JP2843902B2 - 車両用慣性航法装置 - Google Patents

車両用慣性航法装置

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JP2843902B2
JP2843902B2 JP7092396A JP7092396A JP2843902B2 JP 2843902 B2 JP2843902 B2 JP 2843902B2 JP 7092396 A JP7092396 A JP 7092396A JP 7092396 A JP7092396 A JP 7092396A JP 2843902 B2 JP2843902 B2 JP 2843902B2
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純一 伊藤
浩光 堀川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両に搭載されその車
両の現在の標高及び位置を検出する車両用慣性航法装置
に係り、特に車輪のスリップの影響を補正して検出確度
を向上させた車両用慣性航法装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用慣性航法装置としては車輪
の回転速度を検出するオドメータを併用するものが一般
的であり、従来この種の装置を図6を参照して説明す
る。車輪に取り付けられたオドメータ1より車輪の回転
速度n(rpm)が慣性航法装置(以下INSと言う)演
算部10の走行速度計算部3に入力され、走行速度計算
部3では入力された回転速度n及びタイヤの周長Lt(k
m)より車両の走行速度V V=n×Lt×60=n×ξ (km/Hr) (1) が求められ分速度計算部4に入力される。上式の ξ=Lt×60 (2) はオドメータのスケールファクタと呼ばれる。
【0003】ジャイロ部2でピッチ軸回りの回転角速度
ωθ及び方位軸回りの回転角速度ωψが検出され、それ
ぞれINS演算部10のピッチ角計算部5及び方位角計
算部6に入力される。ピッチ角計算部5は入力されたピ
ッチ軸回りの回転角速度ωθを積分して、ピッチ角θ θ=∫ωθdt+θ0 (ラジアン) (3) を算出して分速度計算部4に入力する。上式のθ0はピ
ッチ角の初期値、つまり出発点におけるピッチ角であ
る。一方、方位角計算部6は入力された方位軸回りの回
転角速度ωψを積分して、方位角ψ ψ=∫ωψdt+ψ0 (4) を算出して分速度計算部4に入力する。上式のψ0は方
位角の初期値、つまり出発点における方位角である。
【0004】分速度計算部4では、ピッチ角計算部5よ
り入力される車両のピッチ角θ(ラジアン)を用いて、
図7に示すように走行速度Vより水平速度VH及び鉛直
速度VVを算出する。即ち、 VH=V cos θ (5) VV=V sin θ (6)
【0005】分速度計算部4は方位角計算部6より入力
される車両の方位角ψを用いて図8に示すように水平速
度VHより東方向水平速度VHE、北方向水平速度VHN
それぞれ算出する。即ち、 VHE=VH sin ψ (7) VHN=VH cos ψ (8) これらの算出された鉛直速度VV、東方向水平速度
HE、北方向水平速度VHNは分速度計算部4より標高、
位置計算部7に入力され、車両の出発点に対する走行距
離L、標高LV、東方向(水平)位置LHE、北方向(水
平)位置LHNが次式より計算され、外部に出力される。 L=∫Vdt (9) LHE=∫VHEdt (10) LHN=∫VHNdt (11) LV=∫VVdt (12)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車両が坂道
を上る(下る)ときには車輪のスリップにより単位時間
当たりの走行距離、つまり走行速度が実際には(1)式
で求めた速度Vより小さく(大きく)なる。つまり
(1),(2)式のスケールファクタξがLt(車輪の周
長)×60より小さく(大きく)なると考えられる。も
しスケールファクタξがα%だけLt×60より小さく
(大きく)なったとすれば、(5)乃至(8)式より求
めるVH,VV,VHE,VHNの各分速度、更にはこれらの
分速度を(9)乃至(12)式により積分して求める走
