JP2845642B2 - 窒素除去装置 - Google Patents

窒素除去装置

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JP2845642B2
JP2845642B2 JP3149167A JP14916791A JP2845642B2 JP 2845642 B2 JP2845642 B2 JP 2845642B2 JP 3149167 A JP3149167 A JP 3149167A JP 14916791 A JP14916791 A JP 14916791A JP 2845642 B2 JP2845642 B2 JP 2845642B2
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  • Removal Of Specific Substances (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は主として飲料用原水中に
含まれる硝酸態および/または亜硝酸態窒素(以下、こ
れらをまとめて酸化態窒素という)を除去する装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年飲料用原水特に井水中の酸化態窒素
濃度が高くなっており、例えば硝酸態窒素濃度が飲料用
基準である10mgN/Lを超す場合も多くなってい
る。これら酸化態窒素はメトヘモグロビン血症原因物質
として知られ、また強力な変異原性物質であるニトロソ
アミンの前駆物質でもある。このような飲用水中の酸化
態窒素の上昇原因としては農地への窒素肥料の施肥が自
然環境中で硝化されること、あるいは下水処理場から一
部硝化された処理水が排出されること等があげられる。
【0003】原因が何であるにせよ飲用に供する水中の
硝酸態および/または亜硝酸態窒素などの酸化態窒素の
除去が必要とされている。従来の飲用水の酸化態窒素の
除去技術としては、大きく分けて2種類の方法が考えら
れてきた。
【0004】第一の処理法として物理化学的処理があ
り、この代表的な方法として陰イオン交換樹脂を用いた
イオン交換法があげられる。この方法はイオン交換反応
により飲用原水中のNO3 - ,NO2 - を樹脂に吸着除
去させる方法である。これは反応速度が速く確実な処理
が期待できる方法であるが、吸着飽和量となった後の樹
脂の再生廃液処理をいかに行うかが課題となっている。
【0005】第二の処理法として生物学的処理法(脱窒
法)があげられる。これはある種の微生物が有する硝酸
呼吸能力を用いる方法であり、この反応においては水素
供与体が必要とされる。より一般的な脱窒法としては、
従属栄養性細菌による処理法すなわち水素供与体として
エタノール,メタノール,酢酸等の有機物を用いる方法
がある。
【0006】この方法は下廃水処理等での実績も多いも
のであるが、飲用水を対象とした場合は実質上有機物を
含まないといってよい飲用原水にあえて有機物を添加す
ることが短所と言える。また脱窒反応を確実に行うため
には一定過剰量の有機物の添加が望まれ、そのため脱窒
工程の後段に余剰の有機物を除去するための酸化工程も
必要となる。
【0007】新たな生物処理法として最近注目を集め始
めている手法として水素酸化細菌を用いた脱窒法があげ
られる(特開昭57−201594号)。これは独立栄
養性の水素酸化脱窒菌を用いた水中の酸化態窒素の除去
方法であり、飲用原水に水素ガスという非常にクリーン
な水素供与体を添加することにより、例えば硝酸態窒素
を以下の反応式化1のように分解して脱窒を行うもので
ある。
【0008】
【化1】
【0009】このような反応に関与する細菌としては P
aracoccus denitrificans ,Micrococcus denitrificans
等が知られている。
【0010】水素酸化細菌を用いる上記脱窒技術は、イ
オン交換樹脂を用いる第一の処理法のごとき、再生廃液
処理の問題や、従属栄養性細菌を利用する第二の処理法
