JP2846294B2 - 手押し運搬車のハンドル着脱装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は手押し運搬車のハンドル
着脱装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】例えば、特公平４−１０１４７号公報に
所載の通り、手押し運搬車の後部下面に連結パイプを取
付け、この連結パイプに、把手杆部と該把手杆部の両側
にそれぞれ連設した脚杆部とから成るハンドルの脚杆部
の下端に水平方向にして設けた連結部片を挿脱可能に挿
入するようにした構造のものがある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記従来例は、ハンド
ルを荷台に組付けるには、連結部片を連結パイプに装着
すれば良いので、着脱の作業性は良いが、単に、連結部
片を連結パイプに挿入したものであるから、離脱方向に
ハンドルを引くと、すなわち、ハンドルによって運搬車
を後退方向に移動させるようにすると、ハンドルが荷台
より離脱するおそれがあり、従って、運搬車を後退方向
に動かせないときがある。

【０００４】本発明は斯様な従来例の欠点に着目し、ハ
ンドルの荷台との着脱操作が容易に行え、運搬車の移動
に際し何等不都合の生じるおそれのないハンドル着脱装
置を提供することを目的として創案したのである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】荷台の後部下面両側にそ
れぞれ支持枠を設け、各支持枠の相対する側部片に掛止
部片を掛止する受杆を架設し、把手杆部と該把手杆部の
両側にそれぞれ連設した脚杆部とから成るハンドルの脚
杆部の下部に前記掛止部片を突設し、前記受杆に掛止し
たときの該掛止部片の前縁にばねの付勢によって圧接す
る施錠杆を、前記側部片に設けた傾斜長孔に移動自在に
係合して前記支持枠間に架設すると共に、該施錠杆を前
記ばねの付勢に抗して前記掛止部片より下方に降下させ
る解放片を備えた構成とする。

【０００６】

【作用】ハンドルの脚杆部に突設した掛止部片を、荷台
と受杆との間に挿入して降下させると、ばねの付勢によ
って傾斜長孔の上端位置に在る施錠杆は前記掛止部片に
押圧されて降下し、掛止部片が受杆に掛止された（係合
した）とき、掛止部片による施錠杆の押下状態は傾斜長
孔の形状（傾斜）によって解放され、ばねの付勢によっ
て施錠杆は原位置方向に上昇して掛止部片の前縁に圧接
し、この結果、掛止部片は施錠杆と受杆とで挾持されハ
ンドルの荷台への組付け状態が得られ、該組付け状態は
ばねの付勢による施錠杆の掛止部片の前縁に対する圧接
によって確実に維持される。そして解放片によって施錠
杆を掛止部片より下方に移動させると、前記の挾持状態
が解放され、荷台に対するハンドルの取外しが行える。

【０００７】

【実施例】図面は本発明に係る手押し運搬車のハンドル
着脱装置の一実施例を示し、図１は図３の一部欠截拡大
図、図２は図１のＸ−Ｘ線断面図、図３は正面図であ
る。

【０００８】図中、１は荷台で、荷台１は前部に一対の
自在車輪２、２、後部に一対の固定車輪３、３を備え、
各固定車輪３、３の後部、すなわち、荷台１の後部下面
両側に、水平部片４ａと相対する内外一対の側部片４
ｂ、４ｂ´とから成る支持枠４を、水平部片４ａにおい
てボルト５およびナット６によって固着してある。

【０００９】この支持枠４の前記側部片４ｂ、４ｂ´の
後端側にはそれぞれ上下一対の受杆７、７´を所要間隔
を存して架設し、該受杆７、７´の前方側にして前記側
部片４ｂ、４ｂ´に設けた傾斜長孔８に施錠杆９を貫通
させて両支持杆４、４間に架設してある。

【００１０】施錠杆９は、前記傾斜長孔８に沿って自在
に移動するように配され、支持枠４の内側部片４ｂの外
面（支持一対の支持枠４、４の相対向面）に突設したピ
ン１０と該施錠杆９の中間部に架設したばね１１によっ
て上昇可能すなわち上受杆７に近接する方向に移動する
ように付勢され、この付勢に抗して解放片１２を踏み付
けることによって施錠杆９は傾斜長孔８に沿って降下す
るようになっている。

【００１１】解放片（実施例は杆体を折り曲げて構成し
てある）１２は、前記支持枠４、４の前方側の前記荷台
１の下面中央に支承片１３を取付けて設けた挿通孔１４
に、両端を挿入させて前記支承片１３に回動自在に支持
させ、中間部の足踏み部１２´を前記荷台１と前記施錠
杆９との間を通じて荷台１の後端より突出させて配した
もので、足踏み部１２´を押し下げると該足踏み部１２
´の下側に存する施錠杆９は前記ばね１１の付勢に抗し
て傾斜長孔８に沿って降下するようになっている。