行距離L、東方向位置LHE、北方向位置LHN及び標高L
Vも同様にα%だけ減少(増加)することになる。この
ように従来航法装置では坂道走行時の車輪のスリップに
起因する走行速度Vの誤差(スケールファクタ誤差)に
より走行距離L、位置LHE,LHN及び標高LVの測定値
に誤差を生ずる不都合があった。
【0007】また、車輪は走行速度Vに応じてスリップ
するため単位時間当たりの走行距離、つまり走行速度が
実際には(1)式で求めた速度Vより小さくなる。つまり
(1),(2)式のスケールファクタξがLt(タイヤの周長)
×60より小さくなると考えられる。もしスケールファ
クタξがα%だけLt×60より小さくなったとすれ
ば、(5)乃至(8)式より求めるVH,VV,VHE,VHNの各
分速度、更にはこれらの分速度を(9)乃至(12)式により
積分して求める走行距離L、東方向位置LHE、北方向位
置LHN及び標高LVも同様にα%だけ減少することにな
る。このように従来の装置では走行速度と共に増加する
車輪のスリップに起因する走行速度Vの誤差(スケール
ファクタ誤差)により走行距離L、位置LHE,LHN及び
標高LVの測定値に誤差を生ずる不都合があった。
【0008】本発明は、上記従来の不都合を解決して、
車輪のスリップに起因する測定誤差を軽減することが可
能な車両用慣性航法装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願の第1発明の車両用慣性航法装置は、オドメー
タと、ジャイロ部と、慣性航法装置演算部とにより構成
される。その慣性航法装置演算部は、走行速度計算部
と、走行速度補正部と、ピッチ角計算部と、方位角計算
部と、分速度計算部と、標高、位置計算部とを具備す
る。
【0010】前記オドメータは、車両の回転速度nを検
出して前記走行速度計算部に入力する。前記走行速度計
算部は、入力された車輪の回転速度nにスケールファク
タを乗算して走行速度Vを計算し、前記走行速度補正部
に入力する。前記走行速度補正部は、入力された前記走
行速度Vに対して、車輪のスリップに起因する走行速度
誤差を補正し、その補正した走行速度V′を前記分速度
計算部及び標高、位置計算部にそれぞれ入力する。
【0011】前記ジャイロ部は、車両のピッチ軸回りの
回転角速度ωθを検出して前記ピッチ角計算部に入力す
ると共に車両の方位軸回りの回転角速度ωψを検出して
前記方位角計算部に入力する。前記ピッチ角計算部は、
入力された車両のピッチ軸回りの回転角速度ωθを積分
して車両のピッチ角θを計算して前記分速度計算部及び
走行速度補正部に入力する。前記方位角計算部は、入力
された車両の方位軸回りの回転角速度ωψを積分して車
両の方位角ψを計算して前記分速度計算部に入力する。
【0012】前記分速度計算部は、入力された前記ピッ
チ角θ及び補正した走行速度V′と方位角ψより車両の
東方向水平速度VHE、北方向水平速度VHN及び鉛直速度
Vを計算して前記標高、位置計算部に入力する。前記
標高、位置計算部は、入力された前記走行速度V′、東
方向速度VHE、北方向水平速度VHN及び鉛直速度VV
り車両の出発点に対する標高LV、東方向位置LHE、北
方向位置LHN及び走行距離Lの少なくともいずれかを計
算して外部へ出力する。
【0013】本願の第2発明の車両用慣性航法装置は、
オドメータと、ジャイロ部と、慣性航法装置演算部とに
より構成される。その慣性航法装置演算部は、走行速度
計算部と、走行速度補正部と、ピッチ角計算部と、ピッ
チ角補正部と、方位角計算部と、分速度計算部と、標
高、位置計算部とを具備する。
【0014】前記オドメータは、車輪の回転速度nを検
出して前記走行速度計算部に入力する。前記走行速度計
算部は、入力された車輪の回転速度nにスケールファク
タを乗算して走行速度Vを計算し、前記走行速度補正部
に入力する。前記走行速度補正部は、入力された前記走
行速度Vに対して、車輪のスリップに起因する走行速度
誤差を補正し、その補正した走行速度V′を前記ピッチ
角補正部、分速度計算部及び標高、位置計算部にそれぞ
れ入力する。
【0015】前記ジャイロ部は、車両のピッチ軸回りの
回転角速度ωθを検出して前記ピッチ角計算部に入力す