のごとき、エタノール,メタノール等の有機物の飲料用
原水への添加等の問題がなく、飲料用原水中の硝酸態窒
素および/または亜硝酸態窒素などの酸化態窒素を効率
良く除去する技術として非常に優れている。
【0011】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、上述
のような利点を有する水素酸化細菌を用いた生物学的脱
窒技術にも、以下のような問題点があることが判明し
た。すなわち、生物学的脱窒法を利用した脱窒装置にお
いては、いわゆる生物学的水処理技術の常として、原水
流量や原水中の酸化態窒素濃度等の変動に起因する負荷
変動や、あるいは装置の制御不良等があった場合にその
処理性能が不安定となり易いが、処理性能が不安定とな
って脱窒反応が完全に進行しない場合は得られる処理水
中に亜硝酸態窒素が微量ではあるが検出されてしまうこ
とである。当該亜硝酸態窒素は、硝酸態窒素の分解過程
における反応中間代謝物としても生成されるので、上述
のごとく生物学的脱窒反応が完全に進行しない場合はた
とえ原水中に亜硝酸態窒素が存在していなくとも処理水
中に検出される。
【0012】酸化態窒素のうち、硝酸態窒素は飲料基準
である10mgN/Lを越えなければ特に支障はなく、
したがって負荷変動等により生物学的脱窒装置の処理性
能が多少低下してもあまり問題になるようなことはな
い。しかし、亜硝酸態窒素については我国の飲料基準で
は硝酸態窒素との合計量において10mgN/L以下と
規定されているのみであって必ずしも検出されてはなら
ないとは規定されていないが、その有害性は硝酸態窒素
に比べてはるかに大であり、したがって飲料水中に亜硝
酸態窒素が検出されることは本来好ましくない。そのた
め、生物学的脱窒装置の処理水中に検出される亜硝酸態
窒素は、たとえその量が微量であっても問題である。
【0013】本発明は水素酸化細菌を用いる生物学的脱
窒装置におけるこのような問題点を解決するものであ
り、水素供与体としてクリーンな水素ガスを用いて、原
水中の酸化態窒素を効率的に除去することができるとい
う利点を有する生物学的脱窒技術を利用しつつ、しかも
有害な亜硝酸態窒素が含まれていない、飲用に適した水
を常に得ることができる新規な窒素除去装置を提供する
ことを目的とするものである。
【0014】
【問題点を解決するための手段】上記目的を達成するた
めになされた本発明は、水素ガスを水素供与体に用いて
水中の硝酸態窒素および/または亜硝酸態窒素を水素酸
化細菌により生物学的に除去する生物学的脱窒手段と、
水中の亜硝酸態窒素を水素ガスの存在下に水素添加触媒
を用いて化学的に除去する化学的脱窒手段とを備え、前
記生物学的脱窒手段の下流に前記化学的脱窒手段を配置
接続したことを特徴とする窒素除去装置である。
【0015】本発明において採用される前記生物学的脱
窒手段とは、水素ガスの存在下において硝酸態窒素およ
び/または亜硝酸態窒素(酸化態窒素)を含む原水と水
素酸化細菌とを接触させ得る構造のものであればいかな
るものでもよく、例えば塔内に砂利,活性炭,セラミッ
クボール等の粒状物や各種形状のプラスチック等の担体
を充填して固定層を形成させるとともに当該担体の表面
に水素酸化細菌からなる微生物を付着させ、この塔内に
原水を流入させるとともに水素ガスを吹き込むか、ある
いは予め水素ガスを溶解させた原水を流入させることに
よって脱窒反応を行わせるようにしたいわゆる固定床式
の反応装置や、前記担体を塔内にて流動させながら反応
を行う、いわゆる流動床式の反応装置等があげられる。
【0016】しかし、水素酸化細菌を用いる生物学的脱
窒法を工業的に実施するにあたっては、以下の二点が重
要なポイントとなる。まず第一に、独立栄養性細菌であ
る水素酸化細菌は、他の独立栄養性細菌と同様にその比
増殖速度が遅いことから、反応装置内に微生物をいかに
高濃度に維持させるか、第二に水素供与態としての水素
ガスは比較的安価なガスであると言えるが、やはり必要
量以上に供給することはコスト的にも、また安全面にお
