JP2845043B2 - 光ファイバ導入部の気密封止構造 - Google Patents
光ファイバ導入部の気密封止構造Info
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- JP2845043B2 JP2845043B2 JP22237392A JP22237392A JP2845043B2 JP 2845043 B2 JP2845043 B2 JP 2845043B2 JP 22237392 A JP22237392 A JP 22237392A JP 22237392 A JP22237392 A JP 22237392A JP 2845043 B2 JP2845043 B2 JP 2845043B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光デバイスに使用する
光ファイバ導入部の気密構造に関する。
光ファイバ導入部の気密構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光半導体素子やレンズ・プリズム
などの光学部品をパッケージに内蔵した光デバイスにお
いて、十分な信頼性を確保するために気密封止が必要で
ある。気密方法として、パッケージ単体では10-8at
m・cc/sec程度の気密度が確保できるシーム溶接
工法が一般的である。しかし、この光デバイスの光ファ
イバ導入部だけは、光ファイバを保護している樹脂の材
質から、シーム溶接のように高い気密度が確保できず、
接着材などの樹脂により光ファイバを固定することで気
密封止する方法が用いられていた。このような樹脂によ
る気密封止方法では10-4〜10-6atm・cc/se
c程度の気密度しか得られず、光半導体素子の信頼性確
保には不十分であった。
などの光学部品をパッケージに内蔵した光デバイスにお
いて、十分な信頼性を確保するために気密封止が必要で
ある。気密方法として、パッケージ単体では10-8at
m・cc/sec程度の気密度が確保できるシーム溶接
工法が一般的である。しかし、この光デバイスの光ファ
イバ導入部だけは、光ファイバを保護している樹脂の材
質から、シーム溶接のように高い気密度が確保できず、
接着材などの樹脂により光ファイバを固定することで気
密封止する方法が用いられていた。このような樹脂によ
る気密封止方法では10-4〜10-6atm・cc/se
c程度の気密度しか得られず、光半導体素子の信頼性確
保には不十分であった。
【0003】光ファイバ導入部の高気密度を達成する従
来例としては、光ファイバに金属を直接蒸着し、回りの
パイプ、パッケージに半田で固定する工法がある。この
工法は、シーム溶接と同等の気密度が確保できるが、光
ファイバへの金属の蒸着が不可欠となるためコストが高
く、工程が複雑になるなどの問題点がある。
来例としては、光ファイバに金属を直接蒸着し、回りの
パイプ、パッケージに半田で固定する工法がある。この
工法は、シーム溶接と同等の気密度が確保できるが、光
ファイバへの金属の蒸着が不可欠となるためコストが高
く、工程が複雑になるなどの問題点がある。
【0004】また最近では、光ファイバを金属パイプに
直接低融点ガラスを溶融して固定する方法が採用されて
いる。図2はこの種の低融点ガラスを用いた気密封止部
の構造を示す。
直接低融点ガラスを溶融して固定する方法が採用されて
いる。図2はこの種の低融点ガラスを用いた気密封止部
の構造を示す。
【0005】この方法では、まず光ファイバ21にコー
ティングしてある被覆の紫外線硬化性樹脂22を一部剥
き、光ファイバ21を露出させる。そして低融点ガラス
23を例えばパイプ状のタブレットに形成しておき、タ
ブレットの貫通穴に剥きだした光ファイバ21を通した
状態で金属パイプ24に挿入する。金属パイプ24の先
端には光ファイバ21が一方向に片寄るのを防ぐための
位置決め用のセラミックパイプ25が圧入してある。金
属パイプ24の外側から加熱し、金属パイプ24内部の
低融点ガラス23に一定以上の熱を加えることにより低
融点ガラス23を溶融する。
ティングしてある被覆の紫外線硬化性樹脂22を一部剥
き、光ファイバ21を露出させる。そして低融点ガラス
23を例えばパイプ状のタブレットに形成しておき、タ
ブレットの貫通穴に剥きだした光ファイバ21を通した
状態で金属パイプ24に挿入する。金属パイプ24の先
端には光ファイバ21が一方向に片寄るのを防ぐための
位置決め用のセラミックパイプ25が圧入してある。金
属パイプ24の外側から加熱し、金属パイプ24内部の
低融点ガラス23に一定以上の熱を加えることにより低
融点ガラス23を溶融する。
【0006】光ファイバ21、低融点ガラス23、金属
パイプ24の順に熱膨張係数が小さいため、加熱状態か
ら冷却されると外側から順に圧縮されることになる。熱
膨張係数は、例えば金属パイプ24にSUS304を使
用した場合、光ファイバ21、低融点ガラス23、金属
パイプ24の順に5×10-7、60×10-7、180×
10-7となる。この熱膨張係数の差により光ファイバに
対して強い圧縮力が発生し、光ファイバ21、低融点ガ
ラス23、金属パイプ24は完全に密着した状態で固定
される。
パイプ24の順に熱膨張係数が小さいため、加熱状態か