ると共に車両の方位軸回りの回転角速度ωψを検出して
前記方位角計算部に入力する。前記ピッチ角計算部は入
力された車両のピッチ軸回りの回転角速度ωθを積分し
て車両のピッチ角θを計算して前記ピッチ角補正部に入
力する。また前記方位角計算部は入力された車両の方位
軸回りの回転角速度ωψを積分して車両の方位角ψを計
算して前記分速度計算部に入力する。
【0016】前記ピッチ角補正部は、入力された車両の
ピッチ角θに対して車両のサスペンション機構に起因す
るピッチ角誤差を補正し、その補正したピッチ角θ′を
前記分速度計算部に入力する。前記分速度計算部は、入
力された前記補正したピッチ角θ′及び走行速度V′と
方位角ψより車両の東方向水平速度VHE、北方向水平速
度VHN及び鉛直速度VVを計算して前記標高、位置計算
部に入力する。
【0017】前記標高、位置計算部は、入力された前記
走行速度V′、東方向水平速度VHE、北方向水平速度V
HN及び鉛直速度VVより車両の出発点に対する標高LV
東方向位置LHE、北方向位置LHN及び走行距離Lの少な
くともいずれかを計算して外部へ出力する。
【0018】
【実施例】以下、本発明に係る車両用慣性航法装置の実
施例を図面に従って説明する。
【0019】図1は本発明の第1実施例であって、坂道
走行時の車輪のスリップの影響を除去する構成を示す
る。但し、従来の図6と対応する部分に同じ符号を付
し、重複説明を省略する。この第1実施例では走行速度
計算部3の出力側に走行速度補正部11が設けられ、斜
面を走行時の車輪のスリップに起因する走行速度誤差
(スケールファクタ誤差)が補正される。補正に必要な
データは前以て試験走行することにより求められ、走行
速度補正部11のメモリに格納される。
【0020】斜面走行時の車輪のスリップに起因する走
行距離Lの誤差δLは斜面の傾斜角、つまりピッチ角θ
にほぼ比例することが実験的に検証された。従って、ピ
ッチ角θをもつ斜面を1000m走行した時の走行距離
Lの誤差δLを δL=kθ (m) (13) と置くことができる。ピッチ角θは図2(A)に示すよ
うに、斜面Sが上り勾配であればθ>0、図2(B)に
示すように下り勾配であればθ<0とする。kは比例定
数であり、後述する試験走行によって容易に求められ、
あらかじめ走行速度補正部11のメモリに記憶される。
この誤差δLを除くためにはオドメータ1のスケールフ
ァクタξを
【0021】 ξ′=Lt(1−δL/1000)×60 =Lt(1−kθ/1000)×60 (14) に修正すればよい。従って走行速度Vは走行速度補正部
11で V′=nξ′=nLt(1−δL/1000)×60 (15) =V(1−kθ/1000) (16) に修正される。
【0022】次に試験走行によって(13)式の比例定
数kを求める一例を述べる。なお試験走行時には走行速
度補正部11の動作は行われず、入力Vがそのまま出力
される。
【0023】いま、ピッチ角θ1,θ2,‥‥‥,θP
斜面をそれぞれ1000m走行した時の走行距離の誤差
をδL1,δL2,‥‥‥,δLPとし、それぞれの場合
により比例定数を求めれば、 ki=δLi/θi(i=1,2,‥‥p) (17) (13)式の比例定数kとしてはこれらの平均をとっ
て、 k=(k1+k2+‥‥‥+kp)/p(m/度) (18) とする。次に数値例をあげよう、1000mの斜面の試
験走行によって θ1=10°,δL1=11m; θ2=20°,δL2=18m; θ3=−10°,δL3=−9m; θ4=−20°,δL4=−22m (19) のデータが得られるとすれば、比例定数kiは ki=1.1,k2=0.9 k3=0.9,k4=1.1 (20) と求められ、これらの平均をとって、 k=(1.1+0.9+0.9+1.1)/4=1.0〔m/度〕 (21) となる。(21)式を(14),(16)式に代入すれ
ば修正されたスケールファクタξ′及び走行速度V′は ξ′=Lt(1−1.0×θ/1000)×60 (22) V′=V(1−1.0×θ/1000) (23) と求められる。
【0024】航法装置より出力される走行距離Lのデー
タは試験走行によって走行速度Vを補正するに必要な上
記比例定数kを求めるのに必要であるが、常時出力する