いても好ましくなく、更に水素ガスの水への溶解度は酸
素ガス等と相違して非常に低いので、工業的実施に際し
ては原水中に水素ガスをいかに効率良く溶解させるかの
二点である。
【0017】その点、上述のような担体を用いる反応装
置は水素酸化細菌からなる微生物を担体の表面に高濃度
に保持することができるという点では好ましいが、水素
ガスの効率的溶解という点に関しては若干問題がある。
そこで、本発明者等は先にこの点を改善する反応装置と
してガス膜を用いる装置を提案(特願平2−21027
3号)したが、この装置は本発明においても極めて好適
である。
【0018】当該装置は、後で詳しく説明するように水
素供与体である水素ガスと酸化態窒素を含む原水とをガ
ス膜を透して接触させ、当該ガス膜の外部、すなわち原
水側表面に水素酸化細菌からなる微生物を付着,増殖せ
しめることにより、原水側で微生物反応を行わせるよう
に構成したものであり、ガス膜を微生物の付着担体とし
て用いるとともに水素ガスの供給手段としても用いるこ
とにより、微生物の高濃度化と水素ガスの効率的供給と
を同時に満足させたものである。
【0019】上記ガス膜としては、水素ガス透過性の良
い材質のものであればいかなるものでもよく、例えばシ
リコンゴム,ポリペンタン,ポリエチレン,ポリ四沸化
エチレン等を使用することができ、またガス膜の形状も
スパイラル状,中空糸状,平膜状等各種のものを使用す
ることができる。中でも中空糸状のガス膜が最も好まし
く、この場合中空糸の内部を水素ガス側に、中空糸の外
部を原水側に区分するとよい。
【0020】本発明の化学的脱窒手段に使用される水素
添加触媒とは、石油化学の分野において不飽和炭化水素
に水素を付加させて飽和炭化水素を製造する反応に通常
用いられている触媒を指し、例えばパラジウム(P
d),ロジウム(Rh),白金(Pt)等の周期律表第
8族の金属が挙げられる。当該触媒と亜硝酸態窒素を含
有する原水とを水素ガスの存在下において接触させる
と、亜硝酸態窒素に水素が付加され、亜硝酸態窒素は窒
素ガスと水とに分解される。なお、硝酸態窒素の場合
は、後述の実施例で説明するごとく、上記化学的脱窒手
段によってはほとんど分解されない。
【0021】上記水素添加触媒の中でも、処理性能、す
なわち亜硝酸態窒素の分解能力に優れている点、および
コスト,入手し易さ等からパラジウム触媒を使用するの
が好ましく、例えば当該パラジウムをアルミナ等の担体
に担持させたPd−AL2 3 触媒や、パラジウムを陰
イオン交換樹脂に担持させた樹脂触媒(例えばアンバー
リスト(登録商標)ER−206,レバチット(登録商
標)MC−145)等を用いるとよい。
【0022】接触方式としてはバッチ式でも連続式でも
よいが、上記触媒の粒状のものをカラムに充填し、当該
カラム内に原水を連続的に流入させて脱窒反応を行わせ
る、いわゆるカラム式の連続反応装置を採用するとよ
い。
【0023】以下に本発明の実施態様を図面に基づいて
説明する。図1は本発明の実施態様の一例を示すフロー
の説明図であり、図中1は下部に原水供給ライン2と上
部に生物処理水ライン3とが連通された反応槽4内に、
多数本の中空糸状ガス膜を縦型の筒状に束ねたガス膜モ
ジュール5が充填された生物学的脱窒手段であり、6は
前記ガス膜モジュール5に水素ガスを供給するための水
素ガス供給ラインである。
【0024】7は前記生物処理水ライン3を介して生物
学的脱窒手段1の下流に配置接続した化学的脱窒手段で
あり、当該化学的脱窒手段7は下部に前記生物処理水ラ
イン3が、上部に最終処理水ライン8が連通されたカラ
ム9と、当該カラム9内に充填された粒状のパラジウム
触媒10とで構成されている。
【0025】
【作用】酸化態窒素を含有する飲料用原水は、原水供給
ライン2を介して反応槽4に流入する。なお、原水供給
ライン2に栄養源添加ライン11を連通し、当該栄養源
添加ライン11を介して原水中にリン,無機態炭素等の
栄養源が必要に応じて微量添加される。一方、水素供与
体としての水素ガスは水素ガス供給ライン6を介してガ
