JP2843431B2 - 積層楕円偏光体及び液晶表示パネル - Google Patents

積層楕円偏光体及び液晶表示パネル

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JP2843431B2
JP2843431B2 JP2244794A JP24479490A JP2843431B2 JP 2843431 B2 JP2843431 B2 JP 2843431B2 JP 2244794 A JP2244794 A JP 2244794A JP 24479490 A JP24479490 A JP 24479490A JP 2843431 B2 JP2843431 B2 JP 2843431B2
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裕之 吉見
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、積層楕円偏光体の改良及び該偏光板を用い
た液晶表示パネルに関するものである。
<従来技術> STN(Super Twisted Nematic)液晶の複屈折性を利用
した高コントラストな液晶ディスプレイを用いて、パー
ソナルコンピュータやワードプロセッサなどにおける画
面の大型化が達成されている。かかるディスプレイはST
N液晶の複屈折性にもとづく楕円偏光で、偏光板を介し
た表示が一般に黄色系統ないし青色系統に着色する。そ
のため、楕円偏光を直線偏光に戻して着色を防止すべ
く、STN液晶の複屈折による位相差を補償する手段が講
じられる。
上記の手段として、液晶セルと偏光板の間に補償セル
を重ね合せるD−STN方式や、複屈折性フイルムからな
る位相差板を介在させるF−STN方式が採用されてい
る。
第2図は位相差板を介在させたF−STN方式の楕円偏
光体を示すもので、偏光板1′の透過軸X1と位相差板
2′の遅相軸X2の交差角度θは45゜が一般的であるが、
15゜〜75゜の範囲で用いることができる。
<発明が解決しようとする課題> しかしながら、補償セルや位相差板の位相差は、その
平面方向における屈折率の異方性に厚さ効果が加わるた
め、進相軸と遅相軸方向に視点角度(入射角に対応)を
上げた場合に、例えば相進軸側では位相差が大きくな
り、遅相軸側ではそれが小さくなるという位相差の視点
角度依存性を有することになる。このため視点を少し変
えるだけで再び着色表示が現れるなど、白黒表示として
みることができる視点角度が狭いという問題があった。
<課題を解決するための手段> 本発明はかかる従来の問題点を解決した新規な積層楕
円偏光体及び液晶表示パネルを提供するもので、その要
旨とするところは、偏光層の片面に遅相軸が該偏光層の
透過軸と交差する状態となる第1の複屈折層を配設し、
その層間に遅相軸が偏光層の透過軸と平行又は直交であ
る第2の複屈折層を介在させたことを特徴とする積層楕
円偏光体及び該積層楕円偏光体を液晶セルの少なくとも
片側に配置したことを特徴とする液晶パネルである。
<構成及び作用> 以下、図面により本発明を具体的に説明する。
第1図において、1は遠心ポリビニルアルコールフイ
ルムにヨウ素、二色性染料の如き偏光素子を吸着配向せ
しめてなる偏光板などから形成された偏光層であり、X1
は透過軸を示す。2は偏光層1の片面に配設された位相
差板からなる第1の複屈折層である。複屈折層2はその
遅相軸X2が偏光層1の透過軸X1と交差する状態、通常θ
が15゜〜75゜となるように配設される。
3は偏光層1と複屈折層2の層間に介在された位相差
板からなる第2の複屈折層であり、その遅層軸X3が偏光
層の透過軸X1と平行状態とされている。第2の複屈折層
3の遅相軸X3は、後述するように透過軸X1に対し直交と
なるように配されていてもよい。
上記において、複屈折層2及び3を構成する位相差板
としては、複屈折性の透明プラスチックフイルムから構
成することができ、通常はフイルムの延伸方向に遅相軸
が形成され、望ましくは一軸延伸したものがよい。
複屈折層3の位相差Δndは、特に限定されないが、20
0nm以上が望ましい。
一般に複屈折層(位相差板)の位相差と視点角度の関
係は、下記の式より求めることができる。
すなわち複屈折層(位相差板)の縦方向の屈折率を
nm、横方向のそれをnS、厚さ方向のそれをnzとし、厚さ
をd、視点角度(入射角に対応)をθとした場合、 (1)nm方向からみた場合の複屈折率差(Δnm)と位相
差(Rm): (ただしAは、nm 2nz 2/(nm 2sin2θ+nz 2cosθ)であ
る。) Rm=Δnm・d/cosθ (2)nS方向からみた場合の複屈折率差(Δns)と位相
差(Rs): (ただしBは、nS 2nz 2/(nS 2sin2θ+nz 2cos2θ)であ