ら冷却されると外側から順に圧縮されることになる。熱
膨張係数は、例えば金属パイプ24にSUS304を使
用した場合、光ファイバ21、低融点ガラス23、金属
パイプ24の順に5×10-7、60×10-7、180×
10-7となる。この熱膨張係数の差により光ファイバに
対して強い圧縮力が発生し、光ファイバ21、低融点ガ
ラス23、金属パイプ24は完全に密着した状態で固定
される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この従来の構造では、
光ファイバ21、低融点ガラス23、金属パイプ24の
熱膨張係数に大きな差があるため、低融点ガラス23が
溶融して固定する際、光ファイバ21に相当なストレス
が加わった状態で固定される。光ファイバ1の中で特に
偏波特性を保存したまま伝送する偏波保存ファイバの場
合、低融点ガラス23固定時の光ファイバ21へのスト
レスにより、偏波保持特性が劣化し十分な消光比が確保
できないという問題がある。
光ファイバ21、低融点ガラス23、金属パイプ24の
熱膨張係数に大きな差があるため、低融点ガラス23が
溶融して固定する際、光ファイバ21に相当なストレス
が加わった状態で固定される。光ファイバ1の中で特に
偏波特性を保存したまま伝送する偏波保存ファイバの場
合、低融点ガラス23固定時の光ファイバ21へのスト
レスにより、偏波保持特性が劣化し十分な消光比が確保
できないという問題がある。
【0008】また従来の構造では、金属パイプ24の片
端のみに位置決め用のセラミックパイプ25を圧入し、
もう片端はフリーな構造である。そのため、光ファイバ
21の金属パイプ24出口の取り出し位置が中心からは
ずれ、一層光ファイバ1へ不均等なストレスが加わり、
消光比劣化を生じさせるという問題点がある。
端のみに位置決め用のセラミックパイプ25を圧入し、
もう片端はフリーな構造である。そのため、光ファイバ
21の金属パイプ24出口の取り出し位置が中心からは
ずれ、一層光ファイバ1へ不均等なストレスが加わり、
消光比劣化を生じさせるという問題点がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の光ファイバ導入
部の気密封止構造は、中央部分の被覆を除去し芯線部を
露出した光ファイバと、この光ファイバの前記芯線部が
略中央にくるように内空に貫通させかつ前記芯線の略中
心に対応する位置に穴を設けた金属パイプと、前記光フ
ァイバと前記金属パイプとの間に前記金属パイプの両端
側から相対するように挿入され前記金属パイプに対する
前記光ファイバの位置決めを行うための1対のガラスパ
イプと、前記光ファイバの芯線部と前記金属パイプとの
間に前記金属パイプの穴により充填された低融点ガラス
とから構成されている。
部の気密封止構造は、中央部分の被覆を除去し芯線部を
露出した光ファイバと、この光ファイバの前記芯線部が
略中央にくるように内空に貫通させかつ前記芯線の略中
心に対応する位置に穴を設けた金属パイプと、前記光フ
ァイバと前記金属パイプとの間に前記金属パイプの両端
側から相対するように挿入され前記金属パイプに対する
前記光ファイバの位置決めを行うための1対のガラスパ
イプと、前記光ファイバの芯線部と前記金属パイプとの
間に前記金属パイプの穴により充填された低融点ガラス
とから構成されている。
【0010】
【実施例】次に本発明の一実施例について図面を参照し
て説明する。図1は本実施例の光ファイバ導入部の構造
を示し(a)は組立工程における断面図,(b)は完成
後の断面図である。
て説明する。図1は本実施例の光ファイバ導入部の構造
を示し(a)は組立工程における断面図,(b)は完成
後の断面図である。
【0011】図1(a)においてまず、紫外線硬化性樹
脂2で保護された光ファイバ1の一部分の紫外線硬化性
樹脂2を剥き、光ファイバ1を露出させる。この光ファ
イバ1に、金属パイプ4と位置決めを兼ねたガラスパイ
プ6とを通す。そして金属パイプ4の側面に設けられた
小径穴より低融点ガラス粉末31を金属パイプ4の両端
に挿入されたガラスパイプ6端面間に注入し、高周波加
熱機7で金属パイプ4を局部的に加熱する。
脂2で保護された光ファイバ1の一部分の紫外線硬化性
樹脂2を剥き、光ファイバ1を露出させる。この光ファ
イバ1に、金属パイプ4と位置決めを兼ねたガラスパイ
プ6とを通す。そして金属パイプ4の側面に設けられた
小径穴より低融点ガラス粉末31を金属パイプ4の両端
に挿入されたガラスパイプ6端面間に注入し、高周波加
熱機7で金属パイプ4を局部的に加熱する。
【0012】この熱で金属パイプ4内部の低融点ガラス
3が加熱・溶融することで光ファイバ1が金属パイプ4
に固定され、気密封止される。この溶融時に少なくとも
いずれか一方のガラスパイプ6を移動させ、ガラスパイ
プ6どうしを近接させる。この時、金属パイプ4の小径
穴から気密封止するに最低必要な低融点ガラス3以外は
流出させる。このようにして図1(b)に示す構造の気
密封止構造が完成する。
3が加熱・溶融することで光ファイバ1が金属パイプ4
に固定され、気密封止される。この溶融時に少なくとも
いずれか一方のガラスパイプ6を移動させ、ガラスパイ
プ6どうしを近接させる。この時、金属パイプ4の小径
穴から気密封止するに最低必要な低融点ガラス3以外は