必要がなければ、その計算を省略すればよい。
【0025】分速度計算部4及び標高、位置計算部7の
動作は従来例と同様であるので説明を省略する。
【0026】この第1実施例の構成によれば、従来のI
NS演算部10の走行速度計算部3に続いて走行速度補
正部11が設けられ、斜面のピッチ角θと走行距離誤差
δLとの間の関係よりあらかじめ求めた比例てkを用い
て、斜面走行時の車輪のスリップに起因する速度誤差が
補正される。従ってこの第1実施例によれば、この補正
された走行速度V′を用いることにより、斜面における
車輪のスリップに起因する誤差を軽減して、従来より正
確な標高、位置等の計測値が得られる。
【0027】図3は本発明の第2実施例であって、車両
のサスペンション機構の影響及び走行速度と共に増加す
る車輪のスリップの影響を補正して検出確度を向上させ
た構成を示す。但し、従来の図6と対応する部分に同じ
符号を付し、重複説明を省略する。
【0028】まず、車両のサスペンション機構の影響に
ついて説明する。車両はサスペンション機構によって走
行速度Vに応じて車体が上向きにδθだけ傾斜するた
め、ピッチ角計算部5では地表のピッチ角θ′よりδθ
だけ僅かに大きなピッチ角θ θ=θ′+δθ (24) が算出される。このため分速度計部4で計算される水平
速度VH及び鉛直速度VVはδθが小さいとしてテイラー
展開して第一次近似すれば、 VH=V cosθ=V cos(θ′+δθ) ≒V(cosθ′−δθsinθ′) =V cosθ′(1−δθtanθ′) (25) VV=V sinθ=V sin(θ′+δθ) ≒V(sinθ′+δθcosθ′) =V sinθ′(1+δθcotθ′) (26)
【0029】車両の登坂能力は航空機と異なり小さいも
のであるから、ピッチ角θ′はもともと比較的小さい値
であり、例えばθ′=10゜とすれば、tanθ′=0.1
76、cotθ′=5.57であるように、tanθ′<1、
cotθ′>1であり、またδθも極めて小さい値で、例
えばδθ≒0.017ラジアン(=1゜)とすれば、δ
θtanθ′≒0.003、δθcotθ′≒0.095≒0.
1となることからも分かるようにδθtanθ′≪1とな
るので、この項を省略でき、よって(25)式より VH=V cosθ≒V cosθ′ (27) となり、サスペンション機構に起因するピッチ角変動が
水平速度VHに与える影響は無視できる。しかし、(26)
式のδθcosθ′は1に対して10%程度となるので無
視することができない。このようにサスペンション機構
によるピッチ角θの増加のため鉛直速度VV、従って標
高LVに比較的大きな誤差が発生することが判る。
【0030】本実施例では、ピッチ角計算部5の出力側
にピッチ角補正部12が設けられ、車両のサスペンショ
ン機構に起因するピッチ角誤差を補正するようにしてい
る。補正に必要なデータは三角測量などで地形が測定さ
れている2地点間を前もって試験走行することにより求
められ、前記補正部12のメモリに格納される。
【0031】また、本実施例では走行速度計算部3の出
力側に走行速度補正部11が設けられ、走行速度と共に
増加する車輪のスリップに起因する走行速度誤差(スケ
ールファクタ誤差)が補正される。この場合も補正に必
要なデータは三角測量などで地形が測定されている2地
点間を前もって試験走行することにより求められ、前記
補正部11のメモリに格納される。
【0032】(a) 走行速度と共に増加する車輪のスリッ
プに起因する走行速度誤差の補正車両のスリップは走行
速度と共に直線的に増加することが実験的に検証されて
いる。従ってこのスリップに起因する走行距離誤差δL
も走行速度と共に直線的に増加する。
【0033】いま、1000m離れた平坦な2地点間を
速度Vで走行したとき、航法装置の出力データがL=1
000(m)よりδLだけ増加したとすれば、この誤差
δLとa,bを定数として、 δL=aV+b(m) (28) と表せる。この誤差δLを除くためにはオドメータ1の
スケールファクタξを ξ′=Lt(1−δL/1000)×60 (29) に修正すればよい。従って走行速度Vは走行速度補正部
11で V′=nξ′=nLt(1−δL/1000)×60 =V{1−(aV+b)/1000} (30) に修正される。(30)式の定数a,bは第1試験走行によ
