JP2842938B2 - 連続鋳造用フラックス - Google Patents

連続鋳造用フラックス

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は鋼の連続鋳造において鋳型内の溶鋼湯面上に
添加される連続鋳造用フラックスに関し、特にその溶融
特性を改善してフラックスに起因する鋳造欠陥の減少に
寄与することができる連続鋳造用フラックスに関する。
[従来の技術] 連続鋳造用フラックスは、鋳型内の溶鋼湯面上に投入
されて溶鋼の大気との接触による再酸化を防止すると共
に、溶鋼の湯面を保温する作用を有する。また、このフ
ラックスが溶鋼の熱により溶融した後は、スラグを形成
し、このスラグが溶鋼湯面に浮上してきたAl2O3等の介
在物を溶解吸収すると共に、鋳型と鋳片との間に介在し
て鋳片に潤滑性を付与したり、鋳型による鋳片の冷却を
均一化させる作用を有する。
従来、これらの作用を発揮する連続鋳造用フラックス
としてはCaO−SiO2−Al2O3系酸化物を基本成分とし、目
的に応じてLi2O、Na2O及びK2O等のアルカリ金属酸化
物、MgO及びBaO等のアルカリ土類金属酸化物、又はアル
カリ金属及びアルカリ土類金属の弗化物が添加されたも
のが使用されている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、近時、鉄鋼生産における生産性の向上
及び高品質化が推進される中で、連続鋳造においては、
高速鋳造のため、及び鋳型振動のハイサイクル化による
表面品質改善のために、鋳込み技術の開発が積極的に進
められている。このような高速鋳造及び鋳型振動のハイ
サイクル化は、鋳型と鋳片との間に焼き付きによる鋳片
の拘束性ブレイクアウト等、致命的な操業トラブルを発
生しやすくする。このため、連続鋳造用フラックスとし
ては、その溶融特性の改善が要望されているが、従来の
連続鋳造用フラックスは、このような要望を十分に満足
させるには至っていない。
また、このフラックスの溶融速度等の溶融特性は、吹
き込みアルゴンガス流量、鋳型内での溶鋼の流動に影響
を与える浸漬ノズル孔の吐出角度、又は磁気撹拌等の鋳
造条件によって著しい変動を受ける。
即ち、連続鋳造においては、浸漬ノズルの閉塞防止の
ために、ノズルの上部からアルゴンガスを吹き込んでい
るが、このガスが鋳型内を上昇して溶鋼湯面から外部に
放出される際に、溶鋼湯面上のフラックスに撹拌効果を
及ぼす。このため、ガス流量の多少により、フラックス
の溶融性が大きく影響を受ける。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであっ
て、種々の鋳造条件下においても溶融特性のバラツキが
少なく、安定して優れた鋳片品質を得ることができる連
続鋳造用フラックスを提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明に係る連続鋳造用フラックスは、金属炭酸塩と
して含有されるCO2が2〜5重量%、110℃から1000℃ま
で加熱される過程で放出される水分が0.5重量%以下で
あって、溶融点が900乃至1200℃であり、溶融収縮開始
点に至る温度域での線収縮率が0.5%以下であることを
特徴とする。
[作用] 本発明においては、CO2含有量及び水分量を所定の範
囲に規定すると共に、溶融温度及び軟化収縮特性を所定
の範囲に規定することにより、フラックスの溶融特性の
改善を図っている。
第1図は、フラックス中のCO2含有量と、吹き込みア
ルゴン(Ar)ガス流量と、フラックス溶融速度との関係
を示す。この第1図に示すデータは、第2図に示すよう
に、鋳型1内の溶鋼2の湯面上の一定区画を耐火物製枠
体3で囲み、表面のフラックスが完全に溶融してスラグ
4になったところへ、所定量のフラックス5を散布し、
再び完全に溶融するまでの時間を測定して求めたもので
ある。
このように、CO2含有量が2重量%未満の場合は、ア
ルゴン流量により溶融速度が大きく異なり、CO2含有量