流出させる。このようにして図1(b)に示す構造の気
密封止構造が完成する。
【0013】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、低融点ガ
ラス溶融による金属パイプと光ファイバの固定におい
て、光ファイバと低融点ガラスの接触面積を減らすこと
で熱膨張係数の差により光ファイバへ印加されるストレ
スを低減でき、また光ファイバの位置決め用ガラスパイ
プを近接させることにより低融点ガラス固定により光フ
ァイバに加わる外力から保護できる。このため気密封止
構造によって生ずる光ファイバの特性劣化を防止する効
果がある。
ラス溶融による金属パイプと光ファイバの固定におい
て、光ファイバと低融点ガラスの接触面積を減らすこと
で熱膨張係数の差により光ファイバへ印加されるストレ
スを低減でき、また光ファイバの位置決め用ガラスパイ
プを近接させることにより低融点ガラス固定により光フ
ァイバに加わる外力から保護できる。このため気密封止
構造によって生ずる光ファイバの特性劣化を防止する効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による気密封止構造の(a)
組立工程における断面図,(b)完成後の断面図であ
る。
組立工程における断面図,(b)完成後の断面図であ
る。
【図2】従来の気密封止構造の断面図である。
1 光ファイバ 2 保護被覆(紫外線硬化性樹脂) 3 低融点ガラス 31 低融点ガラス粉末 4 金属パイプ 5 セラミックパイプ 6 ガラスパイプ 7 高周波加熱機
Claims (3)
- 【請求項1】 中央部分の被覆を除去し芯線部を露出し
た光ファイバと、この光ファイバの前記芯線部が略中央
にくるように内空に貫通させかつ前記芯線の略中心に対
応する位置に穴を設けた金属パイプと、前記光ファイバ
と前記金属パイプとの間に前記金属パイプの両端側から
相対するように挿入され前記金属パイプに対する前記光
ファイバの位置決めを行うための1対のガラスパイプ
と、前記光ファイバの芯線部と前記金属パイプとの間に
前記金属パイプの穴により充填された低融点ガラスとか
ら構成されることを特徴とする光ファイバ導入部の気密
封止構造。 - 【請求項2】 前記ガラスパイプは前記低融点ガラスよ
り高い融点を持つことを特徴とする請求項1記載の光フ
ァイバ導入部の気密封止構造。 - 【請求項3】 前記低融点ガラスは粉末状の低融点ガラ
スを前記金属パイプの穴より前記光ファイバの前記芯線
部と金属パイプとの間に形成されたすき間に注入し前記
金属パイプを局部的に加熱することにより粉末状の前記
低融点ガラスを溶融し充填することを特徴とする請求項
1および2記載の光ファイバ導入部の気密封止構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22237392A JP2845043B2 (ja) | 1992-08-21 | 1992-08-21 | 光ファイバ導入部の気密封止構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22237392A JP2845043B2 (ja) | 1992-08-21 | 1992-08-21 | 光ファイバ導入部の気密封止構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0667038A JPH0667038A (ja) | 1994-03-11 |
JP2845043B2 true JP2845043B2 (ja) | 1999-01-13 |
Family
ID=16781341
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22237392A Expired - Lifetime JP2845043B2 (ja) | 1992-08-21 | 1992-08-21 | 光ファイバ導入部の気密封止構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2845043B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004226934A (ja) * | 2003-01-27 | 2004-08-12 | Kyocera Corp | 光半導体素子収納用パッケージ |
JP4162011B2 (ja) | 2006-03-29 | 2008-10-08 | ソニー株式会社 | 偏波保持型光ファイバ用気密封止装置 |
EP3258299A4 (en) | 2015-02-13 | 2018-08-15 | Furukawa Electric Co. Ltd. | Optical-fiber affixing structure |
-
1992
- 1992-08-21 JP JP22237392A patent/JP2845043B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0667038A (ja) | 1994-03-11 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19980929 |