JP2846031B2 - レーザー光走査装置 - Google Patents

レーザー光走査装置

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、レーザープリンター、光ディスクドライ
ブ、光カードドライブ等のレーザー応用機器に関するも
のである。
[従来の技術] レーザー光はコヒーレント性がよく、光線波長程度の
微小なスポットに集光することが可能なため、加工、測
定等の用途に幅広く用いられてきた。近年、小型で高性
能の半導体レーザーの出現により、レーザープリンタや
光ディスクドライブ等、レーザー光を利用したOA機器が
急速に普及している。
第3図に、従来のレーザープリンタにおけるポリゴン
ミラーを用いたレーザー光走査の概略を示す。半導体レ
ーザー301から出射されたレーザー光は、コリメータレ
ンズ302を通過してポリゴンミラー303の側部鏡面304で
反射され、その直後に置かれた対物レンズ305を経て感
光体ドラム306上に焦点を結ぶ。ポリゴンミラー303を矢
印のように回転させることで光線の方向が変化し、ドラ
ム上での光スポットの走査が行われる。ポリゴンミラー
の角度変化に伴う光線の振れがポリゴンミラーから離れ
るほど大きくなるので、対物レンズをポリゴンミラーか
らあまり離して置くことはできない。ポリゴンミラーの
回転速度を上げることで、10,000l pm以上の高速走査が
可能である。
レーザープリンタの光学系としては、上記のポリゴン
ミラー方式の他、鏡面を高速で回転させてレーザー光走
査を行うガルバノミラー方式も広く実用化されている。
一方、光ディスクドライブにおいては、光源と光学系
を一体化した光学ヘッドを設け、この光学ヘッドをリニ
アモータ等で光ディスクの半径に沿って移動させてレー
ザー光走査を行い、目的トラックにアクセスすることが
行われる。
[発明が解決しようとする課題] 第3図のレーザープリンタの光学系においては、前述
のようにポリゴンミラー303と対物レンズ305を近づける
必要がある一方、所要の範囲を走査するために、対物レ
ンズ305と感光体ドラム306とをある程度離して配置しな
ければならない。このため対物レンズ305の焦点距離f
を長くしなければならず、焦点の光スポット径を小さく
絞ることができなくなる。これはガルバノミラー方式に
おいても同様である。一般にレンズの焦点距離と最小ス
ポット径はほぼ正比例の関係にあり、焦点距離が長い場
合には、いくら開口数の大きな対物レンズを用いてもレ
ーザー光を微小スポットに絞ることが難しい。
また、光ディスクドライブでは、光学ヘッド自体が移
動して光スポットの走査を行う構造なので、対物レンズ
を媒体に近づけて配置することができ、そのため焦点の
光スポット径をレーザー光の波長程度に小さくできて、
光ディスク上の1μm程度の信号飯取の読み書きが可能
である。しかし、走査に当たって光学ヘッド自体を移動
させるため、走査速度の点でレーザープリンタに比べて
非常に劣ったものになってしまう。
[課題を解決するための手段] これらの問題を解決するため、本発明のレーザー光走
査装置は、楕円の長軸に関する中空の回転楕円体をほぼ
長軸を含む平面で半割りにして内側を鏡面にした半楕円
凹面鏡と、光線出射点がこの半楕円凹面鏡の第1焦点に
あるように配置され、出射方向が制御可能な平行光源
と、半楕円凹面鏡の第2焦点に置いた対物レンズ系を備
えた構成とする。
[作用] 半楕円凹面鏡の第1焦点から入射されて内側鏡面で反
射された平行光線は、楕円の幾何学的性質から必ず第2
焦点に置かれた対物レンズに入射して、ターゲット媒体
上に集光される。光線の出射方向を変化させることで対
物レンズへの光線の入射角度が変化し、媒体上の光スポ
ットが移動する。この構成によるなら、対物レンズを媒
体表面に近づけられるので焦点距離の短いレンズを用い
ることができ、焦点の光スポット径を微小にできる。さ
らに光スポットの走査が入射光の方向を変えることで行
われ、光源が移動することがないので高速走査が可能で
ある。
[実施例] 本発明の構造を第1図に示す。第1図にて、101は内
側を鏡面にした半楕円凹面鏡、103は平行光源、105は平
行光線、107は対物レンズ、109は媒体である。
平行光源103は光源出射点が常に楕円の第1焦点に来
るように配置され、光線の出射方向が自由に制御でき
て、平行光線105を半楕円凹面鏡101内壁の任意の箇所に
照射できる構造とする。
半楕円凹面鏡101の第1焦点から入射され、内側の鏡
面で反射された平行光線105は、楕円の幾何学的性質に
従って第2焦点に置かれた対物レンズ107に入射し、媒
体109上に集光されて光スポット111となる。平行光源10
3の向きを変えることにより、出射された平行光線の対
物レンズへの入射角度が変化し、媒体表面上での光スポ
ット位置が移動する。例えば実線105のごとくであった
平行光線の方向を破線105′のように変えれば、光スポ
ット111′に移動する。すなわち外部からの信号に応じ
て、出射光の向きを変化させることで、一定面上で微小
な光スポットの2次元ランダム走査が行われる。
対物レンズ107の光軸に対して平行光線105の入射角度
が大きくなると、ガウス光学近似が成立しなくなり、直
行面同士の焦点位置が異なる非点収差や、焦点距離がレ
ンズ側にずれる像面湾曲等の収差が発生するようにな
る。これらの収差は、対物レンズ107にカメラや望遠鏡
で用いられている組み合わせレンズや非球面レンズを用
いることで補正できる。
平行光源103の向きを自由に変える構造としては、通
常の技術を用いて種々のものが考えられるが、例えば第
2図に示すものは、半導体レーザー201およびコリメー
タレンズ202を備えた平行光源203を直交する二つの軸X
−X、Y−Yの回りに回転可能に支持した構造である。
あるいはこのような構造によって平行光源でなく反射鏡
を方向可変に支持し、その近傍に平行光源を置いて反射
鏡に向けて投光するようにしてもよい。実際の装置で
は、これらの構造は機器の制御部からの電気信号に従っ
て方向制御される。
[発明の効果] 以上述べたように、本発明によれば対物レンズをター
ゲット媒体の近傍に配置できるので、焦点距離の短い対
物レンズを用いて光スポット径を微小にすることがで
き、また可動部は光源の向きを変える部分だけなので、
光スポットの走査を高速にできる。例えば本発明を光デ
ィスクドライブに使用すればデータの高速な読み書きが
可能になり、レーザープリンタに使用すればより微細な
ドット印字が可能になる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の基本構造、第2図は第1図における平
行光源103の構造の一例、第3図は従来のレーザープリ
ンタの光学系の概略を示す。 101……半楕円凹面鏡、 103、203……平行光源、 105……平行光線、 107、305……対物レンズ、 109……媒体、 111……光スポット、 201、301……半導体レーザー、 202、302……コリメータレンズ、 303……ポリゴンミラー。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半楕円凹面鏡と、光線の出射点が半楕円凹
    面鏡の第1焦点にあるよう配置され、出射方向が制御可
    能な平行光源と、半楕円凹面鏡の第2焦点に配置された
    対物レンズ系を備えたレーザー光走査装置。
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JP2023165039A (ja) * 2020-09-07 2023-11-15 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 LiDAR装置、LiDARシステム、測距方法及びプログラム

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