【００１２】１５は、把手杆部１５ａと該把手杆部１５
ａの両側にそれぞれ連設した脚杆部１５ｂ、１５ｂとか
ら成るハンドルで、このハンドル１５の前記脚杆部１５
ｂ、１５ｂの下部に掛止部片１６を突設して下側開口の
掛止切欠１７を設け、該掛止切欠１７に前記上受杆７を
相対的に係合させて掛止部片１６を上受杆７に掛止さ
せ、下受杆７´に掛止部片１６の下部１６ｂ側の前縁が
接触するようにしてある。

【００１３】なお、掛止部片１６の下部側が下受杆７´
に接触させるよう配したのは運搬車の移動操作時にハン
ドル１５の上受杆７を中心とする回動を抑止してハンド
ル１５と荷台１との結合関係を良好にするためで、例え
ば、上受杆７を図面で示すように断面円形とせず断面縦
長形にして下受杆７´を省略しても良い。

【００１４】前記掛止切欠１７を構成する、掛止部片１
６の前縁の下部側には、前記傾斜長孔８と傾斜角度をほ
ぼ同じく傾斜縁１９を設け、該傾斜縁１９に前記施錠杆
９が接して（ばね１１によって接触状態が維持され）施
錠杆９による施錠状態すなわちハンドル１５の荷台１に
対する組付け状態が維持される。

【００１５】もっとも、掛止部片１６の前縁は前記傾斜
長孔８と交差する直縁状でも差し支えない。傾斜縁１９
部（掛止部片１６の前縁を構成する）を設けてこれに施
錠杆９を圧接させるようにしたのは、掛止部片１６の先
部１６ａが上受杆７と施錠杆９に挾持され、施錠杆９を
先部１６ａの下方に移動させない限り、両杆７、９間か
ら抜けなくしたためである（要するに、両杆７、９で挾
持した部分より下側の方が幅広くなっているために抜け
ない）。

【００１６】しかして、ハンドル１５を荷台１に組付け
る前においては、施錠杆９はばね１１に引張られ、傾斜
長孔８の上端にあって上受杆７に最も近接している位置
にある。また、このとき、解放片１２は施錠杆９によっ
て押し上げられた状態にある。

【００１７】そして、ハンドル１５の脚杆部１５ｂに突
設した掛止部片１６を上受杆７と荷台１（すなわち、支
持枠４の水平部片４ａ）との間の間隔２０を通じて支持
枠４内に挿入し、ハンドル１５全体を降下させると、傾
斜長孔８の上端位置に存する施錠杆９に掛止部片１６の
先部１６ａが接してこれを押下し、この結果、施錠杆９
はばね１１の付勢に抗して傾斜長孔８に沿って降下し、
先部１６ａの下端が傾斜長孔８より外れる位置に至る
と、施錠杆９は先部１６ａによって押下されて傾斜長孔
８に沿う強制的な降下から解放され、ばね１１の付勢に
よって原位置方向へ上昇し、掛止部片１６の先部１６ａ
に設けた傾斜縁１９に圧接する。他方、これと同様に、
掛止部片１６は掛止切欠１７において受杆７に係合して
これに受支され、前記先部１６ａは施錠杆９と受杆７に
挾持され、ハンドル１５は荷台１に組付けられる。

【００１８】そして、解放片１２の足踏み部１２´を押
下させると、解放片１２によって施錠杆９はばね１１の
付勢に抗して、かつ、傾斜長孔８に沿って降下し、掛止
部片１６は挾持状態から解放され、ハンドル１５を荷台
１より取り外すことができる。

【００１９】

【発明の効果】本発明は前記の通りの構成であるから、
荷台に対するハンドルの着脱を簡単に行え、しかも、移
動に際し何等不都合のない手押し運搬車を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図３の一部欠截拡大図。

【図２】図１のＸ−Ｘ線断面図。

【図３】正面図。

【符号の説明】

１ 荷台 ４ 支持枠 ４ｂ、４ｂ´ 側部片 ７ 受杆 ８ 傾斜長孔 ９ 施錠杆 １１ ばね １５ ハンドル １５ａ 把手杆部 １５ｂ 脚杆部 １６ 掛止部片

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 荷台の後部下面両側にそれぞれ支持枠を
   設け、各支持枠の相対する側部片に掛止部片を掛止する
   受杆を架設し、把手杆部と該把手杆部の両側にそれぞれ
   連設した脚杆部とから成るハンドルの脚杆部の下部に前
   記掛止部片を突設し、前記受杆に掛止したときの該掛止
   部片の前縁にばねの付勢によって圧接する施錠杆を、前
   記側部片に設けた傾斜長孔に移動自在に係合して前記支
   持枠間に架設すると共に、該施錠杆を前記ばねの付勢に
   抗して前記掛止部片より下方に降下させる解放片を備え
   た、手押し運搬車のハンドル着脱装置。