が2重量%以上になると、その差は小さくなり、溶融速
度が安定するのが分かる。一方、CO2含有量が5重量%
を超える場合には、分解ガスによりフラックスが激しく
吹き上げられ、渦流式レベルセンサーが加熱されてその
機能を失ったり、粉塵が多量に発生したりして、操業上
著しい不具合を生じるため、好ましくない。また、フラ
ックス及びスラグ層を激しく撹拌することとなり、スラ
グ及び未溶融フラックス等の溶鋼への巻き込みが生じ、
介在物系の欠陥発生を助長させる。このため、CO2含有
量の上限は5重量%とした。
また、同様にフラックス中の水分、特に110〜1000℃
に加熱されるときに放出される所謂結晶水は、フラック
スの昇温時に蒸発にともなう顕熱を奪うため、その含有
量が多いと溶融が遅れる。このように、水分含有量によ
り溶融速度のバラツキが増大し、安定した良好な鋳造が
維持できなくなる。また、水分含有量は、多すぎる場合
は、ピンボール発生の原因となり、鋳片品質にも多大な
悪影響を及ぼすことが分かった。
即ち、フラックス中に含まれる水分量については、第
3図に示すようにこの水分が多量に含有される場合に
は、急激な加熱を受けると溶融速度が遅くなる。また、
このフラックス中の水分は鋳造中の湯面変動等によっ
て、溶鋼と直接接触してピンホールの原因となる。この
ため、水分量の上限を0.5重量%とした。
次に、フラックスの溶融温度(溶融点)及び加熱過程
の焼結現象に伴うフラックスの収縮特性について説明す
る。
溶融点 先ず、フラックスの溶融性を高めるためにはフラック
スの溶融点が低いことが必要である。即ち、溶融点が12
00℃を超えると、フラックスの溶融性が劣化し、特に高
速鋳造等のよう高溶融速度を要求される場合には、フラ
ックスの滓化不良によるブレイクアウトが発生しやす
い。一方、溶融点が低すぎると、フラックスの溶融速度
が速くなりすぎ、溶鋼湯面上に粉末状態で存在するフラ
ックス量が減少するため、溶鋼に対する保温性が低下し
てしまう。溶融速度はフラックス中に添加されるカーボ
ンの量によっても調整できるが、溶融点が900℃未満で
ある場合には、カーボンを添加してもフラックスの溶融
速度を調整することができなくなる。従って、フラック
スの溶融点を900乃至1200℃とする。
線収縮率 次に、例えば400℃から、溶融収縮開始点に達するま
でのフラックスの昇温過程において、フラックスが軟化
収縮しにくいことがスラグベアの発生を防止する上で必
要である。このため、この軟化収縮時における線収縮率
を0.5%以下と限定する。この線収縮率が0.5%を超える
場合には、スラグベアが発生し、良好な滓化性を示さな
い。
但し、このフラックスの軟化収縮特性は大気雰囲気中
において20℃/分の昇温速度にてフラックスを加熱し、
その膨張及び収縮挙動を経時的に測定することにより求
めたものである。
なお、400℃からの昇温過程としたのは、それ未満の
低温では焼結現象が認められないためである。
[実施例] 次に、本実施例及び比較例に係る種々の組成の連続鋳
造用フラックスを製造し、各フラックスの熱特性を測定
すると共に、各フラックスを使用して連続鋳造を行った
場合の焼結体の発生等のフラックスの溶融状況及び鋳片
の品質を調査した結果について説明する。
フラックスは、先ず、珪石、石灰、珪石灰、蛍石、炭
酸ソーダ、弗化ソーダ、マグネシアクリンカー、炭酸リ
チウム、炭酸バリウム、アルミナ、珪酸カルシウム系ガ
ラス等からなる原料粉末混合物を700〜800℃で加熱焼成
し、溶融点及び軟化収縮特性を改善した後、これを主原
料として50%以上使用し、更に成分調整用として珪石、
石灰、蛍石、ポルトランドセメント、アルミナ、マグネ
シアクリンカー等を加えると共に、カーボンブラック等
の単体のカーボンを溶融調整剤として添加し、下記第1
表に示す成分となるように製造した。第1表には、これ
らフラックスの組成と共に示差熱分析及び熱機械分析
(以下、TMAという)を使用して測定した熱特性値も示
した。
なお、溶融点は示差熱分析によるフラックスの溶融吸