ス膜モジュール5にその下部より供給され、ガス膜を透
過した水素が反応槽4内の原水中に供給され、溶解され
る。
【0026】ガス膜モジュール5の外表面には水素酸化
細菌からなる微生物を積極的に繁殖させており、当該微
生物の働きにより原水中の酸化態窒素は溶存状態の水素
ガスとの前記した反応式化1により脱窒され、処理水は
生物処理水ライン3を介して後段の、パラジウム触媒1
0が充填されたカラム9内にその下部より導入される。
なお、前記ガス膜モジュール5は図1に示したように上
方に水素ガスライン止め12を設ける等して他端を閉じ
た形態となっている。
【0027】また、原水と微生物との接触効率を高める
ため、反応槽4内の液あるいはガスを循環ライン13に
より循環してもよい。また、図中には示されていない
が、微生物の過剰増殖による目詰まり,ショートパス等
のトラブルを避けるための洗浄水ライン,洗浄ガスライ
ンを必要に応じて設けてもよい。なお、図中14は反応
槽4の上部に設けたガス排出ラインである。
【0028】生物処理水ライン3を介してカラム9内に
その下部より導入された生物処理水は、当該カラム9内
を上昇流で流れ、カラム内に充填されているパラジウム
触媒10と接触する。生物処理水中には、通常前段の生
物学的脱窒手段1で供給された水素ガスが溶存状態で存
在しており、したがって生物処理水中に亜硝酸態窒素が
含有されている場合には、パラジウム触媒10の働きに
よって次に示す反応式化2により速やかに窒素ガスと水
とに分解される。
【0029】
【化2】
【0030】亜硝酸態窒素が完全に除去された最終処理
水は、最終処理水ライン8を介して取り出される。また
分解によって生成されたN2 ガスはカラム9の上部に接
続されたガス排出ライン15を介して外部に排出され
る。
【0031】なお、上述の実施態様ではパラジウム触媒
10が充填されたカラム9内に、生物学的脱窒手段1の
処理水を上昇流で通水するようにしたが、これを下降流
通水としてもよい。しかし、分解によって生成したN2
ガスがパラジウム触媒10の充填層中に滞留してパラジ
ウム触媒10と水との接触を妨げるといった不具合を防
止するためには、生成したN2 ガスをカラムの上部に速
やかに押し出すことのできる上昇流通水の方が好まし
い。
【0032】また、生物処理水ライン3の途中に砂濾過
器,あるいは精密濾過膜等の膜を用いた濾過器等の濁質
分離手段を設置し、生物学的脱窒手段1の生物処理水中
に含まれている懸濁物質を化学的脱窒手段の前段で除去
するようにしても良い。
【0033】なお、図示してはいないが、生物学的脱窒
手段1の処理水中に、下流の化学的脱窒手段7での脱窒
反応に必要十分な量の水素ガスが残存していないといっ
た場合の対応策として、生物処理水ライン3の途中に、
あるいはカラム9内に直接水素ガスを供給し得る構成と
しておくことも有効である。
【0034】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。
【0035】実施例1 容量1Lの反応槽4内に、中空糸状シリコン膜からなる
ガス膜モジュール5を充填率10%で充填してなる生物
学的脱窒手段1と、容量20mLのカラム9内に直径約
1mmのペレット状のPd−AL2 3 触媒(Pd含量
5%)5gを充填してなる化学的脱窒手段7とからなる
図1に示したようなフローの本発明装置を用いて、水道
水中にNaNO3 15mgN/L,KH2 PO4 0.2
mgP/L,NaHCO3 100mg/Lとなるように
添加した模擬原水の処理実験を行った。
【0036】なお、水素ガス圧は1kg/cm2 、反応
槽4は常圧とし、循環ライン13を介しての内部循環量
は原水量の5倍とした。また、生物学的脱窒手段1の種
汚泥としては、予め上記模擬原水と同様の基質で培養し
た水素酸化細菌を用いた。
【0037】先ず、生物学的脱窒手段1における水素酸
化細菌の馴養を十分に行った後、当該生物学的脱窒手段
1の窒素負荷を2.0kgN/m3 ・日(一定)として
運転を続行した。その結果、約一ヶ月後に生物学的脱窒