って容易に求められ、あらかじめ走行速度補正部11の
メモリに記憶させておく。
【0034】次に第1試験走行によって走行速度Vの補
正に必要な定数a,bを求める一例を述べる。第1試験
走行時には、走行速度補正部11、ピッチ角補正部12
の動作は行われず入力信号Vあるいはθがそのまま通過
するのみとされる。従って航法装置は図6の従来例と同
じ動作となる。
【0035】平坦地を速度V1,V2で1000m走行し
た時の走行距離データがそれぞれL1=1000+δL1
(m)、L2=1000+δL2(m)であったとすれ
ば、δL1,δL2はそれぞれ δL1=aV1+b (31) δL2=aV2+b (32) と置ける。この(31),(32)式より a=(δL1−δL2)/(V1−V2) (33) b=(V1δL2−V2δL1)/(V1−V2) (34) が求められる。次に数値例をあげ説明しよう。図4に示
すように平坦地をそれぞれ1000m試走して V1=40km/Hr、δL1=−4m、 V2=80km/Hr、δL2=+12m (35) であったとすれば、(22),(23)式より a=0.4[m/(km/Hr)]、b=−20[m] (36) が求まり、(28),(30)式に代入すれば、誤差δL及び走
行速度V′はそれぞれ δL=0.4V−20 (37) V′=V(1−4×10-4V−0.02) (38) となる。
【0036】(b) サスペンション機構に起因するピッチ
角誤差の補正 サスペンション機構によって車両の走行速度に比例して
車体のピッチ角が地表のピッチ角よりδθだけ増加する
ことが発明者等により実験的に検証された。これは走行
速度に比例して車体に対する風圧が発生し、この風圧に
比例してサスペンションばねが変形してピッチ角δθが
発生するものと考えられる。このピッチ角誤差δθのた
め標高LVの計算値に誤差δLVを生じる。この誤差δL
Vも走行速度にほぼ比例して増加する。従って1000
m走行時の標高誤差δLvは δLv=cV′+d(m) (39) と置くことができる。速度V′は(30)式により補正した
ものである。(39)式のc,dは定数である。
【0037】この標高誤差δLvと対応するピッチ角誤
差δθは δθ=tan-1(δLV/1000)≒δLV/1000 (40) 上式に(39)式を代入すれば、 δθ≒(cV′+d)/1000 (41) となる。ピッチ角計算部5の出力するピッチ角θはピッ
チ角補正部12でこのピッチ角誤差δθを減算して、よ
り正確なピッチ角 θ′=θ−δθ=θ−(cV′+d)/1000 (42) に修正される。(42)式の定数c,dは第2試験走行によ
って容易に求められ、あらかじめピッチ角補正部12の
メモリに記憶させておく。
【0038】次に第2試験走行によってピッチ角θの補
正に必要な定数c,dを求める一例を述べる。第2試験
走行では走行速度補正部11は正常に動作させるが、ピ
ッチ角補正部12の補正動作は勿論行われず、入力デー
タθがそのまま出力される。速度V1,V2で1000m
試験走行した時の標高誤差をそれぞれδLV1,δLV2
すれば、 δLV1=cV1+d (43) δLV2=cV2+d (44) とおける。(43),(44)式より c=(δLV1−δLV2)/(V1−V2) (45) d=(V1δLV2−V2δLV1)/(V1−V2) (46) が求められる。次に数値例をあげて説明しよう。図5に
示すようにそれぞれ1000m走行して V1=40km/Hr、δLv1=−2m、 V2=80km/Hr、δLv2=+6m (47) であったとすれば、(45),(46)式より c=0.2〔m/(km/Hr)〕、d=−10〔m〕 (48) が求まり、このc,dを(39),(41)式に代入すれば、 δLV=0.2V′−10 (m) (49) δθ≒2×10-4V′−0.01(ラジアン) (50) となる。{(b)項終り。}
【0039】車両用慣性航法装置より出力される走行距
離Lのデータは試験走行によって走行速度Vを補正する
に必要な上記a,bのデータを得るのに必要であるが、
常時出力する必要がなければ、その計算を省略すればよ
い。
【0040】上記(b)項で述べた第2試験走行時におけ