熱ピーク温度として測定した。また、TMAでは、溶融に
ともない、収縮開始温度(以下、溶融収縮開始温度とい
う)に至る過程で生じる収縮挙動をとらえ、この線収縮
率を測定した。
第4図は横軸に時間をとり、縦軸に膨張量及び温度を
とって、フラックスの温度に対する軟化収縮特性の一例
を示すグラフ図である。この図に示すように、20℃/分
の昇温温度でフラックスを加熱したときに、例えば、56
3℃で軟化収縮を開始し、ΔLだけ収縮した後膨張に転
じ、その後865℃で溶融に伴う大きな収縮挙動が認めら
れる。
第1表に示す線収縮率は、融解時の収縮とは異なる軟
化時の収縮における収縮量ΔLを初期の試料の高さL0
対する比で表したものである。
第1表に示すフラックスを使用して、150×150mmサイ
ズのビレット連鋳の場合は鋳造速度1.6〜2.2m/分で、ま
た、250×(900〜1500)mmサイズのスラブ連鋳の場合は
鋳造速度1.0〜2.0m/分で鋳造テストを実施した。
第1表に示す実施例A〜Cのフラックスは、ビレット
連鋳に使用し、いずれもフラックス消費量が0.3〜0.6kg
/m2であり、ブレークアウト等の操業トラブルもなく、
またフラックスの著しい焼結体も発生せず、溶融性が良
好で、且つ鋳片の品質も良好なものであった。
実施例D,Eのフラックスは、スラグ連鋳に適用した。
いずれも、フラックス消費量が0.3〜0.5kg/m2と適正で
あり、スラグベアの発生もほとんどなく、溶融性が良好
であり、操業上何ら問題はなかった。また、鋳片品質に
関しても、連続鋳造から圧延へ鋳片を直送するHCR操業
の実施上、何ら支障はなく、製品も良好であった。
比較例FはCO2含有量が少ない場合の例であるが、ビ
レット連鋳に適用し、特にアルゴンガスを吹き込まない
鋳造において、フラックスの溶融状況が若干悪いのが観
察された。
比較例GはCO2含有量が逆に多すぎる場合の例であ
る。ビレット連鋳にてテストしたところ、フラックスの
吹き上げが激しく作業性が好ましくなかった。また、鋳
片にフラックス系の介在物欠陥の発生が認められた。
比較例Hは、水分含有量が0.5%を超える場合の例で
あり、スラグ連鋳に適用したところ、フラックスの溶融
が不規則となるのが認められた。
比較例Iは、CO2量が下限値を満足せず、且つ水分量
も上限値を超える例である。スラブ連鋳に適用したとこ
ろ、フラックス消費量が0.24kg/m2と減少し、溶融状況
もフラックスが団子状となるなど好ましくなかった。
[発明の効果] 以上説明したように本発明によれば、フラックスが加
熱される際に生じる焼結現象が抑制されるためにフラッ
クスの溶融性が極めて優れている。また、フラックスに
含有される熱分解ガスとしてのCO2量及び水分量を規定
しているために、実際の鋳造時に発生する種々の条件下
で、フラックスの溶融性がより安定的に良好なものとな
り、本発明は操業の安定及び優れた品質の鋳片製造に多
大なる効果をもたらすものである。
【図面の簡単な説明】
第1図はフラックス中のCO2含有量、Ar流量及び溶融速
度指数の関係を示すグラフ図、第2図はフラックスの溶
融試験方法を示す模式図であって、第2図(a)は平面
図、第2図(b)はそのB−B線による断面図、第3図
はフラックス中の水分量と溶融速度指数との関係を示す
グラフ図、第4図は線収縮率の測定方法を示すグラフ図
である。 1;鋳型、2;溶鋼、3;枠体、4;スラグ、5;フラックス

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属炭酸塩として含有されるCO2が2〜5
    重量%、110℃から1000℃まで加熱される過程で放出さ
    れる水分が0.5重量%以下であって、溶融点が900乃至12
    00℃であり、溶融収縮開始点に至る温度域での線収縮率
    が0.5%以下であることを特徴とする連続鋳造用フラッ
    クス。
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