手段1の処理性能が安定し、この時生物学的脱窒手段1
における硝酸態窒素の除去率は平均95%以上であり、
また当該脱窒手段1の処理水中には亜硝酸態窒素が検出
されなかった。
【0038】その後、生物学的脱窒手段1における窒素
負荷を1.5kgN/m3 ・日と2.5kgN/m3
日との二条件で12時間間隔で交互に変動させながら一
週間運転したところ(不安定運転)、当該不安定運転を
開始して3日目以降には、生物学的脱窒手段1の処理水
中に0.08〜0.13mgN/Lの亜硝酸態窒素が検
出されるようになった。
【0039】しかし、この状態においてもカラム9の出
口水である最終処理水中には亜硝酸態窒素が全く検出さ
れず、当該カラム9内にて、パラジウム触媒の働きによ
って亜硝酸態窒素が完全に分解されていることが確認さ
れた。なお、上記不安定運転時においても生物学的脱窒
手段1における硝酸態窒素の除去率は95%以上であっ
た。また、使用した模擬原水中には亜硝酸態窒素が検出
されなかったことから、上記検出された亜硝酸態窒素は
模擬原水中の硝酸態窒素が水素酸化細菌によって分解さ
れる過程で生成された反応中間代謝物であろうと推定さ
れる。なお、上記安定運転時および不安定運転時におい
て、カラム9の入口水、すなわち生物学的脱窒手段1の
処理水中の硝酸態窒素濃度とカラム9の出口水中のそれ
とを比較したところ当該カラム9内にて硝酸態窒素はほ
とんど分解されていないことが確認された。
【0040】実施例2 原水に水素ガスを溶解させるための水素ガス溶解タンク
16と、表面に水素酸化細菌からなる微生物を予め着生
させたセラミックボール担体17を充填してなる反応槽
4と、これらを連通する循環ライン18とを備えた生物
学的脱窒手段1と、当該生物学的脱窒手段1の下流に配
置接続した、カラム9内に粒状のパラジウム触媒10を
充填してなる化学的脱窒手段7とからなる図2に示した
ようなフローの本発明装置を用いて、実施例1で用いた
のと同じ組成の模擬原水の処理実験を行った。
【0041】なお、図2中19は水素ガス溶解タンク1
6内に設置された攪拌機、20は当該タンク16の上部
に接続されたガス排出ラインを示しており、また図1と
同一の符号は同一の箇所を示しているので詳しい説明を
省略する。
【0042】実験に用いた水素ガス溶解タンク16の容
量は400mL、反応槽4の容量は1L、セラミックボ
ールの平均径は2〜3mmであり、また化学的脱窒手段
7に用いたカラム9の容量およびパラジウム触媒10の
種類、充填量は実施例1の場合と同じである。また、処
理に際しては上述した模擬原水を原水供給ライン2を介
して水素溶解タンク16内に流入させるとともに水素ガ
ス供給ライン6を介して溶解タンク16の下部に水素ガ
スの供給を行い、更に循環ライン18を介して溶解タン
ク16と反応槽4との間で原水量の5倍量の内部循環を
行った。
【0043】生物学的脱窒手段1における水素酸化細菌
の馴養を十分に行った後、生物学的脱窒素手段1の窒素
負荷を0.3kgN/m3 ・日(一定)として処理実験
を行った。その結果、約一ヶ月後に生物学的脱窒手段1
の処理性能が安定し、この時生物学的脱窒手段1におけ
る硝酸態窒素の除去率は平均95%以上であり、また生
物処理水中には亜硝酸態窒素が検出されなかった。
【0044】その後、生物学的脱窒手段1における窒素
負荷を0.2kgN/m3 ・日と0.35kgN/m3
・日との二条件で12時間間隔で交互に変動させながら
一週間運転したところ(不安定運転)、当該不安定運転
を開始して3日目以降には、生物学的脱窒手段1の処理
水中に0.05〜0.11mgN/Lの亜硝酸態窒素が
検出されるようになった。しかし、この状態においても
カラム9の出口水である化学的脱窒素手段7の最終処理
水中には亜硝酸態窒素が全く検出されず、当該カラム9
内にて、パラジウム触媒の作用によって亜硝酸態窒素が
完全に分解されていることが確認された。また、上記不
安定運転時においても生物学的脱窒手段1における硝酸
態窒素の除去率は95%以上であった。
【0045】