る走行速度V1,V2{(41),(47)式}としては(a)項で述べ
た補正後の走行速度V′を用いるのが望ましい。しかし
試験走行を簡略化して上記第2試験走行を行わずに第1
試験走行時に補正に必要なデータを全て得るようにして
もよい。その場合には走行速度V1,V2として未補正の
データを用いればよい。この場合補正の精度が多少低下
するのみで、同様の効果が得られる。
【0041】分速度計算部4及び標高、位置計算部7の
動作は従来例と同様であるので説明を省略する。
【0042】この第2実施例の構成によれば、従来のI
NS演算部10の走行速度計算部3に続いて走行速度補
正部11が設けられ、走行速度と走行距離誤差δLとの
間の直線的関係よりあらかじめ求められた補正係数a,
bを用いて、走行速度と共に増加する車輪のスリップに
起因する速度誤差が補正される。また従来のピッチ角計
算部5に続いてピッチ角補正部12が設けられ、走行速
度と標高誤差δLVとの間の直線的関係よりあらかじめ
求めた補正係数c,dを用いて、サスペンション機構に
起因するピッチ角誤差が補正される。従ってこの第2実
施例によれば、これら補正された走行速度V′,ピッチ
角θ′を用いることにより走行速度と共に増加する車輪
のスリップ及びサスペンション機構に起因する誤差を軽
減して、従来例より極めて正確な標高、位置等の計測値
が得られる。
【0043】なお、第2実施例では、平坦地走行を前提
として走行速度Vと共に増加する車輪のスリップに起因
する走行速度誤差を補正したが、傾斜地を走行する場合
には、第1実施例で説明したように坂道走行時の車輪の
スリップに起因する走行速度誤差をさらに勘案して補正
を実行してもよい。
【0044】以上本発明の実施例について説明してきた
が、本発明はこれに限定されることなく請求項の記載の
範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当業者
には自明であろう。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の車両用慣
性航法装置によれば、車輪のスリップに起因する測定誤
差を軽減して、従来装置よりも正確な標高、位置等の計
測値を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用慣性航法装置の第1実施例
を示すブロック図である。
【図2】第1実施例において斜面の上り勾配及び下り勾
配と斜面のピッチ角θの正負符号との対応を示す説明図
である。
【図3】本発明の第2実施例を示すブロック図である。
【図4】平坦地走行時の走行速度Vに対する走行距離誤
差δLの直線的関係を示す説明図である。
【図5】走行速度Vに対する標高誤差δLvの直線的関
係を示す説明図である。
【図6】従来の車両用慣性航法装置のブロック図であ
る。
【図7】走行速度V、水平速度VH、鉛直速度VVとピッ
チ角θとの対応を示す説明図である。
【図8】水平速度VH、東方向水平速度VHE、北方向水
平速度VHNと方位角ψとの対応を示す説明図である。
【符号の説明】
1 オドメータ 2 ジャイロ部 3 走行速度計算部 4 分速度計算部 5 ピッチ角計算部 6 方位角計算部 7 標高、位置計算部 10 INS計算部 11 走行速度補正部 12 ピッチ角補正部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−215564(JP,A) 特開 昭62−273474(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01C 21/00 G01C 21/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オドメータと、ジャイロ部と、慣性航法
    装置演算部とにより構成され、その慣性航法装置演算部
    は、走行速度計算部と、走行速度補正部と、ピッチ角計
    算部と、方位角計算部と、分速度計算部と、標高、位置
    計算部とを具備する車両用慣性航法装置であって、 前記オドメータは、車輪の回転速度nを検出して前記走
    行速度計算部に入力するものであり、 前記走行速度計算部は、入力された車輪の回転速度nに
