AZ303N
の前記稀釈液)5の中に浸漬した状態で端部側から導電
性基板1Aとステンレス鋼板製の硬質層31Aとを引き
剥がすと、硬質層31Aの上にスペーサ19により2m
m厚に規制されて硬化したシリコーンゴム20からなる
弾性体32Aが形成され、しかもこの弾性体の上にニッ
ケルめっき13Aが、導電性基板1AのITO17から
剥離して転移する一方、露光した電気絶縁体11Aが現
像液5によって除去されて、幅が10〜200μm、間
隔が10〜200μmのインキセル15Aを有する凹版
30Aを得ることができた。
【0043】すなわち、凹版30Aについても、導電性
基板1Aに精度良く形成したニッケルめっき13Aが剥
離転移して陸部33Aを形成しているので、陸部33A
が囲繞形成するインキセル15Aの位置・寸法精度は共
に高いものとなった。
【0044】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではないので、特許請求の範囲記載の趣旨に沿って適
宜の変形実施が可能である。
【0045】例えば、接着剤4をニッケルめっき13の
表面ではなく、凹版基板3の弾性体32の全表面に、あ
るいは導電性基板1に形成した電気絶縁体11・ニッケ
ルめっき13の全表面に前記要領で塗布し、図5および
図6の圧接・引き剥がし工程を行い、その後に凹版基板
3の弾性体32上に転移した電気絶縁体11を適宜の方
法で除去することによっても、本発明の構成の凹版を得
ることができる。この場合、接着剤4がインキセル15
Aの底部に露出するが、ブランケット材と同質のニトリ
ルゴム系またはクロロプレンゴム系の接着剤を使用すれ
ば通常問題ない。
【0046】また、電気絶縁体11の表面にシリコーン
オイルなどの接着阻害層を、印刷手法などによって形成
しておけば、接着剤4を凹版基板3の弾性体32の全表
面や導電性基板1に形成した電気絶縁体11・ニッケル
めっき13の全表面に塗布しても、接着剤4と電気絶縁
体11とは接着することがないので、図5および図6の
圧接・引き剥がし工程を行うだけで、弾性体32の側に
はニッケルめっき13だけが導電性基板1から剥離転移
してインキセル15が形成され、本発明の構成の凹版を
得ることができる。
【0047】また、電気絶縁体11Aの表面にもシリコ
ーンオイルなどの前記接着阻害層を印刷手法などによっ
て形成すれば、金属プライマ18と電気絶縁体11Aと
の接着が阻害されるので、導電性基板1Aと硬質層31
Aとを引き剥がすだけで、本発明の構成の凹版を得るこ
とができる。
【0048】また、電気絶縁体11・11Aを、接着性
を有しない素材、あるいは接着性の弱い素材(例えば、
シリコーン樹脂・テフロン樹脂・ポリオレフィン樹脂な
ど)で形成し、凹版基板の弾性体上にこれが転移しない
ようにすることもできる。特に、UV硬化性のシリコー
ン樹脂はネガ型のフォトレジストとして使用できるので
有用である。
【0049】また、電気絶縁体11・11Aは、実施例
に示したホトリソグラフィ法の他にも、印刷法・転写法
などで形成することが可能である。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、弾
性体の上に10〜200μm程度の細い幅のインキセル
を高い精度で形成することができるので、ガラス板のよ
うな剛体にも高精度で印刷することが可能であり、液晶
カラーフィルタ用の精細パターンなどを印刷形成する上
で顕著な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における導電性基板の説明図。
【図2】実施例1におけるめっき時の説明図。
【図3】実施例1において導電性基板を接着可能にした
時の説明図。
【図4】実施例1における凹版基板の説明図。
【図5】実施例1において導電性基板と凹版基板とを接
着する説明図。
【図6】実施例1において導電性基板と凹版基板とを引
き剥がす説明図。
【図7】実施例2における導電性基板の説明図。
【図8】実施例2におけるめっき時の説明図。
【図9】実施例2において導電性基板を接着可能にした
時の説明図。
【図10】実施例2において導電性基板と凹版基板とを
接着する説明図。
【図11】実施例2において導電性基板と凹版基板とを
引き剥がす説明図。
【図12】従来例の説明図。
【符号の説明】
1・1A 導電性基板 11・11A 電気絶縁体 12・12A フォトレジスト 13・13A ニッケルめっき 14 マスキング 15・15A・15B インキセル 16 ガラス板 17 ITO 18 金属プライマ 19 スペーサ 20 シリコーンゴム 3・3A 凹版基板 30・30A・30B 凹版 31・31A・31B 硬質層 32・32A・32B 弾性体 33・33A・33B 陸部 4 接着剤 5 現像液

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 裏面などの不要部がマスキングされ、電
    気絶縁体がインキセル配置のポジパターンで配設された
    導電性基板の露出部にめっきを施し、導電性基板とめっ
    きとの接着強度より強い接着強度で、めっき表面と凹版
    基板の硬質層上に積層した弾性体表面とを接着し、しか
    るのち導電性基板と凹版基板とを離間して、凹版基板に
    インキセルを囲繞形成する陸部を導電性基板から弾性体
    に剥離転移するめっきにより形成することを特徴とする
    凹版の製造方法。
  2. 【請求項2】 導電性基板がステンレス鋼板、または表
    面にクロムまたは酸化物導電体が形成されている板であ
    ることを特徴とする請求項1記載の凹版の製造方法。
  3. 【請求項3】 めっきが電気めっきと無電解めっきを順
    次行うものであることを特徴とする請求項1記載の凹版
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 弾性体表面がシリコーンゴムであること
    を特徴とする請求項1記載の凹版の製造方法。
  5. 【請求項5】 弾性体が室温硬化型シリコーンゴムを金
    属層上に注型して成型されたものであることを特徴とす
    る請求項4記載の凹版の製造方法。
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