【効果】本発明によれば、原水中に含有されている硝酸
態窒素および/または亜硝酸態窒素のごとき酸化態窒素
を、前段に配置した水素酸化細菌を用いた生物学的脱窒
手段によって効率良く除去することができるとともに、
たとえ当該生物学的脱窒手段から流出する処理水中に飲
用に際して支障となる亜硝酸態窒素が含有されていたと
しても、これを下流に配置した化学的脱窒手段によって
完全に分解,除去することができる。したがって、生物
学的脱窒手段の処理状況にあまり左右されることなく、
常に亜硝酸態窒素の検出されない飲用に適した水を得る
ことができる。なお、本発明において生物学的脱窒手段
の下流に配置する化学的脱窒手段の装置規模としては、
前述の実施例で生物学的脱窒手段における反応槽4の容
量が1Lであるのに対して化学的脱窒手段におけるカラ
ム9の容量は前記反応槽4のそれの1/50の20mL
で充分であることからわかるように、生物学的脱窒手段
に比べて極めて小規模なものでよく、したがって生物学
的脱窒手段に更に化学的脱窒手段を付加するといって
も、装置全体の規模は生物学的脱窒手段単独の場合に比
べてそれ程大きくならないという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様の一例を示すフローの説明図
である。
【図2】本発明の他の実施態様を示すもので、実施例2
で用いた装置のフローの説明図である。
【符号の説明】
1…生物学的脱窒手段 2…原水供給
ライン 3…生物処理水ライン 4…反応槽 5…ガス膜モジュール 6…水素ガス
供給ライン 7…化学的脱窒手段 8…最終処理
水ライン 9…カラム 10…パラジウ
ム触媒 11…栄養源添加ライン 12…水素ガ
スライン止め 13…循環ライン 14,15…
ガス排出ライン 16…水素ガス溶解タンク 17…セラミ
ックボール担体 18…循環ライン 19…攪拌機 20…ガス排出ライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C02F 3/10 C02F 3/10 A Z C12M 1/00 C12M 1/00 Z (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C02F 3/34 101 B01J 23/44 C02F 1/58 CDK C02F 1/70 CDK C02F 3/06 C02F 3/10 C12M 1/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水素ガスを水素供与体に用いて水中の硝酸
    態窒素および/または亜硝酸態窒素を水素酸化細菌によ
    り生物学的に除去する生物学的脱窒手段と、水中の亜硝
    酸態窒素を水素ガスの存在下に水素添加触媒を用いて化
    学的に除去する化学的脱窒手段とを備え、前記生物学的
    脱窒手段の下流に前記化学的脱窒手段を配置接続したこ
    とを特徴とする窒素除去装置。
  2. 【請求項2】生物学的脱窒手段が、水素供与体である水
    素ガスと硝酸態窒素および/または亜硝酸態窒素を含有
    する原水とをガス膜を透して接触させ、当該ガス膜の原
    水側表面に水素酸化細菌からなる微生物を付着、増殖せ
    しめることにより原水側で微生物反応を行うように構成
    したものである請求項1記載の窒素除去装置。
  3. 【請求項3】ガス膜として中空糸状ガス膜を用い、中空
    糸の内部を水素ガス側に、中空糸の外部を原水側に区分
    した請求項2記載の窒素除去装置。
  4. 【請求項4】化学的脱窒手段に用いる水素添加触媒が、
    パラジウム触媒である請求項1〜3のいずれかに記載の
    窒素除去装置。
JP3149167A 1991-05-27 1991-05-27 窒素除去装置 Expired - Fee Related JP2845642B2 (ja)

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