    スケールファクタを乗算して走行速度Vを計算し、前記
    走行速度補正部に入力するものであり、 前記走行速度補正部は、入力された前記走行速度Vに対
    して、車輪のスリップに起因する走行速度誤差を補正
    し、その補正した走行速度V′を前記分速度計算部及び
    標高、位置計算部にそれぞれ入力するものであり、 前記ジャイロ部は、車両のピッチ軸回りの回転角速度ω
    θを検出して前記ピッチ角計算部に入力すると共に車両
    の方位軸回りの回転角速度ωψを検出して前記方位角計
    算部に入力するものであり、 前記ピッチ角計算部は、入力された車両のピッチ軸回り
    の回転角速度ωθを積分して車両のピッチ角θを計算し
    て前記分速度計算部及び走行速度補正部に入力するもの
    であり、 前記方位角計算部は、入力された車両の方位軸回りの回
    転角速度ωψを積分して車両の方位角ψを計算して前記
    分速度計算部に入力するものであり、 前記分速度計算部は、入力された前記ピッチ角θ及び補
    正した走行速度V′と方位角ψより車両の東方向水平速
    度VHE、北方向水平速度VHN及び鉛直速度VVを計算し
    て前記標高、位置計算部に入力するものであり、 前記標高、位置計算部は、入力された前記走行速度
    V′、東方向水平速度VHE、北方向水平速度VHN及び鉛
    直速度VVより車両の出発点に対する標高LV、東方向位
    置LHE、北方向位置LHN及び走行距離Lの少なくともい
    ずれかを計算して出力するものであることを特徴とする
    車両用慣性航法装置。
  2. 【請求項2】 オドメータと、ジャイロ部と、慣性航法
    装置演算部とにより構成され、その慣性航法装置演算部
    は、走行速度計算部と、走行速度補正部と、ピッチ角計
    算部と、ピッチ角補正部と、方位角計算部と、分速度計
    算部と、標高、位置計算部とを具備する車両用慣性航法
    装置であって、 前記オドメータは、車輪の回転速度nを検出して前記走
    行速度計算部に入力するものであり、 前記走行速度計算部は、入力された車輪の回転速度nに
    スケールファクタを乗算して走行速度Vを計算し、前記
    走行速度補正部に入力するものであり、 前記走行速度補正部は、入力された前記走行速度Vに対
    して、車輪のスリップに起因する走行速度誤差を補正
    し、その補正した走行速度V′を前記ピッチ角補正部、
    分速度計算部及び標高、位置計算部にそれぞれ入力する
    ものであり、 前記ジャイロ部は、車両のピッチ軸回りの回転角速度ω
    θを検出して前記ピッチ角計算部に入力すると共に車両
    の方位軸回りの回転角速度ωψを検出して前記方位角計
    算部に入力するものであり、 前記ピッチ角計算部は、入力された車両のピッチ軸回り
    の回転角速度ωθを積分して車両のピッチ角θを計算し
    て前記ピッチ角補正部に入力するものであり、 前記方位角計算部は、入力された車両の方位軸回りの回
    転角速度ωψを積分して車両の方位角ψを計算して前記
    分速度計算部に入力するものであり、 前記ピッチ角補正部は、入力された車両のピッチ角θに
    対して、車両のサスペンション機構に起因するピッチ角
    誤差を補正し、その補正したピッチ角θ′を前記分速度
    計算部に入力するものであり、 前記分速度計算部は、入力された前記補正したピッチ角
    θ′及び走行速度V′と方位角ψより車両の東方向水平
    速度VHE、北方向水平速度VHN及び鉛直速度VVを計算
    して前記標高、位置計算部に入力するものであり、 前記標高、位置計算部は、入力された前記走行速度
    V′、東方向水平速度VHE、北方向水平速度VHN及び鉛
    直速度VVより車両の出発点に対する標高LV、東方向位
    置LHE、北方向位置LHN及び走行距離Lの少なくともい
    ずれかを計算して出力するものであることを特徴とする
    車両用慣性航法装置。
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