る。) Rs=Δns・d/cosθ ちなみに前記の式を用いて、nm=1.5858、ns=1.582
4、nz1.5824、d=90μmの一軸延伸ポリカーボネート
フイルムからなる位相差板について求めた位相差と視点
角度の関係を第3図に示した。すなわち、視点角度を上
げた場合に、進相軸側では位相差が大きくなり(ns)、
遅相軸側では位相差が小さくなる(nm)という位相差の
視点角度依存性を有することがわかる。
本発明においては、遅相軸が偏光層の透過軸と平行又
は直交する複屈折層を介在させることによって、以下に
説明するように、視点角度による位相差の変化を小さく
することができる。
本来、遅相軸と透過軸を平行又は直交に配した場合
に、視点角度を0(垂直入射)とすると、位相差Rを有
していても、次式により、透過光Tには反映されない。
T=sin2(2φ)・sin2(π/λ・R) (ただし上式は直交ニコル間に位相差板を配した場合
で、φは透過軸と遅相軸の角度、λは光源波長、Rは位
相差Δndを示す) つまり、φ=0又はφ=90とした時は、Rの値に関係
なくT=0となる。
しかし乍ら、視点角度を上げた場合には、見掛け上、
透過軸と遅相軸がずれる現象が生じる。この現象は、偏
光板をクロスニコルの状態で視点角度を上げていった
際、遮光特性が悪くなることと同様の現象である。
このような透過軸と遅相軸がずれによって、φ≠0又
はφ≠90となり、位相差Rの効果が視点角度を上げるこ
とによって始めて顕れてくる。
すなわち、第1の複屈折層をnm方向からみた場合の位
相差Rmの減少及びnS方向からみた場合の位相差RSの拡大
を、第2の複屈折層で補償することによって小さくする
ことができるものである。このことを、以下の実施例に
よって更に詳細に説明する。
<実施例> 第1図における偏光層1として、日東電工(株)製の
偏光板(商品名,NPF−G1220DU)、第1の複屈折層2と
して日東電工(株)製の位相差板(商品名,NRF−RF45
0)、第2の複屈折層3として層2と同じ位相差板を用
いて積層した。第1の複屈折層2の位相軸X2は偏光層1
の透過軸X1に対してθ=45゜、第2の複屈折層3は透過
軸X1に対して平行となるように配設した。
他方、比較例として、上記と同様にして第2の複屈折
層3を介在させないもの(第2図)を作成した。
上記の実施例品と比較例品の各々を直交ニコル間に対
位角に設置し、透過光の分光スペクトルから視点角度
(入射角)に対する位相差の変化を測定した。その結
果、第4図に示すように、実施例品においては比較例品
に比べてnm方向及びnS方向の位相差の変化が小さいこと
が判る。
<発明の効果> 本発明の積層楕円偏光体は、以上の如く構成されてい
るので、視点角度による位相差の変化が小さい楕円偏光
特性を有するものである。従って、この積層楕円偏光体
を液晶セルの少なくとも片側に配置した液晶表示パネル
においては、視点角度の広い範囲にわたり着色防止が達
成された白黒ディスプレイが得られる。また、積層楕円
偏光体を構成する偏光層及び複屈折層を各々高分子フイ
ルムから形成することにより、かかる液晶表示パネルを
軽量化することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の構成を示す分解斜視説明図、第2図は
従来の構成を示す分解斜視図、第3図、第4図は視点角
度と位相差の関係を示したグラフである。 1……偏光層 2……第1の複屈折層 3……第2の複屈折層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02B 5/30 G02F 1/1335

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】偏光層の片面に遅相軸が該偏光層の透過軸
    と交差する状態となる第1の複屈折層を配設し、その層
    間に遅相軸が偏光層の透過軸と平行又は直交である第2
    の複屈折層を介在させたことを特徴とする積層楕円偏光
    体。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の積層楕円偏光体を液晶セ
    ルの少なくとも片側に配置したことを特徴とする液晶表
    示パネル。
  3. 【請求項3】積層楕円偏光体を構成する偏光層及び複屈
    折層が各々高分子フイルムから形成された請求項1記載
    の積層楕円偏光体又は請求項2記載の液晶表示パネル。
JP2244794A 1990-09-14 1990-09-14 積層楕円偏光体及び液晶表示パネル Expired - Lifetime JP2843431B2 